JP2019117690A - 集電体及びこの集電体を備えている二次電池 - Google Patents

集電体及びこの集電体を備えている二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも安全性が高い二次電池を得ることができる集電体及びこの集電体を備えている二次電池を提供する。【解決手段】本発明の正極集電体28は、セパレータ10を介して重ね合わされた正極6及び負極8が渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔9を含んでいる円柱形状をしている電極群4に接合されており、電極群4の中心貫通孔9と対向する対向領域80に、中心貫通孔9の延びる方向に沿う方向に貫かれている第1半円貫通孔86及び第2半円貫通孔88と、これら第1半円貫通孔86及び第2半円貫通孔88を除いた部分により形成されており、中心貫通孔9の延びる方向と交差する方向に延びる交差部84とを有している。【選択図】図2

Description

本発明は、集電体及びこの集電体を備えている二次電池に関する。
二次電池においては、用途が拡大し、高率で充放電が行えるタイプの電池が開発されている。このような電池としては、例えば、以下に示すような密閉型のアルカリ二次電池が知られている。
密閉型のアルカリ二次電池は、電極群が有底円筒形状の外装缶にアルカリ電解液とともに収容され、外装缶の開口部が正極端子を含む封口体で密閉されることにより形成される。
上記した電極群の製造の手順としては、まず、正極及び負極を準備する。正極は、正極活物質、正極添加剤、樹脂製の結着剤等を含む正極合剤が正極基材に保持されて形成される。負極は、負極活物質、負極添加剤、樹脂製の結着剤等を含む負極合剤が負極芯体に保持されて形成される。準備された正極及び負極は、樹脂製のセパレータを間に挟んだ状態で重ね合わせられ、巻芯に巻き付けられて渦巻き状に巻回される。その後、当該巻芯は引き抜かれる。これにより、中心部分に中心貫通孔が形成されており、全体としてほぼ円柱形状である電極群が得られる。ここで、正極及び負極は、巻回作業に際し、互いに、電極群の軸線に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極及び負極の間には、所定サイズのセパレータが所定位置に配置される。そして、この状態で、正極、セパレータ及び負極は巻回される。その結果、電極群の一端面側から正極の端縁部が渦巻き状に突出し、電極群の他端面側から負極の端縁部が渦巻き状に突出する。
突出した正極端縁部には、金属製の板材で形成された正極集電体が溶接される。一方、突出した負極端縁部には、金属製の板材で形成された負極集電体が溶接される。これにより、正極は正極集電体と広い範囲で電気的に接続され、負極は負極集電体と広い範囲で電気的に接続されるので、集電効率が高められる。その結果、上記したような集電体を備えた電池においては高率での充放電が可能となる。
ここで、電池の組立の際に、外装缶内にアルカリ電解液を注入する注入工程がある。この注入工程において、アルカリ電解液が正極集電体上に溜まることを避け、電極群にアルカリ電解液がスムーズに行き渡るようにするために、正極集電体には、一般的に孔が設けられている。正極集電体に設けられる孔の主なものとしては、電極群の中心貫通孔と対向する部分に設けられている貫通孔(以下、集電体中央貫通孔という)が挙げられる。
集電体を備えた電池においては、更に高率での充放電特性を向上させるべく、電池の内部抵抗をより低くするために、集電リードを採用することが行われている。このような集電リードと集電体とを含む電池としては、例えば、特許文献1に示すような、電池が一般的に知られている。
ここで、集電リードの態様について、より具体的に説明する。かかる集電リードとしては、断面形状が矩形状あるいは長円形状である金属製の筒状体が用いられる。このような集電リードは、正極集電体と、正極端子を含む封口体との間に配設され、周壁の部分が、正極集電体及び封口体にそれぞれ溶接されている。ここで、筒状体の周壁のうち、正極集電体に溶接されている部分を底壁、封口体に溶接されている部分を頂壁、底壁と頂壁との間に延びている部分を側壁とする。これら底壁と頂壁との間の距離をなるべく短くする、つまり、側壁における、電池の軸線に沿った方向の長さをなるべく短くすることにより、電池の内部における通電経路を短縮することができる。その結果、電池の内部抵抗はより低くなる。
ところで、密閉型のアルカリ二次電池においては、正極と負極とを誤って充電してしまった場合(誤充電)、過充電してしまった場合、外部短絡させてしまった場合、誤って火中に投下してしまった場合などに、電池内にガスが異常発生して電池内の圧力が上昇してしまい、それにともない外装缶が変形して電池が破裂するおそれがある。そこで、このような電池の破裂を防止するために、密閉型のアルカリ二次電池においては、電池内で発生したガスの圧力が一定の値を超えた場合に開弁してガスを外部に放出する安全弁が設けられている。
このような安全弁は、通常、封口体に配設されている。ここで、安全弁を有する封口体の構造は、例えば、以下の通りである。
封口体は、通気孔を有する封口板であって、外装缶の開口に嵌め合わされる封口板と、この通気孔を塞ぐように配置された弁体と、この弁体を収容する正極端子を備えている。
封口板は、外装缶の開口部に合致する金属製の円板である。通気孔は、封口板の中央部分に設けられている。
正極端子は、例えば、一方の端部が開口し、他方の端部が閉塞した円筒状の部材であり、詳しくは、円筒状の周壁と、この周壁の一方端に位置付けられた開口と、この開口の周縁に設けられたフランジと、前記開口の反対側の他方端に位置付けられた端壁と、を有している。なお、この正極端子の周壁にはガス抜き孔が設けられている。
上記した弁体は、弾性材料、例えば、ゴム系材料により形成されており、その形状は、例えば、円柱状である。
この弁体は、正極端子の内部に収容され、正極端子の端壁と、上記した封口板との間で圧縮された状態にあり、所定の圧力まで通気孔の開口端を閉塞し、電池の密閉性を保つ。
ここで、正極端子は、上記のように弁体を収容した状態で、封口板に溶接される。詳しくは、正極端子のフランジが封口板に、例えば、抵抗スポット溶接される。
上記した弁体は、電池内にガスが異常発生し、電池内のガスの圧力が上昇して、所定の圧力を超えると、そのガスの圧力により弁体が弾性変形し、封口板の通気孔を開く。これにより、電池内のガスは通気孔及び正極端子のガス抜き孔を介して外部に放出され、電池の破裂は防止される。その後、電池内のガスの圧力の低下にともない弁体は元の形状に戻り封口板の通気孔を閉塞し、電池は再度密閉状態となる。
ところで、上記したような集電リードは、頂壁が封口体の封口板に溶接される。この頂壁においては、封口板の通気孔と重なる部分に頂壁貫通孔が設けられている。これにより、弁体が封口板の通気孔を開いた時に、当該通気孔を通るガスの流れを阻害しないようにしている。
また、上記したような集電リードは、底壁が正極集電体に溶接される。この底壁においては、正極集電体の集電体中央貫通孔と重なる部分に底壁貫通孔が設けられている。この底壁貫通孔は、電解液が底壁上に溜まることを避け、電解液が電極群にスムーズに行き渡るようにするために設けられている。なお、底壁貫通孔と、頂壁貫通孔とは、同軸線上に位置する態様となる。
特開2001−143684号公報
ところで、密閉型のアルカリ二次電池を、誤充電してしまった場合、過充電してしまった場合、外部短絡させてしまった場合、誤って火中に投下してしまった場合などには、電池内でガスが異常発生するとともに、電池が高温になる。ここで、電池の温度が、樹脂製のセパレータや、正極中の正極合剤及び負極中の負極合剤に含まれている樹脂成分が溶融してしまうほどの高温になると、セパレータや正極合剤及び負極合剤に含まれている樹脂成分が溶融してしまう。そして、これら樹脂成分が溶融して形成された溶融物は、電極群から分離して破片になることがある。このような溶融物の破片は、主に、電極群の中心貫通孔内に生じ易い。中心貫通孔内に生じた溶融物の破片は、電池の内圧が上昇し、弁体が変形して安全弁が開きかけると、放出されるガスとともに封口板の通気孔の部分に吸い寄せられる。つまり、安全弁が開きかけることにより、高圧の電池の内部から低圧の電池の外部へガスの流れが生じ、その流れにともない、電極群の中心貫通孔内の溶融物の破片は、中心貫通孔内を移動し、封口板の通気孔の部分に集まる。その結果、この溶融物の破片は、封口板の通気孔を塞ぐおそれがある。通気孔が塞がれてしまうと安全弁は機能しなくなるので、電池の内圧が上昇してもガスを外部に排出することができなくなる。その結果、電池が破裂するおそれがある。
このため、電池が高温となり内部の樹脂成分が溶融して溶融物が形成されたとしても、安全弁の動作が阻害されず、確実にガスを外部に放出できる二次電池の開発が望まれている。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも安全性が高い二次電池を得ることができる集電体及びこの集電体を備えている二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、密閉型の二次電池内に収容されている電極群に接合されている集電体であって、前記電極群が、セパレータを介して重ね合わされた一方極及び他方極が渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしており、当該電極群の円柱形状における一方の端部に接合されている集電体において、前記電極群の中心貫通孔と対向する対向領域に、前記中心貫通孔の延びる方向に沿う方向に貫かれている複数の集電体貫通孔と、前記集電体貫通孔を除いた部分により形成されており、前記中心貫通孔の延びる方向と交差する方向に延びる交差部とを有している、集電体が提供される。
また、本発明によれば、一方極の端子を兼ねており、開口を有している外装缶と、他方極の端子を含み、前記外装缶の開口を密閉している封口体と、前記外装缶の内部に電解液とともに収容されている電極群であって、一方極及び他方極がセパレータを介して重ね合わされて渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしている電極群と、前記電極群の一方の端部に接合されている集電体と、前記集電体と前記封口体とを接続する集電リードと、を備え、前記集電体は、請求項1に記載の集電体である、二次電池が提供される。
本発明に係る集電体は、電極群の中心貫通孔と対向する対向領域に、前記中心貫通孔の延びる方向に沿う方向に貫かれている複数の集電体貫通孔と、前記集電体貫通孔を除いた部分により形成されており、前記中心貫通孔の延びる方向と交差する方向に延びる交差部とを有している。このため、電池が高温になり溶融物の破片が生じたとしても、溶融物の破片は、当該交差部に引っかかるので、溶融物の破片が、封口板の通気孔の部分に集まって、通気孔を塞いでしまうことを防止することができる。その結果、安全弁の動作を阻害することは抑制され、電池が破裂してしまうことを防止することができる。このため、本発明によれば、従来よりも安全性が高い二次電池を得ることができる集電体及びこの集電体を備えている二次電池を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るニッケル水素二次電池を示した部分断面図である。 本発明の第1の実施形態の正極集電体を示した平面図である。 底壁側を上にした状態の集電リードを示した斜視図である。 頂壁側を上にした状態の集電リードを示した斜視図である。 本発明の第2の実施形態の正極集電体を示した平面図である。 本発明の第3の実施形態の正極集電体を示した平面図である。 比較例1の正極集電体を示した平面図である。
以下、本発明に係る集電体を含むアルカリ二次電池について、図面を参照して説明する。
(1)第1の実施形態
本発明が適用される第1の実施形態の二次電池として、図1に示すFAサイズの円筒形のニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
電池1は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶2を備え、外装缶2は導電性を有し、その底壁は負極端子として機能する。外装缶2の中には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群4が収容されている。
図1に示すように、外装缶2の開口3は封口体14によって閉塞されている。封口体14は、導電性を有する円板形状の封口板16、この封口板16の外面の上に配設された弁体20及び正極端子22を含んでいる。封口板16の外周部には、この封口板16を囲むようにリング形状の絶縁ガスケット18が配置され、絶縁ガスケット18及び封口板16は外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより外装缶2の開口縁17に固定されている。即ち、封口板16及び絶縁ガスケット18は互いに協働して外装缶2の開口3を封止している。ここで、封口板16は、中央に通気孔19を有し、そして、封口板16の外面の上には、通気孔19を閉塞するようにゴム製の弁体20が配置されている。更に、封口板16の外面の上には弁体20を覆うように正極端子22が電気的に接続されている。この正極端子は、一方の端部が開口し、他方の端部が閉塞した円筒状の部材であり、詳しくは、円筒状の周壁24と、この周壁24の一方端に位置付けられた開口25と、この開口25の周縁に設けられたフランジ26と、開口25の反対側の他方端に位置付けられた端壁27と、を有している。この正極端子22は弁体20を封口板16に向けて押圧している。また、この正極端子22は、周壁24にガス抜き孔23を有している。
通常時、通気孔19は弁体20によって気密に閉じられている。一方、外装缶2の内部にガスが発生し、ガスの圧力が高まれば、弁体20はガスの圧力によって圧縮され、通気孔19が開かれる。その結果、外装缶2内から通気孔19及び正極端子22のガス抜き孔23を介して外部にガスが放出される。つまり、通気孔19、弁体20及び正極端子22のガス抜き孔23は電池1のための安全弁を形成している。
電極群4は、それぞれ帯状の正極6、負極8及びセパレータ10を含み、これらは正極6と負極8との間にセパレータ10が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ10を介して正極6及び負極8が互いに重ね合わされている。このような電極群4は、全体としては円柱形状をなしている。
この電極群4においては、一方の端面から正極6の端縁部が渦巻状に露出しており、他方の端面から負極8の端縁部が渦巻状に露出している。ここで、露出している正極6の端縁部を正極接続端縁部32とし、露出している負極8の端縁部を負極接続端縁部(図示せず)とする。これら露出している正極接続端縁部32及び負極接続端縁部には、後述する正極集電体28及び負極集電体(図示せず)がそれぞれ溶接される。
負極8は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、帯状の金属材であり、その厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が多数設けられている。このような負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、導電材、結着剤等を含む。ここで、水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金であり、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられている水素吸蔵合金が好適に用いられる。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子及び導電材を互いに結着させるとともに負極合剤を負極芯体に結着させる働きをする。ここで、導電材としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。また、結着剤としては、ニッケル水素二次電池の負極に一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、親水性若しくは疎水性のポリマー、カルボキシメチルセルロースなどの樹脂系材料を用いることができる。
負極8は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のペーストを調製する。得られた負極合剤のペーストは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体にはロール圧延及び裁断が施される。これにより、負極の中間製品が得られる。この負極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この負極の中間製品における負極接続端縁部となるべき所定の端縁部については、負極合剤の除去が行われる。これにより、所定の端縁部は、負極芯体がむき出しの状態とされた負極接続端縁部となる。このようにして、負極接続端縁部を有する負極8が得られる。ここで、負極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、負極接続端縁部以外の領域には、負極合剤が保持されたままの状態である。
次に、正極6について説明する。
正極6は、導電性の正極基材と、この正極基材に保持された正極合剤とを含む。詳しくは、正極基材は、多数の空孔を有する多孔質構造をなしており、正極合剤は、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持されている。
正極基材としては、例えば、発泡ニッケルを用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子としての水酸化ニッケル粒子、導電材としてのコバルト化合物、結着剤等を含んでいる。上記した結着剤は、水酸化ニッケル粒子及び導電材を互いに結着させるとともに水酸化ニッケル粒子及び導電材を正極基材に結着させる働きをする。ここで、結着剤としては、ニッケル水素二次電池の正極に一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョン、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)ディスパージョンなどの樹脂系材料を用いることができる。
正極6は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質粒子(水酸化ニッケル粒子)の集合体である正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えば、発泡ニッケルに充填され、乾燥させられる。その後、水酸化ニッケル粒子等が充填された発泡ニッケルには、ロール圧延及び裁断が施される。これにより、正極の中間製品が得られる。この正極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この正極の中間製品における正極接続端縁部32となるべき所定の端縁部については、正極合剤の除去が行われ、正極基材がむき出しの状態とされる。次いで、正極合剤が除去された端縁部は、正極の中間製品の厚さ方向に圧縮加工され正極接続端縁部32となる。このように圧縮加工されることにより、正極基材は、稠密な状態となるので、この正極接続端縁部32は溶接がし易い状態となる。また、正極接続端縁部32にNiめっき鋼の薄板を接合することにより、正極接続端縁部32を更に溶接し易くする場合もある。このようにして、正極接続端縁部32を有する正極6が得られる。ここで、正極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去する方法が好適に用いられる。なお、正極接続端縁部32以外の領域には、正極合剤が充填されたままの状態である。
次に、セパレータ10としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
以上のようにして製造された正極6及び負極8は、上記したセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群4が形成される。詳しくは、巻回の際、正極6及び負極8は、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極6及び負極8の間には、所定サイズのセパレータ10が所定位置に配置され、この状態で巻回作業が行われる。その結果、円柱状の電極群4が得られる。得られた電極群4の態様としては、電極群4の一端側においては、正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側においては、負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
なお、電極群4は、上記した正極6、負極8及びセパレータ10が、所定の外径寸法を有する巻芯により巻回されて形成され、巻回作業後は、この巻芯が抜き取られるので、電極群4の中央部には、この中央部を貫く中心貫通孔9が形成されている。
以上より、電極群4は、全体として中心貫通孔9を有する円柱形状をなしている。そして、電極群4においては、当該電極群4の円柱形状における一方の端部を形成する正極接続端縁部32に正極集電体28が接続され、当該電極群4の円柱形状における他方の端部を形成する負極接続端縁部に負極集電体が接続される。
上記した負極集電体については、特に限定されるものではなく、例えば、従来から用いられている円板形状の金属板を用いることが好ましい。準備した負極集電体は、電極群4の他端側の負極接続端縁部に溶接される。
次に、正極集電体28について説明する。
正極集電体28は、導電性材料で形成された板状体であり、平面視形状は特に限定されるものではなく、円板形状、多角形状等任意の形状のものを採用することができる。また、正極集電体28の大きさは、電極群4の外径寸法よりも小さく、且つ、電極群4の一端側から突出している正極6の正極接続端縁部32をカバーできる大きさに設定される。
本実施形態においては、正極集電体28の外形形状は、図2に示すように、平面視した際の形状が十角形状である。この正極集電体28は、Niめっき鋼製の薄板を打ち抜き加工することにより形成される。
本発明に係る正極集電体28は、電極群4の一端側の正極接続端縁部32に溶接された状態のときに電極群4の中心貫通孔9の開口端と対向する領域(以下、対向領域80という)に、少なくとも一部が含まれている貫通孔(以下、集電体貫通孔82という)が2個以上穿設されている。これら集電体貫通孔82同士の間の部分は、板材が残った状態であり、対向領域80を横切る交差部84となる。
この交差部84は、正極集電体28が電極群4に接合された際に、電極群4の中心貫通孔9の延びる方向と交差する方向に延びている。
本実施形態においては、図2に示すように、集電体貫通孔82として、それぞれほぼ半円形状の第1半円貫通孔86及び第2半円貫通孔88が設けられている。詳しくは、第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88とは、図2中において上下対称であり、互いに間隔をあけて設けられている。これにより、第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88との間には、直線状の交差部90が形成されている。これら第1半円貫通孔86及び第2半円貫通孔88は、例えば、打ち抜き加工により形成される。
また、正極集電体28においては、対向領域80を囲むように放射状に延びる6個のスリット30を含んでいる。スリット30は、打ち抜き加工で形成し、スリット30のエッジの部分に下方(電極群4側)へ延びる突起(バリ)を生じさせることが好ましい。
更に、対向領域80の周囲の所定位置には、パンチプレス加工により、電極群4側とは反対側に突出する集電体突起部31を設けることが好ましい。この集電体突起部31の個数は特に限定されないが、例えば、図2に示すように4個設けることが好ましい。
電池1においては、図1に示すように、正極集電体28と封口体14との間に集電リード34が介在し、この集電リード34が、電極群4の正極6に接続されている正極集電体28と、正極端子22を有する封口体14とを電気的に接続する。
本実施形態において用いられる集電リード34は、図1から明らかなように、封口体14の封口板16に接続されている頂壁50と、正極集電体28に接続されている底壁36と、頂壁50の両側の端縁46、48及び底壁36の両側の端縁38、40の間にそれぞれ存在する一対の側壁42、44とを有している。
この集電リード34について、図3、4を参照して説明する。なお、図3においては、底壁36が上側に、頂壁50が下側になる状態で示しており、図4においては、底壁36が下側に、頂壁50が上側になる状態で示している。
底壁36は、図3から明らかなように、正方形状をなしており、中央に円形の底壁貫通孔51が設けられている。この底壁貫通孔51は、アルカリ電解液が底壁36上に溜まることを避け、電極群4へアルカリ電解液がスムーズに行き渡るようにするために設けられている。ここで、参照符号56で示された仮想円は、抵抗溶接が行われた場合に溶接部となる溶接予定箇所を示している。本実施形態では、底壁36における溶接予定箇所(底壁溶接予定部)56は、4箇所であり、底壁貫通孔51を囲むように、底壁36における4つのコーナー部付近にそれぞれ位置付けられる。
頂壁50は、図4から明らかなように、底壁36と対向する位置に位置付けられており、全体として長方形状をなしている。詳しくは、頂壁50は、その短辺方向の中央において長辺方向に沿って延びるスリット53により分割されている。つまり、頂壁50は、分割された一方の第1半体部52と、分割された他方の第2半体部54とを含んでいる。
これら第1半体部52及び第2半体部54は、詳しくは、底壁36と対向する対向部52c、54cと、この対向部52c、54cから頂壁50の長手方向に延びる延出部52a、52b、54a、54bとを有している。
第1半体部52の対向部52cにおける中央には、上記したスリット53に臨む半円形の第1半円切欠55が設けられている。また、第2半体部54の対向部54cにおける中央には、上記したスリット53に臨む半円形の第2半円切欠57が設けられている。これら第1半円切欠55及び第2半円切欠57は、互いに対向する位置に位置付けられており、全体として、ほぼ円形の頂壁貫通孔59を形成している。この頂壁貫通孔59は、集電リード34が封口体14に接合された際に、封口板16の通気孔19と重なる。
延出部52a、52b、54a、54bには、封口体14の側に向かって突出したリード突起部58が設けられている(図4参照)。このリード突起部58は、抵抗溶接を行う際に、溶接電流を集中させる部分として利用される。つまり、抵抗溶接では、このリード突起部58を加圧し、その状態でリード突起部58に大電流を集中して流すことにより生じる熱でリード突起部58を溶かし、部材同士の溶接が行われる。このリード突起部58は、頂壁50における溶接予定箇所(頂壁溶接予定部)68となる。
このリード突起部58は、例えば、パンチプレス加工により形成される。なお、図3における参照符号60は、延出部52a、52b、54a、54bにリード突起部58を設ける際にリード突起部58の裏側に生じた凹部を示す。
これら延出部52a、52b、54a、54bは、底壁36と対向する対向部52c、54cから外側に延びており、底壁36と重なることを避けている。このため、集電リード34を封口体14に抵抗溶接する際に、底壁36と干渉することなく抵抗溶接機の電極棒を延出部52a、52b、54a、54bに当接させることができる。また、延出部52a、52b、54a、54bが、底壁36と対向する対向部52c、54cから外側に延びていることで、集電リード34が封口体14に接合された際に集電リード34の安定性を高める働きをする。
側壁42、44は、図3に示すように、底壁36の両側の端縁38、40から頂壁50の両側の端縁46、48へ延びている。側壁42、44の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、台形状等任意の形状を採用することができる。
次に、電池1の組み立て手順の一例について説明する。
まず、上記したような電極群4を準備する。そして、電極群4の他方端側に負極集電体を接合した後、当該電極群4を外装缶の中に収容する。そして、外装缶の底壁に負極集電体を抵抗溶接する。
次いで、電極群4の一方端側に正極集電体28を載置し、電極群4における正極接続端縁部32と正極集電体28とが抵抗溶接される。このとき、正極集電体28のスリット30のバリと正極接続端縁部32とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極6の正極接続端縁部32と正極集電体28とが溶接される。
次いで、外装缶2内にアルカリ電解液を所定量注入する。外装缶2内に注入されたアルカリ電解液は、電極群4に保持され、その大部分はセパレータ10に保持される。このアルカリ電解液は、正極6と負極8との間での充放電の際の電気化学反応(充放電反応)を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH及びLiOHのうちの少なくとも一種を溶質として含む水溶液を用いることが好ましい。
一方、別工程において、封口体14の封口板16の内面と集電リード34の頂壁50とを抵抗溶接し、封口体14と集電リード34との複合体を形成しておく。詳しくは、集電リード34の頂壁50としての第1半体部52及び第2半体部54におけるリード突起部58と封口体14の封口板16の内面とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、これにより封口体14と集電リード34とが溶接された複合体が得られる。
次いで、上記した複合体を正極集電体28の上部へ載置する。このとき、集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56と、正極集電体28の集電体突起部31とが接触するように、正極集電体28のスリット30を基準にして複合体は位置合わせされる。また、封口体14の封口板16の外周縁には、絶縁ガスケット18が配設されており、封口板16は、この絶縁ガスケット18を介して、外装缶2の上端開口部に位置付けられる。
その後、電池1の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗溶接(プロジェクション溶接)を行う。このとき、正極集電体28の集電体突起部31と集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極集電体28と集電リード34の底壁36とが溶接される。
上記のような溶接が完了した後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止する。このようにして、電池1が形成される。
ここで、得られた電池1が、過充電等されてしまった場合、外部短絡されてしまった場合、あるいは誤って火中に投下されてしまった場合などに、ガスが異常発生するとともに高温になってしまう。すると、電極群4に含まれる樹脂成分が溶融して溶融物が生じることがある。この溶融物は、主に電極群4の中心貫通孔9内で生じ、安全弁の作動にともなう高圧の電池の内部から低圧の電池の外部へのガスの流れにより、中心貫通孔9内を移動し、封口板16の通気孔19に向かう。そうすると、溶融物は、通気孔19の部分に付着し、通気孔19を塞いでしまい、安全弁を作動できなくしてしまうおそれがある。しかし、上記のような本発明に係る電池1は、正極集電体28の中央部分に交差部84を有しており、この交差部84は、電極群4の中心貫通孔9が延びる方向と交差する方向に延びていることから、上記した溶融物が通気孔19の部分に到達することを阻害し、溶融物が通気孔19を塞ぐことを抑制する。その結果、安全弁が動作不能になることは避けられ、電池1の安全性の向上を図ることができる。
よって、本発明によれば、従来よりも安全性が高い二次電池を得ることができる集電体及びこの集電体を備えている二次電池を提供することができるといえる。
ここで、近年、各種機器の小型化が進んでおり、小型の機器についても高率での充放電が要求されている。このような状況にともない、小型の機器に使用される、FA形、AA形(R6形、単3形に相当)やAAA形(R03形、単4形に相当)といった小型の電池についてもより高率での充放電が要求されている。
これら小型の電池においては、D形(R20形、単1形に相当)やC形(R14形、単2形に相当)といった、外径が19mm以上の大型の電池の場合に比べ、構成部品をより小型化しなければならない。構成部品の小型化にともない、封口板の通気孔の径も小さくなり、溶融物により通気孔が閉塞され易くなっている。通気孔が閉塞されると、安全弁が正常に作動しなくなるので、電池の破裂がより発生し易くなっている。
このような状況に対し、本発明は、溶融物が生じても、当該溶融物が通気孔に到達することを抑制し、それにより安全弁が動作不能になることを防止することができるので、特に、高率放電特性に優れる小型の電池、具体的には、直径19mm未満の電池の破裂を抑えることに有効である。
(2)第2の実施形態
第2の実施形態の二次電池を説明するにあたり、上記した第1の実施形態の二次電池と同じ機能を発揮する部分には同一の参照符号を付して、これらの説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5は、第2の実施形態に係る正極集電体92を示す。この正極集電体92においては、集電体貫通孔82として、それぞれ円形状の第1円形貫通孔94、第2円形貫通孔96、第3円形貫通孔98及び第4円形貫通孔100が設けられている。これら第1円形貫通孔94、第2円形貫通孔96、第3円形貫通孔98及び第4円形貫通孔100は、対向領域80を周方向に4等分した位置にそれぞれ間隔をあけて設けられている。これにより、対向領域80には、ほぼ十字型の交差部102が設けられている。
(3)第3の実施形態
第3の実施形態の二次電池を説明するにあたり、上記した第1の実施形態の二次電池と同じ機能を発揮する部分には同一の参照符号を付して、これらの説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図6は、第3の実施形態に係る正極集電体104を示す。この正極集電体104においては、集電体貫通孔82として、それぞれ楕円形状の第1楕円形貫通孔106及び第2楕円形貫通孔108が設けられている。これら第1楕円形貫通孔106と、第2楕円形貫通孔108とは、図6中において左右対称であり、互いに間隔をあけて設けられている。これにより、対向領域80には、中央部分が細くなっているほぼI字型の交差部110が設けられている。
[実施例]
1.電池の製造
実施例1
(1)正極集電体の製造
まず、いわゆるSPCC(冷間圧延鋼板)に相当する鋼の薄板に厚さが2μmのNiめっきが施されたNiめっき鋼板を準備した。このNiめっき鋼板の厚さは0.40mmである。そして、このNiめっき鋼板に打ち抜き加工及びパンチプレス加工を施すことにより、図2に示すような、全体として十角形状をなしており、中央に第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88とを穿設することにより形成された直線状の交差部90と、第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88を囲むように放射状に延びる6個のスリット30と、4個の集電体突起部31とを含んでいるFAサイズ用の正極集電体28を製造した。
ここで、第1半円貫通孔86の曲率半径は1.5mm、第2半円貫通孔88の曲率半径は1.5mmとし、直線状の交差部90の幅は1.0mm、直線状の交差部90の長さは3.0mmとした。
(2)集電リードの製造
次に、いわゆるSPCC(冷間圧延鋼板)に相当する鋼の薄板に厚さが2μmのNiめっきが施されたNiめっき鋼板を準備した。このNiめっき鋼板の厚さは0.30mmである。そして、このNiめっき鋼板に打ち抜き加工及びパンチプレス加工を施すことにより、所定形状の集電リード34の中間製品を製造した。そして、この中間製品に折曲げ加工を施すことにより、図3及び図4に示すような、集電リード34を製造した。ここで、底壁貫通孔51の直径及び頂壁貫通孔59の直径は3.0mmとした。
(3)電極群の製造
次に、一般的なニッケル水素二次電池に用いられる正極6、負極8及びセパレータ10を準備した。これら正極6、負極8及びセパレータ10はそれぞれ帯状をなしている。準備した正極6及び負極8の間にセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回し、FAサイズ用の電極群4を形成した。巻回の際、正極6及び負極8を、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置するとともに、これら正極6及び負極8の間の所定位置にセパレータ10を配置し、この状態で巻回作業を行い、円柱状の電極群4を得た。得られた電極群4は、電極群4の一端側において正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側において負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。また、電極群4の中心には、巻芯を抜き取ったことにより生じた中心貫通孔9が形成されている。
ここで、得られた電極群4は、全体として、外径が17.0mm、高さが61.5mm、中心貫通孔9の内径が3.0mmである。
(4)電池の組立
次に、円板形状をなし、Niめっき鋼の薄板で形成されたFAサイズ用の負極集電体を準備した。この負極集電体は、電極群4の負極接続端縁部に溶接した。
次に、負極集電体が溶接された電極群4を有底円筒形状の外装缶2の中に収容した。そして、外装缶2の底壁の内面と負極集電体とを溶接した。
次に、電極群4の上端部に正極集電体28を載置し、電極群4における正極接続端縁部32と正極集電体28とを抵抗溶接した。
次に、外装缶2内にKOHを溶質として含むアルカリ電解液を所定量注入した。
次に、上記のようにして製造した集電リード34を封口体14に抵抗溶接し、封口体14と集電リード34との複合体を形成した。詳しくは、集電リード34の頂壁50としての第1半体部52及び第2半体部54におけるリード突起部58と封口体14の封口板16の内面とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、これにより封口体14と集電リード34とが溶接された複合体を得た。ここで、封口体14に含まれる封口板16の通気孔19は円形状をなし、その直径は1.8mmとした。
得られた複合体を正極集電体28の上部へ載置した。このとき、集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56と、正極集電体28の集電体突起部31とが接触するように、正極集電体28のスリット30を基準にして複合体を位置合わせした。また、封口体14の封口板16の外周縁には、絶縁ガスケット18を配設した。これにより、封口板16は、この絶縁ガスケット18を介して、外装缶2の上端開口部に位置付けられた状態となる。
その後、封口体14の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗溶接(プロジェクション溶接)を行った。このとき、正極集電体28の集電体突起部31と集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極集電体28と集電リード34の底壁36とが溶接された。
上記のような溶接が完了した後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止した。このようにして、公称容量4000mAhのFAサイズの電池1を組み立てた。
以上のような手順を繰り返すことにより、電池1を複数個製造した。
(5)初期活性化処理
得られた電池1に対し、温度25℃の環境下にて、0.1Itの充電電流で16時間の充電を行った後、0.2Itの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させる充放電作業を1サイクルとする充放電サイクルを3回繰り返した。このようにして初期活性化処理を行い、電池1を使用可能状態とした。
実施例2
第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88とを穿設することにより形成された直線状の交差部90の代わりに、図5に示すような、それぞれ円形状の第1円形貫通孔94、第2円形貫通孔96、第3円形貫通孔98及び第4円形貫通孔100が設けられ、これにより、ほぼ十字型の交差部102が形成されている正極集電体92を用いたことを除き、実施例1と同様にして電池を複数個製造し、当該電池を使用可能状態とした。
なお、第1円形貫通孔94、第2円形貫通孔96、第3円形貫通孔98及び第4円形貫通孔100の直径はそれぞれ1.0mmとした。また、第1円形貫通孔94の中心と第2円形貫通孔96の中心との間の長さは2.0mm、第2円形貫通孔96の中心と第3円形貫通孔98の中心との間の長さは2.0mm、第3円形貫通孔98の中心と第4円形貫通孔100の中心との間の長さは2.0mm、第4円形貫通孔100の中心と第1円形貫通孔94の中心との間の長さは2.0mmとした。交差部102において最も細い部分の幅の寸法は1.0mmとした。
実施例3
第1半円貫通孔86と第2半円貫通孔88とを穿設することにより形成された直線状の交差部90の代わりに、図6に示すような、それぞれ楕円形状の第1楕円形貫通孔106及び第2楕円形貫通孔108が設けられ、これにより、中央部分が細くなっているほぼI字型の交差部110が形成されている正極集電体104を用いたことを除き、実施例1と同様にして電池を複数個製造し、当該電池を使用可能状態とした。
なお、第1楕円形貫通孔106及び第2楕円形貫通孔108において、長径は3.0mm、短径は1.0mmとした。また、第1楕円形貫通孔106の中心と第2楕円形貫通孔108の中心との間の長さは2.0mmとし、I字型の交差部110の幅は最も細い部分で1.0mmとし、I字型の交差部110の長さは3.0mmとした。
比較例1
図7に示すような、交差部90のない円形の中央貫通孔29を有する正極集電体128を用いたことを除き、実施例1と同様にして電池を複数個製造し、当該電池を使用可能状態とした。
なお、中央貫通孔29の直径は3.0mmとした。
2.電池の評価
(1)過充電試験
初期活性化処理済みの実施例1〜3、比較例1の各電池をそれぞれ複数個準備し、これらの電池に対し、25℃の環境下で、2.5Itの充電電流で1時間充電する過充電試験を行った。
そして、過充電を行った後の各電池につき、破裂しているか否かの確認を行った。
その結果、実施例1〜3の電池については、破裂した電池は認められなかった。
一方、比較例1の電池については、破裂した電池が存在した。
また、過充電試験後の電池について、分解を行い、内部の状態の確認を行った。
その結果、比較例1の電池のうち破裂した電池については、溶融物が封口板16の通気孔19の部分に付着し、通気孔19を塞いでいた。このように通気孔19が塞がれると安全弁が正常に作動しないため、電池が破裂したものと考えられる。
一方、実施例1〜3の電池では、溶融物が、正極集電体28、92、104の交差部84に引っ掛かっており、封口板16の通気孔19の部分には付着していなかった。このため、安全弁が正常に作動し、電池の破裂は避けられたものと考えられる。
(2)バーナ燃焼試験
初期活性化処理済みの実施例1〜3、比較例1の電池に対し、充電操作を行い、満充電状態とした。
満充電状態の実施例1〜3、比較例1の各電池をそれぞれ複数個準備し、これら電池に対し、外装缶の周壁面にガスバーナの炎を当て、60秒間保持して加熱することにより燃焼試験を行った。その後、各電池を室温(25℃)まで自然冷却した。
自然冷却後の各電池につき、破裂しているか否かの確認を行った。
その結果、実施例1〜3の電池については、破裂した電池は認められなかった。
一方、比較例1の電池については、破裂した電池が存在した。
また、バーナ燃焼試験後の電池について、分解を行い、内部の状態の確認を行った。
その結果、比較例1の電池のうち破裂した電池については、溶融物が封口板16の通気孔19の部分に付着し、通気孔19を塞いでいた。このように通気孔19が塞がれると安全弁が正常に作動しないため、電池が破裂したものと考えられる。
一方、実施例1〜3の電池では、溶融物が、正極集電体28、92、104の交差部84に引っ掛かっており、封口板16の通気孔19の部分には付着していなかった。このため、安全弁が正常に作動し、電池の破裂は避けられたものと考えられる。
以上より、集電体における電極群4の中心貫通孔9に対向する部分に、交差部84を設けることにより、電池の破裂を抑制し、電池の安全性を向上させることができるといえる。
なお、本発明は上記した実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、交差部84の形状は、直線状、十字型、I字型に限定されるものではなく、格子状、ドット状としてもよい。
また、交差部84の形成方法としては、貫通孔を穿設する方法に限定されず、対向領域80の全体を穿つことにより設けた貫通孔に交差部84となる所定形状の部材を溶接する態様をとっても構わない。
また、上記した実施形態及び実施例では、外装缶に接続される側の極を負極とし、封口体に接続される側の極を正極としたが、本発明はこの態様に限定されるものではなく、外装缶に接続される側の極を正極とし、封口体に接続される側の極を負極としてもよい。
また、本発明において、電池の種類は、ニッケル水素二次電池に限定されず、ニッケル−カドミウム二次電池、リチウムイオン二次電池等であってもよい。
更に、本発明において、電池のサイズは、特に限定されず、FAサイズやAAサイズであってもよく、これら以外のサイズであってもよい。
<本発明の態様>
本発明の第1の態様は、密閉型の二次電池内に収容されている電極群に接合されている集電体であって、前記電極群が、セパレータを介して重ね合わされた一方極及び他方極が渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしており、当該電極群の円柱形状における一方の端部に接合されている集電体において、前記電極群の中心貫通孔と対向する対向領域に、前記中心貫通孔の延びる方向に沿う方向に貫かれている複数の集電体貫通孔と、前記集電体貫通孔を除いた部分により形成されており、前記中心貫通孔の延びる方向と交差する方向に延びる交差部とを有している、集電体である。
本発明の第2の態様は、一方極の端子を兼ねており、開口を有している外装缶と、他方極の端子を含み、前記外装缶の開口を密閉している封口体と、前記外装缶の内部に電解液とともに収容されている電極群であって、一方極及び他方極がセパレータを介して重ね合わされて渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしている電極群と、前記電極群の一方の端部に接合されている集電体と、前記集電体と前記封口体とを接続する集電リードと、を備え、前記集電体は、前述した本発明の第1の態様の集電体である、二次電池である。
1 ニッケル水素二次電池
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁ガスケット
22 正極端子
28 正極集電体
32 正極接続端縁部
34 集電リード
80 対向領域
82 集電体貫通孔
84 交差部

Claims (2)

  1. 密閉型の二次電池内に収容されている電極群に接合されている集電体であって、前記電極群が、セパレータを介して重ね合わされた一方極及び他方極が渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしており、当該電極群の円柱形状における一方の端部に接合されている集電体において、
    前記電極群の中心貫通孔と対向する対向領域に、前記中心貫通孔の延びる方向に沿う方向に貫かれている複数の集電体貫通孔と、前記集電体貫通孔を除いた部分により形成されており、前記中心貫通孔の延びる方向と交差する方向に延びる交差部とを有している、集電体。
  2. 一方極の端子を兼ねており、開口を有している外装缶と、
    他方極の端子を含み、前記外装缶の開口を密閉している封口体と、
    前記外装缶の内部に電解液とともに収容されている電極群であって、一方極及び他方極がセパレータを介して重ね合わされて渦巻き状に巻回され、当該渦巻き状の中心部を貫く中心貫通孔を含んでいる円柱形状をしている電極群と、
    前記電極群の一方の端部に接合されている集電体と、
    前記集電体と前記封口体とを接続する集電リードと、を備え、
    前記集電体は、請求項1に記載の集電体である、二次電池。
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