JP6853052B2 - 集電リード及びこの集電リードを含む二次電池の製造方法 - Google Patents

集電リード及びこの集電リードを含む二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、集電リード及びこの集電リードを含む二次電池の製造方法に関する。
充電が可能な二次電池においては、用途が拡大し、高率で充放電が行えるタイプの電池が開発されている。このような電池としては、例えば、以下に示すような円筒形アルカリ二次電池が知られている。
当該円筒形アルカリ二次電池は、電極群が有底円筒形状の外装缶にアルカリ電解液とともに収容され、外装缶の開口部が正極端子を含む封口体により密閉されることにより形成される。
上記した電極群は、セパレータを間に挟んだ状態で重ね合わされた正極及び負極が渦巻き状に巻回されて形成され、全体としてほぼ円柱形状をなしている。ここで、正極及び負極は、巻回作業に際し、互いに、電極群の軸線に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極及び負極の間には、所定サイズのセパレータが所定位置に配置される。そして、この状態で、正極、セパレータ及び負極は巻回される。その結果、電極群の一端面側から正極の端縁部が渦巻き状に突出し、電極群の他端面側から負極の端縁部が渦巻き状に突出する。
突出した正極端縁部には正極集電板が溶接され、突出した負極端縁部には負極集電板が溶接される。これにより、正極集電板は正極と広い範囲で電気的に接続され、負極集電板は負極と広い範囲で電気的に接続されるので、集電効率が高められる。その結果、当該電池においては高率充放電が可能となる。
この円筒形アルカリ二次電池の組み立ての手順としては、例えば、まず、外装缶内に電極群を挿入し、外装缶の底壁内面と負極集電板とが溶接される。これにより、負極端子を兼ねる外装缶と負極とが電気的に接続された状態となる。次いで、正極集電板の所定位置に、金属製の薄板からなる正極リボンの一端が溶接される。更に、正極リボンの他端が封口体の所定位置に溶接される。これにより、正極端子と正極とが電気的に接続された状態となる。その後、封口体が外装缶の上端開口部に絶縁ガスケットを介在させた状態で装着され、外装缶の上端開口部がかしめ加工されることにより、当該外装缶が密閉される。これにより円筒形アルカリ二次電池が形成される。
上記したような正極リボンは、封口体への溶接をし易くするために、比較的長めのものが用いられる。また、封口体が外装缶の上端開口部に装着されたとき、正極リボンは、外装缶内で封口体と電極群との間に屈曲するようにして収容される。このため、正極リボンは、屈曲させ易いように比較的薄いものが用いられる。
ところで、近年、アルカリ二次電池には、より高性能化が望まれており、特に、大電流を効率良く出力できるように高率放電特性をより向上させることが望まれている。
高率放電特性を向上させるためには、電池の内部抵抗をなるべく低くする必要がある。しかしながら、上記したような薄くて長い帯状の正極リボンを用いた場合、この正極リボンの比抵抗が高く、正極リボンが電池の内部抵抗を高める原因となっている。
そこで、電池の内部抵抗をより低くし、高率放電特性に優れる電池を得るために、従来よりも通電経路を短縮する検討が種々行われている。このような通電経路を短縮するための対策がとられた電池としては、例えば、特許文献1に示されるような電池が知られている。
特許文献1に代表される電池においては、従来の正極リボンに比べ、厚さが厚く長さが短い集電リードを用いる対策がとられている。詳しくは、特許文献1の電池を組み立てる際、正極集電板上には、特許文献1の図1等に示されるような所定形状の集電リードを溶接する。次いで、封口体を外装缶の開口部に絶縁ガスケットを介して配置し、外装缶の開口端縁を内方にかしめることによって電池を封口して、電池を組み立てる。この封口時点で、集電リードと封口体とは接触した状態となっている。その後、電池の正極端子と負極端子との間に通電することにより、正極の集電リードと封口体とが抵抗スポット溶接される。
特許文献1の電池は、外装缶を封口した後に集電リードと封口体との溶接を行うことが可能となるため、外装缶を封口する前に集電リードと封口体との溶接をする必要がなくなる。これにより、集電リードが短くても容易に外装缶の開口部に封口体を装着することが可能となる。このように、集電リードが短くなれば、通電経路を短縮できるので、電池の内部抵抗を低減することが可能となる。また、特許文献1の電池は、外装缶内で集電リードを屈曲させる必要がないので、正極リボンよりも厚さが厚い集電リードを用いることが可能になる。このように、厚さが厚い集電リードを用いれば、通電経路を太くでき、これによっても電池の内部抵抗を低減することができる。
このように、特許文献1の電池は、従来の電池に比べて電池の内部抵抗は低くなるので高率放電特性に優れている。
特許第3547931号公報
ところで、外装缶の上端開口縁をかしめ加工して封口体を外装缶に装着する際や、集電板、集電リード及び封口体を抵抗スポット溶接する際、電池には、その軸線方向に沿って圧縮荷重が作用する。このような圧縮荷重が作用すると、集電板が変形し電極群を圧迫してしまう。そうすると、電池においては、電極群の正極や負極の端部が折れ曲がるなどして内部短絡が引き起こされるおそれがある。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、優れた高率放電特性を維持しつつ、内部短絡の発生が従来よりも少ない二次電池を得ることができる集電リード及びこの集電リードを含む二次電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、端子を含んでいる封口体と、電極群に取り付けられている集電板とを接続するために、前記封口体と前記集電板との間に介在せしめられる二次電池用の集電リードにおいて、前記封口体の側に位置する頂壁と、前記頂壁に対向し、前記集電板の側に位置する底壁と、前記頂壁の側縁と前記底壁の側縁との間に延びており、互いに対向している一対の側壁とを有しており、前記頂壁と前記側壁とにより形成されるコーナー部及び前記底壁と前記側壁とにより形成されるコーナー部が湾曲したラウンドコーナーである、集電リードが提供される。
また、二次電池を組み立てる際の前記封口体の降下量をAとし、前記集電リードを構成する材料の厚さをBとし、前記集電板の厚さをCとした場合、前記ラウンドコーナーの曲率半径の必要最低限の値Dminが、以下の式で示す関係を満たしている構成とすることが好ましい。
Figure 0006853052
ただし、α、β、γ及びδの各定数は、それぞれ、α=−13.128、β=−4.8986、γ=20.978、δ=6.8538であり、B及びCは、B>0.25mm、0.25mm<C≦0.40mmの関係を満たしている。
また、前記集電リードを構成する材料の厚さが0.30mmであり、二次電池を組み立てる際の前記封口体の降下量が0.6mmである場合に、前記ラウンドコーナーの曲率半径Dが、0.7mm≦D≦1.2mmの関係を満たしている構成とすることが好ましい。
また、本発明によれば、上記した集電リードを準備する集電リード準備工程と、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされてなる電極群を準備する電極群準備工程と、前記電極群を外装缶に収容する電極群収容工程と、前記電極群と前記電極群の上に載置された集電板との間、前記集電板と前記集電板の上に載置された前記集電リードとの間、及び、前記集電リードと前記集電リードの上に載置された端子を含む封口体との間を、加圧しながら溶接する溶接工程と、前記封口体を前記外装缶にかしめ加工して取り付け、前記外装缶を封口する封口工程と、を備えている、集電リードを含む二次電池の製造方法が提供される。
本発明の集電リードは、コーナー部が湾曲したラウンドコーナーであるので、変形し易い。このため、電池の製造過程において圧縮荷重が作用した場合に、集電リードが優先的に変形する。これにより、集電板の変形は抑制されるので、電極群が圧迫されることも抑制される。また、本発明の集電リードは、変形し易くすることができる構造を有しているので、構成する金属板の厚さを比較的厚くしても集電リードを変形させることは容易である。このため、集電リードの厚さを比較的厚くすることができるので、電池の内部抵抗を低く抑えることができる。よって、本発明によれば、優れた高率放電特性を維持しつつ、内部短絡の発生が従来よりも少ない二次電池を得ることができる集電リード及びこの集電リードを含む二次電池の製造方法を提供することができる。
本発明に係る円筒形のニッケル水素二次電池を示した部分断面図である。 正極集電板を示した平面図である。 集電リードを示した斜視図である。 図3におけるIV−IV線に沿った断面図である。 集電リードの中間製品を示した平面図である。 降下量Aと電極群への合計荷重σとの関係を示したグラフである。 第1の関係式における係数と曲率半径Dとの関係を示したグラフである。 集電板厚さCと正極集電板の座屈発生荷重との関係を示したグラフである。 第2の関係式における係数とリード厚さBとの関係を示したグラフである。 計算例1における曲率半径Dと集電板厚さCとの関係を示したグラフである。 計算例1における曲率半径Dと部品全高(2D+C)との関係を示したグラフである。 計算例2における曲率半径Dと集電板厚さCとの関係を示したグラフである。 計算例2における曲率半径Dと部品全高(2D+C)との関係を示したグラフである。 封口体、集電リード、集電板及び電極群の形状の変化の解析結果を示す解析図である。
以下、本発明に係る集電リードを含むアルカリ二次電池について、図面を参照して説明する。
本発明が適用される一実施形態の二次電池として、図1に示すAAサイズの円筒形のニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
電池1は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶2を備え、外装缶2は導電性を有し、その底壁は負極端子として機能する。外装缶2の中には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群4が収容されている。
図1に示すように、外装缶2の開口3は封口体14によって閉塞されている。封口体14は、導電性を有する円板形状の蓋板16、この蓋板16の上に配設された弁体20及び正極端子22を含んでいる。蓋板16の外周部には、この蓋板16を囲むようにリング形状の絶縁ガスケット18が配置され、絶縁ガスケット18及び蓋板16は外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより外装缶2の開口縁17に固定されている。即ち、蓋板16及び絶縁ガスケット18は互いに協働して外装缶2の開口3を封止している。ここで、蓋板16は、中央に中央貫通孔19を有し、そして、蓋板16の外面上には、中央貫通孔19を閉塞するようにゴム製の弁体20が配置されている。更に、蓋板16の外面上には弁体20を覆うようにフランジ付きの円筒形状の正極端子22が電気的に接続されている。この正極端子22は弁体18を蓋板16に向けて押圧している。また、この正極端子22は、側面にガス抜き孔23を有している。
通常時、中央貫通孔19は弁体20によって気密に閉じられている。一方、外装缶2の内部にガスが発生し、ガスの圧力が高まれば、弁体20はガスの圧力によって圧縮され、中央貫通孔19が開かれる。その結果、外装缶2内から中央貫通孔19及び正極端子22のガス抜き孔23を介して外部にガスが放出される。つまり、中央貫通孔19、弁体20及び正極端子22のガス抜き孔23は電池1のための安全弁を形成している。
電極群4は、それぞれ帯状の正極6、負極8及びセパレータ10からなり、これらは正極6と負極8との間にセパレータ10が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ10を介して正極6及び負極8が互いに重ね合わされている。このような電極群4は、全体としては円柱状をなしている。
この電極群4においては、一方の端面から正極6の端縁部が渦巻状に露出しており、他方の端面から負極8の端縁部が渦巻状に露出している。ここで、露出している正極6の端縁部を正極接続端縁部32とし、露出している負極8の端縁部を負極接続端縁部(図示せず)とする。これら露出している正極接続端縁部32及び負極接続端縁部には、後述する正極集電板28及び負極集電板(図示せず)がそれぞれ溶接される。
負極8は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、その厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が多数分布されている帯状の金属材からなる。このような負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、導電材、結着剤等を含む。ここで、水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金であり、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられている水素吸蔵合金が好適に用いられる。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極芯体に結着させる働きをなす。ここで、導電材及び結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
負極8は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のペーストを調製する。得られた負極合剤のペーストは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体はロール圧延及び裁断が施され、負極の中間製品が得られる。この負極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この負極の中間製品における負極接続端縁部となるべき所定の端縁部については、負極合剤の除去が行われる。これにより、所定の端縁部は、負極芯体がむき出しの状態とされた負極接続端縁部となる。このようにして、負極接続端縁部を有する負極8が得られる。ここで、負極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、負極接続端縁部以外の領域には、負極合剤が保持されたままの状態である。
次に、正極6について説明する。
正極6は、多孔質構造をなし多数の空孔を有する導電性の正極基材と、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持された正極合剤とを含む。
正極基材としては、例えば、発泡ニッケルを用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子としての水酸化ニッケル粒子、導電材としてのコバルト化合物、結着剤等を含んでいる。上記した結着剤は、水酸化ニッケル粒子及び導電材を互いに結着させると同時に正極合剤を正極基材に結着させる働きをなす。ここで、結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
正極6は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質粒子からなる正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えば、発泡ニッケルに充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填された発泡ニッケルは、ロール圧延されてから所定形状に裁断され、正極の中間製品が得られる。この正極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この正極の中間製品における正極接続端縁部32となるべき所定の端縁部については、正極合剤の除去が行われ、正極基材がむき出しの状態とされる。次いで、正極合剤が除去された端縁部は、正極の中間製品の厚さ方向に圧縮加工され正極接続端縁部32となる。このように圧縮加工されることにより、正極基材は、稠密な状態となるので、この正極接続端縁部32は溶接がし易い状態となる。このようにして、正極接続端縁部32を有する正極6が得られる。ここで、正極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、正極接続端縁部32以外の領域には、正極合剤が充填されたままの状態である。
次に、セパレータ10としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
以上のようにして製造された正極6及び負極8は、上記したセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群4が形成される。詳しくは、巻回の際、正極6及び負極8は、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極6及び負極8の間には、所定サイズのセパレータ10が所定位置に配置され、この状態で巻回作業が行われる。その結果、円柱状の電極群4が得られる。得られた電極群4の態様としては、電極群4の一端側においては、正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側においては、負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
なお、電極群4は、上記した正極6、負極8及びセパレータ10が、所定の外径寸法を有する巻芯により巻回されて形成され、巻回作業後は、この巻芯が抜き取られるので、電極群4の中央には貫通孔9が形成されている。
以上のような電極群4においては、一端側に正極集電板28が接続され、他端側に負極集電板が接続される。
まず、負極集電板については、特に限定されるものではなく、例えば、従来から用いられている円板形状の金属板を用いることが好ましい。準備した負極集電板は、電極群4の他端側の負極接続端縁部に溶接される。
次に、正極集電板28について説明する。
正極集電板28は、導電性材料からなる板状体であり、平面視形状は特に限定されるものではなく、円板形状、多角形状等任意の形状のものを採用することができる。また、正極集電板28の大きさは、電極群4の外径寸法よりも小さく、且つ、電極群4の一端側から突出している正極6の正極接続端縁部32をカバーできる大きさに設定される。
本実施形態においては、図2に示すように、平面視形状が十角形状の板材が用いられる。詳しくは、正極集電板28は、全体として十角形状のNiめっき鋼製の薄板であり、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいる。スリット30は、打ち抜き加工で形成し、スリット30のエッジの部分に下方(電極群4側)へ延びる突起(バリ)を生じさせることが好ましい。
電池1においては、図1に示すように、正極集電板28と封口体14との間に集電リード34が介在し、この集電リード34が、電極群4の正極6に接続されている正極集電板28と、正極端子22を有する封口体14とを電気的に接続する。
集電リード34は、例えば、図3に示すように、封口体14と接続される矩形状の頂壁部(頂壁)36と、頂壁部36の所定の側縁38、40から延び、互いに対向する一対の側壁部(側壁)42、44と、側壁部42、44における頂壁部36とは反対側の端縁46、48から延び、頂壁部36と対向する脚部(底壁)50、52とを有している。この脚部(底壁)50、52は、正極集電板28と接続される。
頂壁部36は、中央に円形の貫通孔54が設けられている。この貫通孔54は、集電リード34が封口体14に接続された際に、蓋板16の中央貫通孔19と連通する。また、貫通孔54の周囲には、溶接点となる突起部56が4個設けられている。
集電リード34の断面を示した図4から明らかなように、集電リード34は、側壁部42と頂壁部36とにより形成される第1コーナー部39、頂壁部36と側壁部44とにより形成される第2コーナー部41、側壁部44と脚部52とにより形成される第3コーナー部47及び脚部50と側壁部42とにより形成される第4コーナー部49を有している。これら第1〜4コーナー部39、41、47、49は、湾曲した形状をなすラウンドコーナーである。
このように、第1〜4コーナー部39、41、47、49がラウンドコーナーであると、集電リード34は、図4における矢印A及び矢印B方向に荷重が作用した場合に圧縮される方向に変形し易い。
脚部50、52は、図3に示すように、側壁部42、44の長手方向に沿う方向に延びる延出部50a、50b、52a、52bを有している。これら延出部50a、50b、52a、52bは、脚部(底壁)50、52における頂壁部36と対向する領域よりも外側に延びている。このため、延出部50a、50b、52a、52bは、集電リード34が正極集電板28に接続された際に集電リード34の安定性を高める働きをする。これら延出部50a、50b、52a、52bには、正極集電板28の側に向かって突出した突起部58が設けられている(図4参照)。この突起部58も溶接点となる。
ここで、突起部56及び突起部58は、例えば、プレス加工により形成される。なお、図3における参照符号60は、脚部50、52に突起部58を設ける際に突起部58の裏側に生じた凹部を示す。
この集電リード34は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、金属製の薄板を加工することにより、図5に示すような、平面視形状がほぼH形の薄板からなる集電リードの中間製品62を準備する。なお、この薄板は、従来の正極リボンに比べて十分厚い。この中間製品62において、両側部に位置付けられた長尺部分が、脚部50、52となる脚部予定領域70、72である。脚部予定領域70、72の内側に連なる領域は、側壁部42、44となる側壁部予定領域74、76である。そして、側壁部予定領域74と側壁部予定領域76との間に挟まれた領域が、頂壁部36となる頂壁部予定領域78である。
更にこの中間製品62には、打ち抜き加工により、頂壁部予定領域78の中央に貫通孔54が穿設される。
次いで、貫通孔54の周囲の所定位置及び脚部予定領域70、72の両端部の所定位置に、プレス加工により、突起部56、58を設ける。
その後、仮想線80、82、84、86の部分を折り曲げることにより、図3に示すような集電リード34を形成する。
なお、本実施形態では、脚部50と、脚部52との間に間隙を設け、底壁部を二つに分けているが、本発明は、この態様に限定されるものではなく、脚部50と、脚部52とを連結し、これら脚部50及び脚部52が一体化された一つの底壁部としても構わない。
次に、電池1の組み立ての手順の一例について説明する。
上記のような電極群4を準備する。そして、電極群4の他端側に負極集電板を接続した後、当該電極群4を外装缶の中に収容する。そして、外装缶の底壁に負極集電板を抵抗スポット溶接する。
次いで、電極群4の一端側に正極集電板28を載置し、更に、正極集電板28の上部へ集電リード34を載置する。このとき、集電リード34は、所定位置に配置されるように、正極集電板28のスリット30を基準に位置合わせされる。そして、電極群4、正極集電板28及び集電リード34が抵抗スポット溶接される。これにより、正極6の正極接続端縁部32と正極集電板28とが溶接され、正極集電板28と集電リード34の脚部50、52とが溶接される。
次いで、外装缶2内にアルカリ電解液を所定量注入する。外装缶2内に注入されたアルカリ電解液は、電極群4に保持され、その大部分はセパレータ10に保持される。このアルカリ電解液は、正極6と負極8との間での充放電の際の電気化学反応(充放電反応)を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH及びLiOHのうちの少なくとも一種を溶質として含むアルカリ電解液を用いることが好ましい。
その後、外装缶2の上端開口部に絶縁ガスケット18を介して封口体14を配置する。このとき、集電リード34と封口体14とは接触している。
その後、電池1の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗インダイレクトスポット溶接を行う。これにより、集電リード34の頂壁部36と封口体14の蓋板16とが溶接される。
その後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止する。
ここで、集電リード34の頂壁部36においては、突起部56が封口体14の蓋板16と当接するように配置される。そして、抵抗インダイレクトスポット溶接が行われるとき、突起部56の部分に溶接電流が集中し、突起部56の一部が溶融して集電リード34の頂壁部36と蓋板16とが接続される。
以上のようにして、正極6と正極端子22とが、正極集電板28、集電リード34及び蓋板16を介して電気的に接続され、電池1が形成される。
上記したような抵抗スポット溶接の際及びかしめ加工の際、電池1には、その軸線に沿う方向に圧縮荷重が作用する。それにともない、電極群4、正極集電板28、集電リード34等の電池1を構成する部品にも圧縮荷重が作用する。ここで、集電リード34は、上記したように第1〜4コーナー部39、41、47、49がラウンドコーナーとなっているので、頂壁部36と脚部50、52とが近づく方向、つまり、図4の矢印A及び矢印Bで示す方向(以下、圧縮方向という)に圧縮荷重が作用すると、側壁部42、44の変形が起こり易い。つまり、集電リード34は、変形が起こり易い形状となっている。このように集電リード34の変形が起こり易いと、集電リード34が優先的に変形し、正極集電板28の変形を抑え、正極集電板28が電極群4を圧迫することを抑制することができる。その結果、内部短絡の発生を抑制することができる。
本発明においては、集電リード34を変形し易くするために、上記したように、第1〜4コーナー部39、41、47、49をラウンドコーナーとしている。ここで、集電リード34の変形のし易さの度合いは、概ねラウンドコーナーの曲率半径に依存していると考えられる。つまり、ラウンドコーナーの曲率半径が小さければ小さいほど側壁部42、44の平坦面の領域が多くなるので、圧縮方向に荷重が作用しても側壁部42、44は曲がり難く、逆に、ラウンドコーナーの曲率半径が大きければ大きいほど側壁部42、44の平坦面の領域は少なくなるので、圧縮方向に荷重が作用すると側壁部42、44は曲がり易い。
本願発明者は、好ましいラウンドコーナーの曲率半径を求めるべく、以下のような検討を行った。
まず、抵抗スポット溶接及びかしめ加工の一連の作業の前と後で封口体が外装缶2内に押し込まれる量すなわち封口体の降下量を「降下量A」とし、集電リード34を構成する金属製の薄板の厚さを「リード厚さB」とし、正極集電板28を構成する金属製の薄板の厚さを「集電板厚さC」とし、集電リード34のラウンドコーナーの曲率半径を「曲率半径D」とする。
集電リードのラウンドコーナーの曲率半径を0.4mm〜0.9mmまで0.1mm毎に変化させた場合の降下量A[mm]と電極群への合計荷重σ[kgf/cm]との関係を求めた。その結果を図6に示す。この図6より、降下量Aと電極群への合計荷重σとは比例関係にあることがわかる。
図7は、曲率半径D[mm]における降下量A[mm]と電極群への合計荷重σ[kgf/cm]の関係をプロットした際に、得られる荷重曲線を二次式で近似した傾きと切片の関係を示している。ここで、A、D、σの関係式を第1の関係式(I)として、以下に示す。
Figure 0006853052
ここで、第1の関係式(I)において、−2.456D+3.9243の部分は、傾きの近似式を表し、−1.673D+2.3413の部分は、切片の近似式を表している。また、図7において、縦軸は第1の関係式における係数を表し、横軸は曲率半径Dを表している。
この図7より、曲率半径Dが大きくなると荷重負荷の増加が抑制されることがわかる。
集電板厚さC[mm]と正極集電板の座屈発生荷重[kgf/cm]との関係は、図8に示す通りである。この図8より、集電板厚さCが増すと座屈発生荷重の限界が引き上げられることがわかる。
図9は、リード厚さB[mm]における、降下量A[mm]と電極群への合計荷重σ[kgf/cm]の関係をプロットした際に得られる荷重曲線を、断面二次モーメントに従い、厚みの2.5乗式で近似した傾きと切片の関係を示している。ここで、A、D、σの関係式にBを加えた修正項(関係式)を第2の関係式(II)として、以下に示す。
Figure 0006853052
ここで、第2の関係式(II)において、(−49.82D+79.61)B2.5の部分は、傾きの近似式を表し、(−18.59D+26.01)B2.5の部分は、切片の近似式を表している。また、図9において、縦軸は第2の関係式における係数を表し、横軸はリード厚さBを表している。
この図9より、リード厚さBが増すと荷重負荷が増加することがわかる。
上記した降下量A、リード厚さB、集電板厚さC及び曲率半径Dの各パラメータの関係を数式化すると、以下の(III)式のように表すことができる。
Figure 0006853052
この(III)式を用いることにより、例えば、必要な最小の曲率半径Dを求めることができる。
また、電池の内部抵抗の良好な低減効果が得られる限界の厚さからリード厚さBを設定し、製造公差から限界の降下量Aを設定した場合に、(III)式を用いることにより、正極集電板の変形(座屈)を抑制することができる曲率半径D及び集電板厚さCの組合せを求めることができる。
ところで、近年、各種機器の小型化が進んでおり、小型の機器についても高率での放電が要求されている。このような状況にともない、小型の機器に使用される、AA形(R6形、単3形に相当)やAAA形(R03形、単4形に相当)といった小形の電池についてもより高率での放電が要求されている。
しかしながら、これら小形の電池においては、D形(R20形、単1形に相当)やC形(R14形、単2形に相当)の大型の電池の場合に比べ、集電リードを小形化しなければならない。集電リードの小形化にともない、集電リードの可撓性が低下することから、電池の軸線方向に圧縮荷重をかけると、集電リードが十分に変形せず、集電板にダイレクトに荷重が作用する。そうすると、正極集電板が変形し、電極群を圧迫して短絡がより発生し易くなっている。また、小形の電池では、電極群の巻回数が少ないため、電極群自体の軸線方向の強度も低くなっている。このため、優れた高率放電特性を得るために単純に小形化した集電リードを用いた小形の電池では、大形の電池に比べ、正極集電板の変形にともなう短絡が発生し易くなっている。
このような状況に対し、本発明は、集電リードのコーナー部をラウンドコーナーとすることにより集電リードを優先的に変形させ、正極集電板の変形を抑制し、それにより電極群への圧迫を回避することができるので、特に、高率放電特性に優れる小形の電池、具体的には、直径18mm以下の電池の短絡の発生を抑えることに有効である。
正極集電板28及び集電リード34の組合せにより形成される集電部品は、封口体14と電極群4との間の僅かなスペースに配設される。特に、上記したような小形の電池における封口体14と電極群4との間のスペースは、大形の電池に比べてより小さい。このため、小形の電池においては、集電部品の部品全高は、なるべく小さくすることが好ましい。ここで、特に、上記した集電部品の部品全高を(2D+C)とした場合に、(2D+C)の値をより小さくする組合せを考慮した計算式として、以下の(IV)式が挙げられる。この(IV)式により、曲率半径Dの必要最低限の値であるDminを求めることができる。
Figure 0006853052
ここで、(IV)式を得る手順を以下に説明する。まず、(III)式を以下のように変形し、基本式(V)とする。
Figure 0006853052
この基本式(V)において、−13.128=α、−4.8986=β、20.978=γ、6.8538=δと置き換える。すると、基本式(V)は以下のような(VI)式となる。
Figure 0006853052
更に、αA+β=nA1、γA+δ=nA2とすると、(VI)式は以下のような(VII)式となる。
Figure 0006853052
なお、nA1及びnA2はAに線形比例する。
ここで、集電リード34において、頂壁部36の側に位置するコーナー部(第1コーナー部39、第2コーナー部41)の曲率半径Dと、脚部50、52の側に位置するコーナー部(第3コーナー部47、第4コーナー部49)の曲率半径Dとを最大にすると仮定した場合、正極集電板28及び集電リード34の組合せにより形成される集電部品の全高は2D+Cとなる。そして、この2D+Cの式に(VII)式を代入すると、以下の(VIII)式となる。
Figure 0006853052
ついで、(VIII)式を以下のように整理して(IX)式を得る。
Figure 0006853052
そして、(IX)式を平方完成又は二次方程式の公式より曲率半径Dの必要最低限の値であるDminを求めると以下のようになり、上記した(IV)式が得られる。
Figure 0006853052
ここで、Dminについて解くとCを消去できるが、(IV)式は、Cが設定されていることで成り立つ関係式であるため、Cが設定されていることが前提条件となる。本実施形態において、Cは0.25mm<C≦0.40mmとすることが好ましい。
なお、電池の内部抵抗の良好な低減効果が得られる限界の厚さの制約上B>0.25mmとする。
ここで、具体的な数値を用いた計算例を以下に示す。
(1)計算例1
リード厚さBを0.35mmとし、降下量Aが0.80mmまで耐えられるようにする場合、(III)式を使って降下量A、リード厚さB及び曲率半径Dから集電板厚さCを算出した。その結果のグラフを図10に示す。この図10は、曲率半径Dを大きくするほど負荷が減り、集電板厚さCを薄くできることを示している。例えば、集電板厚さCを0.4mmにすると、曲率半径Dは0.95mm必要になることがわかる。限界の降下量A自体が下がれば、その分だけ曲率半径Dを小さく、又は、集電板厚さCを薄くできる。例えば、A=0.6mm、B=0.35mm、C=0.4mmとすると、D=0.84mmとなる。また、A=0.6mm、B=0.35mm、D=0.95mmとすると、C=0.28mmとなる。
図10のグラフの例のように、限界の降下量Aとリード厚さBに対して集電板厚さCと曲率半径Dとの組合せは無数にある。しかしながら、部品全高を(2D+C)とし、この(2D+C)の値を最も小さくする組合せという観点で(IV)式を用いて計算すると、図11に示すグラフのような結果が得られる。このグラフより、(2D+C)の値が最も小さくなる場合の曲率半径Dminは、Dmin=0.73mmとなる。この場合の集電板厚さCは、0.8mmとなる。
(2)計算例2
リード厚さBを0.30mmとし、降下量Aが0.70mmまで耐えられるようにする場合、(III)式を使って降下量A、リード厚さB、曲率半径Dから集電板厚さCを算出した。その結果のグラフを図12に示す。この図12は、曲率半径Dを大きくするほど負荷が減り、集電板厚さCを薄くできることを示している。例えば、集電板厚さCを0.3mmにすると、曲率半径Dは0.74mm必要になることがわかる。限界の降下量Aと、リード厚さBが計算例1の場合よりも減少しているので、計算例1の場合よりも、曲率半径Dを小さく、又は、集電板厚さCを薄くできる。
計算例1の場合と同様に(IV)式を用いてDminを計算すると、図13に示すグラフのような結果が得られる。この場合、Dmin=−0.54mmとなり、負の値となった。つまり、最適値を持たない条件での挙動を示す結果となった。図12のグラフに示すように、曲率半径Dが小さいほど集電板厚さCを厚くする必要があるが、それでも、曲率半径Dをなるべく小さく、集電板厚さCをなるべく厚くした組合せの方が部品全高(2D+C)は全体としては小さく済むという計算結果が得られた。
なお、本発明において、集電リードの曲率半径は、集電リードを断面視した際に、コーナー部の外側の弧の部分で定義することとする。
また、上記した電池1の組み立て手順において、電極4を外装缶2に収容してから正極集電板28を溶接したが、この態様に限定されるものではなく、あらかじめ電極4に正極集電板28を溶接しておいても構わない。
[実施例]
実施例1
一般的なニッケル水素二次電池に用いられる正極6、負極8及びセパレータ10を準備した。これら正極6、負極8及びセパレータ10はそれぞれ帯状をなしている。準備した正極6及び負極8の間にセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回し、AAサイズ用の電極群4を形成した。巻回の際、正極6及び負極8を、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置するとともに、これら正極6及び負極8の間の所定位置にセパレータ10を配置し、この状態で巻回作業を行い、円柱状の電極群4を得た。得られた電極群4は、電極群4の一端側において正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側において負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
次に、円板形状をなし、Niめっき鋼の薄板からなるAAサイズ用の負極集電板を準備した。この負極集電板は、電極群4の負極接続端縁部に溶接した。
次に、図2に示すような、全体として十角形状をなし、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいるAAサイズ用の正極集電板28を準備した。この正極集電板28は、炭素の含有量が0.04質量%の鋼の薄板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板からなる。この正極集電板28の厚さは0.40mmである。この厚さの値を集電板の厚さとして表1に示した。
次に、炭素の含有量が0.04質量%の鋼の薄板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板を準備した。このNiめっき鋼板の厚さは0.30mmである。そして、このNiめっき鋼板を打ち抜き加工することにより、図5に示すような、ほぼH形の集電リードの中間製品62を製造した。この中間製品62の中央に貫通孔54を穿設するとともに、所定位置に、プレス加工により突起部56、58を形成した。そして、仮想線80、82、84、86の部分を折り曲げることにより、図3に示すような集電リード34を形成した。ここで、仮想線80、82、84、86の部分は、曲率半径が0.90mmとなるように折り曲げた。これにより、集電リード34の第1〜4コーナー部39、41、47、49は、曲率半径が0.90mmのラウンドコーナーとなる。なお、この集電リード34の製造に用いたNiめっき鋼板の厚さの値を集電リード34の厚さとして表1に示した。
次に、負極集電板が溶接された電極群4を有底円筒形状の外装缶2の中に収容した。そして、外装缶4の底壁の内面と負極集電板とを溶接した。
次いで、電極群4の上端部に圧力センサを配設し、電極群4に加えられる圧縮荷重を測定できるようにした。なお、この圧力センサの信号線は、外装缶2の所定位置に予め穿設された孔より外部に導出され、圧縮荷重の測定装置に接続されている。そして、圧力センサの上に正極集電板28を載置し、更に、正極集電板28の上に集電リード34を載置し、電極群4に作用する圧縮荷重を測定する荷重測定用の電池の中間製品を製造した。そして、この荷重測定用の電池の中間製品を抵抗スポット溶接機にセットし、溶接電流は流さずに、電池の中間製品の軸線方向に溶接時と同じ圧縮荷重である25kgfの荷重を加え、第1の模擬抵抗スポット溶接を行った。次いで、電池の中間製品の外装缶4の上端開口部に絶縁ガスケット18を介して封口体14を配置した。このとき、封口体14と集電リード34とは接触した状態である。そして、この状態の荷重測定用の電池の中間製品を再度抵抗スポット溶接機にセットし、溶接電流は流さずに、電池の中間製品の軸線方向に溶接時と同じ圧縮荷重である25kgfの荷重を加え、第2の模擬抵抗スポット溶接を行った。その後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工して外装缶2の開口3を封止し荷重測定用の電池を製造した。なお、この第2の模擬抵抗スポット溶接及びかしめ加工により、外装缶4の上端開口部に配置された封口体14は、電極群4側へ0.60mm降下させられた。
上記した荷重測定用の電池の中間製品を用いて、抵抗スポット溶接機での加圧作業及びかしめ加工を通して、電極群4に加えられる圧縮荷重を測定した。そして、その測定値のうち最大の値を、電極群への最大荷重として表1に示した。
実施例2
集電リード34の第1〜4コーナー部39、41、47、49の曲率半径が0.70mmのラウンドコーナーとなるように集電リード34を形成したことを除き、実施例1と同様にして、荷重測定用の電池を製造した。
実施例3
集電リード34の第1〜4コーナー部39、41、47、49の曲率半径が0.40mmのラウンドコーナーとなるように集電リード34を形成したことを除き、実施例1と同様にして、荷重測定用の電池を製造した。
比較例1
集電リード34の第1〜4コーナー部39、41、47、49をラウンドコーナーとせず、直角となるようにして集電リード34を形成したことを除き、実施例1と同様にして、荷重測定用の電池を製造した。
また、実施例1〜3の封口体14、集電リード34、正極集電板28及び電極群4について、抵抗スポット溶接及びかしめ加工を行う前の状態(以下、変形前の状態という)、及び、封口体が0.6mm降下した後の状態すなわち抵抗スポット溶接及びかしめ加工を行った後の状態(以下、変形後の状態という)の形状について解析を行った。この解析結果を図14に示した。なお、図14(a)は、曲率半径が0.90mmの実施例1の結果、図14(b)は、曲率半径が0.70mmの実施例2の結果、図14(c)は、曲率半径が0.40mmの実施例3の結果をそれぞれ示している。そして、それぞれ、上段が変形前の状態、下段が変形後の状態を示している。
Figure 0006853052
[考察]
(1)従来の正極リボンの厚さに比べ、実施例1〜3及び比較例1の集電リードの厚さは、十分に厚い。このため、集電リードを用いている実施例1〜3及び比較例1の電池は、従来の電池に比べ、内部抵抗値が低く、基本的に高率放電特性に優れていると考えられる。
(2)比較例1は、電極群への最大荷重が90.0kgfとなっており、実施例1〜3に比べて高い値となっている。比較例1の集電リードは、コーナー部が直角であるので、抵抗スポット溶接及びかしめ加工の際に変形し難く、電池の軸線方向への圧縮荷重は電極群にほぼダイレクトに伝わっていると考えられる。
一方、実施例1〜3は、電極群への最大荷重が比較例1に比べ低い値となっている。実施例1〜3の集電リードは、コーナー部がラウンドコーナーとなっているので、抵抗スポット溶接及びかしめ加工の際に優先的に変形する。このため、電池の軸線方向への圧縮荷重は、集電リードの部分で緩和され、電極群への最大荷重は比較的低くなっていると考えられる。
以上より、集電リードのコーナー部をラウンドコーナーとすることは、圧縮荷重をかけられた場合、集電リードが優先的に変形し、電極群にかかる荷重を比較的小さくできるので、内部短絡の発生の抑制に貢献すると考えられる。
(3)ここで、電極群への最大荷重が50.0kgfを超えると、正極集電板の変形が大きくなり、電極群への圧迫の度合いが高くなる。その結果、正極や負極の折れ曲がりによる内部短絡の発生が多くなると考えられる。電極群への最大荷重が50.0kgf以下であれば、正極集電板の変形による電極群への圧迫の度合いも十分許容できる範囲内となり正極や負極の折れ曲がりによる内部短絡の発生も抑制されると考えられる。
よって、内部短絡の発生を抑制すべく電極群への最大荷重を50.0kgf以下とするためには、表1の結果より、集電リードの曲率半径を0.70mm以上とすることが好ましいといえる。
上記のように集電リードの曲率半径は、大きい方が好ましい。しかしながら、集電リードの曲率半径が大きくなりすぎると所定形状の集電リードを形成することが難しくなる。また、集電リードの曲率半径が大きくなりすぎると、集電リードが変形し易くなりすぎ、抵抗スポット溶接の際に必要な荷重が得られないというような不具合が生じるおそれがある。よって、抵抗スポット溶接で必要な荷重である25kgf以上の荷重を電極群へ加えられるようにすることが好ましい。電極群への最大荷重を25kgf以上とするためには、集電リードの曲率半径を1.2mm以下とすることが好ましい。
(4)また、集電リード34、正極集電板28及び電極群4についての抵抗スポット溶接及びかしめ加工の前後における形状の解析結果を示した図14より、集電リード34の曲率半径が0.40mmの実施例3では、集電リード34自体の変形量はあまり多くはないが、集電板28及び電極群4(正極接続端縁部32)に変形が見られる。
一方、曲率半径が0.70mmの実施例2や曲率半径が0.90mmの実施例1では、集電リード34自体の変形は、実施例3に比べて変形量は多い。しかしながら、集電板28及び電極群4(正極接続端縁部32)の変形はほとんど見られない。
このことからも、集電リード34の曲率半径は、より大きい方が電極群4の変形を抑えられ、曲率半径を0.70mm以上とすることがより好ましいと考えられる。
(5)以上のように、集電リードのコーナー部をラウンドコーナーとすることで、優れた高率放電特性を維持しつつ内部短絡の発生の抑制を図る効果を得ることができるといえる。そして、ラウンドコーナーの曲率半径の範囲をある程度制限することで、その効果はより高められるといえる。
なお、本発明は上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能であって、例えば、電池の種類は、ニッケル水素二次電池に限定されず、ニッケル−カドミウム二次電池、リチウムイオン二次電池等であってもよい。また、本発明において電池の形状は特に限定されず、円筒形二次電池であってもよく、角形二次電池であってもよい。
1 ニッケル水素二次電池
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁ガスケット
22 正極端子
28 正極集電板
32 正極接続端縁部
34 集電リード
39 第1コーナー部
41 第2コーナー部
47 第3コーナー部
49 第4コーナー部

Claims (3)

  1. 端子を含んでいる封口体と、電極群に取り付けられている集電板とを接続するために、前記封口体と前記集電板との間に介在せしめられる二次電池用の集電リードにおいて、
    前記封口体の側に位置する頂壁と、前記頂壁に対向し、前記集電板の側に位置する底壁と、前記頂壁の側縁と前記底壁の側縁との間に延びており、互いに対向している一対の側壁とを有しており、
    前記頂壁と前記側壁とにより形成されるコーナー部及び前記底壁と前記側壁とにより形成されるコーナー部が湾曲したラウンドコーナーであり、
    二次電池を組み立てる際の前記封口体の降下量をAとし、前記集電リードを構成する材料の厚さをBとし、前記集電板の厚さをCとした場合、前記ラウンドコーナーの曲率半径の必要最低限の値Dminが、以下の式で示す関係を満たしており、
    Figure 0006853052
    前記式中のα、β、γ及びδの各定数は、それぞれ、α=−13.128、β=−4.8986、γ=20.978、δ=6.8538であり、B及びCは、B>0.25mm、0.25mm<C≦0.40mmの関係を満たしており、
    前記集電リードを構成する材料及び前記集電板を構成する材料は、炭素の含有量が0.04質量%の鋼板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板である
    集電リード。
  2. 前記集電リードを構成する材料の厚さが0.30mmであり、二次電池を組み立てる際の前記封口体の降下量が0.6mmである場合に、前記ラウンドコーナーの曲率半径Dが、0.7mm≦D≦1.2mmの関係を満たしている請求項1に記載の集電リード。
  3. 請求項1又は2に記載の集電リードが圧縮される前の状態の集電リードを準備する集電リード準備工程と、
    正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされてなる電極群を準備する電極群準備工程と、
    前記電極群を外装缶に収容する電極群収容工程と、
    前記電極群と前記電極群の上に載置された集電板との間、前記集電板と前記集電板の上に載置された前記集電リードとの間、及び、前記集電リードと前記集電リードの上に載置された端子を含む封口体との間を、加圧しながら溶接する溶接工程と、
    前記封口体を前記外装缶にかしめ加工して取り付け、前記外装缶を封口する封口工程と、
    を備えており、
    前記溶接工程及び前記封口工程において、前記封口体の降下量を請求項1又は2に記載された前記封口体の降下量の値に規定する、集電リードを含む二次電池の製造方法。
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