JP6835161B2 - 矢板 - Google Patents

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Description

本発明は、板状素材をロール成形をはじめとする成形加工することにより形成され地中に打設されて壁構造を構成する矢板に関する。
なお、板状素材としては鋼材の他、プラスチック系材料や炭素繊維系材料を含む。
従来の矢板としては、前面側から後面側に向かって膨出する主体部の両側にフランジ部が設けられ、一方のフランジ部の遊端に雄側継手部が形成され、他方のフランジ部に雌側継手部が形成されたものが知られている。このような矢板は、隣接する矢板との連結にあたって雄側継手部と雌側継手部とが打設途中で外れないことが求められる。
上記のような矢板の例としては、特許文献1に開示された「軽量鋼矢板」があり、この特許文献1の例では、雄側継手部は、第1のフランジ部の遊端から後面側に横向きU字状に折り返され、雌側継手部は、第2のフランジ部の遊端から後面側に突出する延長部の後端側から前面側に横向きU字状に折り返されている。第1のフランジ部には、雄側継手部が他の矢板の雌側継手部に連結した状態で、雌側継手部のU字状の折り返し部に当接する突部が形成されている。
実開平4−108619号公報
ハット形状の矢板を地中に打設して壁構造を構成する際、壁体には土圧および水圧によって発生する曲げモーメントが卓越して作用する。
この時の作用を図13に基づいて説明する。図13は、ウェブ部81の両端に一対のフランジ部83が連続して形成され、各フランジ部83の端部に第1のアーム部85、第2のアーム部87がそれぞれ形成されるとともに、第1のアーム部85の先端に雄側継手部89が設けられ、第2のアーム部87の先端に雌側継手部91が設けられたハット形状の矢板93である。
土圧および水圧によって発生する曲げモーメントが作用した際、継手部の嵌合力が弱いと、図13に示す破線の元の状態から実線の状態のように、継手部を含む第1のアーム部85及び第2のアーム部87が矢板断面中心軸方向に反りかえるとともに、横方向に広がる挙動を示す。
この断面変形により、矢板93の断面二次モーメントや断面係数が元の断面形状に比べて小さくなることから、矢板壁体としての剛性や耐力が低下することとなる。
図14は、図13の継手部の嵌合状態を示しており、図14(a)が上記の断面変形が生ずる前の状態(図13の破線の状態)を示し、図14(b)は上記の断面変形後の状態(図13の実線の状態)を示している。
断面変形が生ずることで、図14(b)に示すように、両継手部は互いに押し合う状態になり、このとき両継手部は1点のみの接触となる。このため両継手部に対する作用力が1か所に集中し(図14(b)の破線の丸で囲った部分)、継手部が早期に破壊してしまうリスクが高くなるとともに、矢板93の断面変形も進行し、矢板壁体としての剛性や耐力の低下が大きくなる危険性がある。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、矢板の継手部を連結して形成した矢板壁体に曲げモーメントが作用した際に、矢板に断面変形が生じて剛性や耐力が低下することを抑制できる矢板を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る矢板は、ウェブ部の両端に一対のフランジ部が連続して形成され、各フランジ部の端部に第1のアーム部、第2のアーム部がそれぞれ形成されるとともに、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたハット形状の矢板、又は、ウェブ部の両端の一方には第1のアーム部が他方には第2のアーム部がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたZ形状の矢板において、
前記雄側継手部は、前記第1のアーム部の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部と、該第1湾曲部に連続して折り返されたU字状の第2湾曲部と、該第2湾曲部に連続して前記第1のアーム部に向かって前記第1湾曲部の延長部とほぼ平行に直線状に延出する第1引掛部とを有し、
前記雌側継手部は、前記第2のアーム部の遊端から後面側に湾曲した第3湾曲部と、該第3湾曲部に連続して前面側に向かって湾曲する第4湾曲部と、該第4湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第5湾曲部と、該第5湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部とを有し、
前記雄側継手部の前記第2湾曲部の最外縁位置から前記第1引掛部の端部位置までの長さS1が、前記雌側継手部の前記第4湾曲部における湾曲内側の最も奥の位置から前記第2引掛部の端部位置までの長さU1よりも長くなるように設定されていることを特徴とするものである。
(2)本発明に係る矢板は、ウェブ部の両端に一対のフランジ部が連続して形成され、各フランジ部の端部に第1のアーム部、第2のアーム部がそれぞれ形成されるとともに、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたハット形状の矢板、又は、ウェブ部の両端の一方には第1のアーム部が他方には第2のアーム部がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたZ形状の矢板において、
前記雄側継手部は、前記第1のアーム部の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部と、続いて前面側に折り返される第2湾曲部と、該第2湾曲部の延長部に連続して折り返されたU字状の第3湾曲部と、該第3湾曲部に連続して前記第2湾曲部の延長部とほぼ平行に直線状に延出する第1引掛部とを有し、
前記雌側継手部は、前記第2のアーム部の遊端から後面側に湾曲した第4湾曲部と、該第4湾曲部に連続して後面側斜め方向に湾曲する第5湾曲部と、該第5湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第6湾曲部と、前記第6湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部とを有し、
前記雄側継手部の前記第2湾曲部の最外縁位置から前記第1のアーム部下端位置までの長さS3が、前記雄側継手部の第1引掛部の先端位置から前記第1のアーム部下端位置までの長さS2の0.5倍を越えると共に前記雄側継手部の前記第3湾曲部の最外縁位置から、前記第1引掛部の先端位置までの長さS4が、前記雌側継手部の前記第2引掛部の先端と前記第4湾曲部の内面で形成される開口部幅U2を越えることを特徴とするものである。
(3)本発明に係る矢板は、ウェブ部の両端に一対のフランジ部が連続して形成され、各フランジ部の端部に第1のアーム部、第2のアーム部がそれぞれ形成されるとともに、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたハット形状の矢板、又は、ウェブ部の両端の一方には第1のアーム部が他方には第2のアーム部がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたZ形状の矢板において、
前記雄側継手部は、前記第1のアーム部の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部と、続いて前面側に折り返される第2湾曲部と、続いて前記第1のアーム部の延長方向になるように折り返される第3湾曲部と、その先に折り返されたU字状の第4湾曲部と、該第4湾曲部からほぼ直線状に前記第1のアーム部とほぼ平行になる方向に延出する第1引掛部とを有し、
前記雌側継手部は、前記第2のアーム部の遊端から後面側に湾曲した第5湾曲部と、該第5湾曲部に連続して前記第2のアーム部と平行となる方向に湾曲する第6湾曲部と、該第6湾曲部に連続して前記第2のアーム部と平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第7湾曲部と、前記第7湾曲部に連続して前記第2のアーム部とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部とを有し、
前記雄側継手部の前記第2湾曲部の最外縁位置から前記第1のアーム部下端位置までの長さS6が、前記雄側継手部の第1引掛部の先端位置から前記第1のアーム部下端位置までの鉛直方向長さS5の2/3倍を越えるとともに、前記雄側継手部の前記第4湾曲部の最外縁位置から第1引掛部の先端位置までの長さS7が、前記雌側継手部の前記第2引掛部の先端と前記第5湾曲部の内面で形成される開口部幅U3を越えることを特徴とするものである。
本発明の矢板によれば、該矢板の継手部を連結して形成した矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状況となった際、該両継手部において少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部における作用力の集中を緩和することができる。これにより、継手部の変形および破壊が防止され、矢板壁体の剛性や耐力の低下を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態1のハット形状の矢板の説明図である。 図1に示したハット形状の矢板の継手部の拡大図である。 本発明の実施の形態1のハット形状の矢板の作用を説明する説明図である。 本発明の実施の形態1の矢板の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態2のハット形状の矢板の説明図である。 図5に示したハット形状の矢板の継手部の拡大図である。 本発明の実施の形態2のハット形状の矢板の作用を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の矢板の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態3のハット形状の矢板の説明図である。 図9に示したハット形状の矢板の継手部の拡大図である。 本発明の実施の形態3のハット形状の矢板の作用を説明する説明図である。 本発明の実施の形態3の矢板の他の態様の説明図である。 本発明が解決しようとする課題を説明する説明図である(その1)。 本発明が解決しようとする課題を説明する説明図である(その2)。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る矢板1は、図1に示すように、ウェブ部3の両端に一対のフランジ部5が連続して形成され、各フランジ部5の端部に第1のアーム部7、第2のアーム部9がそれぞれ形成されるとともに、第1のアーム部7の先端に雄側継手部11が設けられ、第2のアーム部9の先端に雌側継手部13が設けられたハット形状の矢板1である。そして、ハット形状の矢板1は、矢板1を連結して形成された矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手が押し合う状況となった際に、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部における作用力の集中を緩和することができるように構成されている。
以下、雄側継手部11、雌側継手部13及びこれらの関係について詳細に説明する。
<雄側継手部>
雄側継手部11は、図2(a)に示すように、第1のアーム部7の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部15と、第1湾曲部15に連続して折り返されたU字状の第2湾曲部17と、第2湾曲部17に連続して第1のアーム部7に向かって第1湾曲部15の延長部とほぼ平行に直線状に延出する第1引掛部19とを有している。
なお、雄側継手部11の第1湾曲部15は、第1のアーム部7の遊端から後面側に、5°から90°の範囲で折り曲げるのがよい。すなわち、図2に示すように、第1のアーム部7の延長線と第1湾曲部15の接線の成す角度αが、5°から90°の範囲となるのが好ましい。
<雌側継手部>
雌側継手部13は、図2(b)に示すように、第2のアーム部9の遊端から後面側に湾曲した第3湾曲部21と、第3湾曲部21に連続して前面側に向かって湾曲する第4湾曲部23と、第4湾曲部23に連続して雄側継手部11の第1引掛部19とほぼ平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第5湾曲部25と、第5湾曲部25に連続して雄側継手部11の第1引掛部19とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部27とを有している。
<雄側継手部と雌側継手部の関係>
雄側継手部11と雌側継手部13が嵌合状態において、曲げモーメント作用時に上述した少なくとも2点での接触状態が形成されるための条件として、ハット形状の矢板1は、以下の条件を備えている。
雄側継手部11の第2湾曲部17の最外縁位置から第1引掛部19の端部位置までの長さをS1とし、雌側継手部13の第4湾曲部23における湾曲内側の最も奥の位置から第2引掛部27の端部位置までの長さU1としたときに、S1がU1よりも長くなるように、すなわちS1>U1となるように設定されている。
なお、S1は、雄側継手部11の第2湾曲部17の最外縁位置から第1引掛部19の端部位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に直交方向の長さ、あるいは図2中では、鉛直方向の長さである。
また、U1は、雌側継手部13の第4湾曲部23における湾曲内側の最も奥の位置から第2引掛部27の端部位置までの最短の長さであり、第2のアーム部9に直交方向の長さ、あるいは図2中では、鉛直方向の長さである。
上記のように構成された本実施の形態のハット形状の矢板1の作用について、図3に基づいて説明する。
図3(a)は雄側継手部11と雌側継手部13の通常の嵌合状態を示しており、図3(a)の状態から矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状態(押し込み嵌合状態)になったときには図3(b)に示すように、雄側継手部11のU字状の第2湾曲部17の外面と雌側継手部13の第3湾曲部21から第4湾曲部23に至るいずれかの部分(以下、「第3湾曲部21〜第4湾曲部23」と表記する。他の部位についても同様)の内面が接触し、かつ雄側継手部11の第1引掛部19と雌側継手部13の第2引掛部27の内面同士が接触する2点接触状態となる。
なお、2点接触に至るまでの過程であるが、通常、最初に1点で接触した後、継手部が弾性範囲内で変形し、2点接触に至ると考えられる。弾性範囲内であれば、継手部の変形量は微小であり、矢板1の断面性能に大きな影響は与えることはない。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手部11が図中下方側(矢板1の前面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(下ずれ)]になったときには、図3(c)に示すように、接触点の位置が少しずれるものの図3(b)と同様の部位が接触する2点接触状態となる。
さらに、押し込み嵌合状態から雄側継手が図中上方側(矢板1の後面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(上ずれ)]になったときには、図3(d)に示すように、雄側継手部11のU字状の第2湾曲部17の外面と雌側継手部13の第3湾曲部21〜第4湾曲部23の内面が接触し、かつ雄側継手部11の第1引掛部19の外面と雌側継手部13の第4湾曲部23〜第5湾曲部25の内面が接触する2点接触状態となる。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手部11が図中下方側(矢板1の前面側)に回転した状態[押し込み+回転]になったときには、図3(e)に示すように、雄側継手部11のU字状の第2湾曲部17の外面と雌側継手部13の第3湾曲部21〜第4湾曲部23の内面が接触し、かつ雄側継手部11の第1引掛部19の先端内面と雌側継手部13の第2引掛部27の内面とが接触する2点接触状態となる。
以上のように、本実施の形態のハット形の矢板1においては、雄側継手部11と雌側継手部13の形状を上記のように設定したことで、ハット形の矢板1の継手部同士を連結して形成した矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状況となった際、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部作用力の集中を緩和することができる。これにより、継手部の変形および破壊を防止され、矢板壁体の剛性や耐力の低下を抑制することが可能となる。
上記の説明はハット形状の矢板1を例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、図4に示すように、ウェブ部3の両端の一方には第1のアーム部7が他方には第2のアーム部9がそれぞれ形成され、第1のアーム部7の先端に雄側継手部11が設けられ、第2のアーム部9の先端に雌側継手部13が設けられたZ形状の矢板29にも適用できる。
[実施の形態2]
本実施の形態の矢板31は、図5に示すように、実施の形態1と同様に、ウェブ部3の両端に一対のフランジ部5が連続して形成され、各フランジ部5の端部に第1のアーム部7、第2のアーム部9がそれぞれ形成されるとともに、第1のアーム部7の先端に雄側継手部33が設けられ、第2のアーム部9の先端に雌側継手部35が設けられたハット形状の矢板31である。
そして、ハット形状の矢板31は、矢板31を連結して形成された矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手が押し合う状況となった際に、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部作用力の集中を緩和することができるように構成されている。
以下、雄側継手部33、雌側継手部35及びこれらの関係について詳細に説明する。
<雄側継手部>
雄側継手部33は、図6(a)に示すように、第1のアーム部7の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部37と、続いて前面側に折り返される第2湾曲部39と、第2湾曲部39の延長部に連続して折り返されたU字状の第3湾曲部41と、第3湾曲部41に連続して第2湾曲部39の延長部とほぼ平行に直線状に延出する第1引掛部43とを有している。
なお、雄側継手部33の第1湾曲部37は、第1のアーム部7の遊端から後面側に、5°から90°の範囲で折り曲げるのがよい。すなわち、図6に示すように、第1のアーム部7の延長線と第1湾曲部37の接線の成す角度βが、5°から90°の範囲となるのが好ましい。
<雌側継手部>
雌側継手部35は、第2のアーム部9の遊端から後面側に湾曲した第4湾曲部45と、第4湾曲部45に連続して後面側斜め方向に湾曲する第5湾曲部47と、第5湾曲部47に連続して雄側継手部33の第1引掛部43とほぼ平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第6湾曲部49と、第6湾曲部49に連続して雄側継手部33の第1引掛部43とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部51とを有している。
<雄側継手部と雌側継手部の関係>
上述した少なくとも2点での接触状態が形成されるための条件について、図6(b)に基づいて説明する。
雄側継手部33の第2湾曲部39の最外縁位置から第1のアーム部7の下端位置までの長さをS3とし、雄側継手部33の第1引掛部43の先端位置から第1のアーム部7の下端位置までの長さをS2としたときに、S3がS2の0.5倍を越えること。
また、雄側継手部33の第3湾曲部41の最外縁位置から第1引掛部43の先端位置までの長さをS4としたときに、S4が雌側継手部35の第2引掛部51の先端と第4湾曲部45の内面で形成される開口部幅U2を上回ること。
なお、S3は、雄側継手部33の第2湾曲部39の最外縁位置から第1のアーム部7の下端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に直交方向の長さであり、図6中では、鉛直方向の長さである。
また、S2は、雄側継手部33の第1引掛部43の先端位置から第1のアーム部7の下端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に直交方向の長さであり、図6中では、鉛直方向の長さである。
また、S4は、雄側継手部33の第3湾曲部41の最外縁位置から第1引掛部43の先端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に平行方向の長さであり、図6中では、水平方向の長さである。
また、開口部幅U2は、雌側継手部35の第2引掛部51の先端と第4湾曲部45の内面で形成される開口部の最短幅であり、第2のアーム部9に平行な長さであり、図6中では、水平方向の長さである。
上記のように構成された本実施の形態のハット形状の矢板31の作用について、図7に基づいて説明する。
図7(a)は雄側継手部33と雌側継手部35の通常の嵌合状態を示しており、図7(a)の状態から矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状態(押し込み嵌合状態)になったときには図7(b)に示すように、雄側継手部33のU字状の第3湾曲部41の外面と雌側継手部35の第4湾曲部45〜第5湾曲部47の内面が接触し、かつ雄側継手部33の第2湾曲部39の内面と雌側継手部35の第2引掛部51の外面とが接触する2点接触状態となる。
なお、2点接触に至るまでの過程であるが、通常、最初に1点で接触した後、継手部が弾性範囲内で変形し、2点接触に至ると考えられる。弾性範囲内であれば、継手部の変形量は微小であり、矢板31の断面性能に大きな影響は与えることはない。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手部33が図中下方側(矢板31の前面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(下ずれ)]になったときには、図7(c)に示すように、接触点の位置が少しずれるものの図7(b)と同様の部位が接触する2点接触状態となる。
さらに、押し込み嵌合状態から雄側継手部33が図中上方側(矢板31の後面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(上ずれ)]になったときにも、図7(d)に示すように、接触点の位置が少しずれるものの図7(b)と同様の部位が接触する2点接触状態となる。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手が部33図中下方側(矢板31の前面側)に回転した状態[押し込み+回転]になったときには、図7(e)に示すように、雄側継手部33のU字状の第3湾曲部41の外面と雌側継手部35の第4湾曲部45〜第5湾曲部47の内面が接触し、かつ雄側継手部33の第1引掛部43の先端内面と雌側継手部35の第2引掛部51の内面とが接触する2点接触状態となる。
以上のように、本実施の形態のハット形の矢板31においては、雄側継手部33と雌側継手部35の形状を上記のように設定したことで、ハット形の矢板31の継手部同士を連結して形成した矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状況となった際、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部作用力の集中を緩和することができる。これにより、継手部の変形および破壊を防止され、矢板壁体の剛性や耐力の低下を抑制することが可能となる。
上記の説明はハット形状の矢板31を例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、図8に示すように、ウェブ部3の両端の一方には第1のアーム部7が他方には第2のアーム部9がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部7の先端に雄側継手部33が設けられ、前記第2のアーム部9の先端に雌側継手部35が設けられたZ形状の矢板53にも適用できる。
[実施の形態3]
本実施の形態の矢板55は、図9に示すように、実施の形態1と同様に、ウェブ部3の両端に一対のフランジ部5が連続して形成され、各フランジ部5の端部に第1のアーム部7、第2のアーム部9がそれぞれ形成されるとともに、第1のアーム部7の先端に雄側継手部57が設けられ、第2のアーム部9の先端に雌側継手部59が設けられたハット形状の矢板55である。
そして、ハット形状の矢板55は、矢板55を連結して形成された矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状況となった際に、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部作用力の集中を緩和することができるように構成されている。
以下、雄側継手部57、雌側継手部59及びこれらの関係について詳細に説明する。
<雄側継手部>
雄側継手部57は、図10(a)に示すように、第1のアーム部7の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部61と、続いて前面側に折り返される第2湾曲部63と、続いて第1のアーム部7の延長方向になるように湾曲する第3湾曲部65と、その先に折り返されてU字状の第4湾曲部67と、第4湾曲部67からほぼ直線状に第1のアーム部7とほぼ平行になる方向に延出する第1引掛部69とを有している。
なお、雄側継手部57の第1湾曲部61は、第1のアーム部7の遊端から後面側に、5°から90°の範囲で折り曲げるのがよい。すなわち、図10に示すように、第1のアーム部7の延長線と第1湾曲部61の接線の成す角度γが、5°から90°の範囲となるのが好ましい。
<雌側継手部>
雌側継手部59は、第2のアーム部9の遊端から後面側に湾曲した第5湾曲部71と、第5湾曲部71に連続して第2のアーム部9と平行となる方向に湾曲する第6湾曲部73と、第6湾曲部73に連続して第2のアーム部9と平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第7湾曲部75と、第7湾曲部75に連続して第2のアーム部9とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部77とを有している。
<雄側継手部と雌側継手部の関係>
上述した少なくとも2点での接触状態が形成されるための条件について、図10(b)に基づいて説明する。
雄側継手部57の第2湾曲部63の最外縁位置から第1のアーム部7の下端位置までの長さをS6とし、雄側継手部57の第1引掛部69の先端位置から第1のアーム部7の下端位置までの鉛直方向長さをS5としたときに、S6がS5の2/3倍を越えること。
また、雄側継手部57の第4湾曲部67の最外縁位置から第1引掛部69の先端位置までの長さS7が、雌側継手部59の第2引掛部77の先端と第5湾曲部71の内面で形成される開口部幅U3を越えること。
なお、S6は、雄側継手部57の第2湾曲部63の最外縁位置から第1のアーム部7の下端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に直交方向の長さであり、図10中では、鉛直方向の長さである。
また、S5は、雄側継手部57の第1引掛部69の先端位置から第1のアーム部7の下端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に直交方向の長さであり、図10中では、鉛直方向の長さである。
また、S7は、雄側継手部57の第4湾曲部67の最外縁位置から第1引掛部69の先端位置までの最短の長さであり、第1のアーム部7に平行方向の長さであり、図10中では、水平方向の長さである。
また、開口部幅U3は、雌側継手部59の第2引掛部77の先端と第5湾曲部71の内面で形成される開口部の最短幅であり、第2のアーム部9に平行な長さであり、図10中では、水平方向の長さである。
上記のように構成された本実施の形態のハット形状の矢板55の作用について、図11に基づいて説明する。
図11(a)は雄側継手部57と雌側継手部59の通常の嵌合状態を示しており、図11(a)の状態から矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状態(押し込み嵌合状態)になったときには図11(b)に示すように、雄側継手部57のU字状の第4湾曲部67の外面と雌側継手部59の第5湾曲部71〜第6湾曲部73の内面が接触し、かつ雄側継手部57の第2湾曲部63の内面と雌側継手部59のU字状の第7湾曲部75の外面とが接触する2点接触状態となる。
なお、2点接触に至るまでの過程であるが、通常、最初に1点で接触した後、継手部が弾性範囲内で変形し、2点接触に至ると考えられる。弾性範囲内であれば、継手部の変形量は微小であり、矢板55の断面性能に大きな影響は与えることはない。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手部57が図中下方側(矢板55の前面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(下ずれ)]になったときには、図11(c)に示すように、接触点の位置が少しずれるものの図11(b)と同様の部位が接触する2点接触状態となる。
さらに、押し込み嵌合状態から雄側継手部57が図中上方側(矢板55の後面側)にずれた状態[押し込み嵌合状態(上ずれ)]になったときにも、図11(d)に示すように、接触点の位置が少しずれるものの図11(b)と同様の部位が接触する2点接触状態となる。
また、押し込み嵌合状態から雄側継手部57が図中下方側(矢板55の前面側)に回転した状態[押し込み+回転]になったときには、図11(e)に示すように、雄側継手部57のU字状の第4湾曲部67の外面と雌側継手部59の第6湾曲部73の内面が接触し、かつ雄側継手部57の第3湾曲部65〜第4湾曲部67の内面と雌側継手部59の第2引掛部77の先端外面とが接触する2点接触状態となる。
以上のように、本実施の形態のハット形の矢板55においては、雄側継手部57と雌側継手部59の形状を上記のように設定したことで、ハット形の矢板55の継手部同士を連結して形成した矢板壁体に曲げモーメントが作用し、両継手部が押し合う状況となった際、少なくとも2点での接触状態が形成され、継手部作用力の集中を緩和することができる。これにより、継手部の変形および破壊を防止され、矢板壁体の剛性や耐力の低下を抑制することが可能となる。
上記の説明はハット形状の矢板55を例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、図12に示すように、ウェブ部3の両端の一方には第1のアーム部7が他方には第2のアーム部9がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部7の先端に雄側継手部57が設けられ、前記第2のアーム部9の先端に雌側継手部59が設けられたZ形状の矢板79にも適用できる。
1 矢板(実施の形態1)
3 ウェブ部
5 フランジ部
7 第1のアーム部
9 第2のアーム部
11 雄側継手部
13 雌側継手部
15 第1湾曲部
17 第2湾曲部
19 第1引掛部
21 第3湾曲部
23 第4湾曲部
25 第5湾曲部
27 第2引掛部
29 Z形状の矢板
31 矢板(実施の形態2)
33 雄側継手部
35 雌側継手部
37 第1湾曲部
39 第2湾曲部
41 第3湾曲部
43 第1引掛部
45 第4湾曲部
47 第5湾曲部
49 第6湾曲部
51 第2引掛部
53 Z形状の矢板
55 矢板(実施の形態3)
57 雄側継手部
59 雌側継手部
61 第1湾曲部
63 第2湾曲部
65 第3湾曲部
67 第4湾曲部
69 第1引掛部
71 第5湾曲部
73 第6湾曲部
75 第7湾曲部
77 第2引掛部
79 Z形状の矢板
81 ウェブ部(従来例)
83 フランジ部
85 第1のアーム部
87 第2のアーム部
89 雄側継手部
91 雌側継手部
93 矢板

Claims (1)

  1. 板状素材を成形加工により形成され、ウェブ部の両端に一対のフランジ部が連続して形成され、各フランジ部の端部に第1のアーム部、第2のアーム部がそれぞれ形成されるとともに、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたハット形状の矢板、又は、ウェブ部の両端の一方には第1のアーム部が他方には第2のアーム部がそれぞれ形成され、前記第1のアーム部の先端に雄側継手部が設けられ、前記第2のアーム部の先端に雌側継手部が設けられたZ形状の矢板において、
    前記雄側継手部は、前記第1のアーム部の遊端から後面側に湾曲する第1湾曲部と、続いて前面側に折り返される第2湾曲部と、該第2湾曲部の延長部に連続して折り返されたU字状の第3湾曲部と、該第3湾曲部に連続して前記第2湾曲部の延長部とほぼ平行に直線状に延出する第1引掛部とを有し、
    前記雌側継手部は、前記第2のアーム部の遊端から後面側に湾曲した第4湾曲部と、該第4湾曲部に連続して後面側斜め方向に湾曲する第5湾曲部と、該第5湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行になる方向に向かって折り返されたU字状の第6湾曲部と、前記第6湾曲部に連続して前記雄側継手部の第1引掛部とほぼ平行に直線状に延出する第2引掛部とを有し、
    前記雄側継手部の前記第2湾曲部の最外縁位置から前記第1のアーム部下端位置までの長さS3が、前記雄側継手部の第1引掛部の先端位置から前記第1のアーム部下端位置までの長さS2の0.5倍を越えると共に前記雄側継手部の前記第3湾曲部の最外縁位置から、前記第1引掛部の先端位置までの長さS4が、前記雌側継手部の前記第2引掛部の先端と前記第4湾曲部の内面で形成される開口部幅U2を越えることを特徴とする矢板。
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