JP6834643B2 - グラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法 - Google Patents

グラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法に関し、更に詳しくは、ビニルアルコール系フィルムを効率的にグラフト化することができ、更には外観が良好なグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するものである。
従来、ビニルアルコール系フィルム、とりわけポリビニルアルコール系フィルムに様々な機能を付与させるため、異なるフィルムを積層させた、いわゆる複合フィルムが用いられている。
上記複合フィルムは、複数のフィルム同士が接着層を介して接着されてなるものである。そのため、上記複合フィルムは、フィルムに膜厚があり、接着層に気泡が発生しやすく、またフィルムの熱膨張係数の違いによりカールする等の点で改善の余地があるものであった。そこで、ビニルアルコール系フィルムの表面に、強靭化やガスバリア性向上等の機能を付与することが検討されている。
ビニルアルコール系フィルムの表面は、水酸基同士が水素結合しており、フィルム表面を機能化するには、ポリビニルアルコール系フィルムの表面の水酸基を活性化させる必要がある。かかる活性化の方法として、ポリビニルアルコール系フィルムの表面をプラズマ処理する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
W.Zhen,C.Lu、Applied Surface Science 258(2012)6969−6976
上記のプラズマ処理でもある程度、フィルム表面の水酸基を活性化することができるが、その後の表面修飾を行った際の修飾量が少なく不充分であった。また、プラズマ処理のための大型装置の導入が必要であり、より効率的で簡便なフィルム表面の活性化の方法が求められていた。
そこで、本発明は、このような背景下において、効率的にグラフト化ビニルアルコール系フィルムが得られる、グラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者らは、効率的にグラフト化ビニルアルコール系フィルムが得ることができる製造方法について鋭意研究を重ねた結果、原料フィルムにイオン液体を接触させることによりフィルム表面が活性化し、グラフト化が良好に進行することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させる際、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物を接触させるグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法をその要旨とする。
本発明は、ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させる際、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させるため、ビニルアルコール系フィルムを効率的にグラフト化することができ、フィルムの機能化に有効である。
また、下記工程[I]及び[II]を順次または同時に行う場合は、ビニルアルコール系フィルムをより効率的にグラフト化することができる。
[I]ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させる工程。
[II]ビニルアルコール系フィルムに、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物を接触させる工程。
また、上記工程[I]のイオン液体の接触が、イオン液体と溶媒との混合物の接触である場合は、外観に優れたグラフト化ビニルアルコール系フィルムとすることができる。
更に、溶媒が極性溶媒である場合は、ビニルアルコール系フィルムを効率的にグラフト化することができる。
更に、極性溶媒がプロトン性極性溶媒である場合は、ビニルアルコール系フィルムをより効率的にグラフト化することができる。
更に、プロトン性極性溶媒がアルコール系溶媒である場合は、ビニルアルコール系フィルムをより一層効率的にグラフト化することができる。
更に、イオン液体と溶媒との混合物において、溶媒の含有量が重量換算で5〜90重量%である場合は、より一層外観に優れたグラフト化ビニルアルコール系フィルムとすることができる。
更に、イオン液体がイミダゾリウム塩系化合物である場合は、ビニルアルコール系フィルムを一層効率的にグラフト化することができる。
そして、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物が、水酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和化合物である場合は、より有効にフィルムを機能化することができる。
また、ビニルアルコール系フィルムが、ポリビニルアルコール系フィルムである場合は、ビニルアルコール系フィルムをより一層効率的にグラフト化することができる。
つぎに、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アリルとはアリルあるいはメタアリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明は、ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させる際、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させることを特徴とするグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法である。まず、構成要件の1つであるビニルアルコール系フィルムを以下に説明する。
<ビニルアルコール系フィルム>
本発明ではビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させるものであるが、原料として用いられるフィルムとしては、通常、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記することがある。)系フィルム、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と略記することがある。)系フィルム等があげられる。中でも、効率的にグラフト化が行える点で、PVA系フィルムが好ましい。
上記ビニルアルコール系フィルムの厚さは、通常、5〜60μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜40μmである。
以下、PVA系フィルムとEVOH系フィルムについて詳細に説明する。
〔PVA系フィルム〕
PVA系フィルムは、PVA系樹脂を製膜することにより得ることができる。
上記PVA系樹脂としては、通常、未変性PVA樹脂であるが、場合により変性PVA系樹脂、または未変性PVA樹脂や変性PVA系樹脂を併用したものを用いることができる。
上記の未変性PVA樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合し、更にそれをケン化することにより製造することができる。
また、上記変性PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーと他の不飽和単量体との重合体をケン化して製造されたり、未変性PVA樹脂を後変性することにより製造することができる。
上記PVA系樹脂は、公知の任意の重合法、ケン化法および後変性方法により得ることができる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等があげられる。中でも、好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数4〜10、殊に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。経済的な点から、殊に好ましくは酢酸ビニルが用いられる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
上記他の不飽和単量体としては、例えば、
グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のビニル基とエポキシ基を有する単量体;トリアリルオキシエチレン、ジアリルマレアート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル基を2個以上有する単量体;酢酸アリル、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル等のアリルエステル系単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルクロトナート等のアセトアセトキシアルキルクロトナート;2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキル部分がC1〜C10アルキル基であり、好ましくはC1〜C6アルキル基);(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;エチレンスルホン酸等のオレフィン系単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等のジエン系単量体;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール,2−ジオール、グリセリンモノアリルエーテル等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類、およびそのアシル化物等の誘導体;1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等のヒドロキシメチルビニリデンジアセテート類;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類、その塩又はモノ若しくはジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩等の化合物、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートがあげられる。ヒドロキシメチルビニリデンジアセテートの具体的な例としては、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等があげられる。
また、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、グリリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等のジオールを有する化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記PVA系樹脂の平均ケン化度は、通常70〜100モル%、好ましくは75〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは85〜99.99モル%である。平均ケン化度が上記の数値範囲外であると、グラフト化が効率的に行えない傾向がある。なお、上記の平均ケン化度は、JIS K 6726 3.5に準拠して測定される。
また、上記PVA系樹脂の重合度は一般的に水溶液粘度で示すことができ、20℃における4重量%水溶液粘度は、2.5〜200mPa・sであることが好ましく、更には5〜150mPa・s、特には10〜120mPa・sであることが好ましい。かかる水溶液粘度が低すぎるとフィルム強度等の機械的物性が低下する傾向があり、高すぎるとフィルムへの製膜性が低下する傾向がある。なお、4重量%水溶液粘度は、JIS K 6726 3.11.2に準じて測定される。
PVA系樹脂としては、変性種、変性量、平均ケン化度、4重量%水溶液粘度等の異なる2種以上のものを併用してもよい。
また、PVA系樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般的にPVA系樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記のPVA系樹脂と必要に応じて、配合剤を含有してなる樹脂組成物を得て、これを製膜してPVA系フィルムとする。かかる製膜に当たっては、例えば、溶融押出法や流延法等の公知の方法を採用することができ、膜厚の精度の点で流延法が好ましい。
また、上記PVA系フィルムは、必要に応じて一軸延伸や、二軸延伸等の延伸操作を行ってもよい。
〔EVOH系フィルム〕
EVOH系フィルムは、EVOH系樹脂を製膜することにより得ることができる。
上記EVOH系樹脂は、通常、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化することにより得られる非水溶性の熱可塑性樹脂であり、従来公知のものを用いることができる。
EVOH系樹脂の重合法としては、公知の任意の重合法でよく、ケン化も公知の方法で行い得る。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、上記と同様、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等があげられる。中でも、好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数4〜10、殊に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。経済的な点から、殊に好ましくは酢酸ビニルが用いられる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
EVOH系樹脂におけるエチレン構造単位の含有量は、通常20〜80モル%、好ましくは25〜60モル%、特に好ましくは27〜50モル%である。なお、上記エチレン構造単位の含有量は、ISO14663に準拠して測定される。
また、上記EVOH系フィルムのビニルエステル、とりわけ酢酸ビニル成分の平均ケン化度は通常90モル%以上、好ましくは95モル%以上、特に好ましくは99モル%以上である。かかる平均ケン化度が低すぎると高湿度下でのガスバリア性が低下する傾向がある。なお、平均ケン化度は、水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて、JIS 6726 3.5に準拠して測定される。
更に、EVOH系樹脂のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2,160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜35g/10分である。一般的に、EVOH系樹脂は、MFRが大きすぎる場合には、製膜性が不安定となる傾向があり、小さすぎる場合には粘度が高くなり過ぎて溶融成形が困難となる傾向がある。
EVOH系樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般的にEVOH系樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記のEVOH系樹脂と必要に応じて、配合剤を含有してなる樹脂組成物を得て、これを製膜してEVOH系フィルムとする。かかる製膜に当たっては、例えば、溶融押出法や流延法等の公知の方法を採用することができ、膜厚の精度の点で溶融押出法が好ましい。
また、上記EVOH系フィルムは、必要に応じて一軸延伸や、二軸延伸等の延伸操作を行ってもよい。
本発明では、上記ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させることにより、グラフト化ビニルアルコール系フィルムを製造するものであり、好ましくは、下記工程[I]及び[II]を順次または同時に行うことにより、グラフト化ビニルアルコール系フィルムを製造するものである。
[I]ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させる工程。
[II]ビニルアルコール系フィルムに、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物を接触させる工程。
さらに好ましくは工程[I]および[II]を順次に行い、工程[I]においてビニ
ルアルコール系フィルムにイオン液体と溶媒との混合物を接触させることにより、グラフト化ビニルアルコール系フィルムを製造するものである。
次にイオン液体、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物および溶媒を順に説明する。
<イオン液体>
本発明で用いるイオン液体とは、カチオンとアニオンのみからなる塩であって、融点が100℃以下のものをいう。
上記のカチオンとしては、例えば、イミダゾリウム塩系イオン、ピロリジニウム塩系イオン、ピリジニウム塩系イオン、ピリジニウム塩系イオン、モルホニウム塩系イオン、アンモニウム塩系イオン、ホスホニウム塩系イオン、スルホニウム塩系イオン等があげられる。中でもイミダゾリウム塩系イオンが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記のアニオンとしては、例えば、AlCl4 -、NO2 -、NO3 -、F-、Cl-、Br-、I-、BF4 -、CH3HPO3 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)2.3 -、p−CH3PhSO3 -、CH3CO2 -、CF3CO2 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3CO2 -、CF3CO2 -、HSO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO23-、C37CO2 -、C49SO3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、(CF3SO2)(CF3CO)N-、(CN)2-等があげられる。中でもCH3HPO3 -(メチルホスホネートイオン)、HSO4 -(硫酸水素イオン)が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
中でも本発明の工程[I]で用いるイオン液体としては、好ましくはイミダゾリウム塩系イオンを含有するイミダゾリウム塩化合物であり、より好ましくはイミダゾリウム塩系イオンとメチルホスホネートイオンからなるイオン液体、特に好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネートである。イオン液体として、イミダゾリウム塩系化合物を用いることにより、効率的に水素緩和フィルムを得ることができる。
また、工程[II]でもイオン液体を用いることが反応時間短縮の点で好ましく、用いるイオン液体としては、イミダゾリウム塩系イオンを含有するイオン液体が好ましく、特にはイミダゾリウム塩系イオンと硫酸水素イオンからなるイオン液体が好ましい。イミダゾリウム塩系イオンと硫酸水素イオンからなるイオン液体としては、例えば、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−ブチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−アリルイミダゾリウム硫酸水素塩等の側鎖にスルホン酸を含有するイミダゾリウム硫酸水素塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩等があげられる。中でもビニルアルコール系フィルムとの反応性の観点から、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−ブチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−アリルイミダゾリウム硫酸水素塩が好ましい。
<水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物>
本発明は、上記のビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させるが、そのグラフト化剤となる水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物(以下、「官能基含有化合物」と略記することがある。)としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、シリル基、イソシアネート基等を有する化合物があげられる。中でも反応安定性が高い点でカルボキシル基、シリル基、イソシアネート基を有する化合物が好ましい。
また、本発明においては、上記官能基含有化合物が、水酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和化合物であることが、フィルムの機能化の点から好ましい。
本発明において、上記のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド、3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等があげられる。中でも、アクリル酸が好ましい。
上記のスルホン酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ビニルスルホン酸、N,N’−エチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]、N,N’−トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]等があげられる。
上記の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3つ以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物等があげられる。
上記のシリル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等があげられる。
また上記イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシ−n−プロピルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシイソプロピルイソシアネート、4−メタクリロイルオキシ−n−ブチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシ−tert−ブチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシブチル−4−イソシアネート、2−メタクリロイルオキシブチル−3−イソシアネート、2−メタクリロイルオキシブチル−2−イソシアネート、2−メタクリロイルオキシブチル−1−イソシアネート、5−メタクリロイルオキシ−n−ペンチルイソシアネート、6−メタクリロイルオキシ−n−ヘキシルイソシアネート、7−メタクリロイルオキシ−n−ヘプチルイソシアネート、2−(イソシアナトエチルオキシ)エチルメタクリレート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−アクリロイルオキシ−n−プロピルイソシアネート、2−アクリロイルオキシイソプロピルイソシアネート、4−アクリロイルオキシ−n−ブチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシ−tert−ブチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシブチル−4−イソシアネート、2−アクリロイルオキシブチル−3−イソシアネート、2−アクリロイルオキシブチル−2−イソシアネート、2−アクリロイルオキシブチル−1−イソシアネート、5−アクリロイルオキシ−n−ペンチルイソシアネート、6−アクリロイルオキシ−n−ヘキシルイソシアネート、7−アクリロイルオキシ−n−ヘプチルイソシアネート、2−(イソシアナトエチルオキシ)エチルアクリレート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、1,1−ビス(メタクリロイルオキシメチル)メチルイソシアネート、1,1−ビス(メタクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)メチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2’−ペンテノイル−4−オキシフェニルイソシアネート等があげられる。
上記の官能基含有化合物は、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。また、上記官能基含有化合物を末端に有する重合体であってもよい。
<溶媒>
本発明に用いる溶媒としては、非極性溶媒および極性溶媒があげられる。
上記非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒があげられる。
上記極性溶媒としては、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を用いることができる。
上記非プロトン性極性溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジ−n―プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n―ブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテル系溶媒;
アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、イソホロン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n―ブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)等のアルキレングリコールモノエーテルエステル等のエステル系溶媒;
クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒;
さらには、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。
上記プロトン性極性溶媒としては、例えば、
ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等の1価アルコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール等のアルコール系溶媒;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール等の3価以上の多価アルコール等;
水等があげられる。
上記の溶媒の中でも極性溶媒が好ましく、Hoyの式によるSP値が9.5(cal/cm31/2以上である極性溶媒が効率よくグラフト化できる点で好ましく、さらにはプロトン性極性溶媒が好ましく、グラフト化効率が高くグラフト化ポリビニルアルコールフィルムの外観が良好となる点で、アルコール系溶媒が好ましく、中でもイオン液体との混合性が良好である点で炭素数が1〜8である1価アルコールが好ましい。
<グラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法>
本発明は、ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させる際、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させることを特徴とするものである。
上記、ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させるには、例えば、(1)ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させる工程[I]及び、ビニルアルコール系フィルムに、官能基含有化合物を接触させる工程[II]を順次行う方法や、(2)前記工程[I]及び工程[II]を同時に行う方法等により行うことができる。以下の各方法について説明を行う。
〔(1)工程[I]及び工程[II]を順次行う方法〕
まず、工程[I]に関して説明する。
ビニルアルコール系フィルムは、水酸基を有しており、水酸基同士が水素結合によって結合している。そのため、官能基含有化合物を直接反応させることは難しく、反応を効率的に行うためには水素結合を緩和させる必要がある。
かかる緩和の方法として工程[I]では、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させることで行う。
上記ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ロール、バーコーター、アプリケーター、スクリーン印刷等の塗布、浸漬、スプレー、シャワー、ディッピング、スピンコート等の塗工方法があげられる。中でも、フィルム上に均一にイオン液体を接触させることができる点から塗布による方法が好ましく、特に好ましくはバーコーターによる方法である。
イオン液体の塗布量としては、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、特に好ましくは1〜30μmの厚みになるようにフィルム上に塗布を行う。かかる塗布量が少なすぎると、水素結合の緩和が充分行われない傾向があり、また、多すぎても水素結合の緩和に著しい向上がみられない傾向がある。
ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させた後は、反応のため暫く静置させることが好ましい。静置時間としては、通常、1〜30分、好ましくは1〜15分、特に好ましくは1〜10分である。上記の静置時間が少なすぎると、水素結合の緩和が充分に行われない傾向があり、また、上記の静置時間が多すぎても水素結合の緩和に著しい向上がみられない傾向がある。
また、上記静置の際の温度は、通常、室温(23℃)で行えばよいが、必要に応じて加熱等の処理を行ってもよい。
イオン液体で水素結合が緩和されたフィルムは、そのまま次の工程に供してもよいが、通常、表面に残存するイオン液体を溶剤で洗浄し、除去するのが好ましい。
イオン液体を除去する溶剤としては、有機溶剤であれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール系溶剤やアセトニトリル等のニトリル系溶剤があげられる。中でも、メタノール、アセトニトリルが好ましい。
かくして、水素結合緩和ビニルアルコール系フィルムが得られる。
また、工程[I]においてビニルアルコール系フィルムにイオン液体と前記の溶媒と
の混合物を接触させてビニルアルコール系フィルムの水素結合を緩和させることもできる。
イオン液体と溶媒との混合物を用いることで、イオン液体のビニルアルコール系フィルムに対する強すぎる水素結合緩和能力を緩和し、グラフト化ビニルアルコール系フィルムの表面が侵されるのを防ぎ、外観を良好とすることできる。
溶媒としては水素結合の緩和を弱め、下記工程[II]において効率よくグラフト化
できる点で極性溶媒が好ましく、混合物中の溶媒の含有量は重量換算で5〜90重量%、さらには7〜70重量%、特には20〜50重量%が好ましい。混合物中の溶媒の含有量が少なすぎるとグラフト化ビニルアルコール系フィルムの外観が悪化する傾向があり、混合物中の溶媒の含有量が多すぎるとグラフト化の効率が低下する傾向がある。
次に工程[II]に関して説明する。
工程[II]は、例えば、下記の[II−1]または[II−2]の工程により行うことができる。
[II−1]水素結合緩和ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と官能基含有化合物とを接触させる工程。
[II−2]水素結合緩和ビニルアルコール系フィルムに官能基含有化合物を接触させる工程。
上記工程[II−1]、[II−2]の接触方法としては、特に限定されないが、工程[I]と同様の接触方法を用いることができる。中でも工程[II−1]においては、浸漬による方法が好ましい。また、工程[II−2]においては、塗布による方法が好ましく、特に好ましくは、バーコーターによる方法である。
まず、工程[II−1]の工程について説明する。
工程[II−1]としては、例えば、反応器に工程[I]で製造した水素結合緩和ビニルアルコール系フィルム、官能基含有化合物、下記の溶媒、イオン液体を仕込み、撹拌しながら反応を行う等の方法があげられる。
上記、官能基含有化合物の仕込み量としては、特に制限はなく、水素結合緩和ビニルアルコール系フィルムが充分に浸る量であればよい。
また、上記の工程[II−1]で用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、アセトニトリル等のニトリル類等の有機溶媒を使用することができる。中でもメタノール、アセトニトリルが好ましい。
工程[II−1]で用いる溶媒の仕込み量としては、官能基含有化合物に対して、通常1000重量部以下、好ましくは10〜500重量部、特に好ましくは20〜200重量部である。溶媒の仕込み量が多すぎると、反応効率が低下する傾向がある。なお、仕込み量が少なすぎると、溶液の粘度が高くなりすぎる傾向がある。
上記イオン液体の仕込み量としては、官能基含有化合物に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.05〜1重量部である。イオン液体の仕込み量が少なすぎると、充分にグラフト化が行われない傾向があり、多すぎてもグラフト化率に著しい向上がみられない傾向がある。
上記反応の温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは50〜80℃である。反応温度が低すぎると、グラフト化が充分に行われない傾向があり、高すぎると副生成物ができやすくなる傾向がある。
また、上記反応時間は、通常0.1〜10時間、好ましくは0.2〜5時間、特に好ましくは0.5〜3時間である。反応時間が少なすぎると、グラフト化が充分に行われない傾向があり、多すぎると副生成物ができやすくなる傾向がある。
次に、工程[II−2]の方法について説明する。
工程[II−2]としては、例えば、工程[I]で製造した水素結合緩和ビニルアルコール系フィルムに、官能基含有化合物を塗布し、反応を行う等の方法があげられる。
官能基含有化合物の塗布量としては、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、特に好ましくは1〜30μmの厚みになるようにフィルム上に塗布を行う。上記の範囲未満であると、充分にグラフト化が行われない傾向があり、上記の範囲を超えてもグラフト化率に著しい向上がみられない傾向がある。
また、官能基含有化合物を塗布するに際しては、水酸基に対して反応する官能基を有しない有機溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、アセトニトリル等のニトリル類等の有機溶媒を用いて、官能基含有化合物の希釈を行ってもよい。
上記反応の温度は、通常20〜120℃、好ましくは40〜100℃、特に好ましくは50〜90℃である。反応温度が低すぎると、グラフト化が充分に行われない傾向があり、高すぎると副生成物ができやすくなる傾向がある。
また、上記反応時間は、通常0.1〜10時間、好ましくは0.2〜5時間、特に好ましくは0.5〜3時間である。反応時間が少なすぎると、グラフト化が充分に行われない傾向があり、多すぎると副生成物ができやすくなる傾向がある。
〔(2)工程[I]及び工程[II]を同時に行う方法〕
上記の工程[I]及び工程[II]を順次行う方法は、グラフト化の効率の点から好ましいが、より簡便な方法として、工程[I]及び[II]を同時に行う方法、中でも下記工程[i]の方法でグラフト化を行うことができる。
[i]ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と官能基含有化合物とを接触させる工程。
上記工程[i]の接触方法としては、特に限定されないが、例えば、工程[I]と同様の接触方法を用いることができる。中でも、浸漬または塗布による方法が好ましい。
上記浸漬による方法でグラフト化を行う場合は、水素結合緩和されていないビニルアルコール系フィルムを用いる以外は、上記工程[II−1]に従うことにより行うことができる。
また、上記塗布による方法でグラフト化を行う場合は、水素結合緩和されていないビニルアルコール系フィルムと、イオン液体とを用いる以外は、上記工程[II−2]に従うことにより行うことができる。
上記イオン液体は、官能基含有化合物と別々に塗布してもよいし、イオン液体と官能基含有化合物との混合物を塗布してもよいが、作業効率の点から、イオン液体と官能基含有化合物との混合物を塗布することが好ましい。
上記の混合物を使用する場合のイオン液体の配合量は、官能基含有化合物に対して、通常1〜200重量%、好ましくは1〜100重量%、特に好ましくは0.1〜50重量%である。イオン液体の配合量が少なすぎると、充分にグラフト化反応が進まない傾向があり、多すぎてもグラフト化に著しい向上がみられない傾向がある。
上記混合物の粘度が高い場合は、例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、アセトニトリル等のニトリル類等の有機溶媒を用いて、塗布しやすい粘度に調整してもよい。
また、工場等で連続してグラフト化ビニルアルコール系フィルムを製造する場合には、例えば、次のように行うことができる。まず、製膜されたビニルアルコール系フィルムをイオン液体に浸漬させ、圧延ローラー等によりイオン液体の付着量を調整する。つぎに、洗浄用の溶剤にフィルムを浸漬させ、熱処理を行いフィルムを乾燥させる。最後に、乾燥後のフィルムを水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物に浸漬させ、これを熱処理を行い乾燥させること等により行うことができる。
かくして、上記の工程[I]及び[II]を順次行う方法や同時に行う方法、中でも工程[i]による方法等によりグラフト化ビニルアルコール系フィルムが得られる。
得られた上記のグラフト化ビニルアルコール系フィルムは通常、グラフト化反応後の表面に残存するイオン液体等を溶剤で洗浄し、除去するのが好ましい。なお、上記の洗浄に用いる溶剤としては、工程[I]で洗浄に使用した溶剤と同じ物を使うことができる。
また、本発明においては、得られたグラフト化ビニルアルコール系フィルムと、該フィルムと重合可能なモノマーとを公知の方法で共重合させてもよい。
本発明のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法により製造されたグラフト化ビニルアルコール系フィルムは、フィルムの機能化に優れている。よって、本発明により得られたグラフト化ビニルアルコール系フィルムは、偏光フィルムや位相差フィルムなどの光学用フィルム、包装用フィルム、離型用フィルム、農業用フィルムおよび建材用フィルム、コーティング用フィルム、接着用フィルム等に有用である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」は重量基準を意味する。
実施例および比較例に先立って、下記に示すイオン液体を準備した。
〔イオン液体Aの合成〕
100mL四つ口フラスコに、1−エチルイミダゾール20g(0.21mol)、亜リン酸ジメチル24g(0.22mol)を仕込み、70℃で24時間撹拌した。反応終了後、ジエチルエーテルで洗浄することで、薄黄色粘性液体の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネート(イオン液体A)を調製した。調製したイオン液体Aは、34gで収率は80%であった。
〔イオン液体Bの合成〕
100mL四つ口フラスコに、1−エチルイミダゾール10g(0.11mol)、1,4−ブタンスルトン16g(0.12mol)、トルエン10mLを仕込み、100℃で4時間反応させた。反応終了後、析出物をろ過することで、白色固体の4−(3−エチル−1−イミダゾリオ)−1−ブタンスルホナートを取得した。取得した4−(3−エチル−1−イミダゾリオ)−1−ブタンスルホナートは、24gで収率は99%であった。
次に、100mL四つ口フラスコに、4−(3−エチル−1−イミダゾリオ)−1−ブタンスルホナート20g(0.086mol)を仕込み、濃硫酸8.5g(0.087mol)を滴下し、90℃で7時間反応させた。反応終了後、トルエンとジエチルエーテルで洗浄することで、薄黄色粘性液体の1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウム硫酸水素塩(イオン液体B)を調製した。調製したイオン液体Bは、19gで収率は67%、全収率は66%であった。
<実施例1>
4%水溶液の20℃における粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%のPVA樹脂から作製した二軸延伸PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)に、イオン液体Aをバーコーター(No.3)を用いて厚み7μmになるように塗布し、2分間室温で放置した後、アセトニトリルでフィルムを洗浄することで、水素結合緩和PVAフィルムを得た。
次に、反応器に、水素結合緩和PVAフィルム(6cm×10cm)、アクリル酸63g、アセトニトリル47g、イオン液体B0.3gを仕込み、撹拌しながら60℃で加熱を行った。加熱1時間後、フィルムを取り出し、アセトニトリルで洗浄することでアクリル酸修飾PVAフィルムを得た。
得られたアクリル酸修飾PVAフィルムについて、以下の評価を行った。
[アクリル酸修飾量の確認]
得られたアクリル酸修飾PVAフィルムのアクリル酸修飾量について、赤外分光法を用いて評価した。測定機器は、Thermo Scientific社製の「NICOLET is10 FT−IR」を用い、ATR法で測定した。そして、カルボニル基の吸収ピークである1712cm-1のピーク高さと、アルキル基の吸収ピークである2939cm-1のピーク高さの比を求め、アクリル酸修飾量の指標とした。結果を後記の表1に示す。
[フィルム外観の確認]
得られたアクリル酸修飾PVAフィルムの外観について、可視領域(550nm)での吸光度を測定することで評価した。測定器は島津製作所社製の「UV−2400PC」を用いて、透過法にてフィルムの波長550nmの吸光度を測定し、フィルム外観の指標とした。結果を後記の表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、イオン液体Aにかえて、イオン液体Aとメタノールの混合物(メタノール含有量25%)を用いた以外は同様に行いアクリル酸修飾PVAフィルムを得た。得られたフィルムについて同様の評価を行った。
<実施例3>
実施例1において、イオン液体Aにかえて、イオン液体Aとメタノールの混合物(メタノール含有量27%)を用いた以外は同様に行いアクリル酸修飾PVAフィルムを得た。得られたフィルムについて同様の評価を行った。
<比較例1>
4%水溶液の20℃における粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%のPVA樹脂から作製した二軸延伸PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)表面を、積水化学社製「常圧プラズマ表面処理装置」を用い、処理速度1000mm/s、処理範囲420mm、窒素流量25L/minでプラズマ処理を行った。
次に、プラズマ処理PVAフィルムを用いて、実施例1と同様の条件でアクリル酸修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル酸修飾PVAフィルムについて、アクリル酸修飾量の評価を行った。
<比較例2>
4%水溶液の20℃における粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%のPVA樹脂から作製した二軸延伸PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)を用いて、実施例1と同様の条件でアクリル酸修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル酸修飾PVAフィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 0006834643
上記表1より、イオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させてグラフト化を行ったPVAフィルムである実施例1〜3は、プラズマ処理を行った比較例1および未処理の比較例2と比べてアクリル酸の修飾量が多く、効率的にグラフト化が行われていた。また、イオン液体とメタノールの混合物を接触させてグラフト化を行ったPVAフィルムである実施例2、3は可視光領域での吸光度が低く、外観が良好で、特にメタノール含有量が27%の混合物を用いた実施例3は前処理を行わない比較例2と同等の吸光度で、アクリル酸修飾量は高かった。
<実施例4>
実施例1と同様の方法で作製した水素結合緩和PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)に、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレートをバーコーター(No.12)を用いて塗布し、60℃のオーブンで10分間加熱処理を行った。加熱後、フィルムをアセトンで洗浄し、アクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを得た。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。IR測定結果を後記の表2に示す。
<実施例5>
実施例1と同様の方法で作製した水素結合緩和PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)に3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレートをバーコーター(No.12)を用いて塗布し、80℃のオーブンで10分間加熱処理を行った。加熱後、フィルムをアセトンで洗浄し、アクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを得た。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。
<比較例3>
比較例1と同様の条件で作製したプラズマ処理PVAフィルムを用いて、実施例4と同様の条件でアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。
<比較例4>
比較例1と同様の条件で作製したプラズマ処理PVAフィルムを用いて、実施例5と同様の条件でアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。
<比較例5>
4%水溶液の20℃における粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%のPVAから作製した二軸延伸PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)を用いて、実施例4と同様の条件でアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。
<比較例6>
4%水溶液の20℃における粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%のPVAから作製した二軸延伸PVAフィルム(厚み14μm、6cm×10cm)を用いて、実施例5と同様の条件でアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムを作製した。得られたアクリル基含有シランカップリング剤修飾PVAフィルムについて、アクリル基含有シランカップリング剤修飾量の評価を行った。
Figure 0006834643
また、上記表2からイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させてグラフト化を行ったPVAフィルムである実施例4、5は、プラズマ処理を行った比較例3、4および未処理の比較例5、6と比べ、アクリル基含有シランカップリング剤の修飾量が多かった。
本発明のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法により製造されたグラフト化ビニルアルコール系フィルムは、フィルムの機能化、外観に優れている。よって、本発明により得られたグラフト化ビニルアルコール系フィルムは、偏光フィルムや位相差フィルムなどの光学用フィルム、包装用フィルム、離型用フィルム、農業用フィルムおよび建材用フィルム、コーティング用フィルム、接着用フィルム等に有用である。

Claims (10)

  1. ビニルアルコール系フィルムをグラフト化反応させる際、ビニルアルコール系フィルムにイオン液体と、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物とを接触させることを特徴とするグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  2. 下記工程[I]及び[II]を順次または同時に行うことを特徴とする請求項1記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
    [I]ビニルアルコール系フィルムにイオン液体を接触させる工程。
    [II]ビニルアルコール系フィルムに、水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物を接触させる工程。
  3. 上記工程[I]のイオン液体の接触が、イオン液体と溶媒との混合物の接触であることを特徴とする請求項2記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  4. 溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項3項に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  5. 極性溶媒がプロトン性極性溶媒であることを特徴する請求項4に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. プロトン性極性溶媒がアルコール系溶媒であることを特徴とする請求項5に記載のグラフト化ビニルアルコールフィルムの製造方法。
  7. イオン液体と溶媒との混合物において、溶媒の含有量が重量換算で5〜90重量%であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  8. イオン液体が、イミダゾリウム塩系化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  9. 水酸基と反応する官能基を有する官能基含有化合物が、水酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  10. ビニルアルコール系フィルムが、ポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のグラフト化ビニルアルコール系フィルムの製造方法。
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