JP6833263B2 - 柱梁の接合構造および接合部材の製造方法 - Google Patents

柱梁の接合構造および接合部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、柱梁の接合構造および該接合構造を構成する接合部材の製造方法に関する。
コンクリート構造物は、柱や梁を、鉄筋コンクリート(RC)により予め製作し、製作した部材を建て込み、接合部を現場打ちコンクリートで一体化することにより構築される。この予め部材を製作することを、プレキャスト(PCa)化するという。このPCa化により、大幅な工期の短縮が図られている。
近年では、この接合部も、PCa化され、PCa化された接合部(接合部材)とPCa化された梁(梁部材)との接続は、図1に示すように、機械式継手10を用いて行われている。この工法は、柱梁接合部PCa化工法と呼ばれている。柱梁接合部PCa化工法では、柱11と梁12の接合部の損傷を回避するため、柱11に接合される梁12の端部(梁端部)から機械式継手10までの距離Lを、梁せいDの1.0〜1.5倍程度としている。この梁端部の位置は、最大曲げ応力が発生する断面を有する位置であることから、危険断面位置と呼ばれる。梁せいDは、梁12の上面から下面までの長さである。
接合部材14は、図2に示すように、柱11と同じ断面形状および面積を有する柱接合部15と、梁部材と接続するために水平方向に延びる梁接合部16とを有し、梁接合部16の端面17から鉄筋(接合部主筋)18が突出し、露出している。また、梁部材も、その端面から鉄筋(梁主筋)が突出し、露出している。この露出した接合部主筋18と梁主筋とを機械式継手10により接続し、その後、コンクリートを打設(現場打ち)して接合する。図1には、現場打ちする部分である現場打ち部13が示されている。
このように、上記距離Lが、梁せいの1.0〜1.5倍程度もあると、PCa化しても、柱接合部15から両方に延びる梁接合部16の長さが長いため、運搬車両の幅に納まらないという問題があった。また、コンクリートを現場打ちする必要があり、現場での型枠の組立て、コンクリートの打設が必要になるという問題もあった。
このような問題に鑑み、ヒンジリロケーションと呼ばれる手法を用い、接合部の損傷を回避しつつ継手位置を梁端部に設けることを可能とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、図3に示すように、機械式継手10を柱の側面(柱面)に密着させ、梁の塑性ヒンジを発生させる位置Pを、梁の中央側の継手先端位置にするという方法である。塑性ヒンジとは、曲げ剛性が失われてヒンジのように回転することをいう。
機械式継手10を梁部材19の端部に設けることで、コンクリートを打設して接合する必要がなくなり、また、図4に示すように、構造計算で採用する曲げ応力を、梁端部の最大モーメントM1から継手先端位置のモーメントM2に低減することができる。梁主筋の主筋量は、このモーメントM2を用いて決定することができるため、その主筋量を低減させることができる。また、水平方向に突出する梁接合部16を設けないので、運搬車両の幅に納めることが可能となる。
特開2005−155058号公報
しかしながら、上記の方法では、機械式継手10を柱面に密着させることで継手先端位置に塑性ヒンジを発生させるため、塑性ヒンジ発生位置は、機械式継手10の長さにのみ依存し、所望の位置に設定することができない。
そこで、塑性ヒンジ発生位置を所望の位置に設定することが可能な柱梁の接合構造および塑性ヒンジ発生位置が所望の位置となるように接続構造を構成する接合部材を製造する方法の提供が望まれていた。
本発明は、上記の問題に鑑み、柱梁の接合構造であって、構造物の柱を構成する柱部材間に配設され、柱部材と接合するための柱接合部と、柱に対して垂直方向に突出し、梁を構成する梁部材と接合するための梁接合部と、柱接合部および梁接合部の内部を該垂直方向に延びる複数の鉄筋とを有する接合部材と、梁接合部の端部または梁部材の端部に設けられ、接合部材の各鉄筋と梁部材の各鉄筋とを接続する複数の継手とを含み、接合部材と梁部材とを接合した場合の柱の側面から梁の中央側の複数の継手の端部までの垂直方向の距離に応じて、接合部材に使用する複数の鉄筋が選定され、梁接合部の垂直方向への突出長さが決定される、接合構造が提供される。
本発明によれば、塑性ヒンジ発生位置を所望の位置に設定することが可能となる。
従来の柱梁接合部PCa化工法について説明する図。 従来のPCa化された接合部材を例示した図。 ヒンジリロケーションについて説明する図。 地震時の梁の応力状態を例示した図。 柱梁の接合構造の第1の実施形態を示した図。 接合部材と梁部材に用いられる鉄筋の材種の組み合わせを例示した図。 接合部材の構成例を示した図。 継手位置による応力状態の変化について説明する図。 図5に示す接合構造を構築するための施工例を示した図。 柱梁の接合構造の第2の実施形態を示した図。 図10に示す接合構造に用いられるU字形補強筋の配筋例を示した図。 接合部材の製造工程を示したフローチャート。
図5は、柱梁の接合構造の第1の実施形態を示した図である。柱、梁、その接合部は、工場等で型枠内に複数の鉄筋を配置し、コンクリートを打設することにより予め製作される(PCa化)。それらを現場へ運搬し、現場で組み立て、構造物が構築される。構造物は、コンクリート構造物であれば、マンション、商用ビル、病院、学校の校舎等、いかなる構造物であってもよい。
PCa化された柱(柱部材)は、鉛直方向に向けて配設され、鉛直方向に向いた面から複数の鉄筋(柱主筋)が突出している。PCa化された接合部(接合部材)は、柱部材の複数の柱主筋が挿通可能な穴を有し、その穴にその端部を通すことで、柱部材上に接合部材を配置する。
なお、接合部材の穴には、シース管と呼ばれる金属製のパイプが予め設けられ、そのシース管内に柱主筋が通される。柱主筋とシース管との隙間、柱部材と接合部材との間の目地部には、早期に強度を発現するグラウト材を充填することにより一体化される。
接合部材の上部には、別の柱部材が接続されるが、その柱部材には、端部に複数の機械式継手が設けられており、接続部材を貫通した下側の柱部材の複数の柱主筋を複数の機械式継手により接続することで、上下2つの柱部材で接続部材を挟み込むようにして固定する。これを繰り返すことで、図5に示す柱20が構築される。図5では、既に柱部材と接続部材とが一体化されている。
機械式継手は、ねじ節鉄筋継手、モルタル充填継手、端部ねじ加工継手、鋼管圧着継手のいずれであってもよい。ねじ節鉄筋継手は、鉄筋表面の節がねじ状に形成された異形鉄筋を、内部がねじ加工された管(カプラー)により接続し、その隙間にグラウト材を注入して固定する継手である。モルタル充填継手は、内部がリブ加工された管(スリーブ)と鉄筋との隙間に高強度モルタルを充填して接合する継手である。
端部ねじ加工継手は、鉄筋の端部に接合したねじを相互に突き合わせ、長ナットにより接続した後、長ナットの両端を固定ナットで締め付けて締結する継手である。鋼管圧着継手は、スリーブを冷間で油圧により鉄筋の節に圧着して接合する継手である。
接合部材は、複数のシース管のほか、柱20に対して垂直方向(地面に対して水平方向)に延びる複数の鉄筋(接合部主筋)を有している。以下、梁21が延びる方向を水平方向として説明する。接合部材は、柱面22とその裏側の柱面23の両方から水平方向へ向けて突出する梁接合部を有し、内部には複数の接合部主筋24を有している。梁部材は、水平方向に延びる複数の梁主筋25を有している。接合部材と梁部材は、各接合部主筋24と各梁主筋25とを継手26により接続することで接合される。
接合部主筋24は、接合部材と梁部材とを接合した場合の柱面22、23から梁21の中央側の複数の継手26の端部(先端)までの水平方向の距離、すなわち塑性ヒンジ発生位置Pに応じて選定される。接合部主筋24としては、梁主筋25の強度より高い、高強度鉄筋を選定することができる。柱面22、23から継手26に至るまでこの高強度鉄筋を使用することにより、柱面22、23で塑性ヒンジを発生させることなく、その高強度鉄筋に接続された継手26の先端で、地震時に塑性ヒンジを適切に発生させることができる。継手26は、柱部材で使用される機械式継手と同様のものを使用することができる。
接合部主筋24の材種と、梁主筋25の材種との組み合わせを、図6に例示する。図6中、SDは、表面に突起(リブ)を有する異形鉄筋であることを示し、SDに続く390等の数値は、降伏点(N/mm2)を示している。梁主筋25の材種が決定されていれば、上記位置Pおよび梁主筋25の材種に応じて選定することができ、決定されていなければ、上記位置Pに応じて梁主筋25も選定することができる。なお、鉄筋の強度は、降伏点が高いほど高いものである。このように鉄筋の強度に適切な差を設けることで、継手26の先端に適切に塑性ヒンジを発生させることができる。これらの組み合わせは、一例であり、継手26の先端に適切に塑性ヒンジを発生させることができれば、その他の組み合わせであってもよい。
このように梁21の所定位置で塑性ヒンジが発生し、梁21に損傷が集中し、梁21が回転することにより、柱20が回転するのを防ぎ、構造物の倒壊を防ぐことができる。
梁接合部の水平方向への突出長さも、上記位置Pに応じて決定される。突出長さは、施工条件や設計条件等を考慮し、継手26が柱面22、23に密着しない、継手26の長手方向の長さより長く、従来の梁せいの1.0〜1.5倍の長さに継手26の長さを加算した長さより短くなるように決定することができる。
施工条件や設計条件としては、PCa化された部材を製作する工場、製作された部材を運搬する車両、運搬経路、現場での作業空間(スペース)等を挙げることができる。詳細には、工場で所持する型枠、採用する機械式継手、車両の幅、道路の幅やトンネルの高さ、柱間の距離等である。
従来の方法では、接合部材および梁部材のサイズが固定されてしまうので、特定の工場、特定の幅の車両、特定の継手、特定の経路を選定しなければならず、作業スペースを考慮しながら組み立てなければならなかった。例えば、もう少し短ければ、運搬車両に隙間なくPCa部材を積載することができるのに、少し長いために、大きな隙間が生じ、運搬個数も少なくなり、運搬効率が低いということがあった。しかしながら、本発明では、これらを考慮して、突出長さを最適な長さに調整することができるので、それらの選定の幅が広がり、作業をスムーズに進めることが可能となる。
決定された突出長さから継手26の長さを引いた値は、柱面22、23から継手26までの水平方向距離Xである。塑性ヒンジ発生位置Pを変化させると、距離Xも変化することから、この距離Xを変化させることで、塑性ヒンジ発生位置Pを調整することができる。
このように塑性ヒンジ発生位置Pを調整することができるので、構造計算に用いる曲げ応力を制御することができる。この制御により、意図的な応力を生じさせることができるので、設計の簡略化を図ることができる。また、図6に示すような様々なパターンを採用することができるため、設計の自由度が高く、また、材料の調達が容易である。
また、継手26が接合部材または梁部材に設けられるため、継手26の部分にコンクリートを現場打設して部材を接合する必要がなく、現場でのコンクリート打設にかかる作業をなくし、省力化を図ることができる。さらに、工場で製作した良好なPCa部材を使用することで、構造物の躯体品質を向上させることができる。
ここで、図7を参照して、接合部材について詳細に説明する。図7(a)〜(c)は、接続部材の構成例を示した図である。図7に示す接合部材は、柱部材と接合するための柱接合部30と、水平方向に突出し、梁21を構成する梁部材と接合するための梁接合部31と、柱接合部30および梁接合部31の内部を水平方向に延びる複数の接合部主筋24とを備えている。図7には図示しないが、柱接合部30には、その縁部に沿って上記のシース管が設けられ、柱部材の柱主筋を貫通させることができるようになっている。
図7(a)に示す例では、2つの梁接合部31の端部に、各接合部主筋24と梁主筋25とを接続する複数の継手26を有している。複数の継手26は、柱20の一部を構成する柱接合部30の側面から水平方向へ距離Xだけ離間している。この場合、梁部材の端面から複数の梁主筋25が突出していて、複数の梁主筋25の各々が複数の継手26の各々に挿入されることにより接続される。
図7(b)に示す例では、2つの梁接合部31の端面32から接合部主筋24が突出している。この例では、2つの梁接合部31の水平方向への突出長さが距離Xとされている。この場合、接合部材の端面から複数の接合部主筋24が突出しているので、複数の接合部主筋24の各々を梁部材の端部に設けられる複数の継手26の各々に挿入することにより接続される。
図7(c)に示す例は、一方の梁接合部31が、図7(a)に示すような継手26を有するもので、他方の梁接合部31が、図7(b)に示すような端面32から接合部主筋24が突出するものとされている。
ここで、図8を参照して、継手位置による曲げ応力の変化について説明する。図8(a)に示すように、継手位置を柱面22、23から離間させることにより、地震時の継手先端位置でのモーメントは、梁21の中央側に移動し、柱面位置の最大モーメントM1からモーメントM2のように小さくなる。このため、図8(b)に示すように、継手位置をさらに柱面22、23から離すことにより、モーメントM2からモーメントM3のように小さくすることができる。
梁主筋25の主筋量は、継手先端位置のモーメントにより決定することができる。このため、継手位置を柱面22、23から離すことで梁主筋25の主筋量を低減させることができる。
このように継手位置を梁21の中央側に移動させる距離を調整することで、継手先端位置でのモーメントMを調整することができ、そのモーメントMを調整することで、梁主筋の主筋量を決定することができる。継手位置を移動させる距離は、上記の距離Xであり、施工条件や設計条件に応じて決定することができるので、例えば運搬上の制限を解消し、運搬計画の合理化を図ることができ、構造物のPCa化率を向上させることができる。
図9を参照して、柱20に配設された接合部材と梁部材との接合方法について説明する。図9(a)に示す例では、接合部材40は、梁接合部31および複数の接合部主筋24を有し、複数の接合部主筋24が梁接合部31の端面32から突出し、外部に露出している。梁部材41は、複数の梁主筋25を有し、複数の梁主筋25の端部には、複数の継手26が設けられている。複数の継手26は、梁部材41の端部であって、その端部から突出しないように埋設されている。
梁部材41を接続する場合、梁部材41の長手方向を水平方向になるようにクレーン等で持ち上げて配置し、矢線に示す柱20に向けて移動させることにより、複数の継手26の各々に複数の接合部主筋24の各々を挿入する。そして、その隙間にグラウト材を注入し、接合部材40の梁接合部31の端面32と梁部材41の端面42とを当接させることにより接続することができる。
図9(b)に示す例では、接合部材40は、梁接合部31および複数の接合部主筋24を有し、梁接合部31の端部に、複数の接合部主筋24に接続された複数の継手26が設けられている。複数の継手26は、梁接合部31を備える接合部材40の端部であって、その梁接合部31から突出しないように埋設されている。梁部材41は、複数の梁主筋25を有し、複数の梁主筋25が梁部材41の端面42から突出している。
梁部材41を接続する場合、梁部材41の長手方向を水平方向になるようにクレーン等で持ち上げて配置し、矢線に示す柱20に向けて移動させることにより、複数の継手26の各々に複数の梁主筋25の各々を挿入する。そして、その隙間にグラウト材を注入し、接合部材40の梁接合部31の端面32と梁部材41の端面42とを当接させることにより接続することができる。
このように現場では、各主筋の端部を継手26に挿入し、グラウト材を注入することにより部材の接合が完了するため、型枠の設置作業やコンクリート打設という作業を省略することができ、施工性を向上させ、工期を短縮することができる。
これまで接合部材40の接合部主筋24に高強度鉄筋のみを使用する例を参照して説明してきたが、接合部材40の強度を高めることができれば、いかなる方法でも採用することができる。例えば、柱梁の接合方法の第2の実施形態を示す図10に示すように、梁部材41の梁主筋25と同程度の強度を有する材種とし、別途、U字形等の任意の形状の補強筋43を設けることができる。補強筋43は、両方に突出する梁接合部31の端部近隣にまで延びるように内部に設けられる。すなわち、一方の梁接合部の端部近隣から他方の梁接合部の端部近隣にまで、水平方向に延びるように設けられる。
図11を参照して、梁接合部31の断面における接合部主筋24および補強筋43の配置について説明する。図11(a)は、二段配筋の例を示し、図11(b)は、一段配筋の例を示す。
図11(a)に示す例では、梁接合部31の上面側に、縁部に沿って5本の接合部主筋24がコの字形に等間隔で設けられ、下面側にも、同じく縁部に沿って5本の接合部主筋24がコの字形に等間隔で設けられている。そして、その断面の中央部に、10本の接合部主筋24に挟まれる形で2本の補強筋43が設けられている。梁部材41は、梁接合部31の接合部主筋24の配置に合わせて、梁主筋25がコの字形に等間隔で設けられている。
また、図11(a)には、上面側および下面側の接合部主筋24をT字形に4本ずつとし、その断面の中央部の接合部主筋24の左右に補強筋43を2本ずつ配置された例も示されている。梁部材41は、梁接合部31の接合部主筋24の配置に合わせて、梁主筋25がT字形に等間隔で設けられている。接合部主筋24をこのように二段に配置する方法を二段配筋という。
図11(b)に示す例では、梁接合部31の上面側に、縁部に沿って一列に4本の接合部主筋24が等間隔で設けられ、下面側にも、同じく縁部に沿って一列に4本の接合部主筋24が等間隔で設けられている。そして、その断面の中央部の左右に、補強筋43が2本ずつ配置されている。梁部材41は、梁接合部31の接合部主筋24の配置に合わせて、梁主筋25が一列に等間隔で設けられる。接合部主筋24をこのように一段に配置する方法を一段配筋という。
ここでは一段配筋および二段配筋の例を示したが、三段以上に配筋してもよいし、他の形に等間隔で配置して配筋してもよい。補強筋43も、U字形に限られるものではなく、例えば棒状のものであってもよい。
図12を参照して、柱梁の接合構造に用いられる接合部材40を製造(設計および製作)する方法について説明する。なお、個々のステップにおける作業の内容は、それぞれ良く知られたものであるため、その詳細な内容についての説明は省略する。ステップ1200から開始し、ステップ1205では、接合部材40を製作するPCa工場を選定する。PCa工場では、柱部材や梁部材41も製作することができる。
ステップ1210では、製作した接合部材40等のPCa部材を運搬する運搬車両を決定する。ステップ1215では、運搬車両が目的地の現場まで走行する運搬経路を決定する。ステップ1220では、現場での作業スペースを確認する。例えば、PCa部材をクレーンで吊り上げて移動させる際の最も狭い空間の大きさ等を確認する。その空間を通らない大きさのPCa部材を製作しても意味がないからである。なお、これらのステップは、この順番で実施することに限られるものではなく、どのような順番で実施してもよい。
以上のステップにより施工条件、設計条件を決定した後、ステップ1225へ進み、施工条件、設計条件に応じて、塑性ヒンジ発生位置Pを決定する。塑性ヒンジ発生位置Pの決定は、PCa工場等の情報をデータベースとして保持するコンピュータに、上記の選定したPCa工場等を施工条件等として入力することにより、該コンピュータが決定することができる。例えば、入力された条件のうち、どの条件が施工上最も厳しい条件になるかを判断し、判断した条件に基づき、塑性ヒンジ発生位置Pを決定することができる。具体的には、最も厳しい条件が運搬車両の幅となる場合、例えば運搬車両の幅を、接合部材40の水平方向の長さとし、その幅の両端を塑性ヒンジ発生位置Pとして決定することができる。なお、塑性ヒンジ発生位置Pの決定は、設計者が行ってもよく、その位置は、施工的に有利な条件となるように(厳しい条件を回避できるように)決定することができる。
ステップ1230で、決定した塑性ヒンジ発生位置Pに基づき、コンピュータが接合部主筋24を選定する。コンピュータは、データベースとして塑性ヒンジ発生位置Pに対応する接合部主筋24の材種の情報を保持しており、塑性ヒンジ発生位置Pが決定されたことを受けて、材種を選択することができる。なお、コンピュータは、図6に示す情報を保持し、接合部主筋24に加え、梁主筋25の選定、さらには継手26の選定も行うことができる。これも同様に、設計者が塑性ヒンジ発生位置Pに応じて接合部主筋、梁主筋、継手等を選択することもできる。
ステップ1235では、決定された接合部主筋24および選定された継手26等に基づき、梁接合部31の水平方向への突出長さを決定する。そして、必要な構造計算等を実施し、接合部材40を設計する。ステップ1240では、決定した突出長さに組み立てた型枠内に、設計した本数の、決定された材種の鉄筋を、設計した位置に配置し、必要に応じて継手26を取り付けて配置し、コンクリートを打設する。コンクリートは、必要に応じてバイブレータを使用して混入する空気を取り除き、その表面を、木ゴテ等を使用してならす。
ステップ1245では、型枠を覆うパネルやシートを使用し、パイプやシート内にパイプを引き込み、蒸気を供給してコンクリート表面に蒸気を吹き付けて蒸気養生を行う。ここでは、養生として蒸気養生を行うことを説明したが、蒸気養生に限定されるものではなく、湿潤養生等であってもよい。
ステップ1250では、養生により強度が発現したコンクリートにより構成される接合部材40を脱型し、ステップ1255でその製作を終了する。なお、接合部材40は、必要な数だけステップ1240からステップ1250の工程を繰り返して製作することができる。
上記のコンピュータとしては、CPU、ROM、RAM、HDD、通信I/F、入出力I/F、入力装置、表示装置を備えるPCやタブレット端末等を使用することができ、CPUがHDD等からRAMにプログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより、上記の塑性ヒンジ発生位置Pを決定する処理や構造計算等を実施することができる。
これまで本発明の柱梁の接合構造および接合部材の製造方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…機械式継手、11、20…柱、12、21…梁、14、40…接合部材、15、30…柱接合部、16、31…梁接合部、17…端面、18、24…接合部主筋、19、41…梁部材、22、23…柱面、25…梁主筋、26…継手、32、42…端面、43…補強筋

Claims (5)

  1. 柱梁の接合構造であって、
    構造物の柱を構成する柱部材間に配設され、前記柱部材と接合するための柱接合部と、前記柱に対して垂直方向に突出し、梁を構成する梁部材と接合するための梁接合部と、前記柱接合部および前記梁接合部の内部を前記垂直方向に延びる複数の鉄筋とを有する接合部材と、
    前記梁接合部の端部または前記梁部材の端部に設けられ、前記接合部材の各鉄筋と前記梁部材の各鉄筋とを接続する複数の継手とを含み、
    前記接合部材と前記梁部材とを接合した場合の前記柱の側面から、塑性ヒンジを発生させる位置である前記梁の中央側の前記複数の継手の端部までの垂直方向の距離に応じて、前記接合部材に使用する複数の鉄筋が選定され、前記梁接合部の垂直方向への突出長さが決定される、接合構造。
  2. 前記突出長さは、前記距離が前記継手の長さより長く、前記梁の上面から下面までの長さに前記継手の長さを加算した長さより短くなるように決定される、請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記接合部材に使用する複数の鉄筋は、前記梁部材に使用する複数の鉄筋より高い強度の鉄筋、または該梁部材に使用する複数の鉄筋と同じ強度の鉄筋と前記接合部材を補強するために追加される補強筋とを組み合わせたものが選定される、請求項1または2に記載の接合構造。
  4. 前記接合部材に使用する複数の鉄筋は、前記梁部材に使用する複数の鉄筋に応じて、または該梁部材に使用する複数の鉄筋とともに選定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合構造。
  5. 構造物の柱を構成する柱部材間に配設され、前記柱部材と接合するための柱接合部と、前記柱に対して垂直方向に突出し、梁を構成する梁部材と接合するための梁接合部と、前記柱接合部および前記梁接合部の内部を前記垂直方向に延びる複数の鉄筋とを有する接合部材と、前記梁接合部の端部または前記梁部材の端部に設けられ、前記接合部材の各鉄筋と前記梁部材の各鉄筋とを接続する複数の継手とを含む、接合構造の前記接合部材を製造する方法であって、
    前記接合部材と前記梁部材とを接合した場合の前記柱の側面から、塑性ヒンジを発生させる位置である前記梁の中央側の複数の継手の端部までの前記垂直方向の距離に応じて、前記接合部材に使用する複数の鉄筋を選定し、前記梁接合部の垂直方向への突出長さを決定する段階と、
    前記突出長さとなるように組み立てた型枠内に、選定された前記複数の鉄筋を配置し、コンクリートを打設する段階と、
    打設された前記コンクリートを養生する段階とを含む、接合部材の製造方法。
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