JP6832838B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、刈取穀稈を脱穀装置に搬送するフィードチェーンを備え、フィードチェーンクラッチによってフィードチェーンへの動力を断続可能に構成されているコンバインに関する。
この種のコンバインにおいて、従来では、フィードチェーンクラッチを入り切りするために、電動モータにて駆動されるカム式のクラッチ操作装置を備えたものがあった。すなわち、刈取部が所定の高さ位置まで上昇した場合や手刈り穀稈を脱穀処理する枕扱ぎ作業時等の作業状況に応じて、電動モータによって回動操作されるカム機構を備えたクラッチ操作装置によってフィードチェーンクラッチを伝達状態と遮断状態とに切り換える構成である。そして、フィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換える場合は、刈取部の作動を停止し且つフィードチェーンの作動を停止させる刈取搬送停止状態に対応する操作位置にまでカム機構を操作させる構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−97052号公報
上記従来構成では、例えば、枕扱ぎ作業を実行しているときに、フィードチェーンを素早く駆動停止させたいような場合には、フィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換えるために、カム機構を刈取搬送停止状態に相当する操作位置にまでカム機構を操作させる必要があり、時間がかかる不利があった。
そこで、刈取部の上昇に伴ってフィードチェーンクラッチを停止させることと、フィードチェーンクラッチを単独で停止させることを、各別に、円滑且つ迅速に行えるようにすることが望まれていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
植立穀稈を刈り取る昇降可能な刈取部と、
刈取穀稈を脱穀装置に搬送するフィードチェーンと、
前記フィードチェーンに動力を伝達する伝達状態と前記フィードチェーンへの動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチと、
前記フィードチェーンクラッチの前記伝達状態に対応する入位置と前記遮断状態に対応する切位置とに切り換え操作可能な操作部と、
人為的な停止指令に基づいて、前記操作部を操作して前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換える指令停止操作機構と、
前記刈取部が所定の高さ位置以上まで上昇されると、前記操作部を操作して前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換える連動停止操作機構と、
前記指令停止操作機構を前記操作部に連係する第一緩衝機構と、
前記連動停止操作機構を前記操作部に連係する第二緩衝機構と、が備えられ、
前記第一緩衝機構及び前記第二緩衝機構は、前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構の一方の機構が前記遮断状態への切り換えを実行するときに、前記一方の機構の操作力を、前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構の他方の機構に伝達させないように構成されている点にある。
本発明によれば、刈取作業中に刈取部が所定の高さ位置まで上昇すると、それに伴って、連動停止操作機構が操作部を操作してフィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換える。一方、例えば、刈取部が作動停止しており、フィードチェーンが作動しているとき等において、人為的な停止指令があると、指令停止操作機構が操作部を操作してフィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換える。このようにいずれの場合においても、操作部を操作してフィードチェーンクラッチを迅速に遮断状態に切り換えることができる。
そして、指令停止操作機構及び連動停止操作機構は、各別に第一緩衝機構及び第二緩衝機構緩衝機構を介して操作部と連係されており、いずれか一方が遮断状態への切り換えを実行するときは、他方の操作機構の作動に影響を与えることなく、円滑に切り換え操作を行える。
従って、刈取部が所定の高さ位置まで上昇した場合にフィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換えることと、フィードチェーンクラッチを単独で作動しているときに停止させることを、各別に、円滑且つ迅速に行えるものとなった。
本発明においては、前記操作部に、回動動作によって前記フィードチェーンクラッチを切り換える操作部材と、前記操作部材の回動軸芯周りに前記操作部材と一体回動可能なアームと、が備えられ、
前記第一緩衝機構は、前記アームと前記指令停止操作機構とを連係し、かつ、前記第二緩衝機構は、前記アームのうち前記第一緩衝機構が連係された箇所とは異なる箇所と前記連動停止操作機構とを連係していると好適である。
本構成によれば、操作部は、アームを備えて回動操作にてフィードチェーンクラッチを切り換える構成であるから、例えば、スライド操作によってフィードチェーンクラッチを切り換える構成等に比べて操作が円滑に行える。又、第一緩衝機構と第二緩衝機構とは、アームのうちの異なる箇所に連係されるので、互いに干渉することがなく簡単な構造で連係させることができる。
本発明においては、前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構は、前記アームを所定方向に回動するように接当した状態で押し移動させて前記フィードチェーンクラッチを切り換えるように構成され、
前記第一緩衝機構は、前記連動停止操作機構による切り換え操作が行われるときは、前記指令停止操作機構を前記アームから離間させて、前記連動停止操作機構の操作力を前記指令停止操作機構に伝達させず、
前記第二緩衝機構は、前記指令停止操作機構による切り換え操作が行われるときは、前記連動停止操作機構を前記アームから離間させて、前記指令停止操作機構の操作力を前記連動停止操作機構に伝達させないと好適である。
本構成によれば、指令停止操作機構及び連動停止操作機構は、いずれのものも、同じ所定方向に回動するように接当状態で押し移動させてアームを操作する。すなわち、操作部が所定方向に回動することでフィードチェーンクラッチが遮断状態に切り換わる。指令停止操作機構及び連動停止操作機構のうちいずれか一方がアームを操作するときは、他方は該当するアームから離間して該当する操作機構の操作力を他方の操作機構に伝達させないので、両操作機構は、互いに阻害されることなく円滑に切り換え操作を行えるものとなる。
このようにアームに接当することで操作部材を操作し、アームから離間することで相手側に操作力を伝達させない構成であるから、第一緩衝機構及び第二緩衝機構は簡単な構造で対応できる。
本発明においては、前記フィードチェーンに動力を伝達する伝動軸が備えられ、
前記フィードチェーンクラッチは、前記伝動軸上で対向して噛合可能な一対のクラッチ部材を有する噛合い式に構成され、
前記操作部に、前記一対のクラッチ部材を切り離し操作可能なシフトフォーク式のシフター部材が備えられていると好適である。
本構成によれば、指令停止操作機構あるいは連動停止操作機構が操作されると、シフター部材が、一対のクラッチ部材のうち一方を噛合い解除側に移動させて、フィードチェーンクラッチが遮断状態に切り換わる。指令停止操作機構あるいは連動停止操作機構の操作が解除されると、操作部材が付勢機構の付勢力により入位置に切り換わる。
このように噛み合い式のクラッチの一方のクラッチ部材をシフター部材によりシフト操作させることで遮断状態に切り換える構成であるから、遮断状態への切り換えを迅速に行うことができる。
本発明においては、前記操作部が前記切位置に操作されるのに伴って、前記一対のクラッチ部材のうちの前記伝動軸に沿って移動される部材に対して制動力を付与する制動機構が備えられていると好適である。
本構成によれば、操作部が切位置に操作され、フィードチェーンクラッチが遮断状態に切り換わるのに伴って、制動機構によって伝動軸が制動される。フィードチェーンに対する動力伝達が遮断されるとともに制動力が付与されるので、慣性力による回動を阻止してフィードチェーンをより一層迅速且つ確実に作動停止させることができる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 脱穀装置の縦断背面図である。 上昇位置に切り換えた状態の脱穀装置の縦断背面図である。 脱穀装置の側面図である。 フィードチェーンに対する伝動機構の断面図である。 遮断切換操作機構を示す側面図である。 伝達状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。 指令停止操作機構により遮断状態に切り換わった状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。 連動停止操作機構により遮断状態に切り換わった状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。 連動停止操作機構を示す側面図である。 制御ブロック図である。
以下、本発明に係るコンバインの実施形態について図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、本発明に係るコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取る刈取部3が備えられている。走行機体2の前部右側に、キャビン4にて周囲が覆われた運転部5が備えられている。運転部5の後方には、刈取部3にて刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置6と、脱穀処理にて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク7とが、横方向に並ぶ状態で配備されている。運転部5における運転座席8の下方に機体各部を駆動する動力源としてのエンジン9が備えられている。
この実施形態では、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
刈取部3は、刈取対象となる植立穀稈の株元を分草案内する分草具10、分草された植立穀稈を縦姿勢に引き起こす複数の引き起こし装置11、引き起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置12、刈取穀稈を縦姿勢から徐々に横倒れ姿勢になるように姿勢変更しながら後方に搬送して脱穀装置6に供給する搬送装置13等を備えている。搬送装置13の上方側は防塵カバー14によって覆われている。
脱穀装置6の左側部には、刈取穀稈を脱穀装置6に搬送するフィードチェーン15と、その上方側に対向して設けられた挟持レール16とが備えられている。脱穀装置6の後方には、脱穀装置6からの排藁を切断する排藁カッタ17が備えられている。穀粒タンク7には、穀粒タンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出装置18が備えられている。
〔脱穀装置〕
脱穀装置6は、刈取穀稈の株元側をフィードチェーン15と挟持レール16とによって挟持搬送しながら、刈取穀稈の穂先側を扱室19内で脱穀処理する。扱室19には、扱胴20が設けられている。図3に示すように、扱胴20は、機体前後方向に延びる回転軸芯Y1周りで回転可能である。扱胴20の下方には、受網21が設けられている。扱室19の後方には、塵埃を外部に排出する排塵ファン22が備えられている(図5参照)。脱穀装置6の左外側は、外装カバー23によって覆われている。
図5に示すように、脱穀装置6の下部には、受網21から漏下した脱穀処理物を、穀粒、二番物、排ワラ屑等に選別する選別部24が備えられている。選別部24は、選別対象物を機体後方に移送しながら篩い選別する揺動選別装置25、揺動選別装置25に選別風を送風する唐箕26、一番物の穀粒(単粒化穀粒等)を回収する一番回収部27、二番物の穀粒(枝梗付き穀粒等)を回収する二番回収部28等が設けられている。
脱穀装置6に、扱胴20、及び、挟持レール16を支持するレール台29を有する上部側脱穀分割体30が備えられ、かつ、上部側脱穀分割体30が、機体前後軸芯Y2周りで、下方側の通常作業位置と上方に揺動した上昇位置とにわたって上下揺動可能に構成されている。
説明を加えると、扱室19における前端部及び後端部には、夫々、壁部31が設けられている。図3に示すように、壁部31は、可動壁32と固定壁33とを備えている。可動壁32には、扱胴20が扱胴軸20aが軸受け部材34を介して回転可能に支持されている。可動壁32と固定壁33とに亘って、これらを連結する連結アーム35が設けられている。可動壁32は、連結アーム35を介して機体前後方向に沿う軸芯Y2周りで上下揺動可能に固定壁33に支持されている。
前後両側の可動壁32における左側(フィードチェーン15側)の上部箇所同士にわたって角筒状の前後向きフレーム体36が架設連結されている。前後両側の可動壁32における左側の下部箇所同士にわたってレール台29が支持されている。前後両側の可動壁32の上端部同士にわたって天板37が設けられ、天板37は前後両側の可動壁32に固定状態で取り付けられている。
従って、扱胴20、レール台29、天板37、前後向きフレーム体36等が一体的に連結されて上部側脱穀分割体30が構成されている。
上部側脱穀分割体30を通常作業位置と上昇位置とにわたって揺動操作可能な昇降用アクチュエータとしての電動油圧シリンダ38が備えられている。電動油圧シリンダ38は、後側の壁部31における連結アーム35と固定壁33とにわたって連結されている。電動油圧シリンダ38は、油圧シリンダ39と、油圧シリンダ39に作動油を供給する油圧ポンプ40、油圧ポンプ40を駆動する電動モータ41、油圧シリンダ39に対する制御用の油圧ユニット(図示せず)等によって構成されている。電動モータ41に電力供給されることによって油圧シリンダ39が伸縮作動して、上部側脱穀分割体30を上下揺動操作可能な電動式に構成されている。
上部側脱穀分割体30の揺動支点位置に、上部側脱穀分割体30の上下揺動位置を検出するためのポテンショメータ形式の高さセンサ42が備えられている。又、図12に示すように、電動油圧シリンダ38の作動を制御する制御装置43が備えられている。制御装置43は、マイクロコンピュータを備えて構成されている。
図12に示すように、上昇操作を指令する開放指令操作具としての上昇スイッチ44と、下降操作を指令する下降スイッチ46と、複数の位置のいずれかを指令するレベル設定器45とが備えられている。上昇スイッチ44、下降スイッチ46、レベル設定器45は、例えば、運転部5に備えられる。
制御装置43は、上昇スイッチ44の操作に基づいて、上部側脱穀分割体30を扱室19を開放するメンテナンス用上昇位置にまで上昇させるように電動油圧シリンダ38の作動を制御するように構成されている。メンテナンス用上昇位置は、扱室19内部の清掃作業等が可能なように扱室19を開放する位置である。レベル設定器45によってメンテナンス用上昇位置として複数の段階のいずれかを設定可能である。
制御装置43は、上昇スイッチ44が操作されると、高さセンサ42にて検出される高さがレベル設定器45にて設定された設定位置になるまで上部側脱穀分割体30を上昇させる。又、制御装置43は、下降スイッチ46が操作されると、上部側脱穀分割体30を通常作業位置にまで下降させるように、電動油圧シリンダ38の作動を制御する。
上部側脱穀分割体30を通常作業位置で位置保持するロック機構130が設けられている。ロック機構130は、前後一対のフックプレート131と、前後一対の係止ピン132とを備えている。前後の壁部31の夫々に、フックプレート131が機体前後方向に延びる揺動軸心Y3周りで揺動可能に支持されている。フックプレート131の先端部には、係止ピン132に係合可能なフック部131aが設けられている。フック部131aが係止ピン132に係合することにより、上部側脱穀分割体30が位置保持される。係止ピン132に対するフック部131aの係合が解除されることにより上方に揺動可能になる。前後一対のフックプレート131を揺動駆動するモータMが、後側の壁部31の後面に支持されている。モータMによって、前後一対のフックプレート131が係合側及び係合解除側に揺動される。
〔フィードチェーンに対する伝動構造〕
図5に示すように、フィードチェーン15は、後部側に位置する駆動スプロケット47と、前部側に位置する従動スプロケット48とにわたって巻回されている。フィードチェーン15に動力を伝達する伝達状態とフィードチェーン15への動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチ49が備えられている。フィードチェーンクラッチ49は、駆動スプロケット47を回転可能に支持する駆動軸50(伝動軸の一例)に備えられている。
図6に示すように、エンジン9からの動力は、伝動ケース54を介してフィードチェーンクラッチ49に伝達される。伝動ケース54について詳述すると、エンジン9からの動力は、伝動ベルト51及び入力プーリ52を介して中継軸53に伝達され、中継軸53からギア55,56を介して排塵ファン22の回転軸57に伝達される。さらに、回転軸57からの動力が2段階の減速用ギア機構58を介して、駆動軸50に相対回転可能に外挿された駆動ギア59に伝達される。駆動ギア59からの動力は、フィードチェーンクラッチ49を介して断続可能にフィードチェーン15の駆動スプロケット47に伝達される。
駆動軸50に一体回転可能に且つ軸芯方向に移動可能に従動側シフト部材60がスプライン外嵌されている。駆動ギア59のうち従動側シフト部材60に対向する側の面には噛合い用の爪部からなる駆動側の噛み合い部61が形成されている。従動側シフト部材60のうち駆動ギア59に対向する側の面には噛合い用の爪部からなる従動側の噛み合い部62が形成されている。フィードチェーンクラッチ49は、駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とにより構成されている。減速用ギア機構58からの動力が駆動ギア59に伝達され、駆動ギア59からの動力がフィードチェーンクラッチ49を介して、駆動軸50及び駆動スプロケット47を介してフィードチェーン15に伝達される。従って、駆動ギア59及び従動側シフト部材60が一対のクラッチ部材に相当する。
フィードチェーンクラッチ49は、従動側シフト部材60が駆動ギア59側に移動して駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とが噛み合う伝達状態と、従動側シフト部材60が駆動スプロケット47側に移動して駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とが噛み合いを解除する遮断状態とに切り換え可能である。従動側シフト部材60を駆動ギア59側に移動付勢するコイルバネ63が駆動軸50に外挿されている。すなわち、従動側シフト部材60はクラッチ入位置側に付勢されている。
駆動軸50における従動側シフト部材60に対して駆動スプロケット47側に位置する箇所に、多板摩擦式の制動機構64が設けられている。制動機構64は、後述するような外部からの操作力によって従動側シフト部材60が切位置に操作されるのに伴って、その従動側シフト部材60に制動力を付与する構成となっている。
次に、フィードチェーンクラッチ49の操作構造について説明する。
フィードチェーンクラッチ49の伝達状態に対応する入位置と遮断状態に対応する切位置とに切り換え操作可能な操作部65と、人為的な停止指令に基づいて、操作部65を操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える指令停止操作機構66とが備えられている。従って、操作部65と指令停止操作機構66とによって、フィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換え可能な遮断切換操作機構67を構成する。
〔操作部〕
操作部65について説明する。
図6〜図8に示すように、操作部65には、駆動ギア59及び従動側シフト部材60とを切り離し操作可能なシフトフォーク式の操作部材としてのシフター部材68と、シフター部材68の回動軸芯周りにシフター部材68と一体回動可能なクラッチ操作アーム(本発明におけるアームに相当する)69と、が備えられている。シフター部材68は、伝動ケース54内に収容されている。シフター部材68は、後上がり傾斜方向に沿う軸芯Y4周りで回動可能に伝動ケース54に支持される支持軸部68aと、従動側シフト部材60の外周部に係合する係合操作部68bとを有する。
支持軸部68aの伝動ケース54の外方側に突出する箇所に、クラッチ操作アーム69が一体回動可能に連結されている。クラッチ操作アーム69は、直線状に延びる帯板状に形成され、長手方向中間部が支持軸部68aに連結されている。クラッチ操作アーム69は、長手方向が脱穀装置6の側壁6Aに略沿うように設けられ、左右方向の設置スペースのコンパクト化を図っている。
コイルバネ63の付勢力により従動側シフト部材60が駆動ギア59側に移動付勢されるので、クラッチ操作アーム69は入位置(伝達状態)に回動付勢されている。外部からの操作力によって、クラッチ操作アーム69が所定方向、具体的には図8で示す平面視で左方向に回動操作されると、係合操作部68bが従動側シフト部材60を噛み合いを解除する方向にシフト操作させることができるように構成されている。
〔指令停止操作機構〕
次に、指令停止操作機構66について説明する。
図7及び図8に示すように、指令停止操作機構66には、操作部65を切位置に切り換わるように付勢する付勢機構としての遮断用コイルバネ70、操作部65を入位置に位置保持する位置保持機構71、操作部65と位置保持機構71とを連係し、かつ、遮断用コイルバネ70による付勢力を受ける連係機構72、位置保持機構71による操作部65の入位置での位置保持を解除する解除機構73等が備えられている。遮断用コイルバネ70は、従動側シフト部材60をクラッチ入位置側に付勢するコイルバネ63の付勢力よりも大きい付勢力を有している。
連係機構72について説明する。
図7及び図8に示すように、連係機構72は、位置保持機構71によって操作部65を入位置に保持するように連係するとともに、解除機構73により位置保持が解除されると、遮断用コイルバネ70の付勢力によってクラッチ操作アーム69を押圧するように構成されている。
連係機構72には、水平方向にスライド移動可能な直線状の水平リンク74と、水平リンク74のスライド移動によってクラッチ操作アーム69を押圧する押圧リンク75とが備えられている。水平リンク74の一端部に押圧リンク75が連係され、かつ、水平リンク74の他端部に位置保持機構71が連係されている。
水平リンク74は、脱穀装置6の側壁6Aに沿って前後方向に延びる状態で設けられている。水平リンク74を前後方向にスライド可能に支持する溝状のガイド部材76が備えられている。ガイド部材76は脱穀装置6の側壁6Aに固定されている。水平リンク74の長手方向(前後方向)の両側部に上下方向に貫通する支軸77a,77bが固定取付けされている。前後両側の支軸77a,77bには、夫々、下部にガイドローラ78が備えられている。ガイドローラ78はガイド部材76の内部に位置して、ガイド部材76の内面を転動しながら移動案内する。前部側の支軸77aの上部には、押圧リンク75の端部が枢支連結されている。後部側の支軸77bの上部には、位置保持機構71の端部が枢支連結されている。
押圧リンク75は、上下向きの回動支軸79に一体回動可能な3つの押圧アーム80,81,82が備えられている。回動支軸79は、脱穀装置6の側壁6Aに固定されたボス部83により上下軸芯X1周りで回動可能に支持されている。第一押圧アーム80の揺動端部に遮断用コイルバネ70の一端が係止されている。第二押圧アーム81の揺動端部には、クラッチ操作アーム69に押圧作用する指令停止用操作ピン84が備えられている。第三押圧アーム82の揺動端部には、縦向きの連結軸85が設けられ、この連結軸85に対して連動リンク86の一端側に設けられたボス部87が回動可能に連結されている。連動リンク86の他端側のボス部88は、水平リンク74の前部側の支軸77に回動可能に連結されている。
図8に示すように、遮断用コイルバネ70の付勢力によって第一押圧アーム80が前部側に揺動付勢されると、第二押圧アーム81に備えられた指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に力が作用するとともに、第三押圧アーム82が水平リンク74の前部側の支軸77を斜め右方向に押し操作するような力が作用する。その押し操作力によって水平リンク74に対して後方に向けてスライドするように力が作用する。
しかし、水平リンク74は、位置保持機構71によって後方側への移動が阻止されて前部側スライド位置で位置保持される。その位置保持状態では、指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押し操作することはなく、クラッチ操作アーム69は入位置に保持される。
位置保持機構71について説明する。
図7及び図8に示すように、位置保持機構71は、上述したように遮断用コイルバネ70の付勢力によって、後方に向けてスライドするように力が作用している水平リンク74を前部側で位置保持して、クラッチ操作アーム69を入位置に保持する。位置保持機構71は、水平リンク74の後部側に連結される第一保持アーム89と、解除機構73側に連結される第二保持アーム90とを備えている。
第一保持アーム89の一端部にボス部91が設けられ、そのボス部91が水平リンク74の後部側の支軸77bに上下軸芯X2周りで揺動可能に連結されている。第一保持アーム89の他端部にボス部92が設けられ、そのボス部92が第二保持アーム90の一端部に設けられた連結軸93に相対揺動可能に連結されている。第一保持アーム89と第二保持アーム90との間には、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが前部側に折れ曲がり揺動するように付勢するバネ94が張設されている。
脱穀装置6の側壁6Aに固定のブラケット95に位置固定状態で支持軸96が支持されている。第二保持アーム90の他端部に、支持軸96に回動可能に外嵌装着されるボス部97が一体的に設けられている。ボス部97には解除機構73が連結される連結アーム98が一体的に設けられている。
第二保持アーム90に、第一保持アーム89の端縁に接当して前部側への相対揺動を規制する接当規制部99が設けられている。第一保持アーム89と第二保持アーム90との枢支連結点X3が、第一保持アーム89の一端部の揺動軸芯X2と、第二保持アーム90の他端部の揺動軸芯X4とを結ぶ仮想線よりも少しだけ前部側に寄った位置で、接当規制部99が第一保持アーム89の端縁に接当してそれ以上の前部側への折れ曲がり揺動が規制される。接当規制部99によって前部側への相対揺動が規制されている状態で、後方に移動付勢される水平リンク74が位置規制され、位置保持状態となる。
解除機構73について説明する。
図7及び図8に示すように、解除機構73には、アクチュエータとしての遮断切換用の電動モータ(以下、遮断用モータと称する)100と、遮断用モータ100と位置保持機構71とを連係するワイヤ部材としての解除用操作ワイヤー101と、遮断用モータ100の操作量を検出するポテンショメータ102とが備えられている。遮断用モータ100及びポテンショメータ102は、脱穀装置6の側壁6Aに支持されている取付プレート103に取り付けられている。
遮断用モータ100の左右向きの出力軸100aに、第一モータアーム104及び第二モータアーム105が一体回転可能に連結されている。解除用操作ワイヤー101の一端部は、連結アーム98に連結され、他端部は第一モータアーム104に連結されている。遮断用モータ100が作動して第一モータアーム104を回動操作することで、解除用操作ワイヤー101が引っ張り操作されて、第二保持アーム90を第一保持アーム89との接当規制状態が解除される側に揺動させることができる。
解除用操作ワイヤー101は、インナーワイヤ101aとアウターワイヤ101bとを備えている。アウターワイヤ101bの両端部は、ワイヤステー106a,106bによって支持されている。インナーワイヤ101aの一端部は、連結アーム98に連結されている。インナーワイヤ101aの他端部は、第一モータアーム104に連結されている。
ポテンショメータ102には検出用アーム107が揺動可能に設けられている。第二モータアーム105が揺動すると、検出用アーム107に設けられた接触部107aに接当して、検出用アーム107が一体的に揺動して第二モータアーム105の揺動角度を検出することができる。第二モータアーム105の揺動角度は、遮断用モータ100による解除用操作ワイヤー101の引き操作量に相当する。
図1に示すように、脱穀装置6の外装カバー23のうち、フィードチェーン15の搬送始端部に近い箇所に、機体外方側から手動で押し操作可能な停止指令操作具としての停止スイッチ108が設けられている。解除機構73は、停止スイッチ108の操作に基づいて、解除操作を実行するように構成されている。停止スイッチ108の操作に基づく制御装置43の制御動作については後述する。
解除用操作ワイヤー101が引き操作されて第二保持アーム90が揺動し、第一保持アーム89と第二保持アーム90との枢支連結点X3が、第一保持アーム89の一端部の揺動軸芯X2と、第二保持アーム90の他端部の揺動軸芯X4とを結ぶ仮想線よりも後部側に位置すると、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが後部側に折れ曲がり、水平リンク74の後方側へのスライド移動を許容する状態となる。水平リンク74は常に遮断用コイルバネ70の付勢力によって後方側に向けて移動する方向に力が作用しているので、枢支連結点X3が仮想線(デッドポイント)を少しでも後側に超えると、水平リンク74が迅速に後方に移動する。その結果、位置保持機構71による位置保持が解除される。
位置保持機構71による位置保持が解除されると、第二押圧アーム81すなわち指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に揺動する。その結果、シフター部材68が回動して従動側シフト部材60をシフト操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える。
従動側シフト部材60は、遮断状態に切り換わるとともに、遮断用コイルバネ70の付勢力によって制動機構64に押圧されて制動力が付与される。フィードチェーン15の慣性力による回転を抑制して迅速に停止させることができる。このように指令停止操作機構66によってフィードチェーンクラッチ49が停止されたときは、位置保持機構71が位置保持状態に戻し操作されるまで停止状態を維持する。位置保持機構71が位置保持状態に戻し操作された後は、バネ94の付勢力により、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが前部側に折れ曲がり揺動する状態に復帰する。
図8に示すように、解除用操作ワイヤー101は、平面視で水平リンク74と平行な状態で設けられ、駆動軸50に動力を伝達する無端回動体としての伝動ベルト51が、水平リンク74と解除用操作ワイヤー101との間の空間を利用して上下に通されている。
〔連動停止操作機構〕
刈取部3が所定の高さ位置(非刈取作業位置)以上まで上昇されると、操作部65を操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える連動停止操作機構109が備えられている。図11に示すように、連動停止操作機構109は、刈取部3の昇降に伴って揺動する揺動アーム110、クラッチ操作アーム69に対して押し作用する押し作用部111、揺動アーム110と押し作用部111とを連係する連動操作ワイヤー112等を備えている。
揺動アーム110は、左右向きの揺動軸心X5周りで揺動可能に支持されている。揺動アーム110は、刈取部3の昇降に応じて上昇位置Prと下降位置Pdとに切り替わる。具体的には、揺動アーム110は、刈取部3が非刈取作業位置まで上昇すると、上昇位置Prに切り替わり、刈取部3が刈取作業位置まで下降すると、下降位置Pdに切り替わる。
図8に示すように、押し作用部111は、クラッチ操作アーム69における長手方向に対して指令停止用操作ピン84が作用する側とは反対側箇所に近接した箇所に設けられている。押し作用部111には、脱穀装置6の側壁6Aに固定支持された支軸113と、支軸113に回動自在に外嵌されたボス部114と、ボス部114の外周部から周方向に位置を異ならせて平面視略L字状に径方向外方に延びる二個のアーム115,116と、復帰用バネ117とが備えられている。
二個のアームのうちの一方の第一アーム115はボス部114から左側に向けて一体的に延設されている。第一アーム115の揺動端部にストローク吸収用のバネ119を介して連動操作ワイヤー112が連係されている。二個のアームのうちの他方の第二アーム116はボス部114から後側に向けて一体的に延設されている。第二アーム116の揺動端部にクラッチ操作アーム69に接当して押し操作可能な連動停止用操作ピン120が設けられている。
押し作用部111は、連動操作ワイヤー112の引き操作により、第一アーム115及び第二アーム116が支軸113の軸芯X6周りで平面視右周り方向に揺動する。それに伴って、連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に揺動する。その結果、シフター部材68が回動して従動側シフト部材60をシフト操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える。
この場合にも、指令停止操作機構66の場合と同様に、従動側シフト部材60は、遮断状態に切り換わるとともに、遮断用コイルバネ70の大きい付勢力によって制動機構64に押圧されて制動力が付与される。制動することによってフィードチェーン15の慣性力による回転を抑制して迅速に停止させることができる。
連動操作ワイヤー112の引き操作が行われていないときは、復帰用バネ117の付勢力により連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69から離れる方向に移動し、クラッチ操作アーム69がコイルバネ63の付勢力により入位置に戻される。
〔緩衝機構〕
指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109における操作部65との連係における緩衝機構について説明する。
指令停止操作機構66を操作部65に連係する第一緩衝機構K1と、連動停止操作機構109を操作部65に連係する第二緩衝機構K2と、が備えられ、第一緩衝機構K1及び第二緩衝機構K2は、指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109の一方の機構が遮断状態への切り換えを実行するときに、一方の機構の操作力を、指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109の他方の機構に伝達させないように構成されている。
説明を加えると、上述したように、指令停止操作機構66における指令停止用操作ピン84が操作部65におけるクラッチ操作アーム69に対して接当作用して押し移動させる機構が第一緩衝機構K1である。又、連動停止操作機構109における連動停止用操作ピン120が操作部65におけるクラッチ操作アーム69に対して接当作用して押し移動させる機構が第二緩衝機構K2である。
第一緩衝機構K1は、連動停止操作機構109による切り換え操作が行われるときは、図10に示すように、指令停止操作機構66をクラッチ操作アーム69から離間させて、連動停止操作機構109の操作力を指令停止操作機構66に伝達させることはない。又、第二緩衝機構K2は、指令停止操作機構66による切り換え操作が行われるときは、図9に示すように、連動停止操作機構109をクラッチ操作アーム69から離間させて、指令停止操作機構66の操作力を連動停止操作機構109に伝達させることはない。
操作部65は、クラッチ操作アーム69が所定方向(図8における左方向)に回動することにより、フィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える構成である。指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69に対して接当作用して所定方向に回動するように押し移動させると、連動停止用操作ピン120はクラッチ操作アーム69から離間するので、連動停止用操作ピン120に操作力が伝わることはない。
連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69に対して接当作用して所定方向に回動するように押し移動させると、指令停止用操作ピン84はクラッチ操作アーム69から離間するので、指令停止用操作ピン84に操作力が伝わることはない。
従って、刈取部3が所定の高さ位置まで上昇した場合にフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換えることと、フィードチェーンクラッチ49を単独で作動しているときに停止させることを、各別に円滑に且つ迅速に行うことができる。
〔制御構成〕
図12に示すように、エンジン9の運転状態を制御するエンジン制御部121が備えられ、制御装置43は、作業状況に応じてエンジン制御部121に制御情報を指令する構成となっている。そして、フィードチェーン15が回動して脱穀装置6が作動しているときに、作業者により停止スイッチ108が操作されると、制御装置43は、停止スイッチ108の操作に基づいて、遮断切換操作機構67における解除機構73を作動させてフィードチェーン15を駆動停止させるフィードチェーン停止処理、エンジン9の作動を停止させるエンジン停止処理、上部側脱穀分割体30を上昇位置に切り換える脱穀部上昇処理、の夫々を実行するように構成されている。
フィードチェーン停止処理について説明する。
制御装置43は、ポテンショメータ102の検出値により、第二保持アーム90が第一保持アーム89との接当規制状態を解除するために予め設定した位置まで移動するように遮断用モータ100を作動させる。その結果、解除用操作ワイヤー101が引っ張り操作されて、位置保持機構71における位置保持が解除され、フィードチェーンクラッチ49が遮断状態に切り換えられる。
エンジン停止処理について説明する。
制御装置43は、エンジン制御部121に対して、エンジン9の作動を停止させるための制御情報を指令する。エンジン制御部121は、例えば、燃料供給路中に備えられた燃料遮断弁を操作してエンジン9に対する燃料供給を停止させる等の処理によりエンジン9の作動を停止させる。
脱穀部上昇処理について説明する。
制御装置43は、高さセンサ42の検出値に基づいて、上部側脱穀分割体30をメンテナンス用上昇位置に対応する第一操作量よりも少ない第二操作量だけ上昇させるように電動油圧シリンダ38の作動を制御する(図4参照)。メンテナンス用上昇位置はレベル設定器45により複数の段階に設定可能であるが、第二操作量は、複数のメンテナンス用上昇位置のいずれの位置より低い位置となるような少ない操作量である。停止スイッチ108による操作の際には、フィードチェーン15に挟まっている穀稈や異物等の挟持物を除去する場合が多く、第二設定量は挟持物を除去するのに必要な上昇量に設定される。尚、メンテナンス用上昇位置については図示していないが、このメンテナンス用上昇位置では、扱室19内部における受網21や扱胴20の清掃や部品の交換等が行える程度に大きく開放される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、操作部65に、シフター部材68と一体回動可能なクラッチ操作アーム69が備えられ、第一緩衝機構K1は、クラッチ操作アーム69と指令停止操作機構66とを連係し、かつ、第二緩衝機構K2は、クラッチ操作アーム69のうち第一緩衝機構K1が連係された箇所とは異なる箇所と連動停止操作機構109とを連係する構成としたが、この構成に代えて、フィードチェーンクラッチ49を各別に遮断操作可能な一対の操作体が設けられ、各操作体と指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109とを各別に連係し、夫々の連係中に、第一緩衝機構K1と第二緩衝機構K2を備えるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109が、クラッチ操作アーム69を接当した状態で押し移動させてフィードチェーンクラッチ49を切り換える構成としたが、この構成に代えて、例えば、ピンと長孔との係合により所定方向の操作に対して長孔による融通を有する構成にする等、種々の構成を採用することができる。
(3)上記実施形態では、クラッチ操作アーム69が、直線状に延びる帯板状に形成され、長手方向中間部がシフター部材68の支持軸部68aに連結される構成としたが、この構成に代えて、例えば、支持軸部68aに対する連結箇所から周方向の異なる方向に、略L字状に延びるアーム部を備える形状のものを用いてよい。
(4)上記実施形態では、従動側シフト部材60に作用する制動機構64を用いる構成としたが、制動機構を備えていない構成でもよい。
(5)上記実施形態では、操作部65にシフトフォーク式のシフター部材68が備えられる構成としたが、この構成に代えて、例えば、クラッチ部材に案内カム面を備えて、径方向にスライドする棒体を案内カム面に係合させて、伝動軸の回転に伴って、カム面に沿って軸芯方向にスライドさせるように案内させてクラッチを入切するような構成としてもよい。
本発明は、刈取穀稈を脱穀装置に搬送するフィードチェーンを備え、フィードチェーンクラッチによってフィードチェーンへの動力を断続可能に構成したコンバインに適用できる。
3 刈取部
15 フィードチェーン
49 フィードチェーンクラッチ
50 伝動軸
59,60 クラッチ部材
65 操作部
64 制動機構
66 指令停止操作機構
68 シフター部材(操作部材)
69 クラッチ操作アーム(アーム)
109 連動停止操作機構
K1 第一緩衝機構
K2 第二緩衝機構

Claims (5)

  1. 植立穀稈を刈り取る昇降可能な刈取部と、
    刈取穀稈を脱穀装置に搬送するフィードチェーンと、
    前記フィードチェーンに動力を伝達する伝達状態と前記フィードチェーンへの動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチと、
    前記フィードチェーンクラッチの前記伝達状態に対応する入位置と前記遮断状態に対応する切位置とに切り換え操作可能な操作部と、
    人為的な停止指令に基づいて、前記操作部を操作して前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換える指令停止操作機構と、
    前記刈取部が所定の高さ位置以上まで上昇されると、前記操作部を操作して前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換える連動停止操作機構と、
    前記指令停止操作機構を前記操作部に連係する第一緩衝機構と、
    前記連動停止操作機構を前記操作部に連係する第二緩衝機構と、が備えられ、
    前記第一緩衝機構及び前記第二緩衝機構は、前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構の一方の機構が前記遮断状態への切り換えを実行するときに、前記一方の機構の操作力を、前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構の他方の機構に伝達させないように構成されているコンバイン。
  2. 前記操作部に、回動動作によって前記フィードチェーンクラッチを切り換える操作部材と、前記操作部材の回動軸芯周りに前記操作部材と一体回動可能なアームと、が備えられ、
    前記第一緩衝機構は、前記アームと前記指令停止操作機構とを連係し、かつ、前記第二緩衝機構は、前記アームのうち前記第一緩衝機構が連係された箇所とは異なる箇所と前記連動停止操作機構とを連係している請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記指令停止操作機構及び前記連動停止操作機構は、前記アームを所定方向に回動するように接当した状態で押し移動させて前記フィードチェーンクラッチを切り換えるように構成され、
    前記第一緩衝機構は、前記連動停止操作機構による切り換え操作が行われるときは、前記指令停止操作機構を前記アームから離間させて、前記連動停止操作機構の操作力を前記指令停止操作機構に伝達させず、
    前記第二緩衝機構は、前記指令停止操作機構による切り換え操作が行われるときは、前記連動停止操作機構を前記アームから離間させて、前記指令停止操作機構の操作力を前記連動停止操作機構に伝達させない請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記フィードチェーンに動力を伝達する伝動軸が備えられ、
    前記フィードチェーンクラッチは、前記伝動軸上で対向して噛合可能な一対のクラッチ部材を有する噛合い式に構成され、
    前記操作部に、前記一対のクラッチ部材を切り離し操作可能なシフトフォーク式のシフター部材が備えられている請求項1から3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記操作部が前記切位置に操作されるのに伴って、前記一対のクラッチ部材のうちの前記伝動軸に沿って移動される部材に対して制動力を付与する制動機構が備えられている請求項4に記載のコンバイン。
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