JP7206181B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、フィードチェーンと挟持レールとを有する挟持搬送装置によって刈取穀稈を挟持して搬送しながら、脱穀装置内部にて扱胴により刈取穀稈の穂先部を扱き処理するように構成されているコンバインに関する。
従来では、脱穀装置のうち扱胴及び挟持レールを支持する上側部分(上部構造体)が下側部分に対して上下揺動可能に支持され、上側部分を上方に揺動させて挟持レールとフィードチェーンとの間の詰まり穀稈を除去することができるようにしたものがあった。そして、脱穀装置の上側部分を使用状態で位置保持するロック機構が脱穀装置の前後両側部に備えられ、前後のロック機構は、手動操作により各別に位置保持状態を解除させる構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-300871号公報
挟持搬送装置による搬送中に穀稈が搬送詰まりを起こしたり、他物が挟み込まれたりして、円滑な搬送が行えなくなる場合がある。このような場合には、挟持レールをフィードチェーンから離して詰まり穀稈や他物を取り除く必要がある。
上記従来構成では、挟持レールをフィードチェーンから離す必要がある場合であっても、手動操作にて前後のロック機構に対する解除操作を各別に行わなければならず、操作の煩わしさがあり、迅速に対応できないおそれがあった。
そこで、挟持レールをフィードチェーンから離す処理を迅速に行えるようにすることが要望されていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、植立穀稈を刈り取る刈取部と、フィードチェーン、及び、前記フィードチェーンの上側に配置され、前記フィードチェーンと協働して刈取穀稈を挟持する挟持レールを有し、刈取穀稈を挟持搬送する挟持搬送装置と、前記挟持搬送装置によって搬送されている植立穀稈の穂先部が投入され、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、前記挟持レールが、前記フィードチェーンに対向する挟持作用状態と、前記フィードチェーンから上方に離間した離間状態とにわたり、上下昇降可能に前記脱穀装置に支持され、前記脱穀装置の前後両側部に設けられ、前記挟持レールを前記挟持作用状態で位置保持するロック状態と前記挟持レールの位置保持を解除する解除状態とに切り換え可能な前後のロック機構と、アクチュエータを有し、前記アクチュエータの作動により前記前後のロック機構を前記ロック状態から前記解除状態に切り換え可能な連係機構と、が備えられ、前記脱穀装置の横側外方側に外装カバーが備えられ、前記外装カバーと前記脱穀装置の側壁との間に、前記連係機構が配置されている点にある。
本発明によれば、アクチュエータが作動すると、前後のロック機構が共にロック状態から解除状態に切り換わる。ロックが解除されると、挟持レールの位置保持が解除されるので、挟持レールをフィードチェーンから離すことができる。このように前後に離れて備えられる前後のロック機構に対して、アクチュエータの作動によって同じタイミングでロック解除させることができ、挟持レールの上昇操作を良好に行うことが可能である。
アクチュエータを作動させる条件としては、挟持レールをフィードチェーンから離す必要がある場合に対応させることができる。例えば、緊急停止用の手動スイッチが操作されること、あるいは、機体の各部に備えられた異常検知手段が異常を検知したこと等を対象とすることが可能である。このように急いで挟持レールをフィードチェーンから離す必要がある場合であっても、前後のロック機構を各別に手動にてロック解除する等の煩わしさがなく、迅速にロックを解除させることができる。
従って、挟持レールをフィードチェーンから離す処理を迅速に行えるようにすることが可能となった。又、本発明によれば、連係機構は、空きスペースを有効に利用して、機体外方へ突出することなくコンパクトに配置することができる。
本発明においては、前記挟持レールを前記挟持作用状態から前記離間状態に向けて持ち上げ付勢する付勢手段が備えられ、前記前後のロック機構は、前記挟持レールを前記付勢手段の付勢力に抗して前記挟持作用状態で位置保持すると好適である。
本構成によれば、前後のロック機構が解除状態に切り換わると、挟持レールは、付勢手段の付勢力により直ちに上方に移動する。その結果、前後のロック機構が解除状態に切り換わった後に、自動的に挟持レールを挟持作用状態から離間状態に切り換えることができ、挟持レールを手動で持ち上げる必要がなく煩わしさがない。
本発明においては、前記連係機構は、前記前後のロック機構を前記ロック状態から前記解除状態に切り換えてから所定時間経過後に、前記アクチュエータを作動させて、前記前後のロック機構を前記解除状態から前記ロック状態に切り換えると好適である。
連係機構が、前後のロック機構を解除状態に切り換えたのちに、アクチュエータがその状態を維持すると、挟持レールとフィードチェーンとで挟まれたものを除去したのちに、挟持レールを挟持作用状態に戻そうとしても、前後のロック機構をロック状態に戻すことができない。
そこで、本構成によれば、解除状態に切り換えてから所定時間経過した後に、アクチュエータを作動させて、前後のロック機構を解除状態からロック状態に切り換えるようにしたから、挟持レールを挟持作用状態に戻すことができ、脱穀作業を継続して行うことができる。
本発明においては、前記挟持レールは、前後方向に沿う軸芯周りに揺動することで上下昇降すると好適である。
本構成によれば、例えば、挟持レールを上下方向に直線状にスライド可能に支持するような構成に比べて、挟持レールを簡単な支持構造にて上下昇降可能に支持することが可能である。
本発明においては、前記連係機構に、複数のギアを備えたギア噛み合い式のリンク機構と、前記複数のギアのうちのいずれかを回転駆動する前記アクチュエータとしてのモータとが備えられていると好適である。
本構成によれば、リンク機構がギア噛み合い式なので、スリップ等による空回りが生じることなくモータの回転動力をロック機構に伝達して切り換え操作を確実に行える。また、リンク機構は、ギアにより減速させることによりモータの回転動力をトルクアップさせることができ、小型のモータで対応できるとともに、押引きリンクや自在継手等の複雑な構成を用いる場合に比べて、コンパクトな形状に収めることが可能である。
本発明においては、前記リンク機構は、前後の前記ロック機構にわたる設置範囲のうち前後方向中央部よりも前側のリンクと、前後方向中央部よりも後側のリンクと、が前後対称形状となる状態で設けられ、前記モータが前記リンク機構の前後方向中央部に作用するように設けられていると好適である。
本構成によれば、モータの動力が前側のリンク及び後側のリンクの夫々に効率よく伝達させることができ、しかも、前後対称形状の前側のリンク及び後側のリンクが同じ方向に操作され、左右のロック機構を同じように操作することができる。
本発明においては、前記複数のギアは、横向きの支軸により回転可能に支持され、且つ、前後方向に沿って噛み合う状態で設けられていると好適である。
本構成によれば、複数のギアは横方向に沿って幅狭となる状態で配置されるので、リンク機構は、横方向に沿ってコンパクトな形状に収めることができる。
コンバインの側面図である。 脱穀装置の縦断側面図である。 脱穀装置の縦断背面図である。 連係機構を示す側面図である。 連係機構を示す平面図である。 連係機構を示す分解斜視図である。 連係機構を示す正面図である。 制御ブロック図である。 制御動作のフローチャートである。 別実施形態の連係機構を示す正面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印「F」の方向を前側、矢印「B」の方向を後側、矢印「L」の方向を左側、矢印「R」の方向を右側、矢印「U」の方向を上側」、矢印「D」の方向を下側とする。
〔全体構成〕
図1に示すように、本発明に係るコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取る刈取部3が備えられている。走行機体2の前部右側に運転部4が備えられている。運転部4の後方には、刈取部3にて刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置5と、脱穀処理にて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク6とが、横方向に並ぶ状態で配備されている。
刈取部3は、刈取対象となる植立穀稈の株元を分草案内する分草具7、分草された植立穀稈を縦姿勢に引き起こす複数の引き起こし装置8、引き起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置9、刈取穀稈を縦姿勢から徐々に横倒れ姿勢になるように姿勢変更しながら後方に搬送して脱穀装置5に供給する搬送装置10等を備えている。
脱穀装置5の左側部には、フィードチェーン11、及び、フィードチェーン11の上側に配置され、フィードチェーン11と協働して植立穀稈を挟持する挟持レール12を有し、刈取穀稈を挟持搬送する挟持搬送装置13が備えられている。脱穀装置5の後方には、脱穀装置5から送り出される排藁を切断する排藁カッタ14が備えられている。穀粒タンク6には、穀粒タンク6に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出装置15が備えられている。
〔脱穀装置〕
脱穀装置5は、挟持搬送装置13によって搬送されている植立穀稈の穂先部が扱室16内に投入され、刈取穀稈を脱穀処理する。図2に示すように、扱室16には、扱胴17が設けられている。扱胴17は、機体前後方向に延びる回転軸芯X1周りで回転可能である。扱胴17の下方には、扱胴17により脱穀処理が施された処理物を漏下させる受網18が設けられている。扱室16の後方には、塵埃を外部に排出する排塵ファン19が備えられている。
脱穀装置5の下部には、受網18から漏下した脱穀処理物を、一番物としての単粒化された穀粒、二番物としての枝梗付き穀粒等、及び、排ワラ屑等、に選別する選別部20が備えられている。選別部20は、選別対象物を機体後方に移送しながら篩い選別する揺動選別装置21、揺動選別装置21に選別風を送風する唐箕22、一番物を回収する一番回収部23、二番物を回収する二番回収部24等が設けられている。
図3に示すように、扱室の周囲を囲う脱穀ケース25は、扱胴17を前後軸芯X1周りに回転可能に支持するとともに、レール支持台26を介して挟持レール12を支持する上部ケース27と、受網18や揺動選別装置21などを支持する下部ケース28とによって構成されている。
図2及び図3に示すように、上部ケース27は、扱胴17の前側に配設された前側板27aと、扱胴17の後側に配設された後側板27b、及び、扱胴17の上方に前側板27aと後側板27bとに亘るように配設された天板27cによって、扱胴17を上方から覆う状態に形成されている。天板27cは、前後方向視で略山形状に設けられ、左右中央に位置して水平姿勢の上部平坦面27c1、上部平坦面27c1の左側に位置して左下がり傾斜姿勢の左側傾斜面27c2(側壁の一例)、上部平坦面27c1の右側に位置して右下がり傾斜姿勢の右側傾斜面27c3を有している。
上部ケース27は、下部ケース28に対して前後軸芯X2周りに上下揺動可能に支持されている。上部ケース27は、図3に実線で示す閉塞状態と、図3に仮想線で示すように上方に移動して扱室16が開放された開放状態とにわたり上下昇降可能に構成されている。
挟持レール12は、上部ケース27に固定状態で支持されるレール支持台26により支持されている。従って、挟持レール12は、上部ケース27と一体的に前後軸芯X2周りに上下揺動可能に支持されている。レール支持台26に対して上下方向にスライド可能に支持された支持ロッド29の下端部に挟持レール12が連結されている。支持ロッド29に外挿された圧縮バネ30により挟持レール12が下方に向けて移動付勢されている。支持ロッド29は、挟持レール12がフィードチェーン11に近接して刈取穀稈を挟持可能な位置においてそれ以上の下方移動が阻止されている。周知構成であるから詳述はしないが、挟持レール12は、搬送方向に沿って複数に分割され、且つ、複数の分割体が折れ曲がり可能に枢支連結されており、枢支連結箇所に夫々、支持ロッド29が備えられている。
挟持レール12は、上部ケース27と一体的に前後軸芯X2周りに上下揺動可能に支持されているので、上部ケース27の閉塞状態は、挟持レール12がフィードチェーン11に対向する挟持作用状態に対応しており、上部ケース27の開放状態は、挟持レール12がフィードチェーン11から上方に離間した離間状態に対応している。
上部ケース27の上方並びに右横側外方を覆う外装カバー31が備えられている。外装カバー31は、脱穀装置5の左右幅全幅に亘って左右方向に幅広に設けられ、かつ、脱穀装置5の前端部から排藁カッタ14の前端部に亘って前後方向に幅広に設けられている。
支持構造について図示していないが、外装カバー31は、上部ケース27と一体的に前後軸芯X2周りに上下揺動可能に支持されている。外装カバー31の左側面の外側には、握り操作可能な操作具32(図1参照)が備えられている。
(ロック機構)
図3に示すように、脱穀装置5の前後両側部、具体的には、前側板27aの前側箇所及び後側板27bの後側箇所には、夫々、上部ケース27を閉塞状態で位置保持するロック状態と、上部ケース27の閉塞状態を解除する解除状態と、に切り換え可能なロック機構33が備えられている。ロック機構33がロック状態に切り換えられると、挟持レール12は挟持作用状態で位置保持される。ロック機構33が解除状態に切り換えられると、挟持レール12の位置保持が解除される。
ロック機構33は、下部ケース28に補強用の連結プレート34を介して前後向き姿勢に固着された係止ピン35と、係止ピン35に係止可能なフック部36を有し且つ上部ケース27に前後軸芯X3周りに上下揺動可能に支持された係止部材37と、フック部36と係止ピン35とが係合する方向に係止部材37を付勢する復帰バネ38と、を備えている。係止部材37は、係止ピン35に対応する位置から外装カバー31よりも左側外方に突出する位置まで左右方向に沿って延ばされ、且つ、左右途中部にて上部ケース27に揺動可能に支持されている。
前後の係止部材37の左側端部を上昇操作することによって、係止ピン35とフック部36との係合による閉塞姿勢でのロックを解除することができる。そして、操作具32を操作して上部ケース27を下降させることにより、上部ケース27を開放姿勢から閉塞姿勢に切り換えられるとともに、係止ピン35とフック部36との係合により、上部ケース27を閉塞姿勢に保持することができる。
下部ケース28におけるロック機構33が備えられる箇所の近傍位置と、上部ケース27における上部右側箇所とにわたって伸縮式のガススプリング39が装備されている。ガススプリング39は、上部ケース27が開放姿勢に切り換えられた状態で位置保持可能である。上部ケース27が閉塞姿勢に切り換えられると、ガススプリング39は圧縮され、上部ケース27を上方に揺動付勢する状態となる。従って、ガススプリング39が付勢手段に対応する。ガススプリング39の付勢力により、手動で上部ケース27を上昇させるときに補助することができる。
復帰バネ38の付勢に抗した係止部材37の上昇操作によって、係止ピン35とフック部36との係合による閉塞姿勢でのロックを解除できるとともに、その解除に伴うガススプリング39の付勢により、上部ケース27を閉塞姿勢から開放姿勢に切り換えることができる。
また、ガススプリング39の付勢に抗した上部ケース27の下降操作により、上部ケース27が開放姿勢から閉塞姿勢に切り換えられるとともに、係止ピン35とフック部36との係合により、上部ケース27を閉塞姿勢に保持することができる。
〔連係機構〕
前後のロック機構33をロック状態から解除状態に切り換え可能な連係機構40が備えられている。図3に示すように、連係機構40は、外装カバー31と上部ケース27の左側傾斜面27c2との間に、配置されている。
図4~図7に示すように、連係機構40に、複数のギアを備えたギア噛み合い式のリンク機構41と、複数のギアのうちのいずれかを回転駆動するアクチュエータとしての電動モータ42とが備えられている。
図4,6に示すように、リンク機構41は、前後のロック機構33にわたる設置範囲のうち前後方向中央部よりも前側のリンク43と、前後方向中央部よりも後側のリンク44と、が前後対称形状となる状態で設けられている。そして、電動モータ42がリンク機構41の前後方向中央部に作用するように設けられている。複数のギアは、横向きの支軸により回転可能に支持され、且つ、前後方向に沿って噛み合う状態で設けられている。
説明を加えると、前側のリンク43は、前部側に位置する第一リンク体45と、後部側に位置して扇形ギア部46を有する第二リンク体47とが一体的に連結されている。前側のリンク43は、第一リンク体45と第二リンク体47との連結箇所が支軸48によって左右向き軸芯Y1周りで揺動可能に上部ケース27に支持されている。
後側のリンク44は、後部側に位置する第一リンク体49と、前部側に位置して扇形ギア部50を有する第二リンク体51とが一体的に連結されている。後側のリンク44は、第一リンク体49と第二リンク体51との連結箇所が横向きの支軸52によって横軸芯Y2周りで揺動可能に上部ケース27に支持されている。
このように、前側のリンク43と後側のリンク44とは、同様な構成の第一リンク体45,49と第二リンク体47,51とを前後で反転させた位置にあり、前後対称形状に設けられている。
前側のリンク43と後側のリンク44との前後中間位置に、ブラケット53を介して上部ケース27に支持される状態で、減速機構付き電動モータ42、駆動ギア55、及び、中継ギア56が備えられている。電動モータ42は、モータ本体42aと減速ケース42bとが一体的に連結され、ブラケット53に支持されている。電動モータ42の横向きの出力軸42cに駆動ギア55が備えられている。駆動ギア55は、前部側が前側のリンク43における第二リンク体47の扇形ギア部46に噛み合っている。駆動ギア55は、後部側が中継ギア56の前部側に噛み合っている。
中継ギア56は、横向きの支軸57により横軸芯Y3周りで回転可能に支持されている。中継ギア56の前部側は駆動ギア55に噛み合っている。中継ギア56の後部側は、後側のリンク44における第二リンク体51の扇形ギア50部に噛み合っている。
このように、複数のギア(駆動ギア55、中継ギア56、前後両側の第二リンク体47,51の扇形ギア部46,50)は、横向きの支軸(54c、57,48,52)により回転可能に支持され、且つ、前後方向に沿って噛み合う状態で設けられている。
前側の第一リンク体45の前端部、及び、後側の第一リンク体49の後端部に、夫々、横軸芯周りで回動可能に接当ローラ58が支持されている。前後の接当ローラ58は、係止部材37の前部側の途中位置に設けられた押圧部材59に下側から接当作用するように設けられている。押圧部材59は、側面視でL字形に形成され、縦面部が係止部材37に一体的に連結され、上面部が前後方向内方側に向けて突出するように設けられている。
リンク機構41の作動量を検出するポテンショメータ型の作動量検出器60が備えられている。作動量検出器60には、上部ケース27に支持される検出器本体60aと、検出器本体60aに横軸芯周りで揺動可能に支持された検知アーム60bとが備えられている。検知アーム60bの先端部に、第一リンク体45の上縁に接当作用する係止ピン60cが設けられている。検出器本体60aには、検知アーム60bの揺動量を検出するポテンショメータが内装されている。
図4に示す待機状態から、電動モータ42が回動して駆動ギア55が反時計方向に回動すると、それに伴って前後のリンク43,44が揺動して、前後の接当ローラ58が係止部材37を押し上げて、係止ピン35とフック部36との係合による閉塞姿勢でのロックを解除する。
電動モータ42の作動によりロックが解除されると、ガススプリング39の付勢力によって上部ケース27が上昇揺動して挟持レール12がフィードチェーン11から離間する状態となる。
〔緊急停止の構成〕
図1に示すように、外装カバー31の左側面における前端側箇所に、機体外方側から押し操作可能な停止スイッチ61が備えられている。この停止スイッチ61は、機体外方で作業している作業者が緊急で作動を停止させるときに使用される。例えば、フィードチェーン11に対して手作業で刈取穀稈を投入する手扱き作業を行っているときに、何等かの要因で緊急に停止させたい場合等である。
停止スイッチ61が操作されると、自動的に、機体に搭載されているエンジンEの作動を停止させるとともに、電動モータ42を作動させて挟持レール12をフィードチェーン11から分離させるように構成されている。
図8に示すように、エンジンEに対する燃料供給を遮断する燃料遮断装置62と、エンジンEの出力回転数を検出する回転数センサ63と、燃料遮断装置62及び電動モータ42の作動を制御する制御装置64とが備えられている。制御装置64には、停止スイッチ61と作動量検出器60の情報も入力されている。
図9に示すように、制御装置64は、停止スイッチ61が操作されると、燃料遮断装置62を作動させてエンジンEへの燃料供給を停止する(ステップ1,2)。エンジン回転数が設定値以下にまで低下したことが検知されると(ステップ3)、電動モータ42によるロック解除作動を実行する(ステップ4)。すなわち、電動モータ42を解除方向に回動させ、作動量検出器60によって、リンク機構41がロック解除に対応する位置まで揺動したことが検知されると、その位置で電動モータ42の回動を停止させる。
ロック解除作動を実行してから設定時間以上経過すると、電動モータ42を反対方向に回動させてリンク機構41を待機状態に戻すモータ戻し処理を実行する(ステップ5,6)。その後、上部ケース27を下降させると、係止ピン35と係止部材37のフック部36とが係合して、ロック機構33がロック状態に切り換わる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、電動モータ42が、ブラケット53に対して横側外方側(外装カバー31側)に位置する状態で備えられる構成としたが、この構成に代えて、図10に示すように、電動モータ42が、ブラケット53に対して横側内方側(外装カバーとは反対側)に備えられる構成としてもよい。このように構成すると、連係機構40を左右方向にさらにコンパクトな形状に収めることができる。
(2)上記実施形態では、リンク機構41に前側のリンク43と後側のリンク44とが前後対称形状となる状態で設けられ、前後方向中央部に電動モータ42が作用する構成としたが、この構成に代えて、電動モータ42が前後のロック機構33にわたる設置範囲のうちの前後方向一方側に設けられ、電動モータ42の動力が両側の前後のロック機構33に伝達される構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、アクチュエータとして電動モータ42が備えられる構成としたが、電動モータ42に代えて油圧モータを用いてもよく、モータに限らず、油圧シリンダや電動シリンダ等であってもよい。又、アクチュエータとしては、1つのものに限らず、複数のアクチュエータを用いて前後のロック機構41を同じタイミングでロック解除させるようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、リンク機構41における複数のギアが、横向きの支軸により回転可能に支持され、且つ、前後方向に沿って噛み合う状態で設けられる構成としたが、この構成に代えて、ギアが前後向きの支軸により支持される構成としてもよく、ギアが上下方向あるいは左右方向に沿って噛み合う状態で設けられるものでもよい。
(5)上記実施形態では、リンク機構41がギア噛み合い式に構成されていたが、この構成に代えて、ベルトやチェーン等の無端回動体を用いた構成、あるいは、押引きリンクや自在継手を用いる構成等であってもよい。
(6)上記実施形態では、挟持レール12を持ち上げ付勢する付勢手段としてガススプリング39が備えられる構成としたが、この構成に代えて、付勢手段として、コイルバネや板バネ等のバネを用いてもよい。
(7)上記実施形態では、挟持レール12が、上部ケース27と一体的に上下揺動される構成としたが、この構成に代えて、挟持レール12が上部ケース27に対して単独で上下揺動可能に支持される構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、挟持レール12が前後方向に沿う軸芯周りに揺動することで上下昇降する構成としたが、この構成に代えて、挟持レール12が直線状に上下方向にスライド移動して上下昇降する構成としてもよい。
本発明は、フィードチェーンと挟持レールとを有する挟持搬送装置によって刈取穀稈を挟持して搬送しながら、刈取穀稈を扱き処理するように構成されているコンバインに適用できる。
3 刈取部
5 脱穀装置
11 フィードチェーン
12 挟持レール
13 挟持搬送装置
27c2 側壁
31 外装カバー
33 ロック機構
39 ガススプリング(付勢手段)
40 連係機構
41 リンク機構
42 電動モータ(アクチュエータ)
43 前側のリンク
44 後側のリンク

Claims (7)

  1. 植立穀稈を刈り取る刈取部と、
    フィードチェーン、及び、前記フィードチェーンの上側に配置され、前記フィードチェーンと協働して刈取穀稈を挟持する挟持レールを有し、刈取穀稈を挟持搬送する挟持搬送装置と、
    前記挟持搬送装置によって搬送されている刈取穀稈の穂先部が投入され、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、
    前記挟持レールが、前記フィードチェーンに対向する挟持作用状態と、前記フィードチェーンから上方に離間した離間状態とにわたり、上下昇降可能に前記脱穀装置に支持され、
    前記脱穀装置の前後両側部に設けられ、前記挟持レールを前記挟持作用状態で位置保持するロック状態と前記挟持レールの位置保持を解除する解除状態とに切り換え可能な前後のロック機構と、アクチュエータを有し、前記アクチュエータの作動により前記前後のロック機構を前記ロック状態から前記解除状態に切り換え可能な連係機構と、が備えられ、
    前記脱穀装置の横側外方側に外装カバーが備えられ、
    前記外装カバーと前記脱穀装置の側壁との間に、前記連係機構が配置されているコンバイン。
  2. 前記挟持レールを前記挟持作用状態から前記離間状態に向けて持ち上げ付勢する付勢手段が備えられ、
    前記前後のロック機構は、前記挟持レールを前記付勢手段の付勢力に抗して前記挟持作用状態で位置保持する請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記連係機構は、前記前後のロック機構を前記ロック状態から前記解除状態に切り換えてから所定時間経過後に、前記アクチュエータを作動させて、前記前後のロック機構を前記解除状態から前記ロック状態に切り換える請求項1または2に記載のコンバイン。
  4. 前記挟持レールは、前後方向に沿う軸芯周りに揺動することで上下昇降する請求項1から3のいずれか一項に記載のコンバイン。
  5. 前記連係機構に、複数のギアを備えたギア噛み合い式のリンク機構と、前記複数のギアのうちのいずれかを回転駆動する前記アクチュエータとしてのモータとが備えられている請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバイン。
  6. 前記リンク機構は、前後の前記ロック機構にわたる設置範囲のうち前後方向中央部よりも前側のリンクと、前後方向中央部よりも後側のリンクと、が前後対称形状となる状態で設けられ、
    前記モータが前記リンク機構の前後方向中央部に作用するように設けられている請求項5に記載のコンバイン。
  7. 前記複数のギアは、横向きの支軸により回転可能に支持され、且つ、前後方向に沿って噛み合う状態で設けられている請求項5または6に記載のコンバイン。
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