(実施例)
図1に本実施例のガス燃焼器具2の概略の構成を示す。本実施例のガス燃焼器具2は、上部に配置された第1コンロ4、第2コンロ6および第3コンロ8と、内部に配置されたグリル庫10を備える、調理用のガスコンロである。
第1コンロ4には、第1コンロバーナ12と、第1コンロバーナ12に点火する第1コンロ点火装置14と、第1コンロバーナ12の炎の有無を検出する第1コンロ炎検出器16と、第1コンロ4に載置された鍋等の調理容器の底面の温度を検出する第1コンロ温度検出器18が設けられている。第2コンロ6には、第2コンロバーナ20と、第2コンロバーナ20に点火する第2コンロ点火装置22と、第2コンロバーナ20の炎の有無を検出する第2コンロ炎検出器24と、第2コンロ6に載置された鍋等の調理容器の底面の温度を検出する第2コンロ温度検出器26が設けられている。第3コンロ8には、第3コンロバーナ28と、第3コンロバーナ28に点火する第3コンロ点火装置30と、第3コンロバーナ28の炎の有無を検出する第3コンロ炎検出器32と、第3コンロ8に載置された鍋等の調理容器の底面の温度を検出する第3コンロ温度検出器34が設けられている。
グリル庫10には、グリル庫10の内部において上部から下方に向けて炎を燃焼させるグリル上部バーナ36と、グリル上部バーナ36に点火するグリル上部点火装置38と、グリル上部バーナ36の炎の有無を検出するグリル上部炎検出器40と、グリル庫10の内部において下部から上方に向けて炎を燃焼させる第1グリル下部バーナ42および第2グリル下部バーナ44と、第1グリル下部バーナ42に点火する第1グリル下部点火装置46と、第2グリル下部バーナ44に点火する第2グリル下部点火装置48と、第1グリル下部バーナ42の炎の有無を検出する第1グリル下部炎検出器50と、第2グリル下部バーナ44の炎の有無を検出する第2グリル下部炎検出器52と、グリル庫10内の温度を検出するグリル温度検出器54が設けられている。
ガス燃焼器具2には、ガス供給路56を介して、都市ガス、プロパンガス等の燃料ガスが供給される。ガス供給路56には、ガス供給路56を開閉する主開閉弁58が介装されている。ガス供給路56は、第1コンロガス供給路60と、第2コンロガス供給路62と、第3コンロガス供給路64と、グリルガス供給路66に分岐している。
第1コンロガス供給路60は、第1コンロバーナ12に燃料ガスを供給する。第1コンロガス供給路60には、第1コンロガス供給路60を開閉する第1コンロ開閉弁68と、第1コンロガス供給路60を流れる燃料ガスの流量を調整する第1コンロ流量調整弁70が介装されている。第2コンロガス供給路62は、第2コンロバーナ20に燃料ガスを供給する。第2コンロガス供給路62には、第2コンロガス供給路62を開閉する第2コンロ開閉弁72と、第2コンロガス供給路62を流れる燃料ガスの流量を調整する第2コンロ流量調整弁74が介装されている。第3コンロガス供給路64は、第3コンロバーナ28に燃料ガスを供給する。第3コンロガス供給路64には、第3コンロガス供給路64を開閉する第3コンロ開閉弁76と、第3コンロガス供給路64を流れる燃料ガスの流量を調整する第3コンロ流量調整弁78が介装されている。
グリルガス供給路66には、グリルガス供給路66を開閉するグリル開閉弁80が介装されている。グリルガス供給路66は、グリル上部ガス供給路82と、グリル下部ガス供給路84に分岐している。グリル上部ガス供給路82は、グリル上部バーナ36に燃料ガスを供給する。グリル上部ガス供給路82には、グリル上部ガス供給路82を流れる燃料ガスの流量を調整するグリル上部流量調整弁86が介装されている。グリル下部ガス供給路84は、第1グリル下部ガス供給路88と、第2グリル下部ガス供給路90に分岐している。第1グリル下部ガス供給路88は、第1グリル下部バーナ42に燃料ガスを供給する。第2グリル下部ガス供給路90は、第2グリル下部バーナ44に燃料ガスを供給する。グリル下部ガス供給路84には、グリル下部ガス供給路84を流れる燃料ガスの流量を調整するグリル下部流量調整弁91が介装されている。
主開閉弁58、第1コンロ開閉弁68、第2コンロ開閉弁72、第3コンロ開閉弁76、グリル開閉弁80は、ソレノイドによって弁体を開放位置と閉鎖位置の間で移動させる電磁弁であり、電気的駆動弁といえる。第1コンロ流量調整弁70、第2コンロ流量調整弁74、第3コンロ流量調整弁78、グリル上部流量調整弁86、グリル下部流量調整弁91は、ステッピングモータによって弁体の開度を調整する電動弁であり、電気的駆動弁といえる。
ガス燃焼器具2はさらに、第1コンロ4での加熱のオン/オフを切り換える第1コンロスイッチ92と、第2コンロ6での加熱のオン/オフを切り換える第2コンロスイッチ94と、第3コンロ8での加熱のオン/オフを切り換える第3コンロスイッチ96と、グリル庫10での加熱のオン/オフを切り換えるグリルスイッチ98と、コントローラ100と、表示操作部102を備えている。第1コンロスイッチ92、第2コンロスイッチ94、第3コンロスイッチ96、グリルスイッチ98は、ユーザが手動で操作可能である。コントローラ100は、ガス燃焼器具2の各構成要素の動作を制御する。表示操作部102は、第1コンロ4、第2コンロ6、第3コンロ8、グリル庫10の加熱能力や加熱時間などの、ガス燃焼器具2の動作に関する設定内容をユーザが手動で入力可能であるとともに、ガス燃焼器具2の動作に関する設定内容やその他のガス燃焼器具2の状態をユーザに対して表示可能である。
ガス燃焼器具2には、第1の電池104と、第2の電池106が取り付けられている。本実施例のガス燃焼器具2では、第1の電池104は、2つの乾電池104a、104bを直列に接続したものであり、第2の電池106は、2つの乾電池106a、106bを直列に接続したものである。ガス燃焼器具2の各構成要素は、第1の電池104および第2の電池106から電力を供給されて動作する。
図2、図3および図4は、ガス燃焼器具2の電気系統の構成を示している。図2、図3および図4に示すように、コントローラ100は、燃焼制御用マイコン108、表示制御用マイコン110、ドライバIC112、降圧回路114、昇圧回路116等を備えている。なお、図2では、第1コンロスイッチ92、第2コンロスイッチ94、第3コンロスイッチ96、グリルスイッチ98をまとめて、メインスイッチ118として表記している。図3では、第1コンロ炎検出器16、第2コンロ炎検出器24、第3コンロ炎検出器32、グリル上部炎検出器40、第1グリル下部炎検出器50、第2グリル下部炎検出器52をまとめて、炎検出器120として表記しており、第1コンロ温度検出器18、第2コンロ温度検出器26、第3コンロ温度検出器34、グリル温度検出器54をまとめて、温度検出器122として表記しており、第1コンロ点火装置14、第2コンロ点火装置22、第3コンロ点火装置30、グリル上部点火装置38、第1グリル下部点火装置46、第2グリル下部点火装置48をまとめて、点火装置124として表記しており、主開閉弁58、第1コンロ開閉弁68、第2コンロ開閉弁72、第3コンロ開閉弁76、グリル開閉弁80をまとめて、開閉弁126として表記しており、第1コンロ流量調整弁70、第2コンロ流量調整弁74、第3コンロ流量調整弁78、グリル上部流量調整弁86、グリル下部流量調整弁91をまとめて、流量調整弁128として表記している。
図2に示すように、第1の電池104は、電解コンデンサ130に並列に接続されている。電解コンデンサ130の正極は、コントローラ100の第1電源電位V1に接続されており、電解コンデンサ130の負極は、コントローラ100の接地電位に接続されている。従って、コントローラ100の第1電源電位V1には、第1の電池104から電力が供給され、その電位は第1の電池104の電池電圧に一致する。第2の電池106は、電解コンデンサ132に並列に接続されている。電解コンデンサ132の正極は、コントローラ100の第2電源電位V2に接続されており、電解コンデンサ132の負極は、コントローラ100の接地電位に接続されている。従って、コントローラ100の第2電源電位V2には、第2の電池106から電力が供給され、その電位は第2の電池106の電池電圧に一致する。
メインスイッチ118は、第1接点118aと第2接点118bの間の導通および非導通を切り換える。第1接点118aは、第1電源電位V1に接続されている。第2接点118bは、抵抗器134,136を介して接地電位に接続されている。また、第2接点118bは、NOT回路138の入力に接続されている。NOT回路138は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路138の出力は、NOT回路140の入力とNOT回路142の入力に接続されている。NOT回路140は、正極電源電位が第1電源電位V1に接続されている。NOT回路140の出力は、降圧回路114に入力される。降圧回路114は、入力される電圧を所定の電圧(例えば1.8V)に降圧して出力する。降圧回路114は、例えば、DC/DCコンバータである。降圧回路114の出力は、コンデンサ144の正極に接続されている。コンデンサ144の正極は、第1降圧電源電位V1Aに接続されており、コンデンサ144の負極は、接地電位に接続されている。従って、コントローラ100の第1降圧電源電位V1Aは、降圧回路114の出力電圧に一致する。NOT回路142は、正極電源電位が第1電源電位V1に接続されている。NOT回路142の出力は、抵抗器146,148を介して接地電位に接続されている。
燃焼制御用マイコン108の正極電源入力VCCは、第1降圧電源電位V1Aに接続されており、燃焼制御用マイコン108の負極電源入力VSSは、接地電位に接続されている。燃焼制御用マイコン108の電池電圧検出入力は、抵抗器146と抵抗器148の接続点に接続されている。燃焼制御用マイコン108の点消火SW入力は、抵抗器134と抵抗器136の接続点に接続されている。
図2の構成において、メインスイッチ118が非導通から導通に切り換わると、第2接点118bの電位が第1電源電位V1に一致し、NOT回路138が接地電位を出力する。これによって、NOT回路140が第1電源電位V1を出力し、降圧回路114が第1降圧電源電位V1Aを出力し、燃焼制御用マイコン108に電力が供給される。この際に、燃焼制御用マイコン108に供給される電力は、第1電源電位V1からNOT回路140、降圧回路114およびコンデンサ144を介して供給される電力、すなわち、第1の電池104から供給される電力である。また、メインスイッチ118が非導通から導通に切り換わると、燃焼制御用マイコン108の点消火SW入力に、第1電源電位V1(すなわち、第1の電池104の電池電圧)を抵抗器134,136で分圧した電位が入力される。さらに、メインスイッチ118が非導通から導通に切り換わると、NOT回路142が第1電源電位V1を出力し、燃焼制御用マイコン108の電池電圧検出入力に、第1電源電位V1(すなわち、第1の電池104の電池電圧)を抵抗器146,148で分圧した電位が入力される。燃焼制御用マイコン108は、電池電圧検出入力の電圧値に基づいて、第1の電池104の電池電圧を検出することができ、これによって、燃焼制御用マイコン108は、第1の電池104の残量を推定することができる。なお、メインスイッチ118が導通から非導通に切り換わると、燃焼制御用マイコン108の点消火SW入力には、接地電位が入力される。燃焼制御用マイコン108は、点消火SW入力から、ユーザによるメインスイッチ118への操作内容を特定することができる。
図3に示すように、炎検出器120は、一端がオペアンプ150に接続されており、他端が接地電位に接続されている。本実施例の炎検出器120は、熱電対である。オペアンプ150は、正極電源電位が第1降圧電源電位V1Aに接続されており、負極電源電位が接地電位に接続されている。オペアンプ150の出力は、燃焼制御用マイコン108の着火検知入力に接続されている。オペアンプ150は、炎検出器120で炎が検出されている場合に第1降圧電源電位V1Aを出力し、炎検出器120で炎が検出されていない場合に接地電位を出力する。燃焼制御用マイコン108は、着火検知入力に基づいて、炎検出器120で炎が検出されているか否かを特定することができる。
温度検出器122は、一端が抵抗器152を介して第1降圧電源電位V1Aに接続されており、他端が接地電位に接続されている。本実施例の温度検出器122は、サーミスタである。温度検出器122と抵抗器152の接続点は、燃焼制御用マイコン108の温度検知入力に接続されている。燃焼制御用マイコン108は、温度検知入力の電圧値に基づいて、温度検出器122の抵抗値を検出することができ、これによって、燃焼制御用マイコン108は、温度検出器122での検出温度を特定することができる。
点火装置124は、一端がNOT回路154の出力に接続され、他端が接地電位に接続されている。点火装置124は、電力が供給されると、高圧放電により火花を生じさせて点火する。NOT回路154は、正極電源電位が第1電源電位V1に接続されている。NOT回路154の入力は、NOT回路156の出力に接続されている。NOT回路156は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路156の入力は、燃焼制御用マイコン108のIG制御出力に接続されている。燃焼制御用マイコン108のIG制御出力がH電位(例えば、第1降圧電源電位V1A)を出力すると、NOT回路156が接地電位を出力し、NOT回路154が第1電源電位V1を出力することで、点火装置124に電力が供給されて、点火装置124が点火動作を行なう。
開閉弁126は、ダイオード158に並列に接続されている。ダイオード158は、アノードが接地電位に接続されており、カソードが抵抗器160を介してNOT回路162の出力に接続されている。NOT回路162は、正極電源電位が第1降圧電源電位V1Aに接続されている。NOT回路162の入力は、燃焼制御用マイコン108のSV制御出力に接続されている。燃焼制御用マイコン108のSV制御出力がL電位(例えば、接地電位)を出力すると、NOT回路162が第1降圧電源電位V1Aを出力することで、開閉弁126に電力が供給されて、開閉弁126が開閉動作を行なう。
流量調整弁128は、ドライバIC112に接続されている。ドライバIC112は、正極電源入力が第1電源電位V1に接続されており、負極電源入力が接地電位に接続されている。ドライバIC112の制御入力は、燃焼制御用マイコン108の火力制御出力に接続されている。燃焼制御用マイコン108は、ドライバIC112を介して、流量調整弁128の動作を制御する。
図4に示すように、燃焼制御用マイコン108のマイコン制御出力は、NOT回路164の入力に接続されている。NOT回路164は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路164の出力は、NOT回路166の入力とNOT回路171の入力に接続されている。NOT回路166は、正極電源電位が第2電源電位V2に接続されている。NOT回路166の出力は、昇圧回路116に入力される。昇圧回路116は、入力される電圧を所定の電圧(例えば3.3V)に昇圧して出力する。昇圧回路116は、例えば、DC/DCコンバータである。昇圧回路116の出力は、電解コンデンサ168の正極に接続されている。電解コンデンサ168の正極は、第2昇圧電源電位V2Aに接続されており、電解コンデンサ168の負極は、接地電位に接続されている。従って、コントローラ100の第2昇圧電源電位V2Aは、昇圧回路116の出力電圧に一致する。電解コンデンサ168には、並列に、コンデンサ170が接続されている。NOT回路171は、正極電源電位が第2電源電位V2に接続されている。NOT回路171の出力は、抵抗器172,174を介して接地電位に接続されている。
表示制御用マイコン110の正極電源入力VCCは、第2昇圧電源電位V2Aに接続されており、表示制御用マイコン110の負極電源入力VSSは、接地電位に接続されている。表示制御用マイコン110の電池電圧検出入力は、抵抗器172と抵抗器174の接続点に接続されている。
図4の構成において、燃焼制御用マイコン108のマイコン制御出力がH電位(例えば第1降圧電源電位V1A)となると、NOT回路164が接地電位を出力し、NOT回路166が第2電源電位V2を出力し、昇圧回路116が第2昇圧電源電位V2Aを出力し、表示制御用マイコン110に電力が供給される。この際に、表示制御用マイコン110に供給される電力は、第2電源電位V2からNOT回路166、昇圧回路116、電解コンデンサ168およびコンデンサ170を介して供給される電力、すなわち、第2の電池106から供給される電力である。また、燃焼制御用マイコン108のマイコン制御出力がH電位(例えば第1降圧電源電位V1A)となると、NOT回路171が第2電源電位V2を出力し、表示制御用マイコン110の電池電圧検出入力に、第2電源電位V2(すなわち、第2の電池106の電池電圧)を抵抗器172,174で分圧した電位が入力される。表示制御用マイコン110は、電池電圧検出入力の電圧値に基づいて、第2の電池106の電池電圧を検出することができ、これによって、表示制御用マイコン110は、第2の電池106の残量を推定することができる。
燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信出力は、NOT回路176の入力に接続されている。NOT回路176は、正極電源電位が第1降圧電源電位V1Aに接続されている。NOT回路176の出力は、NOT回路178の入力に接続されている。NOT回路178は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路178の出力は、抵抗器180を介して第2昇圧電源電位V2Aに接続されている。また、NOT回路178の出力は、表示制御用マイコン110のマイコン間通信入力に接続されている。燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信出力がL電位(例えば接地電位)の場合、NOT回路176が第1降圧電源電位V1Aを出力し、NOT回路178が接地電位を出力するので、表示制御用マイコン110のマイコン間通信入力はL電位(例えば接地電位)となる。燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信出力がH電位(例えば第1降圧電源電位V1A)の場合、NOT回路176の出力が第1降圧電源電位V1Aと非導通となり、NOT回路178の出力が接地電位と非導通となるので、表示制御用マイコン110のマイコン間通信入力はH電位(例えば第2昇圧電源電位V2A)となる。従って、燃焼制御用マイコン108と表示制御用マイコン110が、異なる電源電圧によって動作している場合でも、燃焼制御用マイコン108から表示制御用マイコン110へデータを送信することができる。
表示制御用マイコン110のマイコン間通信出力は、NOT回路182の入力に接続されている。NOT回路182は、正極電源電位が第2昇圧電源電位V2Aに接続されている。NOT回路182の出力は、NOT回路184の入力に接続されている。NOT回路184は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路184の出力は、抵抗器186を介して第1降圧電源電位V1Aに接続されている。また、NOT回路184の出力は、燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信入力に接続されている。表示制御用マイコン110のマイコン間通信出力がL電位(例えば接地電位)の場合、NOT回路182が第2昇圧電源電位V2Aを出力し、NOT回路184が接地電位を出力するので、燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信入力はL電位(例えば接地電位)となる。表示制御用マイコン110のマイコン間通信出力がH電位(例えば第2昇圧電源電位V2A)の場合、NOT回路182の出力が第2昇圧電源電位V2Aと非導通となり、NOT回路184の出力が接地電位と非導通となるので、燃焼制御用マイコン108のマイコン間通信入力はH電位(例えば第1降圧電源電位V1A)となる。従って、燃焼制御用マイコン108と表示制御用マイコン110が、異なる電源電圧によって動作している場合でも、表示制御用マイコン110から燃焼制御用マイコン108へデータを送信することができる。
表示操作部102は、ユーザが視認可能な位置に設けられた複数の発光ダイオードと、ユーザが操作可能な位置に設けられた複数のスイッチおよび複数のダイオードを備えている。図4では、複数の発光ダイオードをまとめて、発光ダイオード188として表記しており、複数のスイッチおよび複数のダイオードをまとめて、スイッチ190およびダイオード192として表記している。発光ダイオード188は、電気的発光素子といえる。
表示制御用マイコン110のコモン出力は、NOT回路194の入力に接続されている。NOT回路194は、正極電源電位が第2昇圧電源電位V2Aに接続されている。NOT回路194の出力は、表示操作部102の発光ダイオード188のアノードと、ダイオード192のアノードに接続されている。表示制御用マイコン110のセグメント出力は、NOT回路196の入力に接続されている。NOT回路196は、負極電源電位が接地電位に接続されている。NOT回路196の出力は、抵抗器198を介して、発光ダイオード188のカソードに接続されている。表示制御用マイコン110の操作SW入力は、抵抗器200,202を介して接地電位に接続されている。表示操作部102のスイッチ190は、第1接点190aと第2接点190bの間の導通および非導通を切り換える。スイッチ190の第1接点190aは、コントローラ100の抵抗器200と抵抗器202の接続箇所に接続されている。スイッチ190の第2接点190bは、ダイオード192のカソードに接続されている。
表示制御用マイコン110のコモン出力がL電位(例えば接地電位)となり、かつ、表示制御用マイコン110のセグメント出力がH電位(例えば第2昇圧電源電位V2A)となると、NOT回路194が第2昇圧電源電位V2Aを出力し、NOT回路196が接地電位を出力する。これによって、発光ダイオード188に第2昇圧電源電位V2Aから電力が供給されて、発光ダイオード188が発光する。
表示制御用マイコン110のコモン出力がL電位(例えば接地電位)となっている時に、スイッチ190が非導通から導通に切り換わると、表示制御用マイコン110の操作SW入力は、H電位(例えば第2昇圧電源電位V2A)となる。この状態から、スイッチ190が導通から非導通に切り換わった場合、あるいは、表示制御用マイコン110のコモン出力がH電位(例えば第2昇圧電源電位V2A)になった場合、表示制御用マイコン110の操作SW入力は、L電位(例えば接地電位)となる。表示制御用マイコン110は、操作SW入力から、ユーザによるスイッチ190への操作内容を特定することができる。
本実施例のガス燃焼器具2においては、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品が、第1電源電位V1または第1降圧電源電位V1Aから電力を供給されて動作している。すなわち、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品は、第1の電池104から供給される電力によって動作している。また、本実施例のガス燃焼器具2においては、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品が、第2電源電位V2または第2昇圧電源電位V2Aから電力を供給されて動作している。すなわち、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品は、第2の電池106から供給される電力によって動作している。
通常、点火装置124や流量調整弁128などの部品は、動作時に大きな電流を必要とする。このため、点火装置124や流量調整弁128に電力を供給する第1の電池104は、これらの部品の動作時に、一時的に電池電圧が低下する。従って、点火装置124や流量調整弁128に電力を供給する第1の電池104については、これらの部品の動作により一時的に電池電圧が低下しても、これらの部品を正常に動作させることが可能な電池電圧の下限値を、終止電圧として設定する必要がある。通常、このように設定される終止電圧は、第1の電池104それ自体の終止電圧よりも高い電圧に設定される。一方、表示操作部102の発光ダイオード188は、動作時に高い電圧を必要とするが、昇圧回路116を用いることで、電池電圧が低下していても、正常に動作させることができる。このため、表示操作部102の発光ダイオード188に電力を供給する第2の電池106の終止電圧は、第2の電池106それ自体の終止電圧と同じ電圧に設定することが可能である。
仮に、点火装置124や流量調整弁128などの部品と、表示操作部102の発光ダイオード188などの部品を、同じ電池から供給される電力で動作させる構成とすると、電池の終止電圧を、点火装置124や流量調整弁128などの駆動による電池電圧の一時的な低下を踏まえて設定しなければならない。この場合、電池電圧がまだ電池それ自体の終止電圧まで低下しておらず、表示操作部102の発光ダイオード188については正常に動作させることが可能な場合であっても、ユーザに電池交換を促すことになる。また、点火装置124や流量調整弁128などの部品と、表示操作部102の発光ダイオード188などの部品を、同じ電池から供給される電力で動作させる構成とすると、点火装置124や流量調整弁128などの駆動により一時的に低下した電池電圧を、表示操作部102の発光ダイオード188の動作に必要な電圧まで昇圧回路116で昇圧する必要がある。通常、昇圧回路116の昇圧比が高くなると、昇圧回路116での消費電流は大幅に増加し、電池の消耗を早めてしまうことになる。
本実施例のガス燃焼器具2では、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品と、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品を、別個の電池から供給される電力によって動作させる構成としている。このような構成とすることによって、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品に電力を供給する第1の電池104の終止電圧と、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品に電力を供給する第2の電池106の終止電圧を、別個に設定することができる。これによって、第1の電池104や第2の電池106について、それぞれの用途においてまだ使用可能であるにも関わらずユーザに電池交換を促してしまうことを防ぐことができる。また、本実施例のガス燃焼器具2によれば、点火装置124や流量調整弁128などの部品の駆動により一時的に低下した電池電圧を、表示操作部102の発光ダイオード188の動作に必要な電圧まで昇圧する必要がないので、電池の消耗を抑制することができる。本実施例のガス燃焼器具2によれば、第1の電池104や第2の電池106の長寿命化を実現することができる。
本実施例のガス燃焼器具2では、表示操作部102の発光ダイオード188が、第1の電池104の電池交換を促す第1の発光ダイオードと、第1の発光ダイオードとは別体の、第2の電池106の電池交換を促す第2の発光ダイオードを備えており、第1の電池104および第2の電池106のそれぞれの電池交換のタイミングを、別個にユーザに報知することが可能である。このような構成とすることによって、ユーザの利便性を向上することができる。
なお、本実施例のガス燃焼器具2において、表示操作部102の動作が不要である場合は、図5に示すように、第1の電池104のみをガス燃焼器具2に取り付け、第2の電池106をガス燃焼器具2に取り付けない構成としてもよい。この場合、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品には電力が供給されず、これらの部品は動作しないが、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品には電力が供給されるので、ガス燃焼器具2において、第1コンロ4、第2コンロ6、第3コンロ8およびグリル庫10を用いた調理を行なうことができる。
あるいは、図6に示すように、第1の電池104のみをガス燃焼器具2に取り付け、第2の電池106をガス燃焼器具2に取り付けない構成とし、さらに、外付けのハーネス204によって、第2電源電位V2を第1電源電位V1に接続する構成としてもよい。この場合、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品にも、第1の電池104から電力が供給される。本実施例のガス燃焼器具2は、図2の構成とするか、あるいは図5の構成とするか、あるいは図6の構成とするかを、ユーザが適宜選択することができる。
図2に示すように、第1の電池104と第2の電池106の両方を取り付ける場合において、図4に示す燃焼制御用マイコン108は、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を許可している状態で、第1の所定時間(例えば30秒)にわたってスイッチ190への操作が行われない場合に、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を禁止してもよい。これによって、ユーザがスイッチ190の操作をしていないにも関わらず、発光ダイオード188を点灯し続けて、余計な電力を消費してしまうことを抑制することができる。なお、燃焼制御用マイコン108は、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を禁止してから、第2の所定時間(例えば30秒)が経過したときに、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を再び許可するようにしてもよい。
図7に示すように、表示操作部102に、スイッチ190に対応して、ユーザによる同じ操作を検出するスイッチ206を設けて、燃焼制御用マイコン108がスイッチ206への操作入力を検出可能な構成としてもよい。図7に示す構成では、表示操作部102は、スイッチ190とダイオード192に対応して、スイッチ206と、ダイオード208をさらに備えている。スイッチ206は、第1接点206aと第2接点206bの間の導通および非導通を切り換える。燃焼制御用マイコン108のコモン出力は、NOT回路210の入力に接続されている。NOT回路210は、正極電源電位が第1降圧電源電位V1Aに接続されている。NOT回路210の出力は、表示操作部102のダイオード208のアノードに接続されている。燃焼制御用マイコン108の操作SW入力は、抵抗器212,214を介して接地電位に接続されている。スイッチ206の第1接点206aは、コントローラ100の抵抗器212と抵抗器214の接続箇所に接続されている。スイッチ206の第2接点206bは、ダイオード208のカソードに接続されている。
図7に示す構成においても、図4に示す構成と同様に、燃焼制御用マイコン108は、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を許可している状態で、第1の所定時間(例えば30秒)にわたってスイッチ190への操作が行われない場合に、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を禁止してもよい。これによって、ユーザがスイッチ190の操作をしていないにも関わらず、発光ダイオード188を点灯し続けて、余計な電力を消費してしまうことを抑制することができる。また、燃焼制御用マイコン108は、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を禁止してから、第2の所定時間(例えば30秒)が経過したときに、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を再び許可するようにしてもよい。さらに、燃焼制御用マイコン108は、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を禁止している時に、スイッチ206への操作入力を検出した場合に、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102への電力の供給を再び許可するようにしてもよい。このような構成とすることによって、ユーザが操作を再開した時に、速やかに発光ダイオード188を発光させることができる。
上記の実施例では、降圧回路114、燃焼制御用マイコン108、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126、ドライバIC112、流量調整弁128等の部品を第1の電池104から供給される電力によって動作させ、昇圧回路116、表示制御用マイコン110、表示操作部102等の部品を、第2の電池106から供給される電力によって動作させている。これとは異なり、オペアンプ150、点火装置124、開閉弁126等の部品のうちの1つまたはそれ以上について、第2の電池106から供給される電力によって動作させてもよい。あるいは、表示制御用マイコン110を、第1の電池104から供給される電力によって動作させてもよい。いずれの場合も、流量調整弁128と発光ダイオード188を異なる電池から供給される電力によって動作させる構成となっているので、第1の電池104および第2の電池106の長寿命化を実現することができる。
上記の実施例では、ガス燃焼器具2の一例として、第1コンロ4、第2コンロ6および第3コンロ8と、グリル庫10を備えるガスコンロについて説明したが、本明細書が開示する技術は、他のガス燃焼器具に適用することもできる。
上記の実施例では、第1の電池104として、2つの乾電池104a、104bを直列に接続したものを用いる場合について説明したが、第1の電池104としては、乾電池以外の一次電池を用いてもよいし、二次電池を用いても良い。同様に、上記の実施例では、第2の電池106として、2つの乾電池106a、106bを直列に接続したものを用いる場合について説明したが、第2の電池106として、乾電池以外の一次電池を用いてもよいし、二次電池を用いてもよい。
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。