JP3558438B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池を電源とする燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
点火用イグナイターと、燃焼を制御する燃焼制御部とを持つものの1つの例にガスコンロがある。一般にガスコンロでは、立ち消え安全装置として熱電対の起電力により炎の検知を行ない、また天ぷら火災防止装置としてサーミスタの抵抗値により鍋底の温度を測定し、それらの信号がコントローラに送られ、異常が検出されなければマグネット電磁弁に通電して吸着させ、バーナにガスを流すといったタイプのものがよく用いられる。この様なタイプのガスコンロにおいては、コントローラの電源として電池が用いられる。この電池はバーナ点火時に用いるイグナイターの電源としても共用される。
【0003】
電池電圧は使用と共に低下していくため、電池電圧がコントローラの作動に必要な電圧より低くなった時点で電池を交換する必要がある。そのため、電池電圧がコントローラに必要な最低電圧附近の設定電圧(以下、終止電圧と呼ぶ)以下になった時にランプを点灯して電池交換の報知をする機能を持つものがある。また、前もって使用者が取り替え用の電池を用意できるように、終止電圧より高い設定電圧(以下、電池交換予告電圧と呼ぶ)を設け、電池電圧が電池交換予告電圧以下になった時にランプを点滅して電池交換の時期が近いことを報知するといった便利な機能を持つものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電池交換予告電圧で報知するものにおいては、イグナイター作動時に不必要な報知を起こす事がある。それは、コントローラのような消費電流の小さい負荷とは違い、イグナイターの様な消費電流の大きな負荷の場合には、乾電池の内部抵抗による電圧降下が大きく、電池容量が充分あるにも関わらず、イグナイター作動時の電圧降下で電池電圧が一時的に電池交換予告電圧を下回り、その間ランプが点滅してしまうためである。この不必要な報知により、電池電圧がまだ電池交換予告電圧より高い値であっても、使用者は電池の交換をしなければならないと誤解してしまう恐れがある。
【0005】
この問題を解決するために、特開平7ー19468では、電池電圧の低下を検出する判定回路を備え、この判定回路の出力をタイマ回路に入力して、電圧低下信号が所定時間継続した時に報知回路に駆動信号を出力するようにしている。また別の構成として、スパーカスイッチに連動するスイッチを報知回路の入力部に備え、スパーカスイッチがONすると同時に報知回路の入力部のスイッチがOFFとなるような回路についても述べてある。
【0006】
しかしながら上記の様な構成では、前者においては、電池電圧の判定信号出力の継続を判断するため、タイマ回路だけでなく比較回路が余分に必要となり、回路が複雑になるといった問題がある。また後者においては報知回路の入力部にスイッチを設けることでスイッチが複数必要になり、接点の接触抵抗が大きくなる、接触不良が起こりやすい、コストがかかるといった問題がある。
【0007】
本発明の燃焼制御装置は上記課題を解決し、イグナイター作動時に電源電圧が一時的に低下する事によって起こる不必要な報知を、簡単な回路構成を用いて防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の燃焼制御装置は、電池を電源として燃焼制御を行なう燃焼制御部と、
上記電池の電圧を検知し、所定の値まで低下したと判断した時、その旨を報知
する電圧低下報知部と、
点火操作時に上記電池に接続されて作動する点火用イグナイターと、
を備えた燃焼制御装置において、
上記電圧低下報知部の検知電圧入力段には、上記電池電圧の変動に対して検知電圧の変動を遅延させる遅延回路を備え、
上記遅延回路による電圧変動の遅延は、上記電池の電圧が低下方向に変化した時は大きく、上昇方向に変化した時は小さくなることを要旨とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の燃焼制御装置は、電池電圧の変動があった場合においても、遅延回路により電圧低下報知部の入力段電圧は、電池電圧の変動に対して遅く変化してくる。従って、点火用イグナイターの作動により電池電圧が一時的に大きく低下して報知すべき所定の値を下回った場合においても、すぐには電圧低下報知部の入力電圧が報知すべき所定の値を下回らないため、不必要な報知を防ぐことができる。
【0011】
更に、遅延回路による電圧変動の遅延が、電池電圧が低下方向に変化した時は大きくなるようにすることで、イグナイター作動時に電池電圧が一時的に大きく低下した場合においても電圧低下報知部の入力段電圧はゆっくり低下するため、すぐには報知すべき電圧まで下がらない。また、イグナイターの作動が終わり電池電圧が上昇方向に変化した時は遅延が小さくなるようにすることで、電圧報知部の入力段電圧がはやく電池電圧に近づく。このため、電池電圧の一時的な低下が短時間で連続的に起こった場合においても、電圧低下報知部の入力電圧を一定電圧附近に保つことができるため、不必要な報知を防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の燃焼制御装置の好適な実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図で、ガスを燃焼する燃焼部10と、点火スパーク用高電圧を発生するイグナイター20と、燃焼部10の燃焼制御を行なう制御回路30と、イグナイター20と制御回路30との電源となる電池40と、電池40の電圧が設定電圧以下になった時に報知を行なう電圧低下報知部50と、電圧低下報知部の入力側に設けた遅延回路60と、起動回路70とからなる。
【0013】
燃焼部10は、ガスの燃焼を行なうバーナ11と、点火操作により開弁しコイルに通電することにより吸着開弁状態を維持するマグネット電磁弁12と、点火、消火操作に連動して開閉するメイン弁13と、イグナイター20から高電圧が印加されることでスパークする電極14と、バーナ11における燃焼炎を検知する熱電対15と、鍋底の温度を検出するサーミスタ16とを備える。
【0014】
電圧低下報知部50は、基準電圧をつくるレギュレータ51と、電池電圧Vddが電池交換予告電圧(本実施例では2.5V)以下に低下したかを判断する第1コンパレータ52と、電池電圧Vddが終止電圧(本実施例では2.0V)以下に低下したかを判断する第2コンパレータ53と、電池交換予告ランプ54と、コンパレータ52の出力により電池交換予告ランプ54を点滅させるランプ点滅回路55と、コンパレータ53の出力により電池交換予告ランプ54を点灯させるランプ点灯回路56とを備える。
【0015】
遅延回路60は電池40により充電されるコンデンサ61とコンデンサ61の充電方向にのみ電流を流すダイオード62と、抵抗R1と、抵抗R1より抵抗値の高い抵抗R2とを備える。ダイオード62は、順方向電圧の低いショットキーダイオード等を使用する。
【0016】
次に本実施例のガスコンロの作動について説明する。点火操作前にコンデンサ61はほぼ電池電圧Vddまで充電されている。ここで、図示しない点火ボタンを押すことによって機械的にマグネット電磁弁12、メイン弁13が押されて開弁し、バーナ11にガスが流れる。同時に点火スイッチ2がONすることにより、イグナイター20が作動して電極14にてスパークし、バーナ11に点火する。それと並行して起動回路70に電流が流れ、トランジスタ1を一時的にONすることにより、制御回路30に電流が流れる。制御回路30が熱電対15やサーミスタ16からの信号を検知し、異常が無い場合にはマグネット電磁弁12に通電して吸着開弁状態を維持し、また起動回路70に点火信号を出力することで、点火スイッチ2がOFFになってもトランジスタ1のONを継続する。
【0017】
イグナイター20が作動している間、電池電圧Vddが一時的に大きく低下する。ここで電源電圧Vddが一時的に電池交換予告電圧(2.5V)を下回ったとすると、図2に示すように、コンデンサ61の放電電圧V1が第1コンパレータ52に入力され点火操作前の電圧附近にほぼ保たれるため、電池交換予告ランプ54が一時的に点滅することを防ぐことができる。その後電池電圧Vddが回復するとコンデンサ61が充電される。
【0018】
しかし、イグナイター20の作動により電池電圧Vddが終止電圧(2.0V)を下回った場合には、第2コンパレータ53により信号が出力され、ランプ点灯回路56が電池交換予告ランプ54を点灯する。ここで第2コンパレータ53の入力側に遅延回路60を設けないのは、電池電圧Vddが終止電圧(2.0V)を下回る事により、制御回路30の作動に支障をきたす事が考えられるからである。
【0019】
コンデンサ61は抵抗R2、R3、R4とコンデンサ61の電気容量とにより定まる時定数をもって放電されるため、抵抗R2の抵抗値を高くすることによりイグナイター20作動時のコンデンサ61の放電を遅くすることができる(抵抗R3、R4は抵抗値の極めて高いものが用いられる)。また、抵抗R1、R2とコンデンサ61の電気容量で決まる時定数をもって充電されるため、抵抗R1の抵抗値を低くすることによりコンデンサ61への充電をはやく行なうことができる。このように充電時間をはやく、放電時間を遅くすることにより、イグナイター20による点火動作を短時間に繰り返し行なわれた場合においても、誤報知を起こさない。
【0020】
このように、イグナイター20作動時の一時的な電池電圧Vddの低下により、電池電圧Vddが電池交換予告電圧(2.5V)以下になった場合に起こる一時的な報知を防ぐことができる。更にこの回路によれば、イグナイター20作動時に限らず、外来ノイズ等による電池電圧変動に対しても同様に影響を受けにくく安定した検知が可能となる。
【0021】
ここで第2実施例として、第1実施例(図1)において抵抗R1の抵抗値を0、抵抗R2の抵抗値を∞としたものを図3に示す。この回路の場合、図4に示すように充電は極めて僅かな時間で行なわれ、また放電は抵抗R3、R4とコンデンサ61の電気容量とで決まる時定数により行なわれる(抵抗R3、R4の抵抗値は極めて高いものが用いられる)。そのため充電時間が極めて短く、放電時間が極めて長い回路が簡単な回路構成で実現できる。
【0022】
以上説明した本発明の第1実施例(図1)の燃焼制御装置によれば、コンデンサ61と抵抗R1、R2とダイオード62とを使用した簡単な回路構成により、イグナイター20作動時の電池電圧Vddの低下により一時的に電池交換予告電圧(2.5V)を下回った場合においても、コンデンサ61の放電電圧V1がコンパレータ53に入力されるため一時的な報知が行なわれない。またコンデンサ61への充電時間をはやく、放電時間を遅くすることにより、イグナイター20による点火動作が短時間で繰り返し行なわれた場合においても不必要な報知をすることがない。また、本発明の第2実施例(図3)の燃焼制御装置によれば、コンデンサ61とダイオード62とにより極めて簡単な回路構成にすることができる。
【0023】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、例えば給湯器等の燃焼制御装置においても用いることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の燃焼制御装置によれば、点火用イグナイターの作動により電池電圧が一時的に大きく低下して報知すべき所定の値を下回った場合においても、不必要な報知を行なわないため、電池電圧が充分ある場合に使用者が電池交換を行なってしまうことを簡単な構成により防ぐことができる。
【0025】
更に、イグナイターの作動が短時間で連続的に起こった場合においても、電圧低下報知部の入力電圧を一定電圧附近に保つため、不必要な報知を行なわず、電池電圧が充分ある場合に使用者が電池交換を行なってしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例での電圧の変化を表すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図である。
【図4】本発明の第2実施例での電圧の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
2…点火スイッチ、 10…燃焼部、 12…マグネット電磁弁、
13…メイン弁、 14…電極、 15…熱電対、 16…サーミスタ、
20…イグナイター、 30…制御回路、 40…電池、
50…電圧低下報知部、 51…レギュレータ、 60…遅延回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は電池を電源とする燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
点火用イグナイターと、燃焼を制御する燃焼制御部とを持つものの1つの例にガスコンロがある。一般にガスコンロでは、立ち消え安全装置として熱電対の起電力により炎の検知を行ない、また天ぷら火災防止装置としてサーミスタの抵抗値により鍋底の温度を測定し、それらの信号がコントローラに送られ、異常が検出されなければマグネット電磁弁に通電して吸着させ、バーナにガスを流すといったタイプのものがよく用いられる。この様なタイプのガスコンロにおいては、コントローラの電源として電池が用いられる。この電池はバーナ点火時に用いるイグナイターの電源としても共用される。
【0003】
電池電圧は使用と共に低下していくため、電池電圧がコントローラの作動に必要な電圧より低くなった時点で電池を交換する必要がある。そのため、電池電圧がコントローラに必要な最低電圧附近の設定電圧(以下、終止電圧と呼ぶ)以下になった時にランプを点灯して電池交換の報知をする機能を持つものがある。また、前もって使用者が取り替え用の電池を用意できるように、終止電圧より高い設定電圧(以下、電池交換予告電圧と呼ぶ)を設け、電池電圧が電池交換予告電圧以下になった時にランプを点滅して電池交換の時期が近いことを報知するといった便利な機能を持つものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電池交換予告電圧で報知するものにおいては、イグナイター作動時に不必要な報知を起こす事がある。それは、コントローラのような消費電流の小さい負荷とは違い、イグナイターの様な消費電流の大きな負荷の場合には、乾電池の内部抵抗による電圧降下が大きく、電池容量が充分あるにも関わらず、イグナイター作動時の電圧降下で電池電圧が一時的に電池交換予告電圧を下回り、その間ランプが点滅してしまうためである。この不必要な報知により、電池電圧がまだ電池交換予告電圧より高い値であっても、使用者は電池の交換をしなければならないと誤解してしまう恐れがある。
【0005】
この問題を解決するために、特開平7ー19468では、電池電圧の低下を検出する判定回路を備え、この判定回路の出力をタイマ回路に入力して、電圧低下信号が所定時間継続した時に報知回路に駆動信号を出力するようにしている。また別の構成として、スパーカスイッチに連動するスイッチを報知回路の入力部に備え、スパーカスイッチがONすると同時に報知回路の入力部のスイッチがOFFとなるような回路についても述べてある。
【0006】
しかしながら上記の様な構成では、前者においては、電池電圧の判定信号出力の継続を判断するため、タイマ回路だけでなく比較回路が余分に必要となり、回路が複雑になるといった問題がある。また後者においては報知回路の入力部にスイッチを設けることでスイッチが複数必要になり、接点の接触抵抗が大きくなる、接触不良が起こりやすい、コストがかかるといった問題がある。
【0007】
本発明の燃焼制御装置は上記課題を解決し、イグナイター作動時に電源電圧が一時的に低下する事によって起こる不必要な報知を、簡単な回路構成を用いて防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の燃焼制御装置は、電池を電源として燃焼制御を行なう燃焼制御部と、
上記電池の電圧を検知し、所定の値まで低下したと判断した時、その旨を報知
する電圧低下報知部と、
点火操作時に上記電池に接続されて作動する点火用イグナイターと、
を備えた燃焼制御装置において、
上記電圧低下報知部の検知電圧入力段には、上記電池電圧の変動に対して検知電圧の変動を遅延させる遅延回路を備え、
上記遅延回路による電圧変動の遅延は、上記電池の電圧が低下方向に変化した時は大きく、上昇方向に変化した時は小さくなることを要旨とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の燃焼制御装置は、電池電圧の変動があった場合においても、遅延回路により電圧低下報知部の入力段電圧は、電池電圧の変動に対して遅く変化してくる。従って、点火用イグナイターの作動により電池電圧が一時的に大きく低下して報知すべき所定の値を下回った場合においても、すぐには電圧低下報知部の入力電圧が報知すべき所定の値を下回らないため、不必要な報知を防ぐことができる。
【0011】
更に、遅延回路による電圧変動の遅延が、電池電圧が低下方向に変化した時は大きくなるようにすることで、イグナイター作動時に電池電圧が一時的に大きく低下した場合においても電圧低下報知部の入力段電圧はゆっくり低下するため、すぐには報知すべき電圧まで下がらない。また、イグナイターの作動が終わり電池電圧が上昇方向に変化した時は遅延が小さくなるようにすることで、電圧報知部の入力段電圧がはやく電池電圧に近づく。このため、電池電圧の一時的な低下が短時間で連続的に起こった場合においても、電圧低下報知部の入力電圧を一定電圧附近に保つことができるため、不必要な報知を防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の燃焼制御装置の好適な実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図で、ガスを燃焼する燃焼部10と、点火スパーク用高電圧を発生するイグナイター20と、燃焼部10の燃焼制御を行なう制御回路30と、イグナイター20と制御回路30との電源となる電池40と、電池40の電圧が設定電圧以下になった時に報知を行なう電圧低下報知部50と、電圧低下報知部の入力側に設けた遅延回路60と、起動回路70とからなる。
【0013】
燃焼部10は、ガスの燃焼を行なうバーナ11と、点火操作により開弁しコイルに通電することにより吸着開弁状態を維持するマグネット電磁弁12と、点火、消火操作に連動して開閉するメイン弁13と、イグナイター20から高電圧が印加されることでスパークする電極14と、バーナ11における燃焼炎を検知する熱電対15と、鍋底の温度を検出するサーミスタ16とを備える。
【0014】
電圧低下報知部50は、基準電圧をつくるレギュレータ51と、電池電圧Vddが電池交換予告電圧(本実施例では2.5V)以下に低下したかを判断する第1コンパレータ52と、電池電圧Vddが終止電圧(本実施例では2.0V)以下に低下したかを判断する第2コンパレータ53と、電池交換予告ランプ54と、コンパレータ52の出力により電池交換予告ランプ54を点滅させるランプ点滅回路55と、コンパレータ53の出力により電池交換予告ランプ54を点灯させるランプ点灯回路56とを備える。
【0015】
遅延回路60は電池40により充電されるコンデンサ61とコンデンサ61の充電方向にのみ電流を流すダイオード62と、抵抗R1と、抵抗R1より抵抗値の高い抵抗R2とを備える。ダイオード62は、順方向電圧の低いショットキーダイオード等を使用する。
【0016】
次に本実施例のガスコンロの作動について説明する。点火操作前にコンデンサ61はほぼ電池電圧Vddまで充電されている。ここで、図示しない点火ボタンを押すことによって機械的にマグネット電磁弁12、メイン弁13が押されて開弁し、バーナ11にガスが流れる。同時に点火スイッチ2がONすることにより、イグナイター20が作動して電極14にてスパークし、バーナ11に点火する。それと並行して起動回路70に電流が流れ、トランジスタ1を一時的にONすることにより、制御回路30に電流が流れる。制御回路30が熱電対15やサーミスタ16からの信号を検知し、異常が無い場合にはマグネット電磁弁12に通電して吸着開弁状態を維持し、また起動回路70に点火信号を出力することで、点火スイッチ2がOFFになってもトランジスタ1のONを継続する。
【0017】
イグナイター20が作動している間、電池電圧Vddが一時的に大きく低下する。ここで電源電圧Vddが一時的に電池交換予告電圧(2.5V)を下回ったとすると、図2に示すように、コンデンサ61の放電電圧V1が第1コンパレータ52に入力され点火操作前の電圧附近にほぼ保たれるため、電池交換予告ランプ54が一時的に点滅することを防ぐことができる。その後電池電圧Vddが回復するとコンデンサ61が充電される。
【0018】
しかし、イグナイター20の作動により電池電圧Vddが終止電圧(2.0V)を下回った場合には、第2コンパレータ53により信号が出力され、ランプ点灯回路56が電池交換予告ランプ54を点灯する。ここで第2コンパレータ53の入力側に遅延回路60を設けないのは、電池電圧Vddが終止電圧(2.0V)を下回る事により、制御回路30の作動に支障をきたす事が考えられるからである。
【0019】
コンデンサ61は抵抗R2、R3、R4とコンデンサ61の電気容量とにより定まる時定数をもって放電されるため、抵抗R2の抵抗値を高くすることによりイグナイター20作動時のコンデンサ61の放電を遅くすることができる(抵抗R3、R4は抵抗値の極めて高いものが用いられる)。また、抵抗R1、R2とコンデンサ61の電気容量で決まる時定数をもって充電されるため、抵抗R1の抵抗値を低くすることによりコンデンサ61への充電をはやく行なうことができる。このように充電時間をはやく、放電時間を遅くすることにより、イグナイター20による点火動作を短時間に繰り返し行なわれた場合においても、誤報知を起こさない。
【0020】
このように、イグナイター20作動時の一時的な電池電圧Vddの低下により、電池電圧Vddが電池交換予告電圧(2.5V)以下になった場合に起こる一時的な報知を防ぐことができる。更にこの回路によれば、イグナイター20作動時に限らず、外来ノイズ等による電池電圧変動に対しても同様に影響を受けにくく安定した検知が可能となる。
【0021】
ここで第2実施例として、第1実施例(図1)において抵抗R1の抵抗値を0、抵抗R2の抵抗値を∞としたものを図3に示す。この回路の場合、図4に示すように充電は極めて僅かな時間で行なわれ、また放電は抵抗R3、R4とコンデンサ61の電気容量とで決まる時定数により行なわれる(抵抗R3、R4の抵抗値は極めて高いものが用いられる)。そのため充電時間が極めて短く、放電時間が極めて長い回路が簡単な回路構成で実現できる。
【0022】
以上説明した本発明の第1実施例(図1)の燃焼制御装置によれば、コンデンサ61と抵抗R1、R2とダイオード62とを使用した簡単な回路構成により、イグナイター20作動時の電池電圧Vddの低下により一時的に電池交換予告電圧(2.5V)を下回った場合においても、コンデンサ61の放電電圧V1がコンパレータ53に入力されるため一時的な報知が行なわれない。またコンデンサ61への充電時間をはやく、放電時間を遅くすることにより、イグナイター20による点火動作が短時間で繰り返し行なわれた場合においても不必要な報知をすることがない。また、本発明の第2実施例(図3)の燃焼制御装置によれば、コンデンサ61とダイオード62とにより極めて簡単な回路構成にすることができる。
【0023】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、例えば給湯器等の燃焼制御装置においても用いることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の燃焼制御装置によれば、点火用イグナイターの作動により電池電圧が一時的に大きく低下して報知すべき所定の値を下回った場合においても、不必要な報知を行なわないため、電池電圧が充分ある場合に使用者が電池交換を行なってしまうことを簡単な構成により防ぐことができる。
【0025】
更に、イグナイターの作動が短時間で連続的に起こった場合においても、電圧低下報知部の入力電圧を一定電圧附近に保つため、不必要な報知を行なわず、電池電圧が充分ある場合に使用者が電池交換を行なってしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例での電圧の変化を表すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例としての天ぷら火災防止機能付きガスコンロの概略構成図である。
【図4】本発明の第2実施例での電圧の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
2…点火スイッチ、 10…燃焼部、 12…マグネット電磁弁、
13…メイン弁、 14…電極、 15…熱電対、 16…サーミスタ、
20…イグナイター、 30…制御回路、 40…電池、
50…電圧低下報知部、 51…レギュレータ、 60…遅延回路。
Claims (1)
- 電池を電源として燃焼制御を行なう燃焼制御部と、
上記電池の電圧を検知し、所定の値まで低下したと判断した時、その旨を報知する電圧低下報知部と、
点火操作時に上記電池に接続されて作動する点火用イグナイターと、
を備えた燃焼制御装置において、
上記電圧低下報知部の検知電圧入力段には、上記電池電圧の変動に対して検知電圧の変動を遅延させる遅延回路を備え、
上記遅延回路による電圧変動の遅延は、上記電池の電圧が低下方向に変化した時は大きく、上昇方向に変化した時は小さくなることを特徴とする燃焼制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34916195A JP3558438B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34916195A JP3558438B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 燃焼制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09170758A JPH09170758A (ja) | 1997-06-30 |
JP3558438B2 true JP3558438B2 (ja) | 2004-08-25 |
Family
ID=18401888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34916195A Expired - Fee Related JP3558438B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 燃焼制御装置 |
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JP4527128B2 (ja) * | 2007-02-26 | 2010-08-18 | リンナイ株式会社 | ガス調理機器 |
-
1995
- 1995-12-19 JP JP34916195A patent/JP3558438B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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