JP2556433C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガスコンロ等の燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガスコンロにおいては、バーナの燃焼・失火を熱電対等の燃焼検知用
センサを介して検知し、その検知に応じて、バーナへのガス供給路に設けた電磁
弁を電磁弁駆動回路を介して開閉駆動するようにしたものが知られており、この
種のものは、失火が検知された場合には、電磁弁を閉駆動し、これによりバーナ
へのガス供給を遮断するようにしている。 【0003】 また、この種のガスコンロにおいては、被加熱物である調理物の加熱温度を該
調理物の容器等に接触し得るように設けた温度センサを介して検出し、その検出
温度の所定の基準温度に対する低高に応じて、前記電磁弁を電磁弁駆動回路を介
して開閉駆動するようにしたものが知られており、この種のものは、調理物の加
熱温度があらかじめ定めた基準温度を越えて高温となった場合に電磁弁を閉駆動
し、これによりバーナの燃焼を停止させて過加熱を防止するようにしている。 【0004】 ところで、この種のガスコンロにおいては、従来、熱電対や温度センサに接続
されたコンパレータ等により構成される燃焼検知回路や温度検出回路が設けられ
、これらの回路によりバーナの燃焼・失火や、調理物の加熱温度の高低を検出し
、これに応じて前記電磁弁駆動回路に前記電磁弁の開駆動用信号あるいは閉駆動
用信号を出力して該電磁弁駆動回路を作動させるようにするのが一般的である。 そして、この場合、燃焼検知回路や温度検出回路はそれぞれ一個づつ備えられて
いる。 【0005】 しかしながら、従来は、上記のように単一の燃焼検知回路や温度検出回路によ
り、バーナの燃焼・失火や、調理物の加熱温度の高低を検出するようにしていた
ために、例えば燃焼検知回路が故障した場合には、失火が生じても前記電磁弁を
閉駆動することができないという事態が生じる虞れがあり、また、温度検出回路
が故障した場合には、調理物の加熱温度が異常に高温となっても前記電磁弁を閉
駆動することができないという事態が生じる虞れがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明はかかる不都合を解消し、ガスコンロ等の燃焼装置において、燃焼部に
おける失火が生じた場合や、被加熱物の加熱温度が異常に高温となった場合に、
可能な限り確実に燃焼部への燃料供給路の電磁弁を閉駆動することができる燃焼
装置を提供することを目的とする。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成するために、本発明は、燃焼部に燃料を供給する燃料供給路
に設けられた開閉電磁弁と、前記燃焼部における燃焼・失火を検知する燃焼検知
回路と、前記燃焼部の燃焼による被加熱物の加熱温度を検出する温度検出回路と
、該燃焼検知回路及び温度検出回路を含み、該燃焼検知回路による燃焼・失火の
検知と該温度検出回路による検出温度の所定の基準温度に対する低高とに応じて
前記電磁弁の開閉駆動用信号を出力し、且つ、該燃焼検知回路による失火の検知
時または前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温となっ
た時に前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する駆動信号出力回路と、該駆動信号出 力回路の出力信号に応じて前記電磁弁を開閉駆動する電磁弁駆動回路とを備えた
燃焼装置において、第1と第2の前記駆動信号出力回路が設けられると共に、前
記第1の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知回路による失火検知状態
、又は前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温である状
態が所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する第1
のタイマ回路を含み、前記第2の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知
回路による失火検知状態、又は前記第1の駆動信号出力回路の温度検出回路のサ
ーミスタの断線の有無を検知する断線検知回路による断線検知状態が前記第1の
タイマ回路のタイマ時間より長い所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の
閉駆動用信号を出力する第2のタイマ回路を含み、前記各駆動信号出力回路は前
記開閉駆動用信号を高低レベルの2値信号により出力するよう構成され、前記電
磁弁は、ソレノイドへの通電により開駆動されると共に該通電の遮断により閉駆
動される電磁弁により構成され、前記電磁弁駆動回路は、前記各駆動信号出力回
路の高低レベルの開閉駆動用信号をそれぞれベース入力とする複数のスイッチン
グトランジスタを前記ソレノイドに直列に接続し、少なくとも一つの駆動信号出
力回路から前記電磁弁の閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベース
入力とするスイッチングトランジスタがOFFするよう構成されていることを特
徴とする。 【0012】 【0013】 【0014】 【作用】 本発明によれば、前記燃焼検知回路を含む複数の前記駆動信号出力回路のいず
れか一つから高低いずれかのレベルの前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されれば
、前記複数のスイッチングトランジスタのうちの、該閉駆動用信号をベース入力
とするスイッチングトランジスタがOFFして前記電磁弁のソレノイドへの通電
が遮断され、該電磁弁が閉弁される。これにより、仮に駆動信号出力回路の一つ
が故障しても、他の一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記燃焼部の失火
の検知時に前記電磁弁を閉駆動することができる。そして、さらに、仮に電磁弁 駆動回路のスイッチングトランジスタの一つが故障しても、その故障が該トラン
ジスタのエミッタ・コレクタ間が遮断する故障である場合には、前記ソレノイド
への通電を遮断して前記電磁弁を閉駆動することができる。また、その故障が該
トランジスタのエミッタ・コレクタ間が短絡する故障である場合には、一つのス
イッチングトランジスタとこれに対応する駆動信号出力回路とが正常である限り
前記燃焼部の失火の検知に応じて電磁弁を閉駆動することができる。 【0015】 【0016】 また、本発明によれば、前記温度検出回路を含む複数の前記駆動信号出力回路
のいずれか一つから高低いずれかのレベルの前記電磁弁の閉駆動用信号が出力さ
れれば、前記複数のスイッチングトランジスタのうちの、該閉駆動用信号をベー
ス入力とするスイッチングトランジスタがOFFして前記電磁弁のソレノイドへ
の通電が遮断され、該電磁弁が閉弁される。これにより、前記燃焼検知回路の場
合と同様に、仮に駆動信号出力回路の一つが故障しても、他の一つの駆動信号出
力回路が正常であれば、前記被加熱物の加熱温度が前記基準温度以上に高温とな
った時(過熱時)に、前記電磁弁を閉駆動することができる。それと共に、仮に
電磁弁駆動回路のスイッチングトランジスタの一つが故障しても、その故障が該
トランジスタのエミッタ・コレクタ間が遮断する故障である場合には、前記ソレ
ノイドへの通電を遮断して前記電磁弁を閉駆動することができる。また、その故
障が該トランジスタのエミッタ・コレクタ間が短絡する故障である場合には、一
つのスイッチングトランジスタとこれに対応する駆動信号出力回路とが正常であ
る限り前記燃焼部の失火の検知に応じて電磁弁を閉駆動することができる。 【0017】 さらに、本発明によれば、前記各駆動信号出力回路の各燃焼検知回路による失
火検知状態の継続時間がそれぞれの前記タイマ回路のタイマ時間より短い場合に
は、前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されない。これにより、前記燃焼部が一時
的に失火した時に前記電磁弁を閉弁してしまうことを防止することができる。ま
た、前記第1の駆動信号出力回路の温度検出回路による前記検出温度が前記基準
温度以上の高温である状態の継続時間が前記第1のタイマ回路のタイマ時間より 短い場合には、前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されない。これにより、燃焼部
の炎のゆらぎ等により加熱温度が一時的に前記基準温度より高くなった時に前記
電磁弁を閉駆動してしまうことを防止することができる。 【0018】 前記タイマ回路のタイマ時間は、前記燃焼検知回路用には、燃焼部への円滑な
着火を行う観点からは比較的長めに設定することが好ましく、また、前記温度検
出回路用には、過加熱防止の観点からは比較的短めに設定することが好ましい。
そこで、前記第1の駆動信号出力回路では、前記第1のタイマ回路のタイマ時間
を前記燃焼検知回路と前記温度検出回路の両者の条件を満たす所定時間に設定し
て、該タイマ回路を共用させている。一方、前記第2の駆動信号出力回路では、
前記断線検知回路用には、サーミスタの温度が低くて温度上昇が遅い時に断線と
誤検知するのを防止する観点から比較的長いタイマ時間が好ましいため、第2の
タイマ回路のタイマ時間を第1のタイマ回路のタイマ時間より長く設定して、前
記燃焼検知回路と、前記断線検知回路とで前記第2のタイマ回路を共用させてい
る。 【0019】 【0020】 【0021】 【実施例】 本発明の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施例の燃焼装置
の説明的システム構成図、図2は図1の燃焼装置の要部の回路構成図である。 【0022】 図1において、本実施例の燃焼装置は、例えばガスコンロであり、燃焼部であ
るバーナ1にガス(燃料)を供給するガス供給路2(燃料供給路)に開閉電磁弁
3と、ガス供給量を調整するためのガス量調整弁4とが設けられている。この場
合、電磁弁3はソレノイド5への通電により開駆動されると共にその通電の遮断
により閉駆動され、また、ガス量調整弁4は、例えばこれに連結された操作子6
の操作によりその開度が調整される。 【0023】 また、本実施例のガスコンロは、後述の各種電子回路により構成される制御ユ
ニット7を備え、この制御ユニット7には、前記電磁弁3のソレノイド5と、被
加熱物である調理物の加熱温度を検出すべくバーナ1の中心部に設けた温度検出
器8と、バーナ1の燃焼・失火を検知すべくバーナ1の近傍に設けた燃焼検知器
9と、バーナ1の近傍に設けた点火電極10に火花放電を生ぜしめるスパーカ1
1と、バーナ1の点火・消火操作を行うための点火・消火スイッチ12とが接続
されている。この場合、制御ユニット7は電池13(図2に示す)を電源とする
ものであり、該制御ユニット7には、さらに、電池13の消耗度(電池13の電
圧状態)を使用者に報知するためのLEDランプ14が接続されている。 【0024】 温度検出器8は、温度センサであるサーミスタ15(図2に示す)を内蔵する
ものであり、バーナ1上に調理物を収納した調理用鍋等が載架された時に該調理
用鍋等に接触し、この時、該調理用鍋等の加熱温度に応じた信号をサーミスタ1
5から制御ユニット7に出力する。 【0025】 また、燃焼検知器9は、燃焼検知用センサである熱電対16(図2に示す)を
内蔵するものであり、バーナ1の発熱量に応じた信号を熱電対16から制御ユニ
ット7に出力する。 【0026】 そして、制御ユニット7は点火・消火スイッチ12のON操作に連動して起動
されるようになっており、その起動により、前記ソレノイド5に通電して電磁弁
3を開駆動し、バーナ1へのガス供給を行わしめると共に、スパーカ11を介し
て点火電極10に火花放電を生ぜしめ、これによりバーナ1を着火するようにし
ている。 【0027】 また、詳細は後述するが、該制御ユニット7は、バーナ1の燃焼・失火を前記
熱電対16の出力信号により検知すると共に、バーナ1による調理物の加熱温度
や前記サーミスタ15の断線故障を該サーミスタ15の出力信号により検出し、
バーナ1の失火が熱電対16を介して検知された場合や、サーミスタ15を介し て検出された調理物の加熱温度が所定の基準温度以上に高温となった場合、ある
いは該サーミスタ15の断線が検出された場合に、前記電磁弁3をソレノイド5
を介して閉駆動するようにしている。 【0028】 さらに、制御ユニット7は、電池13の電圧を監視し、その電圧が所定の基準
電圧以下に低下した場合に、前記LEDランプ14を駆動し、あるいは前記電磁
弁3をソレノイド5を介して閉駆動するようにしている。 【0029】 次に、前記制御ユニット7の主要な回路構成を図2を参照して詳説する。 【0030】 図2において、前記制御ユニット7は、前記熱電対16によりバーナ1の発熱
量に応じた電圧信号を生成する熱電対回路17と、該熱電対回路17の出力信号
によりバーナ1の燃焼・失火を検知する第1及び第2燃焼検知回路18,19と
、前記サーミスタ15により調理物の加熱温度に応じた電圧信号を生成するサー
ミスタ回路20と、該サーミスタ回路20の出力信号により調理物の加熱温度を
検出する第1及び第2温度検出回路21,22と、サーミスタ回路20の出力信
号によりサーミスタ15の断線を検知する断線検知回路23と、第1燃焼検知回
路18及び第1温度検出回路21からの信号を受けて前記電磁弁3の開閉駆動用
信号を出力する第1タイマ回路24と、断線検知回路23からの信号を受けて前
記電磁弁3の開閉駆動用信号を出力する第2タイマ回路25と、2個のスイッチ
ングトランジスタ26,27を有する電磁弁駆動回路28とを備えている。 【0031】 ここで、本発明の構成に対応して、第1燃焼検知回路18、第1温度検出回路
21及び第1タイマ回路24を併せた回路と、第2燃焼検知回路19、第2温度
検出回路22、断線検知回路23及び第2タイマ回路25を併せた回路とはそれ
ぞれ駆動信号出力回路29a,29bを構成するものである。本実施例では、駆
動信号出力回路は29a,29bの2組設けられている。 【0032】 前記第1及び第2燃焼検知回路18,19は同一構成のものであり、これらの 検知回路18,19は、前記バーナ1の発熱量に応じた熱電対回路17の出力電
圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較するコンパレータ30を備えている。そ
して、これらの検知回路18,19は、コンパレータ30により熱電対回路17
の出力電圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較することにより、バーナ1が燃
焼状態であるか失火状態であるかを検知し、その燃焼・失火の検知に応じてコン
パレータ30から高低2値レベルの電圧信号を出力するようにしている。以下、
説明に際して、バーナ1の燃焼状態に対応するレベルの電圧信号を燃焼検知信号
、バーナ1の失火状態に対応するレベルの電圧信号を失火検知信号という。 【0033】 尚、第1燃焼検知回路18の出力は前記第1タイマ回路24に入力され、第2
燃焼検知回路19の出力は前記断線検知回路23に入力される。 【0034】 前記第1及び第2温度検出回路21,22は、その基本構成は同一のものであ
り、前記バーナ1による調理物の加熱温度に応じたサーミスタ回路20の出力電
圧を過加熱判定用の基準温度に相当する基準電圧と比較するコンパレータ31を
備えている。そして、これらの検出回路21,22は、コンパレータ31により
サーミスタ回路20の出力電圧を過加熱判定用の基準電圧と比較することにより
、調理物の加熱温度の基準温度に対する高低を検知し、該加熱温度の高低に応じ
てコンパレータ31から高低2値レベルの電圧信号を出力するようにしている。
以下、説明に際して、調理物の加熱温度が基準温度よりも高温である場合に対応
するレベルの電圧信号を過加熱検知信号、基準温度よりも低温である場合に対応
するレベルの電圧信号を正常加熱検知信号という。 【0035】 この場合、本実施例では、第1温度検出回路21の過加熱判定用の基準温度と
、第2温度検出回路22の過加熱判定用の基準温度とは異なる値に設定されてお
り、第1温度検出回路21においては、例えば260°Cを基準温度とし、第2
温度検出回路22においては、例えば290°Cを基準温度としている。 【0036】 尚、第1温度検出回路21の出力は第1タイマ回路24に入力され、第2温度 検出回路22の出力は前記電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベースに入
力される。また、第2温度検出回路22の出力である過加熱検知信号及び正常加
熱検知信号は、それぞれ低レベル及び高レベルの信号であり、これらの信号はそ
れぞれ後述するように前記電磁弁3の閉駆動信号及び開駆動信号として使用され
るものである。 【0037】 前記断線検知回路23は、サーミスタ15の端子間電圧に応じたサーミスタ回
路20の出力電圧を断線判定用の基準電圧と比較するコンパレータ32を備えて
おり、コンパレータ32によりサーミスタ回路20の出力電圧を断線判定用の基
準電圧と比較することにより、前記サーミスタ15が断線したか否かを検知し、
その断線・非断線の検知に応じてコンパレータ32から高低2値レベルの電圧信
号を出力するようにしている。この場合、コンパレータ32には、前記第2燃焼
検知回路19の出力も入力されるようになっており、該コンパレータ32は、サ
ーミスタ15の断線が検知された場合と、前記第2燃焼検知回路19により失火
が検知された場合とで同一レベルの電圧信号を出力し、これ以外の場合には、他
のレベルの電圧信号を出力するようにしている。以下、サーミスタ15の断線あ
るいはバーナ1の失火に対応するレベルの電圧信号を断線・失火検知信号という
。 【0038】 尚、かかる断線検知回路23の出力は前記第2タイマ回路25に入力される。 【0039】 前記第1タイマ回路24は、前記第1燃焼検知回路18から失火検知信号が出
力され、または、前記第1温度検出回路21から過加熱検知信号が出力された時
に所定の時定数でもって充放電するコンデンサ33を有する時定数回路34と、
該コンデンサ33の電圧を出力タイミング判定用の基準電圧と比較するコンパレ
ータ35とを備えている。時定数回路34の時定数は、第1燃焼検知回路18か
らの失火検知信号または、前記第1温度検出回路21からの過加熱検知信号が所
定時間(本実施例では7秒、以下タイマ時間という)継続して出力された時にコ
ンデンサ33の電圧が所定値となるように設定されている。 【0040】 そして、第1タイマ回路24の出力を生成するコンパレータ35は、第1燃焼
検知回路18からの失火検知信号または、前記第1温度検出回路21からの過加
熱検知信号が前記タイマ時間、継続して出力された時に、このことをコンデンサ
33の電圧により検知し、これに応じて前記電磁弁3の閉駆動信号を出力し、こ
の以外の時には、前記電磁弁3の開駆動信号を出力するようにしている。この場
合、コンパレータ35の出力は高低2値レベルの信号であり、電磁弁3の閉駆動
信号は高レベル、開駆動信号は低レベルとされている。 【0041】 前記第2タイマ回路25は、その基本構成は第1タイマ回路24と同一であり
、コンデンサ36を有する時定数回路37とコンパレータ38とを備えている。
そして、第2タイマ回路25は、第1タイマ回路24と同様に、前記断線検知回
路23から断線・失火検知信号が時定数回路37の時定数により定まる所定時間
(本実施例では例えば10秒、以下タイマ時間という)継続して出力された時に
、コンパレータ38から前記電磁弁3の閉駆動信号を出力し、この以外の時には
、前記電磁弁3の開駆動信号を出力するようにしている。この場合、コンパレー
タ38は、前記第1タイマ回路24のコンパレータ35と逆に、電磁弁3の閉駆
動信号が低レベル、開駆動信号が高レベルとなるような極性で設けられている。 【0042】 前記電磁弁駆動回路28は、電磁弁3のソレノイド5に前記スイッチングトラ
ンジスタ26,27を直列に接続したものであり、トランジスタ26,27の両
者が導通状態(ON状態)である時にソレノイド5に前記電池13から通電して
電磁弁3を開駆動し、また、トランジスタ26,27のいずれか一方が遮断状態
(OFF状態)となった時にソレノイド5への通電を遮断して電磁弁3を閉駆動
するようにしている。 【0043】 この場合、トランジスタ26は、PNP型のものであり、前記第1タイマ回路
24の出力をベース入力として該タイマ回路24に接続されている。これにより
、該トランジスタ26は、第1タイマ回路24から電磁弁3の開駆動信号である 低レベルの信号が出力された時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号である
高レベルの信号が出力された時に遮断状態となるようにしている。 【0044】 一方、トランジスタ27は、NPN型のものであり、前記第2タイマ回路25
及び前記第2温度検出回路22の出力をベース入力としてこれらの回路25,2
2に接続されている。これにより、該トランジスタ27は、第2タイマ回路25
または第2温度検出回路22から電磁弁3の開駆動信号である高レベルの信号が
出力された時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号である低レベルの信号が
出力された時に遮断状態となるようにしている。 【0045】 従って、トランジスタ26,27は、その導通・遮断が互いに逆レベルの信号
により行われるようになっている。 【0046】 また、本実施例においては、第2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の
出力点とトランジスタ27のベースの間には、これらの回路25,22の出力を
トランジスタ27のベースに若干の時間遅れをもって印加せしめるための遅延回
路39が介装されている。この遅延回路39は、抵抗40及びコンデンサ41に
より構成したものであり、第2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の出力
により抵抗40を介してコンデンサ41を充放電せしめ、該コンデンサ41の電
圧をトランジスタ27のベースに印加するようにしている。これにより、第2タ
イマ回路25及び第2温度検出回路22の出力は、抵抗40の抵抗値とコンデン
サ41の容量により定まる時定数分の遅れをもってトランジスタ27のベースに
印加される。従って、例えばトランジスタ27の導通状態(ベース入力が高レベ
ルの状態)において、第2温度検出回路22の出力がノイズ等により一瞬、高レ
ベルから低レベルになったような場合には、その瞬間的な低レベルの信号がトラ
ンジスタ27のベースに印加されるようなことはなく、該トランジスタ27の導
通状態が維持される。 【0047】 尚、本実施例では、遅延回路39による第2タイマ回路25及び第2温度検出 回路22の出力の遅延時間は数m秒程度に設定され、第2タイマ回路25の前記
タイマ時間(10秒)よりも充分短いものとされている。 【0048】 ところで、本実施例においては、制御ユニット7の前述したような各種回路は
、前記電池13を電源として動作するものである一方、その正常動作が可能な電
源電圧が定まっており、該電源電圧が動作可能な限界電圧以下に低下すると、正
常な動作が期待できない。従って、電池13が消耗してその出力電圧がある程度
低下すると、前記燃焼検知回路18、19や電磁弁駆動回路28等が正常に動作
せずに、電磁弁3を正常に駆動することができなくなる虞れが生じる。 【0049】 そこで、本実施例においては、制御ユニット7はガスコンロの作動時に電池1
3の電圧を逐次監視し、該電圧がある程度低下した場合には、その旨を前記LE
Dランプ14により使用者に知らしめ、あるいは、電磁弁3を閉駆動するように
している。 【0050】 このような電池13の電圧の監視・制御に係わる構成を次に説明する。 【0051】 図2を参照して、電池13には、前記点火・消火スイッチ12(図1参照)に
連動してON/OFFするマイクロスイッチ42が接続され、このマイクロスッ
チ42の後段のP点に生じる電池電圧VDが前記燃焼検知回路18,19のコン
ンパレータ30や電磁弁駆動回路28等にこれらの電源電圧として供給されるよ
うになっている。尚、図には示さないが、電池電圧VDは前記スパーカ11にも
供給される。 【0052】 また、マイクロスイッチ42の後段には、電池電圧VDを入力として定電圧を
発生するレギュレータ43が接続され、このレギュレータ43の出力電圧VR(
以下、レギュレータ電圧VRという)が、前記燃焼検知回路18,19のコンパ
レータ30等における基準電圧生成用の電圧として供給されるようになっている
。 【0053】 一方、本実施例の制御ユニット7は、前記電池電圧VDをそれぞれ所定の判定
電圧と比較するコンパレータ44,45と、コンパレータ44の出力に応じて前
記LEDランプ14を点滅駆動する点滅駆動回路46と、コンパレータ45の出
力に応じてLEDランプ14を点灯駆動する点灯駆動回路47と、前記P点に抵
抗48を介して接続されたコンデンサ49の電圧により電池電圧VDを監視し、
該電池電圧VDが所定値以下となった時に前記電磁弁駆動回路28のトランジス
タ27のベースに接続された前記遅延回路39の入力側に電磁弁3の閉駆動信号
(低レベル信号)を出力する電池電圧監視回路50とを備えている。 【0054】 前記各コンパレータ44,45には、電池電圧VDが前記P点に接続された分
割抵抗51,52を介して入力されると共に、前記レギュレータ43の出力側に
接続された3個の分割抵抗53,54,55を介して互いに異なるレベルの判定
電圧が入力される。本実施例では、電池13の新品状態での電池電圧VDの定格
値を例えば3Vとし、コンパレータ44における判定電圧は例えば2.65Vに
設定され、コンパレータ45における判定電圧は例えば1.9Vに設定される。
尚、前記燃焼検知回路18,19や電磁弁駆動回路28等は、コンパレータ45
の判定電圧である1.9V程度に電池電圧VDが低下するまでは、正常に動作し
得るものとされている。 【0055】 そして、各コンパレータ44,45は、そのそれぞれの判定電圧と電池電圧V
Dとを比較し、該電池電圧VDの判定電圧に対する大小に応じた高低2値レベルの
信号をそれぞれ前記点滅駆動回路46及び点灯駆動回路47に出力するようにし
ている。この場合、点滅駆動回路46は、電池電圧VDがコンパレータ44の判
定電圧(2.65V)以下に低下したことを示す信号が該コンパレータ44から
出力された時に前記LEDランプ14を点滅駆動するようにしている。また、点
灯駆動回路47は、電池電圧VDがコンパレータ45の判定電圧(1.9V)以
下に低下したことを示す信号が該コンパレータ45から出力された時に前記LE
Dランプ14を点灯駆動するようにしている。 【0056】 尚、本実施例では、コンパレータ45には、電池電圧VDがコンパレータ45
の判定電圧(1.9V)以下に低下したことを示す信号が該コンパレータ45か
ら出力された時にその出力を保持するラッチ回路56が接続されている。また、
コンパレータ45の出力は、前記第1タイマ回路24に入力されるようになって
おり、前記第1タイマ回路24は、コンパレータ45から電池電圧VDがコンパ
レータ45の判定電圧(1.9V)以下に低下したことを示す信号が出力された
時にも電磁弁駆動回路28のトランジスタ26に電磁弁3の閉駆動信号を出力す
るようにしている。 【0057】 尚、コンパレータ44,45や点滅駆動回路46、点灯駆動回路47は、前記
燃焼検知回路18,19のコンバータ30等と同様に電池電圧VDを電源電圧と
するものであり、コンパレータ45の判定電圧である1.9V程度に電池電圧V
Dが低下するまでは、正常に動作し得るものとされている。 【0058】 前記電池電圧監視回路50は、電池電圧VDを電源電圧とするものであり、こ
の場合には、該回路50は、コンパレータ45の判定電圧である1.9Vよりさ
らに低い電圧(本実施例では1V程度)に電池電圧VDが低下するまでは正常に
動作し得るものとされている。そして、該電池電圧監視回路50は、例えば電池
電圧VDが1.7V以下に低下した時に、電磁弁3の閉駆動信号を電磁弁駆動回
路28のトランジスタ27のベース側に出力するようにしている。 【0059】 また、本実施例においては、上記電池電圧監視回路50の判定電圧である1.
7Vよりさらに低い電圧(本実施例では1.5V程度)に電池電圧VDが低下し
た時に、トランジスタ27を遮断せしめるためのトランジスタ遮断回路57が該
トランジスタ27のベースへの入力部に設けられている。このトランジスタ遮断
回路57は、トランジスタ27のベースに前記遅延回路39を介して接続された
一対の分割抵抗58,59により電池電圧VDを分割してなる電圧をトランジス
タ27のベースに遅延回路39を介して印加するようにしたものであり、電池電 圧VDが1.5V程度に低下した時に、該トランジスタ27が遮断状態となるよ
うな電圧が該トランジスタ27のベースに印加されるように分割抵抗58,59
の抵抗値が設定されている。 【0060】 次に、本実施例のガスコンロの作動を説明する。 【0061】 本実施例のガスコンロにおいて、前記点火・消火スイッチ12を投入すると、
これに連動して前記マイクロスイッチ42が投入され、これにより、制御ユニッ
ト7の各回路に電池13から電池電圧VDが供給されて各回路が起動される。 【0062】 この時、前記タイマ回路24,25からは、まず、電磁弁3の開駆動信号が出
力され、これにより、電磁弁駆動回路28の各トランジスタ26,27が導通状
態とされて電磁弁3のソレノイド3に電池13から通電され、該電磁弁3が開駆
動される。そして、該電磁弁3の開駆動によりバーナ1へのガス供給が開始され
る。また、これと並行して、前記スパーカ11が電池電圧VDにより駆動され、
これにより、前記点火電極10に点火火花が生じる。 【0063】 この時、各燃焼検知回路18,19は、バーナ1が着火するまでは、熱電対1
6の起電力が小さいために、失火検知信号を出力し、第1燃焼検知回路18の失
火検知信号は第1タイマ回路24に入力され、第2燃焼検知回路19の失火検知
信号は断線検知回路23を介して第2タイマ回路25に入力される。 【0064】 そして、第1タイマ回路24は、第1燃焼検知回路18の失火検知信号が該タ
イマ回路24のタイマ時間(7秒)、継続して出力されている場合、すなわち、
該タイマ時間内に熱電対16の起電力が所定値以上にならなかった場合には、電
磁弁3の閉駆動信号(高レベルの信号)を電磁弁駆動回路28のトランジスタ2
6のベースに出力し、該トランジスタ26を遮断状態とする。これにより、電磁
弁3のソレノイド5への通電が遮断されて該電磁弁3が閉駆動され、バーナ1へ
のガス供給が遮断される。 【0065】 これと同様に、第2タイマ回路25は、該タイマ回路25のタイマ時間(10
秒)内に熱電対16の起電力が所定値以上にならなかった場合には、電磁弁3の
閉駆動信号(低レベルの信号)を電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベー
スに出力して該トランジスタ27を遮断状態とし、電磁弁3を閉駆動させる。尚
この時、タイマ回路25の出力は遅延回路39を介してトランジスタ27のベー
スに印加されるので、若干の時間遅れは生じるものの、その遅延時間はタイマ回
路25のタイマ時間(10秒)よりも充分に短い数m秒程度であるので、ほぼ該
タイマ時間の経過時にトランジスタ27のベースに閉駆動信号が印加される。 【0066】 この場合、第1タイマ回路24のタイマ時間(7秒)は、第2タイマ回路25
のタイマ時間(10秒)よりも短いので、通常は、第1タイマ回路24のタイマ
時間に従って電磁弁3が閉駆動される。そして、例えば第1タイマ回路24やこ
れに対応する第1燃焼検知回路18がなんらかの原因により故障し、第1タイマ
回路24の出力が電磁弁3の開駆動信号のレベルに維持された場合には、第2タ
イマ回路25や第2燃焼検知回路19等が正常であれば、第2タイマ回路25の
タイマ時間に従って電磁弁3が閉駆動される。従って、第1タイマ回路24や第
1燃焼検知回路18を含む前記駆動信号出力回路29aと第2タイマ回路25や
第2燃焼検知回路19を含む前記駆動信号出力回路29bのいずれか一方が正常
であれば、バーナ1が着火しない場合に、電磁弁3が閉駆動されてバーナ1への
ガス供給が遮断されることとなる。 【0067】 また、本実施例においては、トランジスタ26,27を遮断状態とする信号レ
ベルが互いに異なるため、例えば第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25の
両者が故障した場合であっても、電磁弁3を閉駆動することができる。すなわち
、一般に、第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25の両者が故障した場合、
これらのタイマ回路24,25のコンパレータ35,38の出力点が接地側ある
いは電源側に短絡し、両タイマ回路24,25の出力レベルが同一レベルとなる
ことが多い。このような場合において、本実施例では、トランジスタ26,27 を遮断状態とする信号レベルが互いに異なるため、いずれか一方のトランジスタ
26,27は遮断状熊となり、これにより、電磁弁3が閉駆動される。例えば、
両タイマ回路24,25の出力レベルが高レベルとなった場合には、トランジス
タ26が遮断状態となって電磁弁3が閉駆動される。 【0068】 尚、かかる着火時の作動において、第1タイマ回路24のタイマ時間あるいは
第2タイマ回路25のタイマ時間内に、バーナ1が着火し、熱電対16の起電力
が所定値以上になった場合には、これが第1燃焼検知回路18あるいは第2燃焼
検知回路19により検知されて、これらの回路18,19から燃焼検知信号が出
力される。そして、この場合には、第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25
は、継続して電磁弁3の開駆動信号を出力する。 【0069】 以上説明した作動は、バーナ1の燃焼開始後、なんらかの原因で該バーナ1が
失火した場合にも同様に行われる。 【0070】 一方、バーナ1の燃焼による調理物の加熱時において、その加熱温度は、前記
第1及び第2温度検出回路21,22によりサーミスタ回路20を介して検出さ
れる。そして、第1温度検出回路21は、検出された加熱温度が該回路21の過
加熱判定用の基準温度である260°C以上となった場合に、過加熱検知信号を
第1タイマ回路24に出力する。この時、第1タイマ回路24は、前記タイマ時
間(7秒)、継続して第1温度検出回路21から過加熱検知信号が出力された場
合に、電磁弁3の閉駆動信号をトランジスタ26に出力する。これにより、トラ
ンジスタ26が遮断されて電磁弁3が閉駆動されると共に、バーナ1の燃焼が停
止され、過加熱が防止される。尚、この時、加熱温度がバーナ1の燃焼炎のゆら
ぎ等により一時的に上記基準温度を越えて、第1温度検出回路21から過加熱検
知信号が短時間(<7秒)出力されることがあるが、このような場合には、該過
加熱検知信号の継続した出力時間が第1タイマ回路24のタイマ時間よりも短い
ので、該タイマ回路24は閉駆動信号を出力しない。 【0071】 また、第2温度検出回路22は、検出された加熱温度が前記第1温度検出回路
21の過加熱判定用の基準温度よりも高い290°C以上となった場合に、低レ
ベルの過加熱検知信号を第2タイマ回路25を介さずに、トランジスタ27のベ
ース側に出力する。そして、この低レベルの過加熱検知信号は、前記遅延回路3
9を介してトランジスタ27のベースに印加される。この場合、該過加熱検知信
号は、前記遅延回路39を介してトランジスタ27のベースに印加されるので、
該過加熱検知信号の出力時点から若干の遅れをもってトランジスタ27のベース
に印加されるものの、その遅れは数m秒程度である。従って、加熱温度が290
゜Cを越えた場合には、基本的には即座にトランジスタ27のベースに低レベル
の信号が印加され、これにより該トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁
3が閉駆動される。尚、この時、ノイズ等により第2温度検出回路22から単発
的に過加熱検知信号が出力されることがあるが、このような単発的な過加熱検知
信号は遅延回路39により除去されてトランジスタ27のベースに印加されるこ
とはなく、従って、電磁弁3が閉駆動されることはない。以上のような温度検出
回路21,22等の作動により、例えば第1温度検出回路21や第1タイマ回路
24が故障したような場合であっても、加熱温度が異常に高温となった場合には
、第2温度検出回路22が正常であれば、該温度検出回路22により電磁弁3を
閉駆動することができ、第1温度検出回路21を含む駆動信号出力回路29aと
第2温度検出回路22を含む駆動信号出力回路29bとのいずれか一方が正常で
あれば、電磁弁3を閉駆動することができる。また、例えば加熱温度が260°
C以上となった後、前記第1タイマ回路24のタイマ時間(7秒)内に該加熱温
度が急激に上昇した場合には、第2温度検出回路22により電磁弁3を閉駆動す
ることができ、急激な過加熱を防止することができる。 【0072】 また、以上説明したようなガスコンロの作動時において、前記サーミスタ15
が断線した場合には、その断線が断線検知回路23により検知され、この時、該
断線検知回路23は、断線検知信号を第2タイマ回路25に出力する。そして、
該第2タイマ回路25は、そのタイマ時間(10秒)、継続して断線検知信号が
出力された時に、電磁弁3の閉駆動信号をトランジスタ27のベースに出力する 。これにより、トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される
。この場合、バーナ1の着火時に気温が低い場合や、冷凍物の加熱調理等の際に
は、サーミスタ15の温度上昇が遅く、該サーミスタ15の抵抗値が数MΩの大
きなものとなって、断線の場合と同様に断線検知回路23から断線検知信号が出
力される場合がある。しかるに、本実施例では、断線検知信号が第2タイマ回路
25のタイマ時間(10秒)、継続した場合に、電磁弁3を閉駆動するようにし
ているので、上記のようにサーミスタ15の温度が低い場合に断線でないにもか
かわらず電磁弁3が閉駆動されるような事態が回避される。 【0073】 次に、電池電圧VDの監視に係わる作動について説明する。 【0074】 前述したようなガスコンロの作動時において、電池13が消耗し、その電池電
圧VDが前記コンパレータ44の判定電圧である2.65V以下に低下した場合
には、これが前記コンパレータ44により検知され、該コンパレータ44はその
ことを示す信号を点滅駆動回路46に出力する。この時、該点滅駆動回路46は
、LEDランプ14を点滅駆動し、これにより、使用者に電池13の寿命が近い
ことを認識させる。尚、本実施例では、電池13を電源とするスパーカ11によ
りバーナ1の着火を行うようにしているので、該着火のための点火操作時に電池
電圧VDが、スパーカ11への電力供給によりコンパレータ44の判定電圧以下
で、前述の各種回路の動作が不安定となる虞れがあるような電圧に低下し、点火
操作後に再び電池電圧VDが該判定電圧以上に上昇する場合がある。そして、こ
のような場合には、スパーカ11の作動時だけLEDランプ14が点滅する一方
、点火操作後にはLEDランプ14が再び消灯し、使用者がLEDランプ14の
点滅を見落とすことが多い。そこで本実施例においては、前記コンパレータ44
の判定電圧を比較的高め(2.65V)に設定し、早めにLEDランプ14を点
滅させるようにしている。 【0075】 また、電池電圧VDが前記コンパレータ45の判定電圧である1.9V以下に
低下した場合には、これが前記コンパレータ45により検知され、該コンパレー タ45はそのことを示す信号を点灯駆動回路47に出力する。この時、該点灯駆
動回路47は、LEDランプ14を点灯駆動し、これにより、使用者に電池13
の交換の必要性があることを認識させる。 【0076】 この場合、本実施例では、コンパレータ45は、電池電圧VDが一旦1.9V
以下に低下すると、前記ラッチ回路56によりその出力が保持されるようになっ
ており、このため、点火操作時にスパーカ11への電力供給により、電池電圧V
Dが、コンパレータ45の判定電圧(1.9V)以下で、前述の各種回路の動作
が不安定となる虞れがあるような電圧に低下し、点火操作後に再び電池電圧VD
が該判定電圧以上に上昇する場合にも、電池電圧VDが1.9V以下に低下した
ことを示す信号がコンパレータ45から出力され続け、従って、LEDランプ1
4は継続的に点灯する。これにより、電池電圧VDが短時間でも、前述の各種回
路の動作が不安定となるような電圧に低下した場合には、使用者に電池13の交
換が必要である旨を確実に認識させることができる。尚、ラッチ回路56をコン
パレータ44側にも設け、コンパレータ44の出力を保持するようにしても良い
。 【0077】 また、この時、電池電圧VDが1.9V以下に低下したことを示すコンパレー
タ45の出力は第1タイマ回路24にも入力され、該第1タイマ回路24から電
磁弁3の閉駆動信号が出力される。これにより、トランジスタ26が遮断状態と
なって、電磁弁3が閉駆動される。 【0078】 ところで、前述したようなスパーカ11の作動により、電池電圧VDが、一時
的にせよ前記コンパレータ44,45等の動作が不安定となるレベル(例えば1
.8V程度)まで低下すると、コンパレータ45や第1タイマ回路24が上記の
ように作動せず、電磁弁3が該コンパレータ45や第1タイマ回路24によって
は閉駆動されないという事態が生じる可能性もある。 【0079】 しかるに、本実施例においては、1V程度の電池電圧VDまで正常に動作し得 る前記電池電圧監視回路50が備えられており、この電池電圧監視回路50は、
電池電圧VDが1.7V以下に低下すると、閉駆動信号(低レベルの信号)をト
ランジスタ27のベースに出力する。これにより、該トランジスタ27は遮断状
態となって電磁弁3が閉駆動される。 【0080】 さらに、本実施例では、電池電圧監視回路50が万が一故障したような場合で
も、電池電圧VDが1.5V程度まで低下した場合には、前記トランジスタ遮断
回路57により電磁弁3を閉駆動することができる。すなわち、電池電圧VDが
1.5V程度まで低下した場合には、トランジスタ遮断回路57の分割抵抗58
,59の中点からトランジスタ27のベースに低レベルの電圧が印加され、これ
により該トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される。 【0081】 このように本実施例のガスコンロにおいては、電池電圧VDの低下を的確に使
用者に認識させることができると共に、該電池電圧VDの低下に応じて確実に電
磁弁3を閉駆動することができる。 【0082】 以上説明した実施例においては、第1タイマ回路24を、第1燃焼検知回路1
8と第1温度検出回路21とで共用するようにしたが、第1燃焼検知回路18と
第1温度検出回路21とで各別のタイマ回路を備えるようにしてもよい。但し、
本実施例のように第1タイマ回路24を、第1燃焼検知回路18と第1温度検出
回路21とで共用することにより、回路構成を簡略なものとすることができる。
この場合、第1タイマ回路24のタイマ時間は、バーナ1への円滑な着火を行う
という観点からは、比較的長めに設定しておくことが好ましく、また、過加熱防
止の観点からは、比較的短めに設定しておくことが好ましく、本実施例では、該
タイマ時間を7秒とすることにより、両者の条件を満たすものとなっている。 【0083】 また、本実施例では、燃焼検知回路や温度検出回路を含む駆動信号出力回路2
9a,29bを2組備えるようにしたが、さらに、多数の駆動信号出力回路を備
えるようにしてもよいことはもちろんである。 【0084】 また、本実施例においては、スパーカ11を有するガスコンロについて説明し
たが、点火用圧電素子等を用いたガスコンロや電源として商用電源等を使用した
ガスコンロについても本発明を適用することができることはもちろんであり、ま
た、さらには、暖房器等の燃焼装置についても本発明を適用することができるこ
とももちろんである。 【0085】 また、本実施例においては、電磁弁3を電気的に駆動するようにしたが、例え
ば点火・消火スイッチに連動して機械的に電磁弁3を開弁すると共に、その開状
態をソレノイド5への通電により電気的に維持するようにしてもよい。 【0086】 さらに、本実施例では、電池電圧VDの監視に関し、LEDランプ14の点滅
駆動のための判定電圧や点灯駆動のための判定電圧をスパーカ11による電池電
圧VDの低下を考慮して設定したが、例えば点火用圧電素子等を用いたガスコン
ロや、スパーカ用として別電源を備えるガスコンロにおいては、LEDランプ1
4の点滅駆動のための判定電圧を本実施例の場合よりも低く設定する等、本実施
例と異なる判定電圧を設定するようにしてもよい。 【0087】 また、本実施例では、前記トランジスタ遮断回路57に電池電圧VDを給電す
るようにしたが、例えば図2に仮想線で示すようにトランジスタ遮断回路57の
抵抗58を前記トランジスタ26のコレクタに接続し、該トランジスタ26を介
してトランジスタ遮断回路57に電池電源VDを給電するようにしてもよく、こ
のようにすることにより次のような利点が生じる。 【0088】 すなわち、前述の実施例においては、トランジスタ遮断回路57に電池電圧V
Dを直接的に給電するようにしたため、例えば第2タイマ回路25が故障してそ
のコンパレータ38の出力段が開放状態に維持されるような状態でバーナ1の失
火が発生すると、トランジスタ26が第1タイマ回路24により遮断状熊とされ
ても、前記電池13からトランジスタ遮断回路57の抵抗58を介してトランジ スタ27にベース電流が流れ、このベース電流は、トランジスタ27のエミッタ
を介して電磁弁3のソレノイド5に流れる。この場合、トランジスタ27のベー
ス電流は小さなものであるものの、特に、前記電磁弁3が低電流動作型のもので
ある場合には、該ベース電流のソレノイド5への通電により電磁弁3が開状態に
維持される虞れがある。 【0089】 これに対して、図2に仮想線で示すようにトランジスタ遮断回路57の抵抗5
8を前記トランジスタ26のコレクタに接続した場合には、上記のようにトラン
ジスタ26が遮断状熊となると、トランジスタ遮断回路57への給電が遮断され
るため、トランジスタ27のベース電流が流れなくなり、これによりソレノイド
5への通電が完全に遮断されて電磁弁3が確実に閉弁される。 【0090】 尚、この場合、トランジスタ遮断回路57は、トランジスタ26の導通状態に
おいて、電池電圧VDが1.5V程度まで低下したときには、前述の実施例と同
様にトランジスタ27のベースに低レベルの電圧を印加し、これにより該トラン
ジスタ27を遮断させる。 【0091】 【発明の効果】 上記の説明から明らかなように、本発明によれば、燃焼検知回路を含む駆動信
号出力回路を複数設けると共に、各駆動信号出力回路の高低レベルの開閉用駆動
信号をそれぞれベース入力とする複数のスイッチングトランジスタを電磁弁のソ
レノイドに直列に接続して電磁弁駆動回路を構成し、少なくとも一つの駆動信号
出力回路から前記電磁弁の閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベー
ス入力とするスイッチングトランジスタがOFFして、電磁弁のソレノイドへの
通電を遮断し、該電磁弁を閉駆動するようにした。これによって、燃焼部におい
て失火が生じた場合、仮に燃焼検知回路又はその駆動信号出力回路の一つが故障
しても、別の燃焼検知回路を含む一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記
電磁弁を閉駆動することができ、失火の発生に際して可能な限り確実に電磁弁を
閉駆動して燃焼部への燃料供給を遮断することができると同時に、電磁弁を開閉 駆動する電磁弁駆動回路を構成するスイッチングトランジスタが遮断するような
故障が生じた場合にも電磁弁を閉駆動することができる。 【0092】 【0093】 また、本発明によれば、温度検出回路を含む駆動信号出力回路を複数設けると
共に、各駆動信号出力回路の高低レベルの開閉用駆動信号をそれぞれベース入力
とする複数のスイッチングトランジスタを電磁弁のソレノイドに直列に接続して
電磁弁駆動回路を構成し、少なくとも一つの駆動信号出力回路から前記電磁弁の
閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベース入力とするスイッチング
トランジスタがOFFして、電磁弁のソレノイドへの通電を遮断し、該電磁弁を
閉駆動するようにした。これによって、駆動信号出力回路の一つが故障しても、
一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記電磁弁を閉駆動することができ、
被加熱物の加熱温度が以上に高温となった場合に可能な限り確実に電磁弁を閉駆
動して燃焼部への燃料供給を遮断することができると同時に、電磁弁を開閉駆動
する電磁弁駆動回路を構成するスイッチングトランジスタが遮断するような故障
が生じた場合にも電磁弁を閉駆動することができる。 【0094】 さらに、本発明によれば、燃焼検知回路により失火が検知されたり、また、温
度検出回路による検出温度が所定基準温度に対して高温となったりしても、それ
らの状熊が所定のタイマ時間継続しなければ、電磁弁の閉駆動用信号が出力され
ない。従って、前記燃焼部が一時的に失火した時や、燃焼部の炎のゆらぎ等によ
り加熱温度が一時的に異常に高温になった時にまで、前記電磁弁の閉駆動用信号
が出力されて燃焼部への燃料供給が遮断されてしまうことを防止することができ
る。 【0095】 本発明によれば、前記第1の駆動信号出力回路では、前記燃焼検知回路と、過
加熱防止の観点から比較的短めのタイマ時間が好ましい前記温度検出回路とで前
記第1のタイマ回路を共用させ、前記第2の駆動信号出力回路では、前記燃焼検
知回路と、サーミスタの温度が低くて温度上昇が遅い時に断線と誤検知するのを 防止する観点から比較的長めのタイマ時間が好ましい断線検知回路とで前記第2
のタイマ回路を共用させた。これにより、タイマ回路の個数を省略して回路構成
を簡略化することができる。
センサを介して検知し、その検知に応じて、バーナへのガス供給路に設けた電磁
弁を電磁弁駆動回路を介して開閉駆動するようにしたものが知られており、この
種のものは、失火が検知された場合には、電磁弁を閉駆動し、これによりバーナ
へのガス供給を遮断するようにしている。 【0003】 また、この種のガスコンロにおいては、被加熱物である調理物の加熱温度を該
調理物の容器等に接触し得るように設けた温度センサを介して検出し、その検出
温度の所定の基準温度に対する低高に応じて、前記電磁弁を電磁弁駆動回路を介
して開閉駆動するようにしたものが知られており、この種のものは、調理物の加
熱温度があらかじめ定めた基準温度を越えて高温となった場合に電磁弁を閉駆動
し、これによりバーナの燃焼を停止させて過加熱を防止するようにしている。 【0004】 ところで、この種のガスコンロにおいては、従来、熱電対や温度センサに接続
されたコンパレータ等により構成される燃焼検知回路や温度検出回路が設けられ
、これらの回路によりバーナの燃焼・失火や、調理物の加熱温度の高低を検出し
、これに応じて前記電磁弁駆動回路に前記電磁弁の開駆動用信号あるいは閉駆動
用信号を出力して該電磁弁駆動回路を作動させるようにするのが一般的である。 そして、この場合、燃焼検知回路や温度検出回路はそれぞれ一個づつ備えられて
いる。 【0005】 しかしながら、従来は、上記のように単一の燃焼検知回路や温度検出回路によ
り、バーナの燃焼・失火や、調理物の加熱温度の高低を検出するようにしていた
ために、例えば燃焼検知回路が故障した場合には、失火が生じても前記電磁弁を
閉駆動することができないという事態が生じる虞れがあり、また、温度検出回路
が故障した場合には、調理物の加熱温度が異常に高温となっても前記電磁弁を閉
駆動することができないという事態が生じる虞れがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明はかかる不都合を解消し、ガスコンロ等の燃焼装置において、燃焼部に
おける失火が生じた場合や、被加熱物の加熱温度が異常に高温となった場合に、
可能な限り確実に燃焼部への燃料供給路の電磁弁を閉駆動することができる燃焼
装置を提供することを目的とする。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成するために、本発明は、燃焼部に燃料を供給する燃料供給路
に設けられた開閉電磁弁と、前記燃焼部における燃焼・失火を検知する燃焼検知
回路と、前記燃焼部の燃焼による被加熱物の加熱温度を検出する温度検出回路と
、該燃焼検知回路及び温度検出回路を含み、該燃焼検知回路による燃焼・失火の
検知と該温度検出回路による検出温度の所定の基準温度に対する低高とに応じて
前記電磁弁の開閉駆動用信号を出力し、且つ、該燃焼検知回路による失火の検知
時または前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温となっ
た時に前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する駆動信号出力回路と、該駆動信号出 力回路の出力信号に応じて前記電磁弁を開閉駆動する電磁弁駆動回路とを備えた
燃焼装置において、第1と第2の前記駆動信号出力回路が設けられると共に、前
記第1の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知回路による失火検知状態
、又は前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温である状
態が所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する第1
のタイマ回路を含み、前記第2の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知
回路による失火検知状態、又は前記第1の駆動信号出力回路の温度検出回路のサ
ーミスタの断線の有無を検知する断線検知回路による断線検知状態が前記第1の
タイマ回路のタイマ時間より長い所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の
閉駆動用信号を出力する第2のタイマ回路を含み、前記各駆動信号出力回路は前
記開閉駆動用信号を高低レベルの2値信号により出力するよう構成され、前記電
磁弁は、ソレノイドへの通電により開駆動されると共に該通電の遮断により閉駆
動される電磁弁により構成され、前記電磁弁駆動回路は、前記各駆動信号出力回
路の高低レベルの開閉駆動用信号をそれぞれベース入力とする複数のスイッチン
グトランジスタを前記ソレノイドに直列に接続し、少なくとも一つの駆動信号出
力回路から前記電磁弁の閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベース
入力とするスイッチングトランジスタがOFFするよう構成されていることを特
徴とする。 【0012】 【0013】 【0014】 【作用】 本発明によれば、前記燃焼検知回路を含む複数の前記駆動信号出力回路のいず
れか一つから高低いずれかのレベルの前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されれば
、前記複数のスイッチングトランジスタのうちの、該閉駆動用信号をベース入力
とするスイッチングトランジスタがOFFして前記電磁弁のソレノイドへの通電
が遮断され、該電磁弁が閉弁される。これにより、仮に駆動信号出力回路の一つ
が故障しても、他の一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記燃焼部の失火
の検知時に前記電磁弁を閉駆動することができる。そして、さらに、仮に電磁弁 駆動回路のスイッチングトランジスタの一つが故障しても、その故障が該トラン
ジスタのエミッタ・コレクタ間が遮断する故障である場合には、前記ソレノイド
への通電を遮断して前記電磁弁を閉駆動することができる。また、その故障が該
トランジスタのエミッタ・コレクタ間が短絡する故障である場合には、一つのス
イッチングトランジスタとこれに対応する駆動信号出力回路とが正常である限り
前記燃焼部の失火の検知に応じて電磁弁を閉駆動することができる。 【0015】 【0016】 また、本発明によれば、前記温度検出回路を含む複数の前記駆動信号出力回路
のいずれか一つから高低いずれかのレベルの前記電磁弁の閉駆動用信号が出力さ
れれば、前記複数のスイッチングトランジスタのうちの、該閉駆動用信号をベー
ス入力とするスイッチングトランジスタがOFFして前記電磁弁のソレノイドへ
の通電が遮断され、該電磁弁が閉弁される。これにより、前記燃焼検知回路の場
合と同様に、仮に駆動信号出力回路の一つが故障しても、他の一つの駆動信号出
力回路が正常であれば、前記被加熱物の加熱温度が前記基準温度以上に高温とな
った時(過熱時)に、前記電磁弁を閉駆動することができる。それと共に、仮に
電磁弁駆動回路のスイッチングトランジスタの一つが故障しても、その故障が該
トランジスタのエミッタ・コレクタ間が遮断する故障である場合には、前記ソレ
ノイドへの通電を遮断して前記電磁弁を閉駆動することができる。また、その故
障が該トランジスタのエミッタ・コレクタ間が短絡する故障である場合には、一
つのスイッチングトランジスタとこれに対応する駆動信号出力回路とが正常であ
る限り前記燃焼部の失火の検知に応じて電磁弁を閉駆動することができる。 【0017】 さらに、本発明によれば、前記各駆動信号出力回路の各燃焼検知回路による失
火検知状態の継続時間がそれぞれの前記タイマ回路のタイマ時間より短い場合に
は、前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されない。これにより、前記燃焼部が一時
的に失火した時に前記電磁弁を閉弁してしまうことを防止することができる。ま
た、前記第1の駆動信号出力回路の温度検出回路による前記検出温度が前記基準
温度以上の高温である状態の継続時間が前記第1のタイマ回路のタイマ時間より 短い場合には、前記電磁弁の閉駆動用信号が出力されない。これにより、燃焼部
の炎のゆらぎ等により加熱温度が一時的に前記基準温度より高くなった時に前記
電磁弁を閉駆動してしまうことを防止することができる。 【0018】 前記タイマ回路のタイマ時間は、前記燃焼検知回路用には、燃焼部への円滑な
着火を行う観点からは比較的長めに設定することが好ましく、また、前記温度検
出回路用には、過加熱防止の観点からは比較的短めに設定することが好ましい。
そこで、前記第1の駆動信号出力回路では、前記第1のタイマ回路のタイマ時間
を前記燃焼検知回路と前記温度検出回路の両者の条件を満たす所定時間に設定し
て、該タイマ回路を共用させている。一方、前記第2の駆動信号出力回路では、
前記断線検知回路用には、サーミスタの温度が低くて温度上昇が遅い時に断線と
誤検知するのを防止する観点から比較的長いタイマ時間が好ましいため、第2の
タイマ回路のタイマ時間を第1のタイマ回路のタイマ時間より長く設定して、前
記燃焼検知回路と、前記断線検知回路とで前記第2のタイマ回路を共用させてい
る。 【0019】 【0020】 【0021】 【実施例】 本発明の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施例の燃焼装置
の説明的システム構成図、図2は図1の燃焼装置の要部の回路構成図である。 【0022】 図1において、本実施例の燃焼装置は、例えばガスコンロであり、燃焼部であ
るバーナ1にガス(燃料)を供給するガス供給路2(燃料供給路)に開閉電磁弁
3と、ガス供給量を調整するためのガス量調整弁4とが設けられている。この場
合、電磁弁3はソレノイド5への通電により開駆動されると共にその通電の遮断
により閉駆動され、また、ガス量調整弁4は、例えばこれに連結された操作子6
の操作によりその開度が調整される。 【0023】 また、本実施例のガスコンロは、後述の各種電子回路により構成される制御ユ
ニット7を備え、この制御ユニット7には、前記電磁弁3のソレノイド5と、被
加熱物である調理物の加熱温度を検出すべくバーナ1の中心部に設けた温度検出
器8と、バーナ1の燃焼・失火を検知すべくバーナ1の近傍に設けた燃焼検知器
9と、バーナ1の近傍に設けた点火電極10に火花放電を生ぜしめるスパーカ1
1と、バーナ1の点火・消火操作を行うための点火・消火スイッチ12とが接続
されている。この場合、制御ユニット7は電池13(図2に示す)を電源とする
ものであり、該制御ユニット7には、さらに、電池13の消耗度(電池13の電
圧状態)を使用者に報知するためのLEDランプ14が接続されている。 【0024】 温度検出器8は、温度センサであるサーミスタ15(図2に示す)を内蔵する
ものであり、バーナ1上に調理物を収納した調理用鍋等が載架された時に該調理
用鍋等に接触し、この時、該調理用鍋等の加熱温度に応じた信号をサーミスタ1
5から制御ユニット7に出力する。 【0025】 また、燃焼検知器9は、燃焼検知用センサである熱電対16(図2に示す)を
内蔵するものであり、バーナ1の発熱量に応じた信号を熱電対16から制御ユニ
ット7に出力する。 【0026】 そして、制御ユニット7は点火・消火スイッチ12のON操作に連動して起動
されるようになっており、その起動により、前記ソレノイド5に通電して電磁弁
3を開駆動し、バーナ1へのガス供給を行わしめると共に、スパーカ11を介し
て点火電極10に火花放電を生ぜしめ、これによりバーナ1を着火するようにし
ている。 【0027】 また、詳細は後述するが、該制御ユニット7は、バーナ1の燃焼・失火を前記
熱電対16の出力信号により検知すると共に、バーナ1による調理物の加熱温度
や前記サーミスタ15の断線故障を該サーミスタ15の出力信号により検出し、
バーナ1の失火が熱電対16を介して検知された場合や、サーミスタ15を介し て検出された調理物の加熱温度が所定の基準温度以上に高温となった場合、ある
いは該サーミスタ15の断線が検出された場合に、前記電磁弁3をソレノイド5
を介して閉駆動するようにしている。 【0028】 さらに、制御ユニット7は、電池13の電圧を監視し、その電圧が所定の基準
電圧以下に低下した場合に、前記LEDランプ14を駆動し、あるいは前記電磁
弁3をソレノイド5を介して閉駆動するようにしている。 【0029】 次に、前記制御ユニット7の主要な回路構成を図2を参照して詳説する。 【0030】 図2において、前記制御ユニット7は、前記熱電対16によりバーナ1の発熱
量に応じた電圧信号を生成する熱電対回路17と、該熱電対回路17の出力信号
によりバーナ1の燃焼・失火を検知する第1及び第2燃焼検知回路18,19と
、前記サーミスタ15により調理物の加熱温度に応じた電圧信号を生成するサー
ミスタ回路20と、該サーミスタ回路20の出力信号により調理物の加熱温度を
検出する第1及び第2温度検出回路21,22と、サーミスタ回路20の出力信
号によりサーミスタ15の断線を検知する断線検知回路23と、第1燃焼検知回
路18及び第1温度検出回路21からの信号を受けて前記電磁弁3の開閉駆動用
信号を出力する第1タイマ回路24と、断線検知回路23からの信号を受けて前
記電磁弁3の開閉駆動用信号を出力する第2タイマ回路25と、2個のスイッチ
ングトランジスタ26,27を有する電磁弁駆動回路28とを備えている。 【0031】 ここで、本発明の構成に対応して、第1燃焼検知回路18、第1温度検出回路
21及び第1タイマ回路24を併せた回路と、第2燃焼検知回路19、第2温度
検出回路22、断線検知回路23及び第2タイマ回路25を併せた回路とはそれ
ぞれ駆動信号出力回路29a,29bを構成するものである。本実施例では、駆
動信号出力回路は29a,29bの2組設けられている。 【0032】 前記第1及び第2燃焼検知回路18,19は同一構成のものであり、これらの 検知回路18,19は、前記バーナ1の発熱量に応じた熱電対回路17の出力電
圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較するコンパレータ30を備えている。そ
して、これらの検知回路18,19は、コンパレータ30により熱電対回路17
の出力電圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較することにより、バーナ1が燃
焼状態であるか失火状態であるかを検知し、その燃焼・失火の検知に応じてコン
パレータ30から高低2値レベルの電圧信号を出力するようにしている。以下、
説明に際して、バーナ1の燃焼状態に対応するレベルの電圧信号を燃焼検知信号
、バーナ1の失火状態に対応するレベルの電圧信号を失火検知信号という。 【0033】 尚、第1燃焼検知回路18の出力は前記第1タイマ回路24に入力され、第2
燃焼検知回路19の出力は前記断線検知回路23に入力される。 【0034】 前記第1及び第2温度検出回路21,22は、その基本構成は同一のものであ
り、前記バーナ1による調理物の加熱温度に応じたサーミスタ回路20の出力電
圧を過加熱判定用の基準温度に相当する基準電圧と比較するコンパレータ31を
備えている。そして、これらの検出回路21,22は、コンパレータ31により
サーミスタ回路20の出力電圧を過加熱判定用の基準電圧と比較することにより
、調理物の加熱温度の基準温度に対する高低を検知し、該加熱温度の高低に応じ
てコンパレータ31から高低2値レベルの電圧信号を出力するようにしている。
以下、説明に際して、調理物の加熱温度が基準温度よりも高温である場合に対応
するレベルの電圧信号を過加熱検知信号、基準温度よりも低温である場合に対応
するレベルの電圧信号を正常加熱検知信号という。 【0035】 この場合、本実施例では、第1温度検出回路21の過加熱判定用の基準温度と
、第2温度検出回路22の過加熱判定用の基準温度とは異なる値に設定されてお
り、第1温度検出回路21においては、例えば260°Cを基準温度とし、第2
温度検出回路22においては、例えば290°Cを基準温度としている。 【0036】 尚、第1温度検出回路21の出力は第1タイマ回路24に入力され、第2温度 検出回路22の出力は前記電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベースに入
力される。また、第2温度検出回路22の出力である過加熱検知信号及び正常加
熱検知信号は、それぞれ低レベル及び高レベルの信号であり、これらの信号はそ
れぞれ後述するように前記電磁弁3の閉駆動信号及び開駆動信号として使用され
るものである。 【0037】 前記断線検知回路23は、サーミスタ15の端子間電圧に応じたサーミスタ回
路20の出力電圧を断線判定用の基準電圧と比較するコンパレータ32を備えて
おり、コンパレータ32によりサーミスタ回路20の出力電圧を断線判定用の基
準電圧と比較することにより、前記サーミスタ15が断線したか否かを検知し、
その断線・非断線の検知に応じてコンパレータ32から高低2値レベルの電圧信
号を出力するようにしている。この場合、コンパレータ32には、前記第2燃焼
検知回路19の出力も入力されるようになっており、該コンパレータ32は、サ
ーミスタ15の断線が検知された場合と、前記第2燃焼検知回路19により失火
が検知された場合とで同一レベルの電圧信号を出力し、これ以外の場合には、他
のレベルの電圧信号を出力するようにしている。以下、サーミスタ15の断線あ
るいはバーナ1の失火に対応するレベルの電圧信号を断線・失火検知信号という
。 【0038】 尚、かかる断線検知回路23の出力は前記第2タイマ回路25に入力される。 【0039】 前記第1タイマ回路24は、前記第1燃焼検知回路18から失火検知信号が出
力され、または、前記第1温度検出回路21から過加熱検知信号が出力された時
に所定の時定数でもって充放電するコンデンサ33を有する時定数回路34と、
該コンデンサ33の電圧を出力タイミング判定用の基準電圧と比較するコンパレ
ータ35とを備えている。時定数回路34の時定数は、第1燃焼検知回路18か
らの失火検知信号または、前記第1温度検出回路21からの過加熱検知信号が所
定時間(本実施例では7秒、以下タイマ時間という)継続して出力された時にコ
ンデンサ33の電圧が所定値となるように設定されている。 【0040】 そして、第1タイマ回路24の出力を生成するコンパレータ35は、第1燃焼
検知回路18からの失火検知信号または、前記第1温度検出回路21からの過加
熱検知信号が前記タイマ時間、継続して出力された時に、このことをコンデンサ
33の電圧により検知し、これに応じて前記電磁弁3の閉駆動信号を出力し、こ
の以外の時には、前記電磁弁3の開駆動信号を出力するようにしている。この場
合、コンパレータ35の出力は高低2値レベルの信号であり、電磁弁3の閉駆動
信号は高レベル、開駆動信号は低レベルとされている。 【0041】 前記第2タイマ回路25は、その基本構成は第1タイマ回路24と同一であり
、コンデンサ36を有する時定数回路37とコンパレータ38とを備えている。
そして、第2タイマ回路25は、第1タイマ回路24と同様に、前記断線検知回
路23から断線・失火検知信号が時定数回路37の時定数により定まる所定時間
(本実施例では例えば10秒、以下タイマ時間という)継続して出力された時に
、コンパレータ38から前記電磁弁3の閉駆動信号を出力し、この以外の時には
、前記電磁弁3の開駆動信号を出力するようにしている。この場合、コンパレー
タ38は、前記第1タイマ回路24のコンパレータ35と逆に、電磁弁3の閉駆
動信号が低レベル、開駆動信号が高レベルとなるような極性で設けられている。 【0042】 前記電磁弁駆動回路28は、電磁弁3のソレノイド5に前記スイッチングトラ
ンジスタ26,27を直列に接続したものであり、トランジスタ26,27の両
者が導通状態(ON状態)である時にソレノイド5に前記電池13から通電して
電磁弁3を開駆動し、また、トランジスタ26,27のいずれか一方が遮断状態
(OFF状態)となった時にソレノイド5への通電を遮断して電磁弁3を閉駆動
するようにしている。 【0043】 この場合、トランジスタ26は、PNP型のものであり、前記第1タイマ回路
24の出力をベース入力として該タイマ回路24に接続されている。これにより
、該トランジスタ26は、第1タイマ回路24から電磁弁3の開駆動信号である 低レベルの信号が出力された時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号である
高レベルの信号が出力された時に遮断状態となるようにしている。 【0044】 一方、トランジスタ27は、NPN型のものであり、前記第2タイマ回路25
及び前記第2温度検出回路22の出力をベース入力としてこれらの回路25,2
2に接続されている。これにより、該トランジスタ27は、第2タイマ回路25
または第2温度検出回路22から電磁弁3の開駆動信号である高レベルの信号が
出力された時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号である低レベルの信号が
出力された時に遮断状態となるようにしている。 【0045】 従って、トランジスタ26,27は、その導通・遮断が互いに逆レベルの信号
により行われるようになっている。 【0046】 また、本実施例においては、第2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の
出力点とトランジスタ27のベースの間には、これらの回路25,22の出力を
トランジスタ27のベースに若干の時間遅れをもって印加せしめるための遅延回
路39が介装されている。この遅延回路39は、抵抗40及びコンデンサ41に
より構成したものであり、第2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の出力
により抵抗40を介してコンデンサ41を充放電せしめ、該コンデンサ41の電
圧をトランジスタ27のベースに印加するようにしている。これにより、第2タ
イマ回路25及び第2温度検出回路22の出力は、抵抗40の抵抗値とコンデン
サ41の容量により定まる時定数分の遅れをもってトランジスタ27のベースに
印加される。従って、例えばトランジスタ27の導通状態(ベース入力が高レベ
ルの状態)において、第2温度検出回路22の出力がノイズ等により一瞬、高レ
ベルから低レベルになったような場合には、その瞬間的な低レベルの信号がトラ
ンジスタ27のベースに印加されるようなことはなく、該トランジスタ27の導
通状態が維持される。 【0047】 尚、本実施例では、遅延回路39による第2タイマ回路25及び第2温度検出 回路22の出力の遅延時間は数m秒程度に設定され、第2タイマ回路25の前記
タイマ時間(10秒)よりも充分短いものとされている。 【0048】 ところで、本実施例においては、制御ユニット7の前述したような各種回路は
、前記電池13を電源として動作するものである一方、その正常動作が可能な電
源電圧が定まっており、該電源電圧が動作可能な限界電圧以下に低下すると、正
常な動作が期待できない。従って、電池13が消耗してその出力電圧がある程度
低下すると、前記燃焼検知回路18、19や電磁弁駆動回路28等が正常に動作
せずに、電磁弁3を正常に駆動することができなくなる虞れが生じる。 【0049】 そこで、本実施例においては、制御ユニット7はガスコンロの作動時に電池1
3の電圧を逐次監視し、該電圧がある程度低下した場合には、その旨を前記LE
Dランプ14により使用者に知らしめ、あるいは、電磁弁3を閉駆動するように
している。 【0050】 このような電池13の電圧の監視・制御に係わる構成を次に説明する。 【0051】 図2を参照して、電池13には、前記点火・消火スイッチ12(図1参照)に
連動してON/OFFするマイクロスイッチ42が接続され、このマイクロスッ
チ42の後段のP点に生じる電池電圧VDが前記燃焼検知回路18,19のコン
ンパレータ30や電磁弁駆動回路28等にこれらの電源電圧として供給されるよ
うになっている。尚、図には示さないが、電池電圧VDは前記スパーカ11にも
供給される。 【0052】 また、マイクロスイッチ42の後段には、電池電圧VDを入力として定電圧を
発生するレギュレータ43が接続され、このレギュレータ43の出力電圧VR(
以下、レギュレータ電圧VRという)が、前記燃焼検知回路18,19のコンパ
レータ30等における基準電圧生成用の電圧として供給されるようになっている
。 【0053】 一方、本実施例の制御ユニット7は、前記電池電圧VDをそれぞれ所定の判定
電圧と比較するコンパレータ44,45と、コンパレータ44の出力に応じて前
記LEDランプ14を点滅駆動する点滅駆動回路46と、コンパレータ45の出
力に応じてLEDランプ14を点灯駆動する点灯駆動回路47と、前記P点に抵
抗48を介して接続されたコンデンサ49の電圧により電池電圧VDを監視し、
該電池電圧VDが所定値以下となった時に前記電磁弁駆動回路28のトランジス
タ27のベースに接続された前記遅延回路39の入力側に電磁弁3の閉駆動信号
(低レベル信号)を出力する電池電圧監視回路50とを備えている。 【0054】 前記各コンパレータ44,45には、電池電圧VDが前記P点に接続された分
割抵抗51,52を介して入力されると共に、前記レギュレータ43の出力側に
接続された3個の分割抵抗53,54,55を介して互いに異なるレベルの判定
電圧が入力される。本実施例では、電池13の新品状態での電池電圧VDの定格
値を例えば3Vとし、コンパレータ44における判定電圧は例えば2.65Vに
設定され、コンパレータ45における判定電圧は例えば1.9Vに設定される。
尚、前記燃焼検知回路18,19や電磁弁駆動回路28等は、コンパレータ45
の判定電圧である1.9V程度に電池電圧VDが低下するまでは、正常に動作し
得るものとされている。 【0055】 そして、各コンパレータ44,45は、そのそれぞれの判定電圧と電池電圧V
Dとを比較し、該電池電圧VDの判定電圧に対する大小に応じた高低2値レベルの
信号をそれぞれ前記点滅駆動回路46及び点灯駆動回路47に出力するようにし
ている。この場合、点滅駆動回路46は、電池電圧VDがコンパレータ44の判
定電圧(2.65V)以下に低下したことを示す信号が該コンパレータ44から
出力された時に前記LEDランプ14を点滅駆動するようにしている。また、点
灯駆動回路47は、電池電圧VDがコンパレータ45の判定電圧(1.9V)以
下に低下したことを示す信号が該コンパレータ45から出力された時に前記LE
Dランプ14を点灯駆動するようにしている。 【0056】 尚、本実施例では、コンパレータ45には、電池電圧VDがコンパレータ45
の判定電圧(1.9V)以下に低下したことを示す信号が該コンパレータ45か
ら出力された時にその出力を保持するラッチ回路56が接続されている。また、
コンパレータ45の出力は、前記第1タイマ回路24に入力されるようになって
おり、前記第1タイマ回路24は、コンパレータ45から電池電圧VDがコンパ
レータ45の判定電圧(1.9V)以下に低下したことを示す信号が出力された
時にも電磁弁駆動回路28のトランジスタ26に電磁弁3の閉駆動信号を出力す
るようにしている。 【0057】 尚、コンパレータ44,45や点滅駆動回路46、点灯駆動回路47は、前記
燃焼検知回路18,19のコンバータ30等と同様に電池電圧VDを電源電圧と
するものであり、コンパレータ45の判定電圧である1.9V程度に電池電圧V
Dが低下するまでは、正常に動作し得るものとされている。 【0058】 前記電池電圧監視回路50は、電池電圧VDを電源電圧とするものであり、こ
の場合には、該回路50は、コンパレータ45の判定電圧である1.9Vよりさ
らに低い電圧(本実施例では1V程度)に電池電圧VDが低下するまでは正常に
動作し得るものとされている。そして、該電池電圧監視回路50は、例えば電池
電圧VDが1.7V以下に低下した時に、電磁弁3の閉駆動信号を電磁弁駆動回
路28のトランジスタ27のベース側に出力するようにしている。 【0059】 また、本実施例においては、上記電池電圧監視回路50の判定電圧である1.
7Vよりさらに低い電圧(本実施例では1.5V程度)に電池電圧VDが低下し
た時に、トランジスタ27を遮断せしめるためのトランジスタ遮断回路57が該
トランジスタ27のベースへの入力部に設けられている。このトランジスタ遮断
回路57は、トランジスタ27のベースに前記遅延回路39を介して接続された
一対の分割抵抗58,59により電池電圧VDを分割してなる電圧をトランジス
タ27のベースに遅延回路39を介して印加するようにしたものであり、電池電 圧VDが1.5V程度に低下した時に、該トランジスタ27が遮断状態となるよ
うな電圧が該トランジスタ27のベースに印加されるように分割抵抗58,59
の抵抗値が設定されている。 【0060】 次に、本実施例のガスコンロの作動を説明する。 【0061】 本実施例のガスコンロにおいて、前記点火・消火スイッチ12を投入すると、
これに連動して前記マイクロスイッチ42が投入され、これにより、制御ユニッ
ト7の各回路に電池13から電池電圧VDが供給されて各回路が起動される。 【0062】 この時、前記タイマ回路24,25からは、まず、電磁弁3の開駆動信号が出
力され、これにより、電磁弁駆動回路28の各トランジスタ26,27が導通状
態とされて電磁弁3のソレノイド3に電池13から通電され、該電磁弁3が開駆
動される。そして、該電磁弁3の開駆動によりバーナ1へのガス供給が開始され
る。また、これと並行して、前記スパーカ11が電池電圧VDにより駆動され、
これにより、前記点火電極10に点火火花が生じる。 【0063】 この時、各燃焼検知回路18,19は、バーナ1が着火するまでは、熱電対1
6の起電力が小さいために、失火検知信号を出力し、第1燃焼検知回路18の失
火検知信号は第1タイマ回路24に入力され、第2燃焼検知回路19の失火検知
信号は断線検知回路23を介して第2タイマ回路25に入力される。 【0064】 そして、第1タイマ回路24は、第1燃焼検知回路18の失火検知信号が該タ
イマ回路24のタイマ時間(7秒)、継続して出力されている場合、すなわち、
該タイマ時間内に熱電対16の起電力が所定値以上にならなかった場合には、電
磁弁3の閉駆動信号(高レベルの信号)を電磁弁駆動回路28のトランジスタ2
6のベースに出力し、該トランジスタ26を遮断状態とする。これにより、電磁
弁3のソレノイド5への通電が遮断されて該電磁弁3が閉駆動され、バーナ1へ
のガス供給が遮断される。 【0065】 これと同様に、第2タイマ回路25は、該タイマ回路25のタイマ時間(10
秒)内に熱電対16の起電力が所定値以上にならなかった場合には、電磁弁3の
閉駆動信号(低レベルの信号)を電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベー
スに出力して該トランジスタ27を遮断状態とし、電磁弁3を閉駆動させる。尚
この時、タイマ回路25の出力は遅延回路39を介してトランジスタ27のベー
スに印加されるので、若干の時間遅れは生じるものの、その遅延時間はタイマ回
路25のタイマ時間(10秒)よりも充分に短い数m秒程度であるので、ほぼ該
タイマ時間の経過時にトランジスタ27のベースに閉駆動信号が印加される。 【0066】 この場合、第1タイマ回路24のタイマ時間(7秒)は、第2タイマ回路25
のタイマ時間(10秒)よりも短いので、通常は、第1タイマ回路24のタイマ
時間に従って電磁弁3が閉駆動される。そして、例えば第1タイマ回路24やこ
れに対応する第1燃焼検知回路18がなんらかの原因により故障し、第1タイマ
回路24の出力が電磁弁3の開駆動信号のレベルに維持された場合には、第2タ
イマ回路25や第2燃焼検知回路19等が正常であれば、第2タイマ回路25の
タイマ時間に従って電磁弁3が閉駆動される。従って、第1タイマ回路24や第
1燃焼検知回路18を含む前記駆動信号出力回路29aと第2タイマ回路25や
第2燃焼検知回路19を含む前記駆動信号出力回路29bのいずれか一方が正常
であれば、バーナ1が着火しない場合に、電磁弁3が閉駆動されてバーナ1への
ガス供給が遮断されることとなる。 【0067】 また、本実施例においては、トランジスタ26,27を遮断状態とする信号レ
ベルが互いに異なるため、例えば第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25の
両者が故障した場合であっても、電磁弁3を閉駆動することができる。すなわち
、一般に、第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25の両者が故障した場合、
これらのタイマ回路24,25のコンパレータ35,38の出力点が接地側ある
いは電源側に短絡し、両タイマ回路24,25の出力レベルが同一レベルとなる
ことが多い。このような場合において、本実施例では、トランジスタ26,27 を遮断状態とする信号レベルが互いに異なるため、いずれか一方のトランジスタ
26,27は遮断状熊となり、これにより、電磁弁3が閉駆動される。例えば、
両タイマ回路24,25の出力レベルが高レベルとなった場合には、トランジス
タ26が遮断状態となって電磁弁3が閉駆動される。 【0068】 尚、かかる着火時の作動において、第1タイマ回路24のタイマ時間あるいは
第2タイマ回路25のタイマ時間内に、バーナ1が着火し、熱電対16の起電力
が所定値以上になった場合には、これが第1燃焼検知回路18あるいは第2燃焼
検知回路19により検知されて、これらの回路18,19から燃焼検知信号が出
力される。そして、この場合には、第1タイマ回路24及び第2タイマ回路25
は、継続して電磁弁3の開駆動信号を出力する。 【0069】 以上説明した作動は、バーナ1の燃焼開始後、なんらかの原因で該バーナ1が
失火した場合にも同様に行われる。 【0070】 一方、バーナ1の燃焼による調理物の加熱時において、その加熱温度は、前記
第1及び第2温度検出回路21,22によりサーミスタ回路20を介して検出さ
れる。そして、第1温度検出回路21は、検出された加熱温度が該回路21の過
加熱判定用の基準温度である260°C以上となった場合に、過加熱検知信号を
第1タイマ回路24に出力する。この時、第1タイマ回路24は、前記タイマ時
間(7秒)、継続して第1温度検出回路21から過加熱検知信号が出力された場
合に、電磁弁3の閉駆動信号をトランジスタ26に出力する。これにより、トラ
ンジスタ26が遮断されて電磁弁3が閉駆動されると共に、バーナ1の燃焼が停
止され、過加熱が防止される。尚、この時、加熱温度がバーナ1の燃焼炎のゆら
ぎ等により一時的に上記基準温度を越えて、第1温度検出回路21から過加熱検
知信号が短時間(<7秒)出力されることがあるが、このような場合には、該過
加熱検知信号の継続した出力時間が第1タイマ回路24のタイマ時間よりも短い
ので、該タイマ回路24は閉駆動信号を出力しない。 【0071】 また、第2温度検出回路22は、検出された加熱温度が前記第1温度検出回路
21の過加熱判定用の基準温度よりも高い290°C以上となった場合に、低レ
ベルの過加熱検知信号を第2タイマ回路25を介さずに、トランジスタ27のベ
ース側に出力する。そして、この低レベルの過加熱検知信号は、前記遅延回路3
9を介してトランジスタ27のベースに印加される。この場合、該過加熱検知信
号は、前記遅延回路39を介してトランジスタ27のベースに印加されるので、
該過加熱検知信号の出力時点から若干の遅れをもってトランジスタ27のベース
に印加されるものの、その遅れは数m秒程度である。従って、加熱温度が290
゜Cを越えた場合には、基本的には即座にトランジスタ27のベースに低レベル
の信号が印加され、これにより該トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁
3が閉駆動される。尚、この時、ノイズ等により第2温度検出回路22から単発
的に過加熱検知信号が出力されることがあるが、このような単発的な過加熱検知
信号は遅延回路39により除去されてトランジスタ27のベースに印加されるこ
とはなく、従って、電磁弁3が閉駆動されることはない。以上のような温度検出
回路21,22等の作動により、例えば第1温度検出回路21や第1タイマ回路
24が故障したような場合であっても、加熱温度が異常に高温となった場合には
、第2温度検出回路22が正常であれば、該温度検出回路22により電磁弁3を
閉駆動することができ、第1温度検出回路21を含む駆動信号出力回路29aと
第2温度検出回路22を含む駆動信号出力回路29bとのいずれか一方が正常で
あれば、電磁弁3を閉駆動することができる。また、例えば加熱温度が260°
C以上となった後、前記第1タイマ回路24のタイマ時間(7秒)内に該加熱温
度が急激に上昇した場合には、第2温度検出回路22により電磁弁3を閉駆動す
ることができ、急激な過加熱を防止することができる。 【0072】 また、以上説明したようなガスコンロの作動時において、前記サーミスタ15
が断線した場合には、その断線が断線検知回路23により検知され、この時、該
断線検知回路23は、断線検知信号を第2タイマ回路25に出力する。そして、
該第2タイマ回路25は、そのタイマ時間(10秒)、継続して断線検知信号が
出力された時に、電磁弁3の閉駆動信号をトランジスタ27のベースに出力する 。これにより、トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される
。この場合、バーナ1の着火時に気温が低い場合や、冷凍物の加熱調理等の際に
は、サーミスタ15の温度上昇が遅く、該サーミスタ15の抵抗値が数MΩの大
きなものとなって、断線の場合と同様に断線検知回路23から断線検知信号が出
力される場合がある。しかるに、本実施例では、断線検知信号が第2タイマ回路
25のタイマ時間(10秒)、継続した場合に、電磁弁3を閉駆動するようにし
ているので、上記のようにサーミスタ15の温度が低い場合に断線でないにもか
かわらず電磁弁3が閉駆動されるような事態が回避される。 【0073】 次に、電池電圧VDの監視に係わる作動について説明する。 【0074】 前述したようなガスコンロの作動時において、電池13が消耗し、その電池電
圧VDが前記コンパレータ44の判定電圧である2.65V以下に低下した場合
には、これが前記コンパレータ44により検知され、該コンパレータ44はその
ことを示す信号を点滅駆動回路46に出力する。この時、該点滅駆動回路46は
、LEDランプ14を点滅駆動し、これにより、使用者に電池13の寿命が近い
ことを認識させる。尚、本実施例では、電池13を電源とするスパーカ11によ
りバーナ1の着火を行うようにしているので、該着火のための点火操作時に電池
電圧VDが、スパーカ11への電力供給によりコンパレータ44の判定電圧以下
で、前述の各種回路の動作が不安定となる虞れがあるような電圧に低下し、点火
操作後に再び電池電圧VDが該判定電圧以上に上昇する場合がある。そして、こ
のような場合には、スパーカ11の作動時だけLEDランプ14が点滅する一方
、点火操作後にはLEDランプ14が再び消灯し、使用者がLEDランプ14の
点滅を見落とすことが多い。そこで本実施例においては、前記コンパレータ44
の判定電圧を比較的高め(2.65V)に設定し、早めにLEDランプ14を点
滅させるようにしている。 【0075】 また、電池電圧VDが前記コンパレータ45の判定電圧である1.9V以下に
低下した場合には、これが前記コンパレータ45により検知され、該コンパレー タ45はそのことを示す信号を点灯駆動回路47に出力する。この時、該点灯駆
動回路47は、LEDランプ14を点灯駆動し、これにより、使用者に電池13
の交換の必要性があることを認識させる。 【0076】 この場合、本実施例では、コンパレータ45は、電池電圧VDが一旦1.9V
以下に低下すると、前記ラッチ回路56によりその出力が保持されるようになっ
ており、このため、点火操作時にスパーカ11への電力供給により、電池電圧V
Dが、コンパレータ45の判定電圧(1.9V)以下で、前述の各種回路の動作
が不安定となる虞れがあるような電圧に低下し、点火操作後に再び電池電圧VD
が該判定電圧以上に上昇する場合にも、電池電圧VDが1.9V以下に低下した
ことを示す信号がコンパレータ45から出力され続け、従って、LEDランプ1
4は継続的に点灯する。これにより、電池電圧VDが短時間でも、前述の各種回
路の動作が不安定となるような電圧に低下した場合には、使用者に電池13の交
換が必要である旨を確実に認識させることができる。尚、ラッチ回路56をコン
パレータ44側にも設け、コンパレータ44の出力を保持するようにしても良い
。 【0077】 また、この時、電池電圧VDが1.9V以下に低下したことを示すコンパレー
タ45の出力は第1タイマ回路24にも入力され、該第1タイマ回路24から電
磁弁3の閉駆動信号が出力される。これにより、トランジスタ26が遮断状態と
なって、電磁弁3が閉駆動される。 【0078】 ところで、前述したようなスパーカ11の作動により、電池電圧VDが、一時
的にせよ前記コンパレータ44,45等の動作が不安定となるレベル(例えば1
.8V程度)まで低下すると、コンパレータ45や第1タイマ回路24が上記の
ように作動せず、電磁弁3が該コンパレータ45や第1タイマ回路24によって
は閉駆動されないという事態が生じる可能性もある。 【0079】 しかるに、本実施例においては、1V程度の電池電圧VDまで正常に動作し得 る前記電池電圧監視回路50が備えられており、この電池電圧監視回路50は、
電池電圧VDが1.7V以下に低下すると、閉駆動信号(低レベルの信号)をト
ランジスタ27のベースに出力する。これにより、該トランジスタ27は遮断状
態となって電磁弁3が閉駆動される。 【0080】 さらに、本実施例では、電池電圧監視回路50が万が一故障したような場合で
も、電池電圧VDが1.5V程度まで低下した場合には、前記トランジスタ遮断
回路57により電磁弁3を閉駆動することができる。すなわち、電池電圧VDが
1.5V程度まで低下した場合には、トランジスタ遮断回路57の分割抵抗58
,59の中点からトランジスタ27のベースに低レベルの電圧が印加され、これ
により該トランジスタ27が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される。 【0081】 このように本実施例のガスコンロにおいては、電池電圧VDの低下を的確に使
用者に認識させることができると共に、該電池電圧VDの低下に応じて確実に電
磁弁3を閉駆動することができる。 【0082】 以上説明した実施例においては、第1タイマ回路24を、第1燃焼検知回路1
8と第1温度検出回路21とで共用するようにしたが、第1燃焼検知回路18と
第1温度検出回路21とで各別のタイマ回路を備えるようにしてもよい。但し、
本実施例のように第1タイマ回路24を、第1燃焼検知回路18と第1温度検出
回路21とで共用することにより、回路構成を簡略なものとすることができる。
この場合、第1タイマ回路24のタイマ時間は、バーナ1への円滑な着火を行う
という観点からは、比較的長めに設定しておくことが好ましく、また、過加熱防
止の観点からは、比較的短めに設定しておくことが好ましく、本実施例では、該
タイマ時間を7秒とすることにより、両者の条件を満たすものとなっている。 【0083】 また、本実施例では、燃焼検知回路や温度検出回路を含む駆動信号出力回路2
9a,29bを2組備えるようにしたが、さらに、多数の駆動信号出力回路を備
えるようにしてもよいことはもちろんである。 【0084】 また、本実施例においては、スパーカ11を有するガスコンロについて説明し
たが、点火用圧電素子等を用いたガスコンロや電源として商用電源等を使用した
ガスコンロについても本発明を適用することができることはもちろんであり、ま
た、さらには、暖房器等の燃焼装置についても本発明を適用することができるこ
とももちろんである。 【0085】 また、本実施例においては、電磁弁3を電気的に駆動するようにしたが、例え
ば点火・消火スイッチに連動して機械的に電磁弁3を開弁すると共に、その開状
態をソレノイド5への通電により電気的に維持するようにしてもよい。 【0086】 さらに、本実施例では、電池電圧VDの監視に関し、LEDランプ14の点滅
駆動のための判定電圧や点灯駆動のための判定電圧をスパーカ11による電池電
圧VDの低下を考慮して設定したが、例えば点火用圧電素子等を用いたガスコン
ロや、スパーカ用として別電源を備えるガスコンロにおいては、LEDランプ1
4の点滅駆動のための判定電圧を本実施例の場合よりも低く設定する等、本実施
例と異なる判定電圧を設定するようにしてもよい。 【0087】 また、本実施例では、前記トランジスタ遮断回路57に電池電圧VDを給電す
るようにしたが、例えば図2に仮想線で示すようにトランジスタ遮断回路57の
抵抗58を前記トランジスタ26のコレクタに接続し、該トランジスタ26を介
してトランジスタ遮断回路57に電池電源VDを給電するようにしてもよく、こ
のようにすることにより次のような利点が生じる。 【0088】 すなわち、前述の実施例においては、トランジスタ遮断回路57に電池電圧V
Dを直接的に給電するようにしたため、例えば第2タイマ回路25が故障してそ
のコンパレータ38の出力段が開放状態に維持されるような状態でバーナ1の失
火が発生すると、トランジスタ26が第1タイマ回路24により遮断状熊とされ
ても、前記電池13からトランジスタ遮断回路57の抵抗58を介してトランジ スタ27にベース電流が流れ、このベース電流は、トランジスタ27のエミッタ
を介して電磁弁3のソレノイド5に流れる。この場合、トランジスタ27のベー
ス電流は小さなものであるものの、特に、前記電磁弁3が低電流動作型のもので
ある場合には、該ベース電流のソレノイド5への通電により電磁弁3が開状態に
維持される虞れがある。 【0089】 これに対して、図2に仮想線で示すようにトランジスタ遮断回路57の抵抗5
8を前記トランジスタ26のコレクタに接続した場合には、上記のようにトラン
ジスタ26が遮断状熊となると、トランジスタ遮断回路57への給電が遮断され
るため、トランジスタ27のベース電流が流れなくなり、これによりソレノイド
5への通電が完全に遮断されて電磁弁3が確実に閉弁される。 【0090】 尚、この場合、トランジスタ遮断回路57は、トランジスタ26の導通状態に
おいて、電池電圧VDが1.5V程度まで低下したときには、前述の実施例と同
様にトランジスタ27のベースに低レベルの電圧を印加し、これにより該トラン
ジスタ27を遮断させる。 【0091】 【発明の効果】 上記の説明から明らかなように、本発明によれば、燃焼検知回路を含む駆動信
号出力回路を複数設けると共に、各駆動信号出力回路の高低レベルの開閉用駆動
信号をそれぞれベース入力とする複数のスイッチングトランジスタを電磁弁のソ
レノイドに直列に接続して電磁弁駆動回路を構成し、少なくとも一つの駆動信号
出力回路から前記電磁弁の閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベー
ス入力とするスイッチングトランジスタがOFFして、電磁弁のソレノイドへの
通電を遮断し、該電磁弁を閉駆動するようにした。これによって、燃焼部におい
て失火が生じた場合、仮に燃焼検知回路又はその駆動信号出力回路の一つが故障
しても、別の燃焼検知回路を含む一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記
電磁弁を閉駆動することができ、失火の発生に際して可能な限り確実に電磁弁を
閉駆動して燃焼部への燃料供給を遮断することができると同時に、電磁弁を開閉 駆動する電磁弁駆動回路を構成するスイッチングトランジスタが遮断するような
故障が生じた場合にも電磁弁を閉駆動することができる。 【0092】 【0093】 また、本発明によれば、温度検出回路を含む駆動信号出力回路を複数設けると
共に、各駆動信号出力回路の高低レベルの開閉用駆動信号をそれぞれベース入力
とする複数のスイッチングトランジスタを電磁弁のソレノイドに直列に接続して
電磁弁駆動回路を構成し、少なくとも一つの駆動信号出力回路から前記電磁弁の
閉駆動用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベース入力とするスイッチング
トランジスタがOFFして、電磁弁のソレノイドへの通電を遮断し、該電磁弁を
閉駆動するようにした。これによって、駆動信号出力回路の一つが故障しても、
一つの駆動信号出力回路が正常であれば、前記電磁弁を閉駆動することができ、
被加熱物の加熱温度が以上に高温となった場合に可能な限り確実に電磁弁を閉駆
動して燃焼部への燃料供給を遮断することができると同時に、電磁弁を開閉駆動
する電磁弁駆動回路を構成するスイッチングトランジスタが遮断するような故障
が生じた場合にも電磁弁を閉駆動することができる。 【0094】 さらに、本発明によれば、燃焼検知回路により失火が検知されたり、また、温
度検出回路による検出温度が所定基準温度に対して高温となったりしても、それ
らの状熊が所定のタイマ時間継続しなければ、電磁弁の閉駆動用信号が出力され
ない。従って、前記燃焼部が一時的に失火した時や、燃焼部の炎のゆらぎ等によ
り加熱温度が一時的に異常に高温になった時にまで、前記電磁弁の閉駆動用信号
が出力されて燃焼部への燃料供給が遮断されてしまうことを防止することができ
る。 【0095】 本発明によれば、前記第1の駆動信号出力回路では、前記燃焼検知回路と、過
加熱防止の観点から比較的短めのタイマ時間が好ましい前記温度検出回路とで前
記第1のタイマ回路を共用させ、前記第2の駆動信号出力回路では、前記燃焼検
知回路と、サーミスタの温度が低くて温度上昇が遅い時に断線と誤検知するのを 防止する観点から比較的長めのタイマ時間が好ましい断線検知回路とで前記第2
のタイマ回路を共用させた。これにより、タイマ回路の個数を省略して回路構成
を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の燃焼装置の一例の説明的システム構成図。
【図2】
図1の燃焼装置の要部の回路構成図である。
【符号の説明】
1…バーナ(燃焼部)、2…ガス供給路(燃料供給路)、3…電磁弁、5…ソ
レノイド、15…サーミスタ(温度センサ)、16…熱電対(燃焼検知用センサ
)、18,19…燃焼検知回路、21,22…温度検出回路、23…断線検知回
路、24,25…タイマ回路、26,27…スイッチングトランジスタ、29a
,29b…駆動信号出力回路。
レノイド、15…サーミスタ(温度センサ)、16…熱電対(燃焼検知用センサ
)、18,19…燃焼検知回路、21,22…温度検出回路、23…断線検知回
路、24,25…タイマ回路、26,27…スイッチングトランジスタ、29a
,29b…駆動信号出力回路。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 燃焼部に燃料を供給する燃料供給路に設けられた開閉電磁弁と、 前記燃焼部における燃焼・失火を検知する燃焼検知回路と、 前記燃焼部の燃焼による被加熱物の加熱温度を検出する温度検出回路と、 該燃焼検知回路及び温度検出回路を含み、該燃焼検知回路による燃焼・失火の
検知と該温度検出回路による検出温度の所定の基準温度に対する低高とに応じて
前記電磁弁の開閉駆動用信号を出力し、且つ、該燃焼検知回路による失火の検知
時または前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温となっ
た時に前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する駆動信号出力回路と、 該駆動信号出力回路の出力信号に応じて前記電磁弁を開閉駆動する電磁弁駆動
回路とを備えた燃焼装置において、 第1と第2の前記駆動信号出力回路が設けられると共に、 前記第1の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知回路による失火検知
状態、又は前記温度検出回路による前記検出温度が前記基準温度以上の高温であ
る状態が所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の閉駆動用信号を出力する
第1のタイマ回路を含み、 前記第2の駆動信号出力回路は、当該回路の前記燃焼検知回路による失火検知
状態、又は前記第1の駆動信号出力回路の温度検出回路のサーミスタの断線の有
無を検知する断線検知回路による断線検知状態が前記第1のタイマ回路のタイマ
時間より長い所定のタイマ時間継続したときに前記電磁弁の閉駆動用信号を出力
する第2のタイマ回路を含み、 前記各駆動信号出力回路は前記開閉駆動用信号を高低レベルの2値信号により
出力するよう構成され、 前記電磁弁は、ソレノイドへの通電により開駆動されると共に該通電の遮断に
より閉駆動される電磁弁により構成され、 前記電磁弁駆動回路は、前記各駆動信号出力回路の高低レベルの開閉駆動用信
号をそれぞれベース入力とする複数のスイッチングトランジスタを前記ソレノイ
ドに直列に接続し、少なくとも一つの駆動信号出力回路から前記電磁弁の閉駆動
用信号が出力された時に該閉駆動用信号をベース入力とするスイッチングトラン
ジスタがOFFするよう構成されていることを特徴とする燃焼装置。
Family
ID=
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