JP2675507B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP2675507B2
JP2675507B2 JP5094653A JP9465393A JP2675507B2 JP 2675507 B2 JP2675507 B2 JP 2675507B2 JP 5094653 A JP5094653 A JP 5094653A JP 9465393 A JP9465393 A JP 9465393A JP 2675507 B2 JP2675507 B2 JP 2675507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスコンロ等の燃焼装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガスコンロにおいては、被加熱
物である調理物の加熱温度を該調理物の容器等に接触す
るように設けたサーミスタ等の温度センサを介して検出
する温度検出回路を備え、その検出温度が所定の基準温
度以上となると、該温度検出回路から過加熱状態を示す
信号を出力し、その出力に応じて、バーナへのガス供給
路に設けた電磁弁を電磁弁駆動回路を介して閉駆動する
ようにしたものが知られている。
【0003】そして、この種のガスコンロにおいては、
温度検出回路と電磁弁駆動回路との間にタイマ回路を設
け、温度検出回路から過加熱状態を示す信号が所定時間
(タイマ時間)継続して出力された時に、該タイマ回路
から電磁弁駆動回路に電磁弁の閉駆動用信号を出力し、
該電磁弁を閉駆動するようにしたものが知られている。
これは、燃焼炎のゆらぎや電気的ノイズ等により、温度
検出回路から過加熱状態を示す信号が比較的短い時間単
発的に出力されることがあり、このような時に、電磁弁
が閉駆動されることのないようにするためである。そし
て、前記タイマ時間は通常数秒程度に設定される。
【0004】しかしながら、この種の従来のガスコンロ
においては、検出された加熱温度が前記タイマ回路のタ
イマ時間継続して過加熱判定用の基準温度以上となった
時に電磁弁を閉駆動するようにしているため、燃焼炎の
ゆらぎや電気的ノイズ等による電磁弁の閉駆動を回避す
ることはできるものの、該タイマ時間内に加熱温度が急
激に上昇しても、該タイマ時間が経過しない限り電磁弁
を閉駆動することができず、従って、該タイマ時間が経
過しない限りバーナの燃焼が継続して加熱温度のさらな
る上昇を助長してしまうという不都合があった。この場
合、タイマ時間を短くすれば、迅速に電磁弁を閉駆動す
ることは可能であるものの、反面、ノイズ等により電磁
弁が閉駆動されてしまうことが多くなるという不都合が
ある。
【0005】また、この種のガスコンロにおいては、一
個の温度検出回路しか備えられていないため、該温度検
出回路がなんらかの原因で故障した場合には、調理物の
過加熱が生じても前記電磁弁を閉駆動することができな
くなる虞れがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、ガスコンロ等の燃焼装置において、被加熱物
の過加熱が生じた場合に、燃焼部への燃料供給路の電磁
弁をノイズ等の影響を排除しつつ円滑に且つ可能な限り
確実に閉駆動することができると共に急激な過加熱が生
じた場合に迅速に前記電磁弁を閉駆動することができる
燃焼装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の燃焼装置は燃焼部に燃料を供給する燃料
供給路に設けられた開閉電磁弁と、前記燃焼部の燃焼に
よる被加熱物の加熱温度を検出し、その検出温度が所定
の基準温度以上である時に前記被加熱物の過加熱状態を
示す過加熱検知信号を出力する温度検出回路と、該温度
検出回路から前記過加熱検知信号があらかじめ設定され
た所定のタイマ時間継続して出力された時に前記電磁弁
の閉駆動用信号を出力するタイマ回路と、該タイマ回路
の閉駆動用信号の出力に応じて前記電磁弁を閉駆動する
電磁弁駆動回路とを備え、前記電磁弁がソレノイドへの
通電により開駆動されると共に該通電の遮断により閉駆
動される燃焼装置において、前記被加熱物の加熱温度を
検出し、その検出温度が前記基準温度よりも高い第2の
基準温度以上である時に前記電磁弁の閉駆動用信号を前
記電磁弁駆動回路に出力する第2の温度検出回路を備
え、前記電磁弁駆動回路は、前記タイマ回路及び前記第
2の温度検出回路の前記閉駆動用信号をそれぞれベース
入力として遮断する一対のスイッチングトランジスタを
前記ソレノイドに直列に接続して構成されていることを
特徴とする。
【0008】そして、前記第2の温度検出回路から前記
閉駆動用信号が前記タイマ回路のタイマ時間よりも短い
所定時間継続して出力された時に該閉駆動用信号を前記
電磁弁駆動回路に入力せしめる遅延回路を前記第2の温
度検出回路とこれに対応する前記スイッチングトランジ
スタとの間に設けたことを特徴とする。
【0009】さらに、前記遅延回路は、前記第2の温度
検出回路の閉駆動用信号が抵抗を介して充電されるコン
デンサを有し、該コンデンサの電圧を前記電磁弁駆動回
路に入力せしめることを特徴とする。
【0010】また、前記各温度検出回路は、前記被加熱
物に接触する位置に設けた単一の温度センサに並列に接
続され、該センサの出力信号により前記被加熱物の加熱
温度を検出することを特徴とする。
【0011】
【0012】さらに、前記各スイッチングトランジスタ
を互いに高低逆レベルのベース入力により導通状態とな
るよう構成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、基本的には、前記被加熱物の
加熱温度が第1の温度検出回路の基準温度以上となり、
その状態が前記タイマ回路のタイマ時間継続すれば、該
タイマ回路から前記電磁弁駆動回路に閉駆動用信号が出
力され、これにより、該電磁弁駆動回路が前記電磁弁を
閉駆動する。そして、この時、前記タイマ時間内に加熱
温度が急上昇し、前記第2の温度検出回路の第2の基準
温度以上となると、該第2の温度検出回路から電磁弁駆
動回路に閉駆動信号が出力され、これにより該電磁弁駆
動回路が電磁弁を閉駆動する。従って、加熱温度が急上
昇するような場合には、迅速に電磁弁を閉駆動すること
ができる。また、第1の温度検出回路または第2の温度
検出回路の一方が故障しても、他方の温度検出回路が正
常であれば、被加熱物が過加熱状態となると、前記タイ
マ回路あるいは第2の温度検出回路から閉駆動用信号が
電磁弁駆動回路に出力されるので、前記電磁弁を閉駆動
することができる。この場合、前記電磁弁駆動回路の一
対のスイッチングトランジスタのうち、いずれか一つの
スイッチングトランジスタのベースに、閉駆動用信号が
入力された時に該スイッチングトランジスタが遮断して
前記ソレノイドへの通電が遮断され、これにより前記電
磁弁が閉駆動される。このため、仮にスイッチングトラ
ンジスタの一方もしくは両者が故障しても、その故障が
該トランジスタのエミッタ・コレクタ間が遮断する故障
である場合には、前記ソレノイドへの通電を遮断して前
記電磁弁を閉駆動することができ、また、その故障が該
トランジスタのエミッタ・コレクタ間が短絡する故障で
ある場合には、一つのスイッチングトランジスタが正常
であれば、被加熱物の過加熱状態で電磁弁を閉駆動する
ことができる。
【0014】そして、前記遅延回路を第2の温度検出回
路とこれに対応するスイッチングトランジスタとの間に
設けたときには、第2の温度検出回路の閉駆動用信号は
その出力時点から若干の遅れをもって電磁弁駆動回路に
入力されるので、ノイズ等により第2の温度検出回路か
ら単発的に閉駆動用信号が出力された場合に電磁弁が閉
駆動されるような事態を回避することができる。尚、こ
の時、遅延回路による閉駆動用信号の遅れ時間は前記タ
イマ時間よりも短いので、加熱温度が急上昇した場合に
は、前記のように迅速に電磁弁を閉駆動することができ
る。
【0015】さらに、前記遅延回路が、前記第2の温度
検出回路の閉駆動用信号が抵抗を介して充電されるコン
デンサを有し、該コンデンサの電圧を前記電磁弁駆動回
路に入力せしめるときには、該遅延回路による閉駆動用
信号の遅れ時間は抵抗及びコンデンサの時定数により定
まる。そして、このように遅延回路を抵抗及びコンデン
サにより構成することにより、該遅延回路の構成を極め
て簡略なものとすることができる。
【0016】また、前記各温度検出回路を単一の温度セ
ンサに並列に接続し、該センサの出力信号を共用するよ
うにしたことによって、装置構成を簡略なものとするこ
とができる。
【0017】
【0018】さらに、各スイッチングトランジスタを互
いに高低逆レベルのベース入力により導通状態となるよ
う構成したときには、例えば前記タイマ回路と第2の温
度検出回路の両者が故障しても電磁弁を閉駆動すること
ができる。すなわち、前記タイマ回路や第2の温度検出
回路が故障した場合、一般には、これらの出力は、その
出力点が電源側あるいは接地側に短絡して同一レベルの
出力となることが多い。従って、このような場合には、
前記一対のスイッチングトランジスタの一方のベースに
は該トランジスタを遮断するようなレベルの信号が印加
されることとなり、これにより該トランジスタが遮断状
態とされて前記ソレノイドへの通電が遮断され、前記電
磁弁が閉駆動される。
【0019】
【実施例】本発明の一例を図1及び図2を参照して説明
する。図1は本実施例の燃焼装置の説明的システム構成
図、図2は図1の燃焼装置の要部の回路構成図である。
【0020】図1及び図2において、本実施例の燃焼装
置は、例えばガスコンロであり、燃焼部であるバーナ1
にガス(燃料)を供給するガス供給路2(燃料供給路)
に開閉電磁弁3と、ガス供給量を調整するためのガス量
調整弁4とが設けられている。この場合、電磁弁3は、
バーナ1の点火・消火操作を行うための点火・消火ボタ
ン12の点火操作に連動してバネ(図示しない)に抗し
て機械的に開弁されると同時にソレノイド5への通電に
よりその開状態に維持され、また、その通電の遮断によ
り閉駆動されるようになっている。また、ガス量調整弁
4は、例えばこれに連結された操作子6の操作によりそ
の開度が調整される。
【0021】また、本実施例のガスコンロは、後述の各
種電子回路により構成される制御ユニット7を備え、こ
の制御ユニット7には、前記電磁弁3のソレノイド5
と、被加熱物である調理物の加熱温度を検出すべくバー
ナ1の中心部に設けた温度検出器8と、バーナ1の燃焼
・失火を検知すべくバーナ1の近傍に設けた燃焼検知器
9と、バーナ1の近傍に設けた点火電極10に火花放電
を生ぜしめるスパーカ11と、前記点火・消火ボタン1
2の操作により開閉するマイクロスイッチ42と点火・
消火ボタン12のON操作(点火操作)により閉じられ
るスパーカスイッチ11aとが接続されている。
【0022】この場合、制御ユニット7は電池13(図
2に示す)を電源として前記マイクロスイッチ42を介
して起動するものであり、該制御ユニット7には、さら
に、電池13の消耗度(電池13の電圧状態)を使用者
に報知するためのLEDランプ14が接続されている。
【0023】また、スパーカ11は点火・消火ボタン1
2のON操作により閉じられる前記スパーカスイッチ1
1aを介して電池13により駆動されるようになってい
る。そして、バーナ1の着火後の点火・消火ボタン12
のON操作を解除することにより、スパーカスイッチ1
1aが開かれてスパーカ11が不作動となり、バーナ1
の着火中のスパーカ11の無駄な作動が停止される。こ
のようなスパーカスイッチ11aの開閉は、例えば本願
出願人が特公平1−59498号公報に開示したように
ハートカム機構を用いて制御される。尚、スパーカ11
の停止は、例えば点火・消火ボタン12のON操作によ
りスタートするタイマを用いて行うようにしてもよい。
【0024】温度検出器8は、温度センサであるサーミ
スタ15(図2に示す)を内蔵するものであり、バーナ
1上に調理物を収納した調理用鍋等が載架された時に該
調理用鍋等に接触し、この時、該調理用鍋等の加熱温度
に応じた信号をサーミスタ15から制御ユニット7に出
力する。
【0025】また、燃焼検知器9は、燃焼検知用センサ
である熱電対16(図2に示す)を内蔵するものであ
り、バーナ1の発熱量に応じた信号を熱電対16から制
御ユニット7に出力する。
【0026】そして、制御ユニット7は点火・消火ボタ
ン12のON操作に連動する前記マイクロスイッチ42
を介して電池13により起動されるようになっており、
その起動により、前記ソレノイド5に通電して電磁弁3
を開駆動し、バーナ1へのガス供給を行わしめるように
している。そして、この時、前述したように点火・消火
ボタン12のON操作(押操作)により閉じられるスパ
ーカスイッチ11aを介してスパーカ11が電池13に
より駆動されて点火電極10に火花放電を生ぜしめ、こ
れによりバーナ1を着火するようにしている。
【0027】また、詳細は後述するが、該制御ユニット
7は、バーナ1の燃焼・失火を前記熱電対16の出力信
号により検知すると共に、バーナ1による調理物の加熱
温度や前記サーミスタ15の断線故障を該サーミスタ1
5の出力信号により検出し、バーナ1の失火が熱電対1
6を介して検知された場合や、サーミスタ15を介して
検出された調理物の加熱温度が所定の基準温度以上に高
温となった場合、あるいは該サーミスタ15の断線が検
出された場合に、前記電磁弁3をソレノイド5を介して
閉駆動するようにしている。
【0028】さらに、制御ユニット7は、電池13の電
圧を監視し、その電圧が所定の基準電圧以下に低下した
場合に、前記LEDランプ14を駆動し、あるいは前記
電磁弁3をソレノイド5を介して閉駆動するようにして
いる。
【0029】次に、前記制御ユニット7の主要な回路構
成を図2を参照して詳説する。
【0030】図2において、前記制御ユニット7は、前
記熱電対16によりバーナ1の発熱量に応じた電圧信号
を生成する熱電対回路17と、該熱電対回路17の出力
信号によりバーナ1の燃焼・失火を検知する第1及び第
2燃焼検知回路18,19と、前記サーミスタ15によ
り調理物の加熱温度に応じた電圧信号を生成するサーミ
スタ回路20と、該サーミスタ回路20の出力信号によ
り調理物の加熱温度を検出する第1及び第2温度検出回
路21,22と、サーミスタ回路20の出力信号により
サーミスタ15の断線を検知する断線検知回路23と、
第1燃焼検知回路18及び第1温度検出回路21からの
信号を受けて前記電磁弁3の開閉駆動用信号を出力する
第1タイマ回路24と、断線検知回路23からの信号を
受けて前記電磁弁3の開閉駆動用信号を出力する第2タ
イマ回路25と、2個のスイッチングトランジスタ2
6,27を有する電磁弁駆動回路28とを備えている。
【0031】尚、本発明の構成に対応するタイマ回路
は、第1タイマ回路24である。
【0032】前記第1及び第2燃焼検知回路18,19
は同一構成のものであり、これらの検知回路18,19
は、前記バーナ1の発熱量に応じた熱電対回路17の出
力電圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較するコンパ
レータ30を備えている。そして、これらの検知回路1
8,19は、コンパレータ30により熱電対回路17の
出力電圧を燃焼・失火判定用の基準電圧と比較すること
により、バーナ1が燃焼状態であるか失火状態であるか
を検知し、その燃焼・失火の検知に応じてコンパレータ
30から高低2値レベルの電圧信号を出力するようにし
ている。以下、説明に際して、バーナ1の燃焼状態に対
応するレベルの電圧信号を燃焼検知信号、バーナ1の失
火状態に対応するレベルの電圧信号を失火検知信号とい
う。
【0033】尚、第1燃焼検知回路18の出力は前記第
1タイマ回路24に入力され、第2燃焼検知回路19の
出力は前記断線検知回路23に入力される。
【0034】前記第1及び第2温度検出回路21,22
は、その基本構成は同一のものであり、前記バーナ1に
よる調理物の加熱温度に応じたサーミスタ回路20の出
力電圧を過加熱判定用の基準温度に相当する基準電圧と
比較するコンパレータ31を備えている。そして、これ
らの検出回路21,22は、コンパレータ31によりサ
ーミスタ回路20の出力電圧を過加熱判定用の基準電圧
と比較することにより、調理物の加熱温度の基準温度に
対する高低を検知し、該加熱温度の高低に応じてコンパ
レータ31から高低2値レベルの電圧信号を出力するよ
うにしている。以下、説明に際して、調理物の加熱温度
が基準温度よりも高温である場合に対応するレベルの電
圧信号を過加熱検知信号、基準温度よりも低温である場
合に対応するレベウの電圧信号を正常加熱検知信号とい
う。
【0035】この場合、第1温度検出回路21の過加熱
判定用の基準温度と、第2温度検出回路22の過加熱判
定用の基準温度とは異なる値に設定されており、本実施
例では第1温度検出回路21においては、例えば260
°Cを基準温度とし、第2温度検出回路22において
は、例えば290°Cを基準温度としている。
【0036】尚、第1温度検出回路21の出力は第1タ
イマ回路24に入力され、第2温度検出回路22の出力
は前記電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベース
に入力される。また、第2温度検出回路22の出力であ
る過加熱検知信号及び正常加熱検知信号は、それぞれ低
レベル及び高レベルの信号であり、これらの信号はそれ
ぞれ後述するように前記電磁弁3の閉駆動信号及び開駆
動信号として使用されるものである。また、第1温度検
出回路21の過加熱検知信号は、電磁弁3の閉駆動指令
信号として第1タイマ回路24に入力される。
【0037】前記断線検知回路23は、サーミスタ15
の端子間電圧に応じたサーミスタ回路20の出力電圧を
断線判定用の基準電圧と比較するコンパレータ32を備
えており、コンパレータ32によりサーミスタ回路20
の出力電圧を断線判定用の基準電圧と比較することによ
り、前記サーミスタ15が断線したか否かを検知し、そ
の断線・非断線の検知に応じてコンパレータ32から高
低2値レベルの電圧信号を出力するようにしている。こ
の場合、コンパレータ32には、前記第2燃焼検知回路
19の出力も入力されるようになっており、該コンパレ
ータ32は、サーミスタ15の断線が検知された場合
と、前記第2燃焼検知回路19により失火が検知された
場合とで同一レベルの電圧信号を出力し、これ以外の場
合には、他のレベルの電圧信号を出力するようにしてい
る。以下、サーミスタ15の断線あるいはバーナ1の失
火に対応するレベルの電圧信号を断線・失火検知信号と
いう。
【0038】尚、かかる断線検知回路23の出力は前記
第2タイマ回路25に入力される。この場合、上記のよ
うに、第2燃焼検知回路19の出力は断線検知回路23
に入力されるので、断線検知回路23と第2燃焼検知回
路19とからそれぞれ断線検知信号及び失火検知信号が
同時に出力されても、第2タイマ回路25に入力される
それぞれの信号が消去することはない。
【0039】前記第1タイマ回路24は、前記第1燃焼
検知回路18から失火検知信号が出力され、または、前
記第1温度検出回路21から過加熱検知信号が出力され
た時に所定の時定数でもって充放電するコンデンサ33
を有する時定数回路34と、該コンデンサ33の電圧を
出力タイミング判定用の基準電圧と比較するコンパレー
タ35とを備えている。時定数回路34の時定数は、第
1燃焼検知回路18からの失火検知信号または、前記第
1温度検出回路21からの過加熱検知信号が所定時間
(本実施例では7秒、以下タイマ時間という)継続して
出力された時にコンデンサ33の電圧が所定値となるよ
うに設定されている。
【0040】そして、第1タイマ回路24の出力を生成
するコンパレータ35は、第1燃焼検知回路18からの
失火検知信号または、前記第1温度検出回路21からの
過加熱検知信号が前記タイマ時間、継続して出力された
時に、このことをコンデンサ33の電圧により検知し、
これに応じて前記電磁弁3の閉駆動信号を出力し、これ
以外の時には、前記電磁弁3の開駆動信号を出力するよ
うにしている。この場合、コンパレータ35の出力は高
低2値レベルの信号であり、電磁弁3の閉駆動信号は高
レベル、開駆動信号は低レベルとされている。
【0041】前記第2タイマ回路25は、その基本構成
は第1タイマ回路24と同一であり、コンデンサ36を
有する時定数回路37とコンパレータ38とを備えてい
る。そして、第2タイマ回路25は、第1タイマ回路2
4と同様に、前記断線検知回路23から断線・失火検知
信号が時定数回路37の時定数により定まる所定時間
(本実施例では例えば10秒、以下タイマ時間という)
継続して出力された時に、コンパレータ38から前記電
磁弁3の閉駆動信号を出力し、この以外の時には、前記
電磁弁3の開駆動信号を出力するようにしている。この
場合、コンパレータ38は、前記第1タイマ回路24の
コンパレータ35と逆に、電磁弁3の閉駆動信号が低レ
ベル、開駆動信号が高レベルとなるような極性で設けら
れている。
【0042】前記電磁弁駆動回路28は、電磁弁3のソ
レノイド5に前記スイッチングトランジスタ26,27
を直列に接続したものであり、トランジスタ26,27
の両者が導通状態(ON状態)である時にソレノイド5
に前記電池13から通電して、機械的に開弁された電磁
弁3を開状態に維持し、また、トランジスタ26,27
のいずれか一方が遮断状態(OFF状態)となった時に
ソレノイド5への通電を遮断して電磁弁3を閉駆動する
ようにしている。
【0043】この場合、トランジスタ26は、PNP型
のものであり、前記第1タイマ回路24の出力をベース
入力として該タイマ回路24に接続されている。これに
より、該トランジスタ26は、第1タイマ回路24から
電磁弁3の開駆動信号である低レベルの信号が出力され
た時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号である高
レベルの信号が出力された時に遮断状態となるようにし
ている。
【0044】一方、トランジスタ27は、NPN型のも
のであり、前記第2タイマ回路25及び前記第2温度検
出回路22の出力をベース入力としてこれらの回路2
5,22に接続されている。これにより、該トランジス
タ27は、第2タイマ回路25または第2温度検出回路
22から電磁弁3の開駆動信号である高レベルの信号が
出力された時に導通状態となり、電磁弁3の閉駆動信号
である低レベルの信号が出力された時に遮断状態となる
ようにしている。
【0045】従って、トランジスタ26,27は、その
導通・遮断が互いに逆レベルの信号により行われるよう
になっている。
【0046】また、第2タイマ回路25及び第2温度検
出回路22の出力点とトランジスタ27のベースの間に
は、これらの回路25,22の出力をトランジスタ27
のベースに若干の時間遅れをもって印加せしめるための
遅延回路39が介装されている。この遅延回路39は、
抵抗40及びコンデンサ41により構成したものであ
り、第2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の出
力により抵抗40を介してコンデンサ41を充放電せし
め、該コンデンサ41の電圧をトランジスタ27のベー
スに印加するようにしている。これにより、第2タイマ
回路25及び第2温度検出回路22の出力は、抵抗40
の抵抗値とコンデンサ41の容量により定まる時定数分
の遅れをもってトランジスタ27のベースに印加され
る。従って、例えばトランジスタ27の導通状態(ベー
ス入力が高レベルの状態)において、第2温度検出回路
22の出力がノイズ等により一瞬、高レベルから低レベ
ルになったような場合には、その瞬間的な低レベルの信
号がトランジスタ27のベースに印加されるようなこと
はなく、該トランジスタ27の導通状態が維持される。
【0047】尚、本実施例では、遅延回路39による第
2タイマ回路25及び第2温度検出回路22の出力の遅
延時間は数m秒程度に設定され、第1タイマ回路25の
前記タイマ時間(7秒)よりも充分短いものとされてい
る。
【0048】ところで、本実施例においては、制御ユニ
ット7の前述したような各種回路は、前記電池13を電
源として動作するものである一方、その正常動作が可能
な電源電圧が定まっており、該電源電圧が動作可能な限
界電圧以下に低下すると、正常な動作が期待できない。
従って、電池13が消耗してその出力電圧がある程度低
下すると、前記燃焼検知回路18,19や電磁弁駆動回
路28等が正常に動作せずに、電磁弁3を正常に駆動す
ることができなくなる虞れが生じる。
【0049】そこで、本実施例においては、制御ユニッ
ト7はガスコンロの作動時に電池13の電圧を逐次監視
し、該電圧がある程度低下した場合には、その旨を前記
LEDランプ14により使用者に知らしめ、あるいは、
電磁弁3を閉駆動するようにしている。
【0050】このような電池13の電圧の監視・制御に
係わる構成を次に説明する。
【0051】図2を参照して、電池13には、前記点火
・消火ボタン12に連動してON/OFFするマイクロ
スイッチ42が接続され、このマイクロスッチ42の後
段のP点に生じる電池電圧VD が前記燃焼検知回路1
8,19のコンンパレータ30や電磁弁駆動回路28等
にこれらの電源電圧として供給されるようになってい
る。尚、図には示さないが、電池電圧VD は前記スパー
カスイッチ11aを介して前記スパーカ11にも供給さ
れる。
【0052】また、マイクロスイッチ42の後段には、
電池電圧VD を入力として定電圧を発生するレギュレー
タ43が接続され、このレギュレータ43の出力電圧V
R (以下、レギュレータ電圧VR という)が、前記燃焼
検知回路18,19のコンパレータ30等における基準
電圧生成用の電圧として供給されるようになっている。
【0053】一方、本実施例の制御ユニット7は、前記
電池電圧VD をそれぞれ所定の判定電圧と比較するコン
パレータ44,45と、コンパレータ44の出力に応じ
て前記LEDランプ14を点滅駆動する点滅駆動回路4
6と、コンパレータ45の出力に応じてLEDランプ1
4を点灯駆動する点灯駆動回路47と、前記P点に抵抗
48を介して接続されたコンデンサ49の電圧により電
池電圧VD を監視し、該電池電圧VD が所定値以下とな
った時に前記電磁弁駆動回路28のトランジスタ27の
ベースに接続された前記遅延回路39の入力側に電磁弁
3の閉駆動信号(低レベル信号)を出力する電池電圧監
視回路50とを備えている。
【0054】前記各コンパレータ44,45には、電池
電圧VD が前記P点に接続された分割抵抗51,52を
介して入力されると共に、前記レギュレータ43の出力
側に接続された3個の分割抵抗53,54,55を介し
て互いに異なるレベルの判定電圧が入力される。本実施
例では、電池13の新品状態での電池電圧VD の定格値
を例えば3Vとし、コンパレータ44における判定電圧
は例えば2.65Vに設定され、コンパレータ45にお
ける判定電圧は例えば1.9Vに設定される。尚、前記
燃焼検知回路18,19や電磁弁駆動回路28等は、コ
ンパレータ45の判定電圧である1.9V程度に電池電
圧VD が低下するまでは、正常に動作し得るものとされ
ている。
【0055】そして、各コンパレータ44,45は、そ
のそれぞれの判定電圧と電池電圧V D とを比較し、該電
池電圧VD の判定電圧に対する大小に応じた高低2値レ
ベルの信号をそれぞれ前記点滅駆動回路46及び点灯駆
動回路47に出力するようにしている。この場合、点滅
駆動回路46は、電池電圧VD がコンパレータ44の判
定電圧(2.65V)以下に低下したことを示す信号が
該コンパレータ44から出力された時に前記LEDラン
プ14を点滅駆動するようにしている。また、点灯駆動
回路47は、電池電圧VD がコンパレータ45の判定電
圧(1.9V)以下に低下したことを示す信号が該コン
パレータ45から出力された時に前記LEDランプ14
を点灯駆動するようにしている。
【0056】尚、本実施例では、コンパレータ45に
は、電池電圧VD がコンパレータ45の判定電圧(1.
9V)以下に低下したことを示す信号が該コンパレータ
45から出力された時にその出力を保持するラッチ回路
56が接続されている。また、コンパレータ45の出力
は、前記第1タイマ回路24に入力されるようになって
おり、前記第1タイマ回路24は、コンパレータ45か
ら電池電圧VD がコンパレータ45の判定電圧(1.9
V)以下に低下したことを示す信号が出力された時にも
電磁弁駆動回路28のトランジスタ26に電磁弁3の閉
駆動信号を出力するようにしている。尚、上記のような
ラッチ回路は、コンパレータ44側にも設け、コンパレ
ータ44の出力を保持するようにしてもよい。
【0057】尚、コンパレータ44,45や点滅駆動回
路46、点灯駆動回路47は、前記燃焼検知回路18,
19のコンパレータ30等と同様に電池電圧VD を電源
電圧とするものであり、コンパレータ45の判定電圧で
ある1.9V程度に電池電圧VD が低下するまでは、正
常に動作し得るものとされている。
【0058】前記電池電圧監視回路50は、電池電圧V
D を電源電圧とするものであり、この場合には、該回路
50は、コンパレータ45の判定電圧である1.9Vよ
りさらに低い電圧(本実施例では1V程度)に電池電圧
D が低下するまでは正常に動作し得るものとされてい
る。そして、該電池電圧監視回路50は、例えば電池電
圧VD が1.7V以下に低下した時に、電磁弁3の閉駆
動信号を電磁弁駆動回路28のトランジスタ27のベー
ス側に出力するようにしている。
【0059】また、本実施例においては、上記電池電圧
監視回路50の判定電圧である1.7Vよりさらに低い
電圧(本実施例では1.5V程度)に電池電圧VD が低
下した時に、トランジスタ27を遮断せしめるためのト
ランジスタ遮断回路57が該トランジスタ27のベース
への入力部に設けられている。このトランジスタ遮断回
路57は、トランジスタ27のベースに前記遅延回路3
9を介して接続された一対の分割抵抗58,59により
電池電圧VD を分割してなる電圧をトランジスタ27の
ベースに遅延回路39を介して印加するようにしたもの
であり、電池電圧VD が1.5V程度に低下した時に、
該トランジスタ27が遮断状態となるような電圧が該ト
ランジスタ27のベースに印加されるように分割抵抗5
8,59の抵抗値が設定されている。
【0060】次に、本実施例のガスコンロの作動を説明
する。
【0061】本実施例のガスコンロにおいて、前記点火
・消火ボタン12をON操作すると、これに連動して前
記マイクロスイッチ42が投入され、これにより、制御
ユニット7の各回路に電池13から電池電圧VD が供給
されて各回路が起動される。
【0062】この時、点火・消火ボタン12のON操作
に連動して電磁弁3がバネ(図示しない)に抗して機械
的に開弁される一方、前記タイマ回路24,25から
は、まず、電磁弁3の開駆動信号が出力され、これによ
り、電磁弁駆動回路28の各トランジスタ26,27が
導通状態とされて電磁弁3のソレノイド3に電池13か
ら通電され、該電磁弁3が開状態に維持される。そし
て、該電磁弁3の開駆動によりバーナ1へのガス供給が
開始される。また、これと並行して、前述したように前
記点火・消火ボタン12の操作により前記スパーカ11
がスパーカスイッチ11aを介して電池電圧VD により
駆動され、これにより、前記点火電極10に点火火花が
生じる。
【0063】この時、各燃焼検知回路18,19は、バ
ーナ1が着火するまでの間とバーナ1が着火した初期の
段階では、熱電対16の起電力が小さいために、失火検
知信号を出力し、第1燃焼検知回路18の失火検知信号
は第1タイマ回路24に入力され、第2燃焼検知回路1
9の失火検知信号は断線検知回路23を介して第2タイ
マ回路25に入力される。
【0064】そして、第1タイマ回路24は、第1燃焼
検知回路18の失火検知信号が該タイマ回路24のタイ
マ時間(7秒)、継続して出力されている場合、すなわ
ち、該タイマ時間内に熱電対16の起電力が所定値以上
にならなかった場合には、電磁弁3の閉駆動信号(高レ
ベルの信号)を電磁弁駆動回路28のトランジスタ26
のベースに出力し、該トランジスタ26を遮断状態とす
る。これにより、電磁弁3のソレノイド5への通電が遮
断されて該電磁弁3が閉駆動され、バーナ1へのガス供
給が遮断される。
【0065】これと同様に、第2タイマ回路25は、該
タイマ回路25のタイマ時間(10秒)内に熱電対16
の起電力が所定値以上にならなかった場合には、電磁弁
3の閉駆動信号(低レベルの信号)を電磁弁駆動回路2
8のトランジスタ27のベースに出力して該トランジス
タ27を遮断状態とし、電磁弁3を閉駆動させる。尚、
この時、タイマ回路25の出力は遅延回路39を介して
トランジスタ27のベースに印加されるので、若干の時
間遅れは生じるのの、その遅延時間はタイマ回路25の
タイマ時間(10秒)よりも充分に短い数m秒程度であ
るので、ほぼ該タイマ時間の経過時にトランジスタ27
のベースに閉駆動信号が印加される。
【0066】この場合、第1タイマ回路24のタイマ時
間(7秒)は、第2タイマ回路25のタイマ時間(10
秒)よりも短いので、通常は、第1タイマ回路24のタ
イマ時間に従って電磁弁3が閉駆動される。そして、例
えば第1タイマ回路24やこれに対応する第1燃焼検知
回路18がなんらかの原因により故障し、第1タイマ回
路24の出力が電磁弁3の開駆動信号のレベルに維持さ
れた場合には、第2タイマ回路25や第2燃焼検知回路
19等が正常であれば、第2タイマ回路25のタイマ時
間に従って電磁弁3が閉駆動される。従って、第1タイ
マ回路24や第1燃焼検知回路18を含む前記駆動信号
出力回路29aと第2タイマ回路25や第2燃焼検知回
路19を含む前記駆動信号出力回路29bのいずれか一
方が正常であれば、バーナ1が着火しない場合に、電磁
弁3が閉駆動されてバーナ1へのガス供給が遮断される
こととなる。
【0067】また、本実施例においては、トランジスタ
26,27を遮断状態とする信号レベルが互いに異なる
ため、例えば第1タイマ回路24及び第2タイマ回路2
5の両者が故障した場合であっても、電磁弁3を閉駆動
することができる。すなわち、一般に、第1タイマ回路
24及び第2タイマ回路25の両者が故障した場合、こ
れらのタイマ回路24,25のコンパレータ35,38
の出力点が接地側あるいは電源側に短絡し、両タイマ回
路24,25の出力レベルが同一レベルとなることが多
い。このような場合において、本実施例では、トランジ
スタ26,27を遮断状態とする信号レベルが互いに異
なるため、いずれか一方のトランジスタ26,27は遮
断状態となり、これにより、電磁弁3が閉駆動される。
例えば、両タイマ回路24,25の出力レベルが高レベ
ルとなった場合には、トランジスタ26が遮断状態とな
って電磁弁3が閉駆動される。
【0068】尚、かかる着火時の作動において、第1タ
イマ回路24のタイマ時間あるいは第2タイマ回路25
のタイマ時間内に、バーナ1が着火し、熱電対16の起
電力が所定値以上になった場合には、これが第1燃焼検
知回路18あるいは第2燃焼検知回路19により検知さ
れて、これらの回路18,19から燃焼検知信号が出力
される。そして、この場合には、第1タイマ回路24及
び第2タイマ回路25は、継続して電磁弁3の開駆動信
号を出力する。
【0069】以上説明した作動は、バーナ1の燃焼開始
後、なんらかの原因で該バーナ1が失火した場合にも同
様に行われる。
【0070】一方、バーナ1の燃焼による調理物の加熱
時において、その加熱温度は、前記第1及び第2温度検
出回路21,22によりサーミスタ回路20を介して検
出される。そして、第1温度検出回路21は、検出され
た加熱温度が該回路21の過加熱判定用の基準温度であ
る260°C以上となった場合に、過加熱検知信号を第
1タイマ回路24に出力する。この時、第1タイマ回路
24は、前記タイマ時間(7秒)、継続して第1温度検
出回路21から過加熱検知信号が出力された場合に、電
磁弁3の閉駆動信号をトランジスタ26に出力する。こ
れにより、トランジスタ26が遮断されて電磁弁3が閉
駆動されると共に、バーナ1の燃焼が停止され、過加熱
が防止される。尚、この時、加熱温度がバーナ1の燃焼
炎のゆらぎ等により一時的に上記基準温度を越えて、第
1温度検出回路21から過加熱検知信号が短時間(<7
秒)出力されることがあるが、このような場合には、該
過加熱検知信号の継続した出力時間が第1タイマ回路2
4のタイマ時間よりも短いので、該タイマ回路24は閉
駆動信号を出力せず、従って、電磁弁3は開状態に維持
される。また、第2温度検出回路22は、検出された加
熱温度が前記第1温度検出回路21の過加熱判定用の基
準温度よりも高い290°C以上となった場合に、低レ
ベルの過加熱検知信号をタイマ回路を介さずに、トラン
ジスタ27のベース側に出力する。そして、この低レベ
ルの過加熱検知信号は、前記遅延回路39を介してトラ
ンジスタ27のベースに印加される。この場合、該過加
熱検知信号は、前記遅延回路39を介してトランジスタ
27のベースに印加されるので、該過加熱検知信号の出
力時点から若干の遅れをもってトランジスタ27のベー
スに印加されるものの、その遅れは数m秒程度である。
従って、加熱温度が290°Cを越えたような場合に
は、基本的には即座にトランジスタ27のベースに低レ
ベルの信号が印加され、これにより該トランジスタ27
が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される。尚、こ
の時、ノイズ等により第2温度検出回路22から単発的
に過加熱検知信号が出力されることがあるが、このよう
な単発的な過加熱検知信号は遅延回路39により除去さ
れてトランジスタ27のベースに印加されることはな
く、従って、電磁弁3が閉駆動されることはない。
【0071】以上のような温度検出回路21,22等の
作動により、例えば第1温度検出回路21や第1タイマ
回路24が故障したような場合であっても、加熱温度が
異常に高温となった場合には、第2温度検出回路22が
正常であれば、該温度検出回路22により電磁弁3を閉
駆動することができる。また、例えば加熱温度が260
°C以上となった後、前記第1タイマ回路24のタイマ
時間(7秒)内に該加熱温度が急激に上昇して290°
C以上となった場合には、該タイマ時間(7秒)が経過
する前に第2温度検出回路22により電磁弁3を迅速に
閉駆動することができ、急激な過加熱を防止することが
できる。
【0072】また、以上説明したようなガスコンロの作
動時において、前記サーミスタ15が断線した場合に
は、その断線が断線検知回路23により検知され、この
時、該断線検知回路23は、断線検知信号を第2タイマ
回路25に出力する。そして、該第2タイマ回路25
は、そのタイマ時間(10秒)、継続して断線検知信号
が出力された時に、電磁弁3の閉駆動信号をトランジス
タ27のベースに出力する。これにより、トランジスタ
27が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動される。こ
の場合、バーナ1の着火時に気温が低い場合や、冷凍物
の加熱調理等の際には、サーミスタ15の温度上昇が遅
く、該サーミスタ15の抵抗値が数MΩの大きなものと
なって、断線の場合と同様に断線検知回路23から断線
検知信号が出力される場合がある。しかるに、本実施例
では、断線検知信号が第2タイマ回路25のタイマ時間
(10秒)、継続した場合に、電磁弁3を閉駆動するよ
うにしているので、上記のようにサーミスタ15の温度
が低い場合に断線でないにもかかわらず電磁弁3が閉駆
動されるような事態が回避される。
【0073】次に、電池電圧VD の監視に係わる作動に
ついて説明する。
【0074】前述したようなガスコンロの作動時におい
て、電池13が消耗し、その電池電圧VD が前記コンパ
レータ44の判定電圧である2.65V以下に低下した
場合には、これが前記コンパレータ44により検知さ
れ、該コンパレータ44はそのことを示す信号を点滅駆
動回路46に出力する。この時、該点滅駆動回路46
は、LEDランプ14を点滅駆動し、これにより、使用
者に電池13の寿命が近いことを認識させる。尚、本実
施例では、電池13を電源とするスパーカ11によりバ
ーナ1の着火を行うようにしているので、該着火のため
の点火操作時に電池電圧VD が、スパーカ11への電力
供給によりコンパレータ44の判定電圧以下で、前述の
各種回路の動作が不安定となる虞れがあるような電圧に
低下し、点火操作後にスパーカ11への電力供給がなく
なって再び電池電圧VD が該判定電圧以上に上昇する場
合がある。そして、このような場合には、スパーカ11
の作動時だけLEDランプ14が点滅する一方、点火操
作後にはLEDランプ14が再び消灯し、使用者がLE
Dランプ14の点滅を見落とすことが多い。そこで本実
施例においては、前記コンパレータ44の判定電圧を比
較的高め(2.65V)に設定し、早めにLEDランプ
14を点滅させるようにしている。
【0075】また、電池電圧VD が前記コンパレータ4
5の判定電圧である1.9V以下に低下した場合には、
これが前記コンパレータ45により検知され、該コンパ
レータ45はそのことを示す信号を点灯駆動回路47に
出力する。この時、該点灯駆動回路47は、LEDラン
プ14を点灯駆動し、これにより、使用者に電池13の
交換の必要性があることを認識させる。
【0076】この場合、本実施例では、コンパレータ4
5は、電池電圧VD が一旦1.9V以下に低下すると、
前記ラッチ回路56によりその出力が保持されるように
なっており、このため、点火操作時にスパーカ11への
電力供給により、電池電圧V D が、コンパレータ45の
判定電圧(1.9V)以下で、前述の各種回路の動作が
不安定となる虞れががあるような電圧に低下し、点火操
作後に再び電池電圧V D が該判定電圧以上に上昇する場
合にも、電池電圧VD が1.9V以下に低下したことを
示す信号がコンパレータ45から出力され続け、従っ
て、LEDランプ14は継続的に点灯する。これによ
り、電池電圧VD が短時間でも、前述の各種回路の動作
が不安定となるような電圧に低下した場合には、使用者
に電池13の交換が必要である旨を確実に認識させるこ
とができる。
【0077】また、この時、電池電圧VD が1.9V以
下に低下したことを示すコンパレータ45の出力は第1
タイマ回路24にも入力され、該第1タイマ回路24か
ら電磁弁3の閉駆動信号が出力される。これにより、ト
ランジスタ26が遮断状態となって、電磁弁3が閉駆動
される。
【0078】ところで、前述したようなスパーカ11の
作動により、電池電圧VD が、一時的にせよ前記コンパ
レータ44,45等の動作が不安定となるレベル(例え
ば1.8V程度)まで低下すると、コンパレータ45や
第1タイマ回路24が上記のように作動せず、電磁弁3
が該コンパレータ45や第1タイマ回路24によっては
閉駆動されないという事態が生じる可能性もある。
【0079】しかるに、本実施例においては、1V程度
の電池電圧VD まで正常に動作し得る前記電池電圧監視
回路50が備えられており、この電池電圧監視回路50
は、電池電圧VD が1.7V以下に低下すると、閉駆動
信号(低レベルの信号)をトランジスタ27のベースに
出力する。これにより、該トランジスタ27は遮断状態
となって電磁弁3が閉駆動される。
【0080】さらに、本実施例では、電池電圧監視回路
50が万が一故障したような場合でも、電池電圧VD
1.5V程度まで低下した場合には、前記トランジスタ
遮断回路57により電磁弁3を閉駆動することができ
る。すなわち、電池電圧VD が1.5V程度まで低下し
た場合には、トランジスタ遮断回路57の分割抵抗59
からトランジスタ27のベースに低レベルの電圧が印加
され、これにより該トランジスタ27が遮断状態となっ
て、電磁弁3が閉駆動される。
【0081】このように本実施例のガスコンロにおいて
は、電池電圧VD の低下を的確に使用者に認識させるこ
とができると共に、該電池電圧VD の低下に応じて確実
に電磁弁3を閉駆動することができる。
【0082】以上説明した実施例においては、第1タイ
マ回路24を、第1燃焼検知回路18と第1温度検出回
路21とで共用するようにしたが、第1燃焼検知回路1
8と第1温度検出回路21とで各別のタイマ回路を備え
るようにしてもよい。但し、本実施例のように第1タイ
マ回路24を、第1燃焼検知回路18と第1温度検出回
路21とで共用することにより、回路構成を簡略なもの
とすることができる。この場合、第1タイマ回路24の
タイマ時間は、バーナ1への円滑な着火を行うという観
点からは、比較的長めに設定しておくことが好ましく、
また、過加熱防止の観点からは、比較的短めに設定して
おくことが好ましく、本実施例では、該タイマ時間を7
秒とすることにより、両者の条件を満たすものとなって
いる。
【0083】また、本実施例においては、スパーカ11
を有するガスコンロについて説明したが、点火用圧電素
子等を用いたガスコンロについても本発明を適用するこ
とができることはもちろんであり、また、さらには、給
湯器等の燃焼装置についても本発明を適用することがで
きることももちろんである。
【0084】また、本実施例では、電磁弁3の開弁を機
械的に行い、その開状態への維持をソレノイド5を介し
て電気的に行うようにしたが、電磁弁3の開弁及びその
後の開弁保持を電気的に行うようにしてもよい。本発明
における電磁弁の開駆動とは、これらの両者を含めた概
念を意味するものである。
【0085】さらに、本実施例では、電池電圧VD の監
視に関し、LEDランプ14の点滅駆動のための判定電
圧や点灯駆動のための判定電圧をスパーカ11による電
池電圧VD の低下を考慮して設定したが、例えば点火用
圧電素子等を用いたガスコンロや、スパーカ用として別
電源を備えるガスコンロにおいては、LEDランプ14
の点滅駆動のための判定電圧を本実施例の場合よりも低
く設定する等、本実施例と異なる判定電圧を設定するよ
うにしてもよい。
【0086】また、本実施例では、電池を電源とした
が、電池の代わりに商用電源を使用するようにしてもよ
い。
【0087】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1の温度検出回路により被加熱物の加熱温
度を検出すると共に、その検出温度が第1の基準温度以
上となった時に電磁弁の閉駆動指令信号を出力せしめ、
その閉駆動指令信号が所定のタイマ時間継続した時にタ
イマ回路から電磁弁駆動回路に閉駆動用信号を出力して
電磁弁を閉駆動する一方、第2の温度検出回路により被
加熱物の加熱温度を検出すると共にその検出温度が第1
の基準温度よりも高い第2の基準温度以上となった時に
閉駆動用信号を電磁弁駆動回路に出力して電磁弁を閉駆
動するようにしたことによって、被加熱物の過加熱が生
じた場合に、前記第1の温度検出回路及びタイマ回路を
主体として燃焼炎をゆらぎやノイズ等の影響を排除しつ
つ電磁弁を円滑に閉駆動することができると共に急激な
過加熱が生じた場合に第2の温度検出回路を主体として
迅速に前記電磁弁を閉駆動することができる。そして、
一方の温度検出回路が故障しても、他方の温度検出回路
により電磁弁を閉駆動することができ、過加熱が生じた
場合の電磁弁の閉駆動を可能な限り確実に行うことがで
きる。さらに、電磁弁駆動回路を、タイマ回路及び第2
の温度検出回路の閉駆動信号をそれぞれベース入力とし
て遮断する一対のスイッチングトランジスタを前記ソレ
ノイドに直列に接続して構成したことによって、いずれ
か一方もしくは両者のスイッチングトランジスタが遮断
するような故障が生じた場合にも電磁弁を閉駆動するこ
とができる、また、いずれか一方のスイッチングトラン
ジスタが短絡するような故障を生じた場合にも、被加熱
物の過加熱が生じたときには、他方の正常なスイッチン
グトランジスタに与えられる閉駆動信号によって電磁弁
を閉駆動することができる。
【0088】そして、第2の温度検出回路とこれに対応
するスイッチングトランジスタとの間に遅れ時間の短い
遅延回路を設けたことによって、単発的なノイズ等によ
り電磁弁が閉駆動されるような事態を極力回避すること
ができると同時に、急激な過加熱が生じた場合には迅速
性を損なうことなく電磁弁を閉駆動することができる。
【0089】さらに、遅延回路を抵抗とコンデンサによ
り構成したことによって、その構成を極めて簡略で安価
なものとすることができる。
【0090】また、各温度検出回路を、単一の温度セン
サに並列に接続し、該センサの出力信号により前記被加
熱物の加熱温度を検出するようにしたことによって、装
置構成を簡略化することができる。
【0091】
【0092】さらに、各スイッチングトランジスタを互
いに高低逆レベルのベース入力により遮断状態となるよ
うにしたことによって、例えばタイマ回路及び第2の温
度検出回路の出力点同士が短絡し、あるいはこれらの出
力点が電源側や接地側に短絡するような故障が生じた場
合に、いずれか一つのトランジスタを遮断することがで
き、これにより電磁弁を閉駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置の一例の説明的システム構成
図。
【図2】図1の燃焼装置の要部の回路構成図である。
【符号の説明】
1…バーナ(燃焼部)、2…ガス供給路(燃料供給
路)、3…電磁弁、5…ソレノイド、15…サーミスタ
(温度センサ)、21,22…温度検出回路、24…タ
イマ回路、26,27…スイッチングトランジスタ、2
8…電磁弁駆動回路。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼部に燃料を供給する燃料供給路に設け
    られた開閉電磁弁と、前記燃焼部の燃焼による被加熱物
    の加熱温度を検出し、その検出温度が所定の基準温度以
    上である時に前記被加熱物の過加熱状態を示す過加熱検
    知信号を出力する温度検出回路と、該温度検出回路から
    前記過加熱検知信号があらかじめ設定された所定のタイ
    マ時間継続して出力された時に前記電磁弁の閉駆動用信
    号を出力するタイマ回路と、該タイマ回路の閉駆動用信
    号の出力に応じて前記電磁弁を閉駆動する電磁弁駆動回
    路とを備え、前記電磁弁がソレノイドへの通電により開
    駆動されると共に該通電の遮断により閉駆動される燃焼
    装置において、 前記被加熱物の加熱温度を検出し、その検出温度が前記
    基準温度よりも高い第2の基準温度以上である時に前記
    電磁弁の閉駆動用信号を前記電磁弁駆動回路に出力する
    第2の温度検出回路を備え 前記電磁弁駆動回路は、前記タイマ回路及び前記第2の
    温度検出回路の前記閉駆動用信号をそれぞれベース入力
    として遮断する一対のスイッチングトランジスタを前記
    ソレノイドに直列に接続して構成されている ことを特徴
    とする燃焼装置。
  2. 【請求項2】前記第2の温度検出回路から前記閉駆動用
    信号が前記タイマ回路のタイマ時間よりも短い所定時間
    継続して出力された時に該閉駆動信号を前記電磁弁駆
    動回路に入力せしめる遅延回路を前記第2の温度検出回
    路とこれに対応する前記スイッチングトランジスタとの
    間に設けたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】前記遅延回路は、前記第2の温度検出回路
    の閉駆動用信号が抵抗を介して充電されるコンデンサを
    有し、該コンデンサの電圧を前記電磁弁駆動回路に入力
    せしめることを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】前記各温度検出回路は、前記被加熱物に接
    触する位置に設けた単一の温度センサに並列に接続さ
    れ、該センサの出力信号により前記被加熱物の加熱温度
    を検出することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】前記各スイッチングトランジスタを互いに
    高低逆レベルのベース入力により遮断状態となるよう構
    成したことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
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