JP3836960B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼装置に関し、詳しくは電池電源を利用する燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンロには種々の安全装置を備えており、センサ等によって機器の状態を検出し、コントローラによる判定結果から燃焼を制御している。
例えば、図2に示すコンロは、コントローラ60の中枢に周知の算術論理演算回路を構成するCPU、制御プログラムを記憶するROM、演算処理中に各種のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されるマイコン100を備えている。
このマイコン100のソフトウェアによる機能を分り易くするため、機能別に大別して説明すると、マイコン100には、乾電池16の電圧が所定レベル以下に低下するか否かを監視する電池電圧監視部6aと、バーナ1上方に載置される調理鍋2の鍋底温度が所定レベル以下か否かを監視する鍋底温度検出部6bと、燃焼炎で加熱される熱電対4の熱起電力が所定レベル以上か否かを監視する炎検出部6cと、ガス流路を開閉するマグネット式安全弁8の保持コイル8aへ電池電力を供給して開弁保持する開弁保持部6dと、コンロの消し忘れを防止するため所定時間経過後に燃焼を停止するタイマ部6eとからなる機能を備えている。
【0003】
例えば、天ぷら火災、こげつき等を防止するために、バーナヘッドに温度検出するサーミスタ3を設け、このサーミスタ3により、調理鍋2の鍋底温度を検出し、検出温度が設定上限温度以上か否かをコントローラ60に設けられるマイコン100の鍋底温度検出部6bで判定し、その判定結果からガス流路の開閉を制御している。
【0004】
また、コンロには燃焼炎の有無を監視する立消え安全装置が設けられる。
即ち、バーナヘッドに燃焼炎の加熱によって熱起電力を発生する熱電対4が設けられ、マイコン100に設けられる炎検出部6cにより、熱電対4の発生する熱起電力が所定値以上か否かにより炎の有無を判定し、判定結果により、ガス流路の開閉を制御している。
【0005】
また、コンロではマイコン100の電源として乾電池16を使用しており、マイコン100の電池電圧監視部6aにより乾電池電源の電圧低下を監視している。
電池電圧監視部6aは、乾電池16の電圧が所定電圧以下に低下したと判定すると、マイコン100の開弁保持部6dによりマグネット式安全弁8への通電を中止して燃焼をさせないようにしている。
例えば、電池電圧が低下して2.1vになったら、電池交換ランプ17を点灯して電池交換時期を使用者に知らせる。このまま電池交換をしないで使用され、更に、乾電池16の電圧が1.8v以下に低下するとマグネット式安全弁8への通電を遮断する。
この場合に、マイコン100は5vに昇圧された電源で作動し、電池電圧を昇圧する昇圧回路11は電池電圧が0.9v以上あれば常に5vに昇圧してマイコン100に供給している。
従って、電池電圧が1.8v以下に低下した時はマイコン100への電源電圧が5Vであるため、マグネット式安全弁8への通電を確実にOFFできる。
しかしながら、最初から0.9v未満の電池を入れた場合では昇圧された電圧が5vより下がりマイコン100の動作が不安定となる。
例えば、乾電池電圧が0.9v以下となると、図3に示すように、昇圧回路11が一定電圧5vを確保できなくなり、この昇圧電圧がマイコン100の動作保証限界(2.7v)以下に低下する場合には、コントローラ60の電池電圧監視部6aが正常に判定しなくなると共に、開弁保持部6dがガス流路を閉じることができなくなる可能性がある。
そこで、マイコン100の電源電圧がその動作保証電圧(2.7v)以上であることを確認するため、3v以下か否かを監視する昇圧電圧監視部VD130が設けられ、3v以下に低下した場合には、直ちに燃焼を停止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電圧監視部VD130は高価であるという問題があった。
また、乾電池16の電圧は、使用に応じて除々に低下するばかりでなく、長期間不使用による放電のために電圧が大きく低下していたり、乾電池内部の内部抵抗が増えて大きな電圧降下を生じたり、古い乾電池16と入れ替えた場合には、乾電池16の電圧が極端に低くなってしまう場合がある。
この場合であっても昇圧電圧によって作動する昇圧電圧監視部VD130が正常に作動する場合には燃焼を停止できるものの、更に昇圧電圧が低下して昇圧電圧監視部VD130の作動保証電圧(0.9v)以下に低下する場合には、遂に、昇圧電圧監視部VD130が正常に作動しなくなる。
従って、より安全性を高めるために、電池電圧が低下しても電圧の監視能力を失わない昇圧電圧監視回路が望まれていた。
そこで、本発明の燃焼装置は上記課題を解決し、昇圧電圧監視回路を安価にすると共に、電池電圧の極端な低下があっても電圧を確実に監視して安全性を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の燃焼装置は、
バーナへのガス供給路に設けられる電磁安全弁と、
電源としての電池の電圧を昇圧する昇圧手段と、
上記昇圧された電力を電源として、上記電磁安全弁への通電を制御する通電制御手段と、
上記昇圧された電力を電源として、上記電池の電圧を監視し、上記電池電圧が第1の所定電圧以下と判定した場合、上記電磁安全弁の閉弁制御信号を出力する電圧監視手段と、
上記閉弁制御信号により上記電磁安全弁への通電ラインを遮断するスイッチング素子と、
上記昇圧電圧が上記電圧監視手段の動作可能な電源電圧の限界値より高い第2の所定電圧以下に低下した場合、上記スイッチング素子をOFFするように、ツェナー電圧または順方向電圧が設定されたダイオードを上記スイッチング素子の制御信号入力ラインに設けたことを要旨とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の燃焼装置は、電圧監視手段が昇圧された電力を電源として電池の電圧を監視し、電池電圧が第1の所定電圧以下と判定した場合、電磁安全弁の閉弁制御信号を出力し、スイッチング素子が電磁安全弁への通電ラインを遮断し、ガス供給路を閉じる。
また、昇圧電圧が第2の所定電圧以下に低下した場合に、スイッチング素子の制御信号入力ラインに設けたダイオードは、スイッチング素子をOFFして電磁安全弁への通電ラインを遮断し、ガス供給路を閉じる。
つまり、スイッチング素子の制御信号入力ラインに接続したダイオードに、昇圧手段による昇圧電圧が印加され、この昇圧電圧がツェナー電圧または順方向電圧を超える場合に、スイッチング素子がONして電磁安全弁を開弁保持する。
そして、昇圧電圧がツェナー電圧または順方向電圧より低くなるとスイッチング素子がOFFして電磁安全弁を閉弁する。
従って、電池電圧が極端に低下して電圧監視手段から誤った制御がスイッチング素子に出力されても、確実にOFFする。
例えば、電圧監視ICのように動作保証電圧より電圧が低くなり過ぎた場合に監視能力を失うのと異なり、昇圧電圧がツェナー電圧または順方向電圧により設定された第2の所定電圧を越える場合にスイッチング素子を0Nし、越えない場合にOFFしている。
従って、たとえ電池電圧が低く成り過ぎて、第2の所定電圧以下に昇圧電圧が低下する場合でも電磁安全弁を確実に遮断する。
また、第2の所定電圧は電圧監視手段の動作可能な電源電圧の限界値を越える値に定められるので、電圧監視回路が不安定な動作をする前に電磁安全弁への通電を遮断するため、安全性を高めることができる。
また、適正なツェナー電圧または順方向電圧を備えたダイオードを設けるだけで昇圧電圧を監視できるので、昇圧電圧監視回路を安価にできる。
【0009】
【発明の実施形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の燃焼装置の好適な実施例について説明する。
図1は一実施例としてのコンロの概略構成図である。
コンロは、燃料ガスと空気との混合気を燃焼するバーナ1を備え、バーナ1の上方に調理用鍋2が載置され、燃焼炎によって調理用鍋2が加熱される。
コンロのバーナ1の中央部には、温度検出するセンサ部(サーミスタ)3が設けられる。
センサ部3は、バーナ1上に載せられた調理用鍋2の鍋底に当接されて調理用鍋2の温度を検出する。
また、バーナ1には、燃焼熱によって熱起電力を発生する熱電対4が炎口と向かい合って設けられる。
【0010】
押圧操作により進退する点火ボタン5には、点火時と消火時とで交互に点火ボタン5の進退位置を決定するプッシュプッシュ機構(図略)が設けられる。
プッシュプッシュ機構は、点火操作時に点火ボタン5が終端位置まで押し込まれてから押圧を解消すると中間位置(燃焼位置)で点火ボタン5を係止し、再度の押圧操作による消火操作で点火ボタン5を始端位置(停止位置)に戻すように設けられる。
また、点火ボタン5の進退と連動してON/OFFする点火スイッチ7bおよびMgスイッチ7aが点火ボタン5の近傍に設けられる。
この点火スイッチ7bは、点火ボタン5による終端位置でのみONして点火用の高電圧を発生するイグナイタ(図略)を作動させ、中間位置および始端位置で0FFして停止する関係位置に設けられる。
また、Mgスイッチ7aは、点火ボタン5による終端位置および中間位置でONしてコントローラ6へ通電し、始端位置で0FFする関係位置に設けられる。
【0011】
バーナ1のガス供給経路には、点火操作時に点火ボタン5による押圧力にて開弁され、押圧操作力を解くと解消後に閉弁可能状態とされるマグネット式安全弁8が設けられる。
マグネット式安全弁8には、接続されるコントローラ6から昇圧された乾電池電力が供給される保持コイル8aと、この保持コイル8aに通電されることによって電磁力を発生する鉄芯(図略)と、この鉄芯に吸着して弁体(図略)を開弁保持する吸着片(図略)と、弁体を閉弁方向に付勢するバネ(図略)とが設けられる。
また、マグネット式安全弁8の下流には、点火ボタン5と連動し、点火操作時に押動されることによってガス通路を開き、消火操作時に閉じる器具栓9が設けられる。
【0012】
バーナ1の燃料ガスに点火する電極(図略)は、高電圧を発生するイグナイタ(図略)と接続され、イグナイタは、点火ボタン5と連動してON/OFFする点火スイッチ7bを介して乾電池16に接続される。
【0013】
コントローラ6は乾電池16に接続されて電力が供給されると共に、点火ボタン5と連動して0N/OFFするMgスイッチ7aに接続されて運転開始および停止が行われる。
また、コントローラ6の制御部の中枢には、周知の算術論理演算回路を構成するCPU、制御プログラムを記憶するROM、演算処理中に各種のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されるマイコン10が設けられる。
このマイコン10のソフトウェアによる機能を大別すると、乾電池16の電圧が所定レベル以下に低下するか否かを監視する電池電圧監視部6aと、バーナ1上方に載置される調理鍋2の鍋底温度が所定レベル以下か否かを監視する鍋底温度検出部6bと、熱起電力を発生する熱電対4が接続されて熱起電力が所定レベル以上か否かを監視する炎検出部6cと、マグネット式安全弁8の保持コイル8aへ電池電力を供給する開弁保持部6dとから構成される。
また、開弁保持部6dには、連続燃焼時間を制限(例えば2時間)するタイマ部6eが設けられる。
開弁保持部6dは、保持コイル8aへの通電を制御し、熱電対4の熱起電力が所定レベル以上であれば保持コイル8aへ電池電力を供給し続ける。
そして、点火から一定時間(2時間)経過した場合には、タイマ部6eが保持コイル8aへの電流を遮断し、コンロの消し忘れを防止する。
【0014】
乾電池16にはDC/DCコンバータを用いた昇圧回路11が接続され、昇圧回路11とマグネット式安全弁8の間には第1トランジスタ12が設けられ、第1トランジスタ12を介してマグネット式安全弁8に昇圧された電力が供給される。
第1トランジスタ12(PNP型)のエミッタは、昇圧回路11と接続され、そのコレクタにマグネット式安全弁8の保持コイル8aが接続される。
また、マイコン10は、昇圧回路11で昇圧された電力を電源として駆動するように昇圧回路11に接続され、同様に、点火の際にコントローラ6のマイコン10を初期化するイニシャルリセット部13が接続される。
また、電池電圧監視部6aは乾電池16の電圧を検出する。
また、昇圧回路11は、乾電池16の電圧が0.9v以上ある場合に常に5vの一定電圧を出力する。この昇圧回路11の出力を電源とするマイコン10は、その電源電圧が2.7v以上であれば正常に作動し、乾電池16の電圧の変動があっても安定して動作するように設定される。
また、第1トランジスタ12のベースはツェナーダイオード14を介して第2トランジスタ15(NPN型)のコレクタへ接続される。そして、第2トランジスタ15は、エミッタ接地されベースがマイコン10の出力ポート(8aの通電制御信号出力ポート)に接続される。
従って、開弁保持部6dが第2トランジスタ15をON/0FFすると、それに伴って第1トランジスタ12がON/OFFし、マグネット式安全弁8の保持コイル8aへの通電が制御される。
この際に、昇圧回路11によって昇圧された電圧がツェナーダイオード14により設定された電圧を越えない場合には、ツェナーダイオード14が電流を流さないために、第2トランジスタ15がONしていても第1トランジスタ12がONしない。
本実施例では、第2トランジスタ15のコレクタ・エミッタ間に生じる電圧降下を0.7vとし、ツェナー電圧を3vとすると、昇圧された電圧が3.7vを越えない場合には、第1トランジスタ12がONしない。
これによる電圧監視については後述する。
【0015】
次に、コンロの点火・消火動作を説明する。
まず、点火時に、点火ボタン5への押動操作によって器具栓9を開弁すると共に、マグネット式安全弁8を開弁してガス流路を開く。
同時に、点火スイッチ7bがONされることによってイグナイタ(図略)へ電力が供給され、イグナイタはバーナ1へ連続放電して混合気に点火し、燃焼が開始される。
バーナ1に設けられる熱電対4は、加熱されることによって熱起電力を発生し、マイコン10が所定レベル以上の熱起電力を検出するとマグネット式安全弁8に通電し、マグネット式安全弁8の電磁石に電磁力が発生する。マグネット式安全弁8は、押動操作を開放されても消火されるまで、この電磁力によって開弁し続ける。
【0016】
消火に際しては、点火ボタン5を押し放す操作をすることによって、器具栓9が閉じられ、ガス流路を閉じて消火をする。
【0017】
次に、立消え安全機能と過熱防止機能について説明する。
立消え安全機能は、燃焼時に炎の立消えがあった場合に、熱電対4による熱起電力が低下することによってガス流路を閉じて消火する。
つまり、マイコン10の炎検出部6cは熱電対4の熱起電力が所定レベル以上あるか否かを監視し、所定レベル以下に低下した場合には、マグネット式安全弁8への通電を遮断する。そして、マグネット式安全弁8は、通電による電磁力を失ってガス流路を閉弁する。
一方、過熱防止機能は、燃焼時に消し忘れたり、焦げついたりして調理鍋2の鍋底温度が上昇して所定温度に達した場合に、ガス流路を閉じて消火する。
つまり、マイコン10の鍋底温度検出部6bは、調理鍋2の底に当接するサーミスタ3が所定レベル以上の温度を検出した場合に、マグネット式安全弁8への通電を遮断して閉弁する。
【0018】
次に、電圧監視機能について説明する。
電圧監視機能は、乾電池16の電圧が低下した場合に機器の燃焼を停止させるようにしている。
乾電池16を電源とするコンロでは、低電圧まで使用できるようにして、乾電池16の交換頻度を少なくしている。
例えば、単1乾電池を2本(新品乾電池の電圧は3.3v)用いたコンロでは、1年間以上燃焼装置を使用できるようにするために、乾電池16の電圧が2.1vに低下するまで無交換で燃焼装置を使用できるようにしている。
そして、マイコン10の電池電圧監視部6aは、乾電池16の電圧を監視しており、2.1vになったら電池交換ランプ17を点灯して電池交換時期を使用者に知らせて電池交換を促す。
電池交換をしないでこのまま使用を続けた場合には、乾電池16の電圧が1.8v以下に低下した時点でトランジスタ15への通電制御信号をLowレベルに落としてマグネット式安全弁8をOFFする。
一方、昇圧回路11は、乾電池16の電圧が0.9v以上であれば一定電圧5vに昇圧する能力を備えるように設けられており、マイコン10に電源5vを供給する。
【0019】
また、乾電池16の電圧が0〜0.9vに低下している場合には、昇圧された電圧が5vより低下し(図3)、昇圧電圧が2.7v以下ではマイコン10の動作保証電圧を下まわってしまい、確実な電圧監視動作を保証できない。
しかし、本実施例では、昇圧された電圧が3.7v以下となるとツェナーダイオード14に通電されないために、第1トランジスタ12がOFFしてマグネット式安全弁8を閉弁することができる。
従って、乾電池16の電圧が0〜0.9vとなり、マイコン10が不安定な状態となってトランジスタ15へ通電制御信号を出力しても第1トランジスタ12が確実にOFFし、マグネット式安全弁8への通電を確実に遮断し、コンロを安全に停止することができる。
しかも、監視する高価な電圧監視部VD130を設けないで、安価なツェナーダイオード14を設けるだけで昇圧電圧を監視することができる。
【0020】
次に、ガステーブルコンロのコントローラ6における具体的な回路構成の一例を図4に挙げて説明する。この回路は、コンロの用の回路に加熱庫を備えて魚等を加熱調理するグリル用の回路を付加したものである。
【0021】
コントローラ6の制御部の中枢には、マイコンU1が設けられ、コンロおよびグリルの燃焼制御が行われる。
コントローラ6には、電池電圧VCC2を5vに昇圧する昇圧回路11が設けられ、この昇圧された電圧VDDがマイコンU1および各種回路へ電源として供給される。
このマイコンU1は電圧レベルを読み取るアナログ機能を備えており、マイコンU1の入力ポートP1と乾電池16とは分割抵抗を介して接続され、電池電圧VCC2が第1の所定電圧レベル以上か否かを監視する電池電圧監視回路40を構成している。
また、電池電圧VCC2が2.1v以下に低下したことをマイコンU1が検出した場合に、点灯して電池交換時期を使用者に知らせる電池交換ランプ17がマイコンU1の出力ポートP2に接続される。
更に、電池電圧VCC2が1.8v以下に低下したことを電池電圧監視回路40が検出した場合には、出力ポートP5からの信号をOFFし、後述するようにトランジスタQ3、Q2をOFFし、ガス流路に設けたマグネット式安全弁8を閉弁して燃焼を停止する。
【0022】
昇圧電源である昇圧回路11は、トランジスタQ2(PNP型)のエミッタに接続され、トランジスタQ2のコレクタからトランジスタQ1(PNP型)を介してマグネット式安全弁8に接続され、昇圧された電力がマグネット式安全弁8に供給される。
【0023】
コンロの炎検出回路41は、燃焼熱によって熱起電力を発生する熱電対4と、その熱起電力を増幅するオペアンプU3と、増幅された熱起電力とマイコンU1の出力ポートP6からの判定電圧とを比較するコンパレータU4とから構成される。
そして、コンパレータU4が所定電圧以上の熱起電力と判定した場合には、トランジスタQ1をONするように、コンパレータU4の出力側はトランジスタQ1のベースに接続される。
また、トランジスタQ1のベースとコンパレータU4間には、ツェナーダイオード14が接続され、昇圧された電圧がツェナー電圧を越えない場合、即ち、昇圧電圧VDDが第2の所定電圧(3.7v)以下の場合には、トランジスタQ1をOFFしてマグネット式安全弁8を閉弁するように、昇圧電圧監視回路43が構成される。
一方、マイコンU1の作動保証電圧は2.7vであり、電池電圧VCC2が低下して昇圧電圧VDDが3.7vになれば上述したように燃焼が停止されるため、電池電圧VCC2が低下してもマイコンU1が異常とならない。
【0024】
また、調理鍋2の鍋底温度を検出するサーミスタ3がマイコンU1の入力ポートP3、P4に接続されて鍋底温度検出回路48が構成される。マイコンU1は電圧レベルを読み取るアナログ機能を備えており、サーミスタ3が所定温度範囲の温度を検出しているか否かを監視している。
調理鍋2の鍋底温度が所定温度範囲を越える場合には、出力ポートP6から出力するコンパレータU4の判定電圧を大きくし、トランジスタQ1をOFFしてマグネット式安全弁8を閉弁する。
また、マイコンU1には、バーナの消し忘れを防止するために、点火から2時間経過した場合に燃焼を停止するように、点火時からカウントするタイマが設定されている。そして、所定時間を経過した場合には、同様に、トランジスタQ1をOFFしてマグネット式安全弁8を閉弁する。
尚、トランジスタQ1のコレクタは、マイコンU1の入力ポートP7に接続され、マグネット式安全弁8への通電状態がプリチェックされる。
【0025】
また、トランジスタQ2のベースはエミッタ接地されたトランジスタQ3(NPN型)のコレクタに接続され、トランジスタQ3のベースは、コンデンサを介してマイコンU1の出力ポートP5に接続され、パルス検出回路46を構成する。
マイコンU1が正常な場合には、マイコンU1側からパルス信号が出力されてトランジスタQ3をONし、マイコンU1が暴走してLoまたはHiを出力し続ける場合は、コンデンサによりトランジスタQ3がOFFしてQ2をOFFし、マグネット式安全弁8への通電ラインを遮断する。
従って、パルス検出回路46はマイコンU1の故障有無を監視している。
【0026】
尚、マイコンU1には、点火スイッチ7bがONされた場合に、コンデンサと抵抗との組合わせによって、電源投入の立ち上がり遅れを作って、マイコンU1を初期化するイニシャルリセット回路47が設けられ、入力ポートVDD、VSSに接続される。
また、マイコンU1を動作させるためのクロック回路49が入力ポートXIN、XOUTに接続される。
【0027】
尚、グリルについては、コンロと同様にマイコンU1にて燃焼制御が行われるがコンロと異なって鍋底温度監視回路が不要である。また、点火22分経過後に燃焼を停止することが異なり、各々の判定レベルも異なる。
しかし、原理的にはコンロと同一であるので、同一機能のものには同一符号を付し、コンロの説明をもって重複した説明を省略する。
【0028】
以上により、本実施例に挙げたコンロでは、乾電池電圧VCC2が第1の所定電圧以上、昇圧電圧VDDが第2の所定電圧以上、熱起電力が所定レベル以上、鍋底温度が所定温度の範囲、点火してから2時間未満であるというすべての条件に合致する場合に燃焼が継続される。そして、これらの条件を一つでも外れる場合には、直ちにマグネット式安全弁8を閉弁して燃焼を停止する。
【0029】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施例では、テーブルコンロの燃焼装置について説明したが、給湯器や暖房器、炊飯器等の燃焼装置についても本発明を適用することができる。
また、ツェナー電圧を利用せずに順方向電圧を利用したダイオードを用いても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の燃焼装置によれば、電池電圧が低く成り過ぎても電池電圧および昇圧電圧の監視能力を失わずに、電磁安全弁を確実に遮断するので、安全性を高めることができる。
また、ダイオードのツェナー電圧や順方向電圧を設定するだけで昇圧電圧を監視できるので、昇圧電圧監視回路を設ける場合に比べて、安価になるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例としての燃焼装置の概略構成図である。
【図2】従来の燃焼装置の概略構成図である。
【図3】乾電池電圧と昇圧電圧との関係図である
【図4】一実施例としてのコントローラにおける回路構成の一例である。
【符号の説明】
6 コントローラ
8 マグネット式安全弁
8a保持コイル
11 昇圧回路
12 第1トランジスタ
14 ツェナーダイオード
15 第2トランジスタ
16 乾電池

Claims (1)

  1. バーナへのガス供給路に設けられる電磁安全弁と、
    電源としての電池の電圧を昇圧する昇圧手段と、
    上記昇圧された電力を電源として、上記電磁安全弁への通電を制御する通電制御手段と、
    上記昇圧された電力を電源として、上記電池の電圧を監視し、上記電池電圧が第1の所定電圧以下と判定した場合、上記電磁安全弁の閉弁制御信号を出力する電圧監視手段と、
    上記閉弁制御信号により上記電磁安全弁への通電ラインを遮断するスイッチング素子と、
    上記昇圧電圧が上記電圧監視手段の動作可能な電源電圧の限界値より高い第2の所定電圧以下に低下した場合、上記スイッチング素子をOFFするように、ツェナー電圧または順方向電圧が設定されたダイオードを上記スイッチング素子の制御信号入力ラインに設けたことを特徴とする燃焼装置。
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