JP6830520B2 - 作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、連続的に苗植え作業を行う田植機のような作業車に関するものである。
一般に、作業車の一例である乗用型田植機は、走行機体の進行方向を変更操作する操向ハンドルと、左右の後車輪への動力伝達を継断する左右のサイドクラッチとを備えていて、操向ハンドルの操向操作に応じて旋回内側の後車輪に対するサイドクラッチを遮断作動させるように構成している(例えば特許文献1及び2等参照)。このような作業車において、操向ハンドルを左又は右に大きく操向操作した場合、旋回内側の後車輪に対するサイドクラッチが遮断作動して、旋回内側の後車輪が自由回転状態になる。このため、例えば田圃において、隣接条への移動時に畦際でUターン旋回したりできる。
特開2001−95335号公報 特開2002−340021号公報
しかしながら、この種の作業車では、Uターン旋回時に三輪駆動となり、例えば深田においては車輪の回転に対する抵抗が大きいので、旋回内側の後車輪がほとんど回転せずにその場で向きを変える状態になって、旋回内側の後車輪により地面が掘られて圃場などの作業地を荒らすという問題があった。また、作業地が深田である場合には、Uターン旋回時に旋回内側の後車輪が沈下して作業車の走行に対する抵抗となり、作業車の沈没を招くおそれがあった。
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した作業車を提供することを技術的課題としている。
本発明に係る作業車は、エンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体を支持する左右の走行部と、前記走行機体の進行方向を変更操作する操向操作具と、左右の前記走行部への動力伝達を継断する左右の主継断部材とを備え、前記操向操作具の操向操作に応じて旋回内側の前記走行部に対する前記主継断部材を遮断作動させる作業車であって、左右の前記主継断部材とは別個に、左右の副継断部材及び減速機構を備え、左右の前記主継断部材を継断操作する左右の主継断操作機構と、左右の前記副継断部材を継断操作する左右の副継断操作機構とを備え、さらに、旋回内側の前記走行部を旋回外側の前記走行部よりも低速で駆動させるように、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断操作機構の遮断操作と、旋回内側の前記走行部に対する前記副継断操作機構の接続操作との両方を、前記操向操作具の操向操作に連動して実行させる作動部材を有しているというものである。
本発明の作業車において、左右の前記走行部としての左右の後車輪で支持されるリヤアクスルケースを備え、前記リヤアクスルケース内には、前記エンジンの動力が伝達されるリヤ入力軸と、前記リヤ入力軸の動力を分岐して左右の前記後車輪に伝達する左右横長のリヤ駆動軸とを備え、左右の前記主継断部材、前記副継断部材及び前記減速機構を前記リヤ駆動軸上に配置しているようにしてもよい。
本発明の作業車において、前記リヤ駆動軸の左右内側に前記主継断部材を配置し、前記リヤ駆動軸のうち前記主継断部材よりも左右外側に前記副継断部材及び前記減速機構を配置し、前記副継断部材の伝達トルク容量を前記主継断部材のそれよりも小さく設定しているようにしてもよい。
本発明の作業車において、前記操向操作具の操向操作に連動して左右回動する単一のカム部材と、左右の前記主継断部材を継断操作する左右の主継断操作機構と、左右の前記副継断部材を継断操作する左右の副継断操作機構とを、前記リヤアクスルケースに設け、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断操作機構の遮断操作と、旋回内側の前記走行部に対する前記副継断操作機構の接続操作との両方を、前記カム部材の左右回動によって実行するように構成しているようにしてもよい。
本発明の作業車において、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断部材が動力遮断状態になると同時に旋回内側の前記走行部に対する前記副継断部材が接続作動するように、前記カム部材と左右の前記主継断操作機構と左右の前記副継断操作機構とを関連させているようにしてもよい。
本発明の作業車は、エンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体を支持する左右の走行部と、前記走行機体の進行方向を変更操作する操向操作具と、左右の前記走行部への動力伝達を継断する左右の主継断部材とを備え、前記操向操作具の操向操作に応じて旋回内側の前記走行部に対する前記主継断部材を遮断作動させる作業車であって、左右の前記主継断部材とは別個に、左右の副継断部材及び減速機構を備え、左右の前記主継断部材を継断操作する左右の主継断操作機構と、左右の前記副継断部材を継断操作する左右の副継断操作機構とを備え、さらに、旋回内側の前記走行部を旋回外側の前記走行部よりも低速で駆動させるように、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断操作機構の遮断操作と、旋回内側の前記走行部に対する前記副継断操作機構の接続操作との両方を、前記操向操作具の操向操作に連動して実行させる作動部材を有しているので、旋回内側の走行部が回転せずにその場で向きを変えて地面を掘る状態をなくして、旋回内側の走行部が旋回時に作業地を荒らす状態を低減できる。また、例えば作業地が田圃である場合に、作業車の沈没を低減できる。
本発明の作業車において、左右の前記走行部としての左右の後車輪で支持されるリヤアクスルケースを備え、前記リヤアクスルケース内には、前記エンジンの動力が伝達されるリヤ入力軸と、前記リヤ入力軸の動力を分岐して左右の前記後車輪に伝達する左右横長のリヤ駆動軸とを備え、左右の前記主継断部材、前記副継断部材及び前記減速機構を前記リヤ駆動軸上に配置しているようにすれば、主継断部材、副継断部材及び減速機構をリヤアクスルケース内で同一軸上にコンパクトに配置できると共に、副継断部材及び減速機構を備えていない構成から大幅な変更をせずに副継断部材及び減速機構を配置できる。また、主継断部材、副継断部材及び減速機構をリヤアクスルケース内にコンパクトに配置できることから、リヤアクスルケースのサイズ及び重量を大幅には増加させずに、主継断部材、副継断部材及び減速機構を配置できる。
本発明の作業車において、前記リヤ駆動軸の左右内側に前記主継断部材を配置し、前記リヤ駆動軸のうち前記主継断部材よりも左右外側に前記副継断部材及び前記減速機構を配置し、前記副継断部材の伝達トルク容量を前記主継断部材のそれよりも小さく設定しているようにすれば、旋回内側の走行部の減速時に、車軸がロックしても副継断部材が滑ることで駆動系を保護できる。また、例えば調整を誤るなどして主継断部材と副継断部材の両方が同時に接続状態になったとしても、伝達トルク容量が小さい副継断部材が滑ることで主継断部材が保護される。また、副継断部材を主継断部材よりも左右外側に配置することにより、副継断部材の故障や劣化により副継断部材の修理や交換の必要が生じたときに、副継断部材を容易に取り外すことができ、副継断部材の修理や交換の作業性が向上する。
本発明の作業車において、前記操向操作具の操向操作に連動して左右回動する単一のカム部材と、左右の前記主継断部材を継断操作する左右の主継断操作機構と、左右の前記副継断部材を継断操作する左右の副継断操作機構とを、前記リヤアクスルケースに設け、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断操作機構の遮断操作と、旋回内側の前記走行部に対する前記副継断操作機構の接続操作との両方を、前記カム部材の左右回動によって実行するように構成しているようにすれば、少ない部品点数で主継断操作機構と副継断操作機構の操作を実現できると共に、単一のカム部材で主継断部材と副継断部材の入り切り時期を精度よく実現できる。また、副継断部材及び副継断操作機構を備えていない従来の構成に対して追加部品点数を少なくでき、作業車の製造コストの大幅な増加を抑制できる。
本発明の作業車において、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断部材が動力遮断状態になると同時に旋回内側の前記走行部に対する前記副継断部材が接続作動するように、前記カム部材と左右の前記主継断操作機構と左右の前記副継断操作機構とを関連させているようにすれば、旋回内側の走行部に対する主継断部材及び副継断部材の両方が同時に接続状態になるのを防止でき、主継断部材及び副継断部材の損傷を防止できると共に、主継断部材及び副継断部材の劣化を少なくして寿命の長くできる。
実施形態における乗用型田植機の左側面図である。 乗用型田植機の平面図である。 エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケースの位置関係を示す左側面図である。 エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケースの位置関係を示す平面図である。 乗用型田植機の駆動系統図である。 乗用型田植機の油圧回路図である。 リヤアクスルケースの平面断面図である。 リヤアクスルケースの平面断面図である。 後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 左旋回時における作動アームの回動を示す平面図である。 右旋回時における作動アームの回動を示す平面図である。 他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。 さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。
以下に、本発明を具体化した実施形態を、8条植え式の乗用型田植機1(以下、単に田植機1という)に適用した場合の図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体2の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
まず、図1〜図4を参照しながら、田植機1の概要について説明する。実施形態の田植機1は、走行部としての左右一対の前車輪3及び同じく左右一対の後車輪4によって支持された走行機体2を備えている。走行機体2の前部にはエンジン5が搭載されている。エンジン5からの動力を後方のミッションケース6に伝達して、前車輪3及び後車輪4を駆動させることにより、走行機体2が前後進走行するように構成されている。ミッションケース6の左右側方にフロントアクスルケース7を突出させ、フロントアクスルケース7から左右外向きに延びる前車軸36に前車輪3が舵取り可能に取り付けられている。ミッションケース6の後方に筒状フレーム8を突出させ、筒状フレーム8の後端側にリヤアクスルケース9を固設し、リヤアクスルケース9から左右外向きに延びる後車軸37に後車輪4が取り付けられている。
図1及び図2に示されるように、走行機体2の前部及び中央部の上面側には、オペレータ搭乗用の作業ステップ(車体カバー)10が設けられている。作業ステップ10の前部の上方にはフロントボンネット11が配置され、フロントボンネット11の内部にエンジン5を設置している。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後部側方に、足踏み操作用の走行変速ペダル12が配置されている。詳細は省略するが、実施形態の田植機1は、走行変速ペダル12の踏み込み量に応じた変速電動モータの駆動にて、ミッションケース6の油圧無段変速機40から出力される変速動力を調節するように構成されている。
また、フロントボンネット11の後部上面側にある運転操作部13には、操縦ハンドル14と走行主変速レバー(図示省略)と昇降操作具としての作業レバー16とが設けられている。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後方には、シートフレーム17を介して操縦座席18が配置されている。なお、フロントボンネット11の左右側方には、作業ステップ10を挟んで左右の予備苗載台24が設けられている。
走行機体2の後端部にリンクフレーム19を立設する。リンクフレーム19には、ロワーリンク20及びトップリンク21からなる昇降リンク機構22を介して、8条植え用の苗植付装置23が昇降可能に連結されている。この場合、苗植付装置23の前面側に、ローリング支点軸(図示省略)を介してヒッチブラケット38を設けている。昇降リンク機構22の後部側にヒッチブラケット38を連結することによって、走行機体2の後方に苗植付装置23を昇降動可能に配置している。筒状フレーム8の上面後部に、油圧式の昇降シリンダ39のシリンダ基端側を上下回動可能に支持させる。昇降シリンダ39のロッド先端側はロワーリンク20に連結している。昇降シリンダ39の伸縮動にて昇降リンク機構22を上下回動させる結果、苗植付装置23が昇降動する。なお、苗植付装置23は前記ローリング支点軸回りに回動して左右方向の傾斜姿勢を変更可能に構成している。
オペレータは、作業ステップ10の側方にある乗降ステップ25から作業ステップ10上に搭乗し、運転操作にて圃場内を移動しながら、苗植付装置23を駆動させて圃場に苗を植え付ける苗植え作業(田植え作業)を実行する。なお、苗植え作業中において、苗植付装置23には、予備苗載台24上の苗マットをオペレータが随時補給する。
図1及び図2に示すように、苗植付装置23は、エンジン5からミッションケース6を経由した動力が伝達される植付入力ケース26と、植付入力ケース26に連結する8条用4組(2条で一組)の植付伝動ケース27と、各植付伝動ケース27の後端側に設けられた苗植機構28と、8条植え用の苗載台29と、各植付伝動ケース27の下面側に配置された田面均平用のフロート32とを備えている。苗植機構28には、1条分2本の植付爪30を有するロータリケース31が設けられている。植付伝動ケース27に2条分のロータリケース31が配置されている。ロータリケース31の一回転によって、2本の植付爪30が各々一株ずつの苗を切り取ってつかみ、フロート32にて整地された田面に植え付ける。苗植付装置23の前面側には、圃場面を均す(整地する)整地装置としての整地ロータ85を昇降動可能に設けている。
詳細は後述するが、エンジン5からミッションケース6を経由した動力は、前車輪3及び後車輪4に伝達されるだけでなく、苗植付装置23の植付入力ケース26にも伝達される。この場合、ミッションケース6から苗植付装置23に向かう動力は、リヤアクスルケース9の右側上部に設けられた株間変速ケース75に一旦伝達され、株間変速ケース75から植付入力ケース26に動力伝達される。当該伝達された動力にて、各苗植機構28や苗載台29が駆動する。株間変速ケース75には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とが内蔵されている(図5参照)。
なお、苗植付装置23の左右外側にはラインマーカ33を備えている。ラインマーカ33は、筋引き用のマーカ輪体34と、マーカ輪体34を回転可能に軸支するマーカアーム35とを有している。各マーカアーム35の基端側が苗植付装置23の左右外側に左右回動可能に軸支されている。ラインマーカ33は、運転操作部13にある作業レバー16の操作に基づき、次工程での基準となる軌跡を田面に着地して形成する作業姿勢と、マーカ輪体34を上昇させて田面から離間させた非作業姿勢とに回動可能に構成されている。
図3及び図4に示すように、走行機体2は前後に延びる左右一対の機体フレーム50を備えている。各機体フレーム50は前部フレーム51と後部フレーム52とに二分割されている。前部フレーム51の後端部と後部フレーム52の前端部とが左右横長の中間連結フレーム53に溶接固定されている。左右一対の前部フレーム51の前端部は前フレーム54に溶接固定されている。左右一対の後部フレーム52の後端側は後フレーム55に溶接固定されている。前フレーム54、左右両前部フレーム51及び中間連結フレーム53は平面視四角枠状に構成されている。同様に、中間連結フレーム53、左右両後部フレーム52及び後フレーム55も平面視四角枠状に構成されている。
図4に示すように、左右両前部フレーム51の前寄り部位は、前後2本のベースフレーム56によって連結されている。当該各ベースフレーム56の中間部は、左右両前部フレーム51よりも低く位置するようにU字形に折り曲げられた形状に形成されている。各ベースフレーム56の左右端部は、対応する前部フレーム51に溶接固定されている。略平板状のエンジン台57及び複数の防振ゴム(図示省略)を介して、前後両ベースフレーム56にエンジン5が搭載され防振支持されている。後側のベースフレーム56は、後中継ブラケット60を介してミッションケース6の前部に連結されている。
図4から分かるように、左右両前部フレーム51の後寄り部位は、ミッションケース6の左右両側に突出したフロントアクスルケース7に連結されている。中間連結フレーム53の中央側には、側面視で後斜め下向きに延びるU字状フレーム61の左右両端部が溶接固定されている。U字状フレーム61の中間部がミッションケース6とリヤアクスルケース9とをつなぐ筒状フレーム8の中途部に連結されている(図3及び図4参照)。後フレーム55の中間部には、左右2本の縦フレーム62の上端側が溶接固定されている。左右両縦フレーム62の下端側には左右横長のリヤアクスル支持フレーム63の中間部が溶接固定されている。リヤアクスル支持フレーム63の左右両端部がリヤアクスルケース9に連結されている。なお、左側の前部フレーム51に外向き突設されたステップ支持台64の下方に、エンジン5の排気音を低減させるマフラー65が配置されている。
図3及び図4に示すように、エンジン5の後方に配置されたミッションケース6の前部には、パワーステアリングユニット66が設けられている。詳細は省略するが、パワーステアリングユニット66の上面に立設されるハンドルポストの内部にハンドル軸が回動可能に配置される。ハンドル軸の上端側に操縦ハンドル14が固定されている。パワーステアリングユニット66の下面側には操舵出力軸(図示省略)が下向きに突出している。当該操舵出力軸には、左右の前車輪3を操舵する操舵杆68(図4参照)がそれぞれ連結されている。
実施形態のエンジン5は、出力軸70(クランク軸)を左右方向に向けて前後両ベースフレーム56の中間部上に配置されている。エンジン5及びエンジン台57の左右幅は左右両前部フレーム51間の内法寸法よりも小さく、エンジン5の下部側及びエンジン台57は、前後両ベースフレーム56の中間部上に配置された状態で、左右両前部フレーム51よりも下側に露出している。この場合、エンジン5の出力軸70(軸線)は、側面視で左右両前部フレーム51と重なる位置にある。エンジン5の左右一側面(実施形態では左側面)には、エンジン5の排気系に連通する排気管69が配置されている。排気管69の基端側がエンジン5の各気筒に接続され、排気管69の先端側がマフラー65の排気入口側に接続されている。
次に、図5を参照しながら、田植機1の駆動系統について説明する。エンジン5の出力軸70はエンジン5の左右両側面から外向きに突出している。出力軸70のうちエンジン5左側面から突出した突端部にエンジン出力プーリ72を設け、ミッションケース6から左外側に突出したミッション入力軸71にミッション入力プーリ73を設け、両プーリ72,73に伝達ベルト82を巻き掛けている。両プーリ72,73及び伝達ベルト82を介して、エンジン5からミッションケース6に動力伝達する。
ミッションケース6内には、油圧ポンプ40a及び油圧モータ40bからなる油圧無段変速機40、遊星歯車装置41、油圧無段変速機40及び遊星歯車装置41を経由した変速動力を複数段に変速する歯車式副変速機構42、遊星歯車装置41から歯車式副変速機構42への動力伝達を継断する主クラッチ43、並びに、歯車式副変速機構42からの出力を制動させる走行ブレーキ44等を備えている。ミッション入力軸71からの動力で油圧ポンプ40aを駆動させ、油圧ポンプ40aから油圧モータ40bに作動油を供給し、油圧モータ40bから変速動力が出力される。油圧モータ40bの変速動力は、遊星歯車装置41及び主クラッチ43を介して歯車式副変速機構42に伝達される。そして、歯車式副変速機構42から、前後車輪3,4と苗植付装置23との二方向に分岐して動力伝達される。
前後車輪3,4に向かう分岐動力の一部は、歯車式副変速機構42から差動歯車機構45を介して、フロントアクスルケース7の前車軸36に伝達され、左右前車輪3を回転駆動させる。前後車輪3,4に向かう分岐動力の残りは、歯車式副変速機構42から、自在継手軸46、リヤアクスルケース9内のリヤ駆動軸47、左右一対のサイドクラッチ48及び歯車式伝動機構49を介して、リヤアクスルケース9の後車軸37に伝達され、左右後車輪4を回転駆動させる。走行ブレーキ44を作動させた場合は、歯車式副変速機構42からの出力がなくなるので、前後車輪3,4共にブレーキがかかる。また、田植機1を旋回させる場合は、リヤアクスルケース9内の旋回内側のサイドクラッチ48を切り作動させて旋回内側の後車輪4を自由回転させ、動力伝達される旋回外側の後車輪4の回転駆動によって旋回する。
リヤアクスルケース9内には、整地ロータ85への動力継断用の整地クラッチ88を有するロータ駆動ユニット86を備えている。歯車式副変速機構42から自在継手軸46に伝達された動力はロータ駆動ユニット86にも分岐して伝達され、ロータ駆動ユニット86から自在継手軸87を介して整地ロータ85に動力伝達される。整地ロータ85の回転駆動によって圃場面が均される。
苗植付装置23に向かう分岐動力は、自在継手軸付きのPTO伝動軸機構74を介して株間変速ケース75に伝達される。株間変速ケース75内には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とを備えている。株間変速ケース75に伝達された動力は、株間変速機構76、植付クラッチ77及び自在継手軸78を介して植付入力ケース26に伝達される。
植付入力ケース26内には、苗載台を横送り移動させる横送り機構79と、苗載台29上の苗マットを縦送り搬送させる苗縦送り機構80と、植付入力ケース26から各植付伝動ケース27に動力伝達する植付出力軸81とを備えている。植付入力ケース26に伝達された動力によって、横送り機構79及び苗縦送り機構80が駆動し、苗載台29を連続的に往復で横送り移動させ、苗載台29が往復移動端(往復移動の折返し点)に到達したときに苗載台29上の苗マットを間欠的に縦送り搬送する。植付入力ケース26から植付出力軸81を経由した動力は各植付伝動ケース27に伝達され、各植付伝動ケース27のロータリケース31並びに植付爪30を回転駆動させる。なお、施肥装置を設ける場合は株間変速ケース75から施肥装置に動力伝達される。
次に、図6を参照しながら、田植機1の油圧回路構造について説明する。田植機1の油圧回路90には、油圧無段変速機40の構成要素である油圧ポンプ40a及び油圧モータ40bと、チャージポンプ91及び作業ポンプ92とを備える。油圧ポンプ40a、チャージポンプ91及び作業ポンプ92がエンジン5の動力によって駆動する。油圧ポンプ40aと油圧モータ40bとは、閉ループ油路93を介してそれぞれの吸入側及び吐出側に接続している。チャージポンプ91を閉ループ油路93に接続している。走行変速ペダル12の踏み込み量に応じた変速電動モータの駆動によって、油圧ポンプ40aの斜板角度を調節し、油圧モータ40bを正転又は逆転駆動させるように構成している。
作業ポンプ92は、操縦ハンドル14の操作を補助するパワーステアリングユニット66に接続している。パワーステアリングユニット66は、操向油圧切換弁94及び操向油圧モータ95を備えている。操縦ハンドル14の操作によって操向油圧切換弁94を切換作動させて操向油圧モータ95を駆動させ、操縦ハンドル14の操作を補助する。その結果、左右前車輪3を小さい操作力で簡単に操舵できる。
パワーステアリングユニット66はフローデバイダ96に接続している。フローデバイダ96は第一油路97と第二油路98とに分岐している。第一油路97は、昇降シリンダ39に作動油を供給する昇降切換弁99に接続している。昇降切換弁99は、昇降シリンダ39に作動油を供給する供給位置99aと、昇降シリンダ39から作動油を排出する排出位置99bとの二位置に切換可能な四ポート二位置切換形の機械式切換弁である。作業レバー16の操作で昇降切換弁99を切換作動させて昇降シリンダ39を伸縮動させることによって、昇降リンク機構22を介して苗植付装置23が昇降動する。なお、フローデバイダ96や昇降切換弁99は、ミッションケース6後部に設けたバルブユニット89内に収容している。
昇降切換弁98から昇降シリンダ39に至るシリンダ油路100中に電磁開閉弁101を設けている。電磁開閉弁101は、昇降シリンダ39に対して作動油を給排する開位置101aと、昇降シリンダ39に対する作動油の給排を停止する閉位置101bとの二位置に切換可能な電磁制御弁である。従って、電磁ソレノイド102を励磁して電磁開閉弁101を開位置101aにすると、昇降シリンダ39は伸縮動可能になり、苗植付装置23が昇降動可能になる。電磁ソレノイド102を非励磁にして戻しバネ103によって電磁開閉弁101を閉位置101bにすると、昇降シリンダ39は伸縮動不能に保持され、苗植付装置23が任意の高さ位置で昇降停止する。
なお、シリンダ油路100のうち電磁開閉弁101と昇降シリンダ39との間には、アキュムレータ油路104を介してアキュムレータ105を接続している。昇降シリンダ39内の急激な作動油圧変動の際は、アキュムレータ105によって作動油圧変動を吸収し、昇降切換弁99及び電磁開閉弁101の組合せによって、昇降シリンダ39をスムーズに伸縮動させ、苗植付装置23を軽快に昇降動させる。
フローデバイダ96の第二油路98は、苗植付装置23の左右傾斜姿勢を制御するローリング制御ユニット106に接続している。ローリング制御ユニット106には、ローリングシリンダ108に作動油を供給する電磁制御弁107を内蔵している。電磁制御弁107の切換作動によって、ローリング制御ユニット106に一体的に設けたローリングシリンダ108を作動させる結果、苗植付装置23が水平姿勢に保持される。なお、田植機1の油圧回路90は、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルフィルタ等も備えている。
図7から図9に示すように、リヤアクスルケース9内には、筒状フレーム8に沿って延びる自在継手軸46に連結するリヤ入力軸242を有するリヤ入力ユニット241と、リヤ入力軸242の動力を左右の歯車式伝動機構49及び後車軸37経由で後車輪4に伝達するリヤ駆動軸47と、リヤ駆動軸47の左右両側にそれぞれ配置したサイドクラッチ(主継断部材)48と、サイドクラッチ48よりも左右外側でリヤ駆動軸47の左右両側にそれぞれ配置した四駆旋回用クラッチ(副継断部材)111及び減速機構131と、リヤ入力軸242の動力が分岐して伝達される整地駆動軸243や整地クラッチ88を有するロータ駆動ユニット86とを備えている。
サイドクラッチ48は、摩擦板151とスチールプレート152を交互に配置した構造を有し、サイドクラッチケース121にスチールプレート152が固定され、リヤ駆動軸47に摩擦板151が固定される。四駆旋回用クラッチ111は、摩擦板161とスチールプレート162を交互に配置した構造を有し、後述する減速機構131のインターナルギヤ134に摩擦板161が固定され、後車軸ケース蓋244にスチールプレート152が左右方向にスライド可能に固定される。前後方向に延びるリヤ入力軸242は、リヤアクスルケース9のうち筒状フレーム8を挟んで左側に設けている。左右長手のリヤ駆動軸47はリヤ入力軸242の後方に配置している。整地駆動軸243は、自在継手軸87を介して整地ロータ85に連結される。
リヤアクスルケース9の左右外側(後述する後ろ車軸ケース部9bの左右外側)には、後車軸37を軸支する後車軸ケース蓋244を取り付けている。後車軸ケース蓋244内には、歯車式伝動機構49、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を配置している。歯車式伝動機構49はリヤ駆動軸47の動力を後車軸37に伝達する。後車軸ケース蓋244の左右外側には、四駆旋回用クラッチ111に左右方向で対峙する位置に、着脱可能な蓋部材247を設けている。
リヤアクスルケース9は、リヤ入力軸242を収容する入力軸ケース部9aと、後車軸37を軸支する左右の後車軸ケース部9bと、リヤ駆動軸47を収容する本体ケース部9cとによって外形形状を形成している。入力軸ケース部9aには、前向きに開口した前向き軸穴251を形成している。前向き軸穴251内にリヤ入力ユニット241を着脱可能に挿嵌している。リヤ入力ユニット241は、前向き軸穴251に沿って前後に延びるリヤ入力軸242と、リヤ駆動軸47に動力伝達するリヤ駆動軸用ベベルギヤ255と、整地駆動軸243に動力伝達する整地駆動軸用平ギヤ256とを備えている。
リヤ駆動軸用ベベルギヤ255及び整地駆動軸用平ギヤ256はリヤ入力軸242の後端側に設けている。リヤ駆動軸用ベベルギヤ255は、リヤ駆動軸47に設けた連動用ベベルギヤ257に噛み合っている。整地駆動軸用平ギヤ256は、整地駆動軸243に設けた連動用平ギヤ258に噛み合っている。なお、整地駆動軸用平ギヤ256の歯先円直径は前向き軸穴251の内径よりも小さい。
図8及び図9に示すように、リヤ駆動軸47の左右端部側にサイドクラッチ48を設けている。各サイドクラッチ48の左右内側に、サイドクラッチ48を入り切り作動させるサイドクラッチ操作部材259及びサイドクラッチ用カム軸261を配置している。サイドクラッチ48は多板式構造のものであり、操縦ハンドル14を所定操舵角以上に操向操作すると切り作動するように構成している。サイドクラッチ48の接続状態時に、リヤ駆動軸47の回転駆動力がサイドクラッチ48及び減速ギヤ122を介して歯車式伝動機構49に伝達される。サイドクラッチ操作部材259はリヤ駆動軸47上にスライド自在に支持され、サイドクラッチ操作部材259の左右内側にサイドクラッチ用カム軸261の下端側カム面が当接される。
また、サイドクラッチ48よりも左右外側でリヤ駆動軸47の左右両側に、外側から順に多板式構造の四駆旋回用クラッチ111と遊星歯車式の減速機構131を設けている。減速機構131は、リヤ駆動軸47に固定されるサンギヤ132と、サンギヤ132にプラネタリギヤ133を介して連結されるインターナルギヤ134と、プラネタリギヤ133を軸支すると共に減速ギヤ122に固定されるキャリア135を有する。各四駆旋回用クラッチ111の左右外側に、四駆旋回用クラッチ111を入り切り作動させる四駆旋回用操作部材113及び四駆旋回用カム軸112を配置している。四駆旋回用クラッチ111は、操縦ハンドル14を所定操舵角以上に回動操作すると入り作動するように構成している。減速機構131は、四駆旋回用クラッチ111の入り作動時に、リヤ駆動軸47の回転駆動力を減速して歯車式伝動機構49に伝達する。四駆旋回用操作部材113は、後車軸ケース蓋244にリヤ駆動軸47の軸方向でスライド自在に支持され、四駆旋回用操作部材113の左右外側に四駆旋回用カム軸112の下端側カム面が当接される。
この実施形態では、左右のサイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131をリヤ駆動軸47上に配置しているので、サイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131をリヤアクスルケース9内で同一軸上にコンパクトに配置できると共に、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を備えていない構成から大幅な変更をせずに四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を配置できる。また、サイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131をリヤアクスルケース9内にコンパクトに配置できることから、リヤアクスルケース9のサイズ及び重量を大幅には増加させることはない。
次に、サイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111の入り切り作動について説明する。図3及び図4に示すように、パワーステアリングユニット66の下面から下向き突出した操舵出力軸262の下端部に取り付けられたステアリングアーム263に、前後に延びる中間ロッド264の前端側を連結している。中間ロッド264の後端側は、リヤアクスルケース9の下面側に配置した回動アーム265の一端側に連結している。中間ロッド264は操舵出力軸262の回動に連動して前後に押し引き移動するように構成している。
図7にも示すように、回動アーム265の他端側は、リヤアクスルケース9を上下に貫通する中継支点軸266の下端側に固定している。中継支点軸266の上端側は、リヤアクスルケース9の上面側に配置した作動アーム(カム部材)267に固定している。回動アーム265と中継支点軸266と作動アーム267とは中継支点軸266回りに一体的に回動する。操縦ハンドル14を操向操作すると、これに連動して中間ロッド264が前後方向に押し引き移動し、回動アーム265と共に作動アーム267が中継支点軸266回りに回動する。
作動アーム267は、中継支点軸266の上端側が固着される左右横長のサイドクラッチ作動アーム267aと、サイドクラッチ作動アーム267aにボルト締結される略U字形板状の四駆旋回用作動アーム267bと、四駆旋回用作動アーム267bの左右端部にボルト締結される左右一対の四駆旋回用作動カム267cを有する。サイドクラッチ作動アーム267aの左右端部は、左右一対のサイドクラッチ操作アーム268の先端側に設けたローラ268aに接離可能に配置している。各サイドクラッチ操作アーム268の基端側は、サイドクラッチ用カム軸261のうちリヤアクスルケース9(本体ケース部9c)の上面から上向きに突出した突出端部に固定している。サイドクラッチ用カム軸261及びサイドクラッチ操作アーム268はサイドクラッチ操作機構(主継断操作機構)260を構成する。
左右一対の四駆旋回用作動カム267cは、左右一対の四駆旋回用中間操作アーム269の基端側に設けたローラ269aに接離可能に配置している。リヤアクスルケース9前面に固定されたアームブラケット270に、四駆旋回用中間操作アーム269の基端部を、上下縦長のピン部材269bを介して回動可能に軸支している。
四駆旋回用中間操作アーム269の先端側には、ワイヤ連結片271を介して四駆旋回用操作ワイヤ272の一端側を連結している。四駆旋回用操作ワイヤ272の他端側は、後車軸ケース蓋244の上面に設けた左右横長の四駆旋回用操作アーム275の先端側に、ワイヤ連結片273及びバネ274を介して連結している。各四駆旋回用操作アーム275の基端側は、四駆旋回用カム軸112のうちリヤアクスルケース9の後車軸ケース蓋244の上面から上向きに突出した突出端部に固定している。四駆旋回用カム軸112、四駆旋回用中間操作アーム269、ワイヤ連結片271,273、四駆旋回用操作ワイヤ272、バネ274及び四駆旋回用操作アーム275は四駆旋回用操作機構(副継断操作機構)280を構成する。
作動アーム267は、中継支点軸266回りの回動によって、サイドクラッチ操作アーム268がいずれのサイドクラッチ作動アーム267aにも非接触な位置か、若しくは、サイドクラッチ作動アーム267aがいずれか一方のサイドクラッチ操作アーム268を押圧する位置に変位する。各サイドクラッチ操作アーム268の基端側に固定されたサイドクラッチ用カム軸261の下端側カム面をサイドクラッチ操作部材259に当接させている。サイドクラッチ用カム軸261の回動によってサイドクラッチ操作部材259がリヤ駆動軸47上でスライドされて、サイドクラッチ48は入り切り作動する。
また、作動アーム267は、中継支点軸266回りの回動によって、サイドクラッチ作動アーム267aが一方のサイドクラッチ操作アーム268のローラ268aに接触した後、さらに同じ方向へ回動されることにより、サイドクラッチ作動アーム267aとローラ268aとの接触部に対して対角に位置する四輪旋回用作動カム267cが四輪旋回用中間操作アーム269のローラ269aを押圧し、四輪旋回用中間操作アーム269を水平回動させる。四輪旋回用中間操作アーム269の回動に伴って四駆旋回用操作ワイヤ272が引かれ、ワイヤ連結片271、四駆旋回用操作ワイヤ272、ワイヤ連結片273及びバネ274を介して四輪旋回用中間操作アーム269に連結された四駆旋回用操作アーム275が回動する。各四駆旋回用操作アーム275の基端側は四駆旋回用カム軸112の上端側に固定されており、四駆旋回用カム軸112の下端側カム面を四駆旋回用クラッチ111の左右外側に当接させている。四駆旋回用カム軸112の回動によって四駆旋回用クラッチ111は入り切り作動する。
このように、サイドクラッチ操作機構260の遮断操作と、四駆旋回用操作機構280の接続操作との両方を、作動アーム267の左右回動によって実行するように構成している。これにより、少ない部品点数でサイドクラッチ操作機構260と四駆旋回用操作機構280の操作を実現できると共に、単一の作動アーム267でサイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111の入り切り時期を精度よく実現できる。
また、四駆旋回用クラッチ111の伝達トルク容量をサイドクラッチ48のそれよりも小さく設定している。これにより、旋回内側の後車輪4の減速時に、後車軸37がロックしても四駆旋回用クラッチ111が滑ることで駆動系を保護できる。また、例えば調整を誤るなどしてサイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111の両方が同時に接続状態になったとしても、伝達トルク容量が小さい四駆旋回用クラッチ111が滑ることでサイドクラッチ48が保護される。また、四駆旋回用クラッチ111をサイドクラッチ48よりも左右外側に配置することで、四駆旋回用クラッチ111の故障や劣化により四駆旋回用クラッチ111の修理や交換の必要が生じたときに、四駆旋回用クラッチ111を容易に取り外すことができ、四駆旋回用クラッチ111の修理や交換の作業性が向上する。さらに、後車軸ケース蓋244の左右外側には、四駆旋回用クラッチ111に左右方向で対峙する位置に、着脱可能な蓋部材247を設けているので、蓋部材247を取り外すことで、四駆旋回用クラッチ111を容易に取り外すことができる。
また、サイドクラッチ作動アーム267aの左右両端部は、中継支点軸266を中心とした円弧面に形成され、中継支点軸266を中心としてサイドクラッチ作動アーム267aが水平回動してサイドクラッチ作動アーム267aとサイドクラッチ操作アーム268のローラ268aが接触した以後はサイドクラッチ操作アーム268を一定回動位置に保ってサイドクラッチ48の切り操作量を一定保持させるように構成している。また、四輪旋回用作動カム267cにおけるローラ269aとの接触部は、中継支点軸266を中心とした円弧面に形成され、中継支点軸266を中心として四輪旋回用作動カム267cが水平回動して四輪旋回用作動カム267cと四輪旋回用中間操作アーム269のローラ269aが接触した以後は四輪旋回用中間操作アーム269を一定回動位置に保って四駆旋回用クラッチ111の入り操作量を一定保持させるように構成している。また、操作アーム269,275のオーバーストローク分を引張コイルバネ等のバネ274で吸収して、操作アーム269,275やワイヤ連結片271,273、操作ワイヤ272、カム軸112等に過剰な負荷がかからないようにしている。これにより、四駆旋回用操作機構280の各部材の変形や破損が防止される。
例えば、圃場の枕地等で方向転換するにあたり、操縦ハンドル14(図1及び図2参照)を所定操舵角以上に左へ(反時計回りに)操向操作すると、中間ロッド264が引かれて、回動アーム265及び中継支点軸266を介して作動アーム267が平面視で反時計回りに回動し、図10に示すように、作動アーム267のサイドクラッチ作動アーム267aの左端部が旋回内側(左側)のサイドクラッチ操作アーム268のローラ268aを押圧する。左側のサイドクラッチ操作アーム268が押圧されると、左側のサイドクラッチ用カム軸261が回動して左側のサイドクラッチ操作部材259が左側へ変位し、旋回内側(左側)のサイドクラッチ48を切り作動させる。左側のサイドクラッチ48が遮断状態になった後、作動アーム267の右側の四駆旋回用作動カム267cが右側の四駆旋回用中間操作アーム269のローラ269aを押圧し、四駆旋回用中間操作アーム269の先端部に連結された左側の四駆旋回用操作ワイヤ272が引かれて、左側の四駆旋回用操作アーム275が回動する。これに伴って、左側の四駆旋回用カム軸112が回動して四駆旋回用操作部材113が右側へ変位し、旋回内側(左側)の四駆旋回用クラッチ111を入り作動させる。なお、旋回外側(右側)のサイドクラッチ48は接続状態(入り状態)であり、旋回外側(右側)の四駆旋回用クラッチ111は解放状態(切り状態)である。
また、操縦ハンドル14を所定操舵角以上に右へ(時計回りに)操向操作すると、中間ロッド264が押されて、回動アーム265及び中継支点軸266を介して作動アーム267が平面視で時計回りに回動し、図11に示すように、作動アーム267のサイドクラッチ作動アーム267aの右端部が旋回内側(右側)のサイドクラッチ操作アーム268のローラ268aを押圧し、旋回内側(右側)のサイドクラッチ48を切り作動させる。右側のサイドクラッチ48が遮断状態になった後、作動アーム267の左側の四駆旋回用作動カム267cが左側の四駆旋回用中間操作アーム269のローラ269aを押圧し、右側の四駆旋回用操作ワイヤ272が引かれて、右側の四駆旋回用操作アーム275が回動する。これに伴って、右側の四駆旋回用カム軸112が回動して、旋回内側(右側)の四駆旋回用クラッチ111を入り作動させる。なお、旋回外側(左側)のサイドクラッチ48は接続状態であり、旋回外側(左側)の四駆旋回用クラッチ111は解放状態である。
操縦ハンドル14が所定操舵角未満のとき、左右のサイドクラッチ48は接続状態、且つ、左右の四駆旋回用クラッチ111は解放状態である。このとき、リヤ駆動軸47は、リヤ駆動軸47に回転自在に軸支される減速ギヤ122に、サイドクラッチ48を介して連結される。ここで、サイドクラッチ48のサイドクラッチカバー121は減速ギヤ122に固定されており、リヤ駆動軸47は、サイドクラッチ48と減速ギヤ122と中間ギヤ123を介して中間軸124に連結される。中間軸124は、中間軸ギヤ125とファイナルギヤ126を介して後車軸37に連結される。リヤ駆動軸47の回転駆動力は、減速ギヤ122及び中間ギヤ123と、中間軸ギヤ125及びファイナルギヤ126とでそれぞれ減速されて、後車軸37に伝達される。なお、遊星歯車式の減速機構131において、リヤ駆動軸47に固定されたサンギヤ132と、減速ギヤ122を介してサイドクラッチケース121に固定されたキャリア135は、回転方向及び回転速度が同じになるので、キャリア135に軸支されたプラネタリギヤ133は自転しない。また、四駆旋回用クラッチ111が解放状態なので、インターナルギヤ134は固定されない。したがって、減速機構131は、リヤ駆動軸47、サイドクラッチ48及び減速ギヤ122と同じ回転方向且つ回転速度で、一体で回転する。
操縦ハンドル14が所定操舵角以上のとき、旋回内側のサイドクラッチ48は遮断状態(切り状態)、且つ、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111は接続状態であり、リヤ駆動軸47は旋回内側の減速機構131を介して旋回内側の減速ギヤ122に連結される。四駆旋回用クラッチ111が接続状態のとき、リヤ駆動軸47に回転自在に軸支されたインターナルギヤ134は後車軸ケース244に固定される。リヤ駆動軸47に固定されたサンギヤ132の回転に伴ってプラネタリギヤ133が自転しつつ公転して、プラネタリギヤ133を軸支するキャリア135がサンギヤ132の回転と同じ方向に回転する。これにより、リヤ駆動軸47は、サンギヤ132、プラネタリギヤ133及びキャリア135を介して減速ギヤ122に連結される。リヤ駆動軸47の回転駆動力は、減速機構131と、減速ギヤ122及び中間ギヤ123と、中間軸ギヤ125及びファイナルギヤ126とでそれぞれ減速されて、後車軸37に伝達される。なお、減速ギヤ122に固定されたサイドクラッチケース121は、リヤ駆動軸47よりも遅い回転速度でリヤ駆動軸47と同じ回転方向に回転する。この実施形態では、減速機構131の減速比は、操縦ハンドル14が所定操舵角以上のときの旋回時に旋回内側の後車輪4がほとんどスリップしない減速比に設定される。例えば、サンギヤ132とプラネタリギヤ133の歯数を同じにすれば、減速機構131の減速比は1/4となる。
このように、操縦ハンドル14が所定操舵角以上のときに、旋回内側のサイドクラッチ48の遮断作動に伴い、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111が接続作動して、旋回内側の後車輪4に向かう動力が減速機構131を経由して、旋回内側の後車輪4を旋回外側の後車輪4よりも低速で駆動させる。これにより、田植機1の旋回性能が向上すると共に、常時四輪駆動で旋回でき、旋回内側の走行部が回転せずにその場で向きを変えて地面を掘る状態をなくして、旋回内側の後車輪4が旋回時に圃場を荒らす状態を低減できる。また、常時四輪駆動で旋回するので、田植機1の沈没を低減できる。なお、操縦ハンドル14を所定操舵角未満に操向操作した場合、サイドクラッチ48は旋回内側及び旋回外側の両方とも動力接続状態に保持される。このため、操縦ハンドル14の操向操作によって大きく蛇行走行するのを防止でき、条合わせ操縦性能(直進走行性能)が高い。
実施形態では、操縦ハンドル14を所定操舵角以上に操向操作するとき、旋回内側のサイドクラッチ48が動力遮断状態になると同時に旋回内側の四駆旋回用クラッチ111が入り作動(接続作動)するように、作動アーム267と左右のサイドクラッチ操作機構260と左右の四駆旋回用操作機構280が関連されている。これにより、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111の両方が同時に入り状態(接続状態)になるのを防止でき、サイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111の損傷を防止できる。さらに、サイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111の劣化を少なくして寿命の長くできる。
図12は、他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。この実施形態では、図9に示した上記実施形態と比較して、減速ギヤ122が四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131よりも左右外側に配置されると共に、減速ギヤ122に噛み合う中間ギヤ123が中間軸ギヤ125よりも左右外側に配置される。また、サイドクラッチ48のサイドクラッチケース121は減速機構131のインターナルギヤ134に固定される。
操縦ハンドル14が所定操舵角未満のとき、サイドクラッチ48は接続状態、且つ、四駆旋回用クラッチ111は解放状態であり、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、サイドクラッチ48及び一体回転する減速機構131を介して減速ギヤ122に伝達される。サンギヤ132とインターナルギヤ134は回転方向及び回転速度が同じになるので、プラネタリギヤ133は自転せず、減速機構131は一体で回転し、減速機能を発揮しない。なお、四駆旋回用クラッチ111が解放状態なので、インターナルギヤ134は固定されない。したがって、リヤ駆動軸47、サイドクラッチ48、減速ギヤ122及び減速機構131は同じ回転方向且つ回転速度で回転する。
操縦ハンドル14が所定操舵角以上のとき、旋回内側のサイドクラッチ48は遮断状態、且つ、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111は接続状態であり、リヤ駆動軸47は旋回内側の減速機構131を介して旋回内側の減速ギヤ122に連結される。四駆旋回用クラッチ111の接続作動によりインターナルギヤ134が後車軸ケース244に固定され、リヤ駆動軸47に固定されたサンギヤ132の回転に伴ってプラネタリギヤ133が自転しつつ公転して、プラネタリギヤ133を軸支するキャリア135がサンギヤ132の回転と同じ方向に回転する。これにより、リヤ駆動軸47は、サンギヤ132、プラネタリギヤ133及びキャリア135を介して減速ギヤ122に連結される。そして、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、減速機構131により減速されて、減速ギヤ122に伝達される。なお、サイドクラッチケース121は、インターナルギヤ134及び四駆旋回用クラッチ111を介して後車軸ケース244に固定されるので、回転しない。
実施形態における四駆旋回用クラッチ111は、多板式構造のものに限定されず、例えば、ドグクラッチなどの咬み合いクラッチ141(図13参照)であってもよい。また、四駆旋回用クラッチ111に替えて、円筒内周に摩擦材を押し付ける内拡式のドラムブレーキ142(図14参照)や、円筒外周を摩擦材で締め付けるバンドブレーキ143(図15)を配置してもよい。咬み合いクラッチ141、ドラムブレーキ142及びバンドブレーキ143は、接続作動時に、インターナルギヤ134を後車軸ケース蓋244に固定する。咬み合いクラッチ141、ドラムブレーキ142及びバンドブレーキ143の作動は、四駆旋回用操作アーム275(図7参照)の回動により操作される。また、咬み合いクラッチ141、ドラムブレーキ142及びバンドブレーキ143の伝達トルク容量(制動トルク容量)は、サイドクラッチ48のそれよりも小さいことが好ましい。なお、同様の構成は、図9に示した上記実施形態にも適用できる。
図16は、さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。この実施形態では、図12に示した上記実施形態と比較して、サイドクラッチ用カム軸261の回動によりサイドクラッチ48のサイドクラッチケース121を変位させることで、サイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111の入り切り操作を単一のサイドクラッチ用カム軸261で行うように構成している。サイドクラッチ48内に配置された弾性部材(図示省略)により、サイドクラッチケース121が左右内側へ押されて、スチールプレート152が摩擦板151に押圧され、サイドクラッチ48が接続状態になる。サイドクラッチ用カム軸261の回動によりサイドクラッチ操作部材259を介してサイドクラッチケース121が左右外側へ押圧され、スチールプレート152が左右外側へスライドして、サイドクラッチ48が遮断状態になる。
サイドクラッチケース121には、減速機構131のインターナルギヤ134が固定される。インターナルギヤ134には、四駆旋回用クラッチ111の摩擦板161が固定される。車輪軸ケース蓋244に、四駆旋回用クラッチ111のスチールプレート152が固定される。サイドクラッチ48の接続状態時には、摩擦板161はスチールプレート152に押圧されずに四駆旋回用クラッチ111が解放状態になる一方、サイドクラッチ48が遮断状態になると同時に摩擦板161がスチールプレート152に押圧されて、四駆旋回用クラッチ111が接続状態になるように構成されている。
この実施形態では、単一のサイドクラッチ用カム軸261でサイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111の入り切り操作を行うので、両クラッチ48,111の入り切り時期を精度よく実現できる。また、四駆旋回用操作機構280(四駆旋回用カム軸112、四駆旋回用中間操作アーム269、ワイヤ連結片271,273、四駆旋回用操作ワイヤ272、バネ274及び四駆旋回用操作アーム275)やアームブラケット270が不要になると共に、作動アーム267の四駆旋回用作動アーム267b及び四駆旋回用作動カム267cが不要になるので、少ない部品点数で両クラッチ48,111の操作を実現でき、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131の追加搭載に伴う製造コストの増加を少なくできる。
図17は、さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。この実施形態では、四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131が減速ギヤ122及びサイドクラッチ48よりも左右内側に配置されると共に、サイドクラッチ48が減速ギヤ122よりも左右外側に配置される。減速ギヤ122は、サイドクラッチ48のサイドクラッチケース121及び減速機構131のキャリア135に固定される。減速機構131のインターナルギヤ134はリヤアクスルケース9又は後車軸ケース244に固定される。サンギヤ132は、四駆旋回用クラッチ111の四駆旋回用クラッチケース114に固定される。サンギヤ132及び四駆旋回用クラッチケース114は、リヤ駆動軸47に回転自在に軸支される。四駆旋回用クラッチ111の摩擦板161は、リヤ駆動軸47の軸方向に摺動自在でかつリヤ駆動軸47と一緒に回転するように、リヤ駆動軸47に支持される。
操縦ハンドル14が所定操舵角未満のとき、サイドクラッチ48は接続状態、且つ、四駆旋回用クラッチ111は解放状態になり、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、サイドクラッチ48を介して減速ギヤ122に伝達される。他方、操縦ハンドル14が所定操舵角以上のとき、旋回内側のサイドクラッチ48は遮断状態、且つ、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111は接続状態であり、リヤ駆動軸47は旋回内側の四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を介して旋回内側の減速ギヤ122に連結される。四駆旋回用クラッチ111の接続作動により、サンギヤ132が四駆旋回用クラッチ111を介してリヤ駆動軸47に連結され、サンギヤ132の回転に伴ってプラネタリギヤ133が自転しつつ公転して、プラネタリギヤ133を軸支するキャリア135がサンギヤ132の回転と同じ方向に回転する。これにより、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、四駆旋回用クラッチ111、サンギヤ132、プラネタリギヤ133及びキャリア135を介して、減速機構131で減速されて、減速ギヤ122に伝達される。なお、サイドクラッチケース121は、減速ギヤ122に固定されるので、リヤ駆動軸47よりも遅い回転速度でリヤ駆動軸47と同じ回転方向に回転する。
なお、図7も参照して説明すると、サイドクラッチ48の左右外側に配置されるサイドクラッチ用カム軸261の上端部は、操作アーム275に連結され、四駆旋回用クラッチ111の四駆旋回用カム軸112の上端部は、操作アーム268に連結される。この場合、サイドクラッチ48は操作機構280により継断操作され、四駆旋回用クラッチ111は操作機構260により継断操作される。そして、両操作機構260,280及び作動アーム267の各部材が位置調節又は形状変更されて、操縦ハンドル14を所定操舵角以上に操向操作するときに、サイドクラッチ48が遮断作動し、サイドクラッチ48が遮断状態になると同時に四駆旋回用クラッチ111が接続作動するように、両操作機構260,280及び作動アーム267が関連される。
この実施形態では、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48の遮断作動に伴い、旋回内側の後車輪4に対する四駆旋回用クラッチ111を接続作動させることによって、旋回内側の後車輪4に向かう動力が四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を経由して、旋回内側の後車輪4を旋回外側の後車輪4よりも低速で駆動させる。これにより、常時四輪駆動で旋回でき、旋回内側の後車輪4が回転せずにその場で向きを変えて地面を掘る状態をなくして、旋回内側の後車輪4が旋回時に作業地を荒らす状態を低減できる。
なお、旋回内側の後車輪4に向かう動力が四駆旋回用クラッチ111及び減速機構131を経由するこの実施形態のような構成は、図9及び図12から図16に示した各実施形態に適用できる。また、図9及び図12から図16に示した各実施形態において、四駆旋回用クラッチ111をサイドクラッチ48よりも左右内側に配置するように構成してもよい。
図18は、さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。この実施形態では、図9に示した上記実施形態と比較して、遊星歯車式の減速機構111に替えて、2段減速機構171が配置されている。2段減速機構171は、リヤ駆動軸47に連結する第1減速駆動ギヤ172と、第1減速駆動ギヤ172に噛み合う第1減速従動ギヤ173を有する2段プラネタリギヤ174と、2段プラネタリギヤ174に設けた第2減速駆動ギヤ175に噛み合うと共にリヤ駆動軸47に遊嵌される第2減速従動ギヤ176と、2段プラネタリギヤ174を軸支すると共にリヤ駆動軸47に遊嵌されるキャリア177を有する。第2減速従動ギヤ176は減速ギヤ122に固定される。キャリア177には、四駆旋回用クラッチ111の摩擦板161がキャリア177と一緒に回転するようにして連結される。
操縦ハンドル14が所定操舵角未満のとき、サイドクラッチ48は接続状態、且つ、四駆旋回用クラッチ111は解放状態であり、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、サイドクラッチ48を介して減速ギヤ122に伝達される。なお、2段減速機構171において、リヤ駆動軸47に固定された第1減速駆動ギヤ172と減速ギヤ122に固定された第2減速従動ギヤ176は、回転方向及び回転速度が同じになるので、2段プラネタリギヤ174は自転しない。また、四駆旋回用クラッチ111は解放状態なので、キャリア177は固定されない。したがって、2段減速機構171は、リヤ駆動軸47、サイドクラッチ48及び減速ギヤ122と同じ回転方向且つ回転速度で、一体で回転する。
操縦ハンドル14が所定操舵角以上のとき、旋回内側のサイドクラッチ48は遮断状態、且つ、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111は接続状態であり、リヤ駆動軸47は旋回内側の減速機構131を介して旋回内側の減速ギヤ122に連結される。四駆旋回用クラッチ111の接続作動により、キャリア177が四駆旋回用クラッチ111を介して後車軸ケース244に固定される。リヤ駆動軸47に固定された第1減速駆動ギヤ172の回転に伴って2段プラネタリギヤ174(第1減速従動ギヤ173及び第2減速駆動ギヤ175)が第1減速駆動ギヤ172とは反対の回転方向に回転する。そして、第2減速駆動ギヤ175に噛み合う第2減速駆動ギヤ175と、第2減速駆動ギヤ175に固定された減速ギヤ122が第1減速駆動ギヤ172と同じ回転方向に回転する。リヤ駆動軸47の回転駆動力は、2段減速機構171で減速されて、減速ギヤ122に伝達される。この実施形態では、2段減速機構171の減速比は、操縦ハンドル14が所定操舵角以上のときの旋回時に旋回内側の後車輪4がほとんどスリップしない減速比に設定される。例えば、第1減速駆動ギヤ172及び第1減速従動ギヤ173の減速比と、第2減速駆動ギヤ175及び第2減速従動ギヤ176の減速比が、それぞれ1/2であるとすれば、第2減速機構171の減速比は1/4となる。
この実施形態では、旋回内側のサイドクラッチ48の遮断作動に伴い、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111を接続作動させることによって、旋回内側の後車輪4に向かう動力が2段減速機構171を経由して、旋回内側の後車輪4を旋回外側の後車輪4よりも低速で駆動させる。これにより、常時四輪駆動で旋回でき、旋回内側の後車輪4が回転せずにその場で向きを変えて地面を掘る状態をなくして、旋回内側の後車輪4が旋回時に作業地を荒らす状態を低減できる。
図19は、さらに他の実施形態における後車輪への伝動機構を示す駆動系統図である。この実施形態では、図18に示した上記実施形態と比較して、減速ギヤ122が四駆旋回用クラッチ111及び2段減速機構171よりも左右外側に配置されると共に、減速ギヤ122に噛み合う中間ギヤ123が中間軸ギヤ125よりも左右外側に配置される。また、サイドクラッチ48のサイドクラッチケース121は2段減速機構171のキャリア177に固定される。
操縦ハンドル14が所定操舵角未満のとき、サイドクラッチ48は接続状態、且つ、四駆旋回用クラッチ111は解放状態であり、リヤ駆動軸47の回転駆動力は、サイドクラッチ48及び一体回転する2段減速機構171を介して減速ギヤ122に伝達される。リヤ駆動軸47に固定される第1減速駆動ギヤ172と、サイドクラッチ48を介してリヤ駆動軸47に連結されるキャリア177は、回転方向及び回転速度が同じになるので、2段プラネタリギヤ174は自転せず、2段プラネタリギヤ174の第2減速駆動ギヤ175に噛み合う第2減速従動ギヤ176がキャリア177と同じ回転方向及び回転速度で回転する。このように、2段減速機構171は一体で回転し、減速機能を発揮しない。なお、四駆旋回用クラッチ111は解放状態なので、キャリア177は固定されない。したがって、リヤ駆動軸47、サイドクラッチ48、減速ギヤ122及び2段減速機構171は同じ回転方向且つ回転速度で回転する。
操縦ハンドル14が所定操舵角以上のとき、旋回内側のサイドクラッチ48は遮断状態、且つ、旋回内側の四駆旋回用クラッチ111は接続状態であり、リヤ駆動軸47は旋回内側の2段減速機構171を介して旋回内側の減速ギヤ122に連結される。四駆旋回用クラッチ111の接続作動により、キャリア177が四駆旋回用クラッチ111を介して後車軸ケース244に固定される。リヤ駆動軸47に固定された第1減速駆動ギヤ172の回転に伴って2段プラネタリギヤ174(第1減速従動ギヤ173及び第2減速駆動ギヤ175)が第1減速駆動ギヤ172とは反対の回転方向に回転する。そして、第2減速駆動ギヤ175に噛み合う第2減速駆動ギヤ175と、第2減速駆動ギヤ175に固定された減速ギヤ122が第1減速駆動ギヤ172と同じ回転方向に回転する。リヤ駆動軸47の回転駆動力は、2段減速機構171で減速されて、減速ギヤ122に伝達される。なお、サイドクラッチケース121は、キャリア177及び四駆旋回用クラッチ111を介して後車軸ケース244に固定されるので、回転しない。
図18及び図19に示した各実施形態で、四駆旋回用クラッチ111は、図13から図15に示した各実施形態のように、咬み合いクラッチ141や、内拡式のドラムブレーキ142、バンドブレーキ143などであってもよい。また、図18及び図19に示した各実施形態でも、四駆旋回用クラッチ111の伝達トルク容量は、サイドクラッチ48のそれよりも小さいことが好ましい。なお、四駆旋回用クラッチ111や咬み合いクラッチ141、内拡式のドラムブレーキ142、バンドブレーキ143の伝達トルク容量又は制動トルク容量は、サイドクラッチ48のそれと同じであってもよいし、サイドクラッチ48のそれよりも大きくてもよい。また、図18及び図19に示した各実施形態における2段減速機構171は、図9及び図12から図17に示した各実施形態に適用できる。
以上、実施形態で説明したように、作業車の一例としての田植機1は、エンジン5を搭載した走行機体2と、走行機体2を支持する左右の後車輪4(走行部)と、走行機体2の進行方向を変更操作する操縦ハンドル14(操向操作具)と、左右の後車輪4への動力伝達を継断する左右のサイドクラッチ48(主継断部材)とを備え、操縦ハンドル14の操向操作に応じて旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48を遮断作動させる。田植機1は、左右のサイドクラッチ48とは別個に、左右の四駆旋回用クラッチ111、噛み合いクラッチ141、ドラムブレーキ142又はバンドブレーキ143(副継断部材、以下四駆旋回用クラッチ111等と称す)と、減速機構131又は171(以下減速機構131等と称す)とを備える。そして、田植機1は、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48の遮断作動に伴い、旋回内側の後車輪4に対する四駆旋回用クラッチ111等を接続作動させることによって、旋回内側の後車輪4に向かう動力が減速機構131等を経由し、旋回内側の後車輪4を旋回外側の後車輪4よりも低速で駆動させる。これにより、常時四輪駆動で旋回でき、旋回内側の後車輪4が回転せずにその場で向きを変えて地面を掘る状態をなくして、旋回内側の後車輪4が旋回時に作業地を荒らす状態を低減できる。また、常時四輪駆動で旋回するので、例えば作業地が田圃である場合に、作業車の沈没を低減できる。
上記実施形態の田植機1は、左右の後車輪4で支持されるリヤアクスルケース9を備え、リヤアクスルケース9内には、エンジン5の動力が伝達されるリヤ入力軸242と、リヤ入力軸の動力を分岐して左右の後車輪に伝達する左右横長のリヤ駆動軸とを備え、左右のサイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等をリヤ駆動軸47上に配置している。これにより、サイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等をリヤアクスルケース9内で同一軸上にコンパクトに配置できると共に、四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等を備えていない構成から大幅な変更をせずに四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等を配置できる。また、サイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等をリヤアクスルケース9内にコンパクトに配置できることから、リヤアクスルケース9のサイズ及び重量を大幅には増加させずに、サイドクラッチ48、四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等を配置できる。
上記実施形態の田植機1は、リヤ駆動軸47の左右内側にサイドクラッチ48を配置し、リヤ駆動軸47のうちサイドクラッチ48よりも左右外側に四駆旋回用クラッチ111等及び減速機構131等を配置し、四駆旋回用クラッチ111等の伝達トルク容量をサイドクラッチ48のそれよりも小さく設定している。これにより、旋回内側の後車輪4の減速時に、後車軸37がロックしても四駆旋回用クラッチ111等が滑ることで駆動系を保護できる。また、例えば調整を誤るなどしてサイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111等の両方が同時に接続状態になったとしても、伝達トルク容量が小さい四駆旋回用クラッチ111等が滑ることでサイドクラッチ48が保護される。また、四駆旋回用クラッチ111等をサイドクラッチ48よりも左右外側に配置することにより、四駆旋回用クラッチ111等の故障や劣化により四駆旋回用クラッチ111等の修理や交換の必要が生じたときに、四駆旋回用クラッチ111等を容易に取り外すことができ、四駆旋回用クラッチ111等の修理や交換の作業性が向上する。
上記実施形態の田植機1は、操縦ハンドル14の操向操作に連動して左右回動する単一の作動アーム267(カム部材)と、左右のサイドクラッチ48を継断操作する左右のサイドクラッチ操作機構260(主継断操作機構)と、左右の四駆旋回用クラッチ111等を継断操作する左右の四駆旋回用操作機構280(副継断操作機構)とを、リヤアクスルケース9に設け、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ操作機構260の遮断操作と、旋回内側の後車輪4に対する四駆旋回用操作機構280の接続操作との両方を、作動アーム267の左右回動によって実行するように構成している。これにより、少ない部品点数でサイドクラッチ操作機構260と四駆旋回用操作機構280の操作を実現できると共に、単一の作動アーム267でサイドクラッチ48と四駆旋回用クラッチ111の入り切り時期を精度よく実現できる。また、四駆旋回用クラッチ111等及び四駆旋回用操作機構280を備えていない従来の構成に対して追加部品点数を少なくでき、田植機1の製造コストの大幅な増加を抑制できる。
上記実施形態の田植機1は、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48が動力遮断状態になると同時に旋回内側の後車輪4に対する四駆旋回用クラッチ111等が接続作動するように、作動アーム267と左右のサイドクラッチ操作機構260と左右の四駆旋回用操作機構280とを関連させている。これにより、旋回内側の後車輪4に対するサイドクラッチ48及び副継断部材の両方が同時に接続状態になるのを防止でき、サイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111等の損傷を防止できると共に、サイドクラッチ48及び四駆旋回用クラッチ111等の劣化を少なくして寿命の長くできる。
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 田植機
2 走行機体
4 後車輪(走行部)
5 エンジン
9 リヤアクスルケース
14 操縦ハンドル(操向操作具)
47 リヤ駆動軸
48 サイドクラッチ
111 四駆旋回用クラッチ(副継断部材)
131 減速機構
141 咬み合いクラッチ(副継断部材)
142 ドラムブレーキ(副継断部材)
143 バンドブレーキ(副継断部材)
260 サイドクラッチ操作機構(主継断操作機構)
267 作動アーム(カム部材)
280 四駆旋回用操作機構(副継断操作機構)

Claims (1)

  1. エンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体を支持する左右の走行部と、前記走行機体の進行方向を変更操作する操向操作具と、左右の前記走行部への動力伝達を継断する左右の主継断部材とを備え、前記操向操作具の操向操作に応じて旋回内側の前記走行部に対する前記主継断部材を遮断作動させる作業車において、
    左右の前記主継断部材とは別個に、左右の副継断部材及び減速機構を備え
    右の前記主継断部材を継断操作する左右の主継断操作機構と、左右の前記副継断部材を継断操作する左右の副継断操作機構とを備え、
    さらに、旋回内側の前記走行部を旋回外側の前記走行部よりも低速で駆動させるように、旋回内側の前記走行部に対する前記主継断操作機構の遮断操作と、旋回内側の前記走行部に対する前記副継断操作機構の接続操作との両方を、前記操向操作具の操向操作に連動して実行させる作動部材を有している、
    作業車。
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