以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に示すパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。ガラス枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
ガラス枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるためにガラス枠52に遊技状態に応じて発光する装飾発光体65も複数設けられている。ガラス枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによってハンドルボリューム130(図6参照)が回動量を検出し発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。発射ハンドル64には、該発射ハンドル64への接触を検知するタッチスイッチ28(図示省略、図6参照)と、発射を停止する発射停止スイッチ29とが配置されている。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、及びジョグダイヤル68が備えられている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11(本発明の入賞口に相当)と第2始動口12(本発明の入賞口に相当)とが配置され、センターケース5の左方には、普通図柄作動ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な羽根部材を供えた普通電動役物を備えており、この羽根部材が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14(本発明の入賞口に相当)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口31、32、33、34(本発明の入賞口に相当)が設けられている。なお、この4個の普通入賞口は常時入球率が変化しない入賞口である。遊技領域3の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するアウト口100が配設されている。このアウト口100に入球した遊技球は、後述するアウトスイッチ100a(図6参照)に検出される。
上記のように遊技盤1を構成することによって、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図6参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図6参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bを駆動させると、ほぼ同期して第2始動口12を構成する普通電動役物の羽根部材が駆動して、第2始動口12への入球(第2特別図柄始動スイッチ12a(図6参照)での遊技球検出)が可能となるように構成されている。
第1始動口11に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ11a(図6参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口12(普通電動役物)に遊技球が入球(第2特別図柄始動スイッチ12a(図6参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動表示を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無いことを条件として、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド14b(図6参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド14bを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が駆動して、大入賞口14への入球(カウントスイッチ14a(図6参照)での検出)が可能となるように構成されている。
遊技領域の右下部には、状態表示装置110が配置され、この状態表示装置110には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメントLED表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
また、本実施例のパチンコ機50には、遊技領域を転動した後に該遊技領域から排出された全ての遊技球を検出するアウトスイッチ100aが配設されている。この場合のアウトスイッチ100aは遊技領域への発射球数を計数するセンサとなる。アウト口100への入球のみを検出するセンサを配置した場合の全ての発射球数は、全ての入賞口への入賞数とアウト口100への入球数とをの加算値となる。
続いて、図3に本実施例におけるパチンコ機の裏面図を示し説明する。パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出発射制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83が所謂サブ制御装置に相当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出発射制御装置81、電源基板85が内枠70に設けられている。球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(ガラス枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
また、パチンコ機50裏側に取り付けられた主制御装置80の背面には、結果表示装置91(本発明の記憶内容に基いて遊技履歴を表示する性能表示手段に相当)が設けられている。結果表示装置91には、3つの7セグメントLED表示装置が設けられており、左から第1表示装置91a、第2表示装置91b、第3表示装置91cとなっている(図5参照)。
図5に示すように、結果表示装置91では、第1表示装置91aにベース(通常遊技中の出玉率)、第2表示装置91bに役物比率(全賞球数に対する役物(大入賞口14と普通電動役物(第2始動口12))入球による賞球数の割合)、第3表示装置91cに連続役物比率(全賞球数に対する大入賞口14入球による賞球数の割合)の演算結果をそれぞれ表示する。なお、この結果表示装置91における演算結果(記憶内容に基づく遊技履歴)の表示は、パチンコ遊技機50への最初の通電後、アウトスイッチ100aが300個の遊技球を検出すると開始されるが、それまでは、演算結果の表示は行わず、待機態様(例えば、それぞれの7セグメントLEDの真ん中の横棒のみ表示してもよい「ーーー」)の表示を行う。
なお、主制御装置80には、主制御装置80のRAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアスイッチ97が設けられている。しかしながら、結果表示装置91に表示する演算に係る情報(最初の通電以降の各入賞口毎の賞球数、及びアウトスイッチ100aの検出数)は消去されない。また、RAMクリアに応じて行われるRAMクリア報知は、パチンコ機の動作確認が可能な動作発光態様を行うことが望ましい。なお、RAMクリアスイッチを払出発射制御装置81や電源基板85に設ける構成としてもよい。
次に、図4の図表を用いて、第1表示装置91a〜第3表示装置91cに表示される具体的な演算内容を説明する。第1表示装置91aに表示される通常時の出玉率である「ベース」値は、大当り遊技時と時短遊技時(普通電動役物の開放が頻繁に行われる遊技時)以外の出玉率となり、総賞球数から大当り遊技時の賞球数と時短遊技時の賞球数とを減算した値を、総発射遊技球数から大当り遊技時の発射球数と、時短遊技時の発射球数とを減算した値で除算して求める。このベース値が低いほど、遊技者の消費スピードが早くなる。
第2表示装置91bに表示される全ての役物への入賞に基づいて算出する「役物比率」値は、大入賞口14、及び第2始動口12である普通電動役物への入球に基づいて獲得した賞球数の総賞球数に対する割合となり、カウントスイッチ14aの検出に基づく賞球数と第2始動口スイッチ12aの検出に基づく賞球数との加算値を、総賞球数で除算して求める。
第3表示装置91cに表示される大入賞口14のみの入賞に基づいて算出する「連続役物比率値」は、大入賞口14への入球に基づいて獲得した賞球数の総賞球数に対する割合となり、カウントスイッチ14aの検出に基づく賞球数を、総賞球数で除算して求める。
図5に示すように、第1表示装置91a〜第3表示装置91cへの演算結果の表示方法は共通であり、具体的な表示内容は、消灯であればそれぞれの比率値が0%以上10%未満であることを、7セグメントLEDが「1」を表示すればそれぞれの比率値が10%以上20%未満であることを、同様に「2」を表示すればそれぞれの比率値が20%以上30%未満であることを、同様に「3」を表示すればそれぞれの比率値が30%以上40%未満であることを、以下、7セグメントLEDが「9」を表示するまで10%刻みの報知を行う。なお、所定数の入賞口への入賞を検出したにも拘わらず、アウトスイッチ100aが遊技球の検出を行わない場合は、結果表示装置91においてエラー表示を行う構成としてもよい。エラー表示は、例えば、小数点を示す右下のセグメントのみを点灯してもよし、アルファベットのEを示す態様を表示してもよい。
続いて、図6に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図4には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機50の電気的構成は、ブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出発射制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12となる普通電動役物に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31、32、33、34に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a、等の検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
また、裏配線中継端子盤75を介してアウトスイッチ100aの検出信号が主制御装置に入力され、主制御装置80はこのアウトスイッチ100aが検出した値を遊技領域への発射球数として記憶する。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出発射制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を直接制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータに送られる。
払出発射制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出発射制御装置81に入力され、払出発射制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出発射制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出発射制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出発射制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出発射制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36からの信号は、払出発射制御装置81を介して双方向通信が可能な主制御装置80にも入力される。
また、払出発射制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出発射制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出発射制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、ガラス枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信する。
払出発射制御装置81は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。なお、払出発射制御装置81には発射ハンドル64に設けられたハンドルボリューム130からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64に触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が払出発射制御装置81に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26a(装飾発光体65含む)を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に第1演出中継端子板69を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンスイッチ67aとジョグダイヤルの操作を検出するジョグダイヤルスイッチ68aとが接続されており、遊技者の操作に応じて、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。
次に、図7に示した図表を用いて本実施例のパチンコ遊技機50の作動内容を説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機50は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態とのいずれかの確率状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/50に設定されている。また、大当り図柄の種類に応じて大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行する確率(確変突入率)は、60%に設定されている。
各入賞口に設定された賞球数(1個の遊技球の入賞で払い出される遊技球数)は、第1始動口11、第2始動口12は3個、普通入賞口31から34は10個、大入賞口14は15個となっている。また、第2始動口12となる普通電動役物の規定入賞数(閉鎖状態に戻る入賞球数)は10個、大入賞口14の1回のラウンド遊技における規定入賞数も10個に設定されている。
第2始動口12となる普通電動役物は、作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能(開放延長手段)を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は2.0秒の開放動作を1回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いる構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は60.0秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させことで、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。また、普通図柄の当選確率は、開放延長機能が未作動時である通常状態では1/6、開放延長機能作動時の開放延長状態では5/6に設定されている。
大当り遊技は3種類となり、第1特図が大当りした場合と第2特図が大当りした場合とでは、この3種類の選択比率が異なる構成となっている。具体的な大当り遊技の内容の一つは、10カウント又は29.0秒のラウンド遊技を15回行い、当該大当り遊技の終了後に高確率状態(確変状態)及び時短状態に移行し、次回の大当りが生起するまで(詳しくは特図が10000回変動するまで)これらの状態を継続するものとなり、この大当り遊技は遊技者に最も有利な内容となる。もう一つは、同様のラウンド遊技を10回行い、当該大当り遊技の終了後に高確率状態(確変状態)及び時短状態に移行し、次回の大当りが生起するまで(詳しくは特図が10000回変動するまで)これらの状態を継続するものとなる。この大当り遊技は、遊技者にとって2番目に有利な内容となる。最後の一つは、同様のラウンド遊技を5回行い、当該大当り遊技の終了後に時短状態のみに移行し、特図が100回変動するまで時短状態を継続するものとなり、この大当り遊技は遊技者に最も不利な内容となる。
15ラウンドの大当り遊技を行ってから高確率状態に移行する大当りは、第1特図では30%、第2特図では40%の比率で選択され、10ラウンドの大当り遊技を行ってから高確率状態に移行する大当りは、第1特図では30%、第2特図では20%の比率で選択され、5ラウンドの大当り遊技を行ってから通常確率の時短状態に移行する大当りは、第1特図、第2特図共に40%の比率で選択される。
次に図8、9に示すフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する電源投入処理を説明する。この電源投入処理は、電源の投入からメインルーチンに至るまでの処理となる。
電源投入処理では、電源スイッチが操作されてパチンコ機が通電状態となると、S5〜S20の電源投入に伴う初期処理が行われる。すなわち、スタックポイントを8000Hに設定し(S05)、割り込みモードを設定し(S10)、内蔵RAMのアクセスを許可し(S15)、電源断のフラグをクリア(S20)する。これらの処理は、電源断発生時の処理、詳しくは、電源断フラグの設定、RAM判定値の算出保存、電源断時の発生情報を保存、内蔵RAMのアクセス禁止に対応した電源投入時の処理となる。
S20に続いては、RAMクリアスイッチがオンであるか否かを判定する(S25)。S25が否定判定なら(S25:no)、S30からS60によりパチンコ機を電源断時の状態(電源遮断直前の遊技状態)に復旧する。
詳しくは、電源断時の発生情報が正常か否か判定し(S30)、肯定判定なら(S30:yes)、RAMの判定値を算出し(S35)、算出した判定値が正常か否かを判定する(S40)。ここでRAMの判定値とは、電源断時にRAMに保存された値で、S40では、S35で算出された値と、RAMに保存された値が一致するか否かを判定する。肯定判定、すなわち判定値が保存された値と一致していれば(S40:yes)、電源断時の発生情報をクリアし(S45)、サブ統合制御装置83の電源復帰時が電源断時の遊技状態とする指示コマンドを送信し(S50)、CPU周辺デバイスの初期設定を行い(S55)、割り込み許可設定(S60)を行い、メインルーチンに移行する。
S25が肯定判定なら、即ちRAMクリア操作が行われたなら(S25:yes)、RAMクリアスイッチからの信号がオフか否かを該信号がオフになるまで繰り返し判定する(S65)。なお、このRAMクリアスイッチがオフか否かの判定は、RAMクリアスイッチの操作が終了したか否かの判定となり、該操作の操作時間はms単位では異なるものになる。従って、このS65により、RAMクリアを伴った電源投入において、該電源投入時から大当り決定用乱数の初期値が設定されるまでの期間を不定期にし、大当りとなる乱数の特定(直撃)を防止している。
S65が肯定判定、S30が否定判定、若しくはS40が否定判定なら(S65:yes、S30:no、S40:no)、図9のフローチャートに進み、初期状態に戻すための処理を行う。具体的には、RAMの全てを0クリアし(S70)、後述する各乱数の初期値設定を行い(S75)、RAMの初期設定を行い(S80)、サブ統合制御装置83にRAMクリアコマンドを送信する(S85)。サブ統合制御装置83は、このRAMクリアコマンドの受信に応じて、ランプ・LED、スピーカ、及び演出表示装置を制御してRAMクリアが行われたことを示す報知を実施する。このRAMクリア報知を行う期間は、装飾発光体65や遊技盤1に配置された発光体、演出ボタン67a、ジョグダイヤル68a、及びスピーカ66の動作確認期間ともなる。
S85に続いては、RAMクリアフラグに1をセットし(S90)、RAMクリアフラグを保持するタイマとなるRAMクリアフラグタイマ(60.0秒)を起動させ(S95)、外部端子板から、RAMクリアの実施を示す外部出力信号として60秒間の信号出力を開始する(S100)。S100に続いては、tが、Xとして設定された60.000秒よりも長い値を超えるまで、S105のインクリメント処理とS110の判定処理を繰り返し、S105からS110を経由してS105に戻るまでの時間に基づいて、60.000秒以上になるようにXの値を設定している。このS105とS110は、S100によるRAMクリアを示す信号の外部端子からの出力開始から出力終了までの時間以上の時間が経過したか否かを判定する処理となり、この処理が終了後(S110:yes)、CPU周辺デバイスの初期化設定を行い(S115)、割込み許可設定(S120)を経てメインルーチンに移行する。
次に、図10を用いて、主制御装置80が実行しRAMクリアフラグのセットに応じて起動するアウト検出処理1を説明する。この処理は、RAMクリア報知中にアウトスイッチ100が遊技球を検出すると、サブ統合制御装置83に該検出を示すコマンドを送信する処理となる。このコマンド(アウト検出コマンド)を受信したサブ統合制御装置83がアウト検出報知を行うことで、一連の動作確認中にアウトスイッチ100が正常に遊技球を検出していることを確認することができる。
本処理を開始するとRAMクリアフラグが1か否か判定し(S150)、否定判定なら(S150:no)リターンし、肯定判定なら(S150:yes)、図9、S95で起動したRAMクリアタイマが所定値以上か否か判定し(S155)、肯定判定なら(S155:yes)、RAMクリアフラグに0をセットして(S160)リターンする。S155が否定判定なら(S155:no)、アウトスイッチが遊技球を検出したか否か判定し(S165)、否定判定なら(S165:no)リターンし、肯定判定なら(S165:yes)、アウト検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S170)リターンする。
以上が、主制御装置80がRAMクリア報知中に実行するアウト検出処理1となる。RAMクリアフラグはサブ統合制御装置83がRAMクリア報知を行う60秒間のみ設定される。従って、アウト検出報知もRAMクリア報知期間中のみ実施される(RAMクリア報知の終了がアウト検出報知を終了する条件となる)。RAMクリア報知中のみアウトスイッチ100の検出を報知したが、この期間に限らず、メインルーチンが起動してから実施する構成としてもよい。その場合のアウト検出報知は、実際の遊技開始後の所定期間において、正常に遊技が開始されたことを報知することができる。
また、パチンコ遊技機への最初の通電からアウトスイッチ100aが299個の遊技球を検出するまでは、RAMクリア報知中にアウト検出報知を行うが、300個の遊技球を検出すると、それ以降はRAMクリア報知中にアウト検出報知を実施しない構成としてもよい。言い換えれば結果表示装置91において正常な演算結果の表示が開始された時点で、アウトスイッチ100aの検出を確認する必要がなくなるため、アウト検出報知の実施を行わない構成としてもよい。
次に、図11を用いて、サブ統合制御装置83が実行するRAMクリアコマンド受信処理を説明する。本処理は、前述した電源投入処理においてRAMクリア操作が行われた場合に主制御装置80から出力されるRAMクリアコマンドをサブ統合制御装置83が受信したことに基づき、演出機器を制御してRAMクリア報知を行う処理となる。
本処理を開始すると、RAMクリアコマンドを受信したか否か判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、RAMクリア報知を開始する(S205)。具体的には、パチンコ機に配置された装飾発光体65を1秒周期で点滅させる動作を繰り返し、該周期に合わせて、スピーカ66から警報音の高音と低音を交互に出力する。さらに演出図柄表示装置6には「RAMがクリアされました」の文字列を表示すし、演出ボタン67とジョグダイヤル68とを操作すると演出図柄表示装置6の背景色が変化する。
S205に続いては、RAMクリア報知を行う時間を管理する報知タイマをセットし始動する(S210)、本実施例では報知時間は60秒となっているがこの時間設定に限るわけではなく。他の時間を設定してもよい。続いて、セットしたタイマが60秒経過したか否か判定し(S215)、否定判定なら(S215:no)この判定を繰り返す。肯定判定なら(S215:yes)、S205で開始した報知を終了する処理を行い(S220)リターンする。
次に、図12を用いて、サブ統合制御装置83が実行するアウト検出コマンド受信処理を説明する。本処理は、前述したアウト検出処理1により主制御装置80から出力されたアウト検出コマンドをサブ統合制御装置83が受信したことに基づき、演出機器を制御してアウト検出報知を行う処理となる。
本処理を開始すると、アウト検出コマンドを受信したか否か判定し(S250)、否定判定なら(S250:no)リターンし、肯定判定なら(S250:yes)、アウト検出報知処理を行い(S255)リターンする。S255により実施するアウト検出報知は、装飾発光体65が実施中のRAMクリア報知(1秒周期の点滅)より優先して、0.4秒周期の点滅を1秒間実施する。また、スピーカ66からはRAMクリア報知とは異なる音声を出力する。
次に、図13を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S300〜S360までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS365の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S300)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S300が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S300:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S305)、残余処理(S365)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S300:yes)、初期値乱数更新処理(S310)、大当り決定用乱数更新処理(S315)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S320)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S325)、当り決定用乱数更新処理(S230)、リーチ判定用乱数更新処理(S335)、変動パターン決定用乱数更新処理(S340)、入賞確認処理(S345)、当否判定処理(S350)、画像出力処理等の各出力処理(S355)、不正監視処理(S360)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S365)をループ処理する。
次に、図14に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理では、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに乱数を抽出し、抽出した乱数を一時的に記憶し、該乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理(図15、16、17)を実施する以前に確認する処理(先読判定処理)を行い、該乱数を保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)し、第1始動口11、第2始動口12、及び普通図柄作動ゲート17への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)、S430に進む。S400が肯定判定なら(S400:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S405)。否定判定なら(S405:no)S430に進み、肯定判定であれば(S405:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を一時的に記憶し先読判定を行う(S410)。
具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶を行う乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S410で一時記憶している乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S415)を行う。
続いて、S410の確認結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S420)、S415で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S425)。なお、S420とS425で生成したコマンドを合成し、1つのコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信してもよい。
S425の処理、又はS400、S405の否定判定(S400:no、S405:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S430)。否定判定なら(S430:no)S460に進み、肯定判定なら(S430:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S435)。否定判定なら(S435:no)S460に進み、肯定判定であれば(S435:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を一時的に記憶し、S110と同様に先読判定を行う(S440)。
続いて、S440で一時記憶している乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S445)を行う。
続いて、S440の確認結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S450)、S445で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S455)、S460に進む。なお、S450とS455で生成したコマンドを合成し、1つのコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信してもよい。
S460では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S460)。否定判定なら(S460:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S460:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S465)。否定判定なら(S465:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S465:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S470)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S475)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数(保留図柄の数)を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第1始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。本実施例では、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を後述する特図の当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
また、本実施例の始動入賞処理の流れは、(1)始動口入球時に数値(乱数)を抽出し、(2)保留記憶が満杯でなければ、(3)所定の領域に数値を記憶し、(4)該数値の確認をし、(5)該数値を保留記憶領域に記憶したが、(1)の後、(2)保留記憶が満杯でなければ、(3)抽出した数値の所定の領域への記憶と、(3)保留記憶としての保留記憶領域への記憶とを行い、(4)所定の領域へ記憶した数値の確認を行う構成(2の後、それぞれの3に枝分かれした処理を行う構成)としてもよいし、(1)の後、(2)抽出した数値を所定の領域に記憶し、(3)保留記憶が満杯でなければ、(4)所定の領域に記憶された値を保留記憶領域に記憶する構成(満杯であったら所定の領域に記憶した数値は削除)としてもよい。いずれの構成の場合も、所定の領域に記憶した数値を先読判定として確認するが、保留記憶領域に記憶した数値を先読判定として確認してもよい。
次に、図15、16、17に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(抽出した乱数値に基づいて当選か否かを判定)し、該判定の結果を報知する特別図柄の変動を制御する処理となる。
図15に示すように、本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、リターンする。大当り遊技中でなければ(S500:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S505)、変動中でなければ(S505:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S510)、確定表示中でなければ(S510:no)、第2保留記憶が有るか否か判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S520)、否定判定なら(S520:no)リターンする。S515、又はS520が肯定判定なら(S515:yes,S520:yes)、S525に進む。このS515とS520の判定順序により、第2保留記憶が優先的に当否判定を実施する。
続いて、時短フラグが0か否か判定する(S525)。時短フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら特図及び普図の変動時間が短縮され、第2始動口12となる普通電動役物の開放時間が通常よりも延長(開放延長機能が作動)される時短(開放延長)状態であることを、値が0なら時短(開放延長)状態ではないことを主制御装置80が判断する。S525が否定判定、即ち、時短(開放延長)状態中なら(S525:no)、時短(開放延長)状態中の処理を行うが、高確率遊技状態では、変動パターン(変動時間)を選択する変動パターンテーブルの内容が異なる(平均変動時間が短い)だけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。
S525が肯定判定なら(S525:yes)、判定対象となる第1又は第2保留記憶のシフト処理を行う(S530)。これにより最も古い第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1又は第2保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S535)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS540では、S535の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S540:yes)、図柄モード設定処理を行う(S545)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S550)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
次にS545で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S555)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S545で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S560)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S565)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S570)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S540が否定判定、即ちハズレなら(S540:no)、ハズレ図柄を選択し(S575)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S565)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S570)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S505が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S505:yes)、図16のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S565で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンする。肯定判断なら(S600:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS550又はS575で選択した確定図柄を確定表示させる(S605)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、変動指示コマンドの受信に基づいて予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
なお、本実施例はサブ統合制御装置83に確定コマンドを送信する構成として説明したが、確定コマンドを備えず、変動指示コマンドで指定された変動時間に合わせて、擬似図柄の変動演出、確定表示を行う構成としてもよく、これによりコマンドの数を抑えることができる。
S605に続いては、確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S610)、肯定判定なら(S610:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S615)、確変フラグが1か否か判定し(S620)、肯定判定なら(S620:yes)、確変フラグに0をセットする(S625)。S625、又はS620の否定判定(S620:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S630)、肯定判定なら(S630:yes)、時短フラグに0をセットする(S635)。
S635、又はS630の否定判定(S630:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S640)と、役物連続作動装置作動開始処理(S645)とを行い、大当りフラグに1をセットし(S648)、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S650)。なお、以降に主制御装置80が実行する大当り遊技処理では、各ラウンドの開始時にラウンド演出開始指示コマンドを、各ラウンドの終了時にラウンド演出終了指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技終了時にも大当り遊技終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。S655に続いては、上記処理結果による遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S660)リターンする。
一方、S610が否定判定、即ち、確定図柄が大当りではなかったなら(S610:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S665)、確変フラグが1か否か判定し(S670)、肯定判定なら(S670:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S675)、確変カウンタが0か否か判定し(S680)、肯定判定なら(S680:yes)、確変フラグに0をセットする(S685)。
S685、又はS670,S680が否定判定なら(S670:no,S680:no)、時短フラグが1か否か判定し(S690)、肯定判定なら(S690:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S695)、時短カウンタが0か否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、時短フラグに0をセットする(S705)。続いて、S705、又はS690,S700が否定判定なら(S690:no,S700:no)、上記したS660に進む。S670からS705によって、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで高確率状態及び時短状態が終了する。
図15に戻り、S510が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S510:yes)、図17のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S750)、否定判定なら(S750:no)リターンし、肯定判定なら(S750:yes)、確定図柄表示終了処理(S755)として、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に擬似図柄の確定表示を終了させる指示を行いリターンする。
本実施例においては、毎回の特別図柄の変動終了時(確定表示時)に、遊技状態を指定するコマンド(状態指定コマンド)をサブ統合制御装置83に送信しているが、同様に、毎回の当否判定時(特図変動開始時)に状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成としてもよく、これにより、1回の当否判定処理において、変動開始時と終了時とので状態指示コマンドを2回送信してもよい。
次に、図18から図21を用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、図15のS560で設定された大入賞口14の開放パターンに基づいて、大入賞口14の開閉を制御する処理となる。
本処理を開始すると、大当りフラグに基づいて役物連続作動装置が作動中か否かを判定する(S800)。否定判定なら(S800:no)リターンし、肯定判定、即ち、大当り中なら(S800:yes)、大入賞口14が開放中か否か判定する(S805)。否定判定なら(S805:no)、大当り遊技の開始演出中か否か判定し(S810)、否定判定なら(S810:no)、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S815)、否定判定なら(S815:no)大入賞口14の開放処理を行い(S825)リターンする。
S805が肯定判定、即ち、大入賞口が開放中なら(S805:yes)、図19のフローチャートに進み、カウントスイッチ14aが10個の遊技球を検出したか否か判定し(S850)、否定判定なら(S850:no)、大入賞口14の開放時間が経過したか否か判定し(S855)、否定判定なら(S855:no)リターンする。S850、又はS855が肯定判定なら(S850:yes、S855:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行い(S860)、インターバル処理を行い(S865)リターンする。
図18に戻り、S810が肯定判定、即ち、インターバル中であれば(S810:yes)、図20のフローチャートに進み、インターバル時間が終了したか否か判定する(S900)。S900が否定判定なら(S900:no)、リターンし、肯定判定なら(S900:yes)、最終ラウンドが終了したか否か判定し(S905)、肯定判定なら大当り終了演出処理を開始して(S910)リターンし、否定判定なら(S905:no)、大入賞口開放処理を行い(S915)リターンする。
図18に戻り、S815が肯定判定、即ち、大当り終了演出中であれば(S815:yes)、図21のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定する(S950)。S950が否定判定なら(S950:no)リターンし、肯定判定なら(S950:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S955)と条件装置の作動停止処理(S960)を行って大当り遊技を終了し、図15(当否判定処理)のS555で設定したモードバッファを参照して(S965)、確変フラグ(S970)、確変カウンタ(S975)、時短フラグ(S980)、時短カウンタ(S985)を設定し、モードバッファをクリアし(S990)、サブ統合制御装置83に終了コマンドと(S995)、設定した確変フラグと時短フラグに基づく状態指定コマンドを送信し(S1000)、大当りフラグに0をセットして(S1005)リターンする。
次に、図22に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する賞球データ作成処理を説明する。本処理は、各入賞口入賞に応じて払い出す賞球個数を示す信号の確定過程を示す。また、アウトスイッチ100(遊技領域3から排出された全ての遊技球を検出)の検出数に基づいて遊技領域3への発射球数を計数し主制御装置80が備える発射球数カウンタの値として記憶する。なお、発射球数カウンタの値は、遊技状態毎の発射球数が識別可能に記憶される。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S1050)。肯定判定なら(S1050:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶する払い出す賞球個数を示す賞球データとして下位1ビット目に1を設定する(S1055)。この場合、払い出す賞球個数を示す賞球データは00000000のように1バイトデータで表され、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出すると当該データは00000001となり、各ビットは対応する入賞口への入賞状態を示す(1が検知、0が未検知)。
S1055、又はS1050の否定判定(S1050:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定し(S1060)、肯定判定なら(S1060:yes)、下位2ビット目に1を設定する(S1065)。これにより、第2始動口スイッチ12aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000010となる。
S1065、又はS1060の否定判定(S1060:no)に続いては、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S1070)、肯定判定なら(S1070:yes)、下位3ビット目に1を設定する(S1075)。これにより、カウントスイッチ14aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000100となる。
S1075、又はS1070の否定判定(S1070:no)に続いては、普通入賞口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定し(S1080)、肯定判定なら(S1080:yes)、下位4ビット目に1を設定する(S1085)。これにより、普通入賞口スイッチ31aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00001000となる。
S1085、又はS1080の否定判定(S1080:no)に続いては、アウトスイッチ100aが遊技球を検出したか否か判定し(S1090)、肯定判定なら(S1090:yes)、発射球数カウンタにインクリメントする(S1095)。
S1095、又は1090の否定判定(S1090:no)に続いては、上記処理によって得た賞球データを賞球データ記憶バッファに記憶処理し(S1100)リターンする。
以上が賞球データ作成処理となるが、払出す賞球個数を示すデータ4個(賞球データ記憶00H〜03H)を記憶する賞球データ記憶バッファと、それとは別に払い出す賞球個数を示すデータを送信するための賞球データ記憶バッファを備えているため、記憶個数を増やしても問題ない。また、入賞頻度の高い入賞口順に下位ビットから割り振ることで、処理の負担を軽減する構成が好適といえる。
なお、アウトスイッチ100aを設けない場合は、発射球数カウンタを用いた発射球数の計数を行わない構成としてもよい。その場合の遊技履歴に基づく性能表示は、賞球数に係るデータのみを用いて演算可能な役物比率、連続役物比率のみを表示する構成としてもよい。また、アウトスイッチ100aをアウト口100に入球した遊技球のみを検出する場合は、発射球数カウンタへのインクリメントをアウトスイッチ100aに加え各入賞口への入賞を検出する毎に行う構成となる。
次に、図23を用いて主制御装置80が実行する賞球データ送信処理を説明する。本処理は、図22の賞球データ作成処理で作成された賞球データを基に賞球個数を示すデータを払出発射制御装置81へ送信する処理となる。
また、本実施例では、払い出す賞球数を入賞口毎に記憶し、性能表示を行うための演算(本発明の記憶内容に基いて遊技履歴を表示する性能表示手段に相当)に用いる。なお、賞球データ作成処理で計数した発射球数カウンタの値は、通常時のその値を分母とし、通常時の総賞球数を分子として除算することで通常時の出玉率(所謂ベース)を演算し、演算結果を遊技性能として表示する。
本処理を開始すると、まず賞球データ記憶バッファにステップS1100で記憶処理されたデータがあるか否か(00000000でないか否か)が判定されるが(S1150)、これ以前に図示しない処理で、賞球データ記憶バッファにデータがなかった場合に賞球データシフト処理が行われる。賞球データシフト処理は、賞球データ記憶バッファにデータがなく、賞球データ記憶00Hに記憶されたデータがある場合に行われ、賞球データ記憶00Hに記憶された払い出す賞球個数を示すデータを賞球データ記憶バッファに移す処理が行われる。それと同時に賞球データ記憶01H〜03Hまでに記憶された賞球データも1段階前の領域へと移される処理が行われる。
S1150が否定判定なら(S1150:no)リターンし、肯定判定なら(S1150:yes)、払出発射制御装置81から未払い満タン信号を未受信か否かを判定する(S1155)。未払い満タン信号は、未払いの賞球個数を示すデータが払出発射制御装置81のRAM容量の所定容量以上となったことを知らせる信号である。
S1155が否定判定なら(S1155:no)リターンし、払い出す賞球個数を示すデータの送信を中断できるように構成する。これによって、払出発射制御装置81のRAMの記憶容量を小さくすることができ、コストの削減に寄与することができる。S1155が肯定判定なら(S1155:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶された賞球データの下位1ビット目が1か否か判定し(S1160)、肯定判定なら(S1160:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S1165)、S1195に進む。
S1160が否定判定なら(S1160:no)、下位2ビット目が1か否か判定し(S1170)、肯定判定なら(S1170:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S1175)、S1195に進む。S1170が否定判定なら(S1170:no)、下位3ビット目が1か否か判定し(S1180)、肯定判定なら(S1180:yes)、データバスに賞球15個のデータをセットし(S1185)、S1195に進み、否定判定なら(S1180:no)、データバスに賞球10個のデータをセットし(S1190)、S1195に進む。S1195では、上記処理から得た払い出す賞球個数を示すデータを払出発射制御装置81に送信し(S1195)、遊技球が入賞した入賞口の種類、及び遊技状態に関連付けて上記処理から得た賞球個数を記憶する賞球数記憶処理を行い(S1200)リターンする。
以上が、記憶内容に基いて遊技履歴を表示する性能表示手段を備えたパチンコ遊技機であって、電源投入時(RAMクリア操作時)からのRAMクリア報知中において、アウトスイッチ100aの検出に応じたアウト検出報知を、サブ統合制御装置83が制御する演出機器(装飾発光体65)にて行う構成の説明となる。
上述したように、主制御装置80の背面に配設された結果表示装置91に遊技履歴に基づく性能の表示が開始されるのは、パチンコ遊技機が製造されて最初に通電を行った後、アウトスイッチ100aが300個の遊技球を検出してからとなる。従って、アウトスイッチ100aが正常に遊技球を検出しているかどうかを確認するためには、本来であれば、アウトスイッチ100aに300個の遊技球を強制的にでも検出させてから結果表示装置91の表示を確認する必要があった(他の入賞口スイッチは賞球の有無、又は各種図柄の変動でスイッチが正常に検出しているか否かを確認可能)。しかしながら、本願発明ではRAMクリア報知中に実施するアウト検出報知を備えたことにより、パチンコ遊技機の検査時(メーカー出荷時、及びホール設置時)における手間を省き、好適に検査が行えるようになる。
上述した実施例では、メーカー出荷時、及びホール設置時に遊技台を検査する状況(RAMクリア操作を伴う)において、結果表示装置91の性能表示が行われない期間のアウトスイッチ100aの検出確認が好適に行えることを目的とした。そのため、検査時に想定されるRAMクリアに応じた演出機器によるRAMクリア報知と同様に、演出機器の一部を用いてアウト検出報知を実施する構成とした。しかしながら、主制御装置80が直接制御する機器においてアウト検出報知を実施する構成も考えられるため、次に、変形例として、主制御装置80自体がアウト検出報知を行う構成を説明する。
主制御装置80が直接制御する表示機器の集合体として、図24に示した状態表示装置110がある。変形例では、この状態表示装置110に配置された第2特別図柄表示装置10を、主制御装置80が直接制御してアウト検出報知を行うアウト検出報知部とする。アウト検出報知としては、
第2特別図柄表示装置10は、実際の遊技においては、ほぼ時短中(開放延長状態中)のみで表示動作を行う。従って、最初の通電から実際の遊技を開始する通常遊技においては、第2特別図柄表示装置10を通電から所定期間アウト検出報知に用いても遊技に支障を生じる確率は極めて低い。この所定期間を、結果表示装置91が性能の表示を開始するまでの期間(最初の通電からアウトスイッチ100が300個の遊技球を検出するまで)としてもよい(大当り遊技中だけでも発射遊技球数として300個は発射されるため)。
図25は、変形例において、主制御装置80が実行するアウト検出処理2のフローチャートとなる。前述したアウト検出処理1は、RAMクリア報知中(RAMクリアフラグに1が設定されている期間)のみ実行する構成としたが、本処理もRAMクリア報知中のみの実行としてもよいし、メインルーチン(図13)が起動後、入賞確認処理S345のサブルーチンとして行ってもよい。メインルーチン起動後における実施期間は、起動後からアウトスイッチ100が300個の遊技球を検出するまで、若しくは、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出するまで(第2特別図柄表示装置10で第2特図の変動を開始するまで)としてもよい。普通図柄の通常時の変動時間は60.0秒であり、その間にアウトスイッチ100aの確認を行える。
アウト検出処理2を開始すると、アウト検出数が所定数未満か否か判定し(S1250)、否定判定なら(S1250:no)リターンし、肯定判定なら(S1250:yes)、アウトスイッチ100aが遊技球を検出したか否か判定する(S1255)。否定判定なら(S1255:no)リターンし、肯定判定なら(S1255:yes)、アウト検出報知部、詳しくは、第2特別図柄表示装置10を用いて主制御措置80が直接制御を行うアウト検出報知を行い(S1260)リターンする。なお、主制御装置80が直接制御するアウト検出報知では、報知部である第2特別図柄表示装置10の7セグメントが0.2秒間隔の点滅を1秒行う。
以上が、変形例として、主制御装置80が実行するアウト検出処理2の説明となる。この場合のS1250の判定で比較する所定値は、アウトスイッチ100aの検出数として300個未満で、且つ検査に十分な時間に相当する個数とするのが望ましい。
アウト検出報知の実施時期は、パチンコ遊技機の製造後、最初の通電が行われてからアウトスイッチ100aが300個の遊技球を検出するまでの期間に行われるRAMクリア報知時のみとしてもよい。この時期さえアウト検出報知の実施が可能であれば、遊技機製造メーカーからの出荷検査時、及びホール設置時の検査でアウトスイッチ100aの検出確認を好適に行うことができる。
なお、その後も毎回のRAMクリア報知時にアウト検出報知を実施する構成とした場合、検出不良等でアウトスイッチ100aを交換した場合、より容易に(結果表示装置91の変化を確認するよりも容易に)アウトスイッチ100aの検出が正常かどうか確認することができる(ホールでの通常営業後、主制御装置80が記憶するアウトスイッチ100aの検出数が多ければ多いほど(実際の遊技時間が長ければ長いほど)、アウトスイッチ100aの検出を結果表示装置91の表示態様変化で確認するのは困難となるため)。
実施例においては、RAMクリア報知が終了時期に達するとアウト検出報知も終了する構成としたが、RAMクリア報知中において、他の条件が成立した場合もアウト検出報知を終了させてもよい。例えば、RAMクリア報知中に所定の入賞口(例えば大入賞口14)に遊技球を入球(カウントスイッチ14aが遊技球を検出)させたことを条件にアウト検出報知を終了してもよい。これにより、アウト検出報知を終了させる動作で所定の入賞口の入賞検出チェックを行うことができる。また、ガラス枠52、又は内枠70の閉鎖を条件にアウト検出報知を終了してもよく、検査の終了時に枠を閉鎖する動作でアウト検出報知を終了することができる。