JP6828400B2 - スコロダイトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スコロダイトを効率よく安定に製造することができるスコロダイトの製造方法に関する。
銅の電解精製の際、銅アノードに含まれるヒ素などの不純物の一部は電解液に蓄積するため、電解液の一部を浄液処理として脱銅電解処理するのが一般的である。この工程の中で製錬中間産物としてヒ化銅(Cu3Asなど)を含むスライムが発生する。このヒ化銅含有スライムには、例えば、銅40〜60質量%、ヒ素20〜40質量%、鉛、錫、アンチモン、ビスマスなど(それぞれ0.5〜5質量%)が含まれているので、これを銅製錬工程に戻して繰返し処理するのが一般的である。またはヒ化銅含有スライム中のヒ素と銅を分離した後、ヒ素を安定な化合物に固定化処理して、銅製錬から系外除去する方法も知られている。
ヒ素を系外に除去する方法として、スライムに含まれるヒ素と銅を分離した後に、ヒ素を鉄と反応させて安定な鉄ヒ素化合物(スコロダイト:FeAsO・2HO)を生成させるスコロダイト法が知られている。
例えば、5価のヒ素を含む溶液に2価の鉄イオンを加えて、溶液中のヒ素に対する鉄のモル比(Fe/As)を1以上〜1.5未満にし、酸化剤を加えて撹拌しながら70℃以上に加熱して反応させ、結晶性スコロダイトを合成する方法が知られている(特許第4087433号公報、特許第4149488号公報、特許第4615561号公報)。
しかし、ヒ素に対する鉄のモル比(Fe/As)を1以上〜1.5未満に調整してスコロダイトを合成する方法は、ヒ化銅などをアルカリ酸化浸出して銅分を除去した後に、Naとヒ素を含む溶液にCaを加えてCaヒ素化合物を生成させてNaと分離し、このCaヒ素化合物を硫酸溶解してCaを石膏にして除去したヒ素含有液を用いており、NaとCaの除去処理が煩雑である。
また、酸性水溶液中に含まれる5価のAsに対する3価のFeのモル比を0.9以上〜1.0未満に調節した後に加熱して結晶性スコロダイトを合成する方法が知られている(特許第4538481号公報)。しかし、この方法は、ヒ素を含む酸性水溶液として銅製錬工程で産出する電解沈殿銅の硫酸浸出液を用いているので、液中の銅濃度が高く、スコロダイト中にCuが1〜2wt%混入する問題がある。
従来方法の問題を解決した方法として、銅ヒ素含有物を水酸化ナトリウム溶液でアルカリ酸化浸出し、銅分を除去したヒ素含有溶液に第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させ、これをpH0.7〜1.2の硫酸酸性スラリーにし、加熱して結晶質のスコロダイトを生成する方法が提案されている(特開2014−208581号公報)。この方法は、処理工程が簡単であり、Cuの混入が少なく、かつ粒径の大きなスコロダイトを製造することができ、さらに鉄ヒ素澱物の容量がヒ素浸出液に対して大幅に低減する利点を有している。
特許第4087433号公報 特許第4149488号公報 特許第4615561号公報 特許第4538481号公報 特開2014−208581号公報
特許文献5の製造方法は、スコロダイトのヒ素溶出量は0.2ppmに抑制されており、溶出基準0.3ppm(廃掃法・特別管理廃棄物)に適合しているが、ヒ素は有毒物質であるのでヒ素の溶出量は出来るだけ少ないことが好ましい。また、特許文献5の製造方法はスコロダイトへの転換率が約90%の処理例があるが、スコロダイトの生産性を高めるにはより高い転換率が好ましい。さらにスコロダイトへの転換率が高くなれば、排液のヒ素濃度が減少し、排液処理の負担を軽減することができる。
本発明の製造方法は、特許文献5の製造方法におけるヒ素溶出量のさらなる低減とスコロダイト転換率の向上と云う課題を解決したものであり、特許文献5の製造方法よりもヒ素溶出量が少ないスコロダイトを95%以上の高い転換率で製造する方法を提供する。
本発明は、以下の構成を有するスコロダイトの製造方法である。
〔1〕銅ヒ素含有物をナトリウム含有溶液でアルカリ酸化浸出して銅分を除去したヒ素浸出液に、第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させて固液分離し、この澱物をpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液にし、加熱処理して結晶質のスコロダイトを生成する方法において、前記酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下、およびナトリウム濃度を2.5g/L以上に調整して加熱処理し、ヒ素溶出濃度が0.15mg/L以下のスコロダイトを95%以上の転換率で生成させることを特徴とするスコロダイトの製造方法。
〔2〕ナトリウム濃度を3.0g/L以上〜4.0g/L未満にして、ヒ素溶出濃度が0.07mg/L以下のスコロダイトを98%以上の転換率で生成させる上記[1]に記載するスコロダイトの製造方法。
〔3〕銅ヒ素含有物に水酸化ナトリウム溶液を加え、加熱下でアルカリ酸化浸出を行い、酸化銅を含む残渣を分離した後に、ヒ素を含む浸出液に第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させて固液分離し、この澱物を用いる上記[1]または上記[2]に記載するスコロダイトの製造方法。
〔具体的な説明〕
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明の製造方法は、銅ヒ素含有物をナトリウム含有溶液でアルカリ酸化浸出して銅分を除去したヒ素浸出液に、第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させて固液分離し、この澱物をpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液にし、加熱処理して結晶質のスコロダイトを生成する方法において、前記酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下、およびナトリウム濃度を2.5g/L以上に調整して加熱処理し、ヒ素溶出濃度が0.15mg/L以下のスコロダイトを95%以上の転換率で生成させることを特徴とするスコロダイトの製造方法である。
本発明の製造方法は、銅ヒ素含有物をナトリウム含有溶液でアルカリ酸化処理して銅分を除去したヒ素浸出液に、第二鉄化合物を添加して生成させた鉄ヒ素澱物を用いる。銅ヒ素含有物は、例えば、ヒ化銅(CuAs、CuAs)を含有する脱銅電解スライムなどである。ヒ化銅を含む脱銅電解スライムから鉄ヒ素澱物を生成する工程、および該鉄ヒ素澱物からスコロダイトを生成する処理工程の一例を図1に示す。
図示する処理例において、ヒ化銅を含む脱銅電解スライムに、水酸化ナトリウム液を加え、酸化剤として例えば空気や酸素を吹き込み、50℃〜60℃の加熱下で酸化浸出(アルカリ溶液による酸化浸出:アルカリ酸化浸出と云う)してヒ素を溶出し、銅分を酸化銅にして残渣にし、これを固液分離してヒ素浸出液を回収する。回収したヒ素浸出液に硫酸第二鉄などの第二鉄化合物を添加することによって鉄ヒ素澱物が生成する。該鉄ヒ素澱物は水酸化鉄にヒ酸イオンが吸着した状態の澱物であり、ヒ素の一部は非結晶質なヒ酸鉄として存在することもある。
本発明の製造方法は、前記鉄ヒ素澱物を固液分離して洗浄し、必要に応じて硫酸などを加えて溶解し、pH1.5以下、好ましくはpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液(鉄ヒ素澱物溶解液)にし、加熱処理して結晶質のスコロダイトを生成する方法において、該酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下、およびナトリウム濃度を2.5g/L以上に調整して加熱処理し、ヒ素溶出濃度が0.15mg/L以下のスコロダイトを95%以上の転換率で生成させる方法である。
前記鉄ヒ素澱物の酸性溶液のpHが1.5より高いと該澱物が溶解し難く、pH0.5未満ではスコロダイトが生成し難い好ましくはpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液にし、90℃以上に加熱して結晶質のスコロダイトを生成させる。
本発明の製造方法は、前記酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下の範囲に調整し、加熱処理してスコロダイトを生成させる。該Fe/Asモル比は、鉄ヒ素澱物のFe/Asモル比であるので、ヒ素浸出液などに硫酸第二鉄を添加して鉄ヒ素澱物を生成させるときに、鉄ヒ素澱物のFe/Asモル比が1.04以上〜1.18以下の範囲になるように、ヒ素濃度の範囲(8.85以上〜69.2以下g/L)に応じて硫酸第二鉄の添加量を調整し、前記Fe/Asモル比の鉄ヒ素澱物を生成させ、この鉄ヒ素澱物を用いればよい。
Fe/Asモル比が1.0未満では、液中のヒ素量が過剰になり、安定なスコロダイトが生成し難く、また生成したスコロダイトからのヒ素溶出量が多くなる。一方、Fe/Asモル比が1.25を上回ると、スコロダイトへの転換率が低下し、操業効率が落ちる。
本発明の製造方法は、前記溶液のFe/Asモル比が前記範囲において、該溶液の初期ナトリウム濃度が2.5g/L以上の範囲、好ましくは3.0g/L以上〜4.0g/L未満の範囲でスコロダイトを生成させる。該ナトリウム濃度はヒ素のアルカリ酸化浸出に由来するので、該ヒ素浸出液から回収した鉄ヒ素澱物に残留するナトリウムによって前記溶液のナトリウム濃度が前記範囲になるようにすればよい。
ヒ化銅を含むスライムに水酸化ナトリウム液を加えアルカリ酸化浸出して得たヒ素浸出液に第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させたときに、この鉄ヒ素澱物にはヒ素浸出液に由来するナトリウムが残留している。通常は、固液分離・回収した鉄ヒ素澱物を洗浄することで、ナトリウムイオン、硫酸イオンなどの付着物の量を調整または除去することができる。
本発明の製造方法において、前記鉄ヒ素澱物をpH1.5以下、好ましくはpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液にし、加熱処理して結晶質のスコロダイトを生成するときに、該溶液の初期ナトリウム濃度がスコロダイトの安定性および転換率に大きな影響を及ぼすことが見出された。具体的には、前記酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比が1.04以上〜1.18以下の範囲で、初期ナトリウム濃度を2.5g/L以上にしてスコロダイトを生成させることによって、ヒ素溶出量が0.15mg/L以下の結晶質スコロダイトを95%以上の転換率で製造することができる。
さらに前記Fe/Asモル比の範囲で、初期ナトリウム濃度を3.0g/L以上〜4.0g/L未満に制御することによって、ヒ素溶出濃度が0.07mg/L以下のスコロダイトを98%以上の転換率で生成させることができる。なお、初期ナトリウム濃度が4.0g/L以上になると、スコロダイトへの転換率は約95.0%〜約97.5%であるので、スコロダイトを98%以上の高い転換率で製造するには鉄ヒ素酸性溶液の初期ナトリウム濃度は3.0g/L以上〜4.0g/L未満の範囲が好ましい。
ヒ化銅を含むスライムに水酸化ナトリウム液を加えアルカリ酸化浸出して得たヒ素浸出液に第二鉄化合物を添加して生成させ回収した鉄ヒ素澱物を洗浄せずに溶解させると約8〜30g/Lのナトリウムが含まれている液が得られるので、鉄ヒ素澱物を洗浄しナトリウム濃度が2.5g/L以上、好ましくは3.0g/L以上、さらに好ましくは3.0g/L以上〜4.0g/L未満になるようにすればよい。
一方、本発明の製造方法は、回収した鉄ヒ素澱物を洗浄せずに使用することもできる。この場合、溶液のナトリウム濃度は約8〜30g/L程度になる。
本発明の製造方法によって生成したスコロダイトは結晶質である。このスコロダイトを回収し、その一部を鉄ヒ素澱物の生成工程に戻して種晶として使用することができる。
本発明の製造方法によれば、鉄ヒ素澱物の酸性溶液のヒ素濃度を8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下の範囲にし、初期ナトリウム濃度を2.5g/L以上に制御することによって、ヒ素溶出濃度が0.15mg/L以下のスコロダイトを95%以上の高い転換率で製造することができる。
さらに、本発明の製造方法によれば、前記酸性溶液のFe/Asモル比を前記範囲にし、初期ナトリウム濃度を3.0g/L以上〜4.0g/L未満に制御することによって、ヒ素溶出濃度が0.07mg/L以下のスコロダイトを98%以上の転換率で製造することができる。
このように本発明の製造方法は、スコロダイトへの転換率が高いので製造後の排液のヒ素濃度が低く、従って、排液処理の負担を低減することができる。
本発明の製造方法の一例を示す処理工程図
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。ヒ素浸出液を調製し、このヒ素浸出液を用いて実施例および比較例を実施した。実施例の結果を表1に示し、比較例の結果を表2に示す。ヒ素、鉄、ナトリウムの測定はICP−AESを用いた。生成したスコロダイトを洗浄して環告13号に準拠した溶出試験を行った。この溶出試験の結果をAs溶出濃度(mg/L)として示した。スコロダイトの転換率を示した。スコロダイトの転換率は次式によって求めた。
転換率%=100−(終期ヒ素濃度(g/L)/初期ヒ素濃度(g/L)×100)
〔ヒ素浸出液の調製〕
ヒ化銅を主成分とするスライム400g(As25質量%)と、水2Lをスラリーにし、攪拌しながら水酸化ナトリウムをNaOH/Asモル比約1.6になるように加え、スラリー調整した。このスラリーを50℃〜60℃に加熱し、空気を1L/分の流量で約6時間導入し、酸化浸出を行った。浸出が進むにつれてスラリーは黒色から茶色(CuOの色)に変化した。ここで撹拌を止め、スラリーを濾過してヒ素浸出液を回収した。このヒ素浸出液はpH8.5、As40g/L、Na24.5g/L、Cu2ppm以下であった。
〔実施例1〕
前記ヒ素浸出液600mlを50℃〜60℃に加熱して、ポリ硫酸第二鉄液(Fe濃度160g/Lの日鉄鉱業社製品:ポリテツ)121〜127mlを加え、60分間撹拌して鉄ヒ素澱物を生成させた。その後、湿潤状態の澱物約220g(含水率約70質量%)を吸引ろ過及び洗浄して回収した。この澱物100gに濃硫酸約8mlを混合し、Fe/Asモル比1.08〜1.13、初期ナトリウム濃度3.12g/L〜3.74g/L、初期pH0.71〜0.78の溶液を調製した。この溶液を93℃±3℃まで加熱し、結晶性スコロダイト6g(50g/L)を種材として加え、6時間、加熱撹拌を続けた。その後、生成したスコロダイトを固液分離して回収した。製造条件および結果を表1に示す(試料1〜試料4)。
〔実施例2〕
試料5〜試料16について、表1に示す初期pH、初期ナトリウム濃度、およびFe/Asモル比になるように調整した以外は実施例1と同様にして、鉄ヒ素澱物溶液を調製した。これらの溶液を93±3℃に加熱した後、結晶性スコロダイトを種晶として50g/Lになるように加え、6時間、加熱攪拌を続けた。生成したスコロダイトを固液分離して回収した。製造条件および結果を表1に示す。
表1に示すように、Fe/Asモル比1.05〜1.18、および初期ナトリウム濃度3.12g/L〜26.38g/Lの試料No.1〜16は、何れもスコロダイトのヒ素溶出量が0.15mg/L以下であってスコロダイトが安定であり、また、スコロダイトへの転換率が95%以上と高い。さらに、これらのうち、初期ナトリウム濃度が3.12g/L〜3.74g/Lの試料No.1〜4は、スコロダイトのヒ素溶出量が0.07〜0.03mg/Lであって格段に低く、かつスコロダイトへの転換率が何れも98%以上であり、格段に高い転換率を示している。
Figure 0006828400
〔比較例1〕
表2に示す初期pH、初期ナトリウム濃度(2.5g/L未満)、およびFe/Asモル比になるように調整した以外は実施例1と同様にして、鉄ヒ素澱物溶液を調製した。これらの溶液を93±3℃に加熱した後、結晶性スコロダイトを種晶として50g/Lになるように加え、6時間、加熱攪拌を続けた。生成したスコロダイトを固液分離して回収した。製造条件および結果を表2に示す(試料20〜30)。
〔比較例2〕
表2に示す初期pH、初期ナトリウム濃度(3.9g/L〜13.4g/L)、およびFe/Asモル比(1.0未満)になるように調整した以外は実施例1と同様にして、鉄ヒ素澱物溶液を調製した。これらの溶液を93±3℃に加熱した後、結晶性スコロダイトを種晶として50g/Lになるように加え、6時間、加熱攪拌を続けた。生成したスコロダイトを固液分離して回収した。製造条件および結果を表2に示す(試料31〜35)。
〔比較例3〕
表2に示す初期pH、初期ナトリウム濃度(3.91g/L〜4.9g/L)、およびFe/Asモル比(1.25以上)になるように調整した以外は実施例1と同様にして、鉄ヒ素澱物溶液を調製した。これらの溶液を93±3℃に加熱した後、結晶性スコロダイトを種晶として50g/Lになるように加え、6時間、加熱攪拌を続けた。生成しスコロダイトを固液分離して回収した。製造条件および結果を表2に示す(試料36〜38)。
表2に示すように、初期ナトリウム濃度の低い比較例1の試料20〜30の大部分は、ヒ素の溶出量が多く、スコロダイトの安定性が低い、またスコロダイトへの転換率が低く90%以下である。また、Fe/Asモル比の低い比較例2の試料31〜35は、スコロダイトへの転換率は高いが、ヒ素の溶出量が多く、スコロダイトの安定性が低い。一方、Fe/Asモル比が高い比較例3の試料36〜38は、ヒ素の溶出量が0.2mg/L未満であるのでコロダイトの安定性は良いが、スコロダイトへの転換率は大幅に低い。
Figure 0006828400

Claims (3)

  1. 銅ヒ素含有物をナトリウム含有溶液でアルカリ酸化浸出して銅分を除去したヒ素浸出液に、第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させて固液分離し、この澱物をpH0.5以上〜1.0以下の酸性溶液にし、加熱処理して結晶質のスコロダイトを生成する方法において、前記酸性溶液のヒ素濃度8.85以上〜69.2以下g/Lの範囲で、Fe/Asモル比を1.04以上〜1.18以下、およびナトリウム濃度を2.5g/L以上に調整して加熱処理し、ヒ素溶出濃度が0.15mg/L以下のスコロダイトを95%以上の転換率で生成させることを特徴とするスコロダイトの製造方法。
  2. ナトリウム濃度を3.0g/L以上〜4.0g/L未満にして、ヒ素溶出濃度が0.07mg/L以下のスコロダイトを98%以上の転換率で生成させる請求項1に記載するスコロダイトの製造方法。
  3. 銅ヒ素含有物に水酸化ナトリウム溶液を加え、加熱下でアルカリ酸化浸出を行い、酸化銅を含む残渣を分離した後に、ヒ素を含む浸出液に第二鉄化合物を添加して鉄ヒ素澱物を生成させて固液分離し、この澱物を用いる請求項1または請求項2に記載するスコロダイトの製造方法。
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