以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
[画像形成システムの構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム500の全体構成を示す図である。
この画像形成システム500は、用紙Pに画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1によって画像が形成された用紙Pに対して後処理を施す後処理装置2とを備えている。
まず、画像形成装置1は、画像データに基づいて画像を形成する画像形成部10と、原稿から画像を読み取って読取画像データを生成する画像読取部11と、画像形成部10にシートの一例としての用紙Pを供給する用紙供給部12と、ユーザからの操作を受け付けるとともにユーザへの情報の提示を行うユーザインタフェース部13と、画像形成システム500全体の動作を制御する主制御部14とを備えている。また、画像形成装置1は、画像形成部10から排出されてくる画像形成済みの用紙Pを、後処理装置2へと受け渡す用紙受渡部15をさらに備えている。
一方、シート処理装置の一例としての後処理装置2は、画像形成装置1から画像形成済みの用紙Pを受け入れて搬送するトランスポートユニット3と、トランスポートユニット3から搬入されてきた用紙Pに対し、必要に応じて折り処理を施す折りユニット4と、折りユニット4から搬入されてきた用紙Pに対し、他の後処理を施す後処理ユニット5とを備えている。また、後処理装置2は、トランスポートユニット3に対し、冊子の表紙等として用いられる合紙を供給する合紙供給ユニット(インタポーザ)6を有している。さらに、後処理装置2は、後処理装置2の各機能部の動作を制御する用紙処理制御部7を備えている。
これらのうち、トランスポートユニット3は、画像形成装置1から搬入されてくる用紙Pに生じたカール(反り)を矯正する、出力する手段、調整手段および反転手段の一例としてのデカーラ3aを備えている。
また、折りユニット4は、トランスポートユニット3から搬入されてくる用紙Pに対し、内三つ折り処理(所謂「C折り」)や外三つ折り処理(所謂「Z折り」)等の折り処理を施す折り機能部4aを備えている。
また、後処理ユニット5は、折りユニット4から搬入されてくる用紙Pに対し、必要に応じて2穴や4穴等の穴開け(パンチ)処理を施す穴開け機能部5aを備えている。さらに、後処理ユニット5は、穴開け機能部5aを通過した用紙Pを、必要な枚数だけ集積させることで用紙束を形成させ、形成された用紙束の端部にステープルによる綴じ(端綴じ)処理を施す端綴じ機能部5bを備えている。さらにまた、後処理ユニット5は、穴開け機能部5aを通過した用紙Pを、必要な枚数だけ集積させることで用紙束を形成させ、形成された用紙束の中央部にステープルによる綴じ(中綴じ)処理を施した後、この用紙束の中央部(中綴じ部)に折り処理を施すことで、冊子を作成する(簡易的な製本作業を行う)中綴じ製本機能部5cを備えている。
なお、この例では、用紙処理制御部7を、後処理装置2における後処理ユニット5内に設けた構成を例示しているが、後処理装置2を構成する他のユニット(トランスポートユニット3、折りユニット4、合紙供給ユニット6)内に設けてもよい。また、この例では、用紙処理制御部7を後処理装置2内に設けた構成を例示しているが、画像形成装置1内に設けてもよい。また、主制御部14と用紙処理制御部7とを別々に設けるのではなく、主制御部14が用紙処理制御部7を兼ねるようにしてもかまわない。
[画像形成部の構成]
図2は、画像形成装置1に設けられた画像形成部10の構成を示す図である。
画像形成手段および供給手段の一例としての画像形成部10は、電子写真方式によってトナー像を形成するトナー像形成部10Aと、トナー像形成部10Aに対向して回転可能に配置される中間転写ベルト10Bと、トナー像形成部10Aによって形成されたトナー像を中間転写ベルト10Bに一次転写する一次転写部10Cとを備える。また、画像形成部10は、中間転写ベルト10Bに一次転写されたトナー像を用紙P(図1参照)に二次転写する二次転写部10Dと、二次転写されたトナー像を用紙Pに定着する、加熱手段の一例としての定着部10Eとを備える。
ここで、画像形成部10は、用紙供給部12(図1参照)から送られてきた用紙Pを二次転写部10Dへと供給する供給経路Raと、二次転写部10Dから送られてきた用紙Pを、定着部10Eを介して用紙受渡部15(図1参照)へと排出する排出経路Rbと、排出経路Rbにおける定着部10Eの下流側と供給経路Raとに接続され、定着部10Eを通過した用紙Pの搬送方向前後を反転させることで、その表裏を反転させた状態で再度二次転写部10Dへと供給する反転経路Rcとを有している。
ここで、本実施の形態では、単体で使用可能な画像形成装置1を、画像形成システム500に組み込んで使用している。そして、この画像形成装置1を単体で使用する際には、用紙受渡部15の取り付け位置に用紙排出部が設けられ、画像形成済みの用紙Pが、画像形成装置1の上方にフェイスダウンにて排出されるようになっている。このため、画像形成部10では、排出経路Rbが、定着部10Eまでは図中上方に向かうとともに、定着部10Eを通過した後に図中右側に湾曲(カーブ)するように設けられている。
なお、湾曲搬送路の一例としての排出経路Rbにおいては、定着部10Eの出口側すなわち排出経路Rbの最上流側となる部位における用紙Pの搬送方向と、そこから200mm〜250mmだけ搬送方向下流側となる部位における用紙Pの搬送方向との角度差が、45度以上となるように設定されている。
そして、供給経路Raにおける供給経路Raと反転経路Rcとの合流部位よりも搬送方向上流側には、用紙供給部12(図1参照)から送られてきた用紙Pを搬送する搬送ロール10Fが設けられている。また、供給経路Raにおける供給経路Raと反転経路Rcとの合流部位よりも搬送方向下流側には、二次転写部10Dに供給する用紙Pの位置合わせを行うレジストロール10Gが配置されている。さらに、排出経路Rbのうち排出経路Rbと反転経路Rcとの分岐部位付近には、正逆回転可能に設けられ、定着部10Eを通過した用紙Pを、正転することで用紙受渡部15(図1参照)へと導き、また、逆転することで反転経路Rcへと導く排出ロール10Hが設けられている。さらにまた、反転経路Rcには、排出経路Rbから搬入されてきた用紙Pを供給経路Raへと導く複数の反転搬送ロール10Jが設けられている。
[折り処理の種類]
図3は、折りユニット4に設けられた折り機能部4aが実行する折り処理の種類を説明するための図である。
本実施の形態の折り機能部4aは、例えば封筒の内部に収容するために用紙Pを三等分(1:1:1)に近い状態で三つ折りする封筒折りと、二つ折りした用紙Pの片側をさらに二つ折りすることで、用紙Pを2:1:1に近い状態で三つ折りし、折り形状をZ字状とするZ折りとを実行する。また、本実施の形態の折り機能部4aは、上記封筒折りとして、用紙Pを外側に三つ折りすることで折り形状をZ字状とする封筒Z折りと、用紙Pを内側に三つ折りすることで折り形状をC字状とする封筒C折りとを実行する。そして、本実施の形態では、これら封筒折り(封筒Z折りおよび封筒C折り)とZ折りとを実行するに際して、用紙Pに1回目の折り処理を施して第1の折り目F1を形成し、第1の折り目F1が形成された用紙Pに2回目の折り処理を施して第2の折り目F2を形成する。したがって、これら封筒折り(封筒Z折りおよび封筒C折り)とZ折りとでは、2度に渡る折り処理が必要となる。
図4は、封筒C折りの種類を説明するための図である。ここで、図4(a)は外画像C折りを、図4(b)は内画像C折りを、それぞれ示している。
図4(a)に示す外画像C折りは、図3に示す封筒C折りのうち、用紙Pの一方の面に形成される画像Im(トナー像)を、折り処理後の用紙Pの外側に位置させるようにしたものである。これに対し、図4(b)に示す内画像C折りは、図3に示す封筒C折りのうち、用紙Pの一方の面に形成される画像Im(トナー像)を、折り処理後の用紙Pの内側に位置させるようにしたものである。なお、封筒C折り以外の封筒Z折りおよびZ折りにおいては、用紙Pの一方の面に形成される画像Im(トナー像)が、折り処理後の用紙Pの外側と内側とに位置することとなる。
なお、本実施の形態では、封筒Z折り処理とZ折り処理とが外三つ折り処理に含まれ、また、封筒C折り処理(外画像C折り処理および内画像C折り処理)が内三つ折り処理に含まれる。
[折り機能部の構成]
図5は、折りユニット4における折り機能部4aの構成を示す図である。
本実施の形態の折り機能部4aは、トランスポートユニット3(図1参照)から用紙Pが搬入される用紙入口(IN)と後処理ユニット5(図1参照)に用紙Pが搬出される用紙出口(OUT)とを直線的に結ぶ直線搬送路R1と、この直線搬送路R1の途中から分岐して下方側に迂回して配置される迂回搬送路R2とを有する。また、折り機能部4aは、迂回搬送路R2に設けられた、用紙Pに1回目の折り処理を施す第1折り機構41と、用紙Pに2回目の折り処理を施す第2折り機構42とを備える。
また、折り機能部4aにおいて、直線搬送路R1の入口部分には取込ロール(搬送ロール)43が設けられると共に、直線搬送路R1の途中には送出ロール(搬送ロール)44が設けられており、直線搬送路R1と迂回搬送路R2との分岐部位には、用紙Pの搬送路を切り替えるための第1切替ゲート45が設けられている。さらに、迂回搬送路R2は、直線搬送路R1との分岐部位から下方に延びる入口迂回搬送路R21と、この入口迂回搬送路R21の途中からC字状に分岐する中間迂回搬送路R22と、この中間迂回搬送路R22の途中から分岐して直線搬送路R1へと戻る戻り迂回搬送路R23とを備えている。
ここで、第1折り機構41は、入口迂回搬送路R21の途中に設けられ且つ第1の折り位置の直前に配置されるニップリリース可能なスキュー補正ロール(搬送ロールを兼用)41Aと、入口迂回搬送路R21の終端側に設けられる上下動可能な第1エンドガイド41Bと、中間迂回搬送路R22における入口迂回搬送路R21側に配置される第1折りロール41Cとで構成されている。
一方、第2折り機構42は、中間迂回搬送路R22の途中に設けられ且つ第2の折り位置の直前に配置される押込ロール(搬送ロールを兼用)42Aと、この中間迂回搬送路R22の終端側に設けられる上下動可能な第2エンドガイド42Bと、戻り迂回搬送路R23における中間迂回搬送路R22側に配置される第2折りロール42Cとを備えている。なお、迂回搬送路R2には、上述したスキュー補正ロール41Aや押込ロール42A以外に、複数の搬送ロール47が設けられている。
さらに、第2折りロール42Cの直後には、戻り迂回搬送路R23への通過を許容するか否かを切り替える第2切替ゲート46が設けられ、この第2切替ゲート46の下方には、封筒折り(封筒Z折りあるいは封筒C折り)された用紙Pを収容する用紙収容装置48が配置されている。なお、本実施の形態では、第1折りロール41Cが第1折り手段の一例として、また、第2折りロール42Cが第2折り手段の一例として、それぞれ機能している。さらに、第1折りロール41Cおよび第2折りロール42Cが、内三つ折り手段および外三つ折り手段の一例として、それぞれ機能している。
[折り機能部のレイアウト]
図6は、折り機能部4aのレイアウトを説明するための図である。
ここで、本実施の形態における封筒折りの対象用紙は、JISA4判を最大サイズとする一方、8.5×11[inches]を最小サイズとしている。また、本実施の形態におけるZ折りの対象用紙は、11×17[inches]を最大サイズとする一方、JISB4判を最小サイズとしている。
図6において、Lは、取込ロール43から第1エンドガイド41Bまでの用紙パス長であり、Z折りの対象用紙のうち、最大サイズ(本例では、11×17[inches])以上に設定されている。
また、L1は、取込ロール43からスキュー補正ロール41Aまでの用紙パス長であり、封筒折りの対象用紙のうち、最小サイズ(本例では8.5×11[inches])以下に設定されている。
さらに、L2は、スキュー補正ロール41Aから第1折りロール41Cの第1ニップ位置Aまでの用紙パス長であり、封筒折りの対象用紙のうち、最小サイズ(本例では8.5×11[inches])の1/3以下に設定されている。
さらにまた、L3は、第1折りロール41Cの第1ニップ位置Aから第1エンドガイド41Bまでの用紙パス長であり、封筒Z折りの対象用紙サイズの1/3になるように、封筒C折りの対象用紙サイズの2/3になるように、あるいは、Z折りの対象用紙サイズの1/4になるように設定される。
また、L4は、第1折りロール41Cの第1ニップ位置Aから押込ロール42Aまでの用紙パス長であり、Z折りの対象用紙のうち、最小サイズ(本例ではJISB4判)における1/2以下に設定されている。
さらに、L5は、押込ロール42Aから第2折りロール42Cの第2ニップ位置Bまでの用紙パス長であり、封筒折りの対象用紙のうち、最小サイズ(本例では8.5×11[inches])の1/3以下に設定されている。
さらにまた、L6は、第2折りロール42Cの第2ニップ位置Bから第2エンドガイド42Bまでの用紙パス長であり、封筒折りの対象用紙サイズの2/3になるように、あるいは、Z折りの対象用紙サイズの1/4になるように設定される。
[制御系の構成]
図7は、本実施の形態の画像形成システム500の制御に関するブロック図である。
画像形成装置1に設けられた主制御部14には、ユーザインタフェース部13からユーザより受け付けた指示に対応する指示信号が入力される。また、主制御部14は、画像形成装置1に設けられた画像形成部10、画像読取部11、用紙供給部12および用紙受渡部15に、それぞれ制御信号を出力する。さらに、主制御部14は、後処理装置2に設けられた用紙処理制御部7にも、制御信号を出力する。
一方、後処理装置2に設けられた用紙処理制御部7には、画像形成装置1に設けられた主制御部14から制御信号が入力される。また、用紙処理制御部7は、後処理装置2に設けられたトランスポートユニット3、折りユニット4、後処理ユニット5および合紙供給ユニット6に、それぞれ制御信号を出力する。さらに、用紙処理制御部7は、画像形成装置1に設けられた主制御部14にも、制御信号を出力する。
[折り処理動作の説明]
次に、折りユニット4(折り機能部4a)が実行する折り処理動作について説明を行う。ここで、本実施の形態の折りユニット4は、上述したように、折り処理として、3つの処理(封筒Z折り処理、封筒C折り処理、Z折り処理)を選択的に実行することができるため、以下、順に説明を行う。
(封筒Z折り処理)
図8(a)〜(c)は、封筒Z折りの処理過程を説明するための図である。
なお、ここでは、封筒に入れる小サイズの用紙P(例えばJISA4判SEF[Short Edge Feed])に対し、画像形成装置1で画像Imを作成した後、折りユニット4で封筒Z折り処理を施し、その後用紙収容装置48に排出するジョブを実行する場合を想定する。
まず、画像形成装置1では、用紙Pにトナー像(画像Im)を転写および定着した後、後処理装置2側に受け渡す。そして、画像形成装置1から排出された画像形成済みの用紙Pは、トランスポートユニット3を経由し、必要に応じてデカーラ3aにてカールが矯正された後、折りユニット4に受け渡される。
折りユニット4(折り機能部4a)では、ユーザインタフェース部13を介して受け付けた「封筒Z折りモード」のジョブ指定により、図5に示すように、第1切替ゲート45が迂回搬送路R2への用紙Pの移動を許容する位置に配置され、また、第1エンドガイド41Bおよび第2エンドガイド42Bのそれぞれが目的とする位置に移動し、さらに、第2切替ゲート46が戻り迂回搬送路R23への用紙Pの移動を阻止する位置に配置される。特に、第1エンドガイド41Bおよび第2エンドガイド42Bの位置は、図6に示すL3、L6がいずれも対象用紙サイズ(本例ではJISA4判SEF)の1/3となるように調整される。
この状態において、用紙Pは、図8(a)に示すように、直線搬送路R1から入口迂回搬送路R21側に搬送されて第1折り機構41に導かれ、スキュー補正ロール41Aを経由して、その先端が第1エンドガイド41Bに突き当たって停止する。このとき、用紙Pが画像形成装置1やトランスポートユニット3の搬送路中でスキューして入ってきた場合、用紙Pの姿勢が曲がったまま第1折りロール41Cへ送り込まれると、折り位置の精度が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、スキュー補正ロール41Aを用いて用紙Pのスキュー補正を行うようにしている。
このスキュー補正方法は、スキュー補正ロール41Aにて用紙Pをニップ搬送させながら、第1エンドガイド41Bに用紙Pの先端を突き当てさせ、そこからさらに数mm(例えば5mm程度)用紙Pを送り込み、用紙Pの先端側にループを形成した後、スキュー補正ロール41Aのニップを解除するものである。この場合、スキュー補正ロール41Aによるニップを解除すると、用紙Pに形成されたループが真っ直ぐに戻ろうとするため、用紙Pの先端が第1エンドガイド41Bに沿って水平になろうとするとともに、用紙Pの後端も用紙Pの先端にならい、水平になろうとする。これにより、用紙Pに生じていたスキューが補正されることになる。
次に、スキュー補正が終わった用紙Pをスキュー補正ロール41Aで再びニップし、第1折りロール41Cよりもわずかに速い速度で搬送することにより、第1折りロール41Cの手前の空間で用紙Pを座屈させてループを作り、第1折りロール41Cに送り込み、第1ニップ位置A(図6参照)にて1回目の折り処理(図3に示す封筒Z折りの第1折り目F1の形成)を行う。
続いて、図8(b)に示すように、1回目の折り処理が終わった用紙Pを第2折り機構42に導く。そして、用紙Pを、押込ロール42Aを通じて搬送した後、1回目の折り処理で折った第1の折り目F1の先端を第2エンドガイド42Bに突き当てさせ、用紙Pの後端側にループを形成した後、第2折りロール42Cへと送り込み、第2ニップ位置B(図6参照)にて2回目の折り処理(図3に示す封筒Z折りの第2折り目F2の形成)を行う。このとき、第1折りロール41Cの手前で既にスキュー補正をしているので、ここでのスキュー補正は不要である。
それから、2回目の折り処理が終了することで封筒Z折りが施された用紙Pは、図8(c)に示すように、第2切替ゲート46によって案内され、用紙収容装置48(図5参照)へと排出される。
以上により、1枚の用紙Pに対する封筒Z折り処理動作が完了する。
(封筒C折り処理)
図9(a)〜(c)は、封筒C折りの処理過程を説明するための図である。
なお、ここでは、封筒に入れる小サイズの用紙P(例えばJISA4判SEF)に対し、画像形成装置1で画像Imを作成した後、折りユニット4で封筒C折り処理を施し、その後用紙収容装置48に排出するジョブを実行する場合を想定する。
上述した封筒Z折り処理の場合と同じく、まず、画像形成装置1では、用紙Pにトナー像(画像Im)を転写および定着した後、画像形成済みの用紙Pを後処理装置2側に受け渡す。そして、画像形成装置1から排出された画像形成済みの用紙Pは、トランスポートユニット3を経由し、必要に応じてデカーラ3aにてカールが矯正された後、折りユニット4に受け渡される。
折りユニット4(折り機能部4a)では、ユーザインタフェース部13を介して受け付けた「封筒C折りモード」のジョブ指定により、図5に示すように、第1切替ゲート45が迂回搬送路R2への用紙Pの移動を許容する位置に配置され、また、第1エンドガイド41Bおよび第2エンドガイド42Bのそれぞれが目的とする位置に移動し、さらに、第2切替ゲート46が戻り迂回搬送路R23への用紙Pの移動を阻止する位置に配置される。特に、第1エンドガイド41Bの位置は、封筒Z折りモードと異なり、図6に示すL3が対象用紙サイズ(本例ではJISA4判SEF)の2/3となるように調整される。なお、このときの第2エンドガイド42Bの位置は、上記封筒Z折りモードと同じである。
この状態において、用紙Pは、図9(a)に示すように、直線搬送路R1から入口迂回搬送路R21側に搬送されて第1折り機構41に導かれ、スキュー補正ロール41Aを経由して、その先端が第1エンドガイド41Bに突き当たって停止する。次に、スキュー補正ロール41Aを用いて用紙Pのスキュー補正を行った後、第1折りロール41Cにより第1ニップ位置A(図6参照)にて1回目の折り処理(図3に示す封筒C折りの第1折り目F1の形成)を行う。
続いて、図9(b)に示すように、1回目の折り処理が終わった用紙Pを第2折り機構42に導く。そして、用紙Pを、押込ロール42Aを通じて搬送した後、1回目の折り処理で折った第1の折り目F1の先端を第2エンドガイド42Bに突き当てさせ、用紙Pの後端側にループを形成した後、第2折りロール42Cへと送り込み、第2ニップ位置B(図6参照)にて2回目の折り処理(図3に示す封筒C折りの第2折り目F2の形成)を行う。
それから、2回目の折り処理が終了することで封筒C折りが施された用紙Pは、図9(c)に示すように、第2切替ゲート46によって案内され、用紙収容装置48(図5参照)へと排出される。
以上により、1枚の用紙Pに対する封筒C折り処理動作が完了する。
(Z折り処理)
図10(a)〜(c)は、Z折りの処理過程を説明するための図である。
なお、ここでは、上述した封筒Z折り処理や封筒C折り処理の場合よりも大サイズの用紙P(例えばJISA3判SEF)に対し、画像形成装置1で画像Imを作成した後、折りユニット4でZ折り処理を施し、その後、後処理ユニット5(図1参照)に排出するジョブを実行する場合を想定する。
上述した封筒Z折り処理や封筒C折り処理の場合と同じく、まず、画像形成装置1では、用紙Pにトナー像(画像Im)を転写および定着した後、画像形成済みの用紙Pを後処理装置2側に受け渡す。そして、画像形成装置1から排出された画像形成済みの用紙Pは、トランスポートユニット3を経由し、必要に応じてデカーラ3aにてカールが矯正された後、折りユニット4に受け渡される。
折りユニット4(折り機能部4a)では、ユーザインタフェース部13を介して受け付けた「Z折りモード」のジョブ指定により、図5に示すように、第1切替ゲート45が迂回搬送路R2への用紙Pの移動を許容する位置に配置され、また、第1エンドガイド41Bおよび第2エンドガイド42Bのそれぞれが目的とする位置に移動し、さらに、上記封筒折り処理(封筒Z折り処理および封筒C折り処理)とは異なり、第2切替ゲート46が戻り迂回搬送路R23への用紙Pの移動を許容する位置に配置される。特に、第1エンドガイド41Bおよび第2エンドガイド42Bの位置は、上記封筒折り処理と異なり、図6に示すL3、L6が対象用紙サイズ(本例ではJISA3判SEF)の1/4となるように調整される。
この状態において、用紙Pは、図10(a)に示すように、直線搬送路R1から迂回搬送路R2側に搬送されて第1折り機構41に導かれ、スキュー補正ロール41Aを経由して、その先端が第1エンドガイド41Bに突き当たって停止する。次に、スキュー補正ロール41Aを用いて用紙Pのスキュー補正を行った後、第1折りロール41Cにより第1ニップ位置A(図6参照)にて1回目の折り処理(図3に示すZ折りの第1折り目F1の形成)を行う。
続いて、図10(b)に示すように、1回目の折り処理が終わった用紙Pを第2折り機構42に導く。そして、用紙Pを、押込ロール42Aを通じて搬送した後、1回目の折り処理で折った第1の折り目F1の先端を第2エンドガイド42Bに突き当てさせ、用紙Pの中央側にループを形成した後、第2折りロール42Cへと送り込み、第2ニップ位置B(図6参照)にて2回目の折り処理(図3に示すZ折りの第2折り目F2の形成)を行う。
それから、2回目の折り処理が終了することでZ折りが施された用紙Pは、図10(c)に示すように、第2切替ゲート46によって戻り迂回搬送路R23に搬送され、その後、後処理ユニット5(図1参照)へと送られる。
以上により、1枚の用紙Pに対するZ折り処理動作が完了する。
[画像出力モード]
図11は、画像形成装置1が実行する画像出力モードを説明するための図である。ここで、図11(a)は、「通常出力モード」で画像形成装置1から排出される用紙Pを、図11(b)は、「反転出力モード」で画像形成装置1から排出される用紙Pを、それぞれ示している。なお、ここでは、図1および図2も参照しながら説明を行う。
(通常出力モード)
まず、通常出力モードでは、用紙供給部12から供給されることで供給経路Ra内を搬送される用紙Pの表面Paに、二次転写部10Dにて画像Imを転写する。そして、二次転写部10Dおよび定着部10Eを通過することで加熱(定着)された用紙Pを、排出経路Rbから用紙受渡部15へと受け渡す。ここで、通常出力モードでは、図11(a)に示すように、用紙Pの表面Paに画像Imを形成する一方、用紙Pの裏面Pbには画像Imを形成しない。この場合、用紙受渡部15から搬送方向Xに沿って排出される用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる。そして、通常出力モードでは、1回目の定着部10Eの通過後(加熱後)に排出経路Rbにおける湾曲部位を通過することにより、画像形成部10から用紙受渡部15を介して排出される用紙Pには、図11(a)に示すように、「上に凸」となるダウンカールが発生することになる。その結果、画像形成装置1からトランスポートユニット3に供給される用紙Pでは、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となる。
(反転出力モード)
一方、反転出力モードでも、上記通常出力モードと同じく、用紙供給部12から供給されることで供給経路Ra内を搬送される用紙Pの表面Paに、二次転写部10Dにて画像Imを転写する。ただし、反転出力モードでは、上記通常出力モードとは異なり、二次転写部10Dおよび定着部10Eを通過することで画像Imが加熱(定着)された用紙Pを排出経路Rbに導いた後、搬送方向の前後を反転させることで排出経路Rbから反転経路Rcへと導き、さらに反転経路Rcから再度供給経路Raへと導く。これにより、再度供給経路Ra内に搬入された用紙Pは、搬送方向に加えて、その表裏も反転した状態となる。次に、再度供給経路Ra内を搬送される用紙Pの裏面Pbに、二次転写部10Dで画像Imを転写することなく、用紙Pを通過させる。そして、二次転写部10Dおよび定着部10Eを通過することで再度加熱された用紙Pを、排出経路Rbから用紙受渡部15へと受け渡す。ここで、反転出力モードでも、上記通常出力モードと同じく、用紙Pの表面Paに画像Imを形成する一方、用紙Pの裏面Pbには画像Imを形成しない。この場合、用紙受渡部15から搬送方向Xに沿って排出される用紙Pの上面Tsは表面Pa(画像Imあり)となり、この用紙Pの下面Usは裏面Pb(画像Imなし)となる。そして、反転出力モードでは、2回目の定着部10Eの通過後(加熱後)に排出経路Rbにおける湾曲部位を通過することにより、画像形成部10から用紙受渡部15を介して排出される排出される用紙Pには、「上に凸」となるダウンカールが発生することとなる。その結果、画像形成装置1からトランスポートユニット3に供給される用紙Pでは、上面Tsとなる表面Pa(画像Imあり)が凸面となり、下面Usとなる裏面Pb(画像Imなし)が凹面となる。
ここで、本実施の形態では、用紙Pの下面Usがシートの一方の面に対応し、用紙Pの上面Tsがシートの他方の面に対応している。また、本実施の形態では、用紙Pの下面Usが第1対向面に対応し、用紙Pの上面Tsが第2対向面に対応している。
[折り処理モードと、画像出力モードおよびデカーラの設定との関係]
本実施の形態の画像形成システム500では、ユーザインタフェース部13を介して受け付けたジョブ指定に基づき、画像形成システム500に設定された折り処理モードに応じて、画像形成装置1における画像出力モードおよびトランスポートユニット3におけるデカーラ3aの設定を切り替えるようになっている。
図12は、本実施の形態における折り処理モードと、画像出力モードおよびデカーラ3aの設定との関係を示す図である。
まず、折りユニット4にて用紙Pに『折り処理を施さない』場合(折り処理モード:なし)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向不変(上に凸)」に設定される。
また、折りユニット4にて用紙Pに『封筒Z折り処理』を施す場合(折り処理モード:封筒Z折り)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向不変(上に凸)」に設定される。
さらに、折りユニット4にて用紙Pに『外画像C折り処理』を施す場合(折り処理モード:外画像C折り(封筒C折り))、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向変更(下に凸)」に設定される。
さらにまた、折りユニット4にて用紙Pに『内画像C折り処理』を施す場合(折り処理モード:内画像C折り(封筒C折り))、画像形成装置1における画像出力モードは「反転出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向変更(下に凸)」に設定される。
そして、折りユニット4にて用紙Pに『Z折り処理』を施す場合(折り処理モード:Z折り)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向不変(上に凸)」に設定される。
[折り処理モードと用紙のカール状態との関係]
では、本実施の形態の画像形成システム500における、折り処理モードと用紙Pのカール状態との関係について説明を行う。ここで、本実施の形態の画像形成システム500では、4つの折り処理モード(封筒Z折りモード、外画像C折りモード(封筒C折り)、内画像C折りモード(封筒C折り)、Z折りモード)を選択的に実行することができるため、以下、順に説明を行う。
(封筒Z折りモード)
図13(a)〜(c)は、封筒Z折りモードにおける、折り処理される用紙Pと用紙Pのカール状態との関係を説明するための図である。ここで、図13(a)は、搬送方向Xに沿って搬送され、折り機能部4aの直線搬送路R1に設けられた取込ロール43を通過する取込時の用紙Pを示している。また、図13(b)は、折り機能部4aの迂回搬送路R2に設けられた第1折り機構41を通過することで、第1の折り目F1が形成された第1の折り目形成後の用紙Pを示している。そして、図13(c)は、折り機能部4aの迂回搬送路R2に設けられた第2折り機構42を通過することで、さらに第2の折り目F2が形成された第2の折り目形成後の用紙Pを示している。なお、図13(a)〜(c)に示す関係については、以下に説明する図14〜図16においても同様である。
図12に示したように、封筒Z折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向不変(上に凸)」に設定される。このため、図13(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、図13(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、デカーラ3aの設定が「カール方向不変」であることに伴い、「上に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となる。
続いて、用紙Pは、凹面となる表面Paが、第1折り機構41に設けられた第1折りロール41Cと接触するように、第1ニップ位置Aに突入する。その結果、第1ニップ位置Aを通過した用紙Pには、図13(b)に示すように、中央よりも先端側となる部位に、表面Pa側からみて山折り(裏面Pb側からみて谷折り)となるように、第1の折り目F1が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第1の折り目F1形成後の用紙Pでは、画像Imが、折られた用紙Pの外側に位置することになる。
それから、第1の折り目F1が形成された用紙Pは、凸面となる裏面Pbが、第2折り機構42に設けられた第2折りロール42Cと接触するように、第2ニップ位置Bに突入する。その結果、第2ニップ位置Bを通過した用紙Pには、図13(c)に示すように、中央よりも後端側となる部位に、裏面Pb側からみて山折り(表面Pa側からみて谷折り)となるように、第2の折り目F2が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第2の折り目F2形成後の用紙Pでは、画像Imが、折られた用紙Pの外側(第1の折り目F1周辺)と内側(第2の折り目F2周辺)とに位置することになる。
(外画像C折りモード)
図14(a)〜(c)は、外画像C折りモードにおける、折り処理される用紙Pと用紙Pのカール状態との関係を説明するための図である。
図12に示したように、外画像C折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向変更(下に凸)」に設定される。このため、図14(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、図14(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、デカーラ3aの設定が「カール方向変更」であることに伴い、「下に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凹面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凸面となる。
ここで、外画像C折りモードおよび上記封筒Z折りモード(図13参照)は、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっている点で共通する。また、外画像C折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「下に凸」となっているのに対し、上記封筒Z折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「上に凸」となっている点で相違する。
続いて、用紙Pは、凸面となる表面Paが、第1折り機構41に設けられた第1折りロール41Cと接触するように、第1ニップ位置Aに突入する。その結果、第1ニップ位置Aを通過した用紙Pには、図14(b)に示すように、中央よりも後端側となる部位に、表面Pa側からみて山折り(裏面Pb側からみて谷折り)となるように、第1の折り目F1が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第1の折り目F1形成後の用紙Pでは、画像Imが、折られた用紙Pの外側に位置することになる。
それから、第1の折り目F1が形成された用紙Pは、凸面となる表面Paが、第2折り機構42に設けられた第2折りロール42Cと接触するように、第2ニップ位置Bに突入する。その結果、第2ニップ位置Bを通過した用紙Pには、図14(c)に示すように、中央よりも先端側となる部位に、表面Pa側からみて山折り(裏面Pb側からみて谷折り)となるように、第2の折り目F2が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第2の折り目F2形成後の用紙Pでは、画像Imが、2箇所で折られた用紙Pの外側(山折り側)に位置することになる。
(内画像C折りモード)
図15(a)〜(c)は、内画像C折りモードにおける、折り処理される用紙Pと用紙Pのカール状態との関係を説明するための図である。
図12に示したように、内画像C折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「反転出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向変更(下に凸)」に設定される。このため、図15(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、「反転出力モード」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは表面Pa(画像Imあり)となり、この用紙Pの下面Usは裏面Pb(画像Imなし)となる(図11(b)も参照)。また、図15(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、デカーラ3aの設定が「カール方向変更」であることに伴い、「下に凸」、すなわち、上面Tsとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となり、下面Usとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となる。
ここで、内画像C折りモードでは、取込時の用紙Pの表面Paが上面Tsとなっているのに対し、上記封筒Z折りモード(図13参照)では、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっている点で相違する。また、内画像C折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「下に凸」となっているのに対し、上記封筒Z折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「上に凸」となっている点で相違する。
一方、内画像C折りモードでは、取込時の用紙Pの表面Paが上面Tsとなっているのに対し、上記外画像C折りモード(図14参照)では、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっている点で相違する。また、内画像C折りモードおよび上記外画像C折りモードは、取込時の用紙Pのカール状態が「下に凸」となっている点で共通する。
続いて、用紙Pは、凸面となる裏面Pbが、第1折り機構41に設けられた第1折りロール41Cと接触するように、第1ニップ位置Aに突入する。その結果、第1ニップ位置Aを通過した用紙Pには、図15(b)に示すように、中央よりも後端側となる部位に、裏面Pb側からみて山折り(表面Pa側からみて谷折り)となるように、第1の折り目F1が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第1の折り目F1形成後の用紙Pでは、画像Imが、折られた用紙Pの内側に位置することになる。
それから、第1の折り目F1が形成された用紙Pは、凸面となる裏面Pbが、第2折り機構42に設けられた第2折りロール42Cと接触するように、第2ニップ位置Bに突入する。その結果、第2ニップ位置Bを通過した用紙Pには、図15(c)に示すように、中央よりも先端側となる部位に、裏面Pb側からみて山折り(表面Pa側からみて谷折り)となるように、第2の折り目F2が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第2の折り目F2形成後の用紙Pでは、画像Imが、2箇所で折られた用紙Pの内側(谷折り側)に位置することになる。
(Z折りモード)
図16(a)〜(c)は、Z折りモードにおける、折り処理される用紙Pと用紙Pのカール状態との関係を説明するための図である。
図12に示したように、Z折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるデカーラ3aは「カール方向不変(上に凸)」に設定される。このため、図16(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、図16(a)に示すように、取込時の用紙Pでは、デカーラ3aの設定が「カール方向不変」であることに伴い、「上に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となる。
ここで、Z折りモードおよび上記封筒Z折りモード(図13参照)は、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっている点で共通する。また、Z折りモードおよび上記封筒Z折りモードは、取込時の用紙Pのカール状態が「上に凸」となっている点で共通する。
一方、Z折りモードおよび上記外画像C折りモード(図14参照)は、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっている点で共通する。また、Z折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「上に凸」となっているのに対し、上記外画像C折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「下に凸」となっている点で相違する。
他方、Z折りモードでは、取込時の用紙Pの表面Paが下面Usとなっているのに対し、上記内画像C折りモード(図15参照)では、取込時の用紙Pの表面Paが上面Tsとなっている点で相違する。また、Z折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「上に凸」となっているのに対し、上記内画像C折りモードでは、取込時の用紙Pのカール状態が「下に凸」となっている点で相違する。
続いて、用紙Pは、凹面となる表面Paが、第1折り機構41に設けられた第1折りロール41Cと接触するように、第1ニップ位置Aに突入する。その結果、第1ニップ位置Aを通過した用紙Pには、図16(b)に示すように、中央よりも先端側となる部位に、表面Pa側からみて山折り(裏面Pb側からみて谷折り)となるように、第1の折り目F1が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第1の折り目F1形成後の用紙Pでは、画像Imが、折られた用紙Pの外側に位置することになる。
それから、第1の折り目F1が形成された用紙Pは、凸面となる裏面Pbが、第2折り機構42に設けられた第2折りロール42Cと接触するように、第2ニップ位置Bに突入する。その結果、第2ニップ位置Bを通過した用紙Pには、図16(c)に示すように、中央となる部位に、裏面Pb側からみて山折り(表面Pa側からみて谷折り)となるように、第2の折り目F2が形成される。このとき、用紙Pの表面Paに画像Imが形成されていることから、第2の折り目F2形成後の用紙Pでは、画像Imが、2箇所で折られた用紙Pの外側(第1の折り目F1周辺)と谷折りされた用紙Pの内側(第2の折り目F2周辺)とに位置することになる。
[用紙のカール状態と封筒C折り後の用紙との関係]
ここで、本実施の形態において、用紙Pに封筒C折り処理(外画像C折り処理および内画像C折り処理)を施す前に、用紙Pのカール方向を、『上に凸』から『下に凸』へと変更している理由について説明を行う。
図17は、用紙Pのカール状態と封筒C折り処理後の用紙Pとの関係を説明するための図である。ここで、図17(a)は、折りユニット4への搬入時(取込ロール43への取込時)に「下に凸」のカール形状を呈している用紙Pに対して、封筒C折り処理を施した場合を、図17(b)は、折りユニット4への搬入時に「上に凸」のカール形状を呈している用紙Pに対して、封筒C折り処理を施した場合を、それぞれ示している。
まず、図17(a)に示すように、搬入時に下面Usが凸面となる用紙Pに対し、折り機能部4aで封筒C折り処理を施すと、封筒C折り処理後の用紙Pでは、第2の折り目F2側の端部(先端側)に対しより内側に位置する第1の折り目F1側の端部(後端側)が、第2の折り目F2に近づく方向にカールした状態となる。したがって、このような構成を採用した場合には、折り機能部4aによって用紙Pに第1の折り目F1および第2の折り目F2を形成する場合に、第1の折り目F1側の端部に、ドッグイヤーと呼ばれる折り不良が生じ難い。また、このような構成を採用することにより、折り機能部4aで用紙Pに第1の折り目F1および第2の折り目F2を形成する場合に、用紙Pのジャムも生じ難い。
これに対し、図17(b)に示すように、搬入時に下面Usが凹面となる用紙Pに対し、折り機能部4aで封筒C折り処理を施すと、封筒C折り処理後の用紙Pでは、第2の折り目F2側の端部に対しより内側に位置する第1の折り目F1側の端部が、第2の折り目F2から遠ざかる方向にカールした状態となる。したがって、このような構成を採用した場合には、折り機能部4aによって用紙Pに第1の折り目F1および第2の折り目F2を形成する場合に、第1の折り目F1側の端部に、ドッグイヤーと呼ばれる折り不良が生じ易い。また、このような構成を採用することにより、折り機能部4aによって用紙Pに第1の折り目F1および第2の折り目F2を形成する場合に、用紙Pのジャムも生じ易い。
このため、本実施の形態では、用紙Pに封筒C折り処理を施すに際して、図17(a)に示す手法を採用することとした。
[その他]
なお、本実施の形態では、デカーラ3aをトランスポートユニット3に設けていたが、これに限られるものではなく、折りユニット4に内蔵させてもよい。
また、本実施の形態では、カール状態が「上に凸」となっている用紙Pに対し、デカーラ3aを用いてそのカール状態が「下に凸」となるように矯正した後に、封筒C折り処理を施すようにしていたが、これに限られるものではない。例えばカールしていない用紙Pに対し、デカーラ3aを用いてそのカール状態が「下に凸」となるように矯正した後に、封筒C折り処理を施すようにしてもよい。また例えばカール状態がすでに「下に凸」となっている用紙Pに対し、デカーラ3aを用いてそのカール状態がさらに「下に凸」となるように矯正した後に、封筒C折り処理を施すようにしてもかまわない。
さらに、本実施の形態では、カール状態が「上に凸」となっている用紙Pに対し、デカーラ3aによるカール状態の矯正を行うことなく、封筒Z折り処理あるいはZ折り処理を施すようにしていたが、これに限られるものではない。例えばカール状態が「上に凸」となっている用紙Pに対し、デカーラ3aを用いてそのカール状態が「下に凸」となるように矯正した後に、封筒Z折り処理あるいはZ折り処理を施すようにしてもよい。
<実施の形態2>
実施の形態1では、デカーラ3aを用いて、用紙Pのカール方向を変更していた。これに対し、本実施の形態では、用紙Pの表裏を反転させるインバータ3b(後述する図18参照)を用いて、用紙Pのカール方向を変更するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
[画像形成システムの構成]
図18は、本実施の形態が適用される画像形成システム500の全体構成を示す図である。
この画像形成システム500は、トランスポートユニット3に、デカーラ3aに代えてインバータ3bを設けている点が、実施の形態1とは異なる。そして、出力する手段、調整手段および反転手段の一例としてのインバータ3bは、画像形成装置1から搬入されてくる用紙Pの搬送方向の前後を反転させることで、この用紙Pの表裏を反転し、折りユニット4に搬出する。
[折り処理モードと、画像出力モードおよびデカーラの設定との関係]
本実施の形態の画像形成システム500では、ユーザインタフェース部13を介して受け付けたジョブ指定に基づき、画像形成システム500に設定された折り処理モードに応じて、画像形成装置1における画像出力モードおよびトランスポートユニット3におけるインバータ3bの設定を切り替えるようになっている。
図19は、本実施の形態における折り処理モードと、画像出力モードおよびインバータ3bの設定との関係を示す図である。
まず、折りユニット4にて用紙Pに『折り処理を施さない』場合(折り処理モード:なし)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「不使用」に設定される。
また、折りユニット4にて用紙Pに『封筒Z折り処理』を施す場合(折り処理モード:封筒Z折り)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「不使用」に設定される。
さらに、折りユニット4にて用紙Pに『外画像C折り処理』を施す場合(折り処理モード:外画像C折り(封筒C折り))、画像形成装置1における画像出力モードは「反転出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「使用」に設定される。
さらにまた、折りユニット4にて用紙Pに『内画像C折り処理』を施す場合(折り処理モード:内画像C折り(封筒C折り))、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「使用」に設定される。
そして、折りユニット4にて用紙Pに『Z折り処理』を施す場合(折り処理モード:Z折り)、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「不使用」に設定される。
このように、本実施の形態では、折り処理モードが『外画像C折り処理』である場合に、画像出力モードが「反転出力」となっている点で、実施の形態1とは異なる(図12参照)。また、本実施の形態では、折り処理モードが『内画像C折り処理』である場合に、画像出力モードが「通常出力」となっている点で、実施の形態1とは異なる(図12参照)。
[折り処理モードと用紙のカール状態との関係]
では、本実施の形態の画像形成システム500における、折り処理モードと用紙Pのカール状態との関係について説明を行う。ここで、本実施の形態の画像形成システム500では、実施の形態1と同じく、4つの折り処理モード(封筒Z折りモード、外画像C折りモード(封筒C折り)、内画像C折りモード(封筒C折り)、Z折りモード)を選択的に実行することができるため、以下、順に説明を行う。
(封筒Z折りモード)
図19に示したように、封筒Z折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「不使用」に設定される。このため、折りユニット4への取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であるとともに、インバータ3bの設定が「不使用」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、取込時の用紙Pでは、インバータ3bの設定が「不使用」であることに伴い、「上に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となる。
このように、封筒Z折りモードにおける取込時の用紙Pの状態は、実施の形態1と同じになる(図13(a)参照)。したがって、封筒Z折りモードでは、実施の形態1と同じく、図13(a)に示す用紙Pに、図13(b)に示す第1の折り目F1が形成された後、図13(c)に示す第2の折り目F2が形成されることとなる。
(外画像C折りモード)
図19に示したように、外画像C折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「反転出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「使用」に設定される。このため、折りユニット4への取込時の用紙Pでは、「反転出力モード」であるとともに、インバータ3bの設定が「使用」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、取込時の用紙Pでは、インバータ3bの設定が「使用」であることに伴い、「下に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凹面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凸面となる。
このように、外画像C折りモードにおける取込時の用紙Pの状態も、実施の形態1と同じになる(図14(a)参照)。したがって、外画像C折りモードでは、実施の形態1と同じく、図14(a)に示す用紙Pに、図14(b)に示す第1の折り目F1が形成された後、図14(c)に示す第2の折り目F2が形成されることとなる。
(内画像C折りモード)
図19に示したように、内画像C折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「使用」に設定される。このため、折りユニット4への取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であるとともに、インバータ3bの設定が「使用」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは表面Pa(画像Imあり)となり、この用紙Pの下面Usは裏面Pb(画像Imなし)となる(図11(b)も参照)。また、取込時の用紙Pでは、インバータ3bの設定が「使用」であることに伴い、「下に凸」、すなわち、上面Tsとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となり、下面Usとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となる。
このように、内画像C折りモードにおける取込時の用紙Pの状態も、実施の形態1と同じになる(図15(a)参照)。したがって、内画像C折りモードでは、実施の形態1と同じく、図15(a)に示す用紙Pに、図15(b)に示す第1の折り目F1が形成された後、図15(c)に示す第2の折り目F2が形成されることとなる。
(Z折りモード)
図19に示したように、Z折りモードにおいて、画像形成装置1における画像出力モードは「通常出力モード」に設定され、トランスポートユニット3におけるインバータ3bは「不使用」に設定される。このため、折りユニット4への取込時の用紙Pでは、「通常出力モード」であるとともに、インバータ3bの設定が「不使用」であることに伴い、用紙Pの上面Tsは裏面Pb(画像Imなし)となり、この用紙Pの下面Usは表面Pa(画像Imあり)となる(図11(a)も参照)。また、取込時の用紙Pでは、インバータ3bの設定が「不使用」であることに伴い、「上に凸」、すなわち、上面Tsとなる裏面Pb(画像Imなし)が凸面となり、下面Usとなる表面Pa(画像Imあり)が凹面となる。
このように、Z折りモードにおける取込時の用紙Pの状態も、実施の形態1と同じになる(図16(a)参照)。したがって、Z折りモードでは、実施の形態1と同じく、図16(a)に示す用紙Pに、図16(b)に示す第1の折り目F1が形成された後、図16(c)に示す第2の折り目F2が形成されることとなる。
[その他]
なお、本実施の形態では、用紙Pの搬送方向の前後を反転させることで、この用紙Pの表裏を反転させるようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、用紙Pの搬送方向を軸として用紙Pを回転させることで、用紙Pの搬送方向の前後を反転させることなく、この用紙Pの表裏を反転させる手法を用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、カール状態が「上に凸」となっている用紙Pに対し、インバータ3bによるカール状態の変更(表裏反転)を行わないまま、封筒Z折り処理あるいはZ折り処理を施すようにしていたが、これに限られるものではない。例えばカール状態が「上に凸」となっている用紙Pに対し、インバータ3bを用いてそのカール状態が「下に凸」となるように変更した後に、封筒Z折り処理あるいはZ折り処理を施すようにしてもよい。ただし、この場合は、そのときの画像出力モードを、通常出力モードではなく、反転出力モードとする必要がある。
<実施の形態1、2における折り処理モードと用紙の状態との関係>
ここで、上述した実施の形態1、2における折り処理モードと用紙Pの状態との関係について説明しておく。
図20は、実施の形態1における折り処理モードと用紙Pの状態との関係を示す図である。また、図21は、実施の形態2における折り処理モードと用紙Pの状態との関係を示す図である。より具体的に説明すると、図20および図21は、それぞれ、画像形成システム500に設定される折り処理モードと、各折り処理モードにおいて、画像形成システム500を構成する各部における用紙Pの状態との関係を示している。ただし、図20および図21は、折り処理モードが設定されない場合(「なし」の場合)の記載を省略している。
ここでは、各折り処理モードに対応付けて、画像形成装置1による用紙Pへの画像Imの形成面(「画像形成面」と表記)と、画像形成装置1からトランスポートユニット3に搬入されたときの用紙Pの状態(「トランスポートユニット搬入時」と表記)と、トランスポートユニット3から折りユニット4に搬入されたときの用紙Pの状態(「折りユニット搬入時」と表記)と、第1折り機構41による1回目の折り処理後の用紙Pの状態(「1回目の折り処理」と表記)と、第2折り機構42による2回目の折り処理後の用紙Pの状態(「2回目の折り処理」と表記)とを記載している。また、「トランスポートユニット搬入時」における用紙Pの状態は、用紙Pの「下面」と「凸面」とを含んでいる。さらに、「折りユニット搬入時」における用紙Pの状態は、用紙Pの「下面」と「凸面」とを含んでいる。さらにまた、「1回目の折り処理」における用紙Pの状態は、第1の折り目F1が山折りで形成される面(「第1の折り目形成面(山折り)」と表記)と、折りユニット4への搬入時の用紙Pの搬送方向を基準としたときの、第2の折り目F2に対する第1の折り目F1の形成位置(「第1の折り目形成位置」と表記)とを含んでいる。そして、「2回目の折り処理」における用紙Pの状態は、第2の折り目F2が山折りで形成される面(「第2の折り目形成面(山折り)」と表記)と、折りユニット4への搬入時の用紙Pの搬送方向を基準としたときの、第1の折り目F1に対する第2の折り目F2の形成位置(「第2の折り目形成位置」と表記)とを含んでいる。
なお、用紙Pの「面」は、「表面Pa」または「裏面Pb」で表現され、用紙Pにおける「折り目の形成位置」は、「先端側」または「後端側」で表現される。ここで、図20および図21に示す用紙Pの「先端側」とは、トランスポートユニット3から折りユニット4に搬入されてくる用紙P(直線搬送路R1に設けられた取込ロール43を通過する用紙P)における搬送方向の先端側をいう。また、図20および図21に示す用紙Pの「後端側」とは、トランスポートユニット3から折りユニット4に搬入されてくる用紙P(取込ロール43を通過する用紙P)における搬送方向の先端側をいう。したがって、この用紙Pの先端側が、迂回搬送路R2においてその搬送方向の前後が入れ替わる(後端側となる)ことがあり得る。
[実施の形態1における関係]
最初に、図20を参照しつつ、実施の形態1における折り処理モードと用紙Pの状態との関係について説明を行う。
封筒Z折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「先端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「後端側」となる。
外画像C折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「表面Pa」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「後端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「表面Pa」となり、第2の折り目形成位置は「先端側」となる。
内画像C折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「裏面Pb」となり、凸面は「表面Pa」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「裏面Pb」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第1の折り目形成位置は「後端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「先端側」となる。
Z折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「表面Pa」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「先端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「後端側」となる。
[実施の形態2における関係]
次に、図21を参照しつつ、実施の形態2における折り処理モードと用紙の状態との関係について説明を行う。
封筒Z折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「先端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「後端側」となる。
外画像C折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「裏面Pb」となり、凸面は「表面Pa」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「表面Pa」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「後端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「表面Pa」となり、第2の折り目形成位置は「先端側」となる。
内画像C折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「裏面Pb」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第1の折り目形成位置は「後端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「先端側」となる。
Z折りモードにおいては、画像形成面が「表面Pa」となる。また、トランスポートユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらに、折りユニット搬入時における下面は「表面Pa」となり、凸面は「裏面Pb」となる。さらにまた、1回目の折り処理における第1の折り目形成面は「表面Pa」となり、第1の折り目形成位置は「先端側」となる。そして、2回目の折り処理における第2の折り目形成面は「裏面Pb」となり、第2の折り目形成位置は「後端側」となる。
[実施の形態1と実施の形態2との比較]
続いて、図20および図21を参照しつつ、実施の形態1と実施の形態2とについて比較を行う。
まず、封筒Z折りモードにおける各部の用紙Pの状態は、実施の形態1と実施の形態2とで共通する。また、Z折りモードにおける各部の用紙Pの状態も、実施の形態1と実施の形態2とで共通する。
これに対し、外画像C折りモードにおける各部の用紙Pの状態は、トランスポートユニット搬入時を除き、実施の形態1と実施の形態2とで共通する。また、内画像C折りモードにおける各部の用紙Pの状態も、トランスポートユニット搬入時を除き、実施の形態1と実施の形態2とで共通する。
ここで、外画像C折りモードおよび内画像C折りモードのそれぞれにおける用紙Pの状態が、実施の形態1と実施の形態2とで異なるのは、次の理由による。まず、実施の形態1の外画像C折りモードおよび内画像C折りモードでは、トランスポートユニット3に設けられたデカーラ3aを用い、用紙Pの表裏を反転させることなく用紙Pのカール方向を変更している。これに対し、実施の形態2の外画像C折りモードおよび内画像C折りモードでは、トランスポートユニット3に設けられたインバータ3bを用い、用紙Pの表裏を反転させることによって用紙Pのカール方向を変更している。このため、実施の形態1の画像形成装置1は、トランスポートユニット3に対し、カール方向の変更が必要な外画像三つ折りモードでは通常出力モードで用紙Pを供給するとともに、同じくカール方向の変更が必要な内画像三つ折りモードでは反転出力モードで用紙Pを供給するようにしている。一方、実施の形態2の画像形成装置1は、トランスポートユニット3に対し、カール方向の変更が必要な外画像三つ折りモードでは実施の形態1とは逆の反転出力モードで用紙Pを供給するとともに、同じくカール方向の変更が必要な内画像三つ折りモードでは実施の形態1とは逆の通常出力モードで用紙Pを供給するようにしている。