JP6827405B2 - 衝突防止補助装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1〜4では、障害物の近接により、建設車両の走行を停止させる。
たとえば、特許文献1には、建設車両の前方及び後方に超音波センサを設置して障害物を検知すること、及び、検知した場合にタイヤローラを非常停止させること、が記載されている。また、非常停止の際に建設車両を緩やかに停止させて路面品質の低下を防止することが記載されている。
そして、特許文献2には、光学式センサで障害物を検知すること、及び、検知した場合に油圧ポンプを制御して建設車両を停止させること、等が記載されている。
さらに、特許文献3には、ロードローラの可動柵を取り付けること、可動柵の変形を検知する第1のセンサを設けること、及び、可動柵の揺動を検知する第2のセンサを設けることが記載されている。
また、特許文献4には、パワーショベルにエリアセンサを設けること、パワーショベルの旋回方向のエリアセンサから検知信号を受信した場合にその方向への旋回を警報・禁止することが記載されている。
そこで、本発明は、どのような建設車両でも、制御装置を変更することなく、装着することができる衝突防止補助装置を提供することを目的とする。
このように構成された衝突防止補助装置では、アクチュエータの伸縮により操作レバーの傾倒角度が変更されて走行が制御される。このため、どのような建設車両でも、制御装置を変更することなく、装着することができる。
このように構成された衝突防止補助装置では、押戻し伝達機構が駆動ロッドの収縮状態で、操作レバーから離間方向に退避している。このため、負荷が少なく、操作レバーを容易に操作することができる。また、駆動ロッドの伸長状態では、操作レバーに当接して減速位置または中立位置に押戻す。これにより、操縦者の操作によらず、建設車両を停止させることができる。
このように構成された衝突防止補助装置では、連動ギヤ部によって、前側レバーおよび後側レバーが傾動方向を前後で逆方向となるように連動されている。このため、駆動ロッドは、前側レバーまたは後側レバーの何れか一方と連結されていれば、操作レバーを中立位置に戻すことができる。よって、一つのアクチュエータにより、前進時と後進時とのいずれの状態からでも、操作レバーを減速位置または中立位置に戻すことができる。
このように構成された衝突防止補助装置では、さらに、短い距離で制動を行い、迅速に建設車両を停止させることができる。
このように構成された衝突防止補助装置では、小型軽量化を図れ、アクチュエータの装脱着がさらに容易に行える。
このように構成された衝突防止補助装置では、押戻し機構の円弧状の動きに追従して円滑に動作することができる。
このように構成された衝突防止補助装置では、予め建設車両に設けられている前方または後方の少なくとも一方の障害物を検知可能なセンサを用いて、衝突防止補助装置を構成出来る。
したがって、別途衝突検知センサを設ける必要がなく、部品点数の増大を抑制できる。
また、操作レバー3は、中立位置を中心として、前方へ傾動されると、建設車両1は前進または、低速前進(減速状態)となる。操作レバー3は、中立位置を中心として、後方へ傾動されると、建設車両1は後進または、低速後進(減速状態)となる。
そして、操作レバー3は、操作ポジションが低速前進または、低速後進の際に、中立位置に近接するに従い、減速量が増大して車速が減少するように構成されている。
実施形態のセンサ12,13は、超音波センサを用いているが特にこれに限らず、例えば、赤外線カメラやミリ波レーダー等であってもよい。また、作業者PにICタグ等を装着してもよい。
この実施形態のセンサ12,13は、予め建設車両1に設けられている、障害物を検知する衝突検知センサを用いてもよい。予め建設車両に設けられている前方または後方の少なくとも一方の障害物を検知可能なセンサを用いる場合、さらに、容易に衝突防止補助装置を構成出来る。そして、別途衝突検知センサを設ける必要がなく、部品点数の増大を抑制できる。
アクチュエータ11は、図2に示すように、建設車両1の操作盤4の上面4aに着脱自在に装着される筒状のアクチュエータ本体11aと、アクチュエータ本体11aから伸縮自在に設けられる駆動ロッド11bと、コントロールボックス14からの制御信号に応じて回転駆動するモータ11cとを有して電動アクチュエータを構成している。
また、押戻し伝達機構20には、操作レバー3を挟んで、前側レバー22と反対側に位置する後側レバー24が設けられている。後側レバー24は、傾動により操作レバー3の後側面と当接して、操作レバー3を低速後進位置または中立位置に戻すように構成されている。
そして、押戻し伝達機構20は、これらの前側レバー22および後側レバー24を傾動方向が前後で逆方向となるように連動させる連動ギヤ部26を有している。
前側ギヤ27は、前側レバー22の回動軸に軸支されていて、前側レバー22の傾倒とともに一体となって同方向へ回動するように構成されている。
また、後側ギヤ28は、後側レバー24の回動軸に軸支されていて、後側レバー24の傾倒とともに一体となって同方向へ回動するように構成されている。
実施形態では、駆動ロッド11bの先端11fは、前側レバー22に連結ピン29を介して連結されている。このため、図2に示す駆動ロッド11bの収縮状態では、連動ギヤ部26によって、前側レバー22および後側レバー24間が離反方向に拡開する。
また、図5に示す駆動ロッド11bの伸長状態では、前側レバー22および後側レバー24間が閉じて、中立位置の操作レバー3の前,後側面にそれぞれ沿う位置まで移動する。
なお、アクチュエータ本体11aは、前縁に設けられた一か所の支持軸部11eを介して、操作盤4の上面4aに枢着されている。そして、アクチュエータ本体11aは、支持軸部11eを回動中心として上下方向に揺動する。これにより、前側レバー22の回動に伴う連結ピン29位置の上下方向の変位を吸収することができる。
さらに、後側レバー24の上端部には、後側レバー24と直交して水平に長手方向を有する後ローラ部材32が回転可能に軸支されている。これらの前ローラ部材30および後ローラ部材32は、操作レバー3の前,後側面にそれぞれ当接した状態で回転することにより、操作レバー3の傾倒に伴う上下方向の変位を吸収する。
一般的に、作業者P等の障害物が一定の距離に近接すると、警告音や回転灯などで操縦者OPに知らせる装置が知られている。また、近年、レバーを中立位置に戻したり、あるいはエンジンを停止する等の自動制動(ブレーキ)動作が行われるものもある。
しかしながら、このような自動ブレーキを行うものでは、建設車両1の速度が速い場合、制動が間に合わないおそれがあった。
また、急制動により、アスファルト表面に不陸を生じさせるおそれがあり、舗装品質を低下させてしまうといった問題もあった。
<ゾーンI>
図2に示す中立位置の操作レバー3を、建設車両1の操縦者OPは、図4に示すように前方に傾倒させると、建設車両1は、エンジンの駆動力を車輪5に伝達して、前方F(図3参照)へ走行する。
この際、駆動ロッド11bは、収縮状態のままであるので、前,後側レバー22,24は、操作レバー3から離間した前後方向に退避しており、操作レバー3は、前,後ローラ部材30,32に干渉することなく、容易に傾倒させることができる。
建設車両1が前進中、作業者PがゾーンI(約4〜7m)に入ると、駆動ロッド11bは、伸長して、図4中二点鎖線で示す位置まで前側レバー22を後方に傾倒させる。これにより、前側レバー22の前ローラ部材30が操作レバー3の前側面に当接、押圧して、後方に向けて操作レバー3を中立位置方向へ傾倒させる。
この実施形態では、図4中二点鎖線で示す位置まで操作レバー3が前側レバー22の前ローラ部材30によって押し戻されると、建設車両1は、微速走行(減速走行)状態となる。この際、ブザーまたは回転灯により警告を発するようにしてもよい。
ゾーンII(約1〜4m)で、作業者Pを検知した場合、操作レバー3は、伸長した駆動ロッド11bに押されて中立位置まで押し戻される(図5参照)。このため、建設車両1は、微速走行状態からニュートラル状態となり、停止する。
ゾーンIII(1m以内)で作業者Pが検知された場合、操作レバー3が伸長した駆動ロッド11bに押されて中立位置まで押し戻される(図5参照)とともに、制御部によってエンジンが電気的に強制停止される。したがって、作業者Pが接近しても建設車両1に接触するおそれを減少させることができる。
このように、段階的に建設車両1は停止する。このため、建設車両1は、作業者Pに建設車両1が接触しない様に制動を充分間に合わせることができる。また、従来のように急制動により、アスファルト表面に不陸を生じさせるおそれがない。したがって、舗装品質を向上させることができる。
<ゾーンIV>
図2に示す中立位置の操作レバー3を、建設車両1の操縦者OPは、図6に示すように後方に傾倒させると、建設車両1は、エンジンの駆動力を車輪5に伝達して、建設車両1を後方R(図3参照)へ走行する。
この際、駆動ロッド11bは、収縮状態のままであるので、前,後側レバー22,24は、操作レバー3から離間した前後方向に退避しており、操作レバー3は、前,後ローラ部材30,32に干渉することなく、容易に後方へ傾倒する。
建設車両1が後進中、作業者PがゾーンIV(約4〜7m)に入ると、駆動ロッド11bは、伸長して図6中二点鎖線で示す位置まで前側レバー22を後方に傾倒させる。
これにより、前側レバー22とともに、前側ギヤ27が回動して、噛合う後側ギヤ28を反対方向へ回転させる。このため、後方に傾倒していた操作レバー3には、後側レバー24の後ローラ部材32が当接して、図6中二点鎖線で示す位置まで、操作レバー3が後ローラ部材32によって、押圧されて前方へ押し戻される。したがって、建設車両1は、後方への微速走行(減速走行)状態となる。そして、この際、ブザーまたは回転灯により警告を発するようにしてもよい。
ゾーンV(約1〜4m)で、作業者Pを検知した場合、操作レバー3は、伸長した駆動ロッド11bにより回動する後側レバー24で、中立位置まで押し戻される(図7参照)。このため、建設車両1は、微速走行状態からニュートラル状態となり、停止する。
ゾーンVI(1m以内)で作業者Pが検知された場合、操作レバー3が中立位置まで押し戻される(図7参照)とともに、制御部によってエンジンが電気的に強制停止される。
このように、実施形態の建設車両1は、障害物が離れている状態から段階的に減速して走行を停止させる。このため、建設車両1は、充分、制動を間に合わせることができる。また、従来のように急制動により、アスファルト表面に不陸を生じさせるおそれがない。したがって、舗装品質を向上させることができる。
まず、エンジン停止リレーを強制的に作動させる方法がある。この方法では、機械の設定された範囲内(一番近いエリア)に人や障害物を検知した際に、通常、キースイッチをOFFにするか、非常停止スイッチを押した場合に働く、エンジンを停止させるリレースイッチ(継電器)を作動させることでエンジンを強制的に停止させる。この方法は、エンジン停止リレーが搭載されている機種に用いて好適である。
そして、いずれかの電気的にエンジンを停止させる仕組みを採用することにより、建設車両1を完全に停止させることができる。
しかも、一本のアクチュエータ11の駆動ロッド11bを伸長させることにより、前進状態および後進状態から、段階を追って建設車両1を停車させることができる。
したがって、実施形態の衝突防止補助装置は、どのような建設車両1であっても簡単に後付けすることができる。
そして、後付けされる建設車両1の走行制御系の回路または制御プログラムを変更する必要がない。このため、様々な建設車両に適用可能であるとともに、レンタルされた建設車両1でも、衝突防止補助装置10を取り外すことにより容易に元通りに戻すことができる。
このように、実施形態の衝突防止補助装置では、一つのアクチュエータ11を用いるだけで、前進時と後進時との両状態から、操作レバー3を減速位置(微速走行状態)または中立位置に戻すことができる。
しかも、駆動ロッド11bが伸長する一方向への駆動制御により、停止方向へ多段階の制御を行うことができる。したがって、自動制動を簡易なものとして、迅速に行うことができる。
アクチュエータ本体11aは、前側レバー22の動きに応じて、支持軸部11eを回動中心として上下方向に揺動する。
しかも、実施形態の前側レバー22の前ローラ部材30および後側レバー24の後ローラ部材32は、回転可能に軸支されている。このため、操作レバー3が円弧状に動いても、操作レバー3の前面または後面に沿って、前ローラ部材30または後ローラ部材32を転動させながら上下方向に追従して円滑に復帰動作を行える。
また、走行状態を変更できるものであれば、特に微速走行状態となる減速走行状態の段を有するものに限らず、操作レバー3の傾倒量に応じて速度を無段階で可変させる無段階変速のものであってもよい。
3 操作レバー
10 衝突防止補助装置
11 アクチュエータ
11a アクチュエータ本体
11b 駆動ロッド
11e 支持軸部
12,13 センサ
14 コントロールボックス(制御部)
20 押戻し伝達機構
22 前側レバー
24 後側レバー
40 カバー部材
Claims (6)
- 傾動により走行を制御する操作レバーを備える建設車両に設けられる衝突防止補助装置であって、
伸縮により前記操作レバーの傾倒角度を変更するアクチュエータと、
前記建設車両の前方または後方の少なくとも一方の障害物を検知可能なセンサと、
前記センサからの信号を受けて、前記アクチュエータを駆動する制御部と、
を備え、
前記アクチュエータは、前記建設車両に着脱自在に装着されるアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体から伸縮自在に設けられる駆動ロッドと、
前記駆動ロッドと連結して、前記操作レバーを減速位置または中立位置に押戻す、押戻し伝達機構と、を有し、
前記押戻し伝達機構は、傾動により前記操作レバーと当接して、前記操作レバーを低速前進位置または中立位置に戻す前側レバーと、
前記操作レバーを挟んで、前記前側レバーと反対側に位置して、傾動により前記操作レバーと当接して、前記操作レバーを低速後進位置または中立位置に戻す後側レバーと、
前記前側レバーおよび後側レバーを傾動方向が前後で逆方向となるように連動させる連動ギヤ部とを有し、
前記駆動ロッドは、前記前側レバーまたは前記後側レバーのうち、何れか一方に連結されて、収縮状態では、前記操作レバーから離間方向に退避して、伸長状態では、前記操作レバーに当接することを特徴とする衝突防止補助装置。 - 前記制御部は、一定の設定されたエリア内に障害物を検知した際、走行駆動源の動作を強制的に停止させる請求項1に記載の衝突防止補助装置。
- 前記アクチュエータは、電動アクチュエータを有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の衝突防止補助装置。
- 前記アクチュエータ本体は、一か所の支持軸部を介して、前記建設車両に車体に枢着されている、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の衝突防止補助装置。
- 前記建設車両には、押戻し伝達機構を覆うカバー部材が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の衝突防止補助装置。
- 傾動により走行を制御する操作レバーと、
前方または後方の少なくとも一方の障害物を検知可能なセンサとを備える建設車両に設けられる衝突防止補助装置であって、
伸縮により前記操作レバーの傾倒角度を変更するアクチュエータと、
前記センサからの信号を受けて、前記アクチュエータを駆動する制御部と、
を備え、
前記アクチュエータは、前記建設車両に着脱自在に装着されるアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体から伸縮自在に設けられる駆動ロッドと、
前記駆動ロッドと連結して、前記操作レバーを減速位置または中立位置に押戻す、押戻し伝達機構と、を有し、
前記押戻し伝達機構は、傾動により前記操作レバーと当接して、前記操作レバーを低速前進位置または中立位置に戻す前側レバーと、
前記操作レバーを挟んで、前記前側レバーと反対側に位置して、傾動により前記操作レバーと当接して、前記操作レバーを低速後進位置または中立位置に戻す後側レバーと、
前記前側レバーおよび後側レバーを傾動方向が前後で逆方向となるように連動させる連動ギヤ部とを有し、
前記駆動ロッドは、前記前側レバーまたは前記後側レバーのうち、何れか一方に連結されて、収縮状態では、前記操作レバーから離間方向に退避して、伸長状態では、前記操作レバーに当接することを特徴とする衝突防止補助装置。
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