しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、仕切り板の位置や形状の変更のたびに展開形状の変更を余儀なくされるため、仕切り板の位置や形状の調整といった、仕切り態様の変更への対応が容易ではなかった。
また、上記特許文献2記載の発明においては、糊貼りをしない組み上げ式の収容ケースであるため、仕切り板の態様変更(位置や形状の調整)への対応が比較的容易ではあるものの、この種の収容ケースで重量物の冊子を収容して配送・運搬すると、内容物の重量によって形状を保持することができない。或いは仕切り板の固定箇所となる差し込み片の挿入溝の溝端に応力が集中して挿入溝が裂けてしまう等、仕切り板の固定強度や組み立て強度を確保することが困難であった。
そこで本発明においては、仕切り板の態様変更への対応が容易でありながら、仕切り板の固定強度や組み立て強度を確保しうる冊子用スタンドケースを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、次の(1)〜(4)の技術的手段を講じている。なお以下の各用語に続けて数字列又はアルファベットを含む数字列にて示す符号は、理解の補助のために図面にて実施例の相当構成箇所を参照するために便宜上付したものであり、概念ないし形態を特定したり限定したりするものではない。
(1)本発明の冊子用スタンドケースは、
少なくとも底板及び背板を一体的に有して、上方及び前方に開放した状態へ組み上げ可能なケース本体と、
ケース本体の所定の幅方向組み込み位置の底板及び背板に沿って立設した状態で組み込まれる仕切り板と、から構成される冊子用スタンドケースであって、
仕切り板は、互いに連接された2枚の二つ折り片同士が重なり状態となると共に、重なり合った二つ折り片の各後部端辺には、差し込みフラップが、幅方向外側方へ折り曲げ可能に形成され、
ケース本体の背板の前記幅方向組み込み位置のそれぞれには、仕切り板の前記差し込みフラップを収容する、閉じた形状の差し込み孔が、背板の高さ方向の一部であって差し込みフラップへの対応位置に形成され、
各差し込みフラップが、差し込み孔に差し込まれた状態で、背板に沿って幅方向両側方へ折り拡げられた状態で組み込まれ、 前記差し込み孔は、仕切り板の2枚の二つ折り片の重なり厚さに対応した縦孔幅で縦方向に形成された縦孔部と、縦孔部の縦方向の一部であって少なくとも一箇所にて、縦孔部よりも大きい拡孔幅で側方へ拡幅形成された拡幅部と、を有してー体的に形成されることを特徴とする。
このような構造であれば、差し込み孔3が閉じた孔形状のため、裂けにくく、また、差し込みフラップ23が差し込み孔の両側方へ折り拡がって組み込まれた状態となるため、差し込み孔3の孔周囲を補強する形になり、強度を確保することができる。
さらにいえば、後述の実施例のように、ケース本体1の背板12は、互いに連接された内背板121と外背板122とが折り曲げによって重ね合わせ形成され、このうち背板12の内面の内背板121に、仕切り板2の差し込みフラップ23を差し込むための差し込み孔3が形成され、各差し込みフラップ23が、差し込み孔3に差し込まれた状態で、内背板121の後部で幅方向両側方へそれぞれ折り拡げられて、外背板と内背板の間に収容された状態で組み込まれることが好ましい。なお、幅方向両側方へ折り拡げられる、とは、各前端辺同士で連接された2枚の二つ折り板21が、当該前端辺の折り曲げによって左右に重ね合わされた場合において、2枚の二つ折り板21のうち右側の二つ折り板21に連なる右側の差し込みフラップ23が、当該二つ折り板21に対して略垂直に、すなわち片先が右側方を向くように折り曲げられ、かつ、前記2枚の二つ折り板21のうち左側の二つ折り板21に連なる右側の差し込みフラップ23が、当該二つ折り板21に対して略垂直に、すなわち片先が左側方を向くように折り曲げられることをいう。
このような構造であれば、差し込み孔3の縦方向の一部が拡幅部32によって差し込みフラップ23を挿入可能に形成されると共に、差し込み孔3の残りの縦方向部分が縦孔部31によって比較的小さい幅で差し込みフラップ23の基端部を囲うこととなる(例えば後述の実施例の図6(c)に示す状態)。このため、組み込み後の状態で不用に分解することがなく、仕切り板の組み上げ強度を確保することができる。
さらにいえば、前記拡幅部32の拡孔幅32Wは、差し込みフラップ23が左右両側方へ折り拡げられた折り拡げ幅23Wに対応して横長形状で形成される。これにより、前記縦差込みフラップ23が両側方へ折り拡げた状態としたまま前記拡幅部32から背板12内に容易に挿入することで、仕切り板2の組み込み作業が容易となる。
(2)前記差し込み孔3は、少なくとも、仕切り板2の重なり状態の二つ折り片21の重なり厚さ21Wに対応した縦孔幅31Wで縦方向に形成された、縦孔形状の縦孔部31を有して形成され、
前記縦孔部31は、縦方向に亘って、重なり状態の二つ折り片21の重なり厚さ21W以上の第一縦孔幅311Wから、前記重なり厚さ21W未満の第二縦孔幅312Wまで暫時変化してなり、
仕切り板2の2枚の二つ折り片21は、差し込みフラップの収容状態において、重なり厚さ方向に圧入された状態で組み込まれることが好ましい。
このような構造であれば、差し込み孔の縦孔部が、重なり厚さ21Wよりも小幅となる幅変化部分を有することで、2枚の重なってなる二つ折り片21が、重なり厚さ方向に圧入された状態で組み込まれることとなる。このため、組み込み固定が強固になり、重量物を収容した場合でも形状変形や崩壊をしにくくなり、組み立て強度をより確保することができる。
さらにいえば、後述の実施例のように、縦孔部31の縦孔幅31Wが、孔端部から孔の中央方向へ向かって徐々に変化することで、縦孔上端又は縦孔下端の第二縦孔幅312Wから、これよりも大きい他端側の第一縦孔幅311Wまで徐々に拡がってなり、さらに、この縦孔部31のうち孔幅が拡がった他端側に、横長矩形状に拡幅した拡幅部32が一体的に形成される(図6)ことが、組み込み作業の容易性と組み立て強度の確保の両面において好ましい。このような構成の場合、組み上げ方法において、仕切り板の組み込みの際に、差し込みフラップを縦孔部31に挿入すると共に、縦孔形状の縦方向に沿って、第一縦孔幅311Wの部分から第二縦孔幅312Wの部分へと移動することで、仕切り板を徐々に差し込み孔3内に圧入することができる。
(3)仕切り板2の、重なり状態の二つ折り片21の各後端辺には、差し込みフラップ23の下方又は上方の少なくともいずれかに、後方へ突出した第二差し込みフラップ24が形成され、ケース本体の背板12の前記幅方向組み込み位置P2のそれぞれには、仕切り板2の前記第二差し込みフラップ24を突入させる、閉じた形状の第二差し込み孔4が、背板12の高さ方向の一部であって第二差し込みフラップ24の形成位置に対応して形成されることが好ましい。
このような構造であれば、第二差込みフラップ24の第二差し込み孔4への突入によって、仕切り板2の組み込み後の、縦方向への位置ズレを抑制することができる。前記差込みフラップ23の差し込み孔3への折り拡げ収容に加え、前記第二差込みフラップ24の第二差し込み孔4への突入収容を行うことで、高さ方向の複数個所で2種類の連結構造を組み合わせることとなり、重量物を収容した場合でも不要に組み込み状態が解除されにくい、相当の組み立て強度を確保することができる。
また特に、拡幅部を有する差し込み孔と第二差し込み孔とを上下に組合せた構成の場合、組み上げ方法において、拡幅部32から差し込みフラップ23を収容させて二つ折り片21のスライド移動させた際に、第二差し込み孔へ第二フラップ24を突入することで、二つ折り片21のスライド後の位置を固定し、容易な組み込み手順をもって、差し込みフラップ23の差し込み孔3への圧入状態を維持することができる。
(4)ケース本体1の背板12は、互いに連接された内背板121と外背板122とが折り曲げによって重ね合わせ形成され、このうち背板12の内面側の内背板121に、仕切り板2の差し込みフラップ23を差し込むための差し込み孔3が形成され、各差し込みフラップ23が、差し込み孔3に差し込まれた状態で、内背板121の後部で幅方向両側方へ折り拡げられて、外背板と内背板の間に収容された状態で組み込まれるものであって、
組み込み状態において、外背板122と内背板121の間には、背板の両側方からそれぞれ介入され、各片の一部同士が互いに重なるように収容された左右の中背板123(123L,123R)が、左右互いの連結部123Jを有して収容され、
仕切り板の前記差し込みフラップのいずれかは、両側方へ折り拡げられた状態で、前記左右の中背板123に面圧を受けて固定されることが好ましい。
このような構造であれば、外背板122と内背板121の間に2枚の中背板123が介在され、多重の面板によって互いに圧迫された背板12を構成することによって、背板12内に差し込まれた差し込みフラップ23が面圧を受けた状態で固定される。これによって、背板12と仕切り板2との固定強度が確保され、組上げの緩みを有さない、優れた組み立て強度が確保される
(例えば後述の図3)。
上記の構成を採用することで、仕切り板の位置や形状の変更が容易でありながら、仕切り板の固定強度及び組み立て強度を確保しうる冊子用スタンドケースとなった。
以下、本発明の実施形態につき実施例として示す各図に基づいて説明する。なお以下の各用語に続けて数字列ないしアルファベットを含む数字列にて示す符号は、図面にて実施例の相当構成箇所を参照するために便宜上付したものであり、概念ないし形態を特定したり限定したりするものではない。
いずれの実施例においても、この発明の冊子用スタンドケースは、少なくとも底板11及び背板12を一体的に有して、上方及び前方に開放した状態へ組み上げ可能なケース本体1と、ケース本体1の所定の幅方向組み込み位置に立設した状態で組み込まれる仕切り板2と、から構成される。そして、ケース本体1における一または複数の所定の幅方向組み込み位置のそれぞれには、板状の仕切り板2が、ケース本体1の底板11及び背板12に沿って立設状態で組み込まれることで冊子用スタンドケースの形態に組み上げられる。また、組上げ状態を解除して箱体1、仕切り板2それぞれの展開状態に戻すことも可能となっている。
またいずれの実施例においても、本発明の特徴の一つとして、仕切り板2の後部端辺に、仕切り板2に対して折り曲げ可能な差し込みフラップ23が突出形成される。またこれと共に、ケース本体1の背板12のうち所定の幅方向組み込み位置には、仕切り板2をケース本体1へ組み込む際に前記差し込みフラップ23を差し込み可能な差し込み孔3が設けられる。
前記差し込みフラップ23は、この差し込み孔3内に差し込まれた状態で、冊子用スタンドケースを正面側から見た場合の一側方へ折り曲げられ、背板12に沿った状態(折り曲げ状態)に組上げられる(後述の図2、3、6、或いは図11〜図14)。これにより、差込みフラップ23が差し込み孔3から容易に抜けることがなくなり、強固な保持が可能となる。また、組上げ後に差し込みフラップ23が背板3に沿った状態となることで、差し込み孔3周囲の背板12が多層化された補強状態となる。
特に後述の実施例1のように、ケース本体1の背板12が互いに連接された内背板121と外背板122とが折り曲げによって重ね合わせ形成された形態(図1、図7等)においては、差し込みフラップ23を差し込むための差し込み孔3が内背板121にのみ形成され、外背板122には差し込み孔3が形成されていない。この形態では、各差し込みフラップ23が、差し込み孔3に差し込まれた状態で、内背板121の後部で幅方向両側方へ折り拡げられて(つまり、右側の差し込みフラップ23は片先が右外側方を向き、左側の差し込みフラップ23は片先が左外側方を向くようにそれぞれ略垂直に折り曲げられて)、外背板122と内背板121の間に収容される。このとき図3に示すように、外背板122と内背板121のそれぞれに挟まれて、差し込みフラップ23が面圧接された状態となり、組み立て強度に優れたものとなる。特に、冊子等の重量物を収容した状態であればさらに組み込み後に差し込みフラップ23がずれにくくなり、さらに組み立て強度に優れたものとなる。
また前記差し込み孔3は、背板12の一部分に形成された、閉じた形状(すなわち、特定の始点及び終点を有さず所定形状に連なった線形状からなるもの)の孔縁からなる貫通孔であって、孔の上下又は左右が開放されずに背板12の一部分の高さの範囲に打ち抜き形成されることで、差込みフラップ23の突出基部の周囲全体を背板12で囲いながら重ね覆うものとなっている。前記閉じた形状の孔縁は、滑らかに連なった線縁で所定形状をなし、かつ当該線縁の一部に切込み部を有さないことで、応力集中が発生しにくく裂けにくいものとなっている。
差し込み孔3は、差込みフラップ23のフラップ高さ23Hに対応してこれと同一又は僅かに大きい孔高さ3Hとなっており、差し込み孔3の一部分は、仕切り板2の仕切り部分の厚さ(実施例1における重なり状態の二つ折り片21全体の重なり厚さ21W)に対応してこれと同一又は僅かに小さい孔幅(縦孔幅31W)となっている。なお、実施例として示す各図の差し込み孔3は孔高さ3Hのほうが孔幅よりも小さい縦長の扁平孔となっているが、差込みフラップ23の形態に合わせて、孔高さ3Hのほうが孔幅よりも大きい横長の扁平孔となっていてもよい。
他に、差し込み孔3の形状は、一部分に孔幅を大きくした拡幅部32を有したもの、或いは、一部分の孔幅を、上方又は下方へ向かって幅方向の変化をつけてもよい。例えば、後述の実施例1(図4〜7)や実施例2(図8)、実施例3(図9)では、孔の一端である上方へ向かって孔幅(縦孔幅31W)が窄まる縦孔部31と、縦孔部31の他端側である下部にて横長矩形形状に拡幅した拡幅部32とが組み合された、略凸字形状の打ち抜き孔となっている。また、後述の実施例5(図12)では、孔の一端である下方へ向かって孔幅が窄まる縦孔部31と、縦孔部31の他端側である上部にて横長矩形形状に拡幅した拡幅部32とが組み合された、倒立凸字形状の打ち抜き孔となっている。また、後述の実施例6(図13)では、差し込み孔3の高さ方向の中央部にて横長矩形形状に拡幅した拡幅部32が形成され、拡幅部32の下部から差し込み孔の下端にかけて孔幅が窄まる縦長の縦孔部31と、拡幅部32の上部から差し込み孔の上端にかけて孔幅が窄まる縦長の縦孔部31とが形成された、略十字形状の打ち抜き孔となっている。さらに、後述の実施例7(図14)では、差し込み孔3の高さ方向の上下部それぞれに、略三角形状に拡幅した拡幅部32が形成され、上下の拡幅部32の間に等幅形成された縦長の縦孔部31が形成された、いわゆる砂時計の形状の打ち抜き孔となっている。
拡幅部32の拡孔幅32Wは、2枚の差込みフラップ23を左右側方へそれぞれ折り拡げた状態で差し込めるよう、折り拡げ幅23Wと同一であるか或いは僅かに大きく調整されている。差し込みフラップ32を、両側方へ折り拡げた状態のまま差込み孔3の一部の拡幅部32内に差込み、次いで縦孔部31に沿ってスライド移動させることで、差込みフラップ3を、背板12(或いは内背板121)に沿った状態で容易に収容することができる(例えば後述の図2、図6)。また、拡幅部32の上下いずれかに縦長かつ細幅の縦孔部31が形成されることで、差込みフラップ3の取付け基部、及び仕切り板2の仕切り片(実施例1でいう二つ折り片21)の基部近傍を覆って、差し込み孔3と差込みフラップ23との組み立て強度を確保することができる。以下、本発明の実施例1〜7の各実施例の構成につき詳述する。
図1〜図8に示す実施例1の冊子用スタンドケースは、底板11、背板12、及び左右の側板13を一体的に有して、上方及び前方に開放した状態に組み上げ可能なケース本体1と、ケース本体1のうち4箇所の幅方向組み込み位置P2に立設した状態で組み込まれる、4つの仕切り板2と、から構成される(特に図4、図5等)。本実施例のケース本体1及び仕切り板2はいずれも、板厚方向への多少の圧縮変形性を有する段ボール板で構成され、段目方向は横方向に設定される(図7、図8)。
(ケース本体1)
実施例1のケース本体1は、図7に示す展開状態で、いずれも略横長矩形の内背板121、外背板122、外底板112、及び内底板111が順に上下に連接され、外底板112の左右外方に、それぞれ略台形の外側板132が連接される。また側板132の底辺を除く三辺には各々、中背板123(左の中背板123L及び右の中背板123R)、上部側板133、及び内側板131が連設される。
図4、図5に示す実施例1のケース本体1のみの組み上げ状態において、内底板111及び外底板112は二重に重なるように折り曲げられて二重の底板11を構成し、設置面上に水平に載置される。また、内背板121及び外背板122は二重に重なるように折り曲げられて、重なり合った複数の板からなる背板12を構成し、底板11の後部から略垂直に立つように組み上げられる(図4、図5)。このとき、内底板111の前端辺に部分的に設けられた複数の係止片111Tは、内背板121の下端辺の対応位置に部分的に設けられた複数の係止孔111H,110Hにそれぞれ突入して係止する(図7参照)。また、内背板121の前端辺に部分的に設けられた複数の係止片116Tは、外底板112の後端辺の対応位置に部分的に設けられた複数の係止孔6にそれぞれ突入して係止する(図7参照)。
なお、内底板111の前端辺には4本の第三差し込み部5による5つの切欠き片部が形成されるところ、前記内底板111の係止片111Tは、これら5つの切欠き片部それぞれの前端辺の中央に延出形成される。また、内背板121の下端辺の対応位置には、三方枠形状に切欠き形成された5つの係止孔111H,110Hが、前記5つの係止片111Tの形成箇所に対応して形成されるところ、これら5つの係止孔のうち中央の係止孔110Hのみ、他の係止孔111Hよりも切欠き深さ(三方枠形状の枠高さ)が高くなるよう、比較的大型の台形型に切欠き形成される。これは、組上げ状態から分解する際の手掛かり部(すなわち、分解開始のための手掛かり用の孔)の役割を果たしている。
外側板132は片傾斜台形状をなして、外底板112の両側辺に台形下辺で連なり、内側板131は、外側板132のうち前方寄りの台形傾斜辺を折り曲げ辺として外側板132の前方に連なり、上部側板133は外側板132の上辺を折り曲げ辺として外側板132の上方に連なる。そして、2枚の中背板123(左の中背板123L及び右の中背板123R)が、外側板132の後方寄りの垂直辺を折り曲げ辺として外側板132の後方に連なる。組み上げの際、内側板131は、外側板132の前方から外側板132の台形傾斜辺にて二重に重なるように折り曲げられ、上部側板133は外側板132の上部にて折り曲げられて、内側板131と共に部分的に三重の側板13を構成した組上げ状態となる。このとき、内側板131の前辺に部分的に設けられた係止片137Tは、左右の側板13の各後端辺の先側に設けられた係止孔7に突入して係止する。
また、左右の側板13の各後端辺には、中背板(左の中背板123L及び右の中背板123R)が連設されており、各中背板の先側には他方の中背板と相互に係止連結するための連結部123Jが切込み形成される(図7)。連結部123Jは具体的には、左の中背板123Lの先側の高さ方向略中央に下向きに突出形成された下向き連結片と、右の中背板123Rの高さ方向略中央に、上向きに突出形成された上向き連結片と、からなる(図7)。左の中背板123Lと右の中背板123Rは、組み上げの際に背板12の左右側部の各方それぞれから他方側へ重なるように側部から挿入され、左右から抱き合せるように組み合わされて、互いの連結部123J同士で相互連結される。このとき、下向き連結片と上向き連結片とが互いに組み合されて係止し、連結状態となる。組み上げ状態では、左の中背板123Lと右の中背板123Rとが、外背板122の前面に、いわゆる抱き合わせ状態で連結され、そのさらに前面に、内背板121が折り重ねられる。これにより、組上げ状態のける各中背板は、外背板112と内背板121との間に介在した状態となる。背板12は幅方向中央部にて部分的に4重の板体が重なってなり、残る幅方向両側部付近にて部分的に3重の板体が重なってなる(図3)。このように複数の板体が多重に重なることで互いに圧迫され、全体として、組上げの緩みを有さず厚さ方向に膨らんだ状態の背板2が形成される。
(仕切り板2)
実施例1の仕切り板2は、互いに連接された2枚の二つ折り片21同士が二つ折りされて、所定の重なり厚さ21Wの重なり状態となると共に、重なり状態の二つ折り片21の各後端辺のうち上部寄りの一部分には、縦長矩形の差し込みフラップ23が、左右に折り拡げた状態となるよう、幅方向(ケース本体1の幅方向)外側方へ(すなわち、二つ折り片21に対して略垂直に)折り曲げ可能に突出形成される(図4、図5、図8)。差込みフラップ23は具体的には、角部が斜めにカットされた縦長矩形形状からなり、左右の差し込みフラップ23を折り拡げた状態では左右一対で略八角形の折り拡げ形状をなす(図8)。この差し込みフラップ23はケース本体1に設けられた差し込み孔3に対応して形成され、差し込み孔3と共に折り拡げ式の連結構造をなす。すなわち、差し込みフラップ23の折り拡げ形状における折り拡げ幅23Wは、後述の差し込み孔3の拡幅部32の拡孔幅32Wに対応するものとなっており、フラップ高さ23Hは後述の差し込み孔3の孔高さ3Hに対応するものとなっている。
また、重なり状態の二つ折り片21の各後端辺のうち下部寄りの一部分には、縦長矩形形状の突出片からなる第二差し込みフラップ24が、二つ折り片21と同一面上のまま後方へ突出形成される(図4、図5、図6、図8)。この第二差し込みフラップ24はケース本体1に設けられた第二差し込み孔4に対応して形成され、第二差し込み孔4と共に突入式の連結構造をなす(図6c)。
またさらに、重なり状態の二つ折り片21の各下端辺には、下端辺全部を延長する略横長五角形形状の延長片からなる第三差し込みフラップ25が、左右に折り拡げた状態となるよう、幅方向(ケース本体1の幅方向)外側方へ(すなわち、二つ折り片21に対して略垂直に)折り曲げ可能に突出形成される(図4、図5、図6、図8)。
(差し込み孔3)
実施例1の背板12の前記幅方向組み込み位置P2のそれぞれには、切込み部や開放部を含まない所定の打ち抜き形状からなる、閉じた形状の差し込み孔3が、背板12の上部寄りである高さ方向の一部であって差し込みフラップ23への対応位置に形成される。特に、実施例1の差し込み孔3は、仕切り板2の前記差し込みフラップ23を収容し得るよう、差込みフラップ23のフラップ高さ23Hと、ほぼ同じ孔高さ3Hで形成され、また、縦長形状の縦孔部31の下部に、所定の拡孔幅32Wにまで両側方へ拡幅する拡幅部32が形成された、略凸字形状の打ち抜き孔からなる。
拡幅部32は、仕切り板2の前記差し込みフラップ23を両側方へ折り曲げた状態のまま収容し得るよう、2枚の差込みフラップ23を両側方へ折り拡げたときの折り拡げ幅23Wと、ほぼ同じ拡孔幅32Wからなる。実施例1では隅丸の横長形状であり、縦孔部31の下端から円弧状の連結ラインで連なる。
仕切り板2のケース本体1への組み込み状態では、各差し込みフラップ23が、差し込み孔3の拡幅部32から差し込まれて上方へスライド移動されることで、2枚の差し込みフラップ23それぞれが、背板12に沿った幅方向両側方へ折り拡げられた状態で、内背板121と外背板122との間に収容される(図6)。
縦孔部31は、重なり状態の二つ折り片21の重なり厚さ21Wに対応した、重なり厚さ21Wと同一かそれ以下の縦孔幅31Wからなるが、特に本実施例では、縦孔部31の下部の第一縦孔幅311Wから上端に向かって縦孔幅31Wが暫時小さくなり、縦孔部31の上端では第一縦孔幅311Wよりも20%程度小さい第二縦孔幅312Wとなっている。仕切り板2の組み込みの際には、図6に示すように、二つ折り片21を縦孔部31の下部から上部へスライド移動させることで、二つ折り片21が縦孔部31内に圧入される。すなわち二つ折り片21を上方へスライド移動させるほど、縦孔部31によって二つ折り片21が厚さ方向の圧縮力を受けることとなる(図6c)。
差し込みフラップ23を背板12の差し込み孔3に折り拡げた組み上げ状態において、差し込みフラップ23は、両側方へ折り拡げられた状態で、折り曲げによって重ね合わせ形成された内背板121と外背板122との間に介在され、表面、裏面共に面圧を受けて固定される。
また本実施例の背板12は、前記したように、折り曲げによって重ね合わせ形成された内背板121と外背板122との間に、左の中背板123Lと右の中背板123Rが互いに幅方向中央部で連結した状態で介設される。これにより、背板12は幅方向中央部にて部分的に4重の板体が重なってなり、残る幅方向両側部付近にて部分的に3重の板体が重なってなる(図3)。前記3重の板体が重なってなる幅方向左右の各位置では、組み込まれた差し込みフラップ23は、内背板121と外背板122との間で、前記左の中背板123Lまたは右の中背板123Rの介在による、3重積層分の面圧を受けて挟圧固定される。またさらに、前記4重の板体が重なってなる幅方向中央位置では、組み込まれた差し込みフラップ23は、内背板121と外背板122との間で、2枚の中背板123の連結部123Jの介在により、4重積層分のさらなる面圧を受けて挟圧固定される(図3拡大図参照)。
すなわち、組み込み状態の背板12の幅方向中央部において、折り拡げられた前記差し込みフラップ23は、背板の両側方から介入された左右の中背板123と共に、外背板122と内背板121の間に、3枚分の積層厚さで介在されることとなる。これにより、常に厚さ方向への面圧を受けた挟圧状態となり、特に固定強度に優れたものとなる。
(第二差し込みフラップ24、及び第二差し込み孔4)
仕切り板2の、重なり合った二つ折り片21の各後端辺であって、差し込みフラップ23の下方には、二つ折り片21と同一面上で後方へ突出した第二差し込みフラップ24が形成される。また、ケース本体の背板12の前記幅方向組み込み位置P2のそれぞれには、仕切り板2の前記第二差し込みフラップ24を突入させる、縦型に閉じた形状の第二差し込み孔4が、背板12の高さ方向の一部であって第二差し込みフラップ24の形成位置に対応して形成される。
前記差し込みフラップ23と差し込み孔3からなる折り拡げ式の連結構造と、当該第二差し込みフラップ24と第二差し込み孔4からなる突入式の第二連結構造とを組み合わせて設け、これらを、一つの幅方向組み込み位置P2の背板12及び仕切り板2の後端辺にて、上下に所定間隔をあけて配置することで、仕切り板2の組み込み後の固定強度が確保される。また、本実施例のように、拡幅部32を有した凸字形状の差し込み孔3を有した折り拡げ式の連結構造と、その下方の第二連結構造との組合せにおいては特に、折り拡げ式の連結構造にて仕切り板2を上方へスライドさせて連結させ、これに続いて下部の第二連結構造にて第二差し込みフラップ24を突入させて連結させた組上げ状態となる。このとき、第二連結構造は、折り拡げ式の連結構造におけるスライド位置を上下方向へ保持固定するという機能を発揮する。
(第三差し込みフラップ25、及び第三差し込み部5)
仕切り板2の、重なり合った二つ折り片21の各下端辺には、二つ折り片21の両側方へ折り曲げ可能な第三差し込みフラップ25が形成される。また、ケース本体の底板12のうち外底板112の上方に重ねられる内底板111には、仕切り板2の二つ折り片21を差し込み可能な切込み形状の第三差し込み部5が、仕切り板2の幅方向組み込み位置P2のそれぞれに形成される。この第三差し込みフラップ25と第三差し込み部5とからなる第三連結構造は、仕切り板2の底部の組み込み位置を固定する、いわゆる折り拡げ式の連結構造となっている。この第三連結構造を、前記差し込みフラップ23と差し込み孔3からなる折り拡げ式の連結構造と組み合わせて設けることで、仕切り板2の後端辺と底端辺とを共に折り拡げ式のフラップ構造で連結することとなる。これは特に冊子等の重量物を収容した場合に折り拡げられたフラップ面が収容物から面圧を受けることから、収容時の形状保持性や組上げ強度に優れたものとなる。
さらに本実施例のように、拡幅部32を有した凸字形状の差し込み孔3を有した折り拡げ式の連結構造と、その下方の第二連結構造と、第三差し込みフラップ25と第三差し込み部5とからなる第三連結構との3つの組合せにおいては、折り拡げ式の連結構造にて仕切り板2を上方へスライドさせて連結させ、これに続いて下部の第二連結構造にて第二差し込みフラップ24を突入させて連結させ、仕切り板2の底端辺を折り拡げ式のフラップ構造で連結した組上げ状態となる。このような組上げ状態で冊子等の重量物の内容物を収容したとき、本実施例の冊子用スタンドケースは、第一、第二、第三連結構造があいまって、仕切り板の固定強度、及び冊子用スタンドケース全体の組み上げ状態の形状維持性に優れたものとなる。
より具体的には、第三差し込み部5は後端が開放した縦長矩形の切込み形状からなり、二つ折り片21の重なり厚さ21Wに対応した切り込み幅で等幅形成されると共に、第三差し込みフラップ25のフラップ長に対応した切込み長さで形成される。仕切り板2の組み上げの際には、各二つ折り片21の第三差し込みフラップ25を二つ折り片21の両側方へ略水平に折り拡げた状態で外底板112上に接地させ、次いで、外底板112の先側に連接される内底板111を折り返して外底板112の上面へ二重に重なるようにする。このとき、第三差し込み部5に各仕切り板2の重なり状態の二つ折り片21を差し込み、第三差し込みフラップ25の上面を内底板111が覆うようにする。
図9に示す実施例2の冊子用スタンドケースは、外底板112及び内底板111からなる底板11、並びに外背板122及び内背板121からなる背板12を一体的に有して、上方、前方、及び両側方に開放した、組み上げ可能なケース本体1と、ケース本体1のうち4箇所の幅方向組み込み位置P2に立設した状態で組み込まれる、4つの仕切り板2と、から構成される。このうちケース本体1の展開図のみを図9に示す。仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、側板13を有さないことを除いて実施例1と同様である。
図10に示す実施例3の冊子用スタンドケースは、外底板112及び内底板111からなる底板11、一枚の背板12、並びに、外側板132及び内側板131及び上部側板133からなる左右の側板13を一体的に有して、上方及び前方に開放した、組み上げ可能なケース本体1と、
ケース本体1のうち4箇所の幅方向組み込み位置P2に立設した状態で組み込まれる、4つの仕切り板2と、から構成される。このうちケース本体1の展開図のみを図10に示す。仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、実施例1のような内背板121を有さないことを除いて実施例1と同様である。組み上げ状態で、折り拡げられた差込みフラップ23、及び第二差し込みフラップ24の先部は、共に背板12の裏面(背面)に露出する(図示せず)。
図11に示す実施例4の冊子用スタンドケースは、差し込み孔3の形状のバリエーションを示す例である。本実施例では、仕切り板2を下方から上方へスライド移動させて組み込む態様となっている(このことから、図11aにてケース本体の内背板12を図内上部に、仕切り板2を図内下部に配置している。)。本実施例では、縦孔部31のみからなる略I字型の差し込み孔3と、その下方の、同じく略I字形状の第二差し込み孔4とが、内背板121の所定の幅方向組み込み位置P2にそれぞれ形成される。本実施例の際込み孔3は、実施例1のような拡幅部32や孔幅の変化部を有さない。
縦孔部31のみからなる差し込み孔3の孔幅31W、及び、第二差し込み孔4の孔幅4Wは、共に、重なり状態の二つ折り片の重なり厚さ21Wとほぼ同一となっている。また、差し込み孔3の孔高さ3Hは、差し込みフラップ23のフラップ高さ23Hに対応する。
組み込みの際は、差込みフラップ23を二つ折り片21と同一面上にした伸展状態S1のまま、差し込み孔3に挿入し(図11b)、挿入後に差し込みフラップ23を折り曲げ状態S2とする(図11c、図11d)。第二差込みフラップ24は、二つ折り片21と同一面上にされた伸展状態S1のまま第二差し込み孔4に突入される(図11d)。ケース本体の構造、仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、差し込み孔3の形状の相違を除いて実施例1と同様である。組み上げ状態で、折り拡げられた差込みフラップ23、及び第二差し込みフラップ24の先部は、内背板121の背面にて図11dに示す状態となる。
図12に示す実施例5の冊子用スタンドケースは、差し込み孔3の形状のバリエーションを示す例である。但し、図11或いは図13ないし図15に示す他の実施例と異なり、仕切り板2を上方から下方へスライド移動させて組み込む態様となっている(このことから、図12aではケース本体の内背板12を図内下部に、仕切り板2を図内上部に配置している。)。本実施例では、下方へ向かって孔幅が窄まる縦孔部31と、縦孔部31の上端にて横長矩形形状に拡幅した拡幅部32とが組み合された、倒立凸字形状の打ち抜き孔となっている。また、この差し込み孔3の下方に、略I字形状の第二差し込み孔4が形成される。縦孔部31は両側孔縁が傾斜直線で形成され、孔幅が下方へ向かって、上部の第一縦孔幅311Wから下端の第二縦孔幅312Wとなるよう、暫時小さくなる。
縦孔部31の上端部であって最大の縦孔幅部である第一縦孔幅311Wは、重なり状態の二つ折り片の重なり厚さ21Wよりわずかに大きい。また、縦孔部31の下端部であって最小の縦孔幅部である第二縦孔幅312Wは、重なり状態の二つ折り片の重なり厚さ21Wよりわずかに小さい。また、縦孔部31の下端は、孔強度に優れた半円弧形状の孔端部313からなる。また、差し込み孔3の全体の孔高さ3Hは、差し込みフラップ23のフラップ高さ23Hと同一であり、差し込み孔3の拡幅部32の拡孔幅32Wは差し込みフラップ23の折り拡げ幅23Wと同一である。
組み込みの際は、差込みフラップ23を両側方へ折り拡げた折り拡げ状態のまま、差し込み孔3に挿入し(図12b)、仕切り板2を下方へスライド移動させ、第二差込みフラップ24を、二つ折り片21と同一面上にした突入状態のまま第二差し込み孔4に突入させる(図12d)。ケース本体の構造、仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、差し込み孔3の形状の相違を除いて実施例1と同様である。組み上げ状態で、折り拡げられた差込みフラップ23、及び第二差し込みフラップ24の先部は、内背板121の背面にて図12dに示す状態となる。
図13に示す実施例6の冊子用スタンドケースは、差し込み孔3の形状のバリエーションを示す例である。本実施例の差し込み孔3は、差し込み孔3の高さ方向の中央部にて横長矩形形状に拡幅した拡幅部32が形成され、拡幅部32の下部から差し込み孔の下端にかけて孔幅が窄まる縦長の縦孔部31と、拡幅部32の上部から差し込み孔の上端にかけて孔幅が窄まる縦長の縦孔部31とが形成された、略十字形状の打ち抜き孔となっている。また、この差し込み孔3の下方に、略I字形状の第二差し込み孔4が形成される。上部の縦孔部31は両側孔縁が傾斜直線で形成され、孔幅が上方へ向かって、下部の第一縦孔幅311Wから上端の第二縦孔幅312Wとなるよう、暫時大きくなる。下部の縦孔部31は両側孔縁が傾斜直線で形成され、孔幅が下方へ向かって、上部の第一縦孔幅311Wから下端の第二縦孔幅312Wとなるよう、暫時小さくなる。
縦孔部31の最大の縦孔幅部である第一縦孔幅311Wは、重なり状態の二つ折り片の重なり厚さ21Wよりわずかに大きい。また、縦孔部31の最小の縦孔幅部である第二縦孔幅312Wは、重なり状態の二つ折り片の重なり厚さ21Wよりわずかに小さい。また、差し込み孔3の全体の孔高さ3Hは、差し込みフラップ23のフラップ高さ23Hと同一であり、差し込み孔3の拡幅部32の拡孔幅32Wは差し込みフラップ23の折り拡げ幅23Wと同一である。
組み込みの際は、差込みフラップ23を両側方へ折り拡げた折り拡げ状態のまま、差し込み孔3に挿入し(図13b)、仕切り板2を上方又は下方へスライド移動させ、第二差込みフラップ24を、二つ折り片21と同一面上にした突入状態のまま第二差し込み孔4に突入させる(図13d)。このとき、仕切り板2を下方から上方へスライド移動させてもよいし(図13bのように)、上方からスライド移動させてもよい。ケース本体の構造、仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、差し込み孔3の形状の相違を除いて実施例1と同様である。組み上げ状態で、折り拡げられた差込みフラップ23、及び第二差し込みフラップ24の先部は、内背板121の背面にて図13dに示す状態となる。
図14に示す実施例7の冊子用スタンドケースは、差し込み孔3及び差し込みフラップ23の形状のバリエーションを示す例である。本実施例の差し込み孔3は、差し込み孔3の高さ方向の上下部それぞれに、略三角形状に拡幅した拡幅部32が形成され、上下の拡幅部32の間に等幅形成された縦長の縦孔部31が形成された、いわゆる砂時計の形状の打ち抜き孔となっている。また、この差し込み孔3の下方に、略I字形状の第二差し込み孔4が形成される。上部の拡幅部32は両側孔縁が傾斜直線で形成され、上方へ向かって拡孔幅32Wが暫時大きくなる。下部の拡幅部32は両側孔縁が傾斜直線で形成され、下方へ向かって孔幅が暫時大きくなる。縦孔部31の孔幅31Wは、孔幅の変化を有さず一定の大きさであると共に、重なり状態の二つ折り片21の重なり厚さ21Wよりわずかに小さいものとなっている。
また、本実施例での差し込みフラップ23は、折り曲げ線230Fを介して、二つ折り片21と分離されたまま下方へ延長させた延長片230を有する。差し込み孔3の全体の孔高さ3Hは、この延長片230を除く差し込みフラップ23のフラップ高さ23Hと同一であり、差し込み孔3の拡幅部32の拡孔幅32Wは差し込みフラップ23の折り拡げ幅23Wと同一である。
組み込みの際は、左右へ折り拡げた差込みフラップ23の延長片230を、折り曲げ線230Fにて折り曲げ、差し込みフラップ23と重なるように折り畳んだ折り曲げ状態S2とし、この折り曲げ状態S2のまま、差し込み孔3に挿入し(図14a)、仕切り板2を上方又は下方へスライド移動させ(図14b)、次いで、内背板121の背面に収容された差し込みフラップ23を、折り曲げ状態S2から伸展状態S1とする(図14c、図14d)。組み込み状態では、延長片230が内背板121、外背板122の間にて、折り曲げ状態を解除された状態(折り曲げ状態の弾性復帰力を有した状態)で圧接力を有して介在する(図14d)。また、第二差込みフラップ24を、二つ折り片21と同一面上にした突入状態のまま第二差し込み孔4に突入させる(図14d)。ケース本体の構造、仕切り板2の形状及び組み込み方法、組上げ状態は、差し込み孔3の形状の相違を除いて実施例1と同様である。組み上げ状態で、折り拡げられた差込みフラップ23、及び第二差し込みフラップ24の先部は、内背板121の背面にて図14dに示す状態となる。
上述した構成により、本発明は重量物である冊子や冊子型の収容物を立てた状態で並べて収容する冊子用スタンドケースであって、重量物を収容して運搬・搬送する場合であっても、組上げ状態を維持するための組み上げ強度を確保するものとなった。また、これらの内容物をスタンド内に収容したまま配送・運搬するための配送・運搬箱としても使用できるものとなった。
また、内容物を収容したまま本発明の冊子用スタンドケースを配送・運搬する場合は、ケース本体1の底板11ないし側板13を持ってそのまま運んでもよいが、他に例えば、冊子用スタンドケースの背板、底板、及び前方ないし上方の開放部を包んで囲う、把手孔付きの5面連板からなる包み板材と組み合わせてもよい(図示せず)。この場合、包み板材の把手孔によって運搬・搬送が容易でありながら運搬時の形状維持性により優れたものとなる。
その他本発明は上述した実施例に限られず、実施例の各部の各要素を組み合わせ或いは各要素の抽出ないし置換など、本発明の趣旨を逸脱しない程度の種々の変更を適宜行うことができる。また各構成の形状は実施例の説明ないし各図にあらわされたものに限られず、要素ごとの形状変更が可能である。