JP6825819B2 - 偏光子保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、偏光子保護フィルムに関する。
近年表示装置である液晶表示装置には、その表示品位を保つために偏光フィルム等の光学フィルムが用いられている。偏光フィルムには、偏光子と偏光子を保護する為に偏光子保護フィルムが好適に用いられる。
偏光子保護フィルムは、偏光を扱うために、場合によっては、透明で、かつ、複屈折率を小さくすることが求められる。このような偏光子保護フィルムの材料として、非晶性の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
透明性、低複屈折性を満足させる樹脂として、アクリル系樹脂が使用される。代表的なアクリル系樹脂として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられるが、PMMAは耐熱性が劣ることから、グルタルイミド基の導入、または、ラクトン基の導入により耐熱性を付与することが開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、これらアクリル系樹脂製の偏光子保護フィルムは、用途によっては機械的特性、特に可とう性や裁断時の耐クラック性が不足することがあった。
これを改善する方法としては、例えば、アクリル系樹脂にメタクリル酸メチル重合体ブロックとアクリル酸エステル重合体ブロックからなるブロック共重合体を含有させることにより機械的特性を改善し得ることが開示されている(特許文献2参照)。
特開2005−281589号公報 特開2015−166474号公報
本発明者らの検討によれば、耐熱性を改善したアクリル系樹脂の機械的特性を改善するためにブロック共重合体を配合するものの、アクリル系トリブロック共重合体を用いた場合、偏光子保護フィルムとして偏光子に貼り合わせた際に充分な接着強度が得られないおそれがあることがわかった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、機械的特性、特にMIT耐屈曲性に優れ、且つ、偏光子に対し優れた接着強度を有する偏光子保護フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂及び(B)アクリル系ジブロック共重合体を含有する偏光子保護フィルムであってピール強度が0.8N/cm以上であることを特徴とする、偏光子保護フィルム。
ただし、ピール強度は、偏光子保護フィルムをポリカーボネートフィルムに貼り付け、23℃、50%RH雰囲気における、90度ピール強度試験による。
2)偏光子保護フィルムにおけるSAICAS法による表面層の剥離強度が8N/cm以上であることを特徴とする、1)に記載の偏光子保護フィルム。
3)偏光子保護フィルムが、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂100重量部および(B)アクリル系ジブロック共重合体を3重量部〜15重量部を含有することを特徴とする、1)または2)に記載の偏光子保護フィルム。
4)(B)アクリル系ジブロック共重合体が、(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位および(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位含むアクリル系ジブロック共重合体であることを特徴とする、1)〜3)のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
5)(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂が主鎖に環構造を持つことを特徴とする、1)〜4)のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
6)環構造がグルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸、マレイミド及び無水グルタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、5)記載の偏光子保護フィルム。
7)(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂中の環構造の含有量が2重量%〜30重量%であることを特徴とする、5)または6)に記載の偏光子保護フィルム。
8)環構造が下記一般式(1)を含むことを特徴とする、5)〜7)のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
Figure 0006825819
(ここで、R及びRはぞれぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
本発明によれば、MIT耐屈曲性に優れ、且つ、偏光子に対し優れた接着強度を有する偏光子保護フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」をそれぞれ意味する。
本発明は、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂及び(B)アクリル系ジブロック共重合体を含有する偏光子保護フィルムであってピール強度が0.8N/cm以上であることを特徴とする、偏光子保護フィルムであることを特徴とする。ただし、ピール強度は、偏光子保護フィルムをポリカーボネートフィルムに貼り付け、23℃、50%RH雰囲気における、90度ピール強度試験による。
(偏光子保護フィルム)
本発明の偏光子保護フィルムは、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂(以下、(A)アクリル系樹脂ということもある)及び(B)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)とメタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B2)とから構成されたアクリル系ジブロック共重合体を含んでなる。ここで、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂及び(B)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)とメタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B2)とから構成されたアクリル系ジブロック共重合体を含むアクリル系樹脂をアクリル系樹脂組成物と定義する。
本発明の偏光子保護フィルムは、MIT耐屈曲性が改善されており、且つ、偏光子保護フィルムの一面に易接着剤を塗布した後、瞬間接着剤を用いてポリカーボネートフィルムに貼り付け、23℃、50%RH雰囲気下でポリカーボネートフィルムを偏光子保護フィルムから剥離することにより試験した90度ピール強度が改善されている。ピール強度としては、偏光子保護フィルムの長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)のいずれも0.8N/cm以上、好ましくは0.9N/cm以上、より好ましくは1.0N/cm以上である。0.8N/cm以上のピール強度となると、偏光子へ貼合した後のリワーク性および耐久性の点で良好である。ここでのピール強度は、株式会社島津製作所製小型卓上試験機(オートグラフ)EZ−Sを用いて測定し、得られた測定データの10mm〜60mmの間のデータを平均化することにより求めることができる。
上記瞬間接着剤としては、市販されている瞬間接着剤を用いることができる。市販の瞬間接着剤としては、東亞合成株式会社製 商品名「アロンアルファ(登録商標)シリーズ」(アロンアルファ プロ用NO.1、アロンアルファ 即効多用途Extra、アロンアルファ プラスチック用等)等が挙げられる。
上記ポリカーボネートフィルムとしては、市販のポリカーボネートフィルムをそのまま用いることができる。市販のポリカーボネートフィルムとしては、具体的には、帝人化成(株)製商品名「ピュアエースシリーズ(登録商標)」、(株)カネカ製商品名「エルメックシリーズ(登録商標)」(R140、R435 等)等が挙げられる。
ここで、ブロック共重合体の中でもトリブロック共重合体を用いた場合には、耐熱性及び透明性を維持しつつ、機械的特性を改善することが可能であったが、偏光子保護フィルムとして偏光子に貼り合わせた際にはピール強度が弱く改善の余地があった。本発明のジブロック共重合体を用いた偏光子保護フィルムは、トリブロック体を用いた場合に課題であった、ピール強度に優れることを見出したが、これは以下の理由によるのではないかと推測している。
本発明では、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂及び(B)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)とメタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B2)とから構成されたアクリル系ジブロック共重合体の溶融混合において(B)成分と(A)成分の界面強度が、(B)成分がトリブロック体である場合と比較して強くなった結果、ピール試験の際に(B)成分にかかる応力集中に耐えることが可能となり、結果としてピール強度に優れた偏光子保護フィルムになるものと推測している。
本発明の偏光子保護フィルムは、フィルムの片面若しくは両面に易接着層が設けられている。易接着層を設けることにより、その後の工程において接着剤を介して偏光子に貼り合わす際に、接着剤による偏光子保護フィルムと偏光子との密着性を補強することができる。
本発明に用いる易接着層としては、特開2009−193061号公報、特開2010−55062号公報などに記載の公知の技術を用いて形成させることができる。即ち、カルボキシル基を有するウレタン樹脂と架橋剤とを含む易接着剤組成物で形成される。ウレタン樹脂を用いることにより、偏光子保護フィルムと偏光子の密着性に優れた易接着層が得られ得る。易接着剤組成物は、その作業性の観点及び、環境保護の観点から好ましくは、水系である。
本発明の偏光子保護フィルムの内部へイズは、1.0%以下であり、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下が良い。内部へイズが低いことにより、液晶パネルに実装した時の品質が良好になる。
本発明の偏光子保護フィルムは、MIT耐屈曲試験における切断するまでの往復折り曲げ回数が改善されている。折り曲げ回数としては、偏光子保護フィルムの長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)のいずれも500回以上、好ましくは600回以上が良い。500回以上になると、長尺製膜の工程による破断のリスクや、液晶パネルへ貼合した後のリワーク性の点で良好である。本発明による偏光子保護フィルムにおける一軸延伸もしくは二軸延伸は任意で実施できる。ただし二軸延伸を施すことで、MIT耐屈曲試験における切断するまでの往復折り曲げ回数はさらに増大する。
上記アクリル系ジブロック共重合体を含まないアクリル系樹脂からなるフィルムであっても、延伸条件等の加工方法によっては、MIT耐屈曲試験が500回以上を実現することは可能であるが、その際の延伸条件は延伸温度を下げる方向であったり、延伸倍率を上げる方向であることから、延伸工程においての破断リスクが高くなる。本発明によれば、比較的高い延伸温度であっても、MIT耐屈曲試験における折り曲げ回数500回以上を実現でき、延伸時の破断のリスクが低く、透明性の良好なアクリル樹脂組成物による偏光子保護フィルムを得ることができる。
ここでのMIT耐屈曲試験は、東洋精機(株)製のMIT耐柔披露試験機型式Dを用いて、幅15mmの短冊型試験片を使用し、折り曲げクランプの曲率半径Rが0.38mm、左右の折り曲げ角度135度、折り曲げ速度175回/分、荷重1.96Nの条件で測定した切断するまでの往復折り曲げ回数と定義する。
本発明の偏光子保護フィルムのガラス転移温度は110℃以上であり、好ましくは115℃以上であり、より好ましくは120℃以上である。ここでのガラス転移温度は、アクリル系樹脂およびアクリル系樹脂組成物10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、(株)SII製、DSC7020)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定したものである。
本発明の(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂の平均屈折率は1.48以上であることが好ましく、かつ(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂と、(B)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)とメタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B2)とから構成されたアクリル系ジブロック共重合体との屈折率差が0.02以下であることが好ましく、より好ましくは0.01以下であることが好ましい。本発明の偏光子保護フィルムは、アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)と、メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B2)とから構成された(B)アクリル系ジブロック共重合体が、(A)アクリル系樹脂中に分散した状態であることから、アクリル系樹脂と前記(B)アクリル系ジブロック共重合体との屈折率差が小さくなるほど、偏光子保護フィルムの内部へイズが低下する傾向にある。ここでの平均屈折率は(株)アタゴ社製アッべ屈折計3Tを用いて測定することができる。
ここでの内部へイズは、液体測定用ガラスセルに得られたフィルムを入れ、その周辺に純水を充填状態のガラスセルを対象に日本電色工業(株)製へイズメーターNDH2000を用い測定したヘイズ値と定義する。
本発明の偏光子保護フィルムを構成するアクリル系樹脂中の(B)アクリル系ジブロック共重合体の分散形状は、特に制限は無いが、成形方法や延伸方法によって、糸状、球状、ディスク状であり得る。分散粒径については特に制限は無いが、いずれの分散形状においても、長軸方向及び短軸方向の平均分散長は共に30nm以上100μm以下であり、100nm以上50μm以下であることが好ましい。平均分散長が30nm以下となるとアクリル系樹脂のガラス転移点が低下する傾向にある。平均分散長が100μmを超えると、分散状態が不均一になり、ピール強度及びMIT耐屈曲試験が低下する傾向にある。
前記(B)アクリル系ジブロック共重合体の平均分散長は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて目視測定することが一般的である。
本発明の偏光子保護フィルムの厚み方向位相差Rthは50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下である。厚み方向位相差が発現することにより、液晶パネル中で使用される用途(部位)が制限されるため、Rthは低いほど好ましい。Rthは以下に定義される。
[Rth={(nx+ny)/2−nz}×dである。フィルムの遅相軸方向、進相軸方向および厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、フィルムの面内の屈折率が最大となる方向を遅相軸方向とする。d(nm)はフィルムの厚みである。]
Rthは王子計測機器(株)製、位相差測定装置KOBRA−WRを用いて測定を行うことができ、測定波長は590nmで行った。
本発明の偏光子保護フィルムの伸度は偏光子保護フィルムの長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)のいずれも5%以上であることが好ましい。伸度が5%以上であることで、リワーク性に優れる。伸度は(株)島津製作所製オートグラフAGS−Jを用いて、JIS K7161に準拠して測定できる。
本発明のSAICAS法(Surface And Interfacial Cutting Analysis System)による3μm深さかつ長手方向(MD方向)での水平荷重[N]は、ダイプラ・ウィンテス株式会社製サイカスDN−01型(サイカス:商標名)を用いて、易接着層が形成された側の偏光子保護フィルム表面から深さ3μmにおける水平荷重FH[N]と切刃の幅w[cm] から剥離強度Pを
P[N/cm]=FH[N]/w[cm]
の計算式から求めることができる。得られた剥離強度の試験開始50秒後から180秒後の間のデータを平均化することにより平均剥離強度[N/cm]を得ることができる。これを5回測定した算術平均値をSAICAS剥離強度[N/cm]とした。本測定法は、フィルムの最表面層のフィルム内におけるへき開強度を測定していると言うことができる。この測定方法を導入した背景としては、前記ピール強度を測定した剥離面を調べたところ、剥離面の両側から、本発明の偏光子保護フィルムの樹脂成分が検出されたため、偏光子保護フィルムの凝集破壊様式の剥離であると推測されたためである。故に、フィルム最表面のSAICAS剥離強度を測定することによっても、ピール強度を擬似的に評価できるものと考えられ、実際ピール強度とSAICAS剥離強度の傾向は一致していた。
((A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂)
本発明では、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂を使用する。アクリル系樹脂のガラス転移温度が120℃以上であると、アクリル系ジブロック共重合体と混合したアクリル系樹脂組成物からなるフィルムのガラス転移温度が高くなり、例えば、高温環境下でのフィルムの寸法変化が小さくなる。実使用上、偏光子保護フィルムは他の光学フィルムと積層することが多く、その場合反りの発生を抑制することができる。
ここで、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂としては、主鎖に環構造を有しているアクリル系樹脂を好適に利用することができる。例えば、その環構造としてグルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸、マレイミド及び無水グルタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の環構造を挙げることができる。これらによれば、耐熱性付与が可能となる。また、その中でも、特に環構造がグルタルイミドであることが、生産の簡便性やコスト、湿気に対する品質安定性の観点で好ましい。
また、ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂としては、メタクリル酸などのカルボキシ基を導入する手法が挙げられるが、カルボキシ基が一定量以上になると、架橋体を形成するリスクが生じたり、製膜するときに発泡するリスクが増大するため、ある一定量以下に抑えることが好ましい。具体的にはアクリル系樹脂中のカルボキシ基の量は0.6mmol/g以下、好ましくは0.4mmol/g以下であることが好ましい。
ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂中の環構造の含有量は2重量%〜80重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2重量%で〜50重量%であり、さらに好ましくは2重量%で〜30重量%である。この範囲内の環構造の含有量の場合、ガラス転移温度と厚み方向位相差Rthのいずれもが良好となるので好ましい。アクリル系樹脂中の環構造の含有量は、H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、対象となる環構造部分とそれ以外の部分のモル比を測定し、重量換算を行い算出した。
以下、各環構造について説明する。
(グルタルイミド環を有するアクリル系樹脂)
環構造としてグルタルイミド環を有するアクリル系樹脂は、下記一般式(1)で表されるグルタルイミド単位とメタクリル酸メチル単位とを含有する樹脂であり、アクリル酸エステル単位が1重量%未満であるポリメタクリル酸メチルを加熱溶融し、ポリメタクリル酸メチルに対してイミド化剤で処理することによって得られる。
Figure 0006825819
(ここで、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。)。
本発明に係るグルタルイミド環の含有量が、例えば以下の方法で測定できる値である。H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、樹脂のH−NMR測定を行う。3.5ppmから3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO−CHプロトン由来のピークの面積と、3.0ppmから3.3ppm付近のグルタルイミド基のN−R若しくはR若しくはR基プロトン由来のピーク面積より、求められたモル比を用いて重量換算を行う。
イミド化剤で処理する工程において、メタクリル酸メチル以外にも、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなども併用してよいが、これらを併用する場合はアクリル酸エステル単位が1重量%であることが好ましい。さらにアクリル酸メチル単位が0.5重量%未満であることがより好ましく、0.3重量%未満であることがさらに好ましい。
また、上記モノマー以外にも、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合することも可能である。
上記メタクリル酸メチル樹脂の構造は、特に限定されるものではなく、リニアー(鎖状)ポリマー、ブロックポリマー、コアシェルポリマー、分岐ポリマー、ラダーポリマー、及び架橋ポリマー等のいずれであってもよい。
ブロックポリマーの場合、A−B型、A−B−C型、A−B−A型、及びこれら以外のタイプのブロックポリマーのいずれであってもよい。コアシェルポリマーの場合、ただ一層のコア及びただ一層のシェルのみからなるものであってもよいし、それぞれが多層からなるものであってもよい。
ポリメタクリル酸メチルの製造方法としては、特に限定されず、公知の乳化重合法、乳化―縣濁重合法、縣濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などが適用可能であるが、光学分野に用いる場合、不純物が少ないとの観点から、塊状重合法、溶液重合法が特に好ましい。例えば、特開昭56−8404、特公平6−86492、特公平7−37482、あるいは特公昭52−32665などに記載の方法に準じて製造できる。
本発明は、ポリメタクリル酸メチル樹脂を加熱溶融して、イミド化剤で処理する工程(イミド化工程)を含む。これによりグルタルイミドを有するアクリル系樹脂を製造できる。
イミド化剤は一般式(1)で表されるグルタルイミド環を生成できるものであれば特に制限されず、WO−2005/054311記載のもの等が挙げられる。具体的には、例えば、アンモニア、メチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素含有アミンを挙げることができる。また、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素のように、加熱により、例示したアミンを発生する尿素系化合物を用いることもできる。これらのイミド化剤のうち、コスト、物性の両面からメチルアミン、アンモニア、シクロヘキシルアミンを用いることが好ましく、メチルアミンを用いることが特に好ましい。
常温にてガス状のメチルアミンなどは、メタノールなどのアルコール類に溶解させた状態で使用してもよい。
このイミド化工程において、上記イミド化剤の添加割合を調整することにより、得られるアクリル系樹脂におけるグルタルイミド単位および(メタ)アクリル酸エステル単位の割合を調整することができる。
また、イミド化の程度を調整することにより、得られるアクリル系樹脂の物性や、本発明にかかるアクリル系樹脂を成形してなる偏光子保護フィルムの光学特性等を調整することができる。
イミド化剤はポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して0.5重量部〜20重量部であることが好ましい。イミド化剤の添加量がこの範囲内の場合、樹脂中にイミド化剤が残存しにくく、成形後の外観欠陥や発泡を誘発する可能性が極めて低い。また、最終的に得られる樹脂組成物のグルタルイミド環の含有量も適切になるため、その耐熱性が低下しにくく、成形後の外観欠陥を誘発しにくくなり、好ましい。
このイミド化の工程においては、イミド化剤に加えて、必要に応じて、閉環促進剤(触媒)を添加してもよい。
加熱溶融し、イミド化剤と処理する方法は、特に限定されなく、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。例えば、押出機や、バッチ式反応槽(圧力容器)等を用いる方法により、上記ポリメタクリル酸メチル樹脂をイミド化することができる。
押出機は特に限定されるものではない。例えば、単軸押出機、二軸押出機または多軸押出機等を用いることができる。押出機は単独で用いてもよいし、複数を直列につないで用いてもよい。二軸押出機を用いる場合、非噛合い型同方向回転式、噛合い型同方向回転式、非噛合い型異方向回転式、および噛合い型異方向回転式等を挙げることができる。中でも、噛合い型同方向回転式の二軸押出機は、高速回転可能であるため、原料ポリマーに対するイミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)の混合を、より一層促進することができ、好ましい。
押出機中でイミド化を行う場合は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂を押出機の原料投入部から投入し、該樹脂を溶融させ、シリンダ内を充満させた後、添加ポンプを用いてイミド化剤を押出機中に注入することにより、押出機中でイミド化反応を進行させることができる。
この場合、押出機中で処理する温度(樹脂温度)や時間(反応時間)、樹脂圧もグルタルイミド化が可能であれば特に制限されない。
押出機を使用する場合は、未反応のイミド化剤や副生物を除去するために、大気圧以下に減圧可能なベント孔を装着することも好ましい。このような構成によれば、未反応のイミド化剤、もしくはメタノール等の副生物やモノマー類を除去することができる。
グルタルイミド環を含有するアクリル系樹脂を、バッチ式反応槽(圧力容器)を用いて製造する場合、そのバッチ式反応槽(圧力容器)の構造は特に限定されるものでない。ポリメタクリル酸メチル樹脂を加熱により溶融させ、攪拌することができ、イミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)を添加することができる構造を有していればよいが、攪拌効率が良好な構造を有するものであることが好ましい。
イミド化方法の具体例としては、例えば、特開2008−273140、特開2008−274187記載の方法など公知の方法をあげることができる。
本発明の製造方法では、上記イミド化工程に加え、エステル化剤で処理する工程を含むことができる。このエステル化工程によって、イミド化工程で得られたイミド化樹脂の酸価を所望の範囲内に調整することができる。
エステル化剤としては、分子鎖中に残存するカルボキシ基をエステル化できれば特に制限されない。例えば、ジメチルカーボネート、2,2−ジメトキシプロパン、ジメチルスルホキシド、トリエチルオルトホルメート、トリメチルオルトアセテート、トリメチルオルトホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルサルフェート、メチルトルエンスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、メチルアセテート、メタノール、エタノール、メチルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジメチル−t−ブチルシリルクロライド、イソプロペニルアセテート、ジメチルウレア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエトキシシラン、テトラ−N−ブトキシシラン、ジメチル(トリメチルシラン)フォスファイト、トリメチルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジアゾメタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、コスト、反応性などの観点から、ジメチルカーボネート、トリメチルオルトアセテートが好ましく、コストの観点からジメチルカーボネートが好ましい。
このイミド化の工程において、エステル化剤はポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して0重量部〜12重量部であることが好ましく、0重量部〜8重量部であることがより好ましい。エステル化剤がこれらの範囲内であれば酸価を適切な範囲に調整できる。一方、この範囲より多い場合は未反応のエステル化剤が樹脂中に残存する可能性があり、得られた樹脂を使って成形を行った際、発泡や臭気発生の原因となることがある。
エステル化剤に加え、触媒を併用することもできる。触媒はエステル化を促進することができれば特に限定されるものではない。例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族3級アミンが挙げられる。これらの中でもコスト、反応性などの観点からトリエチルアミンが好ましい。
このエステル化工程では、エステル化剤によって処理することなく、加熱処理等のみを行うこともできる。加熱処理(押出機内での溶融樹脂の混練や分散など)のみを行った場合、イミド化工程にて副生したグルタルイミド環を有するアクリル系樹脂中のカルボキシル基同士の脱水反応やカルボン酸とアルキルエステル基の脱アルコール反応、等によりカルボキシル基の一部または全部を酸無水物基とすることができる。このとき、閉環促進剤(触媒)を使用することも可能である。
エステル化剤によって処理する場合であっても、加熱処理による酸無水物基化を進行させることも可能である。
イミド化工程およびエステル化工程を経たイミド樹脂中には、未反応のイミド化剤や、未反応のエステル化剤、反応により副生した揮発成分および樹脂分解物等を含んでいるため、大気圧以下に減圧可能なベント口を装着することが可能である。
(ラクトン環を有するアクリル系樹脂)
環構造としてラクトン環を有するアクリル系樹脂は、分子内にラクトン環構造を持つ熱可塑性の重合体(分子鎖中にラクトン環構造が導入された熱可塑性の重合体)であれば、限定はされず、その製造方法についても限定されないが、好ましくは、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)を重合によって得た(重合工程)後に、得られた重合体(a)を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入する(ラクトン環化縮合工程)ことによって得られる。
重合工程においては、下記一般式(2)で表される不飽和単量体を含む単量体成分の重合反応を行うことにより、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得る。
Figure 0006825819
(ただし、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)。
一般式(2)で表される不飽和単量体としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ノルマルブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ターシャリーブチルなどが挙げられる。なかでも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性向上効果が高い点で、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。これらの不飽和単量体は1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
単量体成分中の一般式(2)で表される不飽和単量体の含有割合は、5重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは10重量%〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。上記含有割合が5重量%よりも少ないと、得られるラクトン環含有重合体の耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が低下するおそれがあり、50重量%よりも多いと、ラクトン環構造を形成する際に架橋反応が起こってゲル化し易くなり、流動性が低下して溶融成形しにくくなる場合があったり、未反応の水酸基が残りやすくなるために成形の際にさらに縮合反応が進行して揮発性物質が発生してシルバーストリークが入りやすくなったり、厚み方向位相差Rthが増大するなどのおそれがある。
単量体成分は一般式(2)で表される不飽和単量体以外の、その他の単量体を含むことが好ましい。該その他の単量体としては、本発明の効果を損なわない範囲で選択すれば、限定はされないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記一般式(3)で表される不飽和単量体が好ましく挙げられる。上記その他の単量体は、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
Figure 0006825819
(ただし、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R基、または−C−O−R基を表し、Ac基はアセチル基を表し、RおよびRは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、一般式(2)で表される不飽和単量体以外の(メタ)アクリル酸エステルであれば、限定はされないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;が挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なかでも特に、耐熱性、透明性の点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、10重量%〜95重量%が好ましく、より好ましくは10重量%〜90重量%、さらに好ましくは40重量%〜90重量%、特に好ましくは50重量%〜90重量%である。
((B)アクリル系ジブロック共重合体)
本発明における(B)アクリル系ジブロック共重合体は(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックと、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックとから構成される。(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックは、少なくとも一種類のアクリル酸エステルを原料として、二量体以上に重合されたことを特徴とする重合体ブロックであり、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックは、少なくとも一種類のメタクリル酸エステルを原料として、二量体以上に重合されたことを特徴とする重合体ブロックである。
本発明で使用する(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックと、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックとから構成された(B)アクリル系ジブロック共重合体は、ハードブロックと、ソフトブロックからなるジブロック共重合体であり、ハードブロックを構成する(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックは、ポリメタクリル酸メチル単位を含むことが好ましく、ソフトブロックを構成する(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックは、ポリアクリル酸ブチル単位を含むことが好ましい。このような(B)アクリル系ジブロック共重合体として、例えばクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)や、ナノストレングスD51N(アルケマ株式会社製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約50000、MMA率50mol%)などが挙げられる。
また、上記ソフトブロックを構成するアクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロック(B1)は、アクリル酸芳香族エステルを含まない方が好ましい。アクリル酸芳香族エステルを含むと、厚み方向位相差Rthが増大するおそれがある。
本発明においては、(B)アクリル系ジブロック共重合体を用いることにより、(A)アクリル系樹脂との適度な相溶性から、安定した分散状態が得られ、結果として欠陥の少ないフィルムが得られる。一方、ブロック共重合体が(B2)−(B1)−(B2)型のトリブロック共重合体であっても、アクリル系樹脂との適度な相溶性から安定した分散状態が得られ、欠陥の少ないフィルムを得ることは可能だが、トリブロック共重合体を用いた場合には、ピール強度が劣ったものとなる。
ブロック共重合体の適度な柔軟性により、MIT耐屈曲性試験におけるフィルムの屈曲に対して、(B)アクリル系ジブロック共重合体で、応力を吸収することが可能となり、可とう性に優れた光学フィルムとなる。
ここで本発明に用いる(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックと、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックとから構成された(B)アクリル系ジブロック共重合体のショアA硬度としては、150以下が好ましく、100以下がより好ましい。前記ショアA硬度の下限としては特に制限は無いが、20以上が好ましい。なお、前記ショアA硬度は、ISO 7619−1に準拠してタイプAのデュロメーターを用いて測定されたものである。
ジブロック共重合体の数平均分子量は10000〜500000であることが好ましく、20000〜300000であることがより好ましく、30000〜100000であることがさらに好ましい。数平均分子量が10000より高い場合は、室温で液体状でなくなり固体状となりやすく、若しくはタック性(粘着性)が低減して、成形プロセス上における取り扱いが容易になる。数平均分子量が500000よりも低い場合は、平均分散長が適切な範囲になりやすく、内部ヘイズが0.3%を超える可能性が極めて低く、透明性が良好となる。
ジブロック共重合体におけるメタクリル酸エステル含有量は、40mol%〜70mol%であることが好ましく、50mol%〜60mol%であることがより好ましい。メタクリル酸エステル含有量が40mol%より高くなると、(A)アクリル系樹脂との屈折率差が0.02以下となりやすく、内部ヘイズが0.3%を下回り、透明性が良好となる。また、(A)アクリル系樹脂との相溶性も向上し、(A)アクリル系樹脂と上記(B)アクリル系ジブロック共重合体との界面強度が強くなり、ピール強度が高くなる傾向にあり、好適である。メタクリル酸エステル含有量が70mol%より低い場合、ジブロック共重合体の柔軟性が増し、MIT耐屈曲性試験において500回以上となる傾向がある。なお、前記メタクリル酸エステル含有量は、H−NMRを用いて、対象となるメタクリル酸エステル部分と、アクリル酸エステル部分のモル比を測定することにより得ることが出来る。
(アクリル系樹脂組成物)
本発明の偏光子保護フィルムを構成するアクリル系樹脂組成物中の、(B)アクリル系ジブロック共重合体の配合は、(A)アクリル系樹脂を100重量部とした場合に好ましくは3重量部〜15重量部であり、さらに好ましくは4重量部〜10重量部であり、より好ましくは5重量部〜10重量部である。(B)アクリル系ジブロック共重合体の配合割合がこの範囲内であれば、MIT耐屈曲性やピール強度を良好とすることができる。また、透明性も良く、さらにはアクリル系樹脂組成物のガラス転移温度も高く、MIT耐屈曲性にMD方向とTD方向で異方性が出ることもない。
また本発明の偏光子保護フィルムを構成するアクリル系樹脂組成物のガラス転移温度は115℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。ここでのガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC、(株)SII製、DSC7020)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により解析した値である。ガラス転移温度が115℃以上であると、偏光子保護フィルムに代表される液晶パネルを構成するフィルムとして積層したときに寸法変化が小さく、また寸法変化に伴う積層フィルムの反りが小さくかつ位相差変化が小さくなり、実使用上の不具合が少ない。
アクリル系樹脂組成物には、必要に応じ、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブルーライトカットを目的とした特定波長吸収剤もしくは特定波長吸収色素、ラジカル捕捉剤などの耐光性安定剤や、位相差調整剤、触媒、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤、抗菌・脱臭剤、蛍光増白剤、相溶化剤等を単独または2種以上組み合わせて、本発明の目的を損なわない範囲であれば添加してもよい。
紫外線吸収剤については、例えば、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサジン系化合物およびオキサジアゾール系化合物等が挙げられる。これらの中でも添加量に対する紫外線吸収性能や溶融押出をする場合、揮発性の観点でトリアジン系化合物が好ましい。
位相差調整剤については、負の位相差を付与する場合は、例えばスチレン骨格を持つ化合物であればよく、アクリロニトリル−スチレン共重合体が例示される。
(A)アクリル系樹脂と(B)アクリル系ジブロック共重合体の混合方法に関しては、特に限定されなく、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。例えば、重量式フィーダーを用いて押出機に供給し溶融混練りする方法や、(A)アクリル系樹脂および(B)アクリル系ジブロック共重合体ともに可溶な溶媒により溶液の状態で混合する等が挙げられる。
押出機を用いて混合する場合、用いる押出機は特に限定されるものではなく、各種押出機を用いることができる。具体的には単軸押出機、二軸押出機または多軸押出機等を用いることができる。中でも二軸押出機を用いることが好ましい。二軸押出機によれば、(A)アクリル系樹脂と(B)アクリル系ジブロック共重合体を均一混合する条件の自由度が広い。また、押出機の上流側から原料投入ホッパー等を用いて(A)アクリル系樹脂及び(B)アクリル系ジブロック共重合体を投入し混合しても良いし、(B)アクリル系ジブロック共重合体のみを、押出機の途中からサイドフィーダーや、重量式フィーダー等を用いて投入し混合してもよい。
本発明における(B)アクリル系ジブロック共重合体と混合する前の(A)アクリル系樹脂の状態、および/もしくは(A)アクリル系樹脂と(B)アクリル系ジブロック共重合体の混合した状態において、樹脂中の異物低減を目的として、押出機の最後にフィルターを設置することも可能である。フィルターの前には(A)アクリル系樹脂/アクリル系樹脂組成物を昇圧するためにギアポンプを設置した方が好ましい。フィルターの種類としては、溶融ポリマーからの異物除去が可能なステンレス製のリーフディスクフィルターを使用するのが好ましく、フィルターエレメントとしてはファイバータイプ、パウダータイプ、あるいはそれらの複合タイプを使用するのが好ましい。
(用途)
本発明の偏光子保護フィルムは偏光子と貼合されて偏光板となる。偏光子は特に限定されるものではなく、従来公知の任意の偏光子を用いることができる。例えば、延伸されたポリビニルアルコールにヨウ素を含有させて得た偏光子等を挙げることができる。
この偏光板はさらに種々のフィルムと貼り合わされて、各種製品に用いることができる。その用途は特に限定されるものではないが、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ分野、等に好適に用いることができる。
(偏光子保護フィルムの製造方法)
本発明の偏光子保護フィルムの製造方法の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。つまり、本発明のアクリル系樹脂組成物を成形してフィルムを製造できる方法であれば、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。
具体的には、例えば、射出成形、溶融押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、圧縮成形、等を挙げることが出来る。また、本発明に係るアクリル系樹脂組成物を溶解可能な溶剤に溶解させた後、成形させる溶液流延法やスピンコート法によって、本発明に係るフィルムを製造することが出来る。
中でも溶剤を使用しない溶融押出法を用いることが好ましい。溶融押出法によれば、製造コストや溶剤による地球環境や作業環境への負荷を低減することができる。
本発明のアクリル系樹脂組成物を溶融押出法によりフィルムに成形する場合、まず、本発明のアクリル系樹脂組成物を、予備乾燥し、その後押出機に供給し、該アクリル系樹脂組成物を加熱溶融させる。さらに、ギアポンプやフィルターを通して、Tダイなどのダイスに供給する。次に、Tダイに供給されたアクリル系樹脂組成物を、シート状の溶融樹脂として押し出し、冷却ロールなどを用いて冷却固化して、未延伸フィルム(原反フィルムともいう)を得る。この際、フィルムの表面性(平滑性)を良好にするために、金属ロールと金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールと挟み込むことも可能である。
さらに、未延伸フィルム(原反フィルム)を、一軸延伸または二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造することも可能である。本発明の偏光子保護フィルムの長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)両方のMIT耐屈曲性を向上させるために、二軸延伸を行うことが好ましい。延伸倍率や延伸速度、延伸温度等もMITが500回以上であるように設定することが可能である。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
(ガラス転移温度)
(A)アクリル系樹脂およびアクリル系樹脂組成物10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、(株)SII製、DSC7020)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
(MIT耐屈曲試験)
フィルムを幅15mmの短冊状にカットしこれを試験片とした。この試験片を、東洋精機(株)製のMIT耐柔疲労試験機型式Dを用いて、試験荷重1.96N、速度175回/分、折り曲げクランプの曲率半径Rは0.38mm、折り曲げ角度は左右へ135°で測定した。
(内部ヘイズ)
フィルムを日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH2000を用いて測定した。内部ヘイズは、液体測定用ガラスセルに得られたフィルムをいれ、フィルムの両面に純水が接触するように測定した。
(平均屈折率)
(株)アタゴ社製アッベ屈折計3Tを用いて測定した。
(環構造の含有量の算出)
得られた(A)アクリル系樹脂を1H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて測定を行った。対象となる環構造部分とそれ以外の部分のモル比から重量換算を行い算出した。具体的にグルタルイミドのケースでは、3.5から3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO−CH3プロトン由来のピークの面積Aと、3.0から3.3ppm付近のグルタルイミドのN−CH3プロトン由来のピークの面積Bより、求められたモル比を用いて重量換算を行い算出できる。
(平均分散長)
得られた延伸フィルムを(株)日立ハイテクノロジーズ製、透過型電子顕微鏡H−7650を用いて観察を行った。平均分散長は、延伸フィルムの厚み方向に5分割した時に中央となる部位をMD方向にカットした断面の濃く染色された分散体を大きいものから5点抽出し分散体の長軸方向の最大長、短軸方向の最大長の全てを加算した算術平均で算出した。
(厚み方向位相差Rth)
得られた延伸フィルムを王子計測機器(株)製、位相差測定装置KOBRA−WRを用いて測定を行った。測定波長590nmで行った。
(滞留熱安定性試験)
得られたアクリル系樹脂組成物を(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1D PMD−Cを用いて測定を行った。予め270℃に加熱したシリンダーにアクリル系樹脂組成物を溶融状態で詰め、せん断速度24sec−1の条件で押出した時の粘度上昇の有無を評価した。
(アクリル樹脂製造例)
使用した押出機は口径40mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=90)である。押出機の各温調ゾーンの設定温度を250〜280℃、スクリュー回転数は85rpmとした。ポリメタクリル酸メチル樹脂(Mw:10.5万)を42.4kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって上記ポリメタクリル酸メチル樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから上記ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して1.8重量部のモノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)を注入した。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、樹脂(I)を得た。 次いで、口径40mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機にて、押出機各温調ゾーンの設定温度を240〜260℃、スクリュー回転数102rpmとした。ホッパーから得られた樹脂(I)を41kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから上記ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して0.56重量部の炭酸ジメチルを注入し樹脂中のカルボキシル基の低減を行った。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰の炭酸ジメチルをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化し、グルタルイミド環を有するアクリル系樹脂(A1)を得た。当該アクリル系樹脂(A1)のグルタルイミド含有量は6重量%、ガラス転移温度は125℃、平均屈折率は1.50であった。
(実施例1)
上記、アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して、(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を3重量部に計量した混合物を、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)にて混練した。ホッパーから樹脂混合物を2kg/hrで供給し、押出機各温調ゾーンの設定温度を260℃、スクリュー回転数100rpmとした。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化し、アクリル系樹脂組成物(C1)を得た。
得られたアクリル系樹脂組成物(C1)を、100℃5時間乾燥後、押出機出口にTダイを備えた口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)を用いて製膜した。ホッパーからアクリル系樹脂組成物(C1)を2kg/hrで供給し、押出機各温調ゾーンの設定温度を270℃、スクリュー回転数100rpmとした。押出機出口に設けられたTダイから押し出されたシート状の溶融樹脂を冷却ロールで冷却して幅160mm、厚み160μmの原反フィルム(D1)を得た。
フィルムについて、上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D1)を、(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
(コロナ放電処理)
上記で得られた原反フィルムD1の片側に、コロナ放電処理(コロナ放電電子照射量100W/m2/min)を施した。
(易接着層の形成)
カルボキシル基を有する水系ウレタン樹脂(第一工業製薬、商品名:スーパーフレックス210、固形分:33%)100gに対して、架橋剤(日本触媒製、商品名:エポクロスWS700、固形分:25%)20gを添加し、3分間撹拌し、易接着剤組成物を得た。得られた易接着剤組成物を、コロナ放電処理を施した原反D1のコロナ放電処理面に、バーコーター(#6)で塗布した。その後、保護フィルムを熱風乾燥機(140℃)に投入し、ウレタン組成物を約5分乾燥させて、易接着層(0.2〜0.4μm)を形成した。
(ピール強度)
上記で得られた易接着層が施された原反フィルム(D1)を、(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。得られた二軸延伸フィルムの易接着層が施された側の一面に、東亞合成(株)製「アロンアルファシリーズ」(アロンアルファ プロ用No.1)を用いて、(株)カネカ製「エルメックシリーズ」(Rフィルム、厚み64μm)を幅15mm、長さ10cmの短冊状に切り出し、1枚に対し上記「アロンアルファシリーズ」(アロンアルファ プロ用No.1)を6滴滴下し、2kgのゴムローラー(JIS Z 0237準拠)を用いて均一に接着した。得られたポリカーボネートフィルムが接着された偏光子保護フィルムを幅1cmの短冊状にカッターを用いてカットし、ピール試験サンプルとした。得られたピール試験サンプルを、積水化学工業(株)製「ポリエチレンクロス両面テープ(50mm×15m)を用いて、ステンレス製の台に偏光子保護フィルム側が下側に、ポリカーボネートフィルムが上側になるように貼付し、偏光子保護フィルムからポリカーボネートフィルムを90度剥離する際のピール強度をピール強度とした。ここでのピール強度は、(株)島津製作所製小型卓上試験機(オートグラフ)EZ−Sを用いて測定し、得られた測定データの10mm〜60mmの間のデータを平均化することにより求め、3回測定した算術平均値をピール強度とした。結果を表1に示す。
(SAICASによる表面層の剥離強度試験)
上記、原反(D1)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを、ガラス製スライドガラス上に東亞合成(株)製「アロンアルファシリーズ」(アロンアルファ プロ用No.1)を用いて、接着し、SAICAS用サンプルとした。得られたSAICAS用サンプルを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製サイカスDN−01型にセットして、あらかじめダイヤ切刃で、300μm幅、深さ15μmの切れ込みを入れた。切れ込みには、V角寸法80°、スクイ角5°、ニゲ角5°の単結晶ダイヤモンド刃を用いて行った。測定は前記あらかじめ300μm幅の切れ込みを入れたサンプルに、幅300μmのボラゾン切刃をセットして、深さ3μm、水平速度1μm/s、垂直速度0.1μm/sで測定した。測定には、刃幅寸法0.3mm、スクイ角20°、ニゲ角10°の窒化ホウ素製刃を使用した。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を5重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D2)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D2)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より7℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。また、得られた二軸延伸フィルムの長軸方向における(B)アクリル系ジブロック共重合体の平均分散長は3.5μmだった。
上記得られた原反フィルム(D2)を用いて、ガラス転移温度より7℃高い温度で同時二軸延伸を行った以外は上記の方法に従って易接着層を施し、ピール強度測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2で得られた原反フィルム(D2)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D2)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
上記、原反(D2)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の操作を行い、SAICASによる表面層の剥離強度試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を6重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D3)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D3)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D3)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を7重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D4)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、124℃であった。
得られた原反フィルム(D4)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D4)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を10重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D5)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、124℃であった。
得られた原反フィルム(D5)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D5)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
上記、原反(D5)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の操作を行い、SAICASによる表面層の剥離強度試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてナノストレングスD51N(アルケマ株式会社製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約50000、MMA率50mol%)を5重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D6)を得た。このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D6)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D6)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
上記、アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部のみで、(B)アクリル系ジブロック共重合体を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D7)を得た。アクリル系樹脂(A1)を用い、滞留熱安定性試験を行ったところ、粘度上昇の挙動は見られなかった。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D7)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D7)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
上記、原反(D7)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の操作を行い、SAICASによる表面層の剥離強度試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を2重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D8)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D8)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D8)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対して(B)アクリル系ジブロック共重合体としてクラリティLA1892(株式会社クラレ製、MMAとBAのジブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約80000、MMA率58mol%、硬度(タイプA)95)を15重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D9)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、123℃であった。
得られた原反フィルム(D9)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D9)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対してアクリル系トリブロック共重合体としてクラリティLA3250(株式会社クラレ製、MMA−BA−MMAのトリブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約109000、MMA率30mol%、硬度(タイプA)41)を5重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D10)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D10)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。また、得られた二軸延伸フィルムの長軸方向におけるアクリル系トリブロック共重合体の平均分散長は4μmだった。
上記得られた原反フィルム(D10)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
上記、原反(D10)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の操作を行い、SAICASによる表面層の剥離強度試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対してアクリル系トリブロック共重合体としてクラリティLA4285(株式会社クラレ製、MMA−BA−MMAのトリブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約58000、MMA率50mol%、硬度(タイプA)95)を5重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D11)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D11)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D11)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
上記、原反(D11)から得られた易接着層が施された二軸延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の操作を行い、SAICASによる表面層の剥離強度試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
アクリル系樹脂製造例で製造したアクリル系樹脂(A1)100重量部に対してアクリル系トリブロック共重合体としてナノストレングスM65(アルケマ株式会社製、MMA−BA−MMAのトリブロック共重合体、平均屈折率1.48、重量平均分子量約230000、MMA率50mol%)を5重量部に計量した以外は実施例1と同様の操作を行い、原反フィルム(D12)を得た。
このフィルムについて上記の方法に従って、ガラス転移温度を測定した結果、125℃であった。
得られた原反フィルム(D12)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より7℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D12)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
(比較例7)
比較例6で得られた原反フィルム(D12)を(株)井元製作所製、二軸延伸装置(IMC−1905)を用いて、延伸倍率2倍(縦・横)、ガラス転移温度より13℃高い温度で同時二軸延伸を行い、二軸延伸フィルムを作成した。
この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、MIT耐屈曲試験、伸度、内部ヘイズ、厚み方向位相差Rthを測定した。結果を表1に示す。
上記得られた原反フィルム(D12)を用いて、実施例1と同様の方法で易接着層を施し、ピール強度測定行った。結果を表1に示す。
Figure 0006825819

Claims (3)

  1. (A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂及び(B)アクリル系ジブロック共重合体を含有する偏光子保護フィルムであって、
    偏光子保護フィルムが、(A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂100重量部および(B)アクリル系ジブロック共重合体を3重量部〜重量部を含有し、
    (A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂が主鎖に環構造を持ち、該環構造がグルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸、マレイミド及び無水グルタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    (A)ガラス転移温度が120℃以上であるアクリル系樹脂中の環構造の含有量が2重量%〜30重量%であり、
    (B)アクリル系ジブロック共重合体が、(B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックと、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックとから構成されたアクリル系ジブロック共重合体であり、
    (B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックが、ポリアクリル酸ブチル単位を含み、(B2)メタクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックが、ポリメタクリル酸メチル単位を含み、
    (B1)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体ブロックが、アクリル酸芳香族エステル由来の構成単位を含まず、
    ピール強度が0.9N/cm以上であることを特徴とする、偏光子保護フィルム。
    ただし、ピール強度は、偏光子保護フィルムをポリカーボネートフィルムに貼り付け、23℃、50%RH雰囲気における、90度ピール強度試験による。
  2. 偏光子保護フィルムにおけるSAICAS法による表面層の剥離強度が8N/cm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 環構造が下記一般式(1)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
    Figure 0006825819

    (ここで、R及びRはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
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