JP6824785B2 - 空調制御システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、申告者からの空調に関する申告を空調制御に反映する空調制御システムおよび方法に関するものである。
近年、座席が指定されておらず好きな席に座れるフリーアドレス制を導入するオフィスが増えている。フリーアドレス制のオフィスの場合、社員が着席するときに、温熱環境の好みで席を決めているとは限らないため、暑がりの人と寒がりの人が混在して座っていることがある。すなわち、各人に適する固定した温熱環境を提供することは難しい。
そこで、フリーアドレス制のオフィスにおいて各人に好適な空調環境を提供することができるナビゲーションシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されたナビゲーションシステムは、複数の座席が配置される空間の室内環境情報をエリア毎に表示したり、空間の空調を行う複数の室内機の各々の動作モード情報をエリア毎に表示するものである。
また、特許文献2には、ユーザが「暑い」、「寒い」などの要求を行なったときに、空間内の、ユーザの好みの環境条件を満足する位置区分を検索し、推奨位置の情報をユーザの端末に送信する快適環境選択支援装置が開示されている。
さらに、特許文献3には、居住者の「暑い」、「寒い」などの要望申告を空調制御に反映する温冷感申告空調システムが開示されている。
特許文献1、特許文献2に開示された技術では、例えば強冷、弱冷、停止などの空調ゾーンが設定されており、ゾーンの面積は可変であるものの、各空調ゾーンの温度設定は固定化されている。そのため、いずれの空調ゾーンにおいてもユーザの好みの空調環境がなければ、ユーザは妥協した空調ゾーンを選択することになる。
また、特許文献3に開示された技術では、フリーアドレス制の空間に暑がりの人と寒がりの人が混在して座っている場合、「暑い」という要望と「寒い」という要望とが同時に発生する可能性があり、暑がりの人と寒がりの人の双方の要望を根本的に解決することができない可能性があった。
特開2011−133175号公報 特開2014−214975号公報 特開2013−250034号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、暑がりの利用者と寒がりの利用者の双方の要望を解決する可能性を高めることができる空調制御システムおよび方法を提供することを目的とする。
本発明の空調制御システムは、制御対象の空間の室温を、前記空間を区分する空調ゾーン毎に制御するように構成された空調機器と、前記空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて前記空調機器を制御し、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告に応じて前記設定温度を変更するように構成された空調制御装置と、前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供するように構成された情報提供装置とを備え、前記空調制御装置は、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるように構成された申告処理部と、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更するように構成された制御プラン決定部とを備え、前記制御プラン決定部は、前記要望申告よりも前に受け付けた快適という申告からの経過時間が所定の無効時間内の場合に、前記要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施しないことを特徴とするものである。
また、本発明の空調制御システムは、制御対象の空間の室温を、前記空間を区分する空調ゾーン毎に制御するように構成された空調機器と、前記空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて前記空調機器を制御し、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告に応じて前記設定温度を変更するように構成された空調制御装置と、前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供するように構成された情報提供装置とを備え、前記空調制御装置は、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるように構成された申告処理部と、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更するように構成された制御プラン決定部とを備え、前記制御プラン決定部は、前記申告者から快適という申告を受け付けた後で暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、所定の維持時間が経過した後に、変更した前記設定温度を変更前の値に戻すことを特徴とするものである。
また、本発明の空調制御システムの1構成例において、前記制御プラン決定部は、前記申告者から暑いおよび寒いのうちどちらか一方の要望申告を受け付けたときに、この要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施することを特徴とするものである。
また、本発明の空調制御システムの1構成例において、空調ゾーン毎の前記設定温度は、前記空間が、第1の空調ゾーンと、この第1の空調ゾーンよりも設定温度が高い第2の空調ゾーンと、前記第1の空調ゾーンよりも設定温度が低い第3の空調ゾーンの3つに分かれるように初期設定され、前記申告処理部は、前記空間内の申告者から所定の申告判定時間内において申告された暑いという要望申告の数とこの申告判定時間内において申告された寒いという要望申告の数との割合を算出し、前記制御プラン決定部は、前記第2の空調ゾーンの面積と前記第3の空調ゾーンの面積との割合が、前記要望申告の数の割合に最も近くなるように各空調ゾーンの前記設定温度を変更することを特徴とするものである。
また、本発明の空調制御システムの1構成例において、前記空調環境情報は、空調ゾーン毎の前記設定温度を示す情報、または空調ゾーン毎の前記設定温度の傾向を示す情報である。
また、本発明の空調制御方法は、制御対象の空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて空調機器を制御する第1のステップと、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告を受け付ける第2のステップと、前記申告に応じて前記設定温度を変更する第3のステップと、前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供する第4のステップとを含み、前記第2のステップは、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるステップを含み、前記第3のステップは、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、前記要望申告よりも前に受け付けた快適という申告からの経過時間が所定の無効時間内の場合には、前記要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施しないステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の空調制御方法は、制御対象の空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて空調機器を制御する第1のステップと、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告を受け付ける第2のステップと、前記申告に応じて前記設定温度を変更する第3のステップと、前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供する第4のステップとを含み、前記第2のステップは、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるステップを含み、前記第3のステップは、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、前記申告者から快適という申告を受け付けた後で暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときには、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、所定の維持時間が経過した後に、変更した前記設定温度を変更前の値に戻すステップを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、空間の室温の分布に勾配を設けるように設定温度を初期設定し、空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を空間の利用者に提供することにより、利用者が自分の好みの空調環境の位置に移動できるようにする。また、本発明では、申告者からの空調に関する申告を受け付けて設定温度を変更するため、空調制御システムの管理者が決定する設定温度の初期値はおおまかな値に設定しておけばよく、温度設定作業を容易にすることができる。そして、本発明では、暑がりの利用者と寒がりの利用者の双方の要望を解決する可能性を高めることができる。
本発明の第1の参考例に係る空調制御システムの構成を示す図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御システムの空調制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御システムの情報提供装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御の対象の空間の空調ゾーンを説明する平面図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御の対象の空間の設定温度の勾配について説明する平面図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御の対象の空間の設定温度の実例を示す図である。 本発明の第1の参考例に係る空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の参考例に係る空調制御システムの申告入力端末の入力画面の1例を示す図である。 本発明の第1の参考例に係る設定温度の変更処理を説明する図である。 本発明の第1の参考例に係る設定温度の勾配の別の例を示す平面図である。 本発明の第2の参考例において設定温度高めゾーンの面積を増やす動作を説明する平面図である。 本発明の第2の参考例において設定温度低めゾーンの面積を増やす動作を説明する平面図である。 本発明の第3の参考例に係る空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第3の参考例に係る空調制御システムの申告入力端末の入力画面の1例を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例における設定温度変更を説明する図である。
[発明の原理1]
本発明の説明では、利用者、申告者、要望入力者を以下のように区別して記述する。本発明では、建物内の空調制御システムの制御対象となる任意の空調環境を在席空間とする者を、利用者と呼ぶ。申告行動を起こすか否かは利用者に依存する。また、本発明では、空調への変更要望を申告(電話等による音声通知を含む)するという行動を起こす利用者を、申告者と呼ぶ。利用者が空調環境に不満を感じていても、申告行動を起こさなければ申告者とは扱わない。また、本発明では、申告者の空調への変更要望を空調制御に反映する目的で空調制御システムに入力する者を、要望入力者と呼ぶ。利用者が変更要望を空調制御システムに直接入力する申告型空調制御システムを採用している場合、申告者と要望入力者は同一となる。また、これ以外の空調制御システムでは、例えば、申告者が要望入力者である設備管理者に対して変更要望を申告(電話やメールなどで通知)し、設備管理者がこの要望を空調制御システムに入力する方式がある。
本発明では、空調制御の対象の空間が、利用者が着席位置を選択可能なフリーアドレス制の空間であることを前提としている。フリーアドレス制の空間では、暑がりの利用者と寒がりの利用者が混在して座っている場合、全ての人の好みを同時に満たすことは難しい。そこで、本発明では、制御対象の空間内に意図的に室温の温度勾配をつくり、その温度の情報を利用者に知らせることで、利用者が自分の好みの空調環境の位置に移動できるようにする。暑がりの利用者と寒がりの利用者がそれぞれ好みの空調環境の場所に移動することで、分離を促進できる。
さらに、発明者は、事前に空間の適切な設定温度を決めることや、暑いゾーンと寒いゾーンの割合を決めておくことは難しいことに着目した。そして、発明者は、利用者からの空調に対する要望申告に基づいて空間の温度勾配を調整することで、利用者の意向や希望に応え易くなることに想到した。
[発明の原理2]
上記のように、フリーアドレス制の空間の設定温度に勾配を持たせ、暑がりの利用者と寒がりの利用者に移動を促し、利用者からの要望申告に基づいて空間の温度勾配を調整する場合を想定する。この場合、例えば涼しいゾーンには暑がりの利用者ばかりが集まり、利用者から「暑い」という要望のみが発せられるために、設定温度が下限温度に固定されてしまう可能性がある。反対に、暖かいゾーンには寒がりの利用者ばかりが集まり、設定温度が上限温度に固定されてしまう可能性がある。つまり、空間内に両極端な温度分布を作り出してしまう可能性がある。
そこで、発明者は、両極端な温度分布の問題を解決するために、利用者が「暑い」、「寒い」といった要望申告だけでなく、「快適」という申告をできるようにすることに想到した。「快適」という申告がなされた状態の温度を記憶しておくことで、積極的にその温度に設定することで、極端な温度設定を防げることに想到した。
第1の参考例
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。本参考例は、上記発明の原理1に対応する例であり、空調制御の対象の空間がフリーアドレス制の空間であることを前提としている。
図1は本参考例に係る空調制御システムの構成を示す図である。空調制御システムは、在席空間1に設けられた複数の空調機器3−1〜3−6と、空調機器3−1〜3−6を制御すると共に、在席空間1の利用者2からの空調に関する申告を受ける空調制御装置4と、在席空間1の各空調ゾーンの室温を計測する温度センサ5−1〜5−6と、利用者2に在席空間1の空調ゾーン毎の空調環境情報を提供する情報提供装置6とから構成される。
図2は本参考例の空調制御装置4の構成を示すブロック図である。空調制御装置4は、機器制御部40と、制御プラン決定部41と、申告処理部42とを備えている。
機器制御部40は、制御プラン決定部41が決定した制御プランに基づき空調機器3(3−1〜3−6)を制御する。
制御プラン決定部41は、要望申告の処理時点で実施されている制御プランと申告処理部42が受け付けた要望申告とに基づいて、空調機器3に新たに適用する制御プランを決定する。本参考例の制御プランは、空調ゾーン毎の設定温度Tspを規定する。
申告処理部42は、利用者からの空調に対する申告を受け付けて、制御プラン決定部41に伝達する。利用者が空調への要望を入力する申告入力端末43としては、PC(Personal Computer)、携帯電話機、スマートフォン、専用リモコン端末などがある。
図3は本参考例の情報提供装置6の構成を示すブロック図である。空調制御装置4の制御プラン決定部41が決定した制御プランの情報を受信する受信部60と、在席空間1の複数の空調ゾーンの配置を表すレイアウト情報を予め記憶する記憶部61と、在席空間1の空調ゾーン毎の空調環境情報を生成する情報生成部62と、利用者に在席空間1のゾーン毎の空調環境情報を送信する送信部63とを備えている。
以下、本参考例の空調制御システムの動作を説明する。本参考例では、図4に示すように空調制御の対象となる在席空間1を上から見たときに、在席空間1が1−1〜1−6の6つの空調ゾーンに区分されている。本参考例では、空調ゾーン1−1〜1−6の各々に対応して空調機器3−1〜3−6が1台ずつ設けられている。図4における10は在席空間1内に配置されている机である。なお、本発明において空調ゾーンの数は6個に限らないことは言うまでもない。また、空調ゾーンの数と空調機器の数は同数でなくてもよい。
参考例では、上記のとおり在席空間1の設定温度Tspの空間分布に意図的に勾配を設け、空調ゾーン1−1〜1−6が設定温度高めゾーンと設定温度中間ゾーンと設定温度低めゾーンの3つに分かれるようにしている。本参考例では、図5に示すように空調ゾーン1−1,1−2が設定温度Tsp=Tsp_Hの設定温度高めゾーン、空調ゾーン1−3,1−4が設定温度Tsp=Tsp_Mの設定温度中間ゾーン、空調ゾーン1−5,1−6が設定温度Tsp=Tsp_Lの設定温度低めゾーンとなっている(Tsp_H≧Tsp_M≧Tsp_L)。
空調制御装置4の機器制御部40は、空調ゾーン毎の現在の制御プランによって規定される設定温度Tspに基づいて空調ゾーン1−1〜1−6の空調機器3−1〜3−6を制御する。例えば機器制御部40は、空調ゾーン1−1,1−2の温度センサ5−1,5−2によって計測される室温が設定温度Tsp=Tsp_Hと一致するように空調機器3−1,3−2を制御する。また、機器制御部40は、空調ゾーン1−3,1−4の温度センサ5−3,5−4によって計測される室温が設定温度Tsp=Tsp_Mと一致するように空調機器3−3,3−4を制御する。同様に、機器制御部40は、空調ゾーン1−5,1−6の温度センサ5−5,5−6によって計測される室温が設定温度Tsp=Tsp_Lと一致するように空調機器3−5,3−6を制御する。制御アルゴリズムとしては例えばPIDが知られている。
こうして、在席空間1の室温の空間分布に意図的に勾配を作り出すことができる。本参考例では、図6に示すように設定温度Tsp=Tsp_Hの初期値が例えば26℃、設定温度Tsp=Tsp_Mの初期値が例えば25℃、設定温度Tsp=Tsp_Lの初期値が例えば24℃となっている。
情報提供装置6の受信部60は、空調制御装置4の制御プラン決定部41が空調ゾーン毎に決定した制御プランの情報を受信する。
情報提供装置6の情報生成部62は、空調ゾーン毎の制御プランの情報に基づいて、空調ゾーン毎の空調環境情報を生成する。
空調環境情報は、空調ゾーン毎の設定温度Tspを示す表形式の情報であってもよいし、空調ゾーン毎の設定温度Tspの傾向(設定温度高め、設定温度中間、設定温度低め)を示す表形式の情報であってもよい。また、空調環境情報は、在席空間1の空調ゾーンの平面配置を示すレイアウトイメージ中に空調ゾーン毎の設定温度Tspの値を表示する情報であってもよいし、レイアウトイメージ中に空調ゾーン毎の設定温度Tspの傾向(設定温度高め、設定温度中間、設定温度低め)を表示する情報であってもよい。空調ゾーン毎の設定温度Tspの値は、受信部60が受信した制御プランの情報から取り出すことができる。また、レイアウトイメージの画像データは、記憶部61が記憶しているレイアウト情報を基に生成することが可能である。
情報提供装置6の送信部63は、情報生成部62が生成した空調環境情報を表示装置64に送信して表示させる。表示装置64は、在席空間1内に1台設けられていてもよいし、複数台(例えば空調ゾーン毎、席毎など)設けられていてもよい。
また、送信部63は、情報生成部62が生成した空調環境情報を利用者の情報出力端末65に送信して表示させるようにしてもよい。情報出力端末65としては、PC、携帯電話機、スマートフォン、専用リモコン端末などがあり、上記の申告入力端末43が情報出力端末65としての機能を備えていてもよい。
こうして、在席空間1の利用者に在席空間1のゾーン毎の空調環境情報を提供することにより、利用者に温冷感の嗜好に応じた着席位置に移るよう促すことができる。なお、利用者への空調環境情報の提供方法は上記の例に限らないことは言うまでもない。
次に、申告入力端末43から利用者の申告を受け付けた際の空調制御システムの動作を、図7を参照して説明する。設定温度Tsp_H,Tsp_M,Tsp_Lの初期値は例えば図6に示したように決められているが、在席空間1の設定温度Tspの空間分布に意図的に勾配を設ける場合、どの程度の温度に設定すればよいかは空調制御システムの管理者にとって分かり難いという問題がある。また、利用者が好みの空調環境の席に座ろうとしても、所望の席が埋まっている場合も有り得る。そこで、本参考例では、利用者からの空調に対する要望申告を受け付けて、設定温度Tspを変更する。
申告入力端末43は、利用者が入力した申告の種類DSと利用者が在席する空調ゾーンを特定する情報であるZIDと申告時刻Stimeとを申告処理部42に送信する。申告処理部42は、受信した情報を申告V(ZID,DS,Stime)として保持する。本参考例では、利用者が選択する種類DSを「暑い」、「寒い」の2種類とし、「暑い」を値「1」で示し、「寒い」を値「−1」で示すものとする。つまり、例えば、申告時刻10時10分にZID=1で特定される空調ゾーン1−1の利用者が「暑い」と申告した要望はV(1,1,10:10)として保持され、同じ時刻に「寒い」と申告された要望はV(1,−1,10:10)として保持される。
例えば図8に示すように、申告入力端末43のタッチパネル式の表示装置の入力画面430には、「暑い」と「寒い」という2種類の選択ボタン431,432が表示される。利用者は、空調環境の変更を希望するときに、選択ボタン431,432のうちどちらか一方に触れるようにすればよい。
空調制御装置4の制御プラン決定部41は、申告処理部42が申告入力端末43からの申告V(ZID,DS,Stime)を受信すると(図7ステップS100においてYES)、この申告V(ZID,DS,Stime)に応じて、空調機器3に新たに適用する制御プランを決定する(図7ステップS101)。上記のとおり、本参考例の制御プランは、空調ゾーン毎の設定温度Tspを規定するものである。
申告V(ZID,DS,Stime)に応じて設定温度Tspを変更する場合、設定温度Tspの変更は次式のように表すことができる。
Tsp’=Tsp+Tdp(DS) ・・・(1)
式(1)のTdp(DS)は設定温度Tspの変更幅である。この変更幅Tdp(DS)は以下の式で決定される。
Tdp(DS)=S(DS)×γdp(DS) ・・・(2)
上記のとおり、利用者が「暑い」と申告したとき、申告の種類DS=1となり、利用者が「寒い」と申告したとき、種類DS=−1となる。式(2)におけるS(DS)は種類DSに対応する設定温度Tspの増減方向を示す係数である。種類DS=1のとき、係数S(1)=−1となり、種類DS=−1のとき、係数S(−1)=1となる。つまり、利用者が「暑い」と申告したときは、係数S(DS)を−1にして設定温度Tspを下げ、利用者が「寒い」と申告したときは、係数S(DS)を1にして設定温度Tspを上げる(図9)
式(2)におけるγdp(DS)は予め規定された変更幅である。変更幅γdp(DS)は、種類DSの値によらず一律の値(例えば0.5℃)としてもよいし、種類DSの値に応じて異なる値としてもよい。また、変更幅γdp(DS)は、設定温度高めゾーンと設定温度中間ゾーンと設定温度低めゾーンのそれぞれで異なる値としてもよい。
このように、本参考例の制御プラン決定部41は、ZIDで特定される空調ゾーンの利用者から申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに、当該空調ゾーンの設定温度Tspを式(1)によりTsp’に変更した新たな制御プランを決定する。すなわち、利用者からの要望申告を解決する方向に設定温度Tspを変更する。
このとき、制御プラン決定部41は、ZIDで特定される空調ゾーンのみ設定温度Tspを変更してもよいし、この空調ゾーンと同じ空調設定がなされた全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更してもよいし、在席空間1内の全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更してもよい。
同じ空調設定がなされた空調ゾーンとは、例えばZIDで特定される空調ゾーンが1−1で設定温度Tsp=Tsp_Hであった場合、同じ設定温度Tsp=Tsp_Hである空調ゾーン(図5の例では空調ゾーン1−2)のことを言う。
また、制御プラン決定部41は、設定温度Tspの所定の上下関係(Tsp_H≧Tsp_M≧Tsp_L)を維持しつつ設定温度Tspを変更する。制御プラン決定部41は、ある空調ゾーンの設定温度Tspを変更しようとしたときに、設定温度Tspの上下関係を満たせなくなる場合には、設定温度Tspを変更しない。
また、制御プラン決定部41は、所定の上下限値の範囲内で設定温度Tspを変更する。設定温度Tspの上限値をTsp_MAX、下限値をTsp_MINとすれば、次式を満たすように設定温度Tspを変更する。
Tsp_MAX≧Tsp_H≧Tsp_M≧Tsp_L≧Tsp_MIN
・・・(3)
制御プラン決定部41は、ある空調ゾーンの設定温度Tspを変更しようとしたときに、変更後の設定温度Tspが上限値Tsp_MAXを上回るか、あるいは下限値Tsp_MINを下回る場合には、設定温度Tspを変更しない。
空調制御装置4の機器制御部40は、上記のとおり、空調ゾーン毎の現在の制御プランによって規定される設定温度Tspに基づいて空調ゾーン1−1〜1−6の空調機器3−1〜3−6を制御する(図7ステップS102)。
情報提供装置6は、空調制御装置4が空調ゾーン毎に決定した制御プランの情報に基づいて、空調ゾーン毎の空調環境情報を利用者に提供する(図7ステップS103)。
空調環境情報については上記のとおりである。情報提供装置6は、在席空間1内に表示装置64が1台設けられている場合には、この表示装置64に空調環境情報を表示させるようにすればよい。また、表示装置64が空調ゾーン毎に設けられている場合には、各空調ゾーンの表示装置64に空調環境情報を表示させるようにすればよい。また、情報提供装置6は、各利用者の情報出力端末65のアドレス(例えばメールアドレス)が予め登録されている場合には、登録されたアドレス宛に空調環境情報を送信し、各利用者の情報出力端末65に空調環境情報を表示させるようにしてもよい。
空調制御システムは、以上のステップS100〜S103の処理を一定時間毎に行なう。
参考例では、利用者からの空調に対する要望申告を受け付けて設定温度Tspを変更するため、空調制御システムの管理者が決定する設定温度Tspの初期値はおおまかな値に設定しておけばよく、温度設定作業を容易にすることができる。また、本参考例では、暑がりの利用者と寒がりの利用者の双方の要望を解決する可能性を高めることができる。
なお、図5では、6つの空調ゾーン1−1〜1−6を3つに分けた例を示したが、これに限るものではない。例えば図10に示すように、空調の制御のし易さを考慮し、窓際の空調ゾーン1−1,1−5の設定温度Tspを高くし、内側の空調ゾーン1−4の設定温度Tspを低くして、在席空間1の温度の傾向を考慮して設定温度Tspの初期値を決定してもよい。図10の11は在席空間1と接続している廊下などの共用部を表している。
また、申告処理部42は、所定の申告判定時間tβ内に同一の申告入力端末43から同一の要望申告が複数回あった場合には、これら要望申告に応じた設定温度Tspの変更を1回だけ行ない、2回目以降の要望申告を無効とする。同一の要望申告とは、種類DSが同一の要望のことを言う。このような処理により、特定の過度な要望の影響を受け難くすることができる。
また、申告入力端末43は、申告者特定情報(申告者のID(Identification)など)を申告Vに付加して空調制御装置4に送信するようにしてもよい。この申告者特定情報により、申告者を区別できるので、申告処理部42は、同一人物が所定の申告判定時間tβ内に同一の要望申告を複数回行った場合には、これら要望申告に応じた設定温度Tspの変更を1回だけ行ない、2回目以降の要望申告を無効としてもよい。
第2の参考例
第1の参考例では、利用者からの要望申告に応じて、特定の空調ゾーン、この特定の空調ゾーンと同じ空調設定がなされた全ての空調ゾーン、在席空間1内の全ての空調ゾーンのいずれかの設定温度Tspを変更しているが、空調制御装置4の申告処理部42は、在席空間1内の利用者から所定の申告判定時間tβ内において申告された「暑い」という要望申告の数と「寒い」という要望申告の数との割合を算出してもよい。
空調制御装置4の制御プラン決定部41は、在席空間1内の設定温度高めゾーンの面積と設定温度低めゾーンの面積との割合が、申告処理部42が算出した上記の要望数の割合に最も近くなるように各空調ゾーンの設定温度Tspを変更する。このとき、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの数を変更せずに、設定温度高めゾーンおよび設定温度低めゾーンの数を変更することを前提として、設定温度高めゾーンの面積と設定温度低めゾーンの面積との割合が上記の要望数の割合に最も近くなるように、各空調ゾーンの設定温度Tspを変更すればよい。
この場合、上記の設定温度Tsp_H,Tsp_M,Tsp_Lの値は変更しない。例えば設定温度高めゾーンの面積を増やす場合、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの一部の設定温度をTsp_MからTsp_Hに変更することにより、設定温度中間ゾーンの一部を設定温度高めゾーンに変更し、これと同数の設定温度低めゾーンの設定温度をTsp_LからTsp_Mに変更することにより、設定温度低めゾーンの一部を設定温度中間ゾーンに変更する。
図11の例は、空調ゾーン1−3を設定温度中間ゾーンから設定温度高めゾーンに変更し、空調ゾーン1−5を設定温度低めゾーンから設定温度中間ゾーンに変更することにより、設定温度高めゾーンの面積と設定温度低めゾーンの面積との割合を1:1から3:1に変更した例を示している。
反対に、設定温度低めゾーンの面積を増やす場合、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの一部の設定温度をTsp_MからTsp_Lに変更することにより、設定温度中間ゾーンの一部を設定温度低めゾーンに変更し、これと同数の設定温度高めゾーンの設定温度をTsp_HからTsp_Mに変更することにより、設定温度高めゾーンの一部を設定温度中間ゾーンに変更すればよい。
また、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの数が変わることを許容して、設定温度高めゾーンの面積と設定温度低めゾーンの面積との割合が上記の要望数の割合に最も近くなるように、各空調ゾーンの設定温度Tspを変更してもよい。この場合においても、上記の設定温度Tsp_H,Tsp_M,Tsp_Lの値は変更しない。例えば設定温度高めゾーンの面積を増やす場合、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの一部の設定温度をTsp_MからTsp_Hに変更することにより、設定温度中間ゾーンの一部を設定温度高めゾーンに変更し、これと同数もしくは異なる数の設定温度低めゾーンの設定温度をTsp_LからTsp_Mに変更することにより、設定温度低めゾーンの一部を設定温度中間ゾーンに変更する。
反対に、設定温度低めゾーンの面積を増やす場合、制御プラン決定部41は、設定温度中間ゾーンの一部の設定温度をTsp_MからTsp_Lに変更することにより、設定温度中間ゾーンの一部を設定温度低めゾーンに変更し、これと同数もしくは異なる数の設定温度高めゾーンの設定温度をTsp_HからTsp_Mに変更することにより、設定温度高めゾーンの一部を設定温度中間ゾーンに変更すればよい。図12の例は、空調ゾーン1−3,1−4を設定温度中間ゾーンから設定温度低めゾーンに変更し、空調ゾーン1−2を設定温度高めゾーンから設定温度中間ゾーンに変更することにより、設定温度高めゾーンの面積と設定温度低めゾーンの面積との割合を1:1から1:4に変更した例を示している。
また、上記のように申告入力端末43が申告者特定情報を申告Vに付加して空調制御装置4に送信すれば、この申告者特定情報により、申告者を区別できる。そこで、申告処理部42は、同一人物が所定の申告判定時間tβ内において同一の要望申告を複数回行った場合には、これら要望の数を1つとして計数し、上記の要望数の割合を算出してもよい。
参考例においても、ある空調ゾーンの設定温度Tspを変更しようとしたときに、設定温度Tspの上下関係を満たせなくなる場合には、設定温度Tspを変更しない。また、制御プラン決定部41は、式(3)を満たすように設定温度Tspを変更する。
第3の参考例
次に、本発明の第3の参考例について説明する。本参考例は、上記発明の原理2に対応する例であり、第1の参考例で説明した「暑い」、「寒い」という要望申告の他に、「快適」という申告も受けることができるようにした例である。本参考例においても、空調制御システムの構成は第1の参考例と同様であるので、図1〜図3の符号を用いて説明する。
以下、本参考例の空調制御システムの動作を説明する。図13は、申告入力端末43から利用者の申告を受け付けた際の空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。
第1、第2の参考例と同様に、申告入力端末43は、利用者の操作に応じて申告V(ZID,DS,Stime)を空調制御装置4に送信する。ただし、本参考例では、利用者が選択する申告の種類DSを「暑い」、「快適」、「寒い」の3種類とし、「暑い」を値「1」で示し、「快適」を値「0」で示し、「寒い」を値「−1」で示すものとする。つまり、例えば、申告時刻10時10分にZID=1で特定される空調ゾーン1−1の利用者が「快適」と申告すれば、V(1,0,10:10)となる。
図14に示すように、申告入力端末43のタッチパネル式の表示装置の入力画面430には、「暑い」と「寒い」と「快適」という3種類の選択ボタン431,432,433が表示される。利用者は、空調環境の変更を希望するときに、選択ボタン431,432のうちどちらか一方に触れるようにすればよい。また、利用者は、空調環境の維持を希望するときに、選択ボタン433に触れるようにすればよい。
空調制御装置4の制御プラン決定部41は、申告処理部42が申告入力端末43からの申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに(図13ステップS200においてYES)、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=0、すなわち「快適」という申告であった場合(図13ステップS201においてYES)、ZIDで特定される空調ゾーンの温度センサ5(5−1〜5−6)によって計測された現在の室温PVの値を取得する(図13ステップS202)。
第1の参考例と同様に、空調制御装置4の制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)に応じて、空調機器3に新たに適用する制御プランを決定する(図13ステップS203)。
このとき、制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)が「快適」という申告で、かつステップS202で取得した現在の室温PVの値が、ZIDで特定される空調ゾーンの設定温度Tspと異なる場合、現在の室温PVの値を維持するように新たな制御プランを決定する。具体的には、制御プラン決定部41は、ZIDで特定される空調ゾーンの設定温度TspをTsp’=PVに変更した新たな制御プランを決定する。
また、制御プラン決定部41は、ZIDで特定される空調ゾーンのみ設定温度Tspを変更してもよいし、この空調ゾーンと同じ空調設定がなされた全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更してもよいし、在席空間1内の全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更してもよい。ZIDで特定される空調ゾーンと同じ空調設定がなされた全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更する場合には、これら空調ゾーンの設定温度TspをTsp’=PVに変更した新たな制御プランを決定すればよい。
また、在席空間1内の全ての空調ゾーンの設定温度Tspを変更する場合には、ZIDで特定される空調ゾーンの現在の設定温度Tspから室温PVへの増減方向と同じ方向に増減されるように各空調ゾーンの設定温度Tspを、ZIDで特定される空調ゾーンの現在の設定温度Tspと室温PVとの差の絶対値|Tsp−PV|の分だけ変更すればよい。例えばZIDで特定される空調ゾーンの現在の設定温度Tspが24℃で室温PVが26℃であれば、|Tsp−PV|=2℃を各空調ゾーンの設定温度Tspに加算すればよい。また、ZIDで特定される空調ゾーンの現在の設定温度Tspが28℃で室温PVが26℃であれば、|Tsp−PV|=2℃を各空調ゾーンの設定温度Tspから減算すればよい。
空調制御装置4の機器制御部40と情報提供装置6の動作(図13ステップS204,S205)は、第1の参考例で説明したとおりである。
こうして、本参考例では、利用者からの「快適」という申告を利用することで、在席空間1の極端な設定温度Tspを回避することができる。
第1の実施例
第3の参考例では、利用者から「快適」という申告を受け付けたときに、対応する空調ゾーンの設定温度Tspをそのときの室温PVの値に変更したが、「快適」という申告を受け付けたときの設定温度Tspを維持するため、「快適」という申告を受け付けた後に「暑い」または「寒い」という要望申告が来た場合に、この要望申告を一定期間無視するようにしてもよい。本実施例においても、空調制御システムの構成は第1の参考例と同様であるので、図1〜図3の符号を用いて説明する。
図15は本実施例の空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。空調制御装置4の制御プラン決定部41は、申告処理部42が申告入力端末43からの申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに(図15ステップS300においてYES)、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=0、すなわち「快適」という申告であった場合(図15ステップS301においてYES)、各空調ゾーンの現在の制御プランを維持する(設定温度Tspを維持する)。
また、制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=1またはDS=−1、すなわち「暑い」または「寒い」という要望申告で(ステップS301においてNO)、かつこの申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に受け付けた「快適」という申告からの経過時間が所定の無効時間tγ内の場合には(図15ステップS302においてYES)、「暑い」または「寒い」という要望申告を無視して、各空調ゾーンの現在の制御プランを維持する。
また、制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=1またはDS=−1、すなわち「暑い」または「寒い」という要望申告で、かつこの申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に「快適」という申告がなかった場合あるいは申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に受け付けた「快適」という申告からの経過時間が無効時間tγを超えている場合には(ステップS302においてNO)、この「暑い」または「寒い」という申告V(ZID,DS,Stime)に応じて、空調機器3に新たに適用する制御プランを決定する(図15ステップS303)。制御プラン(設定温度Tsp)の決定方法は第1の参考例で説明したとおりである。
空調制御装置4の機器制御部40と情報提供装置6の動作(図15ステップS304,S305)は、第1の参考例で説明したとおりである。
第2の実施例
本実施例では、「快適」という申告を受け付けたときの設定温度Tspを維持するため、「快適」という申告を受け付けた後に「暑い」または「寒い」という要望申告が来た場合に、この要望申告に応じて設定温度Tspをいったん変更し、一定の維持時間が経過した後に設定温度Tspを変更前の値に戻す。本実施例においても、空調制御システムの構成は第1の参考例と同様であるので、図1〜図3の符号を用いて説明する。
図16は本実施例の空調制御システムの動作を説明するフローチャートである。空調制御装置4の制御プラン決定部41は、申告処理部42が申告入力端末43からの申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに(図16ステップS400においてYES)、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=0、すなわち「快適」という申告であった場合(図16ステップS401においてYES)、各空調ゾーンの現在の設定温度Tspを記憶する(図16ステップS402)。このとき、制御プラン決定部41は、第1の実施例と同様に、各空調ゾーンの現在の制御プランを維持する(設定温度Tspを維持する)。
次に、制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)を受信したときに、この申告V(ZID,DS,Stime)がDS=1またはDS=−1、すなわち「暑い」または「寒い」という要望申告で(ステップS401においてNO)、かつこの申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に受け付けた「快適」という申告からの経過時間が所定の有効時間tξ内の場合には(図16ステップS403においてYES)、この「暑い」または「寒い」という申告V(ZID,DS,Stime)に応じて各空調ゾーンの設定温度Tspを変更し、この設定温度変更を維持時間tαだけ維持した後に、各空調ゾーンの設定温度Tspを変更前の値、すなわちステップS402で記憶した値に復帰させるという制御プランを決定する(図16ステップS404)。
また、制御プラン決定部41は、申告V(ZID,DS,Stime)が「暑い」または「寒い」という要望申告で、かつこの申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に「快適」という申告がなかった場合あるいは申告V(ZID,DS,Stime)よりも前に受け付けた「快適」という申告からの経過時間が有効時間tξを超えている場合には(ステップS403においてNO)、この「暑い」または「寒い」という申告V(ZID,DS,Stime)に応じて各空調ゾーンの設定温度Tspを変更すればよい(図16ステップS405)。ステップS404,S405における設定温度Tspの変更方法は第1の参考例で説明したとおりである。
空調制御装置4の機器制御部40と情報提供装置6の動作(図16ステップS406,S407)は、第1の参考例で説明したとおりである。
図17は本実施例における設定温度変更を説明する図である。図17の例では、時刻t1において「快適」という申告V1が発生したとき、設定温度Tspを記憶し、時刻t2において「暑い」という申告V2が発生したときに、設定温度TspをTsp’に変更している。そして、維持時間tα後の時刻t3において設定温度をTspに復帰させている。
なお、第3の参考例および第1、第2の実施例において、「暑い」または「寒い」という要望申告に応じて設定温度Tspを変更する際に、第2の参考例の方法を適用し、「暑い」という要望申告の数と「寒い」という要望申告の数との割合に基づいて設定温度Tspを変更するようにしてもよい。
第3の参考例および第1、第2の実施例においても、ある空調ゾーンの設定温度Tspを変更しようとしたときに、設定温度Tspの上下関係を満たせなくなる場合には、設定温度Tspを変更しない。また、制御プラン決定部41は、式(3)を満たすように設定温度Tspを変更する。
第1〜第3の参考例および第1、第2の実施例で説明した空調制御装置4と情報提供装置6の各々は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。これらのコンピュータにおいて、本発明の空調制御方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供され、記憶装置に格納される。各々の装置のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第3の参考例および第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、空調制御システムに適用することができる。
1…在席空間、2…利用者、3−1〜3−6…空調機器、4…空調制御装置、5−1〜5−6…温度センサ、6…情報提供装置、40…機器制御部、41…制御プラン決定部、42…申告処理部、43…申告入力端末、60…受信部、61…記憶部、62…情報生成部、63…送信部、64…表示装置、65…情報出力端末。

Claims (7)

  1. 制御対象の空間の室温を、前記空間を区分する空調ゾーン毎に制御するように構成された空調機器と、
    前記空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて前記空調機器を制御し、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告に応じて前記設定温度を変更するように構成された空調制御装置と、
    前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供するように構成された情報提供装置とを備え
    前記空調制御装置は、
    前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるように構成された申告処理部と、
    前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更するように構成された制御プラン決定部とを備え、
    前記制御プラン決定部は、前記要望申告よりも前に受け付けた快適という申告からの経過時間が所定の無効時間内の場合に、前記要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施しないことを特徴とする空調制御システム。
  2. 制御対象の空間の室温を、前記空間を区分する空調ゾーン毎に制御するように構成された空調機器と、
    前記空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて前記空調機器を制御し、前記空間に居る申告者からの空調に関する申告に応じて前記設定温度を変更するように構成された空調制御装置と、
    前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供するように構成された情報提供装置とを備え、
    前記空調制御装置は、
    前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるように構成された申告処理部と、
    前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更するように構成された制御プラン決定部とを備え、
    前記制御プラン決定部は、前記申告者から快適という申告を受け付けた後で暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、所定の維持時間が経過した後に、変更した前記設定温度を変更前の値に戻すことを特徴とする空調制御システム。
  3. 請求項1または2記載の空調制御システムにおいて、
    前記制御プラン決定部は、前記申告者から暑いおよび寒いのうちどちらか一方の要望申告を受け付けたときに、この要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施することを特徴とする空調制御システム。
  4. 請求項1または2記載の空調制御システムにおいて、
    空調ゾーン毎の前記設定温度は、前記空間が、第1の空調ゾーンと、この第1の空調ゾーンよりも設定温度が高い第2の空調ゾーンと、前記第1の空調ゾーンよりも設定温度が低い第3の空調ゾーンの3つに分かれるように初期設定され、
    前記申告処理部は、前記空間内の申告者から所定の申告判定時間内において申告された暑いという要望申告の数とこの申告判定時間内において申告された寒いという要望申告の数との割合を算出し、
    前記制御プラン決定部は、前記第2の空調ゾーンの面積と前記第3の空調ゾーンの面積との割合が、前記要望申告の数の割合に最も近くなるように各空調ゾーンの前記設定温度を変更することを特徴とする空調制御システム。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の空調制御システムにおいて、
    前記空調環境情報は、空調ゾーン毎の前記設定温度を示す情報、または空調ゾーン毎の前記設定温度の傾向を示す情報であることを特徴とする空調制御システム。
  6. 制御対象の空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて空調機器を制御する第1のステップと、
    前記空間に居る申告者からの空調に関する申告を受け付ける第2のステップと、
    前記申告に応じて前記設定温度を変更する第3のステップと、
    前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供する第4のステップとを含み、
    前記第2のステップは、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるステップを含み、
    前記第3のステップは、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、前記要望申告よりも前に受け付けた快適という申告からの経過時間が所定の無効時間内の場合には、前記要望申告に応じた前記設定温度の変更を実施しないステップを含むことを特徴とする空調制御方法。
  7. 制御対象の空間の室温の分布に勾配を設けるように初期設定された設定温度に基づいて空調機器を制御する第1のステップと、
    前記空間に居る申告者からの空調に関する申告を受け付ける第2のステップと、
    前記申告に応じて前記設定温度を変更する第3のステップと、
    前記空間の空調ゾーン毎の空調環境情報を前記空間の利用者に提供する第4のステップとを含み、
    前記第2のステップは、前記空間内の申告者から暑い、快適、寒いのいずれかの申告を受け付けるステップを含み、
    前記第3のステップは、前記申告者から暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときに、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、前記申告者から快適という申告を受け付けた後で暑いおよび寒いのうち少なくとも一方の要望申告を受け付けたときには、少なくとも前記要望申告が発生した空調ゾーンの設定温度を変更し、所定の維持時間が経過した後に、変更した前記設定温度を変更前の値に戻すステップを含むことを特徴とする空調制御方法。
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