JP6824509B2 - 水素発生装置および発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、反応液を貯留する反応容器内で、固形の水素発生剤を反応液に供給して水素を発生させる水素発生装置およびこれを用いた発電装置に関する。本発明は、燃料電池に水素を供給して発電するための技術として有用である。
例えば、特許文献1には、反応容器内の水素発生剤に対して、加圧により反応液である水を滴下して、両者の反応により水素を発生させる方法が記載されている。しかし、この方法では、特に水素発生剤を多量に使用する場合、反応が進行すると、反応済みの水素発生剤が水を吸収してしまい、供給した水が発生剤に到達するまでのタイムラグが発生し、応答性が低下する。また、水の供給を停止した場合でも、吸収された水が発生剤と反応する為、停止時の応答性も低下する傾向がある。
また特許文献2には、水素を発生させるための反応容器内に、水素発生剤の粉体と、反応液である水とを、別途搬送しつつ同時に供給して、両者の反応により水素を発生させる方法が記載されている。しかし、この方法では、搬送機構が2系統になるため装置構造が複雑化すると共に、粉体と水との混合状態が不均一になり易いいため、反応が不均一化するという問題がある。
一方、特許文献3には、反応液を貯留する反応容器内で、粒子状の水素発生剤を反応液に供給して水素を発生させる水素発生装置が提案されている。また、この装置では、水素発生剤を収容する粉末供給器の底部に開口を有し、その開口に設けられた開閉可能な板状弁によって、水素発生剤を反応液に落下させて供給している。また、水素発生量の増減は落下させるペレット(粒子)の数により調整することが記載されており、バッチ方式で水素を発生させていると理解できる。
特開2009−1456号公報 特開2015−81221号公報 特開2003−221202号公報
しかしながら、特許文献3の水素発生装置では、バッチ方式で水素を発生させているため、図面にも記載されているように、水素発生剤粒子の性状により、発生する水素量の経時的なプロファイルが決定され、燃料電池による水素消費量に応じて、発生する水素量をコントロールするのが困難である。
また、水素を発生させる際の反応容器については、労働安全衛生法に基づいて、その圧力容器の体積に応じて使用可能な圧力が規制されることになるが、特許文献3の水素発生装置では、バッチ方式で水素を発生させているため、反応容器の圧力が上がり過ぎるのを防止するのが困難である。
そこで、本発明の目的は、水素発生剤を多量に使用する場合(大容量の場合)でも、水素を安定して発生させることができ、反応容器の圧力が上がり過ぎるのを防止できる水素発生装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、このような水素発生装置を用いることで、労働安全衛生法の圧力容器規制がかからない範囲の反応容器とすることができ、また、燃料電池等で発電を行う場合に、大容量の発電を安定して行うことができる発電装置を提供することにある。
上記目的は、以下の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の水素発生装置は、反応液を貯留する反応容器と、その反応容器内の上側空間に配置され、前記反応液と反応して水素を発生させる固形の水素発生剤を収容する水素発生剤収容部と、その水素発生剤収容部に取り付けられ、駆動機構の動作により前記水素発生剤を間欠的に前記反応液に供給する水素発生剤供給部と、前記反応容器内又はこれと連通する部分の圧力を検出する反応容器圧検出器と、前記反応容器圧検出器で検出された反応容器圧力に基づいて、前記駆動機構を間欠的に操作することで、前記反応容器内の圧力を所定の圧力以上に制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の水素発生装置によると、反応容器に貯留される反応液に、上側空間に配置された水素発生剤収容部から固形の水素発生剤が供給されるため、供給された水素発生剤が反応液と直ちに接触し(反応により生じる水酸化物は底部に堆積する)、水素発生剤を多量に使用する場合でも、反応開始時と反応停止時の応答性を高めることができる。その際、水素発生剤供給部により水素発生剤を間欠的に反応液に供給することができ、制御手段によって水素発生剤供給部の駆動機構を操作することで、反応容器内の圧力を所定の圧力以上に制御することができる。このため、水素発生剤を多量に使用する場合でも、水素を安定して発生させることができ、反応容器の圧力が上がり過ぎるのを防止できる。その結果、労働安全衛生法の圧力容器規制がかからない範囲の反応容器とすることができ、また、燃料電池等で発電を行う場合に、大容量の発電を安定して行うことができる。
上記において、前記駆動機構は、エアシリンダーによって、1回の動作で前記水素発生剤の所定量を供給するものであることが好ましい。エアシリンダーを用いる(電動部品を使用しない)ことにより、電気系統による火花が生じないため、反応容器内に配置しても、水素の爆発を防止することができる。また、1回の動作で前記水素発生剤の所定量を供給することで、間欠的な操作による制御を安定して行うことができる。
更に、前記エアシリンダーに接続されて加圧気体を供給する加圧容器と、その加圧容器と前記反応容器を接続する加圧気体供給経路と、その加圧気体供給経路に設けられ前記反応容器から前記加圧容器への加圧気体の流入を許容する逆止弁とを備えることが好ましい。一般にエアシリンダーは圧縮空気供給器等により駆動させることが可能であるが、このような構成を採用することにより、圧縮空気供給器等なしにエアシリンダーを駆動させることができる。つまり、加圧容器と反応容器と逆止弁を備える加圧気体供給経路で接続することで、反応容器で発生した水素を加圧容器に供給して内部の圧力を高めることができる。このとき、逆止弁により逆流を防止して、加圧容器内の圧力を反応容器内の圧力以上にすることができるため、反応容器内に水素を戻しながら、エアシリンダーを駆動させることができる。
上記において、前記水素発生剤収容部は、底部に向けて横断面積を縮小する傾斜面と、底部の開口とを有し、前記駆動機構は、上下方向にシリンダーが配置された前記エアシリンダーと、そのエアシリンダーで駆動される弁部材とを含むことが好ましい。このような傾斜面と開口を有することで、水素発生剤収容部内で水素発生剤が底部に向けて徐々に移動していきながら、エアシリンダーの操作で供給することができる。このとき、上下方向にシリンダーが配置された前記エアシリンダーで駆動される弁部材により、弁部材が上下に往復動するため、水素発生剤に対して上下に振動が伝わるため、水素発生剤を底部に向けてスムーズ(途中で詰まらずに)に移動させることができる。
また、前記制御手段による制御は、前記反応容器圧力が設定値以下のときに、一定の間隔をおいて前記水素発生剤の所定量を供給するように、前記駆動機構を操作する制御を含むことが好ましい。一回で供給される水素発生剤の量が多すぎると、水素発生速度の変化も大きくなり、圧力を一定に制御しにくい場合が生じるが、このように一定の間隔をおいて前記水素発生剤の所定量を供給することで、時間経過を見ながら次の操作を行うタイミングでも制御の判断ができるため、より一定に反応容器内の圧力を制御することができる。
一方、本発明の発電装置は、以上のいずれかに記載の水素発生装置と、その水素発生装置から供給される水素で発電を行う燃料電池と、を備えることを特徴とする。本発明の発電装置によると、前記のような作用効果を奏する水素発生装置を用いて水素を燃料電池に供給するため、労働安全衛生法の圧力容器規制がかからない範囲の反応容器とすることができ、また、燃料電池等で発電を行う場合に、大容量の発電を安定して行うことができる。
本発明の発電装置の一例を示す概略構成図 本発明の発電装置における制御(発電ルーチン)の一例を示すフローチャート 本発明の発電装置における制御(全体)の一例を示すフローチャート 実験例1における結果を示すグラフ 本発明の発電装置の他の例の要部を示す概略構成図 本発明の発電装置の他の例の要部を示す概略構成図 実験例2における結果を示すグラフ
(水素発生装置)
本発明の水素発生装置は、例えば図1に示すように、反応液1を貯留する反応容器2と、反応液1と反応して水素を発生させる固形の水素発生剤3を収容する水素発生剤収容部4と、その水素発生剤収容部4に取付けられ、駆動機構20の動作により水素発生剤3を間欠的に反応液1に供給する水素発生剤供給部5とを備えている。
反応液1としては、水素発生剤3と反応して水素を発生させるものであればよく、中性の水、酸水溶液、アルカリ水溶液などが用いられる。水素発生剤3については、後に詳述する。
反応容器2としては、密閉容器が用いられるが、反応液1又は水素発生剤3を収容する際に、開閉可能なものが好ましい。本実施形態では、円筒部2aと底面部2bとで容器本体が構成され、その上面に開閉可能な蓋部材2cを設けた反応容器2の例を示す。なお、反応容器2としては、水素発生剤3の反応でアルカリが生じる場合があるため、耐アルカリ性を有する材料を用いるのが好ましい。
反応容器2の容積は、仕込まれる反応液1と水素発生剤3に応じて決定される。例えば、反応液1の量は、水素発生剤3に対する反応理論量の8〜9倍程度が好ましい。また、反応容器2の容積は、反応液1の体積に対して、3〜4倍程度が好ましい。
反応容器2の蓋部材2cには、水素Hの排出部2eが設けられ、更に容器内の圧力が一定値を超えた際に開放する安全弁15が設けられている。反応容器2の円筒部2aには、圧縮空気Cの供給配管26を接続するための気密型の接続部2dが設けられている。
安全弁15は、一定以上の圧力でガスを開放するものであれば何れのものも使用可能である。小型化及び軽量化を図る観点から、安全弁15としては、金属製のボールバルブ型などの弁、アンブレラ型、ダックビル型、などを用いることが好ましい。なお、安全弁15の設定圧力は、系の耐圧性に応じて決定されるが、例えば30〜500kPa(特に100kPa)程度に設定される。
水素発生剤収容部4は、反応容器2内の上側空間に配置され、水素発生剤3を間欠的に反応液1に供給するための駆動機構20を備えている。本実施形態では、水素発生剤収容部4が、底部に向けて横断面積を縮小する円錐状の傾斜面4aと、底部の開口4bとを有する例を示す。円錐状の傾斜面4aは、反応容器2の底面部2bに達する4本の脚部4cで支持されている。
本実施形態では、駆動機構20が、圧縮空気供給器25(コンプレッサー)と、電磁弁24a、24bと、エアシリンダー22と、これらを接続する配管26と、エアシリンダー22のロッドの先端に設けた弁部材23とを有する例を示す。この駆動機構20は、上下方向にシリンダーが配置されたエアシリンダー22と、そのエアシリンダー22で駆動される弁部材23とを含むものである。
圧縮空気供給器25は、エアシリンダー22を作動させるための圧縮空気Cを供給するための装置である。本発明では、駆動機構20が更に、バッファタンク28を備えることが好ましい。図示した例では、圧縮空気供給器25の外部にバッファタンク28を有しているが、圧縮空気供給器25がバッファタンク28を備えていてもよい。
圧縮空気供給器25は、圧縮空気供給器25には電力が供給されるが、常時は一定以上の圧力を生じさせた状態で停止しているため、電力供給が殆ど必要ない。一方、一定未満の圧力になった場合のみ電力により作動して、バッファタンク28内に空気を溜める。このため、バッファタンク28を有する圧縮空気供給器25とエアシリンダー22による駆動機構20を採用することで、消費電力を大きく削減できる。
エアシリンダー22は、支柱27により、水素発生剤収容部4に固定されている。このようにエアシリンダー22を支柱27を介して水素発生剤収容部4に固定することで、エアシリンダー22を操作する際に、その振動が円錐状の傾斜面4aを有する水素発生剤収容部4に伝わるため、水素発生剤3に振動が伝わって、水素発生剤3を底部に向けてよりスムーズ(途中で詰まらずに)に移動させることができる。図示した例では、エアシリンダー22が、二系統の圧縮空気供給口を有し、その一方に連通する空間に供給される圧縮空気によって、他方に連通する空間の側にピストンを移動させ、逆に、他方に連通する空間に供給される圧縮空気によって、逆方向にピストンを移動させるエアシリンダー22を使用している。
エアシリンダー22の操作は、例えば、反応容器2の外側の配管26に設けた、2つの三方向(3ポート)の電磁弁24a、24bにより行われ、一方の電磁弁24aへの電気的な操作信号により、電磁弁24aの一次側と二次側を連通させて二次側を高圧にすることで、エアシリンダー22のロッドを下側に移動させることができる。このとき、他方の電磁弁24bは、二次側と三次側が連通しており、他方の空間の圧力は開放されている。逆に、他方の電磁弁24bへの電気的な操作信号により、電磁弁24aの一次側と二次側を連通させて二次側を高圧にすることで、エアシリンダー22のロッドを上側に移動させることができる。このとき、もう一方の電磁弁24aは、二次側と三次側が連通して開放されている。このようにして、エアシリンダー22のロッド往復動させることができる。
このような操作を行う上で、電磁弁24a、24bとしては、操作信号の入力時には、一次側と二次側を連通させ、入力の無い時には、二次側と三次側とを連通させて二次側(エアシリンダー22の側)を大気に開放できるものが好ましい。これにより、弁部材23の開放時間中の操作信号が不要になり、節電効果を高めることができる。
なお、往復動の動作幅は、エアシリンダー22の可動域調整機構などにより、適当な幅に設定することができる。また、往復動の速度は、絞り弁(図示省略)などで、調整することができる。
本発明では、ロッドの先端に設けた弁部材23が、一定の時間(例えば約1〜3秒間)だけ下方に移動することが望ましいため、操作信号によって、エアシリンダー22が一定の時間だけ下側に作動することが好ましい。このような所定の開放時間を設定する操作は、電磁弁24aへの操作信号と、電磁弁24bへの操作信号との時間差によって、行うことができる。
このようなエアシリンダー22による弁部材23の1回の動作で、水素発生剤3を所定量だけ供給することができる。その際の量は、動作した時間の長さ、往復動の幅、開口4bの大きさなどで決定することができる。但し、これらが同じ条件であっても、水素発生剤収容部4内に残存する水素発生剤3の量によって、1回の動作で供給される水素発生剤3の量は異なる場合がある。このため、水素発生剤3の残量に応じて、1回の動作の開放時間を変えることで供給される水素発生剤3の変化を少なくすることも可能である。しかし、本発明では、1回の供給量が異なっても、後述する制御により、反応容器2内の圧力をほぼ一定に保つことができる。
更に、本発明の水素発生装置は、例えば図1に示すように、反応容器2内又はこれと連通する部分の圧力を検出する反応容器圧検出器6と、反応容器圧検出器6で検出された反応容器圧力に基づいて、駆動機構20を間欠的に操作することで、反応容器2内の圧力を所定の圧力以上に制御する制御手段7と、を備える。本実施形態では、反応容器2の蓋部材2cに設けた反応容器圧検出器6を備える例を示す。
反応容器圧検出器6は、反応容器2内の圧力を検出可能であればよく、反応容器2内においてその圧力を測定する場合の他、反応容器2に連通する経路などにおいて圧力を測定する場合を含んでいる。つまり、本発明では、反応容器2内の圧力を直接又は間接的に検出する反応容器圧検出器6を備えている。
反応容器圧検出器6としては、気体の圧力をダイヤフラム(ステンレスダイヤフラム、シリコンダイヤフラム、など)を介して、感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する圧力センサ等が使用できる。代表的な、圧力センサとしては、半導体ピエゾ抵抗拡散圧力センサ、静電容量形圧力センサなどが挙げられる。
制御手段7としては、上記の制御に関する演算と操作信号が出力可能であればよく、例えばマイコンユニット、プログラムシーケンサー、パソコン等が使用できる。以下、本実施形態の制御フローを図2〜図3に基づいて説明する。
図3には、起動から停止までの各ルーチンが示されているが、本発明における制御は、発電準備ルーチンで定義されたステップS3を抜けた状態において、発電ルーチン(ステップS4)において実施される。
図2に示すように、まず、ステップS11では、データのサンプリングと判断が行われる。その対象としては、反応容器圧力が挙げられ、短時間で多数回(例えば20回/秒)のサンプリングを行うことも可能である。また、多数回のサンプリングを行って平均値を算出して、その時刻における反応容器圧力のデータとすることも可能である。
本実施形態では、このデータに基づいて、反応容器圧力が設定値未満であるか否かを判断する例を示す。これがイエスの場合、ステップS12に進み、ノーの場合、ステップS15に進む。この反応容器圧力の設定値としては、例えば20〜100kPaが挙げられ、労働安全衛生法の圧力容器規制との関係から、40〜80kPaがより好ましく、50〜70kPaが更に好ましい。
ステップS12は、電磁弁24aに一次側と二次側とを連通させる操作信号を送る処理である。これにより、エアシリンダー22のロッドを下側に移動させて、水素発生剤収容部4の開口4bを開放することができる。
ステップS13は、開放時間の待ち時間のための処理である。前述した好ましい電磁弁24a、24bを用いる場合、両者に操作信号を送らない状態で、操作信号を送った直後の状態を維持することができる。このため、ステップS13では、単なる待ち時間として処理するだけで、開放状態を維持することが可能となる。但し、この開放時間中、電磁弁24aに一次側と二次側とを連通させる操作信号を送り続けることも可能である。これらの処理により、エアシリンダー22のロッドを下側に移動させたまま、水素発生剤収容部4の開口4bを開放状態することができる。
ステップS14は、電磁弁24bに一次側と二次側とを連通させる操作信号を送る処理である。これにより、エアシリンダー22のロッドを上側に移動させて、水素発生剤収容部4の開口4bを閉じることができる。
これらのステップS12〜ステップS14までの処理により、所定の時間だけ水素発生剤収容部4の開口4bを開放することができる。これにより、エアシリンダー22の1回の動作で水素発生剤3の所定量を供給することができる。また、動作後、数秒で水素発生を開始させることができる。
ステップS15は、待機時間の待ち時間のための処理である。これにより、エアシリンダー22の1回の動作の後に、所定の時間だけ閉塞状態を維持することができる。閉塞状態を維持する時間としては、水素発生装置の水素発生容量にもよるが、例えば10〜100秒が挙げられ、20秒〜80秒が好ましい。所定の待機時間が経過すると、ステップS16に進む。
ステップS16では、例えば、外部からの入力信号や、緊急の停止信号により、運転を停止するか否かを判断する。ノーの場合、運転が継続され、ステップS11に戻る。ステップS11で再度サンプリングが行われ、反応容器圧力が設定値未満である場合には、ステップS12〜S14により、再度、水素発生剤収容部4の開口4bが開放される。このような制御により、駆動機構20を間欠的に操作することができ、これにより、反応容器2内の圧力を所定の圧力以上に制御することができる。ステップS16により、動作を停止することで、約3分以内に水素発生を停止させることができる。
(水素発生剤)
水素発生剤としては、粒状等の水素発生物質を単独で使用する(樹脂包埋せずに使用する)ことも可能であるが、反応液との反応速度を制御する観点から、樹脂の母材中に粒状の水素発生物質を含有するものが好ましい。その際、使用する樹脂としては、反応を適度に調整する観点から、水溶性樹脂以外のものが好ましい。
用いられる固形の水素発生剤としては、粉末状、粒状(粉砕物)、塊状(成形品)など何れの形状でもよいが、ある程度の粒度のものを効率良く製造する観点から、押出成形後に、所定の粒度に粉砕され、篩分けにより粒度調整されたものが好ましい。このような粒状物の平均粒径は、1〜10mmが好ましく、2〜5mmがより好ましい。
水素発生物質としては、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム、又は水素化マグネシウムなどの水素化金属、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム等の金属、水素化ホウ素化合物等の金属水素錯化合物などが挙げられる。中でも、水素化金属が好ましく、特に水素化カルシウムが好ましい。水素化金属化合物、金属、金属水素錯化合物は、何れかを複数組み合わせて使用することもでき、また、それぞれを組み合わせて使用することも可能である。
即ち、水素発生剤としては、水溶性樹脂を除く樹脂の母材中に、粒状の水素化カルシウム(CaH)を含有するものが特に好ましい。この水素発生剤では、粒状の水素化カルシウムが樹脂のマトリックス中に分散又は埋設された状態となり、これにより、水素化カルシウムの反応性が抑制され、水との反応の際の取り扱い性が改善される。また、水素発生物質として水素化カルシウムを使用することで、水等との反応性が高くなり、水等と反応した際に生成する反応物(水酸化カルシウム)の体積膨張率が高くなるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きくなり、水等との反応が自然に内部まで進行し易くなる。
水素発生物質の含有量は、好ましくは水素発生剤中60重量%以上であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、60〜90重量%であることが好ましく、70〜85重量%がより好ましい。
粒状の水素発生物質の平均粒径は、樹脂中への分散性や反応を適度に制御する観点から、1〜100μmが好ましく、6〜30μmがより好ましく、8〜10μmが更に好ましい。
水素化カルシウムに他の水素発生物質を添加する場合、その水素発生物質の含有量は、水素発生剤中、0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましく、0〜5重量%が更に好ましい。
樹脂としては、好ましくは水溶性樹脂以外のものが使用され、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などが挙げられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を使用することで、一般的に樹脂母材がもろくなり易く、反応の際に樹脂母材がより容易に崩壊して、反応が自然に進行し易くなる。
なお、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、芳香族系のポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、水素発生反応中に樹脂母材が適度な崩壊性を有する観点から、エポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を硬化させる際には、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤などが適宜併用される。
樹脂の含有量は、好ましくは40重量%未満であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
用いられる水素発生剤には、上記の成分以外の任意成分として、触媒、充填材、などのその他の成分を含有してもよい。触媒としては、水素発生剤用の金属触媒の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ化合物も有効である。
水素発生剤は、多孔質化された構造でもよいが、実質的に中実の構造が好ましい。つまり、本発明の水素発生剤は、空孔率(%)=空孔体積/全体積×100が5%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。
(発電装置)
本発明の発電装置は、図1に示すように、以上のような本発明の水素発生装置と、その水素発生装置から供給される水素Hで発電を行う燃料電池13と、を備えている。本実施形態では、発電ルーチンS4に先立って、窒素排出時ルーチンS2を実施するための窒素濃縮装置14を備える例を示す。
また、本実施形態では、水素Hの供給経路には、アンモニア除去装置11と、供給・停止を行う二方向(2ポート)の電磁弁17と、供給経路を切り換えるための三方向(3ポート)の電磁弁12を備えている。
つまり、本発明では、発生した水素Hから、不純物であるアンモニアを除去するために、アンモニア除去剤等を利用したアンモニア除去装置11を設けるのが好ましい。具体的には、シート状のアンモニア除去剤を容器内に充填したものを使用することができる。このようなアンモニア除去剤は、シート状に形成されたものが市販されているが、粒状の吸着剤等を通気性の袋に収容したものを使用することも可能である。
アンモニア除去剤としては、例えば、水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤(吸着・分解や反応吸着などの化学吸着を含む)、アンモニアを溶解除去する吸収剤、アンモニアを反応により除去する反応剤、アンモニアを分解(加熱分解・触媒反応分解等)により除去する分解手段、などが挙げられるが、アンモニアを物理吸着又は化学吸着により除去する吸着剤を備えることが好ましい。
中でも吸着剤が、物理吸着又は化学吸着によりアンモニアを除去するものであることがより好ましく、固体酸、活性炭(固体酸に相当するものを除く)、ゼオライト(固体酸に相当するものを除く)、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上であることが更に好ましい。中でも、アンモニアの吸着除去能力やより高温で吸着可能な観点から、固体酸を用いることが好ましい。
固体酸としては、固体酸自体が粒状であるものや、粒状体に固体酸や液体酸を担持させたものなどがあるが、活性炭に金属塩を担持したものがコストや製造性などの観点からより好ましい。金属塩としては、硫酸塩、リン酸塩、塩化物塩、硝酸塩が挙げられ、塩を形成する金属としては、金属塩として酸性を示す金属が好適に使用できる。
活性炭(固体酸に相当するものも含む)としては、GW48/100、GW−H48/100、GG10/20、2GG、GLC10/32、2GS、GW10/32、GW20/40、KLY10/32、KW10/32、KW20/42(以上、クラレケミカル(株)製)、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤、S剤(酸用)(以上、アニコジャパン(株)製)、4T−B、4T−C、4G−H、4SA、2GS、GW20/4042(以上、クラレケミカル(株)製)などが挙げられ、好ましくは4T−B、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤である。
ゼオライトとしては、BX、HISIV、R−3(以上、ユニオン昭和(株)製)などが挙げられ、好ましくはBXである。
モレキュラーシーブとしては、ゼオラムA−3、ゼオラムA−4(以上、東ソー(株)製)などが挙げられ、好ましくはゼオラムA−4である。
燃料電池13としては、供給された水素で発電を行うものであれば、何れのタイプの燃料電池も用いることができる。例えば、固体高分子形(Polymer Electrolyte Fuel Cell)、固体酸化物形(SOFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、リン酸形(PAFC)を用いることができるが、本発明の水素発生方式に見合う出力で、小型かつ作動温度が低温であるなどの観点から、固体高分子形の燃料電池が好ましい。
固体高分子形の燃料電池は、いずれの構造であっても、固体高分子電解質層と、この固体高分子電解質層の両側に設けられた第1電極層及び第2電極層と、これら電極層の更に外側に各々配置された第1導電層及び第2導電層とを有している。固体高分子電解質層と電極層とは一体化されており、膜電極接合体(MEA)を構成する。また、導電層には、電極層からの集電を行うと共に、燃料を電極層に供給して反応させるための流路が確保されている。
燃料電池13の構造としては、スタック構造、単セルを連結した構造、単セルを複合化した構造などいずれでもよい。
スタック構造の場合には、セパレータによって、単位セルが分離されており、集電を行うと共に、セパレータの両側には、燃料を供給するための流路が形成されている。単位セルは、電気的には直列又は並列で接続され、ガス供給としては主に流路が並列で接続される。
単セルを連結等した構造に用いる単セルとしては、単セルごとに流路を設けたものでもよいが、特許第4511610号公報(国際公開WO2009/145090号公報)に記載されたような、固体高分子電解質層と、この固体高分子電解質層の両側に設けられた第1電極層及び第2電極層と、これら電極層の更に外側に各々配置された第1導電層及び第2導電層とを備え、これら各層をインサート成形した樹脂成形体で一体化してある燃料電池が好ましい。
また、単セルを複合化した構造としては、このような燃料電池の複数を、これらの少なくともアノード側を覆う空間形成部材と一体化して、燃料ガスの供給空間を設けたものが好ましい。このような構造では、複数の単セルが電気的に接続されて、同時にインサート成形されているのが好ましい。
窒素濃縮装置14は、窒素等を濃縮して排出する窒素排出時ルーチンS2を実施するための装置であり、小型・小容量の燃料電池を備えている。この燃料電池は、アノード極側に連通する水素供給部と排出部を備え、排出部には電磁弁を備えている。水素供給部から、起動時において、窒素等を含む水素が供給された場合に、燃料電池による発電を行うことで、水素が消費されると共に、窒素等が濃縮される。窒素等が濃縮の程度は、燃料電池による発電状態を検出することで、判断することができ、ある程度、窒素等が濃縮された場合に、電磁弁の操作により窒素等を排出部から排出することで、窒素等を濃縮して選択的に排出することができる。
次ぎに、図3に基づいて、ステップS1(起動ルーチン)からステップS3(発電準備ルーチン)について説明する。この起動ルーチンによる処理を実行するために、燃料電池13のガス排出経路に接続された電圧検出のための検知セルと、燃料電池13の出力電圧を検出する回路が利用される(いずれも図示省略)。
本実施形態では、二方向(2ポート)の電磁弁17が閉じた状態で、ステップS1(起動ルーチン)において、起動信号により、発電ルーチンと同様に、前述した水素発生が実施される。つまり、図2に示す、ステップS11〜ステップS16が実行される。但し、ステップS11において、圧力が一定以上となった場合には、電磁弁17が開いた状態となり、ステップS2の窒素排出時ルーチンに進む。なお、ステップS2〜ステップS3においても、一定の圧力を確保するために、図2に示すステップS11〜ステップS16が、引き続き実行される。
ステップS2の窒素排出時ルーチンでは、電磁弁17が開いた状態で、三方向(3ポート)の電磁弁12により、アンモニア除去装置11を経由した水素が窒素濃縮装置14に供給される。この水素には、反応容器2内に初期に存在する窒素、酸素等の空気由来の不純物が含まれている。
ステップS2では、水素供給部から、窒素等を含む水素が供給された燃料電池が発電を行うことで、水素が消費されると共に、窒素等が濃縮される。窒素等が濃縮の程度は、燃料電池による発電状態を検出することで、自動的に判断することができ、ある程度、窒素等が濃縮された場合に、電磁弁の操作により窒素等を排出部から排出することで、窒素等を濃縮して選択的に排出することができる。必要に応じて、この操作を繰り返すことで、系内の不純物をほぼ全て系外排出することができる。不純物の排出が完了したか否かについても、燃料電池による発電状態を検出することで、自動的に判断することができる。不純物の排出が完了した場合には、ステップS3の発電準備ルーチンに進む。
ステップS3では、三方向(3ポート)の電磁弁12により、アンモニア除去装置11を経由した水素が、燃料電池13に供給されるように、供給路が切り替わる。これにより、発電ルーチンであるステップS4が実行可能となる。
停止時ルーチンで定義されるステップS5では、図2に示すステップS16により運転が停止される。これにより水素発生剤3の供給が停止される。このとき、反応容器2内には、発生した水素が存在し、圧力が高い状態となっているが、電磁弁17は、開けた状態とし、発電により生じる電力Pは、二次電池(図示省略)に充電される。
(他の実施形態)
(1)前述の実施形態では、二系統の圧縮空気供給口を有するエアシリンダーであって、その一方又は他方に連通する空間に供給される圧縮空気によって、他方又は他の一方に連通する空間の側にピストンを移動させるエアシリンダーを使用する例を示したが、異なる方式のエアシリンダー22を使用することも可能である。
例えば、一系統の圧縮空気供給口を有するエアシリンダーを用いて、電磁弁に対して、電磁弁の一次側と二次側とを連通状態(開状態)とする信号と、二次側を開放する信号とで、弁部材23の開閉を行うことができる。また、電磁弁に対して、一定時間だけ操作信号を送り続けて、その間だけ電磁弁aの二次側を高圧にして、弁部材23を開放することも可能である。
(2)前述の実施形態では、圧縮空気供給器を用いてエアシリンダーを駆動する例を示したが、本発明では、図5に示すように、圧縮空気供給器等の外部動力源を用いることなくエアシリンダーを駆動することが可能である。
この例では、本発明の水素発生装置が、更に、エアシリンダー22に接続されて加圧気体を供給する加圧容器31と、その加圧容器31と反応容器2を接続する加圧気体供給経路32と、その加圧気体供給経路32に設けられ反応容器2から加圧容器31への加圧気体の流入を許容する逆止弁33とを備えている。加圧気体供給経路32には、加圧容器31側の圧力が一定以下(例えば80KPa以下)になるように圧力調整弁34を有することが好ましい。
この装置では、発電準備ルーチン(ステップS4)において、初期に加圧容器31の内部を加圧する処理が実行される。その際、燃料電池13に水素を供給するための電磁弁17を閉状態としておき、反応容器2から逆止弁33と圧力調整弁34を経由して加圧容器31へ加圧気体(水素)が供給される。このとき、圧力調整弁34により、加圧容器31内の圧力が一定になるまで供給が行われる。加圧容器31の圧力が一定以上になると、電磁弁17を開状態として、発電ルーチン(ステップS4)が実行される。
発電ルーチンにおいて、エアシリンダー22の操作は、例えば、反応容器2の外側の配管26に設けた、2つの三方向(3ポート)の電磁弁24a、24bにより行われ、一方の電磁弁24aへの電気的な操作信号により、電磁弁24aの一次側と二次側を連通させて二次側を高圧にすることで、エアシリンダー22のロッドを下側に移動させることができる。このとき、他方の電磁弁24bは、二次側と三次側が連通しており、他方の空間の圧力は反応容器2に開放されている。逆に、他方の電磁弁24bへの電気的な操作信号により、電磁弁24aの一次側と二次側を連通させて二次側を高圧にすることで、エアシリンダー22のロッドを上側に移動させることができる。このとき、もう一方の電磁弁24aは、二次側と三次側が連通して反応容器2に開放されている。このようにして、水素を外部に排出することなく、エアシリンダー22のロッド往復動させることができる。
一連の操作において、初期の加圧容器31内の圧力が徐々に低下するが、加圧容器31内の圧力を回復させるために、発電ルーチンを一端中断して、電磁弁17を閉状態とし、初期の操作と同様にして、反応容器2から加圧容器31へ加圧気体(水素)を供給する圧力回復ルーチンを実行してもよい。
(3)外部動力源を用いることなくエアシリンダーを駆動する方法としては、図6に示す装置を用いることも可能である。
この装置では、エアシリンダー22のピストンの上部空間22aに、背圧加圧容器35が接続され、上部空間22aが一定圧で加圧されている。この構成に変えて、スプリング等の弾性体を使用することも可能である。一方、エアシリンダー22のピストンの下部空間22bは、供給口22cを介して、反応容器2に開放している。
反応容器2の圧力が一定以上の場合には、エアシリンダー22のピストンが上方に移動した状態となり、弁部材23が閉じた状態となるが、水素が消費されて反応容器2の圧力が一定以上の場合には、弁部材23が一時的に開いた状態となり、水素発生剤を間欠的に供給することができる。
つまり、この実施形態では、反応容器2内の圧力をエアシリンダー22のピストンが検出をし(反応容器圧検出器)、検出された反応容器圧力に基づいて、駆動機構20を間欠的に操作することで、反応容器2内の圧力を所定の圧力以上に制御している。
(4)前述の実施形態では、上下方向にシリンダーが配置されたエアシリンダーと、そのエアシリンダーで駆動される弁部材とを含む駆動機構の例を示したが、横方向にシリンダーが配置されたエアシリンダーと、そのエアシリンダーで横方向駆動される弁部材とを含む駆動機構であってもよい。このような駆動機構によると、弁部材のスライドにより、弁部材23が一時的に開いた状態となり、水素発生剤を間欠的に供給することができる。
(5)前述の実施形態では、エアシリンダーによって、1回の動作で前記水素発生剤の所定量を供給する駆動機構の例を示したが、圧縮空気を動力源とするモータ等を利用して、弁部材やスクリュー型フィーダ等を駆動させることも可能である。なお、外部に配置した電動モータを使用して、回転軸を気密にシールして、外部からスクリュー型フィーダ等を駆動させることも可能である。
(6)また、水素発生剤の落下を円滑にするために、水素発生剤供給部に対して、攪拌器、振動付与装置などを更に設けることも可能である。
以下、実験例に基づいて、本発明の効果について説明する。
実験例1
図1に示す装置の燃料電池の出力を鉛蓄電池(容量1kwhr)に接続し、鉛蓄電池の出力を電子負荷装置に接続した発電装置を用いて、水素発生および発電を行った。電子負荷装置では、発電中において鉛蓄電池からの出力が200Wになるように、放電電流を定電流制御(CC制御)した。
燃料電池としては、CVが13.5Vのスタック型の燃料電池(出力200W級)を使用した。水素発生剤として、エポキシ樹脂中に水素化カルシウムを濃度78重量%で含有し、未硬化物を押出成形(径4mm)後に硬化させた後、粉砕して目開き6.7mmの篩下で分級した粒状品(1900g)を使用した。
制御の方法として、圧力が65KPa未満の場合に、開放時間1秒で15秒間隔の待機時間で、水素発生剤を水中(12L)に投下する制御を行うことで、水素発生を行った。
その結果、図4に示すように、電子負荷装置への出力がほぼ200Wに制御された状態において、水素の圧力(反応容器内の圧力)が約60〜70KPaの範囲で制御され、燃料電池からの出力が約170Wの一定になるように、発電することができた。
実験例2
図1に示す発電装置において、図5に示す駆動機構を採用した発電装置を用いて、その燃料電池の出力を鉛蓄電池(容量1kwhr)に接続し、鉛蓄電池の出力を電子負荷装置に接続し、水素発生および発電を行った。電子負荷装置では、発電中において鉛蓄電池からの出力が120Wになるように、放電電流を定電流制御(CC制御)した。
燃料電池としては、CVが13.5Vのスタック型の燃料電池(出力200W級)を使用した。水素発生剤として、実験例1と同じものを使用した。
制御の方法として、反応容器内の圧力とシリンダ圧力との差が20KPa以上の場合に、開放時間2秒で10秒間隔の待機時間で、水素発生剤を水中(6L)に投下する制御を行うことで、水素発生を行った。
その結果、図7に示すように、シリンダ圧力が若干低下していくものの、水素の圧力(反応容器内の圧力)が変動しつつも、消費水素量がほぼ一定に保たれ(出力がほぼ一定)た状態で、発電することができた。
1 反応液
2 反応容器
3 水素発生剤
4 水素発生剤収容部
5 水素発生剤供給部
6 反応容器圧検出器
7 制御手段
11 アンモニア除去装置
12 電磁弁
13 燃料電池
14 窒素濃縮装置
15 安全弁
17 電磁弁
20 駆動機構
22 エアシリンダー
23 弁部材
24a 電磁弁
24b 電磁弁
25 圧縮空気供給器
26 配管
27 支柱
28 バッファタンク
31 加圧容器
32 加圧気体供給経路
33 逆止弁
34 圧力調整弁
35 背圧加圧容器

Claims (2)

  1. 反応液を貯留する反応容器と、
    その反応容器内の上側空間に配置される水素発生剤収容部と、
    その水素発生剤収容部に収容され、熱硬化性樹脂を母材として含み水素化カルシウムを水素発生剤中60〜90重量%含有する粒状の水素発生剤と、
    その水素発生剤収容部に取付られ、駆動機構の動作により前記水素発生剤を間欠的に前記反応液に供給する水素発生剤供給部と、を備え、
    前記駆動機構は、前記反応容器内又はこれと連通する部分の圧力により弁部材と共に移動して、前記弁部材を間欠的に操作することで、前記反応容器内の圧力を所定の圧力以上に制御するピストンを備える水素発生装置。
  2. 請求項1に記載の水素発生装置と、
    その水素発生装置から供給される水素で発電を行う燃料電池と、を備える発電装置。
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