JP2003221202A - 水素発生装置 - Google Patents

水素発生装置

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JP2003221202A
JP2003221202A JP2002021687A JP2002021687A JP2003221202A JP 2003221202 A JP2003221202 A JP 2003221202A JP 2002021687 A JP2002021687 A JP 2002021687A JP 2002021687 A JP2002021687 A JP 2002021687A JP 2003221202 A JP2003221202 A JP 2003221202A
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Japan
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hydrogen
alloy
powder
water
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Application number
JP2002021687A
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English (en)
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Mitsuya Hosoe
光矢 細江
Izuru Kanoya
出 鹿屋
Takanori Suzuki
貴紀 鈴木
Buyo Isobe
武揚 磯辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素の発生を迅速に行うと共に水素発生量が
大であり,また廃液の処理が容易である上,触媒として
安価なものを用いて水素発生コストの低減を図り得るよ
うにした水素発生装置を提供する。 【解決手段】 水素発生装置は,Mg合金粉末pよりな
るペレット42と水19とを反応させて水素を発生させ
るものであって,下部に貯水部18を有し,その貯水部
18の水面20上方の空間を水素溜め室21とした密封
容器6と,その密封容器6に付設されて,ペレット42
を貯水部18に供給する粉末供給器7を有する。Mg合
金粉末pとしては,粒状Mgと,その粒状Mgの表面お
よび内部に存在する複数の触媒金属微粒子とよりなるM
g合金粒子の集合体に水素化処理を施したものが用いら
れる。触媒金属微粒子にはNi微粒子,Fe微粒子等が
該当する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素発生装置,特
に,水素化された,Mg合金粉末および純Mg粉末の一
方と水とを反応させて水素を発生させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,水素発生装置としてはNaBH4
(水素化ホウ素ナトリウム)と触媒とを用い,これに水
を作用させるようにしたものが公知である(例えば,特
開2001−199701号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
装置においては,NaBH4 と水との反応によってNa
OHが生成され,その強アルカリ水溶液が廃液となるた
めその処理に多くの手数とコストを要し,また触媒の構
成材料としてPt,Pd等の貴金属を用いているので水
素発生コストが高い,という問題があるが,それにも拘
らず,前記従来装置の問題点を解決し得る水素発生装置
は未だ開発されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,水素の発生を
迅速に行うと共に水素発生量が大であり,また廃液の処
理が容易である上,触媒として安価なものを用いて水素
発生コストの低減を図り得るようにした前記水素発生装
置を提供することを目的とする。
【0005】前記目的を達成するため本発明によれば,
Mg合金粉末と水とを反応させて水素を発生させる装置
であって,下部に貯水部を有し,その貯水部の水面上方
の空間を水素溜め室とした少なくとも1つの密封容器
と,その密封容器に付設されて,前記Mg合金粉末を前
記貯水部に供給する粉末供給器とを有し,前記Mg合金
粉末として,粒状Mgと,その粒状Mgの表面および内
部に存在する複数の触媒金属微粒子とよりなるMg合金
粒子の集合体に水素化処理を施したものを用い,前記触
媒金属微粒子はNi微粒子,Ni合金微粒子,Fe微粒
子,Fe合金微粒子,V微粒子,V合金微粒子,Mn微
粒子,Mn合金微粒子,Ti微粒子,Ti合金微粒子,
Cu微粒子,Cu合金微粒子,Ag微粒子,Ag合金微
粒子,Ca微粒子,Ca合金微粒子,Zn微粒子,Zn
合金微粒子,Zr微粒子,Zr合金微粒子,Co微粒
子,Co合金微粒子,Cr微粒子,Cr合金微粒子,A
l微粒子およびAl合金微粒子から選択される少なくと
も一種である,水素発生装置が提供される。
【0006】前記構造を有するMg合金粉末は,水素化
処理において,触媒金属微粒子の水素化促進機能を得て
比較的多量の水素を吸蔵する。
【0007】水素発生に当っては,粉末供給器からMg
合金粉末を貯水部に供給する。触媒金属微粒子は粒状M
gにおいて,水素過電圧の低いカソード部を形成してM
gを速やかに水酸化物[Mg(OH)2 ]にする作用を
なす。これにより,MgH2の加水分解が促進されるの
で,水素の発生が迅速に行われ,また水素発生量も大と
なり,その水素は水素溜め室に溜められる。この場合,
廃液は貯水部に溜まるが,それはMg(OH)2 水溶液
であるからその処理が容易である。
【0008】その上,前記のような触媒金属微粒子は貴
金属触媒に比べて安価であるから水素発生コストの低減
を図ることができる。
【0009】本発明は,廃液の処理が容易である上,触
媒を不要にして水素発生コストの低減を図り得るように
した前記水素発生装置を提供することを目的とする。
【0010】前記目的を達成するため本発明によれば,
純Mg粉末と水とを反応させて水素を発生させる装置で
あって,下部に貯水部を有し,その貯水部の水面上方の
空間を水素溜め室とした少なくとも1つの密封容器と,
その密封容器に付設されて,前記純Mg粉末を前記貯水
部に供給する粉末供給器とを有し,前記純Mg粉末とし
て,純Mg粒子の集合体に水素化処理を施したものを用
いる,水素発生装置が提供される。
【0011】水素発生に当っては,粉末供給器から純M
g粉末を貯水部に供給すると水素が発生し,その水素は
水素溜め室に溜められる。この場合,廃液は貯水部に溜
まるが,それはMg(OH)2 水溶液であるからその処
理が容易である。その上,触媒を用いないので,それに
応じて水素発生コストを低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1において,水素発生装置1
は,水素化物であるMg合金粉末と水とを反応させて水
素を発生させる,といった方法を実施するために用いら
れる。その水素発生装置1は複数の水素発生用ユニット
2を備え,それらユニット2は保持部材3に着脱可能に
保持される。各ユニット2は,保持部材3に保持された
状態において,1つの配管4を介し燃料電池Fに接続さ
れ,その配管4にはレギュレータ,制御弁等を有する制
御装置Cが設けられる。
【0013】図2〜5にも示すように,各ユニット2は
密封容器6と,その密封容器6に付設された粉末供給器
7とを有する。密封容器6は上面に開口部8を有する器
体9と,その開口部8をシール部材10を介して密封す
る蓋板11とを有し,その蓋板11は複数のねじ12に
よって器体9に取付けられる。
【0014】器体9は,上,下方向に長い長方形の前板
13と,前板13よりも上,下方向に長い長方形の後板
14と,前板13の下縁から後板14側に延びる長方形
で下り勾配の傾斜底板15と,傾斜底板15の後縁およ
び後板14の下縁間を繋ぐ長方形の水平底板16と,前
板13,後板14,傾斜底板15および水平底板16に
よる両側面開口を閉じる2つの五角形の側板17とより
なる。器体9内下部,実施例では前板13の下部で,且
つ傾斜底板15の上縁近傍部よりも下側が貯水部18で
あって,そこに水19が溜められている。その水面20
よりも上方の空間は水素溜め室21として機能する。
【0015】実施例では粉末供給器7は,密封容器6内
の水素溜め室21に配置されていて,その密封容器6の
一部を利用して構成されている。即ち,粉末供給器7の
小器体22は,前板13の上部側を用いた長方形の前板
23と,その前板23と対向するように密封容器6の
前,後板13,14間に配置された長方形の後板24
と,前板23の下縁から後板24側に延びる長方形で下
り勾配の前部傾斜底板25と,後板24の下縁から前板
23側に延びる長方形で下り勾配の後部傾斜底板26
と,前板23,後板24,前部傾斜底板25および後部
傾斜底板26による両側面開口を閉じるべく,密封容器
6の2つの側板17の前側上部を用いた2つの側板27
とよりなる。前,後部傾斜底板25,26の両下縁間に
両側板27との協働で四角形の供給口28が区画され
る。前,後部傾斜底板25,26の下縁および密封容器
6の両側板17に,供給口28に臨む開口部29を持つ
厚板状弁ガイド部板30が取付けられ,その弁ガイド部
板30の一端部は前板13の長孔31に嵌着されてい
る。弁ガイド部材30は,開口部29を含み,且つ前板
13外面側の端面に開口する扁平なガイド孔32を有
し,そのガイド孔32に板状弁33が摺動自在に嵌合さ
れる。板状弁33の操作部34は,その板状弁33の弁
部35により供給口28を閉じた状態において密封容器
6の前板13外面より突出する。板状弁33の操作部3
4近傍において,ガイド孔32内壁には板状弁33と密
着する環状シール部材36が配置されており,このシー
ル部材36は水素の密閉容器6外への漏れを防止する。
【0016】密封容器6の器体9における開口部8は,
粉末供給器7の後板24と一体で,且つ両側板17間に
渡された平板状部37によって水入口38と粉末入口3
9とに区画され,その粉末入口39は蓋板11の前部側
により,また水入口38は蓋板11の後部側によってそ
れぞれ開閉される。したがって開口部8を密封するため
のシール部材10は,その開口部8の周縁部分に配置さ
れる長方形の枠状部40と,その枠状部40の長辺側対
向部間を連結して平板状部37に配置される繋ぎ部41
とよりなる。Mg合金粉末pはペレット42に成形され
て,小器体22内に収納されている。
【0017】図6,7に示すように保持部材3は,横方
向に長い長方形状の後板43と,その後板43の両端部
から前方に延び,且つ密封容器6の両側板17に対応す
る形状を持つ両側枠44と,後板43の上縁および両側
枠44の上縁間を繋ぐ上枠45と,後板43の下縁およ
び両側枠44の下縁間を繋ぎ,且つ密封容器6の水平底
板16に対応する下板46とよりなる。上枠45におけ
る後板43側の板状部47は密封容器6における蓋板1
1の後部上面に接触するもので,その板状部47の下面
および下板46の上面に各ユニット2の位置を決める複
数の凸条48,49が相対向するように形成されてい
る。
【0018】保持部材3の後板43上部において,各ユ
ニット2に対応する位置にクイックコネクタ50の一方
の半体51がその差込み部52を後板43内面に突出さ
せて配置されており,後板43外面に突出する各接続部
53は配管4の一部である1つの導管54に接続され
る。
【0019】一方,図4に示すように各ユニット2にお
いて,密封容器6の後板14上部にはクイックコネクタ
50の他方の半体55がその導入筒部56を水素溜め室
21内に突出させて配置されており,その受口57は後
板14外面に開口する。
【0020】図8に示すように,各ユニット2は,その
クイックコネクタ50の半体55を保持部材3のクイッ
クコネクタ50の半体51に向けて,両側枠44間より
上枠45の板状部47および下板46間に両凸条48,
49をガイドとして装着される。これにより,クイック
コネクタ50の差込み部52が受口57に嵌合して水素
溜め室21と配管4とがクイックコネクタ50を介して
接続される。
【0021】水素を発生させる場合には,板状弁33に
よって供給口28を開放すると,ペレット42が水中に
落下し,MgH2 +2H2 O→Mg(OH)2 +2H2
の反応が生じて水素が発生し,またMg(OH)2 は水
平底板16および傾斜底板15上に溜まる。水素は制御
装置Cを有する配管4を経て燃料電池Fに供給され,そ
こで燃料として用いられる。水素発生量の増減は,落下
させるペレット42の数により調整し,また水素の残量
はペレット使用量から算出される。
【0022】ユニット2の交換に当っては,その使用済
ユニット2を両側枠44の外方へ引張って,ユニット2
側のクイックコネクタ50の半体55を保持部材3側の
半体51から離脱させ,新たなユニット2を保持部材3
に装着する。使用済ユニット2については,再度の使用
に備えるべく,その密閉容器6からのMg(OH)2
溶液の排出,密閉容器6の洗浄乾燥,密閉容器6への新
たな水19の注入および新たなペレット42の装入等が
行われる。
【0023】なお,粉末供給器7は密封容器6外に在っ
てもよく,またそれらはユニット2を構成しないことも
ある。前記Mg合金粉末pよりなるペレット42を水素
化純Mg粉末よりなるペレットと交換して別の水素発生
装置を構成することが可能である。
【0024】前記Mg合金粉末としては,図9に示すよ
うに,粒状Mg58と,その粒状Mg58の表面および
内部に存在する複数の触媒金属微粒子59とよりなるM
g合金粒子60の集合体に水素化処理を施したものが用
いられる。触媒金属微粒子59にはNi微粒子,Ni合
金微粒子,Fe微粒子,Fe合金微粒子,V微粒子,V
合金微粒子,Mn微粒子,Mn合金微粒子,Ti微粒
子,Ti合金微粒子,Cu微粒子,Cu合金微粒子,A
g微粒子,Ag合金微粒子,Ca微粒子,Ca合金微粒
子,Zn微粒子,Zn合金微粒子,Zr微粒子,Zr合
金微粒子,Co微粒子,Co合金微粒子,Cr微粒子,
Cr合金微粒子,Al微粒子およびAl合金微粒子から
選択される少なくとも一種が該当する。
【0025】Mg合金粉末における触媒金属微粒子59
の含有量Gは0.1原子%≦G≦5.0原子%に設定さ
れる。その含有量GがG<0.1原子%では添加効果が
なく,一方,G>5.0原子%では水素発生量が減少す
るため実用性がない。触媒金属微粒子59の含有量G
は,好ましくは0.3原子%≦G≦1.0原子%であ
る。Mg合金粉末はメカニカルアロイングの適用下で製
造されるので,粒状Mg58の粒径Dは1μm≦D≦5
00μm,また触媒金属微粒子59の粒径dは10nm
≦d≦500nmが適当である。この場合,粒径D,d
とは,顕微鏡写真における粒状Mg等の最長部分の長さ
(最大わたし径)とする。
【0026】(A)−1.Mg合金粉末の製造 純度が99.9%であり,且つ粒径D0 がD0 ≦180
μmの粒状Mgの集合体と,純度が99.9%であり,
且つ粒径dが10nm≦d≦100nmのNi微粒子の
集合体と,純度が99.9%であり,且つ粒径dが10
nm≦d≦200nmのFe微粒子の集合体を用意し
た。そして,これらを秤量混合して,Mg 99.5Ni0.33
Fe0.17(数値の単位は原子%)の合金組成を有する混
合粉末を得た。
【0027】混合粉末を横型ボールミル(Honda
製)の容量2500mlのポット(JIS SUS316
製)に直径10mmのボール(JIS SUS316製)
990個と共に入れ,ポット内を2MPaの水素ガス雰
囲気に保持して,ポット回転数70rpm ,ミリング時間
t 15分間の条件でボールミリングを行った。この場
合,ポット内には重力加速度GP の3倍の加速度3Gが
発生していた。ボールミリング後,大気中でMg合金粉
末を採取した。Mg合金粉末は,そのボールミリング過
程において水素化されているので,それに,350℃,
1時間の条件で真空引きを行う脱水素化処理を施した。
【0028】Mg合金粉末について,SEMおよびTE
M観察を行ったところ,粒状Mg58は,ボールミリン
グにより粉砕されて粒径が減少したり,また凝集固着に
よって粒径が増加したりしており,その粒状Mg58の
粒径Dは2μm≦D≦300μmの範囲にあることが判
明した。NiおよびFe微粒子59については,粒径の
減少は生じていなかった。またMg合金粉末を構成する
Mg合金粒子60は,粒状Mg58の表面および内部に
複数の黒点状のNiおよびFe微粒子59が存在するも
のであることも判明した。
【0029】(A)−2.Mg合金粉末の水素化とその
粉末の温度変化 Mg合金粉末を容器内に入れ,次いでその粉末の温度を
250℃一定に保持し,その後容器内に水素を導入して
容器内圧が1MPaまで上昇したとき水素導入を中止す
ると共にMg合金粉末の250℃保持を解除して,Mg
合金粉末の温度を測定したところ,図10の結果を得
た。図10より,Mg合金粉末はその水素化,つまり水
素吸蔵に伴い発熱し,その温度は水素導入中止後約40
sec で約310℃まで上昇することが判明した。したが
って,この温度以下にMg合金粉末を保持し,且つ加圧
下(0.1MPa以上)にて,その粉末に水素を吸蔵さ
せることが可能となる。
【0030】(A)−3.Mg合金粉末の水素化処理 Mg合金粉末を容器内に入れ,次いでその粉末の温度を
310℃一定に保持すると共にその容器内に水素を導入
してその容器内圧を1MPa一定に保持し,この状態に
おいて,Mg合金粉末による水素吸蔵量を20sec 経過
毎に容器内圧力変化として測定したところ,図11の結
果を得た。図11より,Mg合金粉末の水素吸蔵量は,
水素化開始後約1時間で最大水素吸蔵量約7.4wt%
に達することが判明した。
【0031】(A)−4.Mg合金粉末等の水素放出 水素化処理後のMg合金粉末0.1gを85℃に保温さ
れた容器内に入れ,次いでその容器内に85℃の蒸留水
5ccを注入し,MgH2 +2H2 O→Mg(OH)2
+2H2 の反応を生じさせて水素発生量を測定したとこ
ろ,図12,線aの結果を得た。この場合,水素発生量
の理論値は165ccであるが,反応開始後5分間で理
論値の90%以上の水素が発生した。このような迅速な
水素の発生は,触媒金属微粒子であるFe,Ni微粒子
の存在に起因する。
【0032】図12,線bは,純Mg粒子の集合体に水
素化処理を施して得られた純Mg粉末を用いた場合に該
当する。この水素化処理条件は,純Mg粉末の温度40
0℃,容器内圧4MPa(一定)に設定された。水素放
出条件は線aのときと同じである。この場合は,触媒金
属微粒子を用いないことに起因して水素発生速度が線a
に比べて遅くなる。
【0033】(B)内容積800ccの密封容器6を用
意し,またMg合金粉末pより10gのペレット42を
複数成形した。20個のペレット42を粉末供給器7に
装入し,また貯水部18に400ccの蒸留水19を注
入し,次いで全部のペレット42を蒸留水19中に落下
させて水素の発生を行ったところ,水素発生量は28g
(314L)であることが判明した。
【0034】なお,水としては蒸留水の外に,NaCl
水溶液,CaCl2 水溶液,MgCl2 水溶液等のイオ
ン水溶液を用いることも可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1,3〜7記載の発明によれば,
特定の水素化Mg合金粉末を用いることによって,水素
の発生を迅速に行い,また水素発生量も多く,さらに廃
液処理が容易で,その上水素発生コストを低減し得る,
構成の簡単な水素発生装置を提供することができる。
【0036】請求項2〜6,8記載の発明によれば,水
素化純Mg粉末を用いることによって,廃液処理が容易
で,水素発生コストを低減し得る,構成の簡単な水素発
生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素発生装置の平面図である。
【図2】水素発生用ユニットの斜視図である。
【図3】水素発生用ユニットの平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】保持部材の斜視図である。
【図7】要部を破断した,図6の7矢視図である。
【図8】保持部材とユニットとの関係を示す説明図で,
図6の8−8線断面図に相当する。
【図9】Mg合金粒子の説明図である。
【図10】時間とMg合金粉末の温度との関係を示すグ
ラフである。
【図11】時間と水素吸蔵量との関係を示すグラフであ
る。
【図12】時間と水素発生量との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…………水素発生装置 2…………ユニット 3…………保持部材 6…………密封容器 7…………粉末供給器 18………貯水部 19………水 21………水素溜め室 42………ペレットMg合金粉末 58………粒状Mg 59………触媒金属粒子 60………Mg合金粒子 F…………燃料電池 p…………Mg合金粉末
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 貴紀 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 磯辺 武揚 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H027 AA02 BA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg合金粉末(p)と水(19)とを反
    応させて水素を発生させる装置であって,下部に貯水部
    (18)を有し,その貯水部(18)の水面(20)上
    方の空間を水素溜め室(21)とした少なくとも1つの
    密封容器(6)と,その密封容器(6)に付設されて,
    前記Mg合金粉末(p)を前記貯水部(18)に供給す
    る粉末供給器(7)とを有し,前記Mg合金粉末(p)
    として,粒状Mg(58)と,その粒状Mg(58)の
    表面および内部に存在する複数の触媒金属微粒子(5
    9)とよりなるMg合金粒子(60)の集合体に水素化
    処理を施したものを用い,前記触媒金属微粒子(59)
    はNi微粒子,Ni合金微粒子,Fe微粒子,Fe合金
    微粒子,V微粒子,V合金微粒子,Mn微粒子,Mn合
    金微粒子,Ti微粒子,Ti合金微粒子,Cu微粒子,
    Cu合金微粒子,Ag微粒子,Ag合金微粒子,Ca微
    粒子,Ca合金微粒子,Zn微粒子,Zn合金微粒子,
    Zr微粒子,Zr合金微粒子,Co微粒子,Co合金微
    粒子,Cr微粒子,Cr合金微粒子,Al微粒子および
    Al合金微粒子から選択される少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする水素発生装置。
  2. 【請求項2】 純Mg粉末と水(19)とを反応させて
    水素を発生させる装置であって,下部に貯水部(18)
    を有し,その貯水部(18)の水面(20)上方の空間
    を水素溜め室(21)とした少なくとも1つの密封容器
    (6)と,その密封容器(6)に付設されて,前記純M
    g粉末を前記貯水部(18)に供給する粉末供給器
    (7)とを有し,前記純Mg粉末として,純Mg粒子の
    集合体に水素化処理を施したものを用いることを特徴と
    する水素発生装置。
  3. 【請求項3】 前期密封容器(6)と粉末供給器(7)
    とが1つのユニット(2)を構成し,そのユニット
    (2)を複数備えている,請求項1または2記載の水素
    発生装置。
  4. 【請求項4】 前記粉末供給器(7)を前記密封容器
    (6)内に配置した,請求項1,2または3記載の水素
    発生装置。
  5. 【請求項5】 前記各ユニット(2)は1つの保持部材
    (3)に着脱可能である,請求項3または4記載の水素
    発生装置。
  6. 【請求項6】 前記各ユニット(2)の水素溜め室(2
    1)は1つの配管(4)を介して燃料電池(F)に接続
    される,請求項3,4または5記載の水素発生装置。
  7. 【請求項7】 前記Mg合金粉末(p)より成形された
    ペレット(42)を用いる,請求項1,3,4,5また
    は6記載の水素発生装置。
  8. 【請求項8】 前記純Mg粉末より成形されたペレット
    を用いる,請求項2,3,4,5または6記載の水素発
    生装置。
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