JP2011256070A - 水素発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動条件下でも金属材料の水への投入量を精度良く制御することにより水素の発生量を安定的に制御すること。
【解決手段】水素発生装置は、金属材料を水32の中に投入して水32と反応させることにより水素を発生させる。金属材料は、円形の断面形状を有する金属粒31であり、金属粒31を水32の中へ向けて個別に送り出すための送り出し装置35を備える。送り出し装置35は、金属粒31を個別に送り出すための送り出し管41と、金属粒31を送り出し管41へ順次に送るための送り装置42とを備える。送り出し管41は、弾性体で形成され、金属粒31の外周が密接する内部形状を有する。送り装置42には、ホッパ34に収容された金属粒31が送り込まれる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、金属材料を水と反応させて水素を発生させる水素発生装置に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される水素供給装置が知られている。この装置は、金属材料である金属粒子の集合物を水と反応させて水素を発生させる機能と、水素を貯蔵する機能と、水素を水素需要装置の要求に応じて、その装置に給送する機能とを備える。金属材料を水と反応させるために、この装置は、ホッパに収容された金属材料を、ホッパ出口から自重により落下させて耐圧容器の中の水に投入するように構成される。ここで、金属材料の水への投入量は、ホッパ出口に設けられた投入用開閉弁の開度により調節されるように構成される。
特開2003−292302号公報 特開2003−221202号公報
ところが、特許文献1に記載の装置では、金属粒子の集合物をホッパ出口から自重により落下させていたので、例えば、この装置を車両に搭載した場合に、車両振動等の影響を受けて、金属粒子の集合物の投入量を精度良く制御することが難しかった。すなわち、金属粒子の集合物の流動性は、振動や温度・湿度等の影響を受けて変動しやすく、特に振動の影響が大きい傾向がある。このため、投入用開閉弁の開度を調節しても、振動等によりホッパ出口からの金属粒子の集合物の落下量が変動し、その集合物の水への投入量が変動するおそれがあった。この結果、水素の発生量を安定的に制御できなくなる懸念があった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、振動条件下でも金属材料の水への投入量を精度良く制御することにより水素の発生量を安定的に制御することを可能とした水素発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、金属材料を水中に投入して水と反応させることにより水素を発生させる水素発生装置において、金属材料は、円形の断面形状を有する金属粒であることと、金属粒を水中へ向けて個別に送り出すための送り出し手段とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、金属材料が、円形の断面形状を有する金属粒より構成されるので、金属粒の流動性は、金属粒子の集合物のそれと比べて、振動や温度・湿度等の影響を受け難い。また、金属粒が、送り出し手段により個別に送り出されるので、金属粒の水中への投入量が、金属粒の個数として決定される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、送り出し手段は、金属粒を個別に送り出すための送り出し管と、金属粒を送り出し管へ順次に送るための送り装置とを備え、送り出し管は、弾性体で形成され、金属粒の外周が密接する内部形状を有することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、金属粒は、送り装置により送り出し管へ順次に送られ、送り出し管から個別に送り出されて水中へ投入される。ここで、送り出し管は、弾性体で形成され、金属粒の外周が密接する内部形状を有するので、金属粒と送り出し管との間に気密性が得られる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、送り装置は、切欠き部を有する案内管と、案内管に入った金属粒に対し、切欠き部を通じて所定の送りを付与するための送り機構とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項2に記載の発明の作用に加え、案内管に入った金属粒は、送り機構が動作することで、案内管に案内されながら、切欠き部を通じて、送り機構により所定の送りが付与される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、送り出し管は、内部に括れ部を有することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項2又は3に記載の発明の作用に加え、送り出し管の内部を通る金属粒は、括れ部にて送り出し管とより多く密接する。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、送り機構は、金属粒を挟んで互いに反対方向へ回転する一対のローラと、一対のローラを駆動するための駆動源とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、駆動源により一対のローラが互いに反対方向へ回転することにより、両ローラの間に挟まれた金属粒に送りが付与され、案内管の中を金属粒が特定方向へ送られる。ここで、一対のローラの回転量を制御することにより、金属粒の送り量が調節可能である。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、送り機構は、金属粒を押圧するための往復運動可能なピストンを有するアクチュエータであることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、アクチュエータが動作して往復運動可能なピストンにより金属粒が押圧されることにより、ピストンのストローク回数(往復運動回数)により金属粒の送り数量がコントロールされる。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明において、金属粒は、円球形状をなすことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の作用に加え、円球形状の金属粒は、全方向において円形の断面形状を有し、全外周面にて転動可能であると共に、管材の内部に外接可能である。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明において、金属粒は、長球形状をなすことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の作用に加え、長球形状の金属粒は、短径方向において円形の断面形状を有し、短径方向の外周面にて転動可能であると共に、管材の内部に外接可能である。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明において、金属粒は、円柱形状をなすことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の作用に加え、円柱形状の金属粒は、軸線と直交する方向に円形の断面形状を有し、その外周面にて転動可能であると共に、管材の内部に外接可能である。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一つに記載の発明において、車両に搭載されることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至9の何れか一つに記載の発明の作用に加え、車両に搭載され水素発生装置は、車両の走行時に厳しい振動条件下に置かれることになる。
請求項1に記載の発明によれば、振動条件下でも金属材料の水への投入量を精度良く制御することができ、水素の発生量を安定的に制御することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、水素をシールしながら金属粒を送り出すことができる。このため、水素の外部への洩れを防止することができ、水素発生装置を運転しながら、安全に金属粒を補充することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、金属粒を、個別に順次に、送り出し管へ送ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果に対し、送り出し管における水素のシール性を向上させることができ、水素の外部への洩れをより確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、駆動源の動作を制御することで、金属粒の送り量を容易に制御することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、アクチュエータの動作を制御することで、金属粒の送り量を容易に制御することができ、また、送り装置の構成を簡略化することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の効果に加え、送り出し手段を使用することで、金属粒を最も円滑に送り出すことができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の効果に加え、送り出し手段を使用することで、金属粒を円滑に送り出すことができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れか一つに記載の発明の効果に加え、送り出し手段を使用することで、金属粒を円滑に送り出すことができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9の何れか一つに記載の発明の効果に加え、車両走行時の厳しい振動条件下でも、水素の発生量を安定的に制御することができる。
第1実施形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。 同実施形態に係り、一つの金属粒を拡大して示す正面図。 同実施形態に係り、送り出し装置を構成する送り装置の概略を示す正面図。 同実施形態に係り、送り装置を示す側面図。 同実施形態に係り、案内管と、その中の金属粒を示す側面図。 同実施形態に係り、送り出し管を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 第2実施形態に係り、送り装置を示す側面図。 同実施形態に係り、送り装置の作用を示す側面図。 第3実施形態に係り、送り出し管を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 同実施形態に係り、送り出し管の作用を示す断面図。 別の実施形態に係り、一つの金属粒を拡大して示す正面図。 別の実施形態に係り、一つの金属粒を拡大して示す正面図。
<第1実施形態>
以下、本発明の水素発生装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、燃料電池システムを概略構成図により示す。この実形態で、燃料電池システムは、車両である電気自動車1に搭載され、走行用モータ(図示略)に電力を供給するように構成される。この燃料電池システムは、燃料電池装置2と、その装置2に燃料である水素(H2)を供給するために、水素を発生させる水素発生装置3と、それら装置2,3を制御するためのコントローラ4とを備える。
燃料電池装置2は、燃料電池11と、燃料電池11に水素を供給する水素配管12と、燃料電池11に空気を供給する空気配管13と、空気配管13に設けられたエアポンプ14及びエアクリーナ15と、燃料電池11から排気ガスを排出する第1排気配管16及び第2排気配管17と、第1排気配管16に設けられた第1排気制御弁18と、その排気配管16に設けられた排水配管19及び排水制御弁20と、第2排気配管17に設けられた第2排気制御弁21とを備える。エアポンプ14、第1排気制御弁18、排水制御弁20及び第2排気制御弁21は、それぞれコントローラ4に電気的に接続され、コントローラ4により制御されるように構成される。
水素発生装置3は、金属材料である金属粒31を水中に投入し、水と反応させて水素を発生させるように構成される。すなわち、水素発生装置3は、反応用の水32を収容する水素反応槽33と、水素反応槽33の水32の中に投入される金属粒31を多量に収容したホッパ34と、ホッパ34から水素反応槽33の水32の中へ向けて金属粒31を個別に送り出すための送り出し手段である送り出し装置35とを備える。
水素反応槽33は、水素の圧力に耐えうる耐圧槽として構成される。水素反応槽33には、水素配管12が接続され、その水素配管12に水素制御弁36が設けられる。水素反応槽33には、排液配管37が設けられ、排液配管37には、排液制御弁38が設けられる。また、水素反応槽33には、燃料電池装置2の排水配管19が接続され、燃料電池装置2の排水を水素反応槽33に投入可能に構成される。更に、水素反応槽33には、同槽33の中の水位を検出するための水位センサ39が設けられる。
送り出し装置35は、金属粒31を個別に送り出すための送り出し管41と、ホッパ34に収容された金属粒31を送り出し管41へ順次に送るための送り装置42とを備える。送り出し管41は、ゴム等の弾性体により形成され、金属粒31の外周が密接する内部形状を有する。ホッパ34は、漏斗形状をなし、その出口から金属粒31が一個ずつ送り出し装置35へ向けて下降するように構成される。水素制御弁36、排液制御弁38、水位センサ39及び送り装置42は、それぞれコントローラ4に電気的に接続される。水素制御弁36、排液制御弁38及び送り装置42は、コントローラ4により制御されるように構成される。
従って、図1に示すように、水素発生装置3では、ホッパ34に収容された多数の金属粒31が、送り出し装置35により個別に送り出されて、水素反応槽33の水32の中に投入される。これにより、水素反応槽33の中で、金属粒31が水32と反応して水素が発生する。発生した水素は、水素反応槽33の中に一旦貯められる。そして、水素制御弁36が適宜開かれることにより、水素反応槽33の中の水素が、水素配管12を通じて燃料電池装置2の燃料電池11に供給され、発電反応に供される。
図2に、一つの金属粒31を拡大して正面図により示す。この実施形態で、金属粒31は、例えば、マグネシウム(Mg)等の金属材料により、円形の断面形状を有する円球形状に形成される。この金属粒31は、粉体を固めたものでも、成形したものでもよく、例えば「2mm」程度の半径を有する。
図3に、送り出し装置35を構成する送り装置42の概略を正面図により示す。図4に、送り装置42を側面図により示す。図3,4に示すように、送り装置42は、切欠き部46aを有する案内管46と、案内管46に入った金属粒31に対し、切欠き部46aを通じて所定の送りを付与するための送り機構47とを備える。
図5に、案内管46と、その中の金属粒31を側面図により示す。案内管46は、垂直に配置され、金属粒31の外径とほぼ同じ内径を有する。案内管46では、ホッパ34の出口から降下した金属粒31が下方へ案内される。図3,5に示すように、案内管46の左右両脇に、一対の切欠き部46aが形成される。図5に示すように、切欠き部46aは、軸方向に延びる長孔となっている。この切欠き部46aから、案内管46の中にて上下に連なる少なくとも2個の金属粒31の一部が露出するようになっている。
図3,4に示すように、送り機構47は、少なくとも2個の金属粒31を挟んで互いに反対方向へ回転する一対のローラ48,49と、それらローラ48,49を駆動するために各ローラ48,49に設けられた駆動源としてのモータ50とを備える。各ローラ48,49は、ベルト式のものであり、それぞれ駆動プーリ51及び従動プーリ52と、それらプーリ51,52に巻かれたリングベルト53とを含む。各プーリ51,52は、回転軸54,55と一体回転可能に設けられる。回転軸54,55は、軸受56を介してブラケット(図示略)に支持される。一方の回転軸54は、モータ50により回転駆動されるようになっている。一対のローラ48,49は、それらのリングベルト53が互いに逆方向へ回転(周回)するようになっている。リングベルト53の表面には、滑り止めを施すことが望ましい。
従って、この送り機構47によれば、両ローラ48,49がモータ50により互いに反対方向へ回転することにより、両ローラ48,49の間に挟まれた金属粒31に、案内管46の切欠き部46aを通じて、図面下方へ向けて、すなわち送り出し管41へ向けて、所定の送りが付与される。ここで、両ローラ48,49がゆっくりと回転することで、金属粒31がゆっくりと送られる。両ローラ48,49が速く回転することで、金属粒31が速く送られる。そして、両ローラ48,49の回転量を制御することで、金属粒31の送り量を調節することが可能である。この送り機構47の場合、一度に少なくとも2個の金属粒31に送りを付与して、送り出し管41へ送ることができる。
図6に、送り出し管41を断面図により示す。図7〜図9に、それぞれ送り出し管41の作用を断面図により示す。この送り出し管41は、ゴム等の弾性体により形成され、金属粒31の外周面が密接する内部形状を有する。また、送り出し管41は、内部に上下2つの括れ部41a,41bを有する。送り出し管41には、上記した送り装置42の案内管46から送り出された金属粒31が、順次に押し込まれるようになっている。
図1に示すように、送り出し管41の出口部41cは、水素反応槽33の入口部33aに接続される。そして、送り出し管41の出口部41cから個別に送り出される金属粒31が、自重により落下することで、水素反応槽33の水32の中へ投入されるようになっている。
ここで、図7に示すように、送り出し管41の中に、複数の金属粒31が押し込まれた状態では、各金属粒31の外周面の一部が、送り出し管41の内周面に密接すると共に、2つの金属粒31の外周面の一部が、括れ部41a,41bの一部に密接して係合する。これにより、金属粒31と送り出し管41との間に気密性が得られる。
その後、図8に示すように、送り出し管41の中に金属粒31が上から押し込まれることにより、括れ部41a,41bが金属粒31により押し拡げられて変形し、金属粒31が下方へ送られる。このとき、送り出し管41の出口部41cから、金属粒31が個別に送り出される。
一方、図9において、金属粒31の押し込みが停止した状態では、送り出し管41の出口部41cの側から、水素反応槽33の中の水素の圧力が、金属粒31を押し上げるように作用する。このときも、各金属粒31の外周面の一部が、送り出し管41の内周面に密接すると共に、下側の1つの金属粒31の外周面の一部が、括れ部41aの一部に密接して係合する。これにより、金属粒31と送り出し管41との間に気密性が得られる。
以上説明したこの実施形態の水素発生装置3によれば、水32の中に投入される金属材料が円形の断面形状を有する円球形状の金属粒31により構成されるので、金属粒31の流動性は、金属粒子の集合物のそれと比べて、振動や温度・湿度等の影響を受け難くなる。すなわち、振動の有無、温度・湿度等の変化にかかわらず、金属粒31の流動性は変わることが少ない。また、金属粒31が、送り出し装置35により個別に送り出されるので、水32の中への金属粒31の投入量が、金属粒31の個数として決定される。すなわち、送り出し装置35を制御することで、金属粒31をいくつ水32の中に投入したかを決定することができる。このため、振動等の条件下でも金属粒31の水32への投入量を、金属粒31の個数により精度良く制御することができる。この意味で、水素発生装置3として、水素の発生量を安定的に制御することができる。また、金属粒31と送り出し管41との間に気密性が得られているので、水素の外部への洩れを防止することができ、水素発生装置3を運転しながら、安全に金属粒の補充をすることが可能となる。
特に、この実施形態のように、電気自動車1に搭載され水素発生装置3では、電気自動車1の走行時に厳しい振動条件下に置かれることになる。しかし、この水素発生装置3の上記構成により、走行時の厳しい振動条件下でも、水素の発生量を安定的に制御することができる。
この実施形態では、金属粒31が、送り装置42により送り出し管41へ順次に送られ、送り出し管41から個別に送り出されて水32の中へ投入される。ここで、送り出し管42は、ゴム等の弾性体により形成され、金属粒31の外周が密接する内部形状を有するので、金属粒31と送り出し管41との間に気密性が得られる。つまり、送り出し管41では、金属粒31と送り出し管41との協働により、気体のシール性が得られる。このため、水素反応槽33の中の水素の圧力が送り出し管41に作用しても、その水素が送り出し管41の外部へ洩れることを防止することができる。つまり、この送り出し装置35によれば、水素をシールしながら金属粒31を送り出すことができる。
特に、この実施形態では、送り出し管41の内部を通る金属粒31が、括れ部41a,41bにて送り出し管41とより多く密接することになる。この意味で、送り出し管41における水素のシール性を向上させることができ、水素の外部への洩れをより確実に防止することができる。
また、この実施形態の送り装置42によれば、案内管46に入った金属粒31は、送り機構47が動作することで、案内管46に案内されながら、切欠き部46aを通じて、送り機構47により所定の送りが付与される。このため、金属粒31を、個別に順次に、送り出し管41へ送ることができる。
特に、この実施形態の送り機構47では、一対のローラ48,49が互いに反対方向へ回転することにより、両ローラ48,49の間に挟まれた少なくとも2個の金属粒31に送りが付与され、案内管46の中を金属粒31が送り出し管41の方向へ積極的に送られる。ここで、モータ50を制御することで、一対のローラ48,49の回転量を制御することにより、金属粒31の送り量を調節することが可能である。このため、モータ50の回転を制御することで、金属粒31の送り量を容易に制御することができる。また、この送り機構47では、少なくとも2個の金属粒31に対して送りを付与することができる。
この実施形態では、金属材料として円球形状の金属粒31を使用しているので、金属粒31は、全方向において円形の断面形状を有し、全外周面にて転動可能であると共に、案内管46や送り出し管41の内部と外接可能である。このため、上記した送り出し装置35を使用することで、水素のシール性を確保しながら、金属粒31を最も円滑に送り出すことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の水素発生装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、送り装置61の構成の点で第1実施形態の構成と異なる。図10に、この実施形態の送り装置61を側面図により示す。図11に、この送り装置61の作用を側面図により示す。この送り装置61は、切欠き部62aを有する案内管62と、案内管62に入った金属粒31に対し、切欠き部62aを通じて所定の送りを付与するための送り機構63とを備える。案内管62は、「く」の字状に屈折し、垂直部62bと傾斜部62cとを含む。傾斜部62cには、ホッパ34から降下した金属粒31が自重により直列的に並ぶようになっている。図10に示すように、傾斜部62cの最下位に位置する金属粒31Aは、切欠き部62aから上部が露出した状態で、垂直部62bの内壁に当接して止まる。送り機構63は、案内管62の切欠き部62aを通じて金属粒31を押圧するための往復運動可能なピストン64aを有するアクチュエータ64より構成される。このアクチュエータ64は、通電によりピストン64aを突出させ、非通電によりピストン64aを没入させるように構成される。
従って、アクチュエータ64のピストン64aを通電により突出させることにより、図11に示すように、切欠き部62aを通じて、金属粒31がピストン64aにより下方へ押圧され、金属粒31が案内管62(垂直部62b)を下方へ送られる。
以上説明したこの実施形態の水素発生装置によれば、送り装置61において、アクチュエータ64が動作して往復運動可能なピストン64aにより金属粒31が押圧されることにより、ピストン64aのストローク回数(往復運動回数)により金属粒31の送り数量がコントロールされる。この実施形態では、送り機構63が1つのアクチュエータ64のみにより構成されるので、送り装置61の構成を簡略化することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の水素発生装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、送り出し管71の構成の点で、第1及び第2の実施形態と構成が異なる。図12に、この実施形態の送り出し管71を断面図により示す。図13〜図15に、それぞれ送り出し管71の作用を断面図により示す。この送り出し管71は、ゴム等の弾性体により形成され、金属粒31の外周面が密接する内部形状を有する。また、送り出し管71は、内部に2つの括れ部71a,71bを有する。この実施形態では、送り出し管71の内部が鍔状に形成されることで、各括れ部71a,71bが形成される。この送り出し管71には、送り装置42の案内管46により案内された金属粒31が、順次に押し込まれる。
ここで、図13に示すように、送り出し管71の中に、複数の金属粒31が押し込まれた状態では、各金属粒31の外周面の一部が、送り出し管71の内周面に密接すると共に、2つの金属粒31の外周面の一部が、括れ部71a,71bの一部に密接して係合する。これにより、金属粒31と送り出し管71との間に気密性が得られる。
その後、図14に示すように、送り出し管71の中の金属粒31が上から押し込まれることにより、括れ部71a,71bが金属粒31により押し拡げられて変形し、金属粒31が下方へ送られる。このとき、送り出し管71の出口部から、金属粒31が個別に送り出される。
一方、図15において、金属粒31の押し込みが停止した状態では、送り出し管71の出口部の側から、水素反応槽33の中の水素の圧力が、金属粒31を押し上げるように作用する。このときも、各金属粒31の外周面の一部が、送り出し管71の内周面に密接すると共に、下側の1つの金属粒31の外周面の一部が、括れ部71aの一部に密接して係合する。これにより、金属粒31と送り出し管71との間に気密性が得られる。
以上説明したこの実施形態の水素発生装置によれば、送り出し管71の内部が鍔状に形成されることで、各括れ部71a,71bが形成されるので、第1実施形態の送り出し管41に比べて、金属粒31と各括れ部71a,71bとの密接面積が増える。この意味で、第1実施形態と比べ、送り出し管71における水素のシール性を向上させることができ、水素の外部への洩れを防止することができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
例えば、前記各実施形態では、図2に示すように、金属材料を、円球形状の金属粒31としたが、金属材料を、図16に示すように長球形状の金属粒76とすることもできる。この金属粒76は、例えば「2mm」程度の短径と「4mm」程度の長径を有する。この場合、長球形状の金属粒76も、円形の断面形状を有することから、送り出し管の中に押し込まれることで、個別に送り出すことが可能である。また、長球形状の金属粒76は、短径方向において円形の断面形状を有し、短径方向の外周面にて転動可能であると共に、案内管や送り出し管の内部と外接可能である。つまり、この金属粒76は、その長径方向に沿って、案内管や送り出し管の中を移動可能である。この意味で、送り出し装置を使用することで、金属粒76を円滑に送り出すことができる。
また、前記各実施形態では、図2に示すように、金属材料を、円球形状の金属粒31としたが、金属材料を、図17に示すように円柱形状の金属粒77とすることもできる。この金属粒77は、例えば「4mm」程度の軸長と「2mm」程度の半径を有する。この場合、円柱形状の金属粒77も、円形の断面形状を有することから、送り出し管の中に押し込まれることで、個別に送り出すことが可能である。また、円柱形状の金属粒77は、軸線と直交する方向に円形の断面形状を有し、その外周面にて転動可能であると共に、案内管や送り出し管の内部と外接可能である。つまり、この金属粒77は、その軸線方向に沿って、案内管や送り出し管の中を移動可能である。この意味で、送り出し装置を使用することで、金属粒77を円滑に送り出すことができる。
この発明は、例えば、燃料電池に供給される水素を発生させるために利用することができる。
1 電気自動車(車両)
3 水素発生装置
31 金属粒
31A 金属粒
32 水
35 送り出し装置(送り出し手段)
41 送り出し管
41a 括れ部
41b 括れ部
41c 出口部
42 送り装置
46 案内管
46a 切欠き部
47 送り機構
48 ローラ
49 ローラ
50 モータ(駆動源)
61 送り装置
62 案内管
62a 切欠き部
63 送り機構
64 アクチュエータ
64a ピストン
71 送り出し管
71a 括れ部
71b 括れ部
76 金属粒
77 金属粒

Claims (10)

  1. 金属材料を水中に投入して水と反応させることにより水素を発生させる水素発生装置において、
    前記金属材料は、円形の断面形状を有する金属粒であることと、
    前記金属粒を前記水中へ向けて個別に送り出すための送り出し手段と
    を備えたことを特徴とする水素発生装置。
  2. 前記送り出し手段は、前記金属粒を個別に送り出すための送り出し管と、前記金属粒を前記送り出し管へ順次に送るための送り装置とを備え、
    前記送り出し管は、弾性体で形成され、前記金属粒の外周が密接する内部形状を有することを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記送り装置は、切欠き部を有する案内管と、前記案内管に入った前記金属粒に対し、前記切欠き部を通じて所定の送りを付与するための送り機構とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の水素発生装置。
  4. 前記送り出し管は、内部に括れ部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の水素発生装置。
  5. 前記送り機構は、前記金属粒を挟んで互いに反対方向へ回転する一対のローラと、前記一対のローラを駆動するための駆動源とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
  6. 前記送り機構は、前記金属粒を押圧するための往復運動可能なピストンを有するアクチュエータであることを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
  7. 前記金属粒は、円球形状をなすことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の水素発生装置。
  8. 前記金属粒は、長球形状をなすことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の水素発生装置。
  9. 前記金属粒は、円柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の水素発生装置。
  10. 車両に搭載されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一つに記載の水素発生装置。
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