JP2008156159A - 水素発生装置及び発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な方法によって必要に応じた発生水素速度を容易に制御できる水素発生装置、及びそのような水素発生装置を用いた発電システムを提供すること。
【解決手段】本発明の水素発生装置によれば、液体が貯留されている反応室へは、水素発生源投入手段により、その反応室に貯留されている液体による分解反応によって水素が発生する水素発生源を含む水素発生源含有製剤が投入される。ここで、水素発生源含有製剤は、水素発生源が、反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されているので、反応室内において外被が溶解され、該液体による分解反応によって水素が発生する。よって、反応室内へ1回あたりに投入する水素発生源含有製剤の量の増減によって水素発生量を増減することができるので、例えば、燃料電池からの水素要求量の変動に応答よく追従させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の水素発生装置によれば、液体が貯留されている反応室へは、水素発生源投入手段により、その反応室に貯留されている液体による分解反応によって水素が発生する水素発生源を含む水素発生源含有製剤が投入される。ここで、水素発生源含有製剤は、水素発生源が、反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されているので、反応室内において外被が溶解され、該液体による分解反応によって水素が発生する。よって、反応室内へ1回あたりに投入する水素発生源含有製剤の量の増減によって水素発生量を増減することができるので、例えば、燃料電池からの水素要求量の変動に応答よく追従させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、水素発生装置及び発電システムに関し、特に、水素発生量を容易に制御し得る水素発生装置及びそのような水素発生装置を用いた発電システムに関するものである。
水素と酸素との電気化学反応によって起電力を得る燃料電池は、発電効率が高く、大気汚染や騒音などの環境負荷が比較的少ないことから、省エネルギーかつクリーンな発電システムとして注目されている。かかる燃料電池へは、反応物として水素及び酸素の供給が必要となるが、酸素が空気によって通常賄われるのに対して、水素の供給方法としては種々の方法が提案されている。
水素の供給方法の1つとして、水素源としての金属水素化物の加水分解反応により発生する水素を供給する方法が知られている。かかる加水分解反応は常温に近い比較的低い温度であっても急速に進行する、即ち、加熱によるエネルギー消費が少なくてすむので、エネルギー効率が向上する。そのため、かかる加水分解反応を利用する水素供給方法は、近年において注目されている。
その一方で、金属水素化物の加水分解反応は、常温に近い比較的低い温度であっても急速に進行するという利点を有する反面、水素発生量の制御が困難であるという問題がある。金属水素化物の加水分解反応を利用する従来の水素供給方法において、水素発生量の制御は、金属水素化物への水の供給量及び供給速度を変化させることによって行なわれる。しかし、水の供給量や供給速度を変化させて行なわれる水素発生速度の制御は、水素を利用する機器から要求される水素量(水素要求量)が随時変化する場合において追従性が悪く、特に、水素要求量がゼロとなった場合であっても水素の発生を急に止めることができない。
ところで、燃料電池はその都度の負荷電力に応じた負荷追従性が要求されるため、かかる要求を満たすべく技術開発が進められており、いくつかの提案がなされている。例えば、特開2002−154802号公報(特許文献1)には、内部に金属水素化物の固まりを保持させた反応器を複数配設し、水素要求量に応じて決定された数の反応器に対応する電磁弁を開放して水蒸気を流入させることによって水素発生量を必要に応じて制御できる水素ガス生成装置が記載されている。
また、特開2002−137903号公報(特許文献2)には、反応器内において金属水素化物を微粉化する機構を設け、かかる機構によって微粉化された金属水素化物を、水蒸気が充満した反応器内に拡散させて粉塵爆発させることによって水素を得る水素ガス生成装置が記載されている。なお、特許文献2には、予め微粉化された金属水素化物を噴射する態様をとることも可能であることも記載されている。かかる方法によれば、微粉化された金属水素化物の量を制御することによって、水素発生量を必要に応じて制御することが可能である。
特開2002−154802号公報(図1及び図2など)
特開2002−137903号公報(図3など)
しかしながら、特許文献1に記載される水素ガス生成装置は、複数の反応器や反応器毎に設置される複数の電磁弁など装置構成が複雑になるばかりか、各電磁弁の開閉にかかわる制御などの制御機構が複雑化されるので、装置の製造コストが増大するという問題点があった。
また、特許文献2に記載されるように反応器内において金属水素化物を微粉化する機構を設けた水素ガス生成装置には、装置構成が複雑化されるために装置の製造コストが増大するという問題点があった。一方、予め微粉化された金属水素化物を噴射する態様をとる場合には、微粉化された金属水素化物は供給経路や供給ポンプなど装置内に詰まり易いので、その取り扱いが煩雑であるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡易な方法によって必要に応じた発生水素速度を容易に制御できる水素発生装置、及びそのような水素発生装置を用いた発電システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の水素発生装置は、水、アルコール、又はそれらの混合物である液体を貯留する反応室と、その反応室に貯留されている液体による分解反応によって水素を発生する水素発生源を含む水素発生源含有製剤を、前記反応室へ投入する水素発生源投入手段と、前記反応室内で発生した水素を外部へ排出する排出路とを備え、前記水素発生源含有製剤は、前記水素発生源が、前記反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されたものである。
請求項2記載の水素発生装置は、請求項1記載の水素発生装置において、前記水素発生源含有製剤は、前記水素発生源に加え、前記反応室に貯留されている液体との接触によって発熱する発熱剤を含む。
請求項3記載の水素発生装置は、請求項1又は2に記載の水素発生装置において、前記水素発生源含有製剤を貯蔵する水素発生源貯蔵室と、前記水素発生源貯蔵室と前記反応室との間に設けられた準備室と、その準備室と前記水素発生源貯蔵室との間を区切る開閉可能な第1の開閉部材と、前記準備室と前記反応室との間を区切る開閉可能な第2の開閉部材とを備えている。
請求項4記載の水素発生装置は、請求項3記載の水素発生装置において、前記水素発生源投入手段は、前記第2の開閉部材を閉鎖した状態で前記第1の開閉部材を開放し、前記水素発生源含有製剤を前記水素発生源貯蔵室から前記準備室へ移動させる第1の移動手段と、その第1の移動手段によって前記水素発生源含有製剤が移動された後、前記第1の開閉部材を閉鎖した状態で前記第2の開閉部材を開放し、前記水素発生源含有製剤を前記準備室から前記反応室へ移動させる第2の移動手段とを備えている。
請求項5記載の水素発生装置は、請求項3又は4に記載の水素発生装置において、前記準備室を除湿する除湿手段を備えている。
請求項6記載の水素発生装置は、請求項1から5のいずれかに記載の水素発生装置において、前記反応室に貯留されている液体を凝固させる後処理剤を含む後処理用製剤を前記反応室へ投入する後処理手段を備え、前記後処理用製剤は、前記後処理剤が、前記反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されたものである。
請求項7記載の水素発生装置は、請求項1から6のいずれかに記載の水素発生装置において、所定期間内に発生すべき水素の量を取得する水素発生量取得手段と、その水素発生量取得手段により取得された前記発生すべき水素の量に対応する前記水素発生源含有製剤の量を取得する投入量取得手段とを備え、前記水素発生源投入手段は、前記投入量取得手段により取得された量の前記水素発生源含有製剤を前記反応室へ投入するものである。
請求項8記載の発電システムは、請求項1から7のいずれかに記載の水素発生装置と、その水素発生装置によって発生された水素を燃料ガスとし、該燃料ガスと酸素との電気化学反応を利用して起電力を得る燃料電池とを備えている。
請求項9記載の発電システムは、請求項8記載の発電システムにおいて、前記水素発生装置は、前記燃料電池に掛かる負荷量を取得する負荷量取得手段と、その負荷量取得手段により取得された負荷量に基づいて、所定期間内に発生すべき水素の量を取得する水素発生量取得手段と、その水素発生量取得手段により取得された前記発生すべき水素の量に対応する前記水素発生源含有製剤の量を取得する投入量取得手段とを備え、前記水素発生源投入手段は、前記投入量取得手段により取得された量の前記水素発生源含有製剤を前記反応室へ投入するものである。
請求項1記載の水素発生装置によれば、反応室には、水、アルコール、又はそれらの混合物である液体が貯留されており、かかる反応室へは、水素発生源投入手段により、その反応室に貯留されている液体による分解反応によって水素を発生する水素発生源を含む水素発生源含有製剤が投入される。
ここで、水素発生源投入手段によって反応室へ投入される水素発生源含有製剤は、水素発生源が、反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されているので、反応室内において外被が該液体によって溶解される。すると、水素発生源が該液体に露出されるので、該液体による分解反応(例えば、加水分解反応)が生じ、その結果、水素が発生する。このように反応室内にて発生した水素は、排出路から外部へ排出される。
請求項1記載の水素発生装置によれば、水素発生源が水素発生源含有製剤として使用されるので、水素発生源を水素発生源含有製剤の単位で反応室内へ投入することができる。そのため、各水素発生源含有製剤に含まれる水素発生源の量を規定することにより、1個あたりの水素発生源含有製剤から発生される水素量(水素発生量)を規定することができる。例えば、各水素発生源含有製剤に含まれる水素発生源の量を略一定にすることにより、水素発生源含有製剤1個あたりの水素発生量を略一定にすることができる。
よって、反応室内へ1回あたりに投入する水素発生源含有製剤の量(数量又は重量)の増減によって水素発生量を増減することができるので、水素を利用する機器(例えば、燃料電池)からの水素要求量の変動に応答よく追従させることができる。
例えば、水素を利用する機器からの水素要求量が増大した場合には、投入する水素発生源含有製剤の量を増やせばよく、水素を利用する機器からの水素要求量が減少した場合には、投入する水素発生源含有製剤の量を減らせばよい。よって、投入する水素発生源含有製剤の量の増減は容易な制御によって実現できる。即ち、容易な制御によって水素要求量に対する追従を行うことができる。
また、水素発生源含有製剤を用いて水素を発生させる場合、水素の発生は、反応室への水素発生源含有製剤の投入によって開始され、投入された水素発生源含有製剤に内包される水素発生源の分解反応の終了と共に終了するので、水素発生装置を停止することなく、水素発生源含有製剤の投入量をゼロ(即ち、投入しない)にすることにより、水素の発生を停止することができる。従って、水素を利用する機器からの水素要求量がゼロになった場合には、水素発生源含有製剤の投入量をゼロにすれば水素の発生を停止させることができるので、水素要求量がゼロになった場合であっても連続運転させることができる。
このように、請求項1記載の水素発生装置によれば、連続運転したまま、水素発生量を、水素を利用する機器からの水素要求量の変動に対し応答よく追従させることができるという効果がある。また、水素要求量に対する優れた追従性を有するにもかかわらず、従来のように反応室を複数設ける必要はなく、装置構成や制御機構の複雑化による装置コストの高騰を抑制できるという効果がある。
また、水素発生源は、反応性が高くそれ自体は取り扱い難い物質であるが、かかる水素発生源が外被に内包された水素発生源含有製剤として使用されるので、水素発生源の取り扱いが容易となるという効果がある。その結果、例えば、水素発生装置への水素発生源の供給作業を容易なものとすることができる。さらに、外部環境の湿気に耐え得るに十分なガスバリア性(気密性)を有する外被に水素発生源を内包させることにより、活性を劣化させることなく水素発生源を貯蔵(保存)することが可能となる。
また、水素発生源は、外被に内包された水素発生源含有製剤として反応室へ投入されるので、反応室の水に曝されるまでは水素発生源が露出せず、装置内において水素発生源の詰まりが発生することが抑制される。よって、詰まりによる故障が防止されると共に、装置管理が容易な水素発生装置を提供することができるという効果がある。
請求項2記載の水素発生装置によれば、請求項1記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。水素発生源含有製剤には、水素発生源に加え、反応室に貯留されている液体との接触によって発熱する発熱剤が含まれているので、水素発生源含有製剤が反応室に貯留されている液体と反応する際には、かかる液体の液温、特に、水素発生源含有製剤の近傍の液温が上昇する。その結果、水素発生源の分解反応が促進されるので、水素発生速度を速めることができるという効果がある。
請求項3記載の水素発生装置によれば、請求項1又は2に記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。水素発生源含有製剤を貯蔵する水素発生源貯蔵室と反応室との間には、準備室が設けられており、その準備室と水素発生源貯蔵室との間は、開閉可能な第1の開閉部材によって区切られており、準備室と反応室との間は、開閉可能な第2の開閉部材によって区切られている。
よって、準備室の存在により、反応室内に貯留されている液体の蒸気などの湿気が水素発生源貯蔵室へ入り込むことを抑制することができるので、水素発生源貯蔵室内に水素発生源含有製剤として貯蔵されている水素発生源の活性の劣化を防止することができるという効果がある。
請求項4記載の水素発生装置によれば、請求項3記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。水素発生源投入手段によって水素発生源貯蔵室から反応室へ水素発生源含有製剤が投入される場合には、まず、第1の移動手段により、準備室と反応室との間を区切る開閉可能な第2の開閉部材を閉鎖した状態で、準備室と水素発生源貯蔵室との間を区切る開閉可能な第1の開閉部材が開放される。その結果、水素発生源貯蔵室に貯蔵されていた水素発生源含有製剤が準備室へ移動する。
次いで、第2の移動手段によって、準備室と水素発生源貯蔵室との間を区切る開閉可能な第1の開閉部材を閉鎖した状態で、準備室と反応室との間を区切る開閉可能な第2の開閉部材が開放される。その結果、第1の移動手段によって準備室に移動した水素発生源含有製剤は、反応室へと投入される。
よって、水素発生源投入手段によって水素発生源貯蔵室から反応室へ水素発生源含有製剤が投入される際においても、第1の開閉部材又は第2の開閉部材のいずれか一方が閉鎖された状態に保たれるので、水素発生源含有製剤を貯蔵する水素発生源貯蔵室と反応室とが直接通じることがなく、反応室内に貯留されている液体の蒸気などの湿気が水素発生源貯蔵室へ入り込むことが有効に抑制される。その結果、水素発生源貯蔵室内に水素発生源含有製剤として貯蔵されている水素発生源の活性の劣化を有効に防止することができるという効果がある。
請求項5記載の水素発生装置によれば、請求項3又は4に記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。反応室内に貯留されている液体の蒸気などの湿気が準備室に入り込んだとしても、かかる湿気は除湿手段によって除湿されるので、水素発生源貯蔵室への湿気の混入が有効に抑制される。その結果、水素発生源貯蔵室内に水素発生源含有製剤として貯蔵されている水素発生源の活性の劣化を有効に防止することができるという効果がある。
請求項6記載の水素発生装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。反応室に貯留されている液体を凝固させる後処理剤を含む後処理用製剤が、後処理手段によって、反応室へ投入される。
ここで、後処理手段によって反応室に投入される後処理用製剤は、後処理剤が、反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されているので、反応室内において外被が該液体によって溶解される。すると、内包されていた後処理剤が該液体に露出されるので、後処理剤の作用によって反応室に貯留されている液体を固化させることができる。よって、反応室に貯留されている液体を固化させた状態で廃棄することができるので、廃棄作業にかかる負担が軽減されるという効果がある。
また、後処理用製剤は、後処理剤が外被に内包された形態に構成されているので、後処理剤の取り扱いや投入の制御という点においても都合が良いという効果がある。なお、特許請求の範囲及び明細書中において、用語「後処理剤」には、液体との化学反応によって液体と結合した結果として該液体を凝固させる凝固剤、又は、液体を吸液して膨潤した結果として該液体を固化する吸液剤(例えば、吸水剤)が包含されることを意図している。
請求項7記載の水素発生装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の水素発生装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。所定期間内に発生すべき水素の量が水素発生量取得手段によって取得されると、そのように取得された発生すべき水素の量に対応する水素発生源含有製剤の量が投入量取得手段によって取得される。そして、かかる投入量取得手段によって取得された量の水素発生源含有製剤が、水素発生源投入手段によって反応室へ投入される。
よって、所定期間内に発生すべき水素の量を発生することができる量の水素発生源含有製剤が反応室へ投入されるので、水素要求量の変動に対する追従性に優れるという効果がある。
請求項8記載の発電システムによれば、請求項1から7のいずれかに記載の水素発生装置によって発生された水素を燃料ガスとする燃料電池において、該燃料ガスと酸素との電気化学反応を利用して起電力を得る。よって、請求項1から7のいずれかに記載の水素発生装置の奏する効果と同様の効果を奏する。
特に、請求項1から7のいずれかに記載の水素発生装置は、水素発生量を、燃料電池からの水素要求量の変動に対し応答よく追従させることができるので、燃料電池の発電量を負荷電力に応答よく追従させることができる発電システムを提供し得るという効果がある。なお、特許請求の範囲及び明細書中において、用語「燃料電池」は、単セルの燃料電池に限定されることを意図するものではなく、複数のセルが電気的に接続された燃料電池スタックも含むことを意図している。
請求項9記載の発電システムによれば、請求項8記載の発電システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。かかる発電システムにおける水素発生装置では、燃料電池に掛かる負荷量が負荷量取得手段により取得されると、その負荷量取得手段により取得された負荷量に基づいて、所定期間内に発生すべき水素の量が水素発生量取得手段によって取得される。水素発生量取得手段によって発生すべき水素の量が取得されると、かかる発生すべき水素の量に対応する水素発生源含有製剤の量が投入量取得手段によって取得される。そして、かかる投入量取得手段によって取得された量の水素発生源含有製剤が、水素発生源投入手段によって反応室へ投入される。
よって、請求項9記載の発電システムによれば、水素発生装置が、燃料電池に掛かる負荷量に応じて所定期間内に発生すべき水素の量を発生することができる量の水素発生源含有製剤を反応室へ投入するので、燃料電池に掛かる負荷量に応じた水素量を発生して供給することができる。即ち、水素発生装置は、燃料電池からの水素要求量に対する優れた追従性を有しており、その結果として、燃料電池の発電量を負荷電力に応答よく追従させることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の水素発生装置10を有する発電システム100を示す模式図である。なお、図1における矢印A−Bは、水素発生装置10の上下方向を示すものであり、矢印A方向が上側を示し、矢印B方向が下側を示している。
図1に示すように、発電システム100は、水素発生装置10と、水素発生装置10へ供給する水を貯える水タンク20と、水素発生装置10から供給された水素とブロア(図示せず)によって取り込まれた空気(酸素)との電気化学反応によって起電力を得る燃料電池30とを備えている。
水素発生装置10は、燃料電池30で使用される燃料ガスとしての水素を化学的に生成し、燃料電池30へ供給する装置である。なお、本実施形態の水素発生装置10では、加水分解反応によって水素を発生する物質(水素発生源)を水中へ投入する方式を採用している。
図1に示すように、水素発生装置10は、水素発生源貯蔵室12と、貯蔵室12の下側(矢印B方向)に接続された準備室13と、準備室13の下側(矢印B方向)に接続された反応室14と、反応室14の上側(矢印A方向)に接続された後処理剤貯蔵室16と、制御ユニット50とを備えている。
水素発生源貯蔵室12は、水素発生源を貯蔵する室である。本実施形態では、水素発生源は、外被1a,1b(図2参照)に内包されたカプセル形態の製剤(反応用カプセル剤1)として水素発生源貯蔵室12に貯蔵されている。
ここで、図2を参照して、上述した反応用カプセル剤1について説明する。図2(a)は、反応用カプセル剤1の外観図であり、図2(b)は、反応用カプセル剤1の長軸方向の断面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態の水素発生装置10で使用される反応用カプセル剤1は、一端を閉じた交互に重ね合わせることができる一対の円筒体である外被1a,1bから構成される硬カプセルの形態をとるものであり、図2(b)に示すように、その内部には、水素発生源Xが内包されている。
外被1a,1bは、水溶性材料(例えば、ゼラチン、アラビアゴム、シクロデキストリン、メチルセルロースなど)から形成された水溶性の成形体である。なお、本実施形態では、ゼラチン製の成形体を外被1a,1bとして使用した。よって、本実施形態の反応用カプセル剤1は、水中において水溶性の外被1a,1bが溶解し、水素発生源Xを水に露出させ、その結果として、水素発生源Xを加水分解反応に供し、水素を発生させることができる。本実施形態の水素発生装置10では、かかる反応用カプセル剤1を、水Wが貯留された反応室14へ投入することによって水素を発生させる。
なお、反応用カプセル剤1の外被1a,1bは、外部環境の湿気に耐え得るに十分なガスバリア性(気密性)を有していることが好ましい。外部環境の湿気に耐え得るに十分な気密性を外被1a,1bに持たせることによって、水素発生源Xの活性が貯蔵中に劣化することを抑制できる。
一方、反応用カプセル剤1に内包される水素発生源Xとしては、加水分解反応によって水素を発生する種々の水素発生源を使用できる。例えば、活性化されたアルミニウム微粒子(以下、「活性アルミ微粒子」と称する)や、アルミニウム、ナトリウムなどの金属や、水素化リチウム(LiH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH)などのアルカリ金属水素化物や、水素化マグネシウム(MgH2)、水素化カルシウム(CaH2)、水素化ストロンチウム(SrH2)、水素化バリウム(BaH2)などのアルカリ土類金属水素化物や、水素化アルミニウム(AlH3)などの共有系水素化物や、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化アルミニウムナトリウム(NaAlH4)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化アルミニウムカリウム(KAlH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、水素化ホウ素マグネシウム(Mg(BH4)2)、水素化ホウ素カルシウム(Ca(BH4)2)、水素化ホウ素ストロンチウム(Sr(BH4)2)、水素化ホウ素バリウム(Ba(BH4)2)、水素化ホウ素鉄(Fe(BH4)4)などの錯金属水素化物などを、水素発生源Xとして使用することができる。
なお、反応用カプセル剤1に内包される水素発生源Xは、1種類の水素発生源であることに限定されず、2種類以上の水素発生源を混合したものであってもよい。また、反応用カプセル剤1に内包される水素発生源Xは、アルミニウム微粒子のような粒状形態であることに限定されず、水素発生源に外被1a,1bを溶解しない液体を適用することによって得られた溶液やエマルジョンなどの液状又はゲル状形態などであってもよい。
本実施形態では、水素発生源Xとして、活性アルミ微粒子を使用した。活性アルミ微粒子は、水素発生効率が良く、安価で環境に優しい物質であるので、水素発生源Xとして使用するに好適な物質である。かかる活性アルミ微粒子は、粉砕されたアルミニウム又はアルミニウム合金の微粒子(粒子径5〜20μm程度)内に微小なクラックを発生させた後、熱処理に供してクラック内にAlH2及びAlOを生成させて活性化させたものであり、例えば、特開2006−63405に記載される方法によって製造することができる。
なお、1個あたりの反応用カプセル剤1から発生される水素の量は、水素発生源Xの種類や内容量、及び、水温などの反応環境に応じて変動する。例えば、反応用カプセル剤1に内包される水素発生源Xが同じであり、反応環境が一定である場合には、内容量の増減によって水素発生量を増減させることができる。本実施形態では、説明が煩雑になることを防ぐ目的で、活性アルミ微粒子が同容量内包された反応用カプセル剤1を使用した。即ち、本実施形態では、1個あたりの水素発生量を一定である反応用カプセル剤1を使用した。
また、反応用カプセル剤1に内包される水素発生源Xの内容量を比較的少量にすることによって、水素発生量の微調整を可能にすると共に、発生した水素を停止する際のタイムラグを短くすることができる。
一般的に、水素発生源Xは、反応性が高いために取り扱い難い物質であるが、本実施形態の水素発生装置10では、かかる水素発生源Xを反応用カプセル剤1として使用するので、水素発生源の取り扱い(ハンドリング)を容易にすることができる。その結果、例えば、水素発生装置10(水素発生源貯蔵室12)への水素発生源の供給作業を容易なものとすることができる。
再度、図1に戻って説明する。準備室13は、水素発生源貯蔵室12に貯蔵されている反応用カプセル剤1を、加水分解反応に供するべく反応室14へ投入(移動)する前に一時的に待機させる室であり、水素発生源貯蔵室12の側に、バルブVAによって開閉される開閉部材13aを有していると共に、反応室14の側に、バルブVBによって開閉される開閉部材13bを有している。
水素発生源は、加水分解する物質であるため、湿気(水分)との接触によってその活性が劣化する。本実施形態の水素発生装置10によれば、反応用カプセル剤1として水素発生源を貯蔵する水素発生源貯蔵室12と、水Wが貯留される反応室14とが、準備室13の存在によって離隔されているので、反応室14内に充満する水蒸気(湿気)が、水素発生源貯蔵室12へ直接入り込むことを抑制することができる。その結果、水素発生源貯蔵室12内に貯蔵される水素発生源の活性の劣化を防止することができる。
また、詳細は後述するが、水素発生源貯蔵室12に貯蔵されている反応用カプセル剤1を、加水分解反応に供するべく反応室14へ投入する際には、まず、開閉部材13bを閉じた状態で、バルブVAの開放によって開閉部材13aを開放し、所定数の反応用カプセル剤1を準備室13へ移動させてから、次いで、開閉部材13aを閉じた状態で、バルブVBの開放によって開閉部材13bを開放し、準備室13内の反応用カプセル剤1を反応室14へ投入(移動)するように構成されている。
このように、本実施形態の水素発生装置10によれば、水素発生源貯蔵室12から反応室14へ反応用カプセル剤1を投入する場合において、開閉部材13a又は開閉部材13bのいずれか一方は閉じた状態に保たれるので、水素発生源貯蔵室12と反応室14とが直接通じることがない。そのため、反応室14から湿気が水素発生源貯蔵室12へ流入することを確実に抑制できる。
反応室14は、図1に示すように、水素発生源貯蔵室12及び後処理剤貯蔵室16が接続されている本体部14aと、本体部14aから取り外し可能な受皿部14bとから構成されている。なお、図1では、本体部14aと受皿部14bとを区別可能に図示する目的で、本体部14aと受皿部14bとの間には隙間が生じているかのように図示されているが、反応室14内にて発生した水素が外部へ漏洩しないように、受皿部14bは内部の密閉性を保つことができる形態で本体部14aに取り付けられている。
反応室14の本体部14aには、水供給管22が接続されている。かかる水供給管22を介して、水タンク20から給水ポンプ21によって取水された水(H2O)Wが反応室14内へ流入される。水供給管22から流入された水Wは、反応室14の底部に貯留される。
よって、図1に示すように、反応室14に水Wが貯留された状態で、水素発生源貯蔵室12から準備室13を介して反応室14内へ(即ち、矢印F方向に)反応用カプセル剤1を自由落下させて投入した場合、投入された反応用カプセル剤1は、底部に貯留されている水Wに浸漬される。上述したとおり、反応用カプセル剤1の外被1a,1b(図2参照)は水溶性であるので、反応用カプセル剤1が水Wに浸漬されると、外被1a,1bが溶解し、内包されていた水素発生源が水Wに露出する。その結果、水素発生源の加水分解反応が生じて水素が発生する。
反応室14の本体部14aには、燃料電池30に連通する水素供給管31が接続されており、水素発生源の加水分解反応の結果として反応室14内にて発生した水素は、かかる水素供給管31を経由して燃料電池30へ供給される。なお、水素供給管31には、気液分離膜15が配設されており、この気液分離膜15を通過させることによって、水素と共に水蒸気が燃料電池30へ流入することを防止する。
後処理剤貯蔵室16は、水を凝固させることのできる後処理剤を貯蔵する室である。本実施形態では、後処理剤は、カプセル形態の製剤である後処理用カプセル剤2として後処理剤貯蔵室16に貯蔵されている。
後処理用カプセル剤2は、上述した反応用カプセル剤1と同様に、一端を閉じた交互に重ね合わせることができる一対の円筒体である外被(外被1a,1bに対応する外被)から構成される硬カプセルの形態をとるものであり、その内部に後処理剤が内包されている。
後処理用カプセル剤2の外被もまた、ゼラチン、アラビアゴム、シクロデキストリン、メチルセルロースなどの水溶性材料から形成された水溶性の成形体から構成される。従って、本実施形態の後処理用カプセル剤2は、反応用カプセル剤1と同様に、水中において水溶性の外被が溶解し、内包されている後処理剤を水に露出する。
なお、後処理用カプセル剤2に内包される後処理剤としては、例えば、アガロース、ゼラチン、でんぷん、又は吸水性ポリマーなど、種々の凝固剤又は吸水剤を、単独(1種類)又は2種類以上の混合物として適宜使用することができる。
後処理剤貯蔵室16と反応室14との間には、バルブVCによって開閉される開閉部材16aが設けられている。詳細は後述するが、水素発生装置10の電源を遮断するメインスイッチ(図示せず)がユーザによってオフされると、電源の遮断を実行する前に、バルブVCの開放によって開閉部材16aが開放される。
開閉部材16aが開放されると、所定数の後処理用カプセル剤2が反応室14に自由落下し、底部に貯留されている水Wに浸漬される。本実施形態において、後処理用カプセル剤2の外被は水溶性であるので、後処理用カプセル剤2が水Wに浸漬されると、外被であるカプセル剤が溶解し、内包されていた後処理剤が水Wに露出する。その結果、反応室14に貯留されている水Wを固化させることができる。
水素発生源の加水分解反応後における反応室14内の水Wは、水素発生源の種類にもよるが、不溶性の副生成物や残留物によってスラリー化されていたり、強アルカリ性を示したりなど、廃液の取り扱いが煩雑となる場合が多い。例えば、水素発生源として、アルミニウム微粒子を使用した場合、加水分解反応によって水素が発生されると共に、副生成物としてアルミナ(Al2O3)が生じるため、かかるアルミナによって反応室14に貯留されている水Wはスラリー化され、取り扱い難い状態となる。
しかし、本実施形態の水素発生装置10によれば、後処理用カプセル剤2の投入によって、反応室14に貯留されている水Wが固化されるので、液状では取り扱い難い廃液の取り扱いが容易になる。このように固化された廃液は、受皿部14bを取り外すことによって収集するすることができ、最終処分に供されるまで、固化物の状態で保存することができる。このように、廃液が固化されることによって、廃液の廃棄作業にかかる負担を軽減することができる。
制御ユニット50は、水素発生装置10の制御を行うものである。なお、図1では、この制御ユニット50が、その電気的構成を示すブロック図として図示されている。図1に示すように、制御ユニット50は、中央演算処理装置であるCPU51と、CPU51により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM52と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するRAM53とを備え、これらはバスライン54を介して入出力ポート55に接続されている。
入出力ポート55は、水素発生装置10のバルブVA、バルブVB、及びバルブVCに接続されており、各バルブVA,VB,VCに対し、開放又は閉鎖を指示する信号を必要に応じて出力するよう構成されている。また、入出力ポート55は、燃料電池30から供給される電力によって駆動される負荷200(例えば、駆動モータ)へ負荷を入力する図示されない各部(例えば、駆動モータへ負荷を入力するアクセルなど)に接続されており、負荷200へ負荷を入力する各部に負荷が入力(負荷入力)された場合には、その入力値が制御ユニット50へ入力されるように構成されている。
詳細な制御内容は後述するが、制御ユニット50は、負荷200へ負荷を入力する各部(図示せず)に負荷が入力されると、その入力値に基づいて燃料電池30に掛かる負荷量を推測し、推測された負荷量に対応する電力を発電するために燃料電池30が必要とする水素量(水素要求量)を求め、求めた水素要求量に相当する水素を発生するために反応室14へ投入すべき反応用カプセル剤1の数(必要投入数)を決定する。
反応室14へ投入すべき反応用カプセル剤1の数が決定されると、制御ユニット50は、バルブVA及びバルブVBの開放及び閉鎖を制御し、水素発生源貯蔵室12に貯蔵されている反応用カプセル剤1の必要投入数を、準備室13へ一旦移動させた後、反応室14へ投入する。
燃料電池30は、水素と酸素との電気化学反応によって起電力を得るものであり、本実施形態では、固体高分子膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池を用いた。なお、リン酸型燃料電池など、種々のタイプの燃料電池を燃料電池30として適用可能である。
上述のように水素発生装置10にて発生された水素は、水素供給管31によって、燃料ガスとして燃料電池30のアノード(図示せず)に供給される。一方で、ブロア(図示せず)によって取り込まれた空気(酸素)は、酸化ガス供給路32によって、酸化ガスとして燃料電池30のカソード(図示せず)に供給される。燃料電池30は、アノードに供給された水素と、カソードに供給された空気(酸素)との電気化学反応によって起電力を得、生じた電流I(電力)を駆動モータなどの負荷200へ供給する。
次に、図3を参照して、上記のように構成される本実施形態の発電システム100において、燃料電池30の負荷変動に応じた量の水素が発生されるように水素発生装置10を制御する処理(負荷追従制御処理)について説明する。図3は、水素発生装置10の制御ユニット50(CPU51)により実行される負荷追従制御処理を示すフローチャートである。
この負荷追従制御処理は、水素供給装置10のメインスイッチ(図示せず)がオンされた結果として、水素供給装置10に電源が投入されると起動し、図3に示すように、まず、水素供給装置10のメインスイッチ(図示せず)がオフされたかを確認し(S1)、メインスイッチがオフされていなければ(S1:No)、反応用カプセル剤1の投入タイミング(例えば、5分毎)であるかを確認する(S2)。
S2の処理により確認した結果、反応用カプセル剤1の投入タイミングでなければ(S2:No)、処理をS1へ移行し、反応用カプセル剤1の投入タイミングが到来するのを待機する。一方で、S2の処理により確認した結果、反応用カプセル剤1の投入タイミングであれば(S2:Yes)、負荷200へ負荷を入力する各部(図示せず)に負荷入力があるか、例えば、アクセル入力があるかを確認する(S3)。
S3の処理により確認した結果、負荷入力がある場合には(S3:Yes)、負荷入力の入力値(例えば、アクセル開度)に基づいて、燃料電池30が必要とする水素量(水素要求量)を求める(S4)。即ち、負荷入力の入力値に基づいて、燃料電池30に掛かる負荷量を推測することができるので、S4では、負荷入力の入力値から推測された負荷量に対応する電力を燃料電池30にて発電するために必要な水素量を取得する。
S4の処理後、得られた水素要求量に基づいて、かかる水素要求量に相当する水素を発生するために反応室14へ投入すべき反応用カプセル剤1の数(必要投入数)を決定する(S5)。例えば、1個あたり、M(mg)の水素を発生する反応用カプセル剤1を使用する場合に、水素要求量が400M(mg)であれば、S5の処理によって必要投入数として「400」が得られる。
S5の処理後、バルブVAへ開放を指示する信号を出力してバルブVAを開放することによって開閉部材13aを開き、1開放あたりに規定される数の反応用カプセル剤1を水素発生源貯蔵室12から自由落下させ、準備室13へ移動させる(S6)。
S6の処理の結果として反応用カプセル剤1を準備室13へ移動させた後、バルブVAへ閉鎖を指示する信号を出力してバルブVAを閉鎖することによって開閉部材13aを閉じ(S7)、次いで、バルブVBへ開放を指示する信号を出力してバルブVBを開放することによって開閉部材13bを開き、準備室13内にある反応用カプセル剤1を反応室14へ投入する(S8)。S8の結果として、反応室14内にて水素発生源Xの加水分解反応による水素の発生が開始される。
ここで、S6〜S8の処理によれば、水素発生源貯蔵室12から反応室14へ反応用カプセル剤1を投入する場合において、開閉部材13a又は開閉部材13bのいずれか一方が閉じた状態に保たれている。よって、水素発生源貯蔵室12と反応室14とが直接通じることがないので、反応室14から湿気が水素発生源貯蔵室12へ流入することが抑制される。
S8の処理後、バルブVBへ閉鎖を指示する信号を出力してバルブVBを閉鎖することによって開閉部材13bを閉じ(S9)、既に投入された反応用カプセル剤1の数が、S5において決定された必要投入数に到達したかを確認する(S10)。S10の処理により確認した結果、投入された反応用カプセル剤1の数が必要投入数に未だ到達していない場合には(S10:No)、S6〜S9の処理を再度実行する。
一方で、S10の処理により確認した結果、投入された反応用カプセル剤1の数が必要投入数に到達した場合には(S10:Yes)、S4の処理によって得られた水素要求量の水素を発生するのに必要な水素を発生させたことになるので、処理をS1に移行する。
また、S3の処理により確認した結果、負荷入力がなければ(S3:No)、処理をS1へ移行する。負荷入力がなければ、当然、燃料電池30に掛かる負荷量はゼロであり、水素要求量もゼロである。よって、水素要求量がゼロである場合には、上述したS6〜S8の処理が実行されず、反応室14へ反応用カプセル剤1が投入されないので、水素発生装置10の電源を遮断することなく水素の発生を停止することができる。
この負荷追従制御処理によれば、S2〜S10の処理により、所定のタイミング毎(例えば、5分毎)に、負荷入力の入力値に応じた水素要求量に相当する量の水素を発生させることができる。つまり、水素発生量を燃料電池30からの水素要求量に追従させることができる。
一方、S1の処理により確認した結果、水素供給装置10のメインスイッチ(図示せず)がオフされた場合には(S1:Yes)、バルブVCへ開放を指示する信号を出力してバルブVCを開放することによって開閉部材16aを開き、所定数の後処理用カプセル剤2を後処理剤貯蔵室16から自由落下させ、反応室14へ投入する(S11)。S11の結果として、反応室14内貯留される廃液(水W)が後処理剤によって固化される。よって、発電システム100の電源遮断後に、反応室14の受皿部14bを取り外すことにより、水素発生の結果として生じた廃液を固化物の状態で処分することができる。
S11の処理後、バルブVCへ閉鎖を指示する信号を出力してバルブVCを閉鎖することによって開閉部材16aを閉じ(S12)、電源遮断処理を行って電源を遮断し(S13)、この負荷追従制御処理を終了する。
ここで、図4を参照して、燃料電池30の負荷に対する本実施形態の水素発生装置10の追従性能について説明する。図4は、燃料電池30の負荷に応じた水素要求量と、本実施形態の水素発生装置10が燃料電池30の負荷に応じて発生した実際の水素量(水素発生量)とを示すグラフである。
図4に示すグラフは、経過時間を横軸とし、燃料電池30の負荷に応じた水素要求量又は水素発生装置10から実際に発生された水素の量(水素発生量)の積算値を縦軸としている。なお、横軸における1目盛は、上述した負荷追従制御処理(図3)における反応用カプセル剤1の投入タイミングに相当する。また、かかるグラフにおいて、経過時間に伴う水素要求量(積算値)の変動を破線で示し、水素発生装置10による水素発生量(積算値)の経時的変動を実線で示している。
図4に示すように、本実施形態の水素発生装置10は、燃料電池30に掛かる負荷量に対応する水素要求量を発生するのに必要な反応用カプセル剤1の数(必要投入数)を決定し、その必要投入数分の反応用カプセル剤1を反応室14へ投入するように負荷追従制御処理(図3)によって制御されるので、水素発生量を燃料電池30に掛かる負荷量に応じて制御することができる。
具体的には、図4に示すように、水素要求量がD1である期間T1においては、投入タイミング(時間t0,t1,t2,t3)毎に、かかる水素要求量D1の水素を発生するための必要投入数として決定されたN(個)の反応用カプセル剤1が反応室14へ投入される。その結果、水素発生量は実線に示すプロファイルで推移し、燃料電池30の水素要求量D1に対して不足なく安定した量の水素を供給することができる。
燃料電池30の水素要求量は、燃料電池30に掛かる負荷量に応じて変動する。例えば、アクセルの踏み込み(アクセル開度の増加)による加速時には、燃料電池30に掛かる負荷量は増大し、燃料電池30の水素要求量もまた増大する。一方で、例えば、アクセルが戻された(アクセル開度の減少)による減速時には、燃料電池30に掛かる負荷量は減少し、燃料電池30の水素要求量もまた減少する。
期間T1に続く期間T2では、燃料電池30に掛かる負荷量が高まったことにより、燃料電池の水素要求量がD2に増大している。かかる期間T2では、投入タイミング(時間t4,t5)毎に、水素要求量D2の水素を発生させることができる数(必要投入数)の反応用カプセル剤1を投入することにより、発生水素量を燃料電池30の負荷変動に追従させることができる。
ここで、例えば、水素要求量D2が水素要求量D1の4倍である場合には、反応用カプセル剤1の必要投入数はN(個)から4N(個)となる。即ち、本実施形態の水素発生装置10によれば、水素要求量が増大した場合には、反応用カプセル剤1の必要投入数を増やすことにより、発生水素量を燃料電池30の負荷変動に追従させることができるのである。
期間T3は、燃料電池30の負荷がオフされており、燃料電池30の水素要求量がゼロである期間である。かかる期間T3では、投入タイミング(時間t6,t7)において、上述した負荷追従制御処理(図3)において、S3におけるNoの分岐処理が実行されるので、反応用カプセル剤1が反応室14へ投入されず、水素の発生が停止される。つまり、本実施形態の水素発生装置10によれば、燃料電池30の負荷がオフされた場合に、水素発生装置10の運転を停止するのではなく、連続運転したまま反応用カプセル剤1の投入を停止することによって、発生水素量を燃料電池30の負荷変動に追従させることができる。
期間T4では、燃料電池30の負荷が再度オンされたことにより、水素要求量がゼロからD2に増大している。かかる期間T4では、投入タイミング(時間t8,t9,t10)毎に、期間T2における各投入タイミング(時間t4,t5)において投入した数と同数の反応用カプセル剤1を投入することにより、発生水素量を燃料電池30の負荷変動に追従させることができる。
以上説明したように、本実施形態の水素発生装置10によれば、水素発生源Xを内包させた反応用カプセル剤1を用いるので、反応用カプセル剤1の単位で水素発生源Xを反応室14内へ投入することができる。よって、反応室14へ投入する反応用カプセル剤1の数量の増減によって水素発生量を制御することができるので、容易な制御によって燃料電池30からの水素要求量の変動に応答よく追従させることができる。
また、反応室14への反応用カプセル1の投入によって水素の発生が開始され、投入された反応用カプセル1に内包される水素発生源Xの加水分解反応の終了と共に水素の発生が終了するので、水素発生装置10を停止することなく、反応用カプセル1の投入数をゼロにすることによって、水素の発生を停止することができる。従って、本実施形態の水素発生装置10によれば、燃料電池30からの水素要求量がゼロになった場合には、反応用カプセル1の投入数をゼロにすれば水素の発生が停止するので、連続運転させることができる。
このように、本実施形態の水素発生装置10によれば、連続運転したまま、水素発生量を、燃料電池30からの水素要求量の変動に対し応答よく追従させることができるにもかかわらず、従来のように反応室を複数設ける必要はなく、装置構成や制御機構の複雑化による装置コストの高騰を抑制することができる。
また、本実施形態の水素発生装置10によれば、水素発生源Xが、外被1a,1bに内包された反応用カプセル剤1として反応室14へ投入されるので、反応室14の水に曝されるまでは水素発生源Xが露出せず、水素発生装置10内にて水素発生源Xの詰まりが発生することが抑制される。よって、詰まりによる故障が防止されると共に、装置管理が容易である。
また、本実施形態の発電システム100によれば、燃料電池30からの水素要求量に対する優れた追従性を有する水素発生装置10を備えているので、燃料電池30の発電量を負荷200に供給すべき負荷電力に応答よく追従させることができる。
なお、上記実施形態において、請求項1記載の水素発生源投入手段としては、S6〜S9の処理が該当し、請求項4記載の第1の移動手段としては、S6の処理が該当し、請求項4記載の第2の移動手段としては、S8の処理が該当し、請求項6記載の後処理手段としては、S11の処理が該当する。
また、上記実施形態において、請求項7及び9記載の水素発生量取得手段としては、S4の処理が該当し、請求項7及び9記載の投入量取得手段としては、S5の処理が該当し、請求項9記載の負荷量取得手段としては、S4の処理において、「負荷入力の入力値に基づいて、燃料電池30に掛かる負荷量を推測すること」が該当する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、水素発生装置10が、反応室14に水Wが貯留され、水素発生源Xの加水分解反応によって水素を発生させるものとして構成としたが、反応室14に貯留される液体をアルコールとし、アルコール分解反応によって水素を発生する水素発生源を用いて水素を発生させる構成であってもよい。また、反応室14に貯留される液体を水とアルコールとの混合物とし、加水分解反応又はアルコール分解反応のいずれかによって水素発生源から水素を発生させるような構成であってもよい。なお、反応室14に貯留する液体として水以外の液体を選択する場合には、反応用カプセル剤1の外被1a,1bを選択された液体に溶解する材料で形成すればよい。
また、上記実施形態では、反応用カプセル剤1の内容物を水素発生源Xのみとしたが、水素発生源Xと共に添加剤を含むものであってもよい。例えば、反応用カプセル剤1の内容物を、水素発生源Xに加え、発熱剤を含むものとしてもよい。
反応用カプセル剤1に発熱剤が内包されることにより、かかる反応用カプセル剤1を反応室14へ投入した場合に、水Wの液温、特に、投入された反応用カプセル剤1の近傍の液温が上昇するので、水素発生源Xの加水分解反応の反応速度が促進される。よって、水素発生速度を速めることができる。
ここで、発熱剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、及び金属粉からなる群より選択される1種又は2種以上の混合物を使用することができる。なお、かかる発熱剤を反応用カプセル剤1とは別のカプセル剤又はペレットとして構成し、反応用カプセル剤1の投入時に添加するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、反応用カプセル剤1を、一端を閉じた交互に重ね合わせることができる一対の円筒体である外被1a,1bから構成される硬カプセルの形態をとるものとして構成したが、水溶性のカプセル基剤で水素発生源Xを被包成型した軟カプセルの形態をとるものとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、説明が煩雑になることを防ぐ目的で、活性アルミ微粒子(水素発生源X)が同容量内包された1種類の反応用カプセル剤1を使用したが、水素発生源Xの内容量がそれぞれ異なる複数種類の反応用カプセル剤1を併用するように構成してもよい。水素発生源Xの内容量に応じて反応用カプセル剤1が1個あたりに発生する水素量が異なるので、水素要求量の大きさに応じて使い分けることが可能となる。例えば、水素発生源貯蔵室12を反応用カプセル剤1の種類分だけ設け、各水素発生源貯蔵室12に、水素発生源Xの内容量が異なる反応用カプセル剤1を各種類毎に分類して貯蔵し、水素要求量に応じて、各種類の反応用カプセル剤1から適切な数量を取り出して投入することができる。
また、上記実施形態では、水素発生源貯蔵室12から反応室14への反応用カプセル剤1の投入は重力による自由落下としたが、荷重をかけて移動させる構成としてもよい。また、後処理剤貯蔵室16から反応室14への後処理カプセル剤2の投入も同様に、荷重をかけて移動させる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、準備室13を設けることによって、水素発生源貯蔵室12と反応室14との間を離隔し、反応室14ないに充満する水蒸気が水素発生源貯蔵室12に入り込むことを抑制するように構成した。この構成に加え、かかる準備室13内を除湿する除湿手段(例えば、エアパージの実行や除湿剤の投入など)を設けるようにしてもよい。除湿手段を設けることによって、反応室14から水蒸気(湿気)が準備室13に入り込んだとしても、かかる水蒸気を除湿手段によって除湿することができ、水素発生源貯蔵室12への水蒸気の混入をより有効に抑制することができる。
また、上記実施形態では、後処理剤貯蔵室16と反応室14との間が、1枚の開閉部材16aによって隔離される構成としたが、水素発生源貯蔵室12と反応室14との間のように、2枚の開閉部材によって隔離される構成であってもよい。後処理剤貯蔵室16と反応室14との間を2枚の開閉部材によって隔離することによって、後処理剤貯蔵室16への水蒸気の混入を抑制することができる。
また、上記実施形態では、負荷追従制御処理(図3)のS4において、負荷入力の入力値に基づいて、燃料電池30が必要とする水素量(水素要求量)を求めたが、燃料電池30の両極間の電流及び電圧の測定値から燃料電池30にかかっている負荷量を求め、その負荷量に基づいて水素要求量を求めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、負荷追従制御処理(図3)のS5の処理によって、水素要求量に相当する水素を発生するために反応室14へ投入すべき反応用カプセル剤1の数(数量)を決定したが、反応用カプセル剤1の数量ではなく重量を決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、開閉部材13aが1回開放されると、所定数の反応用カプセル剤1が水素発生源貯蔵室12から準備室13へ落下する構成としたが、かかる構成は、負荷追従制御処理(図3)のS6の処理のように、開閉部材13aが1回開放されると構造的に所定数の反応用カプセル剤1が落下することに限定されるものではない。例えば、水素発生源貯蔵室12から準備室13へ落下する反応用カプセル剤1の数を計数する計数手段を設け、所定数に達したら開閉部材13aを閉鎖する構成としてもよいし、開閉部材13aを開放する前に、計量手段によって必要投入数に相当する反応用カプセル剤1の重量分だけ量りとった後、開閉部材13aを開放して量りとった反応用カプセル剤1を準備室13へ落下させる構成としてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に基づいて限定されるものではない。
[実施例1] 反応用カプセル剤投下試験
1.反応用カプセル剤の調製
でんぷん、カラギーナンからなるカプセルに活性アルミ微粒子100mgを充填し、反応用カプセル剤を調製した。
1.反応用カプセル剤の調製
でんぷん、カラギーナンからなるカプセルに活性アルミ微粒子100mgを充填し、反応用カプセル剤を調製した。
2.試験
上記のように調製された反応用カプセル剤2個を80℃の水50gに投入し、発生した水素量(水素発生量)を試験開始時から経時的に測定した。
上記のように調製された反応用カプセル剤2個を80℃の水50gに投入し、発生した水素量(水素発生量)を試験開始時から経時的に測定した。
3.結果
図5は、上記試験(反応用カプセル剤投下試験)の試験結果を示すグラフである。図5において、横軸は、経過時間(単位:min)であり、縦軸は、水素発生量の積算値(単位:mL)である。
図5は、上記試験(反応用カプセル剤投下試験)の試験結果を示すグラフである。図5において、横軸は、経過時間(単位:min)であり、縦軸は、水素発生量の積算値(単位:mL)である。
図5に示すように、経過時間に対する水素発生量(積算値)のプロファイルは、反応初期において発生速度が速く、次第に発生速度が遅くなるという水素発生源の加水分解反応にみられる一般的なプロファイルを示した。この結果は、水溶性を有するカプセル(外被)が、活性アルミ微粒子の加水分解反応を阻害しないことを示す。
[実施例2] 反応用カプセル剤連続投下試験
1.反応用カプセル剤の調製
上記した反応用カプセル剤投下試験(実施例1)と同様に、でんぷん、カラギーナンからなるカプセルに活性アルミ微粒子100mgを充填し、反応用カプセル剤を調製した。
1.反応用カプセル剤の調製
上記した反応用カプセル剤投下試験(実施例1)と同様に、でんぷん、カラギーナンからなるカプセルに活性アルミ微粒子100mgを充填し、反応用カプセル剤を調製した。
2.試験
上記のように調製された反応用カプセル剤を80℃の水50gに2個投入し、その15分後にさらに2個の反応用カプセル剤を追加投入した。発生した水素量(水素発生量)を試験開始時から経時的に測定した。
上記のように調製された反応用カプセル剤を80℃の水50gに2個投入し、その15分後にさらに2個の反応用カプセル剤を追加投入した。発生した水素量(水素発生量)を試験開始時から経時的に測定した。
3.結果
図6は、上記試験(反応用カプセル剤連続投下試験)の試験結果を示すグラフである。図6において、横軸は、経過時間(単位:min)であり、縦軸は、水素発生量の積算値(単位:mL)である。
図6は、上記試験(反応用カプセル剤連続投下試験)の試験結果を示すグラフである。図6において、横軸は、経過時間(単位:min)であり、縦軸は、水素発生量の積算値(単位:mL)である。
図6に示すように、反応用カプセル剤を追加投入したことによって水素発生量(積算値)を増大させることができた。この結果は、反応用カプセル剤の連続投下によって、連続的に水素を発生させることができることを示す。
1 反応用カプセル剤(水素発生源含有製剤)
1a,1b 外被
2 後処理用カプセル剤(後処理用製剤)
10 水素発生装置
12 水素発生源貯蔵室
13 準備室
13a 開閉部材(第1の開閉部材)
13b 開閉部材(第2の開閉部材)
14 反応室
30 燃料電池
31 水素供給管(排出路)
100 発電システム
W 水(液体)
X 水素発生源
1a,1b 外被
2 後処理用カプセル剤(後処理用製剤)
10 水素発生装置
12 水素発生源貯蔵室
13 準備室
13a 開閉部材(第1の開閉部材)
13b 開閉部材(第2の開閉部材)
14 反応室
30 燃料電池
31 水素供給管(排出路)
100 発電システム
W 水(液体)
X 水素発生源
Claims (9)
- 水、アルコール、又はそれらの混合物である液体を貯留する反応室と、
その反応室に貯留されている液体による分解反応によって水素を発生する水素発生源を含む水素発生源含有製剤を、前記反応室へ投入する水素発生源投入手段と、
前記反応室内で発生した水素を外部へ排出する排出路とを備え、
前記水素発生源含有製剤は、前記水素発生源が、前記反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されたものであることを特徴とする水素発生装置。 - 前記水素発生源含有製剤は、前記水素発生源に加え、前記反応室に貯留されている液体との接触によって発熱する発熱剤を含むことを特徴とする請求項1記載の水素発生装置。
- 前記水素発生源含有製剤を貯蔵する水素発生源貯蔵室と、
前記水素発生源貯蔵室と前記反応室との間に設けられた準備室と、
その準備室と前記水素発生源貯蔵室との間を区切る開閉可能な第1の開閉部材と、
前記準備室と前記反応室との間を区切る開閉可能な第2の開閉部材とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素発生装置。 - 前記水素発生源投入手段は、
前記第2の開閉部材を閉鎖した状態で前記第1の開閉部材を開放し、前記水素発生源含有製剤を前記水素発生源貯蔵室から前記準備室へ移動させる第1の移動手段と、
その第1の移動手段によって前記水素発生源含有製剤が移動された後、前記第1の開閉部材を閉鎖した状態で前記第2の開閉部材を開放し、前記水素発生源含有製剤を前記準備室から前記反応室へ移動させる第2の移動手段とを備えていることを特徴とする請求項3記載の水素発生装置。 - 前記準備室を除湿する除湿手段を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の水素発生装置。
- 前記反応室に貯留されている液体を凝固させる後処理剤を含む後処理用製剤を前記反応室へ投入する後処理手段を備え、
前記後処理用製剤は、前記後処理剤が、前記反応室に貯留されている液体に対して可溶性の材料から形成される外被に内包された形態に構成されたものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水素発生装置。 - 所定期間内に発生すべき水素の量を取得する水素発生量取得手段と、
その水素発生量取得手段により取得された前記発生すべき水素の量に対応する前記水素発生源含有製剤の量を取得する投入量取得手段とを備え、
前記水素発生源投入手段は、前記投入量取得手段により取得された量の前記水素発生源含有製剤を前記反応室へ投入するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の水素発生装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の水素発生装置と、
その水素発生装置によって発生された水素を燃料ガスとし、該燃料ガスと酸素との電気化学反応を利用して起電力を得る燃料電池とを備えていることを特徴とする発電システム。 - 前記水素発生装置は、
前記燃料電池に掛かる負荷量を取得する負荷量取得手段と、
その負荷量取得手段により取得された負荷量に基づいて、所定期間内に発生すべき水素の量を取得する水素発生量取得手段と、
その水素発生量取得手段により取得された前記発生すべき水素の量に対応する前記水素発生源含有製剤の量を取得する投入量取得手段とを備え、
前記水素発生源投入手段は、前記投入量取得手段により取得された量の前記水素発生源含有製剤を前記反応室へ投入するものであることを特徴とする請求項8記載の発電システム。
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JP2006346793A JP2008156159A (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 水素発生装置及び発電システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2006-12-22 JP JP2006346793A patent/JP2008156159A/ja active Pending
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