JP6824300B2 - 貫通口に先細りする流入領域が設けられた流体を調量する弁 - Google Patents

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Description

本発明は、流体、特に燃料を調量する弁であって、圧力降下が低減されており、弁座のセルフセンタリング(selbstzentrierend)閉鎖要素を備えた、上記弁に関する。
燃料を内燃機関へと噴射するように、液体を容積室(Volumenraum)へと噴射するインジェクタが公知である。通常の構造形態には、例えば圧電アクチュエータ又は電磁弁としての電磁石により制御されて、インジェクタを開閉するための、弁座ごとにぴったりと合うように成形された可動的な閉鎖要素、例えば弁ニードルを備えたハウジングが含まれる。
さらに、従来技術としては、内開き式の弁ニードルにより開放される大抵は複数の貫通口を介して流体が燃焼室に噴射される噴射が挙げられる。燃料室では、着火しうる空気燃料混合物が形成されて、点火される。
製造技術的な理由から、設けられる貫通口が、従来ではインジェクタの外側から内側へと製造され、例えば、レーザにより又は浸食加工により孔が開けられるということが起きる。これにより、貫通口の内側の縁部が、製造に起因して薄くなって、結果的に、大きな圧力降下により流量損失が不都合なことに大きくなる。さらに、このことによって、とりわけ高圧噴射の適用ケースにおいて、理想的な可能な限り中央の進路から可動的な閉鎖要素がずれることと、閉鎖要素の偏心化(Dezetrierung)、特にドリフト(Drift)と、が引き起こされうる。その際には、インジェクタの内部での最小のズレ又は傾きによって、噴射される流体の変動挙動及び最適ではない噴霧形状(Spray‐Bild)が生じる可能性がある。このことは、例えば燃料の場合には、排出量及び消費量に対して不利に作用する。
さらに、可動的な閉鎖要素の偏心化、特にドリフトが、インジェクタの耐摩耗性に対して不利に影響することが確認されている。
これに対して、請求項1の特徴を備えた流体、特に燃料を噴射するインジェクタには、圧力降下の低減による流量損失の低減と、弁座のセルフセンタリング閉鎖挙動と、が可能であるという利点がある。これにより、閉鎖要素の強度な摩損を伴う進路が回避可能であることが保証される。さらに、容積室、特に燃焼室に噴射される流体の実現すべき噴射形状が、明らかにより高いことによって、及び、粒径分布及び軌道に関する目標挙動からより小さくずれることによって遵守される。従って、本発明は、弁座より下流側と噴射される流体の流入挙動及び/又は噴霧化を最適化するために、噴射領域における流体力学的な状況に好ましい影響を与えるという利点を有する。
このことは、好適な燃料インジェクタでは、内燃機関の駆動中の振る舞いに対して、及び排出量の明らかな削減に関してさらに有利に作用する。さらに、保守間隔及び耐用寿命が、非常にポジティブ(positiv)に延長される。
これら利点の全てが、流体を噴射するための本発明に係るインジェクタであって、シール座が設けられた弁座と閉鎖要素とを備える上記インジェクタによって達成される。ここでは、閉鎖要素、例えば線形状に可動する弁ニードルが、インジェクタ中央軸上に配置されており、及び、弁座で少なくとも1つの貫通口(複数の噴射口を含む幾何学形状的構成であることが多い)を開放及び閉鎖するために動かされる。ここで、少なくとも1つの貫通口は、インジェクタ中央軸と傾斜角(Anstellwinkel)を成す主軸を有する。さらに、少なくとも1つの貫通口は、流入領域を有し、この流入領域は、先細りするよう実現されている。
従属請求項は、本発明の好適な発展形態を示している。
好適な構成では、主軸に対して横方向に延在する、流入領域の流れ断面が、流れ方向に連続的に縮小することが構想される。他方では、全体的に流れ方向に前から後ろへと先細りする流入領域に、流れ断面が一定に保たれる少なくとも1つの区分が存在し、従って、ここから、上記各区分で、全体的に先細りする流入領域の円筒状の周面形状が得られることも正に有利でありうる。追加的又は代替的に、全体的に流れ方向に先細りする流入領域は、輪郭が付けられた(profiliert)内側周面を有していてもよく、例えば波状又はステップ状に実現された内側周面を有していてもよい。
好適に、流入領域は、漏斗の場合のように、内壁が円錐中央軸と円錐角αを成す内部中空円錐部として実現されうる。このような場合でも、このような内部中空円錐部の内側周面が平らに実現可能であるだけではなく、輪郭を付けて実現可能であることが構想されうる。
さらに、好適に、円錐中央軸は、ティルト角δにより貫通口の主軸と交差する。
本発明を限定すると見做されない幾何学形状的に最も簡素なケースにおいて、好適に、円錐中央軸と貫通口の主軸とが一致する。このことは、零に選択されたティルト角δに対応する。このような可能な実施形態では、定義上本発明の枠組みにおいて流入領域の進入流れ断面を通って延在する平面E1の断面に、同一の平面E1上の円形の進入円周輪郭が生じる。従って、この円形の進入円周輪郭の円中心点は、円錐中央軸又は主軸と、平面E1と、の交点に存在する。
これに基づいて、インジェクタ自体の駆動形態の様々な観点における、又は、下流側で生じるプロセス、即ち特に流体力学的及び/又は熱的及び/又は機械的なプロセスにおける更なる別の多方面における利点が得られる。
さらに、流入領域の、平面E1を定める進入流れ断面は、同一平面上、即ち平面E1上に、好適に厳密に円形ではない進入円周輪郭を有しうる。ここでは基本的に、全ての形態による非円形の進入円周輪郭が実現可能である。なぜなら、現在の3D制御される機械的な製造機械では、輪郭を実現する工具の複数の自由度が別々に制御可能だからである。輪郭を実現する工具とは、本発明の枠組みにおいては、従来技術で公知の切削工具、例えばフライスヘッドの他に、(ワイヤ放電加工用の)形状電極、(形彫り放電加工用の)ワイヤ電極、及び/又は、レーザ処理のことである。
3Dの自由度の利用によって、非円形の円周輪郭であって、凸面状の部分領域のみならず凹面状の部分領域が際立つ上記円周輪郭も具現可能である。
非円形の進入円周輪郭の特に好適な実施形態において、この進入円周輪郭は、平面E1上に楕円形状に実現される。これは、貫通口の主軸に対してティルト角δの分だけ内部中空円錐部を傾けることによる、回転対称的な内部中空円錐部の幾何学的形状的な位置関係を用いた好適な実施形態において得られる。この場合には、楕円形状の受容輪郭は、平面E1の断面図に対応するであろう。
しかしながら、他の有利な発展形態において代替的に、内部中空円錐部が円錐中央軸に対して回転対称的には実現されず、非対称的に、かつ内壁の一定の円錐角αが設けられずに実現されることも有利でありうる。
これに対して、内部中空円錐部が、内壁の様々な部分区間であって、異なる円錐角αを有する上記部分区間を含むことも有利でありうる。内壁の上記様々な部分区間は、中心角に依存して以下のように定められる。
まず、平面E1上の進入円周輪郭で、貫通口の主軸に最も近い第1の円周点Aが決定され、この円周点Aについては、平面E1上の主軸を中心とする中心角γ=0に定められる。これにより、この第1の円周点Aは、例えば主軸を時計回りに回る、中心角γのための初期座標として機能する。
好適な構成では、円錐角αが中心角γにより可変に実現されることが構想される。
非円形の進入円周輪郭の場合には、さらに、貫通口の主軸から最も遠い少なくとも1つの第2の円周点Bが存在する必要がある。この第2の円周点Bは、実施形態に従って、第1の円周点Aに対する任意の中心角γにより、平面E1上に配置されうる。特に好適な実施形態において、第2の円周点Bは、第1の円周点Aに対して中心角γ=180°により存在する。
流入領域が、非対称的に歪んだ内部中空円錐部の形状により実現されることが更に好適に構想されうる。
このことは、更に別の好適な構成として、以下のことにより提示され、即ち、例えば、第1の円周点Aと第2の円周点Bとの間の中心角セグメントにおいて、少なくとも1つの第1の凸状に実現された部分、即ち円錐角αが増大する部分に対して、少なくとも1つの他の凹状に実現された部分、即ち円錐角αが縮小する部分に連接することにより、提示される。
上記他の部分は、例えば、第2の円周点Bと第1の円周点Aとの間の唯一の他の部分として円周を結び、1つの完全な円とすることが可能である。代替的に、第2の円周点Bで始まる他の部分に、他の凹状又は凸状に実現された部分が連なってもよい。これにより、平面E1上の流入領域の、中心角γにより変化する進入円周輪郭の更なる別の好適な実施形態が記載される。
好適な発展形態によれば、貫通口は、様々な流れ断面により特徴付けられる別々の領域に分けられる。これにより、更に別の合目的的な形態により、貫通口全体を通る流れに対して、先細りする流入領域の下流側で、従来技術における欠点を取り除くために影響を与えることが可能である。
好適に、貫通口は、流れ方向に流入領域の下流側に、中間流れ断面を有する中間流れ領域を含む。さらに、貫通口は、中間流れ領域の下流側に、出口流れ断面を有する出口流れ領域を含む。
特に好適に、貫通口の最も狭い流れ断面は中間流れ断面の領域に置かれる。
好適に、中間流れ領域及び/又は出口流れ領域は、主軸に対して円筒形状に実現される。ここでは基本的に、円筒形状の構成についての利点は、例えば回転する中ぐりヘッド又はフライスヘッドを用いた簡単な製造にある。
しかしながら、このことは、発明を限定するものとして見做されない。なぜならば、特に、噴射される流体のレオロジー(Rheologie)に応じて、以下のことが有利であり、即ち、中間流れ領域及び/又は出口流れ領域が、特に先細りする又は反対に再び拡大する可変的な流れ断面を有して実現されることが有利でありうる。
さらに、様々な流れ断面を有する領域の寸法は、互いに相対的に多様に、それにもかかわらず合目的的に実現されうる。
従って好適に、流入領域が流入長さを定め、中間流れ領域が中間長さを定め、出口流れ領域が出口長さを定める。従って、特に好適に、流入長さと中間長さとは、互いに類似した大きさ又は同じ大きさである。追加的又は代替的に、出口長さは、流入長さ及び/又は中間長さよりも大きくてもよい。その際に、このような今正に言及した少なくとも1つの長さに対する出口長さの比率は、特に約1.3〜2.3倍、さらに好適に1.4〜1.7倍に選択されうる。
本発明に係るインジェクタは、特に好適に、燃料、特に液体燃料を噴射するための燃料インジェクタである。
以下では、本発明の好適な実施例が、添付の図面を参照して詳細に記載される。
本発明の好適な実施例に係るインジェクタの概略的な断面図である。 貫通孔を含む、図1のインジェクタの弁座の概略的な拡大断面図である。 図2の貫通孔の概略的な拡大断面図である。 図3の貫通孔の流入領域を流れ方向に眺めた概略的な上面図である。
同じ符号が、様々な図面においてそれぞれ同じ構成要素を示している。
図1及び図2から分かるように、本発明の好適な実施例に係るインジェクタ1は、弁ハウジング2と、弁座3と、を備える。弁座3は、例えば形状結合による結合により、弁ハウウジング2に固定されている。
インジェクタは、本実施例では、インジェクタの軸方向にインジェクタ中央軸X‐Xに沿って線形的に可動する弁ニードルの形態による、閉鎖要素5をさらに備える。さらに、インジェクタ1はさらに、本実施例では機械的なバネの形態による復元要素6を備え、この復元要素6によって、閉鎖要素5が図1に示す閉鎖ポジションに保たれる。
閉鎖要素5は、アクチュエータ7によって、即ち本実施例では電磁アクチュエータによって操作される。符号8は、電気接続部を示している。
燃料が、インジェクタ5の内部に、弁座3の閉鎖要素5の末端まで案内されている。
図1又は図2では、弁座3は、(ここでは完全に示されない)空いた噴射容積室(Einspritzvolumen)の前に、例えば燃焼室へと配置されており、噴射される流体、例えば燃料は、弁が閉じていない状態でこの燃焼室へと噴射される。
特に図2から分かるように、弁座3には、閉鎖要素5によりシール座50で開放及び閉鎖することか可能な複数の貫通口30が備えられている。図1のように、図2も、インジェクタの閉じた状態を示している。
さらに図2から分かるように、本実施例では、弁座3に設けられたシール座50が、閉鎖要素5の噴射側の末端に、即ちここでは球弁として実現された末端に、容積が小さな(schmalvolumig)流体溜め領域40を付加的に有する。この液体溜め領域40は、シール座50の内部へと浅く沈んだ領域として形成される。
任意に設けられる流体溜め領域40は、主として、薄い流体膜を連続的に流すために用いられる。これにより特に、一貫した利用と、より均一な局所的圧力下挙動と、が保証される。
ここで示す断面では、2つの貫通口30が、断面図の示される切断面から見て取れるが、これは、基本的に可能な実施例に相当する。
ここでは、この2つの貫通口30は、各主軸300を有する。
主軸300によって、貫通口30は、インジェクタのインジェクタ中央軸X−Xに対して、傾斜角(Anstellwinkel)βにより傾斜している。ここで示される実施形態では、傾斜角βは、2つの識別可能な貫通口30について等しく30°である。
しかしながら、基本的には、少なくとも1つの貫通口30又は上記貫通口30の各々が、異なる傾斜角βで方向付けられていてもよい。
噴射される流体は、各流れ方向200に貫通孔30を通って流れる(図2、図3参照)。
貫通口30ごとに形成される(図示されない)液体の個々の噴射は、通常は、ぐるりと周回する各内壁及び出口端からの流体の剥離(Stroemungabriss)による、その流れ出口での波状分散効果(Zerwellungseffekt)によって、最も微細な一次小液滴及び二次小液滴から成る所謂棍棒状噴霧(Spraykeule)として形成される。
図3は、概略的な断面図の形態により、図2の詳細として貫通口30を具体的に示している。図3に対応付けられた図4も、シール座50の内部に配置された貫通口30を流れ方向200に眺めた場合の、上から見た対応する投影図を示している。
特に各傾斜角βに関する貫通口30の幾何学的な配置、及び、貫通口30の内部の構成は、流体力学的に、貫通口30を通る流体の流れ挙動と、貫通口30の下流側での噴射挙動と、に影響を与える。
特に、図3に示す貫通口30の好適な実施形態から分かるように、各内部の流れ断面550は、流れ方向200に沿って変化しうる。
様々な流れ断面により特徴付けられるここでは全体で4つの別々の流れ領域40、41、42、43が区別される。
一方では、貫通口30は、好適に既存の流体溜め領域40に配置されている。
ここで、流体溜め領域40は、浅い状の窪みの形態によりシール座50の内部へと沈んでおり、これに基づいて、貫通口30の主軸300に沿って、窪みの深さに対応した流体溜め長さL0が得られる。
主軸300と直交して、シール座50の内部の液体溜め領域40の、平面E2で表される切断平面が見て取れるが、この切断平面には液体溜め流れ断面500が存在する。
液体溜め流れ断面500は、ここでは、平面E2上での自身の円周で、流体溜め円周輪郭600を示す。
他方では、貫通口30自体がその固有の3つの流れ領域41、42、43に分かれていることが図3から分かる。
従って、図3に示す貫通口30は、流れ方向200の流体溜め領域40の下流側に、進入流れ断面501を有する流入領域41を含む。
ここで、定義によれば、流入領域41の進入流れ断面501は、E1として表される、弁座3を切った切断平面上に存在する。平面E1によって、下流側へと平面E2に対して平行にずらされており従って同様に主軸300に対して直交して延在する平面が表されている。
平面E1上に、進入流れ断面501は、その円周で、流入領域41の進入円周輪郭601を示す。
ここでは、貫通口30の少なくとも1つの内部の本体縁端には、特に、流入領域41及び/又は流体溜め領域40に配置された特に少なくとも1つの円周輪郭600、601、602には、小さなアール(Radius)及び/又は45°の斜面が付いていてもよいことに注意されたい。このようにさらに面取りされた流れ貫流領域が、流体の剥離及びキャビテーション(Kavitation)等の流体力学的に望まれぬ効果を低減することに注意されたい。
図3及び図4に示す好適な実施形態では、流入領域41の進入流れ断面501は、流体溜め領域40の流体溜め流れ領域500よりも小さい。さらに、主軸300への投影方向に、進入流れ断面501は、より大きな流体溜め流れ断面500の内部に完全に落ち込んでおり、従って、円周輪郭600と円周輪郭601とは交わらない。
ここでは、この幾何学形状的な位置関係が本発明を限定すると見做されないことに注意されたい。但し、更なる別の好適な実施形態では、進入流れ断面501は、少なくとも優勢的な面積割合で、好適に90%よりも大きな割合で、より大きな流体溜め流れ断面500の内部に落ち込んでいる。
さらに、貫通口30は、流れ方向200に流入領域41の下流に、中間流れ断面502を含む中間流れ領域42を有する。
さらに、貫通口30は、流れ方向200に中間流れ領域42の下流に、出口流れ断面503を含む出口流れ領域43を有する。
さらに図3から分かるように、流入領域41について、流入長さL1が得られ、中間流れ領域42について中間長さL2が得られ、出口流れ領域43について出口長さL3が得られる。
ここで、中間長さL2全体に沿った中間流れ領域42と、出口長さL3全体に沿った出口流れ領域43と、の双方が、主軸に対して円筒形状に実現されている。
ここでは、貫通口30の最も狭い流れ断面502は、中間流れ領域42に存在しており、これにより、中間流れ断面502により決定されている。
図3から特に良く分かるように、この好適な実施形態では、貫通口30が、進入流れ領域41の下流に存在するその流れ領域では、典型的な円孔として実現されており、この円孔は、内部の付設部によって、流れ方向200にその孔の断面がさらに拡大している。
好適な実施形態において、流入長さL1と中間長さL2とは互いに似た長さであり又は同じ長さである。さらに、出口長さL3は、流入長さL1と中間長さL2とから成る区間全体とほぼ同じ大きさ又は同じ大きさで隣り合っている。
本発明によれば、少なくとも1つの貫通口30の流入領域41が先細りする実現が、特に有益であることが実証されている。従って、図1〜図3で一様に示される貫通口30について、進入流れ断面501が、下流側の中間流れ断面502よりも大きく選択されていることが見て取れる。
さらに、ここで示す好適な実施形態では、流れ断面550が、長さL1を介して、即ち、進入流れ断面501から中間流れ断面502へと、線形状の傾きにより連続的に減少するこことが分かる。
従って、特に図3から分かるように、ここでは漏斗状に先細りする流入領域41は、内部中空円錐部として表すことが可能であり、及び、円錐中央軸800と内壁との円錐角αによって定義される。
特に図3から、上記線形状の傾きが、円錐角αのみにより設定されるのではなく、追加的にティルト角δによっても設定されることが分かる。
なぜならば、ティルト角δは、円錐中央軸800と貫通口30の主軸300との間の交角を表すからである。従って、ティルト角δは、貫通口30の主軸300に対して、図3の漏斗状の先細りする流入領域41の内部中空円錐部を傾けるための尺度に関している。
特に、円錐角αとティルト角δとは、貫通口30の先細りする流入領域41の幾何学的形状と、これにより、噴射される流体の流入挙動と、にとって決定的である。
ここで、図示されない代替的な実施形態では、ティルト角δをゼロに選択することも可能であり、従って、円錐中央軸800と貫通口30の主軸300とが一致することに注意されたい。このような代替的な実施形態では、進入流れ断面501を通って延在する平面E1の断面に、流入領域41の円形の進入円周輪郭601が生じる。この場合、この円形の進入円周輪郭601の円中心点Mは、円錐中心軸800又は主軸300と、平面E1と、の交点に存在する。
しかしながら図3及びこれに対応する図4では、約10°のティルト角δの分だけ貫通口の主軸に対して傾けられた回転対称的な内部中空円錐部の幾何学形状的な位置関係が示された好適な実施形態が提示されている。
進入流れ断面501の平面E1での、斜めに傾けられた内部中空円錐部の断面から、幾何学的に見て、楕円形状の進入円周輪郭601が得られる。
上記得られた楕円形状の進入円周輪郭601は、図4から特に良好に見て取れる。
さらに、図4の図では、楕円形状に広がる進入円周輪郭601に沿った2つの特徴点A、Bの定義上の位置に注意されたい。一方では、この特徴点は、貫通口30の主軸300に最も近い第1の円周点Aに関する。他方では、貫通口の主軸から最も遠い第2の円周点Bが記載されている。
図4から分かるように、平面E1上には、ゼロ点として設定された円周点Aからの、主軸300を中心とする中心角γとして表される角度座標が通っている。
従って、図4に記載されるような好適な実施形態において、第2の円周点Bは、第1の円周点Aに対して中心角γが180°である。
ここでは、中心角γの回転方向として、主軸300を示す中心点Mを中心とした時計回りが記載される。
図面についての記載におけるこの箇所では、円錐角αが、中心角に依存して中心角γにより変更可能に実現されるという更に発展させた構成が構想されることに注意されたい。これにより、先細りする流入領域は、斜めに傾いた内部中空円錐部として実現される。

Claims (14)

  1. 流体を噴射するインジェクタであって、
    ‐シール領域が配置された弁座(3)であって、前記シール領域は凸状の窪みの形状であり、当該窪みの縁の一部が隆起している、弁座(3)と、
    ‐インジェクタ中央軸(X‐X)上に配置された閉鎖要素(5)であって、前記弁座(3)で少なくとも1つの貫通口(30)を開放及び閉鎖する前記閉鎖要素(5)と、
    を備え、
    前記少なくとも1つの貫通口(30)は、前記インジェクタ中央軸(X‐X)と傾斜角(β)成す主軸(300)を有し、
    前記少なくとも1つの貫通口(30)は、流入領域(41)を有し、
    前記流入領域(41)は、先細りするよう実現される、インジェクタ。
  2. 前記主軸(300)に対して横方向に延在する、前記流入領域(41)の流れ断面(501)は、流れ方向(200)に連続的に縮小する、請求項1に記載のインジェクタ。
  3. 前記流入領域(41)は、内壁が円錐中央軸(800)と円錐角(α)を成す内部中空円錐部(70)として実現される、請求項1又は2に記載のインジェクタ。
  4. 前記円錐中央軸(800)は、ティルト角(δ)により前記貫通口(30)の前記主軸(300)と交差する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインジェクタ。
  5. 前記流入領域(41)の、平面(E1)を定める進入流れ断面(501)は、前記平面(E1)上に、非円形の進入円周輪郭(601)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインジェクタ。
  6. 前記進入円周輪郭(601)は、前記平面(E1)上に楕円形状に実現される、請求項5に記載のインジェクタ。
  7. 前記平面(E1)上の前記進入円周輪郭(601)は、前記貫通口(30)の前記主軸(300)に最も近い第1の円周点(A)であって、前記平面(E1)上の前記主軸(300)を中心とする中心角(γ)=0を定める前記第1の円周点(A)と、前記貫通口(30)の前記主軸(300)から最も遠い第2の円周点(B)と、を含み、前記円錐角(α)は、前記中心角(γ)により可変に実現される、請求項6に記載のインジェクタ。
  8. 前記第2の円周点(B)は、中心角(γ)=180°に配置された、請求項7に記載のインジェクタ。
  9. 前記貫通口(30)は、流れ方向(200)に前記流入領域(41)の下流側に、中間流れ断面(502)を有する中間流れ領域(42)を含み、及び、前記中間流れ領域(42)の下流側に、出口流れ断面(503)を有する出口流れ領域(43)を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインジェクタ。
  10. 前記中間流れ断面(502)は、前記貫通口(30)の最も狭い流れ断面である、請求項9に記載のインジェクタ。
  11. 前記中間流れ領域(42)及び/又は前記出口流れ領域(43)は、前記主軸(300)に対して円筒形状に実現される、請求項9又は10に記載のインジェクタ。
  12. 前記流入領域(41)は流入長さ(L1)を定め、前記中間流れ領域(42)は中間長さ(L2)を定め、前記出口流れ領域(43)は出口長さ(L3)を定め、前記流入長さ(L1)と前記中間長さ(L2)とは、互いに類似した大きさ又は同じ大きさであり、及び/又は、前記出口長さ(L3)は、前記流入長さ(L1)及び/又は前記中間長さ(L2)よりも大きい、請求項10又は11に記載のインジェクタ。
  13. 前記出口長さ(L3)は、前記流入長さ(L1)及び/又は前記中間長さ(L2)よりも約1.3〜2.3倍大きい、請求項12に記載のインジェクタ。
  14. 前記出口長さ(L3)は、前記流入長さ(L1)及び/又は前記中間長さ(L2)よりも約1.4〜1.7倍大きい、請求項12に記載のインジェクタ。
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