JP6247167B2 - 燃料噴射弁の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁の加工方法に関し、特に燃料噴射弁の噴孔を加工する方法に関する。
内燃機関の燃料噴射弁として、先端部が略円錐状に形成された筒状のノズルボディと、ノズルボディの内周面から外周面まで貫通する噴孔と、ノズルボディ内に摺動自在に収容され、前記噴孔を開閉する弁体と、を備え、噴孔の出口部分に、段差を介して孔径が拡大する座繰り部(段付き凹部)を設けたものが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。また、内燃機関の燃料噴射弁として、噴孔の孔径がテーパ状に変化するように構成されたものも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2011−001864号公報 特開2009−257216号公報 特開2009−243323号公報
テーパ状に加工された噴孔を有する燃料噴射弁において、噴孔の出口部分に段付き凹部を形成すると、ペネトレーションの更なる向上と燃料の微粒化とを図ることができる。しかしながら、噴孔をテーパ状に加工する際にテーパ率のバラツキが生じると、燃料の噴霧特性が所望の特性にならない可能性がある。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴射弁の噴孔をテーパ状に加工する際にテーパ率のバラツキが生じても、噴霧特性の変化を最小限に抑えることができる加工方法を提供することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。
すなわち、本発明は、先端部が略円錐状に形成された筒状のノズルボディと、
前記ノズルボディの内周面から外周面まで貫通する噴孔と、
ノズルボディ内に摺動自在に収容され、前記噴孔を開閉する弁体と、
を備えた燃料噴射弁の加工方法であって、
前記噴孔の孔径が出口部分から入口部分にかけてテーパ状に拡大するように、前記噴孔を加工する工程と、
前記噴孔のテーパ率を計測する工程と、
前記噴孔の出口部分に、段差を介して孔径が拡大する段付き凹部を形成する工程であって、計測されたテーパ率に応じた長さの段付き凹部を形成する工程と、
を含むようにした。
噴孔がテーパ状に加工される燃料噴射弁においては、噴孔のテーパ率(単位長さあたりの孔径の拡大量)が大きくなるほど、噴霧のペネトレーションが長くなるとともに噴霧角が小さくなる。一方、噴孔の出口部分に段付き凹部が形成される燃料噴射弁においては、段付き凹部より入口側に位置する噴孔(以下、「小径部」と称する)の長さLinと段付き凹部の入口部分における小径部の孔径(小径部の出口部分の孔径)Dinとの比率Li
n/Dinが大きくなるほど、噴霧のペネトレーションが長くなるとともに噴霧角が小さくなる。
ところで、テーパ状の噴孔と段付き凹部とを併せ持つ燃料噴射弁においては、噴孔をテーパ加工する際にテーパ率のバラツキが生じると、噴孔のテーパ率が目標のテーパ率(以下、「基準テーパ率」と称する)からずれる可能性がある。その場合、段付き凹部の寸法が目標通りの寸法であっても、小径部の出口部分の孔径Dinが目標の孔径からずれてしまい、それに伴って比率Lin/Dinも目標の比率(以下、「基準比率」と称する)からずれてしまう。
たとえば、噴孔のテーパ率が基準テーパ率より大きくなると、小径部の出口部分の孔径Dinが大きくなり、それに伴って比率Lin/Dinが基準比率より小さくなる。その際、テーパ率の増加がペネトレーションの増加に寄与する一方、比率Lin/Dinの減少がペネトレーションの減少に寄与することになる。また、噴孔のテーパ率が基準テーパ率より小さくなると、小径部の出口部分の孔径Dinが小さくなり、それに伴って比率Lin/Dinが基準比率より大きくなる。その際、テーパ率の減少がペネトレーションの減少に寄与する一方、比率Lin/Dinの増加がペネトレーションの増加に寄与することになる。ただし、テーパ率のずれによるペネトレーションの変化分と比率Lin/Dinのずれによるペネトレーションの変化分とが同等になるとは限らないため、両者の差を解消するような加工が必要となる。
これに対し、本発明は、燃料噴射弁に段付き凹部を形成する際に、噴孔のテーパ率を計測し、計測されたテーパ率に応じて段付き凹部の長さを調整することで、比率Lin/Dinを変更するようにした。たとえば、テーパ率のバラツキによってペネトレーションが増加すると予測される場合は、段付き凹部の長さを長くすることで、小径部の長さLinを短くするとともに、小径部の出口部分の孔径Dinを増加させる。その場合は、比率Lin/Dinが小さくなるため、テーパ率のバラツキによるペネトレーションの増加分を相殺することができる。一方、テーパ率のバラツキによってペネトレーションが減少すると予測される場合は、段付き凹部の長さを短くすることで、小径部の長さLinを長くするとともに、小径部の出口部分の孔径Dinを小さくする。その場合、比率Lin/Dinが大きくなるため、テーパ率のバラツキによるペネトレーションの減少分を相殺することができる。
なお、テーパ率のバラツキによってペネトレーションが増加するか又は減少するかを判別するにあたっては、予めテーパ率の異なる試作品を作成し、それらのペネトレーションを測定しておけばよい。
本発明によれば、燃料噴射弁の噴孔をテーパ状に加工する際にテーパ率のバラツキが生じても、噴霧特性の変化を最小限に抑えることができる加工方法を提供することができる。
本発明を適用する燃料噴射弁の主要部の構成を示す図である。 噴孔の詳細な構成を示す図である。 小径部のテーパ率とペネトレーションとの相関を示す図である。 小径部のテーパ率と噴霧角との相関を示す図である。 比率Lin/Dinとペネトレーションとの相関を示す図である。 比率Lin/Dinと噴霧角との相関を示す図である。 段付き凹部の長さと小径部の長さと小径部の出口部分の孔径との相関を示す図である。 本実施例における噴孔の加工手順を示すフローチャートである。 テーパ率が基準テーパ率より大きい場合の貫通孔を示す図である。 段付き凹部の長さを基準の長さより長くする例を示す図である。 段付き凹部の長さを基準の長さに合わせるための加工例を示す図である。 段付き凹部の長さを基準の長さより短くする例を示す図である。 テーパ率が基準テーパ率より小さい場合の貫通孔を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の対象となる燃料噴射弁の主要部の構成を図1に示す。図1に示す燃料噴射弁1は、内燃機関の燃料であるガソリンや軽油等を気筒内へ噴射するためのものである。燃料噴射弁1は、先端が略円錐状に形成された筒状のノズルボディ2を備えている。ノズルボディ2の先端近傍には、該ノズルボディ2の内周面から外周面まで貫通する噴孔3が複数設けられている。また、ノズルボディ2の内部には、噴孔3を開閉するためのニードル4(弁体)が摺動自在に収容されている。
ここで、噴孔3の詳細な構成を図2に示す。噴孔3は、燃料の流れ方向における入口側に配置された小径部30と、燃料の流れ方向における出口側に配置され前記小径部30より大きな孔径を有する段付き凹部31とを有し、それら小径部30と段付き凹部31とが段差を介して連通している。また、小径部30は、入口側から出口側へむかって孔径が徐々に小さくなるテーパ状に形成されている。なお、図2中のDinは、小径部30の出口部分の孔径(段付き凹部31の入口部分における小径部30の孔径)を示し、図2中のDoutは、段付き凹部31の孔径を示す。また、図2中のLinは、小径部30の長さを示し、図2中のLoutは、段付き凹部31の長さを示す。
このように構成される噴孔3は、以下の手順によって形成される。先ず、ノズルボディ2の外周面から内周面にかけて一定の孔径を有する貫通孔を形成する。続いて、貫通孔の出口側の孔径を基準として、出口側から入口側へむかって徐々に孔径を拡大させるテーパ加工を施す。次に、テーパ状に加工された貫通孔の出口側に、該貫通孔より大きな孔径を有する段付き凹部31を形成するための座繰り加工を施す。その際、段付き凹部31の軸心が貫通孔の軸心と同軸になるように、座繰り加工の位置決めが為される。
このように形成された噴孔3を有する燃料噴射弁1によれば、テーパ状の小径部30を燃料が通過する際の整流効果により、径方向における燃料の流速分布が均一化されるため、噴霧のペネトレーションを増加させることができるとともに、噴霧角を小さく抑えることができる。さらに、小径部30の出口から噴射される際に段付き凹部31に負圧が発生することで、段付き凹部31の外部から段付き凹部31の内部へ空気が流入するため、その空気の流れによって噴霧の拡散が抑制され、ペネトレーションの更なる増加と噴霧角の抑制とを図ることができる。
ところで、前記貫通孔をテーパ加工する際の加工精度のバラツキによって、テーパ率が所望のテーパ率(基準テーパ率)にならない可能性がある。その場合、段付き凹部31の寸法が目標通りの寸法であっても、小径部30の出口部分の孔径Dinが目標の孔径からずれてしまう。小径部30の出口部分の孔径Dinが目標の孔径からずれると、小径部30の出口部分の孔径Dinに対する小径部30の長さLinの比率Lin/Dinも目標値からずれることになる。
ここで、噴霧のペネトレーション及び噴霧角は、小径部30のテーパ率と比率Lin/Dinとに相関する。たとえば、図3、4に示すように、小径部30のテーパ率が大きくなるほど、噴霧のペネトレーションが長くなるとともに、噴霧角が小さくなる。また、図5、6に示すように、比率Lin/Dinが大きくなるほど、噴霧のペネトレーションが長くなるとともに、噴霧角が小さくなる。よって、小径部30のテーパ率にバラツキが生じると、該テーパ率のずれ、及び比率Lin/Dinのずれによって、噴霧特性が所望の特性とならない可能性がある。
なお、テーパ率が基準テーパ率より大きくなるようなバラツキが生じた場合は、テーパ率のずれがペネトレーションの増加及び噴霧角の縮小に寄与するのに対し、比率Lin/Dinのずれがペネトレーションの減少及び噴霧角の拡大に寄与することになる。一方、テーパ率が基準テーパ率より小さくなるようなバラツキが生じた場合は、テーパ率のずれがペネトレーションの減少及び噴霧角の拡大に寄与するのに対し、比率Lin/Dinのずれがペネトレーションの増加及び噴霧角の縮小に寄与することになる。ただし、テーパ率のずれによるペネトレーションの変化分と比率Lin/Dinのずれによるペネトレーションの変化分とが同等になるとは限らないため、両者の差を解消するような加工が必要となる。
そこで、本実施例の加工方法では、前記した差を解消するために、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さから変更するようにした。具体的には、テーパ加工後の前記貫通孔のテーパ率に応じて段付き凹部31の長さLoutを決定し、決定された長さLoutに従って座繰り加工を行うようにした。
段付き凹部31の長さLoutが変更されると、小径部30の長さLinが変化し、それに伴って比率Lin/Dinも変化する。図7は、段付き凹部31の長さと小径部30の長さと小径部30の出口部分の孔径との相関を示す図である。図7中の実線は、段付き凹部31の長さが長い場合を示し、図7中の一点鎖線は、段付き凹部31の長さが短い場合を示す。また、図7中のLin1、Lout1、Din1は、段付き凹部31の長さが短い場合の寸法を示し、図7中のLin2、Lout2、Din2は、段付き凹部31の長さが長い場合の寸法を示す。
図7に示すように、段付き凹部31の長さが長い場合は短い場合に比べ、小径部30の長さが短くなる(Lin2<Lin1)とともに、小径部30の出口部分の孔径が大きくなる(Din2>Din1)。よって、段付き凹部31の長さLoutが長くされると、比率Lin/Dinが小さくなる。一方、段付き凹部31の長さLoutが短くされると、比率Lin/Dinが大きくなる。このような相関に基づき、段付き凹部31の長さが決定されると、テーパ率のずれに起因するペネトレーションの変化分を比率Lin/Dinの変更によるペネトレーションの変化分によって相殺することができる。
なお、段付き凹部31の長さLoutを決定するにあたり、テーパ率のずれによってペネトレーションが目標の長さより長くなるのか、又は短くなるのかを判別する必要がある。言い換えると、テーパ率のずれによるペネトレーションの変化分が比率Lin/Dinのずれによるペネトレーションの変化分より大きい場合(テーパ率の影響が支配的である場合)と、比率Lin/Dinのずれによるペネトレーションの変化分がテーパ率のずれによるペネトレーションの変化分より大きい場合(比率Lin/Dinの影響が支配的である場合)と、を区別する必要がある。
たとえば、テーパ率が基準のテーパ率より大きくなるようなバラツキが生じた場合において、テーパ率の影響が支配的であると、ペネトレーションが目標の長さより長くなる。
一方、比率Lin/Dinの影響が支配的であると、ペネトレーションが目標の長さより短くなる。
また、テーパ率が基準テーパ率より小さくなるようなバラツキが生じた場合において、テーパ率の影響が支配的であると、ペネトレーションが目標の長さより短くなる。一方、比率Lin/Dinの影響が支配的であると、ペネトレーションが目標の長さより長くなる。
したがって、噴孔のテーパ率が目標値からずれた場合に、テーパ率の影響が支配的であるか、又は比率Lin/Dinの影響が支配的であるかを判別した上で、段付き凹部31の長さLoutを決定する必要がある。これに対し、本実施例では、予めテーパ率の異なる試作品を作成し、それらのペネトレーションを測定しておくことで、噴孔のテーパ率が基準テーパ率からずれた場合に、テーパ率の影響が支配的であるか若しくは比率Lin/Dinの影響が支配的であるかを判別するようにした。
以下、本実施例における加工方法の実施手順について図8に沿って説明する。図8は、本実施例の加工手順を示すフローチャートである。
先ずS101の工程では、ノズルボディ2の外周面から内周面にかけて一定の孔径を有する貫通孔を形成する。
S102の工程では、前記貫通孔の出口側の孔径を基準として、出口側から入口側へむかって徐々に孔径を拡大させるテーパ加工を実施する。
S103の工程では、前記貫通孔のテーパ率を測定する。続いて、S104の工程では、測定されたテーパ率が基準テーパ率より大きいか否かを判断する。ここで、図9に示すように、貫通孔のテーパ率(図9中の実線)が基準テーパ率(図9中の一点鎖線)より大きい場合は、S105の工程へ進む。
S105の工程では、ペネトレーションの変化に関して、テーパ率の影響が支配的であるかを判断する。詳細には、予め試作品などを用いて特定されているテーパ率とペネトレーションとの関係から、S103の工程で測定されたテーパ率を有する貫通孔ついて、基準の寸法通りに段付き凹部31を形成すると、ペネトレーションが目標の長さより長くなるか(テーパ率の影響が支配的であるか)、若しくは短くなるか(比率Lin/Dinの影響が支配的であるか)を判断する。
S105の工程においてテーパ率の影響が支配的であると判断された場合は、S106の工程へ進み、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さより長く設定する。続いて、S113の工程へ進み、S106の工程で決定された段付き凹部31の長さLoutに従って座繰り加工を実施することで、段付き凹部31を形成する。この場合は、図10に示すように、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より長くなるため、小径部30の長さLinが短くなるとともに小径部30の出口部分の孔径Dinが大きくなり、それに伴って比率Lin/Dinが小さくなる。その結果、テーパ率のバラツキに起因するペネトレーションの増加分が比率Lin/Dinの減少によるペネトレーションの減少分によって相殺される。
なお、前記S106の工程において、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より長く設定されると、他の寸法比が基準の寸法比からずれてしまうため、他の寸法比についても可能な限り基準の寸法比に近づけるような加工を施してもよい。たとえば、段付き凹部31の長さLoutと段付き凹部31の孔径Doutとの比率Lout/D
outが基準の比率より大きくなるため、段付き凹部31の孔径Doutを大きくすることで、前記の比率Lout/Doutを基準の比率に近づけるようにしてもよい。また、図11に示すように、段付き凹部31の出口部分に、該段付き凹部31よりさらに大きな孔径Dout’を有する凹部32を形成することで、段付き凹部31の長さLoutを短縮させてもよい。その場合、前記比率Lout/Doutに加え、小径部30の長さLinと段付き凹部31の長さLoutとの比率Lout/Linも基準値に近づけることができるため、噴霧特性を目標の噴霧特性に一層近づけることができる。
ここで図8のフローチャートに戻り、前記S105の工程において比率Lin/Dinの影響が支配的であると判断された場合は、S107の工程へ進み、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さより短く設定する。続いて、S113の工程へ進み、S107の工程で決定された段付き凹部31の長さLoutに従って座繰り加工を実施することで、段付き凹部31を形成する。この場合は、図12に示すように、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より短くなるため、小径部30の長さLinが長くなるとともに小径部30の出口部分の孔径Dinが小さくなり、それに伴って比率Lin/Dinが大きくなる。その結果、テーパ率のバラツキに起因するペネトレーションの減少分が比率Lin/Dinの増加によるペネトレーションの増加分によって相殺される。
なお、前記S107の工程において、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より短くされた場合は、段付き凹部31の長さLoutと段付き凹部31の孔径Doutとの比率Lout/Doutが基準の比率より小さくなるため、段付き凹部31の孔径Doutを基準の孔径より小さくすることで、前記の比率Lout/Doutを基準の比率に近づけるようにしてもよい。
ここで図8のフローチャートに戻り、前記S104の工程において、前記S103の工程で測定されたテーパ率が基準テーパ率より大きくないと判断された場合は、S108の工程へ進み、前記S103の工程で測定されたテーパ率が基準テーパ率より小さいか否かを判断する。前記S103の工程で測定されたテーパ率が基準テーパ率より小さくないと判断された場合は、実際のテーパ率が基準テーパ率と等しいことになるため、S112の工程へ進み、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さ(基準値)に設定する。そして、S113の工程においては、S112の工程で決定された段付き凹部31の長さに従って座繰り加工を実施する。一方、図13に示すように、貫通孔のテーパ率(図13中の実線)が基準テーパ率(図13中の一点鎖線)より小さい場合は、S109の工程へ進む。
S109の工程では、ペネトレーションの変化に関して、テーパ率の影響が支配的であるかを判断する。詳細には、予め試作品などを用いて特定されているテーパ率とペネトレーションとの関係から、S103の工程で測定されたテーパ率を有する貫通孔ついて、基準の寸法通りに段付き凹部31を形成すると、ペネトレーションが目標の長さより短くなるか(テーパ率の影響が支配的であるか)、若しくは長くなるか(比率Lin/Dinの影響が支配的であるか)を判断する。
前記S109の工程においてテーパ率の影響が支配的であると判断された場合は、S110の工程へ進み、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さより短く設定する。続いて、S113の工程へ進み、S110の工程で決定された段付き凹部31の長さLoutに従って座繰り加工を実施することで、段付き凹部31を形成する。この場合は、前述の図12と同様に、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より短くなるため、小径部30の長さLinが長くなるとともに小径部30の出口部分の孔径Dinが小さくなり、それに伴って比率Lin/Dinが大きくなる。その結果、テーパ率のバラツキに起因するペネトレーションの減少分が比率Lin/Dinの増加によるペネトレーションの増加分によって相殺される。
なお、前記S110の工程で段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より短く設定された場合は、前記S107の工程を経た場合と同様に、段付き凹部31の孔径Doutを基準の孔径より小さくすることで、前記の比率Lout/Doutを基準の比率に近づけるようにしてもよい。
また、前記S109の工程において比率Lin/Dinの影響が支配的であると判断された場合は、S111の工程へ進み、段付き凹部31の長さLoutを基準の長さより長く設定する。続いて、S113の工程へ進み、S111の工程で決定された段付き凹部31の長さLoutに従って座繰り加工を実施することで、段付き凹部31を形成する。この場合は、前述の図10と同様に、段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より長くなるため、それに伴って比率Lin/Dinが小さくなる。その結果、テーパ率のバラツキに起因するペネトレーションの増加分が比率Lin/Dinの減少によるペネトレーションの減少分によって相殺される。
なお、前記S111の工程において段付き凹部31の長さLoutが基準の長さLout0より長く設定された場合は、前記S106の工程を経た場合と同様に、段付き凹部31の孔径Doutを大きくすることで、段付き凹部31の孔径Doutに対する段付き凹部31の長さLoutの比率Lout/Doutを基準の比率に近づけるようにしてもよい。また、前述の図11の説明で述べたように、段付き凹部31の出口部分に、該段付き凹部31よりさらに大きな孔径を有する凹部を形成することで、段付き凹部31の長さLoutを短縮させてもよい。
以上述べた加工方法によれば、噴孔3のテーパ加工においてテーパ率のバラツキが生じた場合であっても、段付き凹部31の寸法を変更することでテーパ率のバラツキに起因する噴霧特性の変化を最小限に抑えることができる。
1 燃料噴射弁
2 ノズルボディ
3 噴孔
30 小径部
31 段付き凹部

Claims (1)

  1. 先端部が略円錐状に形成された筒状のノズルボディと、
    前記ノズルボディの内周面から外周面まで貫通する噴孔と、
    前記ノズルボディ内に摺動自在に収容され、前記噴孔を開閉する弁体と、
    を備えた燃料噴射弁の加工方法であって、
    前記噴孔の孔径が出口部分から入口部分にかけてテーパ状に拡大するように、前記噴孔を加工する工程と、
    前記噴孔のテーパ率を計測する工程と、
    計測されたテーパ率が、前記噴孔のテーパ率の目標値である基準テーパ率からずれている場合に、該テーパ率のずれに起因するペネトレーションの変化に関して、テーパ率の影響が支配的であるかを判断する工程と、
    前記噴孔の出口部分に、段差を介して孔径が拡大する段付き凹部を計測されたテーパ率に応じた長さに形成する工程であって、計測されたテーパ率が前記基準テーパ率からずれている場合には、ペネトレーションの変化に関してテーパ率の影響が支配的であるか否かの判断結果に基づいて、該段付き凹部の長さを基準の長さから変更して段付き凹部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする燃料噴射弁の加工方法。
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