JP6821452B2 - 砒素含有汚泥の不溶化材およびその製造方法 - Google Patents

砒素含有汚泥の不溶化材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、砒素化合物により汚染された汚泥を産業廃棄物として埋め立て可能にする、砒素含有汚泥の不溶化材およびその製造方法に関する。
近年、汚泥、土壌、低質土や瓦礫等の砒素による汚染が問題となることがある。例えば、産業廃棄物の投棄等により、当該廃棄物に含まれる砒素等の重金属により土壌が汚染される問題や、工場跡地における土壌の重金属汚染の問題等が発生することがある。また、ゴミの焼却炉や、化学プラントにおける焼却設備等から発生する煤塵や焼却灰には、砒素以外にも6価クロム、カドミウム、鉛、水銀等の重金属が含まれている場合があるが、これらの固形状の重金属汚染物を最終処分するためには、ヒトへの健康被害の影響の大きな砒素を始め、重金属の溶出を防止する必要がある。なお、砒素は半金属であるが、本明細書では重金属として取り扱う。
砒素を始めとする重金属成分を含む固形状の汚染物の処理方法としては、従来、汚染物をセメントと混合して固化する方法があるが、水溶性の重金属は、セメントで固化しても溶出する危険性がある。重金属の溶出防止対策を施していない産業廃棄物の埋立ては法的に規制されており、効率的な重金属溶出防止法の開発が強く望まれている。
また、埋立てを目的とした重金属含有汚染物の不溶化材の場合、不溶化処理の後、埋立てに用いる間、積み上げて保管する必要があるため、圧縮された場合の破壊強度に優れていることが好ましい。
重金属汚染土壌を不溶化するシステムとしては、例えば、重金属を含んだ洗浄分級処理後の粒径0.5mm未満のスラッジと固形化材とを混合・造粒した後、造粒物表面を不溶化材でコーティングする連続システムが開示され、実施例として亜砒酸塩イオンを含む模擬スラッジを不溶化する例が示されている(特許文献1参照)。しかしこのシステムは、処理対象である汚染物を処理前に洗浄分級するため、洗浄水に重金属等が溶出するという問題があった。また、このシステムが目的とする不溶化は、土壌環境基準(環境省告示第46号)に定められた環境基準をクリアすることであり、産業廃棄物の埋め立てを目的としたものではない。また、本文献には、不溶化処理を施した造粒物の強度については何も開示されていない。
特開2005−305297号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、砒素含有汚泥を直接処理し、環境省告示13号に定める埋立て基準に適合した、砒素含有汚泥の不溶化材およびその製造方法を提供することを目的とする。なお、ここで汚泥とは、単に汚泥だけではなく、土壌、低質土や瓦礫等を含む広い概念である。
上記の目的は、本発明の実施形態として、砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物が、混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素含有汚泥の不溶化材であって、前記不溶化材の粒径が0.5mm以上5.0mm以下であり、かつ、環境省告示13号に定める砒素溶出試験における砒素溶出量が0.3mg/L以下である、砒素含有汚泥の不溶化材により達成される。
また、前記の砒素含有汚泥の不溶化材は、砒素を含有した汚泥に混合セメントを混合して撹拌する混練工程、前記の混練工程で得られた粘土状の混合物に混合セメントを追加した後に解砕・造粒する造粒工程、前記の造粒工程で得られた造粒物に混合セメントと消石灰を添加して撹拌し、砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を混合セメントと消石灰の混合物で被覆する被覆工程、前記の被覆工程で得られた混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を養生する養生工程、前記の養生後の混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を目開き500μmおよび4.75mmの篩を用いて篩い分け、粒径が0.5mm以上5.0mm以下の混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を回収する回収工程を連続的に行う際に、前記の砒素を含有する汚泥、前記の添加する混合セメントの全量、および、前記の添加する消石灰の質量比を1:2〜2.5:0.5〜0.8とする砒素含有汚泥の不溶化材の製造方法により製造することができる。
本発明によれば、砒素含有汚泥を前処理することなく直接処理し、環境省告示13号に定める埋立て基準に適合した砒素含有汚泥の不溶化材を得ることが可能になった。
砒素含有汚泥の不溶化材の構造の一例を示す模式図である。 砒素含有汚泥の不溶化材の製造方法の一例を示すフローチャートである。 強度試験方法を示す模式図である。
以下、特許請求の範囲、図1の砒素含有汚泥の不溶化材の模式図、および、図2のフローチャートに基づき、本発明の砒素含有汚泥の不溶化材およびその製造方法の詳細について説明する。
[被処理物]
本発明の不溶化材は、有害重金属、特に砒素を含む汚泥を被処理物とし、後述する製造方法を用いて不溶化処理を施すことにより得られる。本発明においては、被処理物として、乾燥重量で20mass%程度の高濃度の砒素を含有する汚泥を不溶化することが可能である。
従来の固形化剤として混合セメントを用いて砒素含有汚泥を不溶化する処理方法では、汚泥の砒素含有濃度が高くなる程多量の混合セメントを必要としていたが、本発明の場合には、混合セメントと混合することにより固形化した砒素含有汚泥を、さらに混合セメントと消石灰の混合物で被覆することにより、汚泥からの砒素の溶出が抑制されるため、従来の不溶化処理方法と比較して、高濃度の砒素を含有する汚泥を処理する場合でも少量の混合セメントの使用により不溶化の効果が得られる。
本発明の製造方法では、被処理物の汚泥は水の含有量が40mass%以上50mass%以下のものを用いるのが好ましい。水の含有量が40%mass未満であると後述する混練が困難になるので、混練時に水を加える。また、水の含有量が50mass%を超えると、混練時に汚泥がペースト状になり、造粒が困難になるので、汚泥を空気に触れないように乾燥するか、混練時に添加する混合セメントを多くすることにより含水量を適宜調整する。
[混合セメント]
汚泥中に含まれる砒素を不溶化する固形化剤としては、硫酸第二鉄や塩化第二鉄等の第二鉄塩、焼成ドロマイト、カルシウム塩、マグネシウム塩やセメント等が知られているが、本発明においては固形化剤としてセメントを用いる。セメントには普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント、混合セメントがあり、いずれも用いることができるが、汚泥の固形化と砒素の不溶化とを同時に行うことのできる普通ポルトランドセメントや混合セメントを用いることが好ましい。ここで「混合セメント」とは、ポルトランドセメントに、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、および、ポゾラン反応性があるシリカ質材料等を混合材として混合したセメントを意味し、それぞれ、高炉セメント(JIS R5211で規定)、フライアッシュセメント(JIS R5213で規定)、シリカセメント(JIS R5212で規定)と呼ばれるが、固形化後に環境省告示13号溶出試験にかけて得られた液のpHが12以上であれば、いずれを用いても構わない。
[消石灰]
本発明の不溶化材は、砒素含有汚泥と固形化剤である混合セメントの混合物に混合セメントと消石灰の混合物を被覆することにより得られる。本発明の不溶化処理に用いる消石灰は、その純度が水酸化カルシウム95%以上のものを用いることが好ましく、その一部が炭酸カルシウムになっていても効果がある。
本発明において、消石灰を用いることにより砒素の溶出量が低下する機構については現時点で不明であるが、水酸化カルシウムが高炉スラグ微粉末等のポゾランと反応し、表面被覆層のセメントの硬化反応を促進して砒素の隠蔽能力が向上する、および、溶出したCaが砒素と難溶性の化合物を形成して不溶化すること等が考えられる。
[混練工程]
被処理材である砒素含有汚泥と混合セメントとを造粒機に投入し、混練を行う。その際、汚泥の水分含有量が40mass%未満の場合には水を追加し、汚泥の乾燥重量に対して水分量が40mass%以上になる様に調整した後、混練を行う。また、汚泥の水分含有量が50mass%を超える場合には、50mass%を超えた水の質量1に対し混合セメントを3.5〜4.0加えた後に混練を行う。
汚泥の水分含有量が40mass%以上50mass%以下の場合には。混練工程において、砒素含有汚泥の質量1に対して0.2〜0.6の質量の混合セメントを加えて混練を行う。砒素含有汚泥の水分の含有量が前記の範囲から外れると、汚泥と混合セメントが均一に混ざった粘土状にできなくなることがある。なお、被処理材である砒素含有汚泥の性質は、必ずしも一定ではないため、当該汚泥の水分の含有量が前記の範囲であっても、水分が不足して均一に混ざらないことがあるが、その場合には、均一な粘土状になるまで水を追加して混練することができる。
造粒機には流動層、押出し造粒機、パン型造粒機等があるが、本発明の製造方法の場合には、汚泥と混合セメントの混錬工程と、後述する造粒工程を連続して行うことができ、尚且つ高密度に造粒できる高速撹拌式造粒機等を使用することが好ましい。
[造粒工程]
前記の混練工程で得られた粘土状の砒素含有汚泥と混合セメントの混合物に、前記の混練工程と本造粒工程で合計した量として、砒素含有汚泥の質量1に対し、0.8〜1.2になる様に質量の混合セメントを追加して撹拌し、粘土状混合物を解砕及び造粒する。砒素含有汚泥に対する混合セメントの質量比が0.8未満の場合には、粘土状混合物は十分に解砕されないことがある。また、砒素含有汚泥に対する混合セメントの質量比が1.2を超える場合には、最終的に得られる不溶化材が増大するため、処理コストが増加する。
粒径が0.5mm以上2.8mm以下にならない場合は、撹拌を継続する。0.5mm未満の場合には、水を追加する、または撹拌速度を下げる。2.8mmを超える場合は、混合セメントを追加する、または撹拌速度を上げる。
[被覆工程]
前記の工程で回収された一次造粒物に、水および混合セメントと消石灰の混合粉末を投入した後速度を抑えて撹拌し、一次造粒物に混合セメントと消石灰の混合物を被覆する。その際に、被処理物である砒素含有汚泥の質量に対し、前記の混練工程、造粒工程および本被覆工程の三つの工程で投入される混合セメントの合計量が、汚泥1に対し2〜2.5になる様に投入する。また、消石灰は、質量比が汚泥1に対し0.5〜0.8になる様に投入する。最終的に、投入した砒素含有汚泥、混合セメントの全量、および、消石灰の質量比は1:2〜2.5:0.5〜0.8となる。混練、造粒および被覆の三つの工程において投入される混合セメントの合計量が水の含有量が40mass%以上50mass%以下の砒素含有汚泥の質量1に対して質量比で2未満であると砒素の溶出抑制効果が不十分であり、質量比が2.5を超えると処理コストが増加するので、それぞれ好ましくない。また、被覆工程において投入される消石灰の量が、前記の砒素含有汚泥の質量1に対して質量比で0.5未満であると砒素の溶出抑制効果が不十分であり、質量比が0.8を超えると処理コストが増加するので、それぞれ好ましくない。
本被覆工程においては、一次造粒物の質量の0.2倍程度の水を投入する。前述の様に、被処理材である砒素含有汚泥の性質は、必ずしも一定ではないため、投入する水に過不足が生じる場合がある。水が不足、もしくは、混合セメントまたは消石灰が過剰な場合には、一部の混合セメント及び消石灰が粉末のまま残るため、混合セメントと消石灰の混合物の被覆層が薄くなり、十分な不溶化効果が得られない。その場合は水を追加すれば良い。水が過剰、もしく、は混合セメントまたは消石灰が不足な場合は、不溶化材同士が養生工程で互いに接着して塊になり易い。その場合は、混合セメントを追加するか、混合セメントと消石灰の混合物で被覆された一次造粒物を空気に触れないように乾燥すればよい。
[養生工程]
本発明の製造方法においては、前記の被覆工程により形成した二次造粒物を、引き続き養生する。養生の目的は、混練工程、造粒工程および被覆工程で硬化したセメントの強度向上で、セメント系の材料で通常に行われるプロセスである。養生は室温で、2日間〜7日間行うことが好ましい。また、中性化を防ぐため空気に触れずに行うとさらに好ましい。
[回収工程]
養生後の二次造粒物は、JISZ8801−1(2006)に定める金属製網ふるいで、目開き500μmのものおよび4.75mmのものを用い、粒径が0.5mm以上5.0mm以下の二次造粒物を回収し、最終的な砒素含有汚泥の不溶化材とする。本発明の製造方法により得られる砒素含有汚泥の不溶化材は、砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物が、混合セメントと消石灰の混合物で被覆された構造を有しているが、当該不溶化材がその様な構造を有することは、例えば、当該不溶化材を樹脂に埋め込んだ後断面を研磨し、その断面を波長分散型X線分析装置(WDX)やエネルギー分散型X線分析装置(EDX)等を用いて確認することができる。
ここで粒径が0.5mm以上5.0mm以下とは、環境省告示13号の規定の試料の項に、「日本工業規格Z八八〇一−(二〇〇六)に定める網ふるい(目開きが〇・五ミリメートルのもの及び四・七五ミリメートルのもの)を用いて粒径が〇・五ミリメートル以上五ミリメートル以下となるようにしたものとする。」と記載されている通り、目開き500μmのものおよび4.75mmの網ふるいを用いて分級された二次造粒物の粒径を意味する。したがって、ここで用いる粒径は平均粒径ではなく、公称粒径であり、その形状は問わない。なお、本発明の製造方法により得られる砒素含有汚泥の不溶化材の形状は、ほぼ球形である。
ここで粒径0.5mm未満の二次造粒物を除外するのは、前記の造粒工程で一度粒径が0.5mm以上2.8mm以下の一次造粒物を回収した後、混合セメントと消石灰の混合物を被覆しているため、本発明で得られる砒素含有汚泥の不溶化材の粒径は実質的に0.5mmを超えており、粒径が0.5mm未満の二次造粒物は汚泥のみ又は混合セメントのみの粒子である可能性が高いためである。また、粒径が5.0mmを超える二次造粒物は、環境省告示13号の規定により、分析前に粉砕しなければならないため、混合セメントと消石灰の混合物を被覆する意義が失われるので、やはり除外する。
[供試試料]
水分を40%含み、乾燥時の組成がCa:30mass%、As:20mass%(亜砒酸塩、mass%はAsとしての値)を含む汚泥。
[汚泥中の砒素含有量の測定方法]
汚泥を乾燥後、粉砕してプレス成形し、蛍光X線分析装置(XRF、リガク社製 ZSX Primus II)を用いて、20kV−2mAで全スキャンし、FP(ファンダメンタル・パラメーター)法で半定量化して測定した。
[汚泥中の水分含有量の測定方法]
汚泥を105℃で24時間乾燥し、乾燥前後の重量の差から水分含有量を計算した。
[砒素溶出試験]
本発明の製造方法により得られた砒素含有汚泥の不溶化材の耐砒素溶出性は、環境省告示13号に規定する「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」に準拠して行った。
[強度試験]
本発明の製造方法により得られた砒素含有汚泥の不溶化材の破壊強度は、図3に示す治具を用いて測定した。外径60mm、内径20mmのシリンダー底部に固定圧縮面を設け、当該固定圧縮面の中央部に砒素含有汚泥の不溶化材を一粒置き、可動圧縮面としてシリンダーの上部から外径20mmのパンチを挿入し、固定圧縮面と可動圧縮面間に、図示しない20トンの油圧プレス装置で手動により徐々に圧力を加え、不溶化材が割れて圧力が低下した時点の直前の圧力を、砒素含有汚泥の不溶化材の破壊強度とした。
また、破壊強度が低く、油圧プレス装置が適さない場合は、同治具を量りの上に置き、上記と同様に不溶化材を一粒置いた後、治具の上に重りを少しずつ乗せていき、不溶化材が割れてパンチが沈んだ際の、パンチを含めた重量を不溶化材の破壊強度とした。
[実施例1]
前記の供試試料の汚泥160gと高炉セメントB種80gとを日本アイリッヒ製インテンシブミキサーEL1型に入れてロータ回転数5000rpmで撹拌して混錬した。均一な粘土状になったところで、高炉セメントB種80gを投入し、ロータ回転数5000rpmで撹拌して解砕および造粒し、ふるい分けることにより、粒径が0.5mm以上2.8mm以下の汚泥とセメントの混合物である造粒物を得た。
続いて水66gを投入し、高炉セメントB種120gと消石灰80gの混合粉末を投入し、ロータ回転数1500rpmで撹拌して粒成長させた。さらに造粒物どうしの接着を防ぐため、高炉セメントB種40gを投入し、ロータ回転数1500rpmで撹拌して造粒物表面の余分な水分を吸収した。
本実施例の場合、砒素含有汚泥:高炉セメントB:消石灰の質量比は1:2:0.5になる。
得られた造粒物を(株)生産日本社製チャック付ポリエチレン袋「ユニパック(登録商標)」にいれて密封し、室温で7日間養生した。
その後、ふるい掛けにより回収した0.5mm以上5.0mm以下の砒素含有汚泥の不溶化材について、環境省告示13号に規定する溶出試験を行ったところ、砒素の溶出値は0.100mg/Lとなり、埋立て基準(0.3mg/L)未満となった。
また、本実施例により得られた砒素含有汚泥の不溶化材の破壊強度(kgf)は、測定回数5回で43、49、46、40および43であり、優れた破壊強度を有することが判る。
[実施例2]
前記の供試試料の汚泥10gと高炉セメントB種10gとをビーカーに入れて匙で混錬し、引き続き撹拌することにより造粒した。この場合、汚泥の水分と高炉セメントB種の比(汚泥水分/高炉セメントB種)が0.35以上0.45以下であれば、造粒機を使用せず、匙で撹拌するだけでも造粒でき、粒径が0.5〜2.8mmの汚泥とセメントの混合物である一次造粒物を得た。
前記の一次造粒物を全量パン型造粒機に投入し、パンの傾斜45°、パンの直径30cm、回転数25rpmで回転させながら、高炉セメントB種10gと消石灰5gと水9.6gを少量ずつ添加して、一時造粒物に高炉セメントBと消石灰の混合物を被覆した。
得られた二次造粒物を(株)生産日本社製チャック付ポリエチレン袋「ユニパック(登録商標)」にいれて密封し、室温で7日間養生した。
その後、ふるい掛けにより回収した0.5mm超以上5.0mm以下の砒素含有汚泥の不溶化材について、環境省告示13号に規定する溶出試験を行ったところ、砒素の溶出値は0.125mg/Lとなり、埋立て基準(0.3mg/L)未満となった。
また、本実施例で得られた不溶化材の破壊強度(kgf)は、測定回数5回で0.38、0.75、1.01、0.56および0.79であり、破壊強度は低い。
[比較例1]
比較例1として、被覆工程で消石灰を添加せず、それに伴い投入する水の量を20gに減らして、実施例1と同じ工程を繰り返した。
比較例1の製造方法で得られた造粒物の砒素の溶出値は0.358mg/Lであり、埋立て基準を超えるものであった。
また、比較例1で得られた造粒物の破壊強度(kgf)は、測定回数5回で46、40、43、40および40であり、優れた破壊強度を有する。
[比較例2]
比較例2として、被覆工程で消石灰を添加せず、それに伴い投入する水の量を5.8gに減らして、実施例2と同じ工程を繰り返した。
比較例2の製造方法で得られた造粒物の砒素の溶出値は0.896mg/Lであり、埋立て基準を大きく超えるものであった。
以上の結果から明らかな様に、本発明の製造法を用いると、砒素含有汚泥を直接処理し、環境省告示13号に定める埋立て基準に適合した砒素含有汚泥の不溶化材を得ることが可能になる。

Claims (1)

  1. 砒素を含有した汚泥に混合セメントを混合して撹拌する混練工程、
    前記の混練工程で得られた粘土状の混合物に混合セメントを追加した後に解砕・造粒する造粒工程、
    前記の造粒工程で得られた造粒物に混合セメントと消石灰を添加して撹拌し、砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を混合セメントと消石灰の混合物で被覆する被覆工程、
    前記の被覆工程で得られた混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を養生する養生工程、
    前記の養生後の混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を目開き500μmおよび4.75mmの篩を用いて篩い分け、粒径が0.5mm以上5.0mm以下の混合セメントと消石灰の混合物で被覆された砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物を回収する回収工程、
    を含む、砒素を含有する汚泥の粒子と混合セメントの混合物が、混合セメントと消石灰の混合物で被覆された、粒径が0.5mm以上5.0mm以下であり、環境省告示13号に定める砒素溶出試験における砒素溶出量が0.3mg/L以下である砒素含有汚泥の不溶化材の製造方法であって、
    前記の砒素を含有する汚泥、前記の添加する混合セメントの全量、および、前記の添加する消石灰の質量比を1:2〜2.5:0.5〜0.8とする、砒素含有汚泥の不溶化材の製造方法。
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