JP6821347B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

画像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6821347B2
JP6821347B2 JP2016138419A JP2016138419A JP6821347B2 JP 6821347 B2 JP6821347 B2 JP 6821347B2 JP 2016138419 A JP2016138419 A JP 2016138419A JP 2016138419 A JP2016138419 A JP 2016138419A JP 6821347 B2 JP6821347 B2 JP 6821347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
belt
pressurizing
pressure release
rotating body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016138419A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018010120A (ja
Inventor
達人 渡邉
達人 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016138419A priority Critical patent/JP6821347B2/ja
Publication of JP2018010120A publication Critical patent/JP2018010120A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6821347B2 publication Critical patent/JP6821347B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、記録材上のトナー像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、電子写真方式などの複写機、プリンタ、ファックス、それらの複合機能機等の画像形成装置において用いられ得る。
感光体等の像担持体に形成したトナー像を直接又は中間転写体を介して記録材に転写し、その記録材を、画像加熱装置の一例である定着装置のニップ部で挟持搬送しつつ加熱加圧して画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く用いられている。
画像加熱装置は、加熱回転体(ベルト部材又はローラ部材)に弾性層を有する圧接回転体(ベルト部材又はローラ部材)を圧接して記録材のニップ部を形成している。画像加熱装置では、弾性層の塑性変形を阻止するために、装置の停止時は、加熱回転体と圧接回転体とを離間させておくことが望ましいとされる(特許文献1)。
特許文献1には、モータを用いてカム部材を回転させることにより、ばね部材によって加圧されたニップ部の加圧を解除する機構が示される。そして、記録材の加熱処理を行わない期間は、ニップ部の加圧を軽減もしくは解除している。
特開2005−114959号公報
このような画像加熱装置においては、装置から加熱回転体や圧接回転体を取り出して新品に交換できるようにすることが求められている。しかしながら、加熱回転体や圧接回転体を交換する作業中に、ニップ部の加圧を解除しているカム部材が回転してしまい、交換作業完了時には、装置が加圧状態になってしまう恐れがあった。そして、加圧状態で長期放置されることにより、加熱回転体や圧接回転の弾性層が塑性変形してしまう恐れがあった。
本発明の目的とするところは、加熱回転体や圧接回転体の交換作業性を向上しつつ、加熱回転体や圧接回転の弾性層の塑性変形を阻止することができるようにした画像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、記録材上のトナー像をその間のニップ部で加熱する第1及び第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体のうち少なくとも一方を他方に向けて加圧するための加圧部材と、前記加圧部材による前記ニップ部の加圧力を第1の加圧力と前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力に変更可能とするためにカムを有する加圧力変更機構と、前記カムに駆動力を伝達するための駆動列と、
前記加圧部材を支持しており、装置に固定されて装置動作を可能にする第1の位置と、前記固定を解除した後に前記加圧部材による加圧力を解除して前記第1及び第2の回転体の少なくとも一方の装置からの取り出しを可能とする、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに移動可能な加圧支持部材と、前記加圧支持部材の位置移動に伴い前記駆動列に接触・離間動作をする規制部材と、を有し、前記規制部材は、前記加圧支持部材が前記第1の位置に位置しているときは前記駆動列から離間しており、前記第2の位置に位置しているときは前記駆動列と接触して前記駆動列の動作をロックすることを特徴とする。
本発明によれば、第1の回転体(加熱回転体)や第2の回転体(圧接回転体)の交換作業性を向上しつつ、第1の回転体や第2の回転体の弾性層の塑性変形を阻止することができるようにした画像加熱装置を提供できる。
実施例1におけるギアロック機構の構成説明図 画像形成装置の一例の構成模式図 実施例1における定着装置を正面側から見た斜視図 同装置の正面図 同装置の駆動側の拡大斜視図と制御系統のブロック図 同装置の要部の拡大横断面模式図 同装置の内部構造の要部を見た斜視模式図 (a)は定着ベルトの層構成模式図、(b)は蓋板を取り除いて見たコイルユニットの斜視図、(c)はベルトユニットの内部アセンブリの斜視図 通常加圧モード時の加圧力切替機構の状態図(図4のA−A断面) 通常加圧モード時の加圧力切替機構の状態図(図4のB−B断面) 圧解除カムのカム位相線図 低圧モード時の加圧力切替機構の状態図(図4のB−B断面) 圧解除モード時の加圧力切替機構の状態図(図4のB−B断面) 駆動ユニットの説明図 ベルトユニット(および加圧ローラ)の交換手順の説明図(その1) 同交換手順の説明図(その2) 同交換手順の説明図(その3) 圧解除カムが加圧板に回されてしまったときの説明図 圧解除カムにかかる力を説明するための図 圧解除カムを保持するトルクを説明するための図 ベルトユニット交換時に加圧状態になるときの図 回転規制部材がギアから離れているときの図 回転規制部材がギアに接触しているときの図 実施例2におけるギアロック機構の構成 回転規制部材がギアから離れているときの図 回転規制部材がギアに接触しているときの図
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
《実施例1》
[画像形成装置]
図2は画像形成装置の一例の構成模式図である。この画像形成装置1は、自動原稿搬送装置2を搭載している、タンデム方式−中間転写方式のフルカラー電子写真複写機である。
UY、UM、UC、UKは、それぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色のトナー像を形成する4つの作像部である。各作像部は、それぞれ、感光ドラム3、帯電器4、レーザスキャナ5、現像器6、一次転写帯電器7、ドラムクリーナ8を有する。なお、図の煩雑を避けるため作像部UY以外の作像部UM、UC、UKにおけるこれらの機器に対する符号の記入は省略した。また、これら作像部の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。
各作像部のドラム3から回動する中間転写ベルト9に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト9上に4色重畳のトナー像が形成される。一方、カセット10又は11、或いは手差しトレイ12から記録材(シート:以下、用紙あるいは紙と記す)Sが一枚宛給送される。その用紙Sが搬送路13を通ってレジストロール対14により所定の制御タイミングでベルト9と二次転写ロール15との圧接部である二次転写ニップ部に導入される。これにより、用紙Sに対してベルト9上の4色重畳のトナー像が一括して二次転写される。
本実施例の画像形成装置1において上記の機構部が用紙Sに未定着のトナー像を形成する画像形成部である。その用紙Sが画像加熱装置である定着装置(定着器)Fに導入されて加熱・加圧されることで未定着のトナー像が溶融軟化して固着像として定着される。定着装置Fを出た用紙Sは片面画像形成モードの場合は進路制御により搬送路16の側に導入されて排出トレイ17上に排出される。
両面画像形成モードの場合は、定着装置Fを出た片面画像形成済の用紙Sが進路制御により反転搬送路18の側に導入された後にスイッチバック搬送されて両面搬送路19に導入される。そして、表裏反転された状態で再び搬送路13を通って二次転写ニップ部に導入されて裏面に対するトナー像の形成がなされる。以後は片面画像形成の場合と同様に定着装置Fに導入され、排出トレイ17上に両面画像形成物として排出される。なお、本実施例1の画像形成装置1においては大小各幅サイズの用紙Sの搬送は用紙幅中心の所謂中央基準でなされる。所謂片側基準で用紙搬送を行う装置構成であってもよい。
以上のように、帯電、露光、現像、転写、そして定着までの一連の画像形成プロセスが実行され、用紙S上に画像が記録形成される。なお、モノクロの画像形成装置ではブラックの画像形成部のみが存在する。Y、M、C、K各色の画像形成部の並び順や構成はこの限りではない。
[定着装置]
以下で説明する定着装置Fに関して、正面側とは用紙Sの入口側、背面側とは用紙Sの出口側である。左右とは装置Fを正面側からみて左又は右である。本実施例においては左側を一端側(駆動側)、右側を他端側(非駆動側)とする。上下は重力方向において上又は下である。上流側と下流側は用紙Sの搬送方向(記録材搬送方向)において上流側と下流側である。
図3は定着装置Fを正面側から見た斜視図、図4は同装置Fの正面図、図5は同装置Fの駆動側の拡大斜視図と制御系統のブロック図、図6は同装置Fの要部の拡大横断面模式図、図7は同装置Fの内部構造の要部を見た斜視模式図である。
本実施例の定着装置Fは、IH(誘導加熱)方式−ベルト方式の画像加熱装置であり、主として図6を参照して、大別して、下記のような部材や機構を有している。
a:用紙Sに形成されたトナー像tをニップ部Nにて加熱する第1の回転体(加熱回転体:定着部材)としての可撓性を有するエンドレスベルト(以下、定着ベルトあるいはベルトと記す)100を含むベルトユニット110
b:ベルト100との間でニップ部Nを形成する第2の回転体(圧接回転体:加圧部材)としての弾性を有する加圧ローラ200
c:ベルト100を加熱する加熱器としてのコイルユニット(誘導加熱装置、磁束発生手段)300
d:ベルト100と加圧ローラ200とを圧接させて用紙上(記録材上)の画像を加熱(画像加熱処理:定着)するニップ部Nを形成する一端側と他端側の加圧機構710L・710R(図3〜図5)
e:加圧機構710L・710Rの加圧部材によるニップ部Nの加圧力を変更可能な加圧力変更機構720L・720R(図3〜図5)
f:底板601とこの底板601に固定して対向させて配設された一端側と他端側の側板602L・602Rを有し、上記のような部材や機構を収容している装置枠体(シャーシ、ハウジング)600(図3〜図5、図7)
(2−1)ベルトユニット
ベルトユニット110は、金属層を有する無端状のベルト100を有する。また、ベルト内部アセンブリとしての、定着パッド(以下、パッドと記す)103、パッド103を保持するパッド部材101、パッド部材101を保持するステー102、ステー102を覆う内部コア(内側磁性体コア)104等の組み立て体を有する。図8の(c)はこのベルト内部アセンブリの斜視図である。
パッド103、パッド部材101、ステー102は何れもベルト100の長手方向(幅方向)に長い部材である。ステー102は一端部と他端部がそれぞれベルト100の両端部から外方に突出しており、その突出部に対してそれぞれ一端側と他端側のフランジ部材105L・105R(図7)が嵌着されている。ベルト100はこの両フランジ部材105L・105Rの対向面間においてベルト内部アセンブリ101〜104の外側にルーズに外嵌されている。
パッド部材101の内側(パッド103の側とは反対側)においてパッド部材101の長手中央部には温度センサ取り付け部(不図示)が配設されている。その取り付け部に弾性支持部材109を介して例えばサーミスタ等の温度センサ(温度検出素子)TH1が設けられている。
弾性支持部材109はステー102の上面の長手中央部に設けられている透穴102aとこの透穴に対応する内コア位置に設けられている透穴104aを通って内コア104の外側に突き出ている。そして、その弾性支持部材109の先端部に支持された温度センサTH1がベルト100の長手中央部の内面に対して弾性的に当接している。これにより、回転されるベルト100のセンサ当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしても温度センサTH1がこれに追従してベルト100の内面との良好な接触状態が維持される。
図8の(a)はベルト100の層構成模型図である。ベルト100は内径が20〜40mm程度の金属の基層100aを有している。基層100aの外周には弾性層100bとして耐熱性ゴム層が設けられている。ゴム層の厚さは100〜800μmの範囲内で設定するのが好ましい。本実施例では、ベルト100の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、ゴム層の厚みは200μmとされている。更に弾性層100bの外周には、表面離型層100cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が設けられている。
基層100aの内面側には、ベルト内面と温度センサTH1との摺動摩擦を低下させるために、摺動性の高い滑性層100dを10〜50μm設けても良い。本実施例では30μmのポリイミド層を設け、さらにその表面に潤滑剤としての耐熱性グリスを塗布し、ベルト100の内面の潤滑性を維持している。なお、着ベルト100の金属層100aには鉄合金やニッケル合金、銅、銀などを適宜選択可能である。
パッド103を保持したパッド部材101がベルト100と加圧ローラ200との間に押圧力を作用させてニップ部Nを形成する。パッド22はステンレスなどの金属やセラミックス等の硬度の高い材質からなり、厚さ1mm程度で長手方向に伸びた形状である。パッド部材101の材質はPPSやLCP等の耐熱性の樹脂からなる。
パッド部材101を保持するステー102はニップ部Nに圧力を加えるために剛性が必要であるため金属製の剛性部材である。ステー102の材質としては、加熱器としてのコイルユニット300によってベルト100のみが発熱することが望ましく、誘導加熱の影響を受けにくいステンレス等の非磁性の材質が望ましい。
ステー102のコイルユニット300側には、誘導加熱をより効果的に行うために内部コア104が設けられている。内部コア104は、図8の(c)に示すように、長手方向に複数に分割して、コイルユニット300の後述する励磁コイル301との距離を漸次変化させるように配置されている。内部コア104は励磁コイル301に高周波電流を印加することにより発生した磁束がより効率的にベルト100の加熱に用いられるように、磁束を遮蔽するフェライト等の高透磁率の材質からできている。
ベルトユニット110は、図7のように、一端側と他端側のフランジ部材105L・105Rをそれぞれ装置枠体600の一端側と他端側の側板602L・602Rにそれぞれ形成されている縦方向のガイドスリット部602aに係合させて配設されている。したがって、ベルトユニット110は全体に側板602L・602R間においてスリット部602aに沿って上下方向に移動可能な自由度を有する。
(2−2)加圧ローラ
加圧ローラ200は金属製の芯金200aに弾性層200bとしてゴム層、また表面には離型層200cが設けられている、外形30mmの弾性ローラである。加圧ローラ200はベルトユニット110の下側において、軸線方向をベルトユニット110の長手方向にほぼ平行にして、側板602L・602Rに間にそれぞれ軸受603を介して回転可能に配設されている(図7)。
芯金200aの一端側の端部には加圧ローラギア801(図5)が同心一体に配設されている。このギア801に対して制御部(CPU)1000で制御される定着モータ(駆動源)800の駆動力が駆動伝達手段である定着駆動列(ギアトレイン)M2を介して伝達される。これにより加圧ローラ200が駆動回転体として図6において矢印R200の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
(2−3)コイルユニット
コイルユニット300はベルト100を誘導加熱する加熱器であり、ベルトユニット110の上側に配設されている。コイルユニット300はベルト100の長手方向に沿って長いハウジング303の内部に、励磁コイル(磁束を生ずるコイル)301、外部コア(外側磁性体コア)302等を組み付けたものである。
ハウジング303は横長箱型で耐熱樹脂製の成型品(電気絶縁性樹脂の肉厚2mm程度のモールド部材)である。ハウジング303の底板303a側がベルト100に対する対向面である。底板303aは横断面においてベルト100の外周面の略半周範囲に沿うようにハウジング303の内側に湾曲している。
コイルユニット300はハウジング303の両端部がベルトユニット110の一端側と他端側フランジ部材105L・105Rに受け止められている。これにより、ハウジング303の底板303aがベルト100の上面に対して所定のギャップ(隙間)αを存して対面している。コイルユニット110はハウジング303の一端側と他端側の側板がそれぞれの側のフランジ部材105L・105Rにワイヤーバネ(不図示)で括りつけられている。つまり、コイルユニット300はベルトユニット110と一体化されている。
従って、ベルトユニット110のフランジ部材105L・105Rが後述するように加圧機構710L・710Rで加圧されて沈みこむとコイルユニット300もギャップαを維持したままベルトユニット110と一緒に沈みこむ。また、フランジ部材105L・105Rが減圧または圧力解除されて浮くとコイルユニット300もギャップαを維持したままベルトユニット110と一緒に浮く。
コイル301は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・船底状にしてベルト100の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。そして、ハウジング内側に湾曲している底板303aの内面に当てがわれてハウジング内部に収められている。コイル301には、制御部1000で制御される電源装置(励磁回路)1001から20〜60kHzの高周波電流が印加される。この電流印加によりコイル301によって発生した磁界によりベルト100の金属層(導電層)100aが誘導発熱する。
外部コア302は、コイル301によって発生した磁界がベルト100の金属層(導電層)以外に実質漏れないようにコイル301を覆わせた外側の磁性体コアである。そして、外部コア302は、図8の(b)のように、長手方向に沿って複数に分割されて並んで配置されている。なお、図8の(b)はコイルユニット300についてハウジング303の蓋板を外してハウジング内部を見た図である。
(2−4)定着動作
画像形成装置1のスタンバイ状態(待機状態)においては、定着装置Fは、後述する加圧機構710L・710Rによるニップ部Nの加圧力が加圧力変更機構710L・710Rにより実質解除されている加圧解除モード(加圧解除状態)に保持されている。定着モータ800がOFFにされていて加圧ローラ200の回転は停止している。コイルユニット300のコイル301に対する給電はOFFにされている。
制御部1000は、プリントジョブ開始信号(画像形成ジョブ開始信号)の入力に基づいて、定着装置Fについては所定の温度に立ち上げるための装置の前回転動作(画像形成動作に先立つ準備動作)を実行する。
即ち、制御部1000は、所定の制御タイミングにて加圧力変更機構720L・720Rを制御して加圧機構710L・710Rを所定の加圧モード(加圧状態)にする。これにより、ベルトユニット110のステー104がフランジ部材105L・105Rを介して所定に加圧されて、ベルト内アセンブリがベルト100を介して加圧ローラ200に対して弾性層200bの弾性に抗して加圧される。その結果、パッド103がベルト100を介して加圧ローラ200に圧接してベルト100と加圧ローラ200との間に用紙搬送方向aにおいて所定幅のニップ部Nが形成される。
また、制御部1000は定着モータ800をONする。これにより、定着モータ800の駆動力が定着駆動列M2を介して加圧ローラギア801に伝達されて加圧ローラ200が図6において矢印R200の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
この加圧ローラ200の回転により、ニップ部Nにおける加圧ローラ200の表面とベルト100の表面との摩擦力でベルト100に回転力が作用する。ベルト100はその内面がパッド103に密着して摺動しながらベルト内部アセンブリ101〜104の外周りを図6において矢印R100の時計方向に加圧ローラ200の回転速度と同じ速度で従動回転する。ベルト100の回転に伴うスラスト方向への移動はフランジ部材105L・105Rのフランジ部により規制される。
また、制御部1000は電源装置(励磁回路)1001からコイル301に対して20kHz〜60kHzの高周波電流(交番電流)を印加する。コイル301は高周波電流の供給により交番磁束(磁場)を発生する。その交番磁束がコア302により回転しているベルト100の上面側においてベルト100の金属層100aに導かれる。そうすると、金属層100aに渦電流が発生して、その渦電流によるジュール熱により金属層100aが自己発熱(電磁誘導発熱)してベルト100が昇温していく。
即ち、回転するベルト100はコイルユニット300から発生される磁界が存在する領域を通過したときに金属層100aが電磁誘導発熱して全周的に加熱されて昇温する。このベルト100の温度が温度センサTH1により検知される。温度センサTH1はベルト100の通紙域になる部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御部1000にフィードバックされる。制御部1000はこのセンサTH1から入力する検知温度(検知される温度に関する情報)が所定の目標温度(定着温度:所定の温度に対応する情報)に維持されるように電源装置1001からコイル301に対する供給電力を制御している。
本実施例では、ベルト100の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル301に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
上記の前回転動作で、加圧ローラ200が駆動され、ベルト100が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態になる。この状態において、画像形成部側から定着装置Fのニップ部Nに未定着のトナー像tを担持した用紙Sがトナー像担持面側をベルト100側に向けてガイド部材106で案内されて導入される。用紙Sはニップ部Nにおいてベルト100の外周面に密着し、ベルト100と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。
これにより、主にベルト100の熱が付与され、またニップ部Nの圧力を受けて未定着トナー像tが用紙Sの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った用紙Sはベルト100の外周面からベルト100の表面がニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離(曲率分離)して、更には分離ガイド107で分離補助を受けて、ガイド部材108により定着装置Fから排出搬送されていく。
分離ガイド107は、ニップ部Nの出口部分から出た用紙Sがベルト100に巻き付かないように、かつベルト100に接触してベルト100に傷をつけないように、ベルト100とある間隔(隙間)を持って配置されている。分離ガイド107はフランジ部材105L・105Rの一部に係合しバネ等の付勢手段により固定されている。
プリントジョブ(印刷ジョブ)が終了すると、制御部1000は画像形成装置を所定の後回転動作後に停止させてスタンバイ状態に移行させる。定着装置Fについては、加圧機構710L・710Rが加圧解除モードに戻される。定着モータ800がOFFにされる。コイルユニット300のコイル301に対する給電もOFFにされる。
(2−5)加圧機構・加圧力変更機構
加圧機構710L・710Rは、本実施例では、ベルトユニット110のフランジ部材(押圧部材)105L・105Rをそれぞれ加圧(押圧)してベルト100と加圧ローラ200との間に用紙搬送方向aにおいて所定幅のニップ部Nを形成する機構である。加圧力変更機構(圧解除機構)720L・720Rは、それぞれ、加圧機構710L・710Rの加圧力を変更する機構である。
本実施例においては、加圧機構710L・710Rおよび加圧力変更機構720L・720Rを、装置枠体600の一端側と他端側の側板602L・602Rの外側にそれぞれ左右対称に同一構成で同期して動作する機構として具備させている。そこで、以下は、主として一端側の加圧機構710Lおよび加圧力変更機構720Lを代表して説明する。
(a)加圧機構
加圧機構710L(R)は、加圧支持板(加圧支持部材)700、加圧板1(701:加圧部材)、加圧板2(702:加圧部材)、回転中心軸703、加圧バネ1(704)、加圧バネ2(705)、加圧調整ねじ709から構成されている。
一端側の加圧機構710Lと他端側の加圧機構710Rの加圧支持板700は、それぞれ、装置枠体600の一端側の側板602Lと他端側の側板602Rに対して圧解除軸708が貫通することで支持されている。そして、加圧支持板700の先端部で、一端側の側板602L、他端側の側板602Rそれぞれに対してビス403で固定されている。
加圧板1(701)と加圧板2(702)は、回転中心軸703により軸支されており、加圧板1、2(701、702)は加圧支持板700に対して回転自在に動くことが出来る。加圧板1(701)を加圧バネ1(704)が、加圧板2(702)を加圧バネ2(705)がそれぞれフランジ部材105L(R)を加圧ローラ200側に押し付ける方向にバネ付勢している。ただし、加圧板1(701)は加圧板2(702)を介してフランジ105部材105L(R)を加圧している。
加圧支持板700には加圧調整ねじ709が締結されており、加圧調整ねじ709を締め込み量によって加圧バネ1(704)のバネ長を調節する。そして、フランジ105部材L(R)に負荷されるバネ荷重を調節することができる。
図9は図4のA−A線矢示の断面図、図10は図4のB−B線矢示の断面図である。
加圧板2(702)のフランジ部材105Lを押す面の一部に突起部702aを有しており、この突起部702aを加圧板1(701)が押すことで加圧板1(701)と加圧板2(702)で同時にフランジ部材105Lを加圧する構成となっている。そして、加圧ローラ200とベルト100の間にニップ部Nが形成されることとなる。
加圧バネ1(704)は加圧バネ2(705)よりも高い付勢力が出るように設定されている。例えば、ニップ部Nに550Nの加圧力が付与されている場合、加圧バネ1(704)は520Nを、加圧バネ2(705)は残り30Nを付勢するように設定されている。この550Nのニップ力は普通紙や光沢紙、厚紙等のメディアに対して用いられる。以後この加圧力の状態を通常加圧モードと称する。通常加圧モードでの加圧力と、通紙速度や温調温度を適切にコントロールすることによって、普通紙のみならず、厚紙や光沢紙の定着性や光沢感を満足することが可能となる。
(b)加圧力変更機構
加圧力変更機構720L(R)は、圧解除カム706、圧解除ギア707、圧解除軸708から構成されている。
回転中心軸703のフランジ部材105Lを挟んで対向する側に、圧解除機構としての圧解除カム706と、加圧支持板の加圧板を内包する空間の外側に圧解除ギア707、圧解除軸708が配置されている。なお、ギア707は他端側の加圧力変更機構720Rには配設されていない。圧解除ギア707と圧解除カム706は圧解除軸708と同軸に配置されており、圧解除ギア707の回転によって圧解除カム706が回転するように係合している。
圧解除カム706は長手方向に2つのカムを並設したような形状をしており、2つのカムプロファイルを持っている。具体的には、圧解除カムの小カム部706bは加圧板2(702)を回転中心軸中心に回転動作させ、圧解除カムの大カム部706aは加圧板1(701)を回転中心軸中心に回転動作させることができる。
図11に圧解除カム706が回転したときの、小カム部706bと大カム部706aによる加圧板1(701)、2(702)それぞれの回転中心軸中心の回転量を図示している。図11は、加圧状態が縦軸の0°に対応しており、図5、図9、図10において加圧板1(701)、2(702)が回転軸70を中心に反時計方向に回転する時を正としている。
(b−1)低加圧モード
次に、図12を用いて、ニップ圧が低い状態(以下、低加圧モード)について説明する。制御部100は、低加圧モードで通紙するプリントジョブ(JOB)、例えば封筒通紙ジョブ(用紙として封筒を用いたプリントジョブ)が投入された場合、定着装置Fは低加圧モードに移行する。
定着モータ800(図5)から着脱駆動列M1を介して圧解除ギア707に駆動が伝わり、圧解除ギア707を時計方向に回転させる。これにより、圧解除ギア707と平行ピンやDカット等により係合している圧解除軸708、ならびに圧解除カム706を回転させる。圧解除カム706が低加圧モードで停止し、定着装置Fが低加圧モードに移行した状態が図12である。他端側の加圧力変更機構720Rも連動して同じ動作をする。
図12では圧解除カム706の大カム部706aが加圧板1(701)を押し上げ、加圧板1(701)は圧解除状態となっている。一方で、小カム部706bは加圧板2(702)には触れず、加圧板1(701)と加圧板2(702)も接触しない状態となっている。このため、加圧バネ1(704)の加圧力は圧解除カム706で十分に受けることができ、フランジ部材105L(R)には加圧バネ1(704)の加圧力は作用しない。
加圧板2(702)には加圧バネ2(705)が配置されているため、図12の状態では加圧バネ2(705)のみがフランジ部材105L(R)に作用する。通常加圧モードの説明で述べたとおり、加圧バネ1(704)の付勢力に比べて加圧バネ2(705)の付勢力は約1/18程度であるため、通常加圧モードに比して低加圧モードの加圧力を大きく減少させることができる。
(b−2)圧解除モード
画像形成装置1が稼働しておらず、メイン電源スイッチ(不図示)がOFFされている場合や、紙詰まりを生じた場合、定着装置Fは圧解除モードに移行する。その際は通常加圧モードや低加圧モードから、図13に示す圧解除モードに移行する。
圧解除モードでは低加圧モードと異なり、加圧板1(701)、加圧板2(702)がともに圧解除カム706のそれぞれ大カム部706a、小カム部706bにより持ち上げられる。これにより、加圧バネ1(704)、加圧バネ2(705)の両方のバネの付勢力を圧解除カム706が受けることによって、ニップ部Nの加圧力を解除した状態である、圧解除モードに移行する。これにより、ベルト100や加圧ローラ200の塑性変形や紙詰まり時の用紙の除去性が向上する。
(2−6)駆動構成
図14は本実施例の定着装置Fにおける駆動ユニットの説明図である。この駆動ユニットは定着装置Fの一端側の側板602Lの外側に側板602Lに対向させて配設されてユニットフレーム404に組み付けられており、定着モータ800とギアトレインからなる。
本実施例の定着装置Fにおいては、定着動作と着脱動作は、駆動ユニットに具備させた一つの定着モータ800で、回転方向を切り替えて行う。駆動構成は、大きく分けて下記2つの駆動列(ギアトレイン)から成り立っている(図14参照)。
1.着脱駆動列(M1):定着モータ800〜圧解除ギア707の駆動列
2.定着駆動列(M2):定着モータ800〜加圧ローラギア801の駆動列
定着動作時には、着脱動作が行われないよう、着脱駆動列(M1)に搖動ギア806を設けている。揺動ギア806とは、ギアの接線力により搖動するギアであり、定着動作時は、この揺動ギア806は、着脱駆動列(M1)から外れるように構成されている。
また、着脱動作時には加圧ローラ200が回転しないように、ワンウェイギア802にワンウェイクラッチ802aが組み込まれている。着脱駆動時には、駆動軸808に対しワンウェイクラッチ802aが空転し、加圧ローラ200が回転しないようになっている。
(2−7)ベルトユニット及び加圧ローラの交換作業
ベルトユニット110及び加圧ローラ200(又は、そのどちらか一方)の交換作業手順を図15(a)〜図15(c)を用いて説明する。この交換作業は、一般に、定着装置Fを所定の手順で画像形成装置本体の内部から外部に十分に引き出して露出させた状態にして、あるいは、画像形成装置本体から取り外した状態にして行われる。あるいは、画像形成装置1に搭載させたまま画像形成装置本体の内部を開放することで定着装置Fを露出させた状態にして行われる。
画像形成装置1のメンテナンス等のために画像形成装置1の開閉部が開放されるとキルスイッチのOFF動作により画像形成装置本体の電源がOFFにされる。前述したように、画像形成装置1が稼働しておらず、電源がOFFされている場合は、搭載されている定着装置Fは圧解除モードに移行している。
即ち、図15(a)に示すように、圧解除カム706が加圧板1、2(701、702)を持ち上げ、ベルトユニット110への加圧力を解除した状態になっている。従って、ベルトユニット110及び加圧ローラ200を交換する際は、図15(a)に示すように定着装置Fの加圧が解除されている状態において行われる。
ここで、一端側と他端側の加圧機構710L・710Rにおいて加圧支持板700はそれぞれ常時はビス403により一端側の側板602L、他端側の側板602Rに対して固定されている。この加圧支持板700の装置に固定された位置を第1の位置Z1とする。この加圧支持板700の装置に固定された第1の位置Z1は装置動作を可能にする位置である。
ベルトユニット及び加圧ローラの交換作業に際して、最初に、一端側と他端側の加圧機構710L・710Rにおいて、それぞれの加圧支持板700と側板602L・602Rを締結させているビス403を外す。
次に、圧解除軸708を中心に加圧支持板700を側板602L・602Rから引き起こし回動させる(図15(b))。本実施例では、加圧支持板700を90°回動させる。この加圧支持板700の90°引き起こし回動位置がベルトユニット110及び加圧ローラ200の少なくとも一方の装置からの取り出しを可能とする、第1の位置Z1とは異なる第2の位置Z2である。このとき、圧解除カム706の姿勢は変わらず、加圧板1、2(701、702)は圧解除軸708中心に圧解除カム706の表面を滑りながら回動する。
そして、ベルトユニット110及び加圧ローラ200を装置枠体600の一端側と他端側の側板602L・602Rから取り外す。そして、新しいベルトユニット106及び加圧ローラ200を装置枠体600の一端側と他端側の側板602L・602Rにセットする(図15(c))。ベルトユニット110及び加圧ローラ200の何れか一方にだけの交換の場合も含まれる。
最後に、加圧支持板700を圧解除軸708中心に先ほどと逆方向に回動させて第2の位置Z2から第1の位置Z1に戻して、先ほど外したビス403を締めれば交換作業終了となる。
(2−8)不良現象とそのメカニズム
しかしながら、この交換作業中に、不意に圧解除カム706が回転してしまい、交換作業終了時に、加圧状態になってしまうという事態が発生することがある。交換作業終了時に加圧状態になり、そのまま放置させられるとベルト100や加圧ローラ200の弾性層に塑性変形(Cセット)が発生する虞がある。
この現象は、特に耐久等により、加圧板1、2(701、702)と圧解除カム706の摩擦係数が大きくなってくると発生しやすくなる。加圧板1、2(701、702)と圧解除カム706の摩擦係数が大きくなると、交換作業中の加圧板1、2(701、702)の回動動作により、圧解除カム706が回転させられるからである(図16)。その詳細なメカニズムについて、下記で述べる。
(a)加圧板が圧解除カムを回そうとするトルク
圧解除モード時、加圧バネ1、2(701、702)により、圧解除カム706は加圧板1、2(701、702)から力Pだけ押圧されている(図17)。
この状態で、加圧支持板700を圧解除軸708中心に回動させると、加圧板1、2(701、702)と圧解除カム706の間に摩擦力Fが生じる。そして、その摩擦力Fにより、圧解除カム706を回そうとするトルクTが生じる。
F=P・μ(N) μ:加圧板と圧解除カムの摩擦係数
T=F・r(N・m) r:圧解除カムの半径
(b)圧解除カムを保持するトルク
加圧支持板700を開けるとき、圧解除カム706は図18において、時計回り方向にトルクTを受ける。このとき、圧解除カム706は、着脱駆動トルクT1によって保持されている。
それに対し、加圧支持板700を閉めるとき、圧解除カム706は反時計回り方向にトルクTを受ける。このとき、圧解除カム706は、着脱駆動トルクT1と定着駆動トルクT2の和(T1+T2)によって保持されている。なぜならば、圧解除カム706がこの方向に回転させられるとき、ワンウェイクラッチ802aが駆動軸808とロックし、駆動列が加圧ローラギアまで連結するからである。
(c)トルクの関係
ここで、加圧板1、2(701、702)が圧解除カム706を回そうとするトルクTと、着脱駆動列の駆動トルクT1と、着脱駆動トルクT1と定着駆動トルクT2の和(T1+T2)との大小関係について述べる。
本実施例において、定着装置初期のトルクの関係は、T<T1<(T1+T2)となっている。しかし、着脱動作を繰り返し行うと、加圧板1、2(701、702)と圧解除カム706の表面が削れ、加圧板1、2(701、702)が圧解除カム706を回そうとするトルクTが大きくなる。そして結果、T1<T<(T1+T2)という関係になる。
T1<Tの関係になると、加圧支持板700を開けると、圧解除カム706は加圧板1、2(701、702)によって回され、図16の状態になる。しかし、加圧支持板700を閉める際には、圧解除カム706を回そうとするトルクTよりも、圧解除カム706の保持トルク(T1+T2)の方が大きい。そのため、圧解除カム706は図16の姿勢のまま保たれ、加圧板1、2(701、702)のみ圧解除カム706の表面を滑るようにして回動する。
そうすると、加圧板1、2(701、702)が、圧解除カム706の変曲点706cを超えるタイミングで次の事象が生じる。即ち、今まで圧解除カム706によって圧縮させられていた加圧バネ1、2(704、705)の伸びようとする力P’によって、圧解除カム706は時計回り方向に回されてしまう(図19)。そうなると、交換作業終了時には、加圧状態になってしまう。
初期設定で、T>T1>(T1+T2)という関係にすると、加圧支持板700の開閉動作で、圧解除カム706は加圧板1、2(701、702)と常に連れ回りをするようになる。この状態だと、交換作業時に上記のような事態(加圧状態)が発生することはない。
しかし、T>T1>(T1+T2)という関係にするということは、着脱トルクを上げるということである。着脱トルクを上げると、加圧板、もしくは圧解除カムの表面削れが顕著になり、着脱動作のトルクアップや削れ粉の飛散等の問題が発生する。そのため、T>T1>(T1+T2)という関係に設定することは好ましくない。
(9)ギアロック機構
上記不良に対する対策である、ギアロック機構910について図1、図20を用いて説明する。
ギアロック機構910は、回転規制部材(規制部材)900と、回動軸902から成り立つ。回転規制部材900は、回動軸902の中心に回動可能である(図1)。通常時、回転規制部材900の一端900aは、加圧支持板700の突き当て部700aに突き当たっており、回転規制部材の他端900bは、圧解除アイドラギア2(804)から離間している(図1)。
ベルトユニット110や加圧ローラ200を交換する際に、加圧支持板700を開けると、加圧支持板700の突き当て部700aと回転規制部材900の一端900aが離れる。そして、回転規制部材900の自重により回転規制部材900は圧解除アイドラギア2(804)に向かって回転する(図21)。そして、圧解除アイドラギア2(804)の歯と歯の間に回転規制部材の他端900bが入り込み、圧解除アイドラギア2(804)の回転を規制する。このように、回転規制部材900が駆動列M1と接触して動作をロックする方向は一方向のみである。
圧解除アイドラギア2(804)の回転方向について、図21を用いて説明する。加圧支持板700を開けるとき、つまり、圧解除カム706が右回転方向に回転しようとするとき、圧解除アイドラギア2(804)は右回転方向に回転しようとする。
回転規制部材900の他端900bは、圧解除アイドラギア2(804)が右回転方向に回転するとき、圧解除アイドラギア2(804)の歯面に食い込み勝手に力を受ける。そのため、圧解除アイドラギア2(804)の回転トルクによって、回転規制部材900が圧解除アイドラギア2(804)から離れることはない。
加圧支持板700を閉めるとき、つまり、圧解除カム706が左回転方向に回転しようとするとき、圧解除アイドラギア2(804)は左回転方向に回転しようとする。このとき、回転規制部材の他端900bは、圧解除アイドラギア2(804)の回転トルクによって、圧解除アイドラギア2(804)から離れるように力を受ける。しかし、加圧支持板700を閉めるとき、圧解除カム706は、着脱駆動トルクT1と定着駆動トルクT2の和(T1+T2)で保持されており、その保持トルクは十分大きいので、そもそも圧解除アイドラギア2(804)は回転しないので、問題ない。
以上、回転規制部材900が圧解除アイドラギア2(804)の回転を規制することにより、圧解除カム706が加圧板1、2(701、702)によって回転されることを確実に防止することができる。そして、結果的に、ベルトユニット106及び加圧ローラ200の交換作業中に定着装置Fが加圧状態になってしまうことを防止できる。
本実施例1の定着装置Fの特徴構成をまとめると次のとおりである。用紙上のトナー像tをその間のニップ部Nで加熱するベルト100と加圧ローラ200を有する。その少なくとも一方を他方に向けて加圧するための加圧部材701・702を有する。この加圧部材701・702によるニップ部Nの加圧力を第1の加圧力と第1の加圧力よりも低い第2の加圧力に変更可能な加圧力変更機構720(L、R)を有する。この加圧力変更機構に駆動力を伝達するための駆動列M1を有する。
また、加圧部材701・702を支持している加圧支持板700を有する。加圧支持板700は、装置に固定されて装置動作を可能にする第1の位置Z1と、固定が解除されてベルト100と加圧ローラ200の少なくとも一方の装置からの取り出しを可能とする、第1の位置Z1とは異なる第2の位置Z2とに移動可能である。
加圧支持板700の位置移動に伴い駆動列M1に接触・離間動作をする回転規制部材900を有する。回転規制部材900は、加圧支持板700が第1の位置Z1に位置しているときは駆動列M1から離間しており、第2の位置Z2に位置しているときは駆動列M1と接触して駆動列M1の動作をロックする。
《実施例2》
本実施例2では、ギアロック機構の構成のみ実施例1と異なる。
(10)ギアロック機構
本実施例2のギアロック機構910について図22、図23を用いて説明する。ギアロック機構910は、回転規制部材900と、付勢部材901と、回動軸902から成り立つ。回転規制部材900は、回動軸902を中心に回動可能であり、付勢部材901により、時計回り方向に付勢されている(図22)。
通常時、回転規制部材900の一端900aは、加圧支持板700の突き当て部700aに突き当たっており、回転規制部材900の他端900bは、圧解除アイドラギア2(804)から離間している(図23)。
ベルトユニット110や加圧ローラ200を交換する際に、加圧支持板700を開ける。そうすると、加圧支持板700の突き当て部700aと回転規制部材900の一端700aが離れ、付勢部材901により回転規制部材900は圧解除アイドラギア2(804)に向かって回転する。そして、圧解除アイドラギア2(804)の歯と歯の間に回転規制部材の他端900bが入り込み、圧解除アイドラギア2(804)の回転を規制する(図24)。
付勢部材901の付勢力により、圧解除アイドラギア2(804)の回転方向に関わらず、回転規制部材900が圧解除アイドラギア2(804)の回転を規制することができる。
以上、回転規制部材900が圧解除アイドラギア2(804)の回転を規制することにより、圧解除カム706が加圧板1、2(701、702)によって回転されることを確実に防止することができる。そして、結果的に交換作業中に定着装置が加圧状態になってしまうことを防止できる。
《その他の実施例》
(1)実施例では、画像加熱装置として、用紙上(記録材上)に形成された未定着のトナー像を加熱して定着する定着装置を例にして説明したがこれに限られない。用紙Pに定着もしくは仮定着されたトナー像を再加熱して画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(光沢向上装置)にも本発明を適用することが可能である。
(2)画像加熱装置は、第1の回転体と第2の回転体は共にローラ体である装置構成であってもよいし、共にエンドレスベルトである装置構成であってもよいし、一方がローラ体であり他方がエンドレスベルトである装置構成であってもよい。
(3)画像加熱装置の加圧機構は第1の回転体と第2の回転体のうちの少なくとも一方を他方に向けて加圧する構成であればよい。
(4)画像加熱装置は第1の回転体と第2の回転体の少なくとも一方を加熱器で外部加熱或いは内部加熱する装置構成であればよく、加熱器は実施例の誘導加熱に限られない。接触型ヒータや熱線照射加熱であってもよい。
(5)画像形成装置は実施例のようなフルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
F・・画像加熱装置(定着装置)、100・・第1の回転体、200・・第2の回転体、701・702・・加圧部材、720・・加圧力変更機構、M1・・駆動列、700・・加圧支持部材、900)・・規制部材

Claims (8)

  1. 記録材上のトナー像をその間のニップ部で加熱する第1及び第2の回転体と、
    前記第1及び第2の回転体のうち少なくとも一方を他方に向けて加圧するための加圧部材と、
    前記加圧部材による前記ニップ部の加圧力を第1の加圧力と前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力に変更可能とするためにカムを有する加圧力変更機構と、
    前記カムに駆動力を伝達するための駆動列と、
    前記加圧部材を支持しており、装置に固定されて装置動作を可能にする第1の位置と、前記固定を解除した後に前記加圧部材による加圧力を解除して前記第1及び第2の回転体の少なくとも一方の装置からの取り出しを可能とする、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに移動可能な加圧支持部材と、
    前記加圧支持部材の位置移動に伴い前記駆動列に接触・離間動作をする規制部材と、を有し、
    前記規制部材は、前記加圧支持部材が前記第1の位置に位置しているときは前記駆動列から離間しており、前記第2の位置に位置しているときは前記駆動列と接触して前記駆動列の動作をロックすることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記規制部材が前記駆動列と接触して前記駆動列の回転方向の一方向のみをロックすることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記規制部材を前記駆動列に接触するように付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加圧力変更機構は前記ニップ部の加圧力を実質解除することが可能であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記第1及び第2の回転体が共にローラであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記第1及び第2の回転体の一方がエンドレスベルトであり他方がローラであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記第1の回転体が記録材の未定着のトナー像を担持している側に対応しており、前記第2の回転体により駆動されて回転するエンドレスベルトであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  8. 磁束を生ずるコイルを有し、前記第1の回転体は磁束により誘導発熱する導電層を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の画像加熱装置。
JP2016138419A 2016-07-13 2016-07-13 画像加熱装置 Active JP6821347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016138419A JP6821347B2 (ja) 2016-07-13 2016-07-13 画像加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016138419A JP6821347B2 (ja) 2016-07-13 2016-07-13 画像加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018010120A JP2018010120A (ja) 2018-01-18
JP6821347B2 true JP6821347B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=60995397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016138419A Active JP6821347B2 (ja) 2016-07-13 2016-07-13 画像加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6821347B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7318293B2 (ja) * 2019-04-22 2023-08-01 株式会社リコー 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4291608B2 (ja) * 2003-04-16 2009-07-08 パナソニック株式会社 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2005114959A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Canon Inc 定着装置及び画像形成装置
JP2008032870A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd ローラ加圧機構及びこれを備えた画像形成装置
JP2013148815A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Kyocera Document Solutions Inc 加圧装置、定着装置、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018010120A (ja) 2018-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6456819B1 (en) Image heating apparatus
JP5197280B2 (ja) 像加熱装置
JP5541734B2 (ja) 像加熱装置
US9091976B2 (en) Image heating apparatus
US9128427B2 (en) Image heating apparatus
JP2021114000A (ja) 画像形成装置
US9811033B2 (en) Fixing device and image forming apparatus therewith
JP5289175B2 (ja) 像加熱装置
JP6821347B2 (ja) 画像加熱装置
JP4261727B2 (ja) 像加熱装置
JP2013054114A (ja) 画像加熱装置
JP2003270998A (ja) 像加熱装置
JP5777765B2 (ja) 像加熱装置
US9081341B2 (en) Image heating apparatus
JP2007286559A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2006098931A (ja) 無端ベルト、加熱装置及び画像形成装置
JP4115137B2 (ja) 定着装置
WO2017111180A1 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2001102163A (ja) 加熱装置、像加熱装置および画像形成装置
JP2007057673A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2005300755A (ja) 無端ベルト、加熱装置及び画像形成装置
US9423740B2 (en) Image forming apparatus with fixing portion having exciting coil configured to cause rotatable member to generate heat by electromagnetic induction heating
JP6573393B2 (ja) 画像形成装置
JP2003007446A (ja) 加熱装置、加熱定着装置及び画像形成装置
JP2005100729A (ja) 加熱装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20181116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20200207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210106

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6821347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151