JP6820691B2 - コアシェル型ナノ粒子とタンパク質との複合体 - Google Patents

コアシェル型ナノ粒子とタンパク質との複合体 Download PDF

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Description

本発明は、抗体等のタンパク質と複合化したナノ粒子に関する。本発明により得られる、ナノ粒子と抗体等との複合体は、被験物質の分析のために特に有用である。本発明は、生命科学分野、特に医療分野、および臨床検査分野で有用である。
試料中に含有される被検物質を検出する方法として、特異性の高い抗原−抗体反応を利用した種々の方法が提案されている。なかでも、簡便かつ迅速であることから、臨床検査においては免疫クロマト法が着目されている。免疫クロマト法では、通常、2種類の抗体を利用したサンドイッチ法が採用されている。この方法では、金属コロイドや着色粒子で標識した一方の抗体(標識化抗体)を含む試薬と試料とを混合し、試料中に含まれる抗原である被験物質と標識化抗体とを反応させ、これを他方の抗体(固定化抗体)が固定されたクロマト担体に流す。固定化抗体によりクロマト担体上で抗原−標識化抗体の結合物を捕捉し、捕捉された結合物の標識に由来するシグナルをもとに、被験物質の有無を分析するというものである。
このような免疫クロマト法に用いるための抗体の標識化方法として、磁性ナノ粒子を利用することが知られており、種々の検討がなされてきている。例えば、特許文献1は、被検物質に対して特異的に結合する物質を、繰り返し単位の個数が50〜500個であるポリアルキレングリコールからなるスペーサーを介して直径0.5〜10μmの磁気ビーズと結合してなる標識化特異的結合物質を提案する。標識物質として特定の大きさを有する磁気ビーズを用い、該磁気ビーズに特定の長さを有するスペーサーを介して被検物質と特異的に結合する物質を結合させた標識化特異的結合物質を用いることで被検物質を精度良く検出することを可能にせしめたものである。また、特許文献2は、磁性を標識とした免疫測定法に用いる金酸化鉄複合磁性粒子であって、磁性酸化鉄からなる核粒子と、前記磁性酸化鉄からなる核粒子の表面に結合した金粒子とからなることを特徴とする金酸化鉄複合磁性粒子を提案する。これに拠れば、磁性粒子の表面に抗原または抗体を結合させる際に、磁性粒子の洗浄作業等の煩雑な工程を施す必要が無く、免疫測定に好適に用いることができる金酸化鉄複合磁性粒子、免疫測定用磁性粒子、および、該免疫測定用磁性粒子を用いる免疫測定法を提供できる旨が述べられている。
また、主としてオリゴヌクレオチドの標識化のためのものではあるが、特許文献3は、(a)内側の金属含有ナノ粒子コア、および(b)前記ナノ粒子コアを包囲する外側の非合金の金シェルからなるコアシェル型ナノ粒子を提案する。これにより、銀の光学的特性および多くの物理的特性を示すが、金の安定性を示さないコアシェル型ナノ粒子を製造することが容易になる旨が述べられている。
コアシェル型ナノ粒子の外側にさらに第二のシェルを有するダブルシェル型のナノ粒子が開発されており、非特許文献1においては、その形成メカニズムが研究されている。
国際公開WO2005/075997(特許第4646003号公報) 特開2007−205911号公報 国際公開WO2003/008539(特開表2005−520125号公報)
M. Takahashi, et al.,CrystEngComm,2015,17,6923−6929
本発明は、タンパク質とナノ粒子の安定な複合体を提供すること、特に該タンパク質として被検物質に対する抗体を用いた態様においては、被検物質の迅速な分析を行うのに適した、タンパク質とナノ粒子との複合体を提供することを課題としてなされたものである。
[1](a)貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
(b)Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
を含むコアシェル型ナノ粒子であって、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである、コアシェル型ナノ粒子と、
タンパク質と、
の、複合体。
[2]部分(a)が、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む、1に記載の複合体。
[3]コアシェル型ナノ粒子が、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであり、シェルの外側に貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む第二のシェルをさらに有するダブルシェル型である、1または2に記載の複合体。
[4]第二のシェルが、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む、3に記載の複合体。
[5]部分(b)が、FeおよびCoを含む、1から4のいずれか1項に記載の複合体。
[6]複合体に含まれる貴金属およびCuの、貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiに対する原子組成%が、1%以上99%以下である、1から5のいずれか1項に記載の複合体。
[7]Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む酸化物を有する、1から6のいずれか1項に記載の複合体。
[8]複合体が磁性を有する、1から7のいずれか1項に記載の複合体。
[9]タンパク質が、被検物質に対する抗体である、1から8のいずれか1項に記載の複合体。
[10]被検物質に対する抗体を標識するための、
(a)貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
(b)Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
を含むコアシェル型ナノ粒子であって、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである、コアシェル型ナノ粒子。
[11]被検物質と9に記載の複合体とを反応させ、そして
反応によって形成された反応体からのシグナルを検出する
工程を含み、
シグナルの有無または強度に基づき被検物質の存在または量を決定する、被検物質の分析方法。
[12]複合体が、磁性を有し、
反応体からのシグナルが、磁気シグナルである、11に記載の分析方法。
[13]9に記載の複合体を含む、被検物質の分析のための、キット。
本発明により、タンパク質とナノ粒子との、より安定な複合体が提供される。
タンパク質として、被検物質に対する抗体を用いた態様により、被検物質の迅速な分析を行うことができる。この分析方法は定量性にも優れている。
コアシェル型(ダブルシェル型)ナノ粒子とタンパク質との複合体の例(実施例で得られた架橋複合体の化学構造)
本発明は、特定の構造を有するコアシェル型ナノ粒子と、タンパク質との複合体を提供する。
[複合体]
<ナノ粒子>
本発明の複合体は、下記のコアシェル型ナノ粒子を含む:
(a)貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
(b)Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
を含むコアシェル型ナノ粒子であって、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである。
<部分(a)>
ナノ粒子における部分(a)は、貴金属、すなわち、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、およびオスミウム(Os)からなる群より選択される少なくとも一つ、またはAuおよびAgと同じく11属同族元素であり、それらと性質の似た、銅(Cu)から構成される。これらの材料は、液性によらず常に負に荷電することから、シェルとして使用された場合は、液中でのナノ粒子の分散安定性を保つことができ、また、不活性かつ安定であることから、ナノ粒子の酸化に対する安定性を高めることができる。また、プラズモン吸収等による着色により、ナノ粒子の存在の検出や、吸光度測定による粒子濃度の定量が可能であるという利点も有する。好ましい態様において部分(a)は、部分(b)がいずれの材料であっても、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む。その理由は、Ag、Au、およびAuとAgの合金からなるナノ粒子は、プラズモン吸収による着色が強く、液中で濃度が低い場合であっても吸光度を測定することで、粒子濃度を決定することが容易だからである。部分(a)を構成する材料は、部分(b)がいずれの材料であっても、Ag、またはAuであることが好ましく、Agであることがより好ましい。
<部分(b)>
ナノ粒子における部分(b)は、Fe(鉄)、Co(コバルト)、およびNi(ニッケル)からなる群より選択される少なくとも1つを含む材料で構成される。部分(b)を構成する材料として、公知の磁性材料から適宜選択すると、複合体に磁性を付与することができ、好ましい。公知の磁性材料としては、例えば、Fe単体、Co単体、Ni単体、マグネタイト(Fe34)、マグヘマイト(γ−Fe23)等これらの酸化物、またはFe、CoおよびNiから選択される2以上の元素を含む磁性材料が挙げられる。Fe、CoおよびNiから選択される2以上の元素を含む磁性材料としては、例えば、FeCo合金、FeNi合金、CoNi合金、FeCoNi合金等や、CoFe24、NiFe24等のフェライト類の酸化物等が挙げられる。部分(b)は、金属状態のFe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいると、飽和磁化が大きくなる傾向にあり、好ましい。複合体に金属状態のFe、Co、およびNiが含まれることは、XPS(X線光電子分光法)測定により確認することができる。部分(b)を構成する材料は、例えば、Fe、CoおよびNiから選択される2以上の元素から成るもの(他の元素を実質的に含まないもの)であってもよいし、さらに他の元素を含んでいてもよい。他の元素の例は、酸素(O)、窒素(N)もしくは炭素(C)、またはMg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素から選ばれる少なくとも1つの非磁性金属であり得る。特に、部分(b)が、Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む酸化物を有すると、ナノ粒子の酸化による着色や磁性といった物性変化が小さくなり、好ましい。例えば、複合体が磁性を有する場合には、複合体の磁性変化が小さくなる。酸素を含む部分(b)の態様としては、例えば、NiO、NiO2等ニッケルの酸化物、CoO、CoO2、CoO3、Co34等コバルトの酸化物、FeO、Fe23、Fe34、Fe45等鉄の酸化物、CoxFe1-xO、CoxFe2-x4、Co2FeO4等コバルトと鉄の複合酸化物、NixFe1-xO、NixFe2-x4、Ni2FeO4等ニッケルと鉄の複合酸化物、CoNi24等ニッケルとコバルトの複合酸化物、Co0.5Ni0.5Fe24等ニッケル、コバルト、鉄の複合酸化物などが挙げられる。複合体に、Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む酸化物が含まれることは、XRD(X線回折)測定により確認することができる。
好ましい態様において部分(b)は、部分(a)がいずれの材料であっても、FeおよびCoを含む。その理由は、FeおよびCoを含むと、FeCo合金を形成するなどして、高い飽和磁化、および高い透磁率を示すためである。一般に、FeへのCoの添加は飽和磁化を高くすることが知られており、より好ましい態様において部分(b)は、Fe30-70とCoとの合金で構成され、さらに好ましい態様において部分(b)はFe40-60とCoの合金、例えばFe50Co50を含む磁性材料で構成される。
<コア、シェル、ダブルシェル>
本発明の複合体に含まれるナノ粒子は、コアシェル型であるが、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである。好ましい態様においては、ナノ粒子は、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであり、シェルの外側に貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む第二のシェルを有するダブルシェル型であってもよい。ダブルシェル型である場合、第二のシェル(ダブルシェルということもある。)を構成する材料は、コア部およびシェル部がいずれの材料であっても、Ag、Au、またはAgおよびAuであることが好ましく、AgまたはAuであることがより好ましく、Agであることがさらに好ましい。本発明でコアシェル型というときは、特に記載した場合を除き、ダブルシェル型を含み、またシェルというときは、ダブルシェルを含む。なお本発明に関し、ナノ粒子の構成を「@」を用いて表す場合、特に記載した場合を除き、より内側のものを左側により外側のものを右側に示している。例えば「Au@FeCo@Ag」は、ダブルシェル型(コア―シェル―第二のシェル型)のナノ粒子であって、Auで構成されるコアと、FeおよびCoを含む材料で構成されるシェルと、Agで構成される第二のシェル(ダブルシェル)を含む、ナノ粒子を表す。
貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分を有することにより、ナノ粒子の安定性、特に酸化に対する安定性を高めることができる。本発明者らの検討によると、Fe,Co,及びNiからなる群より選択される少なくとも1つを含むコアの外側に、貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含むシェルを設ける場合のみならず、貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含むコアの外側に、Fe,Co,及びNiからなる群より選択される少なくとも1つを含むシェルを設ける場合にも当てはまることが分かっている。
ナノ粒子におけるコアの平均粒径は、特に限定されないが、例えば1nm以上500nm以下であり、2nm以上200nm以下であることが好ましく、4nm以上100nm以下であることがより好ましい。また、ナノ粒子における、ダブルシェル型でない場合の最外側シェル、およびダブルシェル型である場合の、内側のシェルの平均厚さも特に限定されないが、例えば0.5nm以上250nm以下であり、1nm以上100nm以下であることが好ましく、2nm以上50nm以下であることがより好ましい。さらに、ナノ粒子における、ダブルシェル型である場合の最外側シェルの平均厚さも特に限定されないが、例えば0.5nm以上20nm以下であり、0.7nm以上10nm以下であることが好ましく、1nm以上5nm以下であることがより好ましい。
ナノ粒子全体の平均粒径もまた、特に限定されないが、ダブルシェル型でない場合であってもダブルシェル型である場合であっても、例えば3nm以上1000nm以下であり、5nm以上500nm以下であることが好ましく、8nm以上200nm以下であることがより好ましい。
ナノ粒子のコアの平均粒子径およびシェルの平均厚さは、次のようにして求めることができる。エタノール等適切な溶媒で希釈したナノ粒子試料をマイクログリット上に滴下し、乾燥させてTEM観察用サンプルを作製する。その後、サンプルのSTEM−HAADF画像を撮影する。このとき、併せて、EDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)装置等を用いて構成元素の定性分析を行うこともできる。得られたSTEM−HAADF画像におけるナノ粒子の面積範囲を画像解析ソフトを用いて処理し、複合ナノ粒子に含まれるコアの粒径(円面積相当径)とシェルの厚みを測定して平均値を算出し、値に基づき、コアの平均粒子径およびシェルの厚さを求める。なお、試料によっては、TEM画像から、コアシェル構造を確認できる場合がある。 またナノ粒子の平均粒径は、以下のようにして測定することができる。まず、視野内に十分多数のナノ粒子を含むTEM(透過型電子顕微鏡)写真を用意する。次に、このTEM写真において、複数個、好ましくは300〜500個のナノ粒子の粒径をそれぞれ測定する。ナノ粒子の形状が真円ではない場合、長軸径を測定する。測定した粒径の平均値を算出し、これをナノ粒子の平均粒子径とする。
<磁性>
複合体は、磁性を有することが好ましい。ナノ粒子が強磁性、フェリ磁性、または超常磁性を有すると、磁気を利用して複合体を分離・泳動することができ、また複合体の存在を磁気シグナルに基づき検出することができるからである。複合体は、超常磁性を有することがより好ましい。外部磁場が存在しない場合、ナノ粒子が磁気モーメントを有さないため、ナノ粒子の凝集を抑制できるからである。複合体が強磁性、フェリ磁性、または超常磁性を有することは、複合体の磁気特性を超伝導量子干渉磁束計(SQUID)を備えた磁気特性測定装置により測定することで、確認することができる。
<原子組成%>
本発明においては複合体に含まれる貴金属およびCuの、貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiに対する原子組成%が1%以上99%以下とすることができる。貴金属およびCuの、貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiに対する原子組成%は、(複合体における貴金属およびCuの合計の原子濃度)/(複合体における貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiの原子濃度の合計)×100で求められる。例えば、複合体に、貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiのうち、Ag、FeおよびCoが含まれている場合、当該原子組成%は、(Agの原子濃度)/(Agの原子濃度+Feの原子濃度+Coの原子濃度)×100で計算される。
原子組成は、対象となるナノ粒子を王水等の適切な酸に溶解し、プラズマ発光分光分析装置を用いて組成分析を行い、得られた測定値に基づき、算出できる。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、当該原子組成%が、1%以上99%以下であると、複合化したタンパク質の吸着や、酸化還元等の反応活性を促進しうることを見出した。この理由は明らかではないが、部分(a)と部分(b)のフェルミエネルギーや電気陰性度の違いから、電荷分離が促進されてタンパク質への電子供与が起こり、吸着や酸化還元等の反応活性を促進するためであると推察される。また、原子組成%が1%以上99%以下であると、部分(b)が磁性材料で構成される場合、磁性を十分に維持しつつ、部分(a)の作用により、液中でのナノ粒子の分散安定性を保つことができ、またナノ粒子の酸化に対する安定性を高めることができる点でも好ましい。
当該原子組成%は、好ましくは2%以上80%以下であり、より好ましくは3%以上60%以下であり、さらに好ましくは5%以上50%以下、最も好ましくは10%以上30%以下である。
ナノ粒子は、その表面に、次に説明するように、タンパク質が結合され、複合化される。タンパク質は、典型的には、被検物質に対する抗体である。すなわち、本発明は、被検物質に対する抗体を標識するための、上述したようなコアシェル型ナノ粒子を提供する。
[タンパク質]
本発明の複合体は、タンパク質を含む。タンパク質は、ナノ粒子と複合化できる有用なタンパク質であれば特に限定されない。タンパク質の例は、抗体、ペプチドホルモン、インターフェロン、リンホカイン、血液成分、ウイルスタンパク質、酵素等である。より具体的な例として、インスリン、ヒト成長ホルモン、ACTH、エンドルフィン、副腎皮質ホルモン(PTH)、カリクレイン、アンギオテンシノーゲン、EGF、ウシ成長ホルモン、IFNa、IFNb、IFNg、IL−2(TCGF)、抗血友病因子(IX因子、VIII因子)、フィブリノーゲン、アルブミン、アンチトロンビンIII、a1−アンチトリプシン、B型肝炎ウイルスタンパク質(HBs、HBc、e抗原)、A型肝炎ウイルスタンパク質、インフルエンザウイルスタンパク質、ポリオウイルスタンパク質、トリパノソーマウイルスタンパク質、マラリアウイルスタンパク質、口蹄病ウイルスタンパク質、各種プロテアーゼ(ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ペプシノーゲン)、プロキモシン等が挙げられる。
好ましい態様において、本発明の複合体におけるタンパク質は、抗体である。本発明に関し、抗体というときは、抗原を認識することができる抗体の一部を含む。抗体は、ポリクローナル抗体であってもよく、モノクローナル抗体であってもよい。抗体の具体的な例としては、抗CRP抗体、抗C−polysaccharide抗体、細菌のリボゾーム蛋白質L7/L12タンパク質に対する抗体、抗マイコプラズマニューモニア抗体、抗ヘモフィルスインフルエンザ抗体、抗ストレプトコッカスニューモニア抗体、抗クラミジアニューモニア抗体等が挙げられる。
本発明の複合体においては、ナノ粒子の表面にタンパク質が結合することにより複合化されているが、ナノ粒子表面にタンパク質は、直接的に結合していてもよく、またクロスリンカー部等を介して結合していてもよい。また結合は、化学的な結合のほか、吸着等による結合も含む。結合が強固となるとの観点からは、化学的な結合が好ましい。
[複合体の製造方法]
<ナノ粒子の製造方法>
ナノ粒子の製造方法としては特に限定されず、コアシェル型のナノ粒子を製造するための種々の方法が適用できる。特にAg@FeCo@Agであるダブルシェル型ナノ粒子は、例えば、次のようにして製造することができる。
Agイオン、1,2−ヘキサデカンジオール、オレイルアミン、オレイン酸、およびテトラエチレングリコールの混合溶液を、アルゴン雰囲気に置換後、撹拌しながら加熱して、80〜120℃で、数分〜数十分保持する。その後、150〜190℃まで加熱し、Co2+イオン、Fe3+イオン、オレイルアミン、およびトルエンからなる混合溶液をゆっくり添加する。続いて、温度を更に230〜270℃まで上げ、最外側シェルを形成させるためのAgイオン、オレイルアミン、およびトルエンからなる混合溶液を素早く添加する。
添加後、温度を210〜250℃まで、数分〜数十分かけて降温し、その後は加熱をやめ、室温まで自然冷却する。
自然冷却後の液の上澄みをアセトンで希釈し、遠心分離機により、ナノ粒子を沈殿させることができる遠心加速度で遠心分離を行う。遠心分離後、上澄みを捨て、沈殿したナノ粒子にヘキサンを加え、超音波で分散させた後、再度アセトンで希釈し、遠心分離し、上澄みを捨て、得られた沈殿を真空乾燥することにより、Ag@FeCo@Agナノ粒子が得られる。このようにして得られたナノ粒子は、1,2−ヘキサデカンジオールやテトラエチレングリコールの還元作用により、金属状態のAg、Fe、Coを有している。得られた乾燥粒子は、水分散性を向上する分散剤等により修飾することで、水等の適当な分散媒中に再分散させることができる。
<タンパク質との複合化>
ナノ粒子の表面にタンパク質を結合させる方法としては、タンパク質の機能を損なうことがない限り、特に限定されず、公知の種々の方法を利用することができる。例えば、ナノ粒子の表面がAuで構成される場合は、抗体を溶解した緩衝液中にナノ粒子を浸漬させ、適切な温度で一定時間インキュベートすることにより、ナノ粒子の表面に物理的にタンパク質を結合することができる。あるいは、AuまたはAgとSH基との化学結合や親和性を利用し、タンパク質にSH基を導入後、ナノ粒子と反応させてAuまたはAg−S結合を形成させることにより、タンパク質を化学的にナノ粒子表面に結合する、あるいはSH基を介してAuまたはAgにタンパク質を物理的に結合させることができる。タンパク質として抗体を用いる場合は、抗体のSH基を利用して、抗体をナノ粒子表面に直接的にまたは物理的に結合することができる。
好ましい態様においては、タンパク質は、ナノ粒子表面にクロスリンカー部等を介して結合している。クロスリンカー部の構造もまた、結合されるタンパク質の機能を損なわない限り、特に限定されない。クロスリンカー部を介して結合する方法には、例えば、次のようなものがある。ポリリシンのアミノ基に2−イミノチオランを導入してSH基を持たせた変性ポリリシンを合成し、SH基を利用してナノ粒子の表面に変性ポリリシン結合したものを準備し、さらにポリリシンのアミノ基にN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)を反応させて、ナノ粒子とSPDPの反応体の水分散液を得る。他方、タンパク質のアミノ基にN−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシンイミド(EMCS)を反応させ、タンパク質とEMCSの反応体を得ておく。そしてナノ粒子とSPDPの反応体の水分散液と、タンパク質とEMCSの反応体の水分散液を混合し、反応させることにより、ナノ粒子にクロスリンカー部を介してタンパク質が結合した複合体の水分散液が得られる。
なお得られた複合体の濃度(粒子数/mL、またはμg/mL等を単位とすることができる。)は、ナノ粒子を含む液の光学濃度(OD、吸収度合を対数で表示したもの。)または吸光度のピークが液中のナノ粒子の濃度に直線的に相関することを利用して、各サイズのナノ粒子に応じてあらかじめ求めた係数を用いて計算することができる。
[複合体の用途]
本発明の複合体は、結合するタンパク質の機能に応じ、様々な用途にもちいることができる。特に、タンパク質として、被検物質に対する抗体を用いた複合体は、免疫クロマト法、抗原−抗体反応を利用した酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、ラテックス凝集法等の生物学的反応を利用した種々の被検物質の分析方法に好適に用いることができる。
すなわち本発明は、上記の抗体を用いた複合体を使用した、下記の工程を含む、被検物質の分析方法を提供する:
被検物質と複合体とを反応させ、そして
反応によって形成された反応体からのシグナルを検出する。被検物質の存在または量は、複合体からのシグナルの有無または強度に基づき決定することができる。なお分析するとは、被検物質の有無(存在/非存在)を決定すること、被検物質の濃度を決定すること(すなわち、被検物質を定量すること)、または被検物質の濃度が所定の基準値以上であるか所定の基準値以下であるかを決定することを包含する。
シグナルは、例えばナノ粒子が、部分(a)が、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む場合、色の変化、表面プラズモン吸収スペクトルの変化であり得る。シグナルはまた、ナノ粒子が磁性を有する場合、磁性量の変化であり得る。本発明の分析方法の特に好ましい態様においては、ナノ粒子が磁性を有し、被検物質と複合体との反応体からの磁性量の変化を検出することにより、被検物質を分析する。
本発明者らの検討によると、本発明の複合体を用いることにより、金コロイドで標識された抗体を用いる場合に比較して、より迅速な分析を行うことができることが分かっている。また磁性ナノ粒子から発生される磁性は、機械的に容易に定量可能であるので、本発明の分析方法は定量性に優れている
<免疫クロマト法>
本発明の分析方法は、免疫クロマトグラフィー法(「免疫クロマト法」ということもある)として実施するのに適している。
免疫クロマト法は、免疫クロマトグラフィー装置を用いて行うことができる。免疫クロマトグラフィー装置は、被検物質の有無、濃度等を判定するための判定部を有し、判定部上には被検物質に対する抗体が固定される。免疫クロマトグラフィー装置は、2種類の抗体を用いるサンドイッチアッセイ(「サンドイッチ免疫アッセイ」ということもある。)を利用したものでもよい。
本発明の複合体を用いた免疫クロマトグラフィー装置は、典型的には、少なくとも装置基材、複合体含浸部、クロマト展開用担体、判定部からなり、公知の方法にて市販の材料を用いて作製することができる。例えば、装置基材としては、水溶液と界面を形成することが可能な固体、ならびにそれらの表面を改質してなる固体である。基材の材質としては、入手のしやすさや安定性、安全性、成形性および滅菌性に優れるという点でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子自体ならびにそれを架橋した構造体や改質した構造体、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属を用いることができる。中でも合成高分子や天然高分子誘導体が好ましい。また基材の形状としては平板、メッシュ、織布、不織布、スポンジ状構造体、3次元成型体(ブロック状)等で用いることができ、中でも平板が好ましい。複合体含浸部材には、本発明の複合体が保持されている。複合体含浸部材に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等であり、より好ましくはガラス繊維である。クロマト展開用担体に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライド、ナイロン等である。クロマト展開用担体には判定部を設けることができ、ここには被検物質に結合する別の抗体が固定化されている。この判定部への抗体の固定化においては、担体表面に抗体分子が直接結合していてもよいし、または活性基を介して結合していてもよい。担体から抗体分子または活性基が担体表面に固定化された状態であれば、いずれの結合状態であってもよい。結合状態としては、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、水素結合または疎水結合の単独またはこれら複数の合力があげられる。特に抗体溶液と担体表面との単純な接触による物理的な吸着法は、簡便で本発明に特に好適に用いられる。また抗体の吸着後に担体表面を洗浄や乾燥させること、あるいは担体表面に抗体溶液を塗布後に水分を蒸発せしめて担体表面に抗体を固定化する方法も、本発明に極めて好適に使用することができる。
検体に含まれる抗原である被検物質は、ナノ粒子と複合化された抗体と結合しながらクロマト展開用担体を展開した後、判定部にて標識化された抗体とは異なる部位で結合する抗体と結合する。判定部におけるシグナル(例えば、色、磁性等)の有無または変化を、センサーで検出・測定することにより、被検物質が分析できる。本発明の分析方法の特に好ましい態様においては、ナノ粒子が磁性を有するが、この場合、被検物質と複合体との反応体からの磁性量の変化を検出することにより、被検物質を分析する。磁性ナノ粒子から発生される磁性は機械的に容易に定量可能であるので、この態様は、定量性に優れている
<キット>
本発明は、本発明の分析方法を行うためのキットも提供する。キットは、免疫クロマトグラフィー装置を含み、それ以外に、検体を希釈するための液や、検体を採取するための用具、例えば綿棒、および/または吸引カテーテルを含んでいてもよい。
キットに含まれる免疫クロマトグラフィー装置は、包装され、包装中には、脱酸素剤、乾燥剤等の酸化や変質を防止するための剤が含まれていることが好ましい。包装材としてはラミネートフィルムが好ましい。ラミネートフィルムとしては、金属箔と樹脂フィルムとを積層したフィルムが好ましく、外層樹脂フィルム/金属箔/内層樹脂フィルムから成る3層構成のものが例示される。外層樹脂フィルムは接触等により金属箔が損傷を受けることを防止するためのものであり、ナイロン又はポリエステル等の樹脂が好適に使用できる。金属箔は水分及びガスの透過を防ぐためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。また、内層樹脂フィルムは、ヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィン、酸変成ポリオレフィン等が好適に使用できる。
<その他>
本発明のナノ粒子とタンパク質との複合体は、上記以外にも、医療・診断分野における種々の用途に用いうる。この用途には、例えば、抗原、抗体、酵素、レセプター、リガンド、毒素等の各種成分の分離、精製、および固定化、病原体、細胞の分離、精製、および固定化、標的の標識化等が含まれる。このため、本発明のナノ粒子とタンパク質との複合体は、ライフサイエンス分野において、物質の分離・精製、病気の検査、診断、イメージング、温熱療法、ドラッグデリバリー等への適用が期待できる。
以下に実施例による本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子の合成法]
50mL三つ口フラスコを使用し、0.0170gのAgNO3、0.258gの1,2−ヘキサデカンジオール、2.68gのオレイルアミン、2.26gのオレイン酸、10mLのテトラエチレングリコールの混合溶液を、アルゴン雰囲気に置換後、撹拌しながら加熱して、100℃10分保持した。
その後、170℃まで加熱し、0.0514gのコバルト(II)アセチルアセトナート(Co(acac)2)と、0.0706gの鉄(III)アセチルアセトナート(Fe(acac)3)と、2mLのオレイルアミンおよび2 mLのトルエンからなる混合溶液をゆっくり添加した。
続いて、温度を更に250℃まで上げ、0.0170gのAgNO3と、1mLのオレイルアミンと、1mLのトルエンからなる混合溶液を素早く添加した。
添加後、温度を230℃まで10分かけて降温し、その後は加熱をやめ、室温まで自然冷却した。
上澄みを2本の50 mL遠沈管(1)に均等に取り分け、そこヘアセトンを全量が45 mLとなるようにそれぞれに加えた。そして遠心分離機により、遠心加速度3760(×g)で5分間遠心分離を行った。遠心分離後、上澄みを捨て、ヘキサンを400μLずつそれぞれの遠沈管(1)へ加え、沈殿した粒子を超音波で分散させた後、新しい4本の遠沈管(2)ヘ2本の遠沈管(1)からそれぞれ200μLの粒子分散液を分注した。これら4本の遠沈管(2)に対してアセトンを全量が45 mLとなるまで加え、遠心分離機により、遠心加速度3760(×g)で5分間遠心分離を行った。最後に上澄みを捨て、得られた沈殿を真空乾燥機し、Ag@FeCo@Agナノ粒子を得た。
[変性ポリ−L−リシン合成]
重合度が約32であり、数平均分子量が約4090、重量平均分子量が約4700のε−ポリ−L−リシン(日本国JNC株式会社販売)に、超純水を加え、ε−ポリ−L−リシンの25wt%水溶液を調製した。10mmolのリシンユニットを含む、ε−ポリ−L−リシンの25wt%水溶液5.12gに、少量の塩酸を滴下してpHを中性にした後、0.275g(2mmol)の2−イミノチオラン塩酸塩(カナダ国Tronto Research Chemicals社販売)を加え、室温で2時間撹拌した。得られた生成物を分画分子量(MWCO)500の透析膜(スペクトラ/ポアCE透析用チューブ)を用いて2日間透析した。さらに凍結乾燥を2日間行うことで、変性ポリ−L−リシンを得た。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液の合成法]
Ag@FeCo@Agナノ粒子を17mg/mLの濃度でヘキサンヘ超音波分散させた。変性ポリ−L−リシンを15 mg秤量し、超純水1mLに溶解し、更にエタノールを100μL加えポリマー水溶液を得た。ポリマー水溶液を遠沈管へ移し、その後、ヘキサンに分散させたAg@FeCo@Agナノ粒子をポリマー水溶液へ加え、超音波を印加しながら攪拌した。超音波印加中に更に超純水2mLを加え、超音波は30分以上印加して混合物を得た。その後、混合物を6本の1.5mLエッペンドルフチューブヘ均等に分注し、さらに超純水を足してそれぞれの総量を1mLとした。そして超遠心分離機(Hitachi CS100FNX)によって40000rpmで3分間遠心分離を行った。上澄みを取り除き、少量の超純水を足して沈殿したナノ粒子を超音波により再分散させ、Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液を得た。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子とSPDPの反応体の合成法]
粒子濃度2.048mg/mLである、Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液20μLを1.5mL PP製チューブに移し、120μLの精製水を加え、さらに50μLの0.2M のpH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液を加えた。さらに、濃度50mMであるSPDP(N−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、10μL加え、30℃で20分反応させた後、遠心分離機にて遠心加速度20,000(×g)にて30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿粒子に、0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0、0.5mMのEDTAを含む)200μLを添加し、超音波分散した。さらに、0.1Mのジチオトレイトールと0.5mMのEDTAを含む、0.1MのpH6.0のリン酸ナトリウム緩衝液を10.53μL加え、室温で40分反応させた後、遠心加速度20,000(×g)にて30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿粒子に、0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0、0.5mMのEDTAを含む)200μLを添加し、超音波分散後、遠心加速度20,000(×g)にて30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。さらに、沈殿粒子に、0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0、0.5mMのEDTAを含む)200μLを添加し、超音波分散し、Ag@FeCo@Agナノ粒子とSPDPの反応体の水分散液を得た。
[抗体とEMCSの反応体の合成法]
0.15MのNaClと0.05%のNaN3を含む、pH7.5の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中に、抗CRPマウスモノクローナル抗体(日本国オリエンタル酵母工業株式会社製)を11.6mg/mL含む溶液を準備した。この溶液43.1μLに対し、pH7.0の0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液を200μL、156.9μLの精製水を添加し、さらに濃度2mMであるEMCS(N−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシンイミド)のジメチルスルホキシド溶液を25μL加え、30℃で60分反応させた。
日本国GEヘルスケア・ジャパン株式会社販売のPD―10カラムを使用し、pH6.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(0.5mMのEDTAを含む)を溶出溶媒としてゲル濾過を行い1mLごとに分取し、抗体とEMCSの反応体の水分散液1mL(波長280nmの吸光度が最も高い分取成分)を得た。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子−抗体の架橋複合体の合成法]
Ag@FeCo@Agナノ粒子とSPDPの反応体の水分散液100μLと、抗体とEMCSの反応体の水分散液100μLを混合し、室温で45分間反応させた後、6℃で一晩静置し、Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の架橋複合体の水分散液を得た。
粒子濃度は、18.6(μg/mL)であった。
得られた架橋複合体の構造を図1に示す。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子−抗体の吸着複合体の合成法]
粒子濃度2.048mg/mLである、Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液20μLを1.5mL PP製チューブに移し、pH6.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(0.5mMのEDTAを含む) 200μLを加えて超音波分散後、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行った。上澄みを除去後、pH6.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(0.5mMのEDTAを含む) 200μLを加えて、超音波分散し、Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液(A液)を得た。
0.15MのNaClと0.05%のNaN3を含む、pH7.5の10mMりん酸ナトリウム緩衝液に対し、抗CRPマウス モノクローナル抗体(日本国オリエンタル酵母工業株式会社製)を11.6mg/mL含む溶液43.1μLに対し、pH7.0の0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液を200μL、156.9μLの精製水を添加した。
日本国GEヘルスケア・ジャパン株式会社販売のPD―10カラムを使用し、pH6.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(0.5mMのEDTAを含む)を溶出溶媒としてゲル濾過を行い1mLごとに分取し、抗体の水分散液1mL(B液)(波長280nmの吸光度が最も高い分取成分)を得た。
A液50μLとB液50μLを混合し、室温で45分間撹拌混合した後、6℃で一晩静置し、その後粒子濃度が18.6(μg/mL)となるよう精製水を加え、Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の吸着複合体の水分散液を得た。
[Ag@FeCo@Agナノ粒子濃度の測定方法]
Ag@FeCo@Agナノ粒子の水分散液の、Ag@FeCo@Agナノ粒子濃度は、波長409nmの吸光度を測定し、
(波長409nmの吸光度)=0.024×(粒子濃度(μg/mL))
として、粒子濃度を算出した。なお係数0.024は、予めAg@FeCo@Agナノ粒子の吸光度と粒子濃度の関係を調べることにより求めた。
[コア部、シェル部、ダブルシェル部の組成の検出方法]
日本電子株式会社製の走査TEM(STEM)JEM−ARM200Fを使用して、STEM−HAADF像観察、ならびにEDS元素マッピングを行った。
AgL端のEDS元素マッピング像において、STEM−HAADF像における粒子表面および粒子中心部に、Agが存在する場合、それぞれ表2のダブルシェル部欄、コア部欄に、Agと記載した。また、CoK端、FeK端のEDS元素マッピング像において、粒子表面および粒子中心部に存在するAgの間に、FeおよびCoが存在する場合、表2のシェル部欄にFe、Coと記載した。
[平均粒子径の測定方法]
試料をエタノールで希釈して、マイクログリット上に滴下後乾燥してTEM観察用サンプルとし、株式会社日立ハイテクノロジーズ製透過電子顕微鏡H−7650によりTEM観察を行った。500個の粒子径の平均値を算出し、これをナノ粒子の平均粒子径とした。
[原子組成(%)の算出方法]
複合体に王水を加えて加熱し溶解して、株式会社島津製作所製高周波プラズマ発光分光分析装置ICPS−7000により組成分析を行った。分析結果に基づき、FeとCoとAgの合計を100%としてそれぞれの原子組成%を求めた。
[X線回折(XRD)測定]
複合体を真空乾燥し、株式会社リガク製X線回折装置MiniFlex600を使用し、X線源はCuKαを利用して、X線回折(XRD)の測定を行った。測定範囲は2θ=25°〜90°とした。得られたピークの結晶相への帰属には、Ag相としてはPDFカード番号01−087−0717のデータを、Co50Fe50相としてはPDFカード番号00−049−1567のデータを用いた。(粉末回折データベース PDF−2、販売元:株式会社ライトストーン)。CoxFe1-xO相としてはChemistry of Matterials,26,P5063―5073(2014)記載のデータを用いた。
[磁性測定]
複合体を真空乾燥し、カンタム・デザイン社製の磁気特性測定装置MPMSにより温度300Kで、磁場−30〜30(kOe)の範囲で磁化の測定を行ない、表6に飽和磁化を記載した。また、複合体が超常磁性を示した場合、表6の超常磁性の欄に○を示した。
[粒子−抗体の複合体と、HRP(ホースラディッシュペルオキシターゼ)標識抗体との反応]
1.5mLのPP製チューブに、ELISA用洗浄液を150μLとり、粒子と抗体の(架橋または吸着)複合体の水分散液50μLを添加し、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。さらにELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
抗マウスIgG(H+L)−HRP−goat抗体(株式会社医学生物学研究所製、品番330)を、ELISA用洗浄液で2000倍希釈し、200μL採取して沈殿に加え、超音波分散後、室温で30分反応させた後、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿に、ELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。再度沈殿に、ELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、遠心加速度20,000(×g)で30分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿に、テトラメチルベンジジンを含むHRP用発色液200μLを加え、室温で5分間保持後、反応停止液600μLを加えた。上澄み100μLをELISA用プレートのウェルに注液し、プレートリーダーにてOD450nmとOD620nmの差(OD450620)を測定した。
[実施例1]
Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の架橋複合体を用いて、HRP標識抗体との免疫複合化を行い、呈色反応を行った。結果を表1に示す。また、Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の架橋複合体の、コア部、シェル部の組成の解析結果を表2に、Fe、Co、Agの原子組成%を表3に、XRD測定により得られたピークとその帰属を表4に、磁性測定の結果を表6に示す。また、平均粒子径は13.5nmであった。
[実施例2]
Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の吸着複合体を用いて、HRP標識抗体との免疫複合化を行い、呈色反応を行った。結果を表1に示す。また、Ag@FeCo@Agナノ粒子と抗体の吸着複合体のコア部、シェル部の組成の解析結果を表2に、複合体のFe、Co、Agの原子組成%を表3に、XRD測定により得られたピークとその帰属を表5に、磁性測定の結果を表6に示す。また、平均粒子径は13.5nmであった。
[比較例1]
BBInternational社製の粒子径10nmの金コロイド(商品コードEMGC10、Au粒子濃度57.6(μg/mL))32.3μL、pH9.0の0.1M四ホウ酸ナトリウム緩衝液17.7μLを加えて、超音波分散し、Au粒子の水分散液(C液)50μLを得た。
0.15MのNaClと0.05%のNaN3を含む、pH7.5の10mMリン酸ナトリウム緩衝液に対し、抗CRPマウス モノクローナル抗体(日本国オリエンタル酵母工業株式会社製)を11.6mg/mL含む溶液43.1μLに対し、pH9.0の0.1M四ホウ酸ナトリウム緩衝液を200μL、156.9μLの精製水を添加した。
日本国GEヘルスケア・ジャパン株式会社販売のPD―10カラムを使用し、pH9.0の0.1M四ホウ酸ナトリウム緩衝液(0.5mMのEDTAを含む)を溶出溶媒としてゲル濾過を行い、1mLごとに分取し、抗体の水分散液1mL(D液)(波長280nmの吸光度が最も高い分取成分)を得た。
C液50μLとD液50μLを混合し、室温で45分間撹拌混合した後、6℃で一晩静置し、Au粒子と抗体の吸着複合体の水分散液を得た。粒子濃度は、希釈により18.6(μg/mL)となった。
1.5mLのPP製チューブに、ELISA用洗浄液を150μLとり、Au粒子と抗体の吸着複合体の水分散液50μLを添加し、4℃にて遠心加速度25,000(×g)で1時間遠心分離を行い、上澄みを除去した。さらにELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、4℃にて遠心加速度25,000(×g)で1時間遠心分離を行い、上澄みを除去した。
抗マウスIgG(H+L)−HRP−goat抗体を、ELISA用洗浄液で2000倍希釈し、200μL採取して沈殿に加え、超音波分散後、室温で30分反応させた後、4℃にて遠心加速度25,000(×g)で1時間遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿に、ELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、4℃にて遠心加速度25,000(×g)で1時間遠心分離を行い、上澄みを除去した。再度沈殿に、ELISA用洗浄液を200μL加え、超音波分散後、4℃にて遠心加速度25,000(×g)で1時間遠心分離を行い、上澄みを除去した。
沈殿に、テトラメチルベンジジンを含むHRP用発色液200μLを加え、室温で5分間保持後、反応停止液600μLを加えた。上澄み100μLをELISA用プレートのウェルに注液し、プレートリーダーにてOD450620を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006820691
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本発明によれば、免疫測定等に好適に用いることができるナノ粒子、免疫測定用ナノ粒子、および、該免疫測定用ナノ粒子を用いる免疫測定法を提供することができる。

Claims (15)

  1. (a)貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
    (b)Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
    を含むコアシェル型ナノ粒子であって、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである、コアシェル型ナノ粒子と、
    タンパク質と、
    の、複合体であって、
    タンパク質がナノ粒子表面にクロスリンカー部を介して結合しており、
    クロスリンカー部が、ナノ粒子とN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)の反応体と、タンパク質とN−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシンイミド(EMCS)の反応体を反応させることにより形成されたものであり、
    タンパク質が、被検物質に対する抗体である、複合体
  2. ナノ粒子とSPDPの反応体が、ポリリシンのアミノ基に2−イミノチオランを導入した変性ポリリシンを介してナノ粒子表面とSPDPが結合したものである、請求項1に記載の複合体。
  3. 部分(a)が、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の複合体。
  4. コアシェル型ナノ粒子が、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであり、シェルの外側に貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む第二のシェルをさらに有するダブルシェル型である、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合体。
  5. 第二のシェルが、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項に記載の複合体。
  6. 部分(b)が、FeおよびCoを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の複合体。
  7. 複合体に含まれる貴金属およびCuの、貴金属、Cu、Fe、CoおよびNiに対する原子組成%が、1%以上99%以下である、請求項1からのいずれか1項に記載の複合体。
  8. Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む酸化物を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の複合体。
  9. 複合体が磁性を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の複合体。
  10. 被検物質に対する抗体を標識するための、
    (a)貴金属およびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
    (b)Fe、Co、およびNiからなる群より選択される少なくとも1つを含む部分と、
    を含むコアシェル型ナノ粒子であって、部分(a)がコアであり、かつ部分(b)がシェルであるか、または部分(b)がコアであり、かつ部分(a)がシェルである、コアシェル型ナノ粒子であって、
    ナノ粒子の表面に、ポリリシンのアミノ基に2−イミノチオランを導入した変性ポリリシンを介してSPDPが結合しており、
    抗体とEMCSの反応体と反応させることにより、抗体を標識するための、ナノ粒子
  11. 被検物質と請求項1からのいずれか1項に記載の複合体とを反応させ、そして反応によって形成された反応体からのシグナルを検出する
    工程を含み、
    シグナルの有無または強度に基づき被検物質の存在または量を決定する、被検物質の分析方法。
  12. 複合体が、磁性を有し、
    反応体からのシグナルが、磁気シグナルである、請求項11に記載の分析方法。
  13. 請求項1からのいずれか1項に記載の複合体を含む、被検物質の分析のための、キット。
  14. 請求項1から9のいずれか1項に記載の複合体の、水分散液。
  15. 請求項1から9のいずれか1項に記載の複合体の、超音波により分散可能な沈殿物。
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