JP6463166B2 - 金属複合体粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、局在表面プラズモン共鳴効果及び磁性を兼ね備える金属複合体粒子及びその製造方法に関する。
磁性ナノ粒子は、直径が1nm〜100nm程度の大きさの磁性粒子である。ナノ粒子に特有の、比表面積が大きい、物性が粒径に依存する、といった性質から、様々な用途の検討がされている。用途の例としては、高密度磁気記録媒体、磁性流体としての特性を活かしたスピーカー及びシール材料、磁気ハイパーサーミア(磁気温熱療法)、MRI造影剤、磁気ドラッグデリバリーシステム、特定の物質(医薬品、抗原、抗体、レセプター、ハプテン、酵素、タンパク質、ペプチド、糖、核酸、ホルモン、病原体、毒素等)の選択的分離及び捕集、イムノクロマトグラフィー等の免疫測定、細胞の操作、血液の浄化(病原体の除去)などが挙げられる。
また、上記磁性ナノ粒子に、局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance:LSPR)を生じる金属を複合化(以下、「磁性−LSPR複合体ナノ粒子」という。)する検討も行われている(特許文献1〜3等)。LSPRは、数nm〜100nm程度のサイズの金属ナノ粒子において、電子が特定の波長の電磁波と相互作用を生じて共鳴する現象である。このLSPRは、金属ナノ粒子の周辺媒質の誘電率ε(λ)(=(n(λ)))(nはその屈折率)の変化に敏感である為、「金属ナノ粒子の周辺媒質の誘電率(屈折率)の変化に応じて共鳴する波長が変化する」、という特徴を持っており、この特徴を活かして、結露センサー、湿度センサー、バイオセンサー、ケミカルセンサーなどのセンシング分野に応用する検討が盛んにおこなわれている。
前記磁性−LSPR複合体ナノ粒子のメリットは、磁気光学効果が期待できる点(特許文献1)、免疫測定や特定の分子を分離及び収集する場合において、当該特定の分子と結合した時にLSPRが変化することから、いわゆるプローブまたはセンサーになる点(特許文献2及び3)、前記磁性ナノ粒子の用途において、前記磁性ナノ粒子を、生体内を初め各材料内に投入した際に、動態をイメージングするためのマーカーとして機能する点(特許文献2)等が挙げられる。一般には、前記マーカーとしては有機蛍光色素分子を使用する。前記有機蛍光色素分子を検出する際にレーザー等の励起光を照射する必要があるが、耐光性が十分でなく、使用中に蛍光強度が低下する傾向にあった。つまり、マーカーとして有機蛍光色素分子を使用する場合は、耐久性が低い。これに対し、前記LSPRを生じる金属であれば、無機の結晶であり、蛍光ではなくプラズモン散乱光を検出することになるため、耐光性・耐久性に優れる。
前記磁性−LSPR複合体ナノ粒子を構成する磁性ナノ粒子は、当然ながらその磁性は強い方が望ましい。前記磁性ナノ粒子の各用途において、感度、分離能力、操作性等の諸機能が向上するからである。この他に、従来品よりも磁性ナノ粒子のサイズを小さくしても同等の機能が発現するという利点もある。
このような理由から、従来磁性ナノ粒子として使用されてきた、γ−Fe、Fe、Fe−Pt合金といった強磁性体と比較して、軟磁性材料の中でも飽和磁束密度が極めて高い軟磁性材料であるFe−Co合金(パーメンジュールとも呼ばれる。以下、「FeCo」という。)が注目され、検討が行われている。例えば、FeCo粒子に銀粒子をPulsed laser dewetting法により結合させた例が開示されている(非特許文献1)。また、特許文献4では、磁性ナノロッドコア、接着層及びそれらを完全に被覆するプラズモン金属からなる磁性ナノ物質が開示され、前記磁性ナノロッドコアとしてFeCoが適用可能であると示唆されている。しかし、実際にはFeCoを磁性ナノロッドコアとして適用した具体例は開示されていない。
少なくとも、非特許文献1及び特許文献4に開示された発明を用いても、前記磁性ナノ粒子の各用途に適用できるFeCo−LSPR複合体ナノ粒子を作製することは困難であると考えられる。なぜなら、FeCoは容易に酸化されて磁性が低下することから、FeCoの表面を、LSPRを生じる金属等のシェルによって十分被覆し、FeCoの酸化を抑制する必要があるが、非特許文献1及び特許文献4に開示された方法では、FeCoの酸化抑制が難しいと考えられるからである。
Ritesh Sachan, Abhinav Malasi, Jingxuan Ge, Sagar Yadavali, Hare Krishna, Anup Gangopadhyay, Hernando Garcia, Gerd Duscher, and Ramki Kalyanaraman,ACS Nano,2014,8(10),pp9790−9798
特開2012−255916号公報 特表2005−520125号公報 特開2007−205911号公報 WO2014/102496公報
本発明の目的は、上記磁性ナノ粒子の各用途に適用可能な、磁性、LSPR特性及び耐久性に優れた金属複合体粒子を提供することにある。
すなわち、本発明は、
金属コア;
前記金属コアを被覆する第1シェル;
前記第1シェルを被覆する第2シェル;
を有する、金属複合体粒子であって、以下のa〜cの構成:
a)前記金属コアが、前記第1シェルの構成材料よりもイオン化傾向が小さい金属である;
b)前記第1シェルの構成材料が、磁性材料である;
c)前記金属コアおよび/または前記第2シェルが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ元素からなる;
を備えた金属複合体粒子に関する。
また、本発明の金属複合体粒子は、前記第1シェルに対する、前記第2シェルが、前記第1シェルの全面を実質的に被覆しているものであってもよい。
また、本発明の金属複合体粒子は、好ましくは、前記第1シェルが、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、Fe、Fe、AFe(ここで、AはMn、Co、Ni、CuまたはZnを意味する)、FePt、CoPt、FeNi、またはFeCoであってもよい。
また、本発明の金属複合体粒子は、好ましくは、前記第2シェルが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、またはこれらの金属種の合金であってもよい。
また、本発明の金属複合体粒子は、好ましくは、前記金属コアが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、またはこれらの金属種の合金であってもよい。
また、本発明の金属複合体粒子の製造方法は、上記いずれかの金属複合体粒子を製造する方法であって、
以下の工程I及び工程II:
I)金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、金属複合体粒子を合成する工程;
を備えている。
また、本発明の金属複合体粒子の製造方法は、前記工程Iにおいて、前記第1シェルを構成する一部の金属種の前駆体溶液に、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する他の金属種の前駆体の混合溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体ならびに前記第1シェルを構成する一部の、及び他の金属種の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成してもよい。
また、本発明の金属複合体粒子の製造方法は、前記工程Iにおいて、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体の混合溶液を、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成してもよい。
また、本発明の金属複合体粒子の製造方法は、前記工程Iにおいて、前記金属コアの前駆体溶液に、前記第1シェルを構成する金属の前駆体溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成してもよい。
本発明の金属複合体粒子は、特定の金属コア、前記金属コアを被覆する特定の第1シェル及び前記第1シェルを被覆する特定の第2シェルを備えるため、例えばFeCoのような酸化されやすい磁性ナノ粒子を第1シェルに用いても、耐酸化性等の耐久性に優れる。従って、本発明の金属複合体粒子は、例えば、磁性、LSPR特性、表面増強ラマン散乱(SERS)特性、耐酸化性や耐光性等の耐久性に優れた、磁性−LSPR複合体ナノ粒子として利用できる。さらに、本発明の金属複合体粒子は、粒径を小さくしても前記機能を発現する。従って、本発明によれば、磁性−LSPR複合体ナノ粒子の前記特徴を活かして、従来のものよりも優れた、高密度磁気記録材料、磁性流体としての特性を活かしたスピーカー及びシール材料、磁気ハイパーサーミア(磁気温熱療法)、MRIの造影剤、ドラッグデリバリーシステム、特定の物質(医薬品、抗原、抗体、レセプター、ハプテン、酵素、タンパク質、ペプチド、糖、核酸、ホルモン、病原体、毒素等)の選択的分離及び捕集、イムノクロマトグラフィー等の免疫測定、細胞の操作、血液の浄化(病原体の除去)などを提供できると考えられる。
本発明の一実施の形態に係る金属複合体粒子の模式的な断面図である。 (a)は、実施例1における金属複合体粒子AのSTEM−HAADFイメージであり、(b)〜(e)は、実施例1における金属複合体粒子AのEDS元素マッピングイメージであって、(b)はAg、(c)はFe、(d)はCo、(e)は(b)〜(d)のオーバーレイを示す。 実施例1における金属複合体粒子AのEDSラインプロファイルである。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本実施の形態の金属複合体粒子は、
金属コア;
前記金属コアを被覆する第1シェル;
前記第1シェルを被覆する第2シェル;
を有する、金属複合体粒子であって、以下のa〜cの構成:
a)前記金属コアが、前記第1シェルの構成材料よりもイオン化傾向が小さい金属である;
b)前記第1シェルの構成材料が、磁性材料である;
c)前記金属コアおよび/または第2シェルが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ元素からなる;
ことを特徴とする。
ここで、前記金属コアは、前記第1シェルの構成材料よりもイオン化傾向が小さい金属であれば、任意の金属を使用することができる。なお、ここでいう金属は、合金も含む。なぜなら、このような金属であれば、ガルバニ交換反応により前記第1シェルを構成する金属が前記第2シェルに溶出することを防ぐことができる。その結果、第1シェルの酸化を防ぐことができる。好ましくは、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ金属であり、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、ロジウム、イリジウム、またはこれらの金属種の合金である。より好ましくは、化学安定性の観点から、金または銀である。なお、前記金属コアまたは第2シェルが、金属複合体粒子において局在表面プラズモン共鳴を発現する源であることから、前記金属コア及び第2シェルのうち、少なくとも一方が、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ金属からなる必要がある。
また、前記第1シェルは、磁性材料であれば、任意の材料を使用することができる。前記第1シェルは、金属複合体粒子において磁性を発現する源であることから、磁性、つまり飽和磁束密度が高い磁性材料を用いることが好ましく、この場合、硬磁性体でも軟磁性体でも良い。好ましくは、Fe、Co、Ni、Mn、Fe、Fe、AFe(ここで、AはMn、Co、Ni、Cu、Zn等を意味する)、FePt、CoPt、FeNi、またはFeCoである。より好ましくは、前記のとおり軟磁性材料の中でも飽和磁束密度が極めて高い軟磁性材料であるFeCoである。
また、前記金属コアが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ金属からなる場合、前記第2シェルは、任意の金属を使用することができる。一方、前記金属コアが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持たない金属からなる場合、前記第2シェルは、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ金属である必要がある。なお、ここでいう金属は、合金も含む。好ましくは、前記第2シェルが可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ金属からなることが、局在表面プラズモン共鳴の強度が高いため好ましい。より好ましくは、前記第2シェルが、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、ロジウム、イリジウム、またはこれらの金属種の合金である。さらに好ましくは、化学安定性の観点から、金または銀である。
本実施の形態に係る金属複合体粒子の構成材料の組み合わせとして、前記ガルバニ交換反応を抑制し、金属複合体粒子に十分な磁性及び化学的安定性を付与することが可能であり、さらに、可視光領域での局在表面プラズモン共鳴の強度が高いことから、金属コアの構成材料が銀であり、第1シェルの構成材料がFeCoであり、第2シェルの構成材料が銀である組み合わせが最も好ましい。ここで、FeCoとして、Fe:Co=50atom%:50atom%の比率である場合は、この組成で飽和磁束密度が最も高くなるため、さらに好ましい。
図1は、金属複合体粒子の模式的な断面図である。図1に例示するように、本実施の形態の金属複合体粒子100は、金属コア10と第1シェル20と第2シェル30を有しており、第1シェル20が金属コア10を被覆し、第2シェルが第1シェル20を被覆する、3層のコア−シェル構造である。ここで、金属コア10に対する第1シェル20の被覆状態は、金属コア10の全表面積に対し、例えば30%以上の被覆率であれば、第1シェル20−第2シェル30間のガルバニ交換反応を抑制できるので、本発明の効果を発現できる。第1シェル20が、金属コア10の全表面積に対し、90%以上の被覆率であれば、前記抑制の効果がより高いので好ましく、より好ましくは、第1シェル20が、金属コア10の全面を実質的に被覆している構造である。
また、第1シェル20に対する第2シェル30の被覆状態は、第1シェル20の全表面積に対し、例えば30%以上の被覆率であれば、第1シェル20の酸化を抑制する効果はあるので、本発明の効果を発現できる。第2シェル30が第1シェル20の全表面積に対し、90%以上の被覆率であれば、前記抑制の効果がより高いので好ましく、より好ましくは、第2シェル30が、第1シェル20の全面を実質的に被覆している構造である。
また、金属複合体粒子100の粒径は、その用途により任意に選択できる。好ましくは、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を生じ、かつ磁性ナノ粒子としての効果を発現するため、平均粒子径が1nm以上300nm未満である。より好ましくは、前記の効果が強まるため、平均粒子径が3nm以上100nm未満である。さらに好ましくは、上記用途において、より小さい物質を、分離、捕集または検出できたり、適用する材料を軽量化することができたりすることから、平均粒子径が5nm以上50nm未満であり、さらに好ましくは、5nm以上30nm未満である。
また、金属複合体粒子100における各層(金属コア10、第1シェル20及び第2シェル30)の層厚は、その用途により任意に選択できる。ここで「層厚」とは、金属コア層10については直径(図1における層厚D10)を意味し、第1シェル20及び第2シェル30については、金属複合体粒子100の半径方向における厚み(図1における層厚D20および層厚D30)を意味する。好ましくは、金属コア10及び第2シェル30の少なくとも一方において、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を生じ、かつ第1シェル20において、磁性ナノ粒子としての効果を発現するため、各層とも100nm未満である。より好ましくは、前記の効果が強まるため、金属コア10の層厚D10が50nm未満であり、第1シェル20の層厚D20が20nm未満であり、第2シェル30の層厚D30が20nm未満である。さらに好ましくは、上記用途において、より小さい物質を、分離、捕集または検出できたり、適用する材料を軽量化することができたりすることから、金属コア10の層厚D10が30nm未満であり、第1シェル20の層厚D20が10nm未満であり、第2シェル30の層厚D30が5nm未満である。
金属複合体粒子100の形状は、例えば球体、長球体、立方体、切頭四面体、双角錐、正八面体、正十面体、正二十面体等の種々の形状であってよいが、局在表面プラズモン共鳴よる吸収スペクトルがシャープになる球形が最も好ましい。ここで、金属複合体粒子100の形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察することにより確認できる。また、金属複合体粒子100の平均粒子径は、TEM観察により任意100粒の金属複合体粒子100を測定したときの面積平均径とする。また、金属コア10の粒子径は、TEM観察により無作為に抽出した100個以上の粒子について、面積平均径を求めることによって見積もることができる。第1シェル20の層厚D20及び第2シェル30の層厚D30は、これらのシェルを形成する前後の粒子について、上記と同様にTEM観察により無作為に抽出した100個以上の粒子の面積平均径を求め、シェルを形成する前後の粒子の平均粒子径の変化量から見積もることができる。また、球体の金属複合体粒子100とは、形状が球体及び球体に近い金属微粒子で、平均長径と平均短径の比が1又は1に近いもの(好ましくは0.8以上)をいう。さらに、それぞれの金属複合体粒子100における長径と短径との関係が、好ましくは長径<短径×1.35の範囲内、より好ましくは長径≦短径×1.25の範囲内がよい。なお、金属複合体粒子100が球体でない場合(例えば正八面体など)は、その金属複合体粒子100におけるエッジ長さが最大となる長さを金属複合体粒子100の長径とし、エッジ長さが最小となる長さを金属複合体粒子100の短径として、さらに前記長径をその金属複合体粒子100の粒子径とみなすこととする。
(金属複合体粒子の製造方法)
本発明の金属複合体粒子の製造方法は、以下のI〜IIの製造工程:
I)金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子を合成する工程;
を含むことができる。ここでは、本発明の金属複合体粒子の製造方法の例について、金属コア及び第2シェルの構成材料を銀、第1シェルの構成材料をFeCoとした、Ag/FeCo/Ag粒子を代表例として、以下に詳細に説明する。
(第1の製造方法)
第1の製造方法は、以下のIa〜IIの製造工程:
Ia)前記第1シェルを構成する一部の金属の前駆体溶液に、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する他の金属の前駆体の混合溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体ならびに前記第1シェルを構成する一部の及び他の前駆体を還元することで、金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子を合成する工程;
を備えることが好ましい。
前記金属コアの前駆体として、例えばAgNOを使用し、オレイルアミンを加えて、必要に応じて超音波を印加しながら、または加熱しながら溶解する。これに前記第1シェルを構成する一部の金属前駆体として、例えばFe(acac)を加えて溶解する。この溶液を、原料溶液1Aとする。なお、AgNOの代わりに、例えばAg(acac)を用いても良い。また、Fe(acac)の代わりに、例えばFe(acac)を用いても良い。また、オレイルアミンは、還元剤兼表面保護剤の役割を有する。オレイルアミンの代わりに、例えば脂肪酸やアルカンチオールを用いても良い。
この原料溶液1Aとは別に、以下の方法で原料溶液2Aを調製する。前記第2シェルの前駆体として、例えばAgNOを使用し、オレイルアミンを加えて、必要に応じて超音波を印加しながら、または加熱しながら溶解する。これにトルエンを加えて溶解する。なお、トルエンの代わりに、例えばアルカンやクロロホルムを用いても良い。
更に原料溶液1A及び2Aとは別に、以下の方法で原料溶液3Aを調製する。前記第1シェルを構成する一部の金属前駆体として、例えばCo(acac)を使用し、これに1,2−hexadecanediol、オレイルアミン、オレイン酸、テトラエチレングリコールを加える。なお、Co(acac)の代わりに、例えばCo(acac)を使用しても良い。また、1,2−hexadecanediolは、還元補助剤の役割を有する。オレイルアミンの役割は、前記原料溶液1Aの場合と同じである。オレイン酸は、表面保護剤の役割を有する。テトラエチレングリコールは、溶媒及び還元剤の役割を有する。オレイン酸の代わりに、例えばステアリン酸を用いても良く、テトラエチレングリコールの代わりに、例えばエチレングリコールを用いても良い。
ここで、原料溶液1A中のAgNO及びFe(acac)、原料溶液2A中のAgNOならびに原料溶液3A中のCo(acac)の仕込み比は、目的とする金属複合体粒子の層構成に応じて、適宜調整できる。特にFe(acac)及びCo(acac)の仕込み比は、目的とする第1シェル(FeCo)の組成に応じて適宜調整する。第1シェルにおいて、Coが20atom%以上80atom%以下であることが、飽和磁束密度が高いため好ましい。Fe、Coともに50atom%であるものが、特に飽和磁束密度が高いので、より好ましい。なお、この組成は、パーメンジュールともいう。このFeCoに、更に1wt%以上、5wt%以下のバナジウムを添加しても良い。バナジウムの添加により加工性が向上するので好ましい。
次に、前記原料溶液3Aを加熱し、水等の揮発成分を除去する。加熱条件は、前記除去の目的が達成でき、他の組成物が分解または反応しない範囲で適宜選択できる。例えば100℃で10分間撹拌する。撹拌後、さらに加熱し、原料溶液1Aを加え、1次反応液とする。加熱条件(温度、昇温速度等)は、使用する材料により適宜選択するが、例えば160℃以上180℃以下の範囲が好ましい。
次に、1次反応液をさらに昇温し、原料溶液2Aを加え、2次反応液とする。加熱条件(温度、昇温速度等)は、使用する材料により適宜選択するが、例えば230℃以上270℃以下の範囲が好ましい。前記原料溶液2Aを加えた後、例えば210℃以上240℃以下の範囲でさらに撹拌しても良い。
次に、2次反応液を室温まで冷却し、アセトンを加えて沈殿物を析出させる。更に濾過、遠心分離等の方法により、上澄みと沈殿物を分離する。アセトンの代わりに例えばメタノールを使用しても良い。更に分離した沈殿物に大過剰のヘキサンを加えて再分散させた後、再度アセトンを加えて沈殿物を析出させる。ヘキサンの代わりに例えばトルエンを使用しても良い。そして、再び沈殿物を分離し、これを真空乾燥機等の適宜の方法で乾燥させる。必要に応じて、さらにヘキサンによる再分散−アセトンによる沈殿物の析出を繰り返してもよい。
以上の作業により、金属コア層としてAg、第1シェル層としてFeCo(Fe:Co=50atom%:50atom%)、第2シェル層としてAgとする、金属複合体粒子が生成する。
(第2の製造方法)
第2の製造方法は、以下のIb〜IIの製造工程:
Ib)前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体の混合溶液を、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属コア及び前記金属コアを被覆する前記第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子を合成する工程;
を備えることが好ましい。
前記第1の製造方法との違いは、原料溶液1A、2A及び3Aを調製する代わりに、原料溶液1B、2A及び3Bを調製する点である。前記第1の製造方法及び第2の製造方法における原料溶液2Aは共通する。また、使用する原料とその役割及び組成は、前記第1の製造方法と共通する。以下に説明する。
オレイルアミンとトルエンを混合し、原料溶液1Bを調製する。また、これとは別に、AgNO、Fe(acac)、Co(acac)、1,2−hexadecanediol、オレイルアミン、オレイン酸、テトラエチレングリコールを混合し、原料溶液3Bを調製する。以後は、原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Bを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Bを用いた他は、前記第1の製造方法と同様の方法で、金属複合体粒子を得る。
(第3の製造方法)
第3の製造方法は、以下のIc〜IIの製造工程:
Ic)前記金属コアの前駆体溶液に、前記第1シェルを構成する金属の前駆体溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、金属複合体粒子を合成する工程;
を備えることが好ましい。
前記第1の製造方法との違いは、原料溶液1A、2A及び3Aを調製する代わりに、原料溶液1C、2A及び3Cを調製する点である。前記第1の製造方法及び第3の製造方法における原料溶液2Aは共通する。また、使用する原料とその役割及び組成は、前記第1の製造方法と共通する。以下に説明する。
AgNOにオレイルアミンを加えて、必要に応じ超音波を印加しながら、または加熱しながら溶解する。これにFe(acac)及びCo(acac)を加えて溶解する。この溶液を、原料溶液1Cとする。また、これとは別に、1,2−hexadecanediol、オレイルアミン、オレイン酸、テトラエチレングリコールを混合し、原料溶液3Cを調製する。以後は、原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Cを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Cを用いた他は、前記第1の製造方法と同様の方法で、金属複合体粒子を得る。
(第4の製造方法)
第4の製造方法は、以下のId〜IIの製造工程:
Id)前記金属コアの前駆体溶液に、前記第1シェルを構成する金属の前駆体及び前記第2シェルを構成する金属の前駆体の混合溶液を加えて加熱し、前記金属コアの前駆体、前記第1シェルを構成する金属の前駆体及び前記第2シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、金属複合体粒子を合成する工程;
を備えることが好ましい。
前記第1の製造方法との違いは、原料溶液1A、2A及び3Aを調製する代わりに、原料溶液1D、2A及び3Dを調製する点である。前記第1の製造方法及び第4の製造方法における原料溶液2Aは共通する。また、使用する原料とその役割及び組成は、前記第1の製造方法と共通する。以下に説明する。
オレイルアミン、トルエン、Fe(acac)及びCo(acac)を混合し、溶解する。この溶液を、原料溶液1Dとする。また、これとは別に、AgNO、1,2−hexadecanediol、オレイルアミン、オレイン酸、テトラエチレングリコールを混合し、原料溶液3Dを調製する。以後は、原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Dを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Dを用いた他は、前記第1の製造方法と同様の方法で、金属複合体粒子を得る。
以上の製造方法により得られる金属複合体粒子は、その表面に、公知の化学物質を吸着または被覆しても良い。前記化学物質の構造及び吸着量は、金属複合体粒子の用途に応じ、適宜選択できる。具体的には、適当な化学物質の吸着または被覆により、特定の物質との選択的な相互作用、分散性、粒径制御、表面状態(親水性、疎水性)、生体適合性に関する機能を付与することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<原料溶液1Aの合成>
AgNO(0.1mmol)をオレイルアミン(1mL)に超音波を印加しながら溶解した。白濁したところでトルエン(2mL)を加え、超音波を印加し完全に溶解した。これに、Fe(acac)(0.2mmol)を加え、溶解した。
<原料溶液2Aの合成>
AgNO(0.1mmol)をオレイルアミン(1mL)に超音波を印加しながら溶解した。白濁したところでトルエン(2mL)を加え、超音波を印加し完全に溶解した。
<原料溶液3Aの合成>
50mLの三口フラスコにCo(acac)(0.2mmol)、1,2−hexadecanediol(1.0 mmol)、オレイルアミン(10mmol)、オレイン酸(8mmol)、テトラエチレングリコール(10 mL)を入れた。
<金属複合体粒子Aの合成>
原料溶液3Aを100℃で10分間撹拌することで、揮発成分(水など)を系外へ除去した。その後250℃まで昇温した。昇温過程で、原料溶液1Aを注入した。続いて、原料溶液2Aを注入し、10分間反応させた。冷却後、上澄み溶液と沈殿物に分けた。アセトンを加えて遠心分離した後、上澄みを捨て、大過剰のヘキサンを沈殿物に加え再分散させた。再度アセトンで生成物を再沈殿させた後、上澄みを捨て、真空乾燥機で乾燥させた。
以上の処理の結果、金属複合体粒子A(褐色の粉末、50mg)が得られた。X線回折(XRD、リガク製、MiniFlex600、X線源:CuKα)、走査透過電子顕微鏡(STEM、日本電子製、JEM−ARM200F、加速電圧:200kV)、エネルギー分散型X線分析装置(EDS、日本電子製、JED−2300T)及び高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES、島津製作所製、ICP−7000)によって構造および組成を解析したところ、コアから外殻に向かって、銀−FeCo−銀の三層構造であり、コアの銀は直径が14nmであり、FeCo層の層厚は1nmであり、最外殻の銀層の層厚は、1nm以下であり、FeCo層はコアの銀の全面を被覆し、かつ最外殻の銀層はFeCo層の全面を被覆していた。また、金属複合体粒子A中に酸素は検出されなかったことから、FeCo層は酸化されていないことが分かった。
また、超伝導量子干渉磁束計(SQUID、Quantum Design製、MPMS)を用いて、磁化曲線を測定したところ、超常磁性体であることが分かった。さらに、紫外−可視分光法(Perkin Elmer製)を用いて吸収スペクトルを測定したところ、局在表面プラズモン共鳴に基づく吸収(極大吸収波長=407nm)が発現した。
(実施例2)
<原料溶液1Bの合成>
オレイルアミン(1mL)とトルエン(2mL)を混合した。
<原料溶液3Bの合成>
50mLの三口フラスコにAgNO(0.1mmol)、Fe(acac)(0.2 mmol)、Co(acac)(0.2mmol)、1,2−hexadecanediol(1.0mmol)、オレイルアミン(10mmol)、オレイン酸(8mmol)、テトラエチレングリコール(10mL)を入れた。
<金属複合体粒子Bの合成>
原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Bを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Bを用いた他は、実施例1と同様の方法で、金属複合体粒子B(褐色の粉末、50mg)が得られた。X線回折(XRD、リガク製、MiniFlex600、X線源:CuKα)、走査透過電子顕微鏡(STEM、日本電子製、JEM−ARM200F、加速電圧:200kV)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDS、日本電子製、JED−2300T)によって構造および組成を解析したところ、コアから外殻に向かって、銀−FeCo−銀の三層構造であり、コアの銀は直径が13nmであり、FeCo層の層厚は3nmであり、最外殻の銀層の層厚は、1nm以下であり、FeCo層はコアの銀の全面を被覆し、かつ最外殻の銀層はFeCo層の全面を被覆していた。また、金属複合体粒子B中に酸素は検出されなかったことから、FeCo層は酸化されていないことが分かった。
(実施例3)
<原料溶液1Cの合成>
AgNO(0.1mmol)をオレイルアミン(1mL)に超音波を印加しながら溶解した。白濁したところでトルエン(2mL)を加え、超音波を印加し完全に溶解した。これに、Fe(acac)(0.2 mmol)、Co(acac)(0.2mmol)を加え、溶解した。
<原料溶液3Cの合成>
50mLの三口フラスコに1,2−hexadecanediol(1.0mmol)、オレイルアミン(10mmol)、オレイン酸(8mmol)、テトラエチレングリコール(10mL)を入れた。
<金属複合体粒子Cの合成>
原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Cを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Cを用いた他は、実施例1と同様の方法で、金属複合体粒子C(褐色の粉末、50mg)が得られた。X線回折(XRD、リガク製、MiniFlex600、X線源:CuKα)、走査透過電子顕微鏡(STEM、日本電子製、JEM−ARM200F、加速電圧:200kV)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDS、日本電子製、JED−2300T)によって構造および組成を解析したところ、コアから外殻に向かって、銀−FeCo−銀の三層構造であり、コアの銀は直径が13nmであり、FeCo層の層厚は4nmであり、最外殻の銀層の層厚は、1nm以下であり、FeCo層はコアの銀の全面を被覆し、かつ最外殻の銀層はFeCo層の全面を被覆していた。また、金属複合体粒子C中に酸素は検出されなかったことから、FeCo層は酸化されていないことが分かった。
(実施例4)
<原料溶液1Dの合成>
オレイルアミン(1 mL)とトルエン(2 mL)を混合した。これに、Fe(acac)(0.2mmol)とCo(acac)(0.2mmol)を加え、溶解した。
<原料溶液3Dの合成>
50mLの三口フラスコにAgNO(0.1mmol)、1,2−hexadecanediol(1.0mmol)、オレイルアミン(10mmol)、オレイン酸(8mmol)、テトラエチレングリコール(10mL)を入れた。
<金属複合体粒子Dの合成>
原料溶液3Aの代わりに原料溶液3Dを用い、原料溶液1Aの代わりに原料溶液1Dを用いた他は、実施例1と同様の方法で、金属複合体粒子D(褐色の粉末、50mg)が得られた。X線回折(XRD、リガク製、MiniFlex600、X線源:CuKα)、走査透過電子顕微鏡(STEM、日本電子製、JEM−ARM200F、加速電圧:200kV)、エネルギー分散型X線分析装置(EDS、日本電子製、JED−2300T)、X線光電子分光装置(XPS、島津Kratos製、AXIS−ULTRA DLD)及び高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES、島津製作所製、ICP−7000)によって構造および組成を解析したところ、コアから外殻に向かって、銀−FeCo−銀の三層構造であり、コアの銀は直径が8nmであり、FeCo層の層厚は3nmであり、最外殻の銀層の層厚は、1nm以下であり、FeCo層はコアの銀の全面を被覆し、かつ最外殻の銀層はFeCo層の全面を被覆していた。また、金属複合体粒子D中に酸素は検出されなかったことから、FeCo層は酸化されていないことが分かった。
また、超伝導量子干渉磁束計(SQUID、Quantum Design製、MPMS)を用いて、磁化曲線を測定したところ、超常磁性体であることが分かった。さらに、紫外−可視分光法(Perkin Elmer製)を用いて吸収スペクトルを測定したところ、局在表面プラズモン共鳴に基づく吸収(極大吸収波長=407nm)が発現した。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
10…金属コア、20…第1シェル、30…第2シェル、100…金属複合体粒子

Claims (8)

  1. 金属コア;
    前記金属コアを被覆する第1シェル;
    前記第1シェルを被覆する第2シェル;
    を有する、金属複合体粒子であって、以下のa〜cの構成:
    a)前記金属コアが、前記第1シェルの構成材料よりもイオン化傾向が小さい金属である;
    b)前記第1シェルの構成材料が、磁性材料である;
    c)前記金属コアおよび/または前記第2シェルが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ元素からなる;
    を備えるとともに、
    前記第2シェルが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、またはこれらの金属種の合金である金属複合体粒子。
  2. 前記第1シェルに対する、前記第2シェルが、前記第1シェルの全面を実質的に被覆していることを特徴とする、請求項1に記載の金属複合体粒子。
  3. 前記第1シェルが、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、Fe、Fe、AFe(ここで、AはMn、Co、Ni、CuまたはZnを意味する)、FePt、CoPt、FeNi、またはFeCoであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属複合体粒子。
  4. 前記金属コアが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、またはこれらの金属種の合金であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属複合体粒子。
  5. 金属コア;
    前記金属コアを被覆する第1シェル;
    前記第1シェルを被覆する第2シェル;
    を有する、金属複合体粒子であって、以下のa〜cの構成:
    a)前記金属コアが、前記第1シェルの構成材料よりもイオン化傾向が小さい金属である;
    b)前記第1シェルの構成材料が、磁性材料である;
    c)前記金属コアおよび/または前記第2シェルが、可視光領域に局在表面プラズモン共鳴を持つ元素からなる;
    を有する金属複合体粒子を製造する方法であって、
    以下の工程I及び工程II:
    I)金属コア及び前記金属コアを被覆する第1シェルを備えた金属複合体粒子前駆体を合成する工程;
    II)前記金属複合体粒子前駆体の分散液に、第2シェルの前駆体溶液を加えて、前記第2シェルの前駆体を還元することで、金属複合体粒子を合成する工程;
    を備えた金属複合体粒子の製造方法。
  6. 前記工程Iにおいて、前記第1シェルを構成する一部の金属種の前駆体溶液に、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する他の金属種の前駆体の混合溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体ならびに前記第1シェルを構成する一部の、及び他の金属種の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成する請求項に記載の金属複合体粒子の製造方法。
  7. 前記工程Iにおいて、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体の混合溶液を、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成する請求項に記載の金属複合体粒子の製造方法。
  8. 前記工程Iにおいて、前記金属コアの前駆体溶液に、前記第1シェルを構成する金属の前駆体溶液を加えて、加熱し、前記金属コアの前駆体及び前記第1シェルを構成する金属の前駆体を還元することで、前記金属複合体粒子前駆体を合成する請求項に記載の金属複合体粒子の製造方法。

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