〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(エレベータ管理システム100の概要)
エレベータ管理システム100は、複数階床を有する建物7に設けられたエレベータ4を管理するシステムである。エレベータ管理システム100は、自走型通知装置6を利用して、行先階登録機能を備えるエレベータ4の利用者Uに一旦割当てた最適号機が変更されたことを、該利用者Uに通知することが可能なシステムである。なお、利用者Uの人数は1人であってもよいし、複数人であってもよい。
ここで、「行先階登録機能」とは、利用者Uの行先階に応じて最適号機を割当てると共に該最適号機を利用者U自身が乗車する号機として案内することにより、利用者Uがエレベータの到着を待つ時間を効果的に短縮することが可能な機能である。また、行先階登録機能によって、利用者Uが行先階に到着するまでの時間も短縮され得る。なお、「最適号機」とは、利用者Uの乗場の行先階呼び操作に応じて、行先階登録機能を備えるエレベータ管理システム100のエレベータ管理装置1が、各行先階呼び操作に対して割当てるエレベータ4の号機である。「行先階呼び操作に対して割当てる号機」とは、行先階呼び操作を行った利用者Uが利用すべき最適号機として、エレベータ管理装置1が決定したエレベータ4の号機を意図している。
また、「行先階呼び操作」とは、利用者Uが出発階において予め行先階を含む行先階呼び情報を登録するための操作である。行先階呼び操作は、利用者Uの各々が、例えば、行先階呼び登録装置2に所望の行先階を入力する操作である。
エレベータ管理システム100における自走型通知装置6は、自走機能の他に、利用者Uに対してメッセージを通知する機能(例えば、音声出力機能、および画面表示機能など)を備えていればよい。
自走型通知装置6は、予め建物7に配備されていた自動搬送装置、自走型掃除装置、およびその他の多機能ロボットなどであってもよい。あるいは、自走型通知装置6は、エレベータ管理システム100の導入に合わせて建物7に配備された専用の装置であってもよい。
(エレベータ管理システム100の適用例)
まず、エレベータ管理システム100の適用例について、図13〜図15を用いて説明する。図13および図14は、エレベータ管理システム100の概要を説明するための図である。図15は、エレベータ乗場の例を示す図である。
図13には、建物7の6階(6F、利用者Uの出発階)において行先階呼び操作を行った結果、A号機(例えば、エレベータ4a)に割当てられた利用者Uが、A号機の到着を待っている様子が示されている。また、図13には、建物7に配備されている自走型通知装置6が示されている。自走型通知装置は、1階(1F)と4階(4F)に存在している。
ここで、建物7のエレベータ乗場には、図15に示すように、割当変更において、乗場の行先階呼び操作に割当てられた号機(すなわち、割当変更後の号機)を利用者Uに通知することが可能な行先階インジケータが設けられていないものとする。
図13に示すような状況において、A号機が6階に到着するまでに想定以上の時間がかかることが確定した場合、エレベータ管理システム100は、利用者Uの長待ちを回避するために、利用者Uに対して割当てる号機を変更する。さらに、エレベータ管理システム100は、自走型通知装置6を6階の乗場まで移動させて、利用者Uに対して割当変更後の号機を通知させる。例えば、図14では、自走型通知装置6が1階から6階へと移動して、A号機の到着を待っている利用者Uに対して、「C号機に乗車ください」というメッセージを発している例を示している。
なお、図14に示す例では、1階の自走型通知装置6にC号機を利用させて、利用者Uの出発階の乗場まで移動させているが、これに限定されない。例えば、1階の自走型通知装置6を移動させるために、エレベータ管理システム100は、B号機(例えば、エレベータ4b)およびC号機の運転状況に応じて適当な号機を利用させればよい。
例えば、4階の自走型通知装置6の方が1階の自走型通知装置6よりも先に、利用者Uの出発階の乗場まで移動可能であれば、エレベータ管理システム100は、4階の自走型通知装置6の方を利用者Uの出発階の乗場まで移動させてもよい。例えば、利用者Uの出発階と同じ階に自走型通知装置6が配備されている場合、エレベータ管理システム100は、その自走型通知装置6に乗場まで移動させてもよい。
このように、エレベータ管理システム100を適用すれば、利用者Uに特別な操作を要求することなく、割当変更後の号機を通知することが可能である。また、乗場に行先階インジケータが設けられていない建物7であっても、エレベータ管理システム100を適用すれば、割当変更後の号機を利用者Uに通知することが可能である。例えば、行先階登録機能を有するエレベータに割当変更機能を追加する場合に、エレベータ管理システム100を適用すれば、乗場への設備投資に要する費用を抑えることが可能である。
(エレベータ管理システム100の構成)
続いて、エレベータ管理システム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。なお、図1に示すエレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1が、ロボット管理装置5を介して自走型通知装置6を制御する構成である。図1に示すエレベータ管理システム100は、例えば、エレベータ管理システム100の導入前に自走型通知装置6を建物7に配備させる場合などに好適である。
エレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1、行先階呼び登録装置2、エレベータ制御装置3、エレベータ4、ロボット管理装置5、および自走型通知装置6を含んでいる。
エレベータ管理装置1は、建物7に設けられた複数号機のエレベータ4の運転を管理する。エレベータ管理装置1の詳細については後に説明する。
行先階呼び登録装置2は、建物7の各階のエレベータ乗り場に設けられている。行先階呼び登録装置2は、利用者Uによる行先階呼び操作を受付けて、入力された行先階を示す情報をエレベータ管理装置1に送信する。また、行先階呼び登録装置2は、エレベータ管理装置1が各行先階呼び操作に応じて割当てた最適号機を各利用者Uに通知する。
エレベータ制御装置3は、エレベータ4の運転を制御する。エレベータ制御装置3は、エレベータ4の号機ごとに設けられている。例えば、エレベータ制御装置3aはエレベータ4aの運転を制御し、エレベータ制御装置3bはエレベータ4bの運転を制御する。なお、エレベータ管理システム100では、最適号機の変更が可能であるため、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の数は複数である。
ロボット管理装置5は、建物7に配備されている自走型通知装置6の移動および動作などを制御する。建物7に自走型通知装置6が複数配備されている場合、ロボット管理装置5と、自走型通知装置6との間の通信では、自走型通知装置6の各々に付与された識別情報(id)が用いられる。ロボット管理装置5は、各自走型通知装置6から適宜、自走型通知装置6の現在の位置を示す情報、および現在行っている作業に関する情報などを含む作業状況情報を受信する構成であってもよい。これにより、ロボット管理装置5は、自走型通知装置6毎の位置と作業状況とを監視し、制御することができる。ロボット管理装置5は、作業状況情報などをエレベータ管理装置1に送信してもよい。
(エレベータ管理装置1の構成)
エレベータ管理装置1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、エレベータ管理装置1の構成の一例を示す図である。
エレベータ管理装置1は、行先階呼び登録装置2、ロボット管理装置5、およびエレベータ制御装置3などと通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部10、通知部14、および記憶部13を備えている。
制御部10はCPUであり、制御部10は、エレベータ管理装置1が備える各機能の処理を実行するように制御する。
記憶部13は、制御部10によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部10が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。記憶部13には、例えば、建物7のエレベータ4の乗場および通路に関する情報を含むフロア情報131が記憶されていてもよい。フロア情報131には、例えば、建物7の各階の通路、エレベータ乗場などの配置および各地点間の距離に関する情報が含まれている。
制御部10は、割当部11を備えている。割当部11は、利用者Uによる乗場の行先階呼び操作に応じて出発階および行先階を示す呼び信号を取得し、取得した乗場の行先階呼び操作に対して複数号機の中から最適号機に割当てを行う。また割当部11は、最適号機を割当てた後の最適号機の運転状況に応じて最適号機から変更先号機への割当変更を行う。
より具体的には、割当部11は、さらに、行先階呼び情報取得部111、号機割当部112、運転状況情報取得部113、待ち時間判定部114、および割当変更部115を備えていてもよい。
行先階呼び情報取得部111は、行先階呼び登録装置2から、利用者Uの出発階を示す情報および該利用者Uが所望する行先階を示す情報などを含む行先階呼び情報を、利用者U毎に取得する。
号機割当部112は、行先階呼び情報に含まれる、出発階を示す情報および行先階を示す情報に基づいて、複数号機のうちのいずれかの号機を最適号機として決定し、各行先階呼び情報に割当てる。
運転状況情報取得部113は、エレベータ制御装置3から複数号機の各々の運転状況を示す運転状況情報を取得する。運転状況情報には、各号機のかごの現在の位置、停止予定階、および移動方向などが含まれていてもよい。
待ち時間判定部114は、行先階呼び操作によって登録された行先階呼び情報に割当てられた最適号機のかごの到着を出発階で待つ利用者Uの待ち時間を推算し、待ち時間が所定の時間(例えば、60秒)以上になるか否かを判定する。
割当変更部115は、待ち時間判定部114によって利用者Uの待ち時間が所定の時間以上になると判定され、かつ、運転状況情報に基づいて最適号機よりも他の号機の方が先に出発階に到着する場合に、最適号機から他の号機(変更先号機)へ割当変更を行う。
より具体的には、割当変更部115は、出発階で最適号機に割り当てられている行先階呼び操作を他の号機に割当変更すれば該利用者Uの長待ちが解消される場合に、最適号機から変更先号機へ割当変更を行う。
また、割当変更部115は、エレベータ制御装置3から割当変更階到着報告を受信してもよい。また、割当変更階到着報告は、割当変更後の号機が出発階に到着したことに関する報告である。また、割当変更部115は、ロボット管理装置5から通知完了報告を受信してもよい。通知完了報告は、自走型通知装置6による、利用者Uに対する割当変更後の結果の通知が完了したことに関する報告である。割当変更部115は、割当変更階到着報告および通知完了報告に基づいて、割当変更した後の状況を確認してもよい。
建物7に複数の自走型通知装置6が配備されている場合、制御部10は、割当部11に加えて、特定部12をさらに備えていてもよい。特定部12は、複数の自走型通知装置6の中から、出発階の利用者Uに対して割当変更を通知させる自走型通知装置6を特定する。割当変更の結果は、できるだけ早く利用者Uに通知することが望ましく、例えば、特定部12は、出発階の乗場(例えば、エレベータホール)に最も早く到着可能な自走型通知装置6を特定してもよい。
なお、特定部12は、以下の(i)および(ii)のような自走型通知装置6は、特定する対象から除外してもよい。
(i)他の利用者Uに割当変更の結果を通知するように既に指示を受けている自走型通知装置6であって、該指示に従った通知を未だ完了していない自走型通知装置6。
(ii)現在行っている作業の優先順位が所定の順位以上である自走型通知装置6。例えば、重要な作業を現在行っている最中の自走型通知装置6。
特定部12が上記(i)のような自走型通知装置6を除外することによって、割当変更の結果を利用者Uに通知する役目を既に担っている自走型通知装置6には、該通知を着実に完了させることができる。また、特定部12が上記(ii)のような自走型通知装置6を除外することによって、優先順位が高い重要な別の作業を現在行っている自走型通知装置には、その作業を着実に遂行させることができる。
より具体的には、特定部12は、さらに、対象乗場特定部121、作業状況取得部122、到着時間推定部123、および担当装置決定部124を備えていてもよい。
対象乗場特定部121は、割当変更後の号機を通知する対象の利用者Uがエレベータを待っている出発階の乗場を対象の乗場として特定する。
作業状況取得部122は、ロボット管理装置5から、各自走型通知装置6の自走時の速度を含む性能情報、現在の位置を示す位置情報(現在位置情報)、および現在の作業の優先順位に関する情報を含む作業状況情報を取得する。なお、作業状況取得部122は、ロボット管理装置5から、自走型通知装置6による、利用者Uに対する割当変更後の結果の通知が完了したことを示す通知完了報告を取得してもよい。
到着時間推定部123は、各自走型通知装置6の現在の位置および対象の乗場の位置に基づいて、自走型通知装置毎に対象の乗場へと移動させるための経路を決定する。さらに、到着時間推定部123は、自走型通知装置6が対象の乗場まで決定した経路で移動した場合に要する時間を自走型通知装置6毎に算出する。到着時間推定部123は、決定した経路に階間の移動が含まれる場合、自走型通知装置6に利用させるエレベータ4の号機を決定してもよい。
なお、到着時間推定部123は、自走型通知装置6の各々の性能情報、現在の位置、および対象の乗場の位置とに基づいて、対象の乗場に到着するまでの時間を自走型通知装置6毎に推定してもよい。
担当装置決定部124は、対象の乗場に移動して割当変更の結果を利用者Uに通知するために最適な自走型通知装置6を担当装置として決定する。担当装置決定部124は、例えば、対象の乗場までの移動時間が最も短い自走型通知装置6を担当装置として決定する。以下では、対象の乗場の利用者Uに通知を行う装置として特定された自走型通知装置6のことを、単に「担当装置」と記載する場合がある。
なお、割当変更の結果は、割当変更後に割当てられた号機のかご41が対象の乗場に到着する前に、該対象の乗場の利用者Uに通知する必要がある。そこで、担当装置決定部124は、割当変更後の号機のかご41が出発階に到着するよりも早く対象の乗場に到着可能な自走型通知装置6を特定してもよい。これにより、担当装置決定部124は、割当変更後に割当てられた号機のかご41が出発階に到着する前に、出発階の乗場に到着可能な自走型通知装置6を、担当装置として決定することができる。
通知部14は、割当変更の結果を自走型通知装置6によって出発階の乗場の利用者Uに通知させるために、割当変更の結果を示す割当変更情報と出発階を示す出発階情報とを出力する。なお、通知部14は、利用者Uに割当変更の結果の通知を完了した自走型通知装置6が配備されていた元の位置に戻るための通知解除指示を、ロボット管理装置5に出力してもよい。これにより、エレベータ管理装置1は、自走型通知装置6を、配備されていた元の位置に移動させ、本来の配備態勢を速やかに復元させることができる。
建物7に複数の自走型通知装置6が配備されている場合、通知部14は、割当変更情報および出発階情報に加えて、以下の(a)〜(c)の各情報をロボット管理装置5に送信してもよい。(a)自走型通知装置6に利用させるエレベータ4の号機を指定する指定情報。(b)特定部12によって特定された自走型通知装置6(すなわち、担当装置)を示す情報(例えば、識別情報など)。(c)対象装置が対象の乗場に到達するための経路に関する経路情報。
(ロボット管理装置5の構成)
続いて、ロボット管理装置5の構成について、図3を用いて説明する。図3は、ロボット管理装置5の構成の一例を示す図である。
ロボット管理装置5は、エレベータ管理装置1、および自走型通知装置6と通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部50、および記憶部53を備えている。制御部50はCPUであり、制御部50は、ロボット管理装置5が備える各機能の処理を実行するように制御する。
記憶部53は、制御部50によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部50が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。なお、記憶部53には、例えば、建物7のエレベータ4の乗場および通路に関する情報を含むフロア情報531が記憶されていてもよい。フロア情報531には、例えば、建物7の各階の通路、エレベータ乗場などの配置および各地点間の距離に関する情報が含まれている。
より具体的には、制御部50は、ステータス管理部51および情報取得部52を備えている。
ステータス管理部51は、自走型通知装置6からステータス情報532を取得する。ステータス情報532は、自走型通知装置6の現在の位置を示す位置情報、および自走型通知装置6が現在行っている作業に関する情報(現在の作業の優先順位に関する情報であってもよい)を含んでいる。また、ステータス情報532は、自走型通知装置6の自走速度に関する情報を含む性能情報を含んでいてもよい。なお、ステータス管理部51は、図3に示すように、取得したステータス情報532を記憶部53に格納してもよい。
ここで、自走型通知装置6は複数であってもよい。この場合、ステータス管理部51は、ステータス情報532を自走型通知装置6毎に取得する。ステータス管理部51は、各自走型通知装置6のステータス情報532をエレベータ管理装置1に出力してもよい。
情報取得部52は、エレベータ管理装置1から出力された割当変更情報および出発階情報などを取得する。また、情報取得部52は、取得した情報に基づいて移動指示を生成し、該移動指示を自走型通知装置6に出力する。この移動指示には、割当変更情報と出発階情報に加えて、自走型通知装置6を特定するための識別情報、および対象の乗場に到達するための経路に関する経路情報が含まれていてもよい。
なお、情報取得部52は、割当変更情報に基づいて、利用者Uに割当変更後の号機を通知するためのメッセージを生成してもよい。情報取得部52は、生成したメッセージを含む移動指示を生成してもよい。あるいは、情報取得部52は、エレベータ管理装置1から、自走型通知装置6が対象の乗場へと移動するために、この自走型通知装置6が利用可能なエレベータの号機を指定する指定情報を取得してもよい。
さらに、情報取得部52は、利用者Uに割当変更の結果の通知を完了した自走型通知装置6から通知完了報告を取得してもよい。
情報取得部52は、利用者Uに割当変更の結果の通知を完了した自走型通知装置6が配備されていた元の位置に戻るための通知解除指示を、エレベータ管理装置1から受信してもよい。この場合、情報取得部52は受信した通知解除指示に基づいて、通知を完了した自走型通知装置6に移動指示を出力する。
(自走型通知装置6の構成)
続いて、自走型通知装置6の構成について、図4を用いて説明する。図4は、自走型通知装置6の構成の一例を示す図である。
自走型通知装置6は、ロボット管理装置5と通信可能に接続されている自走機能を備える多機能装置である。ある場合において、自走型通知装置6は、自律走行あるいは自立歩行が可能なロボットであってもよい。
自走型通知装置6は、制御部60、記憶部64、タイマー65、移動機構66、および割当変更通知部67を備えている。制御部60はCPUであり、制御部60は、自走型通知装置6が備える各機能の処理を実行するように制御する。
記憶部64は、制御部60によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部60が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶装置である。なお、記憶部64には、例えば、建物7のエレベータ4の乗場および通路に関する情報を含むフロア情報641が記憶されていてもよい。フロア情報641には、例えば、建物7の各階の通路、エレベータ乗場などの配置および各地点間の距離に関する情報が含まれている。
タイマー65は、時刻を示す情報を制御部60に出力する。制御部60は、自走型通知装置6の位置を示す位置情報、および現在行っている作業に関する情報などをロボット管理装置5に送信する場合、タイマー65から取得した時刻を示す情報と共に送信する。
移動機構66は、自走型通知装置6が移動するための駆動機構である。移動機構66は、車輪、キャタピラ、および歩行用の脚など任意の駆動機構であってもよい。
割当変更通知部67は、割当変更情報に基づいて割当変更の結果を出発階の対象の乗場の利用者Uに通知するための出力装置である。割当変更通知部67は、割当変更の結果を表すメッセージを出力してもよい。割当変更通知部67は、メッセージを音声で出力可能な音声出力装置であってもよいし、メッセージを画面に表示させることが可能な表示装置であってもよい。
より具体的には、制御部60は、指示取得部61、移動機構制御部62、および通知管理部63を備えている。
指示取得部61は、エレベータ管理装置1から出力された割当変更情報および出発階情報を含む移動指示を受信する。なお、指示取得部61は、エレベータ管理装置1から、割当変更情報および出発階情報と共に、対象の乗場へと移動するために利用可能なエレベータの号機を指定する指定情報を受信してもよい。
移動機構制御部62は、ロボット管理装置5から受信した移動指示に基づいて出発階の対象の乗場に移動するために移動機構66を制御する。
通知管理部63は、割当変更後の号機を利用者Uに通知するように、割当変更通知部67を制御する。通知管理部63は、ロボット管理装置5から受信した移動指示に含まれる割当変更情報に基づいて、割当変更の結果を表すメッセージを生成してもよい。また、通知管理部63は、対象の乗場において利用者Uに対して、割当変更後の結果の通知が完了したことを示す通知完了報告をロボット管理装置5に送信してもよい。
(エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成)
続いて、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成について、図5を用いて説明する。図5は、エレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成の一例を示す図である。なお、以下では、エレベータのA号機は、エレベータ制御装置3aおよびエレベータ4aを備え、エレベータのB号機は、エレベータ制御装置3bおよびエレベータ4bを備え、エレベータのC号機は、エレベータ制御装置3cおよびエレベータ4cを備えているものとする。
エレベータ4は、利用者Uなどを乗車させるかご41、かご41の昇降を制御する運転制御盤40、および、号機毎に各階の乗場に設けられている扉42(図14参照)を備えている。
エレベータ制御装置3は、例えば、エレベータ4の号機毎に設けられており、エレベータ4と通信可能に接続されているコンピュータである。例えば、エレベータ制御装置3は、エレベータ4の運転を制御する。
エレベータ制御装置3は、制御部30を備えている。制御部30はCPUであり、制御部30は、エレベータ制御装置3が備える各機能の処理を実行するように制御する。
制御部30は、指示取得部31、運転状況管理部32、および扉開閉制御部33を備えている。
指示取得部31は、エレベータ管理装置1から最適号機の割当て結果に伴う各種指示、および割当変更に伴う各種指示を取得する。指示取得部31が取得する指示としては、停止階設定指示、行先階設定指示、停止階変更指示、行先階変更指示などが挙げられる。
運転状況管理部32は、エレベータ4のかご41の位置、運転状況、各階の乗場の扉42の開閉状況などを示す各情報を、運転制御盤40から取得する。運転状況管理部32は、割当変更先となったエレベータ4のかご41が出発階に到着した旨の報告(割当変更階到着報告)を取得した場合、該割当変更階到着報告をエレベータ管理装置1に送信する。
扉開閉制御部33は、エレベータ管理装置1からの指示に応じて、指定された階の乗場の扉42の開閉を制御する。例えば、扉開閉制御部33は、エレベータ4に対して、指定された階の乗場のエレベータ4の扉42を開状態で保持させたり、該開状態の保持を解除させたりすることが可能である。
なお、以下では、A号機、B号機、およびC号機のエレベータ制御装置3およびエレベータ4の構成を区別して表す場合、各部材番号にそれぞれ「a」、「b」、および「c」の添え字を付して記載する。例えば、A号機のエレベータ制御装置3aの制御部30aが備える各部は、指示取得部31a、運転状況管理部32a、および扉開閉制御部33aと記載する。また、例えば、A号機のエレベータ4aが備える各部は、運転制御盤40a、かご41a、扉42aと記載する。
(エレベータ管理装置1が行う処理)
次に、エレベータ管理装置1が行う処理について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態1に係るエレベータ管理装置1の処理の流れの一例を示す図である。なお、図6は、号機割当部112によって、出発階の行先呼び操作によって登録された行先階呼び情報に対する最適号機としてP号機が割当てられた後の、エレベータ管理装置1の処理の流れを示している。
割当部11は、出発階(F階)でP号機に割り当てられている行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])をQ号機(変更先号機)に割当変更すると、利用者Uの長待ちが解消されるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、「F」は出発階を示し、[D1、D2、・・・、Dn]は、各行先階呼び操作において登録された行先階を示す。割当変更によって長待ちが解消されないと判定した場合(ステップS1にてNO)、割当部11はステップS1を繰り返し、利用者Uの長待ち状況の解消に効果のある割当変更の有無の監視を継続する。なお、「P号機」および「Q号機」はそれぞれ、A号機、B号機、C号機などに該当し得る。例えば、P号機がA号機である場合、Q号機はB号機またはC号機である。
例えば、待ち時間判定部114は、行先階呼び情報に基づいて、P号機のかごの到着を出発階で待つ利用者Uの待ち時間を推算し、待ち時間が所定の時間(例えば、60秒)以上になるか否かを判定する。割当変更部115は、待ち時間判定部114から判定の結果を取得し、運転状況情報取得部113から運転状況情報を取得する。割当変更部115は、以下の(1)および(2)が満たされる場合に、F階でP号機に割り当てられている行先階呼び操作をQ号機に割当変更すると、利用者Uの長待ちが解消される、と判定する。(1)待ち時間判定部114によって利用者Uの待ち時間が所定の時間以上になると判定され、かつ、(2)運転状況情報に基づいてP号機よりも他の号機(例えば、Q号機)の方が先に出発階に到着する。
割当変更によって長待ちが解消されると判定した場合(ステップS1にてYES)、割当変更部115は、P号機からQ号機へ割当変更を行うための割当変更フラグを立てる。続いて、割当変更部115は、割当変更フラグを特定部12に出力する。対象乗場特定部121は、割当変更フラグを取得すると、行先階呼び情報取得部111から行先階呼び情報を取得し、割当変更後の号機を通知する対象の利用者Uがエレベータを待っている出発階の乗場を対象の乗場として特定する。作業状況取得部122は、ロボット管理装置5から、各自走型通知装置6の自走時の速度を含む性能情報、現在の位置を示す位置情報、および現在の作業の優先順位に関する情報を含む作業状況情報を取得する。
次に、特定部12は、割当変更を行う前に、当該割当変更の結果を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6(すなわち、担当装置)の特定処理を開始する(ステップS2〜S9)。
なお、以下では、特定部12を備えるエレベータ管理装置1が、建物7に配備されている1または複数の自走型通知装置6の中から担当装置を決定する場合を例に挙げて説明する。図6に示すように、特定部12は、自走型通知装置6の各々を1つずつ順に担当装置として適当か否かを判定してもよい。
すなわち、ステップS2において、特定部12は、r番目に担当装置として適当か否かを判定する対象の自走型通知装置6を決定する。「r=1」は、特定部12が、最初に担当装置として適当か否かを判定する対象の自走型通知装置6であることを意図している。なお、ステップS2においては、利用者Uの待ち時間の予測値wtの具体的な上限値を設定する必要はないため、任意の最大値を設定すればよい(wt=MAXVAL)。ここで、MAXVALは、例えば、1000秒などであってもよい。また、自走型通知装置6に乗車させる号機(以下、「RCAR」と記す)も未設定(RCAR=0)である。当然、担当装置(以下、「R」と記す)は、まだ特定されていないため、R=0である。
次に、特定部12は、担当装置として適当か否かを1番目に判定する自走型通知装置6について、割当変更対応中フラグ(busyFg(r))の有無を判定する(ステップS3)。割当変更対応中フラグがON(busyFg(r)=ON)である自走型通知装置6は、他の利用者Uに割当変更の結果を通知するように既に指示を受けている自走型通知装置6であって、該指示に従った通知を未だ完了していない自走型通知装置6である。
なお、特定部12は、ステップS3において、割当変更対応中フラグ(busyFg(r))に加えて、現在行っている作業の優先順位が所定の順位以上であるか否かを示す優先作業フラグがONかOFFかに基づく判定を行ってもよい。
1番目に担当装置として適当か否かを判定する自走型通知装置6の割当変更対応中フラグがOFFである場合(ステップS3にてNO)、特定部12は、この自走型通知装置6がF階の乗場(すなわち、対象の乗場)のP号機前に移動するのに要する推定時間T(r)を算出する(ステップS4)。
例えば、ステップS3にてNOの場合、特定部12は、r番目の自走型通知装置6の作業状況情報を到着時間推定部123に出力する。到着時間推定部123は、r番目の自走型通知装置6の作業状況情報および行先階呼び情報を取得し、r番目の自走型通知装置6の性能情報、作業情報、および対象の乗場の位置に基づいて、この自走型通知装置6を対象の乗場に移動させるための経路を決定する。さらに、到着時間推定部123は、r番目の自走型通知装置6が対象の乗場まで決定した経路で移動した場合に要する推定時間T(r)を算出する。
ここで、特定部12は、自走型通知装置6が現在の位置からF階に移動するときに利用させるエレベータ4の号機を決定しでもよい。例えば、自走型通知装置6にrc号機を利用させる場合の指定情報はRCAR=rcであり、自走型通知装置6が現在F階にいるためエレベータ4の利用が不要である場合の指定情報は、RCAR=0である。
特定部12は、自走型通知装置6についての推定時間T(r)を算出する。自走型通知装置6にrc号機を利用させた場合(RCAR=rc)の推定時間T(r)は、MAXVALとして設定されているwtよりも小さい(ステップS4にてYES)。そこで、特定部12は、この自走型通知装置6を担当装置として仮特定し(R=r)、wt=T(r)、RCAR=rcと設定する(ステップS5)。なお、1番目に担当装置として適当か否かを判定する自走型通知装置6の割当変更対応中フラグ(busyFg(r))がONである場合(ステップS3にてYES)には、ステップS4〜S5の処理を行わない。
次に、特定部12は、すべての自走型通知装置6についての特定処理が完了したか否かを判定する(ステップS6)。特定処理が完了していない場合(ステップS6にてNO)、rの値に1を加え(ステップS7)、ステップS3に戻り、次の自走型通知装置6についての特定処理を行う。
このように、各自走型通知装置6について特定処理を行うことにより、最も早く対象の乗場に到着可能な自走型通知装置6を特定することができる。
特定処理が完了した場合(ステップS6にてYES)、特定部12は、仮に特定された担当装置が存在しているか否かを判定する(ステップS8)。仮に特定された担当装置が存在している(R>0)場合(ステップS8にてYES)、担当装置(R)が対象の乗場のP号機前に到着するまでの推定時間T(R)が、Q号機のかごが対象の乗場まで移動する移動時間よりも短いか否かを判定する(ステップS9)。
なお、担当装置が存在しない(R=0)場合(ステップS8にてNO)、特定部12は、担当装置が見つからなかった旨の通知を割当部11に送信する。該通知を受信した割当部11は、ステップS101に戻り、利用者Uの長待ち状況の監視を継続する。すなわち、割当部11は、特定部12によって担当装置が特定されなかった場合、P号機から変更先号機への割当変更を行わない。
推定時間T(R)がQ号機のかごが対象乗場まで移動する移動時間よりも短い場合(ステップS9にてYES)、割当部11は、F階でP号機に割り当てられている行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])をQ号機に割当変更する(ステップS10:割当変更ステップ)。
次に、エレベータ管理装置1は、Q号機の運転を制御するエレベータ制御装置3に、行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])に関する情報を含む、割当変更に関する指示を送信する(ステップS11)。この指示には、割当変更情報および出発階情報が含まれている。割当変更情報には、行先階呼び情報(行先階を示す情報[D1、D2、・・・、Dn]などを含む)が含まれている。
また、エレベータ管理装置1は、担当装置として特定した自走型通知装置6に、割当変更の結果を利用者Uに通知させるために、ロボット管理装置5に割当変更情報および出発階情報を送信する(ステップS12:通知ステップ)。割当変更情報には、例えば、RCAR、P、およびQが含まれている。一方、出発階情報には、例えば、F、および[D1、D2,・・・Dn]が含まれている。なお、RCARは、担当装置に利用させる号機を指定する指定情報であり、Pは割当変更前の号機、Qは割当変更後の号機を示す情報である。Fは出発階を示す情報であり、[D1、D2,・・・Dn]は割当変更が行われた行先階呼び操作において登録された行先階に関する情報である。
なお、推定時間T(R)が、Q号機のかごが対象乗場まで移動する移動時間よりも長い場合(ステップS9にてNO)、割当変更において割当てられたQ号機よりも先に対象乗場に自走型通知装置6が到着できないことを意味する。この場合、割当変更を行っても、割当変更後の号機を利用者Uに通知することができない。そこで、割当部11はステップS1に戻り、利用者Uの長待ち状況の解消に効果のある割当変更の有無の監視を継続する。
割当変更によって利用者Uの長待ちが解消される場合であっても、割当変更の結果(例えば、変更先号機)を当該利用者Uに通知することができなければ、その割当変更の効果はない。割当変更後の号機を通知されていない利用者Uは、行先階呼び操作に対して最初に割当てられた号機を待ち続けてしまうからである。
エレベータ管理装置1は、図6に示すように、まず、F階でP号機に割当てられている行先階呼びに生じた長待ちを解消可能なエレベータ4の号機(図6におけるQ号機)を特定する。次に、エレベータ管理装置1は、当該割当変更を実際に実行した場合の変更先号機を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6を特定する。すなわち、エレベータ管理装置1は、割当変更後のエレベータ4の号機を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6が特定されなければ、割当変更によって利用者Uの長待ちが解消される場合であっても、当該割当変更を行わない。
(自走型通知装置6が行う処理)
続いて、自走型通知装置6が行う処理について図7を用いて説明する。図7は、実施形態1に係る自走型通知装置6が行う処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部60は、基準時刻Tを0(秒)と設定する(ステップS21)。次に、制御部60は、タイマー65から現在時刻を示す情報を取得する。続いて制御部60は、取得した現在時刻がT+1(秒)以上か否かを判定する(ステップS22)。基準時刻から1秒以上経過していない場合、つまり現在時刻がT+1(秒)未満である場合(ステップS22でNOの場合)、制御部60はステップS22を繰り返す。
基準時刻から1秒以上経過している場合、つまり現在時刻がT+1(秒)以上である場合(ステップS22でYESの場合)、制御部60は、自装置の現在位置情報および作業状況情報などを送信する(ステップS23)。作業状況情報は、識別番号、およびbusyFg(id)などを含んでいる。最後に、制御部60は基準時間Tを現在時刻とし(ステップS24)、再度ステップS22以降の処理を繰り返す。
このように、自走型通知装置6は1秒ごとに、現在位置情報および作業状況情報などをロボット管理装置5に送信する。なお、自走型通知装置6が現在位置情報および作業状況情報などをロボット管理装置5に送信する間隔は、1秒よりも短く設定してもよい。
なお、ロボット管理装置5から、所定の時間間隔(例えば1秒)で、現在位置情報および作業状況情報などを要求する信号を各自走型通知装置6に送信してもよい。この場合、各自走型通知装置6が該要求に応じて、自装置の現在位置情報および作業状況情報などをロボット管理装置5に送信すればよい。
(ロボット管理装置5および自走型通知装置6の処理)
続いて、ロボット管理装置5および自走型通知装置6が行う処理について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態1に係るロボット管理装置5および自走型通知装置6の処理の流れの一例を示す図である。
まず、ロボット管理装置5は、エレベータ管理装置1から、割当変更情報(例えば、P、Q、[D1、D2,・・・Dn])、出発階情報(F)、および担当装置に利用させるエレベータ4の号機を指定する指定情報(RCAR)を含むデータを受信した場合(ステップS31にてYES)、以下のステップS32以降の処理を行う。
ロボット管理装置5(例えば、ステータス管理部51)は、担当装置として特定された自走型通知装置6について、割当変更に関する通知に対応中であることを示すフラグをON(busyFg(id)=ON)に設定する(ステップS32)。ここで、idは、自走型通知装置6の各々に固有の識別情報である。
ロボット管理装置5は、次に、担当装置の現在の位置がF階であるか否かを判定する(ステップS33)。
次に、ロボット管理装置5(例えば、情報取得部52)は、該担当装置に対象乗場へと移動させるための移動指示を該担当装置に送信する。担当装置が現在対象乗場と同じ階にいない場合(ステップS33にてNO)、移動指示には、該担当装置に利用させるエレベータ4の号機に関する情報(例えば、RCAR=rc)が含まれている。担当装置は、ロボット管理装置5から受信した指示情報に基づいて、エレベータ(例えばrc号機)に乗車して対象乗場ヘと移動する(ステップS34)。
担当装置が現在対象乗場と同じ階にいる場合(ステップS33にてYES)、移動指示に含まれている、担当装置に利用させるエレベータ4の号機に関する情報(RCAR)は0である。担当装置は、受信した移動指示に従って、対象乗場のP号機の扉42aの前まで移動する(ステップS35)。
担当装置は、対象乗場において、「D1、D2、・・・、Dn階ヘ向かう利用者UはQ号機にご乗車ください」という、割当変更の内容を通知するメッセージを割当変更通知部67から出力する(ステップS36)。出力するメッセージは、「D1階、D2階、・・・、Dn階にご用の方はQ号機にご乗車ください」というものであってもよい。あるいは、出力するメッセージは、「P号機からQ号機に割当変更されました。P号機をお待ちの方は、Q号機をご利用ください」というものであってもよい。ここで、これらのメッセージは、音声として出力されてもよいし、画面に表示されてもよい。例えば、割当変更通知部67がスピーカである場合、これらのメッセージは音声として出力され、割当変更通知部67が表示装置である場合、これらのメッセージは文字列として画面に表示される。
割当変更に関する情報の通知を完了した担当装置は、ロボット管理装置5に対して通知完了報告を送信する。
通知完了報告を受信したロボット管理装置5は、担当装置について、割当変更に関する通知に対応中であることを示すフラグをOFF(busyFg(id)=OFF)に設定する(ステップS37)。
さらに、ロボット管理装置5は、エレベータ管理装置1に通知完了報告を送信する(ステップS38)。
(エレベータ制御装置3およびエレベータ4の処理)
次に、エレベータ制御装置3およびエレベータ4が行う処理について、図9を用いて説明する。図9は、エレベータ制御装置3およびエレベータ4が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、エレベータ制御装置3(例えば、エレベータ制御装置3b)は、エレベータ管理装置1から行先階呼び(F、[D1、D2,・・・Dn])に関する情報を含む割当変更の結果に関する情報を受信する(ステップS41にてYES)。
次に、エレベータ制御装置3は、割当更後の号機のかご41がF階に到着した場合(ステップS42にてYES)、エレベータ管理装置1に再割当号機到着報告を送信する(ステップS43)。
また、エレベータ制御装置3は、エレベータ4に対して、F階の乗場のエレベータ4の扉42を開状態で保持するよう指示する。当該指示を受信したエレベータ4は、F階で扉42を開状態に保持して待機する(ステップS44)。
エレベータ管理装置1から、F階の乗場のエレベータ4の扉42の開状態解除指示を受信すると(ステップS45にてYES)、エレベータ制御装置3は、F階の乗場のエレベータ4の扉の開状態を解除する(ステップS46)。
(自走型通知装置6に割当変更の結果を通知させた後に、エレベータ管理装置1が行う処理)
次に、割当変更の結果を自走型通知装置6に通知させた後に、エレベータ管理装置1が行う処理について、図10を用いて説明する。図10は、割当変更の結果を利用者Uに通知後に、エレベータ管理装置1が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、エレベータ管理装置1は、ロボット管理装置5から通知完了報告を受信する(ステップS51)。例えば、ロボット管理装置5は、担当装置から受信した通知完了報告を、エレベータ管理装置1に転送してもよい。
エレベータ制御装置3は、エレベータ4から割当変更後の号機が対象乗場(F階)に到着したことを示す割当変更階到着報告を受信する。エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置3から割当変更階到着報告を受信する(ステップS53)。
なお、エレベータ管理装置1は、通知完了報告を受信した場合(ステップS51にてYES)、この自走型通知装置6のステータスを通知完了(robotFinish(Q)=ON)と設定する(ステップS52)。ここで、「robotFinish(Q)」は、自走型通知装置6によって、割当変更後にQ号機に割当てられている旨を出発階の利用者Uに通知し終えた状態であることを意味している。エレベータ管理装置1は、この自走型通知装置6のステータスを通知完了(robotFinish(Q)=ON)と設定するよう、ロボット管理装置5に指示してもよい。
また、エレベータ管理装置1は、割当変更階到着報告を受信した場合(ステップS53にてYES)、当該エレベータ4の号機の運転状況を割当変更対応完了(elevFinish(Q)=ON)と設定する(ステップS54)。ここで、「elevFinish(Q)」は、割当変更後の号機であるQ号機が、利用者Uが待つF階に到着済であることを意味している。エレベータ管理装置1は、該号機の運転状況を割当変更対応完了(elevFinish(Q)=ON)と設定するよう、エレベータ制御装置3に指示してもよい。
続けて、エレベータ管理装置1は、ステップS55〜S60の処理を行う。ステップS55〜S60の処理は、割当変更によって割当変更先となったエレベータ4の号機の各々について、以下の状況(i)および(ii)を順に確認するための処理である。(i)割当変更の結果に関する利用者Uへの割当変更に関する情報の通知が完了。(ii)割当変更後の号機がそれぞれの利用者Uが待つ出発階に到着。
まず、エレベータ管理装置1は、i=1と設定し、1番目に状況確認する号機から状況の確認を開始する(ステップS55)。エレベータ管理装置1は、robotFinish(i)=ON、かつ、elevFinish(i)=ONの場合(ステップS56にてYES)、エレベータi号機を制御するエレベータ制御装置3に、扉42の開状態解除指示を送信する(ステップS57)。該指示を送信後、エレベータ管理装置1は、エレベータi号機について、robotFinish(i)=OFF、elevFinish(i)=OFFと設定する(ステップS58)。
エレベータ管理装置1は、割当変更先となった全号機についての確認処理が未だ完了していない場合(ステップS59にてNO)、iの値に1を加え(ステップS60)、ステップS56に戻り、次の号機についての確認処理を行う。また、エレベータ管理装置1は、割当変更先となった全号機についての確認処理が完了した場合(ステップS59にてYES)、ステップS51〜S60の処理を行う。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
上記実施形態に係るエレベータ管理システム100に含まれるエレベータ管理装置1は、割当変更後のエレベータ4の号機を特定した後に、該割当変更後の号機を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6を特定する構成である(図6参照)。しかし、エレベータ管理装置1は、この構成に制限されない。
例えば、エレベータ管理装置1は、割当変更後の号機を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6を特定した後に、割当変更先となるエレベータ4の号機を特定する構成であってもよい。このような構成を備えるエレベータ管理装置1について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態2に係るエレベータ管理装置1の処理の流れの一例を示す図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(エレベータ管理装置1が行う処理)
エレベータ管理装置1の割当部11は、出発階(F階)でP号機に割り当てられている行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])が長待ちとなるか否かを判定する(ステップS101)。F階でP号機に割り当てられている行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])が長待ちとならない、と判定した場合(ステップS101にてNO)、割当部11はステップS101を繰り返し、利用者Uの長待ち発生の有無の監視を継続する。なお、「P号機」および「Q号機」はそれぞれ、A号機、B号機、C号機などに該当し得る。
例えば、待ち時間判定部114は、行先階呼び情報に基づいて、P号機のかごの到着をF階で待つ利用者Uの待ち時間を推算し、待ち時間が所定の時間(例えば、60秒)以上になるか否かを判定する。
ステップS101にてYESの場合、特定部12は、P号機から他の号機への割当変更が行われた場合に、当該割当変更の結果をF階の利用者Uに対して通知可能な自走型通知装置6の特定処理を開始する(ステップS102〜S108)。以下、割当変更の結果をF階の利用者Uに対して通知可能な自走型通知装置6を、単に「担当装置」と記す場合がある。
以下では、エレベータ管理装置1が、建物7に配備されている1または複数の自走型通知装置6の中から担当装置を決定する場合を例に挙げて説明する。図11に示すように、特定部12は、自走型通知装置6の各々を1つずつ順に担当装置として適当か否かを判定してもよい。
すなわち、ステップS102において、特定部12は、r番目に担当装置として適当か否かを判定する対象の自走型通知装置6を決定する。「r=1」は、特定部12が、最初に担当装置として適当か否かを判定する対象の自走型通知装置6であることを意図している。
この時点では、自走型通知装置6に乗車させる号機(RCAR)は設定されていないため、RCAR=0である。また、担当装置(R)は、まだ特定されていないため、R=0である。ここで、担当装置がF階でP号機を待つ利用者Uに対して、割当変更の結果について通知することが可能な位置まで移動するために要する時間rwtの具体的な上限値を設定する必要はないため、任意の最大値を設定すればよい(rwt=TLIM)。
ここで、TLIMは、利用者Uに、長待ちの解消による効果を実感させることが可能な任意の時間であればよい。例えば、解消する対象の長待ちの時間の長さの1/2および1/3などをTLIMとして設定すればよい。より具体的には、60秒の長待ちが解消対象である場合、TLIMを30秒などと設定すればよい。
次に、特定部12は、担当装置として適当か否かを1番目に判定する自走型通知装置6について、割当変更対応中フラグ(busyFg(r))の有無を判定する(ステップS103)。なお、ステップS103において、特定部12は、割当変更対応中フラグ(busyFg(r))に加えて、現在行っている作業の優先順位が所定の順位以上であるか否かを示す優先作業フラグがONかOFFかに基づく判定を行ってもよい。
1番目に担当装置として適当か否かを判定する自走型通知装置6の割当変更対応中フラグがOFFである場合(ステップS103にてNO)、特定部12は、この自走型通知装置6がF階の乗場(すなわち、対象の乗場)のP号機前に移動するのに要する推定時間Tr(r)を算出する(ステップS104)。
例えば、ステップS103にてNOの場合、特定部12は、r番目の自走型通知装置6の作業状況情報を到着時間推定部123に出力する。到着時間推定部123は、r番目の自走型通知装置6の作業状況情報および行先階呼び情報を取得し、r番目の自走型通知装置6の性能情報、作業情報、および対象の乗場の位置に基づいて、この自走型通知装置6を対象の乗場に移動させるための経路を決定する。さらに、到着時間推定部123は、r番目の自走型通知装置6が対象の乗場まで決定した経路で移動した場合に要する推定時間Tr(r)を算出する。
ここで、特定部12は、自走型通知装置6が現在の位置からF階に移動するときに、該自走型通知装置6に利用させるエレベータ4の号機を決定しでもよい。例えば、自走型通知装置6にrc号機を利用させる場合の指定情報はRCAR=rcであり、自走型通知装置6が現在F階にいるためエレベータ4の利用が不要である場合の指定情報は、RCAR=0である。
特定部12は、自走型通知装置6にrc号機を利用させた場合(RCAR=rc)の推定時間Tr(r)が、TLIMとして設定されているrwtよりも小さいか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104にてYESの場合、特定部12は、この自走型通知装置6を担当装置として仮特定し(R=r)、rwt=Tr(r)、RCAR=rcと設定する(ステップS105)。なお、1番目に担当装置として適当か否かを判定する自走型通知装置6の割当変更対応中フラグ(busyFg(r))がONである場合(ステップS103にてYES)には、ステップS104〜S105の処理を行わない。
次に、特定部12は、すべての自走型通知装置6についての特定処理が完了したか否かを判定する(ステップS106)。特定処理が完了していない場合(ステップS106にてNO)、rの値に1を加え(ステップS107)、ステップS103に戻り、次の自走型通知装置6についての特定処理を行う。
このように、各自走型通知装置6について特定処理を行うことにより、最も早く対象の乗場に到着可能な自走型通知装置6を特定することができる。
特定処理が完了した場合(ステップS106にてYES)、特定部12は、仮に特定された担当装置が存在しているか否かを判定する(ステップS108)。仮に特定された担当装置が存在している(R>0)場合(ステップS108にてYES)、割当部11は、割当変更先となるエレベータ4の号機(変更先号機)の特定処理を開始する(ステップS109〜S115)。
より具体的には、ステップS108にてYESの場合、担当装置決定部124は、例えば、担当装置決定フラグを割当部11に出力する。割当変更部115は、担当装置決定フラグを取得すると、運転状況情報取得部113から各エレベータの号機の運転状況情報を取得し、変更先号機の特定処理を開始する。なお、図11に示すように、割当変更部115は、エレベータ4の号機の各々を1つずつ順に変更先号機として適当か否かを判定してもよい。
なお、担当装置が存在しない(R=0)場合(ステップS108にてNO)、特定部12は、担当装置が見つからなかった旨の通知を割当部11に送信する。該通知を受信した割当部11は、ステップS101に戻り、利用者Uの長待ち状況の監視を継続する。すなわち、割当変更部115は、特定部12によって担当装置が特定された場合に、P号機から変更先号機への割当変更を行う。
割当変更部115は、変更先号機の特定処理を開始するにあたり、利用者Uの待ち時間の予測値wtを設定する(ステップS109)。ここでは、rwtと同様にwt=TLIMと設定している。
また、割当変更部115は、ステップS109において、q番目に変更先号機として適当か否かを判定する対象のエレベータ4の号機を決定する。「q=1」は、割当変更部115が、最初に変更先号機として適当か否かを判定する対象のエレベータ4の号機であることを意図している。この時点では、変更先号機(Q号機)は、まだ特定されていないため、Q=0である。
ここで、P号機は、F階への到着が遅れている(すなわち、利用者Uの長待ちが生じている)号機であるため、変更先号機とは成り得ない。それゆえ、q=Pである場合(ステップS110にてYES)、割当変更部115は、後述するステップS111およびステップS112の変更先号機の特定処理を行わない。
一方、q=Pではない場合(ステップS110にてNO)、割当変更部115は、エレベータ4の号機の各々のかごがF階に到着するまでに要する推定時間T(q)、および担当装置(R)についての推定時間Tr(R)に基づいて、変更先号機の特定処理を行う。
具体的には、割当変更部115は、まず、以下の条件(a)と条件(b)との両方を満たすエレベータ4の号機を変更先号機と仮特定する(ステップS111)。
・条件(a):T(q)>Tr(R)−DIFF
・条件(b):T(q)<wt
ここで、条件(a)は、担当装置(R)がF階に到着するDIFF(秒)前の時点以降にF階に到着する号機を、変更先号機として特定するための条件である。条件(b)は、推定時間T(q)が利用者Uの待ち時間の予測値wtよりも短い(すなわち、F階に早く到着する号機)を変更先号機として特定するための条件である。
変更先号機よりも先に担当装置(R)がF階に到着し、利用者Uに対して割当変更の結果を通知することが望ましい。しかし、変更先号機が担当装置(R)よりも先にF階に到着した場合であっても、エレベータ管理装置1は、変更先号機に扉42を開状態に保持して待機させることが可能である。そこで、割当変更部115は、担当装置(R)がF階の乗場に到着する時間より所定時間(DIFF)前の時点以降にかごがF階に到着する号機であっても、該号機を変更先号機として特定する。上記の条件(a)における「DIFF」は、
担当装置(R)から利用者Uに変更先号機を通知するための時間的猶予として設定される所定時間である。例えば、変更先号機は、DIFFとして設定された時間のあいだ、F階において扉42の開状態を延長する。DIFFは、例えば、0〜15(秒)と設定され得る。
例えば、DIFF=15(秒)と設定すれば、変更先号機より15秒遅れて担当装置(R)がF階に到着した場合であっても、利用者Uは該担当装置(R)から変更先号機の通知を受けて、待機中の変更先号機のかごに乗車することができる。なお、変更先号機よりも先に担当装置(R)がF階に到着可能な場合には、F階において該変更先号機が待機する必要が無いため、DIFF=0(秒)と設定すればよい。
上記の条件(a)および条件(b)が満たされる号機であれば(ステップS111にてYES)、割当変更部115は、当該号機を変更先号機(Q号機)として設定し(Q=q)、wtを当該号機がF階に到着するまでに要する推定時間T(q)と設定する(wt=T(q))(ステップS112)。上記の条件(a)および条件(b)が満たされる号機でなければ(ステップS111にてNO)、割当変更部115は、ステップS112の変更先号機の設定は行わない。
次に、割当変更部115は、すべてのエレベータ4の号機についての特定処理が完了したか否かを判定する(ステップS113)。特定処理が完了していない場合(ステップS113にてNO)、qの値に1を加え(ステップS114)、ステップS110に戻り、次のエレベータ4の号機についての特定処理を行う。
このように、各エレベータ4の号機について特定処理を行うことにより、変更先号機として最適なエレベータ4の号機を特定することができる。
特定処理が完了した場合(ステップS113にてYES)、割当変更部115は、仮に特定された変更先号機が存在しているか否かを判定する(ステップS115)。仮に特定された変更先号機が存在している(Q>0)場合(ステップS115にてYES)、割当変更部115は、変更先号機(Q号機)のかごが担当装置(R)よりも先に到着するか否かを判定する(ステップS116)。具体的には、割当変更部115は、推定時間Tr(R)の値と、推定時間T(Q)の値とを比較することによって、変更先号機(Q号機)のかごが担当装置(R)よりも先に到着するか否かを判定する。
なお、変更先号機として適当な号機が無い(Q=0)場合(ステップS115にてNO)、割当部11はステップS101に戻り、利用者Uの長待ち状況の監視を継続する。
推定時間Tr(R)が推定時間T(Q)より大きい場合には、担当装置(R)がF階に到着するのを変更先号機(Q)が待つ必要がある。そこで、ステップS116において、Tr(R)>T(Q)である場合(ステップS116にてYES)、割当変更部115は、変更先号機(Q号機)の扉42を開状態に維持させる時間「dopen_t」を、推定時間Tr(R)と推定時間T(Q)との差分に基づいて設定する(ステップS117)。一方、推定時間Tr(R)が推定時間T(Q)以下である場合には、担当装置(R)が先にF階に到着しているため、変更先号機(Q)が待つ必要は無い。そこで、ステップS116において、推定時間Tr(R)が推定時間T(Q)以下である場合(ステップS116にてNO)には、割当変更部115は、変更先号機(Q号機)の扉42を開状態に維持させる時間「dopen_t」を0と設定する(ステップS118)。
エレベータ管理装置1は、dopen_tを設定した後に、Q号機の運転を制御するエレベータ制御装置3に、F階でP号機に割り当てられている行先階呼び(F、[D1、D2、・・・、Dn])をQ号機に割当変更する指示を送信する(ステップS119:割当変更ステップ)。
次に、エレベータ管理装置1は、Q号機の運転を制御するエレベータ制御装置3に、扉42の開状態をdopen_t秒間延長する指示(扉開状態延長指示)を送信する(ステップS120)。エレベータ管理装置1から扉開状態延長指示を受信したエレベータ制御装置3の扉開閉制御部33は、F階に到着後に開いた扉42の開状態をdopen_t秒間だけ長く維持させる。
また、エレベータ管理装置1は、担当装置として特定した自走型通知装置6に、割当変更の結果を利用者Uに通知させるために、ロボット管理装置5に割当変更情報および出発階情報を送信する(ステップS121:通知ステップ)。
エレベータ管理装置1は、図11に示すように、まず、F階でP号機に割当てられている行先階呼びに長待ちが生じることが判明した場合に、変更先号機を利用者Uに通知可能な自走型通知装置6を特定する。次に、エレベータ管理装置1は、割当変更における変更先号機としてQ号機を特定する。このとき、エレベータ管理装置1は、担当装置(R)がF階の乗場に到着する時間より所定時間(DIFF)前の時点以降にかごが出発階に到着する号機を、変更先号機(Q号機)として特定し、P号機からQ号機への割当変更を行う。
担当装置(R)がQ号機より遅れてF階に到着する場合であっても、エレベータ管理装置1は、Q号機の扉42を開状態に保持して待機させることが可能である。それゆえ、利用者Uは、担当装置(R)からの割当変更の結果の通知に基づいて、F階で待機中のQ号機のかごに乗車することができる。
なお、エレベータ管理装置1は、変更先号機を利用者に通知可能な自走型通知装置6が特定されなければ、割当変更によって利用者Uの長待ちが解消される場合であっても、当該割当変更を行わない。また、エレベータ管理装置1は、変更先号機を利用者に通知可能な自走型通知装置6が特定されていても、利用者Uの長待ちを解消できる好適な号機が特定されない場合、当該割当変更を行わない。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(エレベータ管理システム100の構成)
エレベータ管理システム100において、ロボット管理装置5は必須の構成ではない。このことについて、図12を用いて説明する。図12は、本発明の別の実施形態に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す図である。
図12に示すエレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1が、ロボット管理装置5を介さずに直接、自走型通知装置6を制御する構成である。
エレベータ管理システム100は、エレベータ管理装置1、行先階呼び登録装置2、エレベータ制御装置3、エレベータ4、および自走型通知装置6を含んでいる。
エレベータ管理装置1は、行先階呼び登録装置2、エレベータ制御装置3、および自走型通知装置6と通信可能に接続されているコンピュータであり、制御部10、通知部14、および記憶部13を備えている。
エレベータ管理装置1は、建物7に設けられた複数号機のエレベータ4の運転を管理する。また、エレベータ管理装置1は、建物7に配備されている自走型通知装置6の移動および動作などを制御する。なお、自走型通知装置6の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
エレベータ管理装置1の制御部10は、割当部11の他に、図3に示す制御部50と同様の機能を備えるロボット管理部(図示せず)を備えている。なお、制御部10は、特定部12をさらに備えていてもよい。
図12に示すエレベータ管理システム100は、例えば、エレベータ管理システム100の導入に合わせて、専用の自走型通知装置6を建物7に配備させる場合などに好適である。
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ管理装置1、ロボット管理装置5、自走型通知装置6、エレベータ制御装置3の制御ブロック(特に制御部10、50、60、30a)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、エレベータ管理装置1、ロボット管理装置5、自走型通知装置6、エレベータ制御装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。