JP6817878B2 - 熱回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱源装置から生じた熱を有する第1熱媒が流れる第1熱媒流路と、第2熱媒を貯える蓄熱槽と、前記蓄熱槽の下部から取り出した第2熱媒を前記蓄熱槽の上部に戻すように流す第2熱媒流路と、前記第1熱媒流路及び前記第2熱媒流路の途中に設けられ、前記第1熱媒と前記蓄熱槽の下部から取り出した第2熱媒とを熱交換させる熱回収用熱交換器と、前記第2熱媒流路での単位時間当たりの第2熱媒流量を調節する熱回収運転を行う運転制御部と、を備えた熱回収システムに関する。
このような熱回収システムは、例えば燃料電池コージェネレーションシステムに組み込まれて利用され、熱源装置としての燃料電池から生じた熱を有する熱媒(第1熱媒)から熱回収用熱交換器を通じて回収された熱は、湯水流路(第2熱媒流路)を流れる湯水(第2熱媒)に与えられる。湯水流路は、貯湯タンク(蓄熱槽)から湯水を排出する排出路と、貯湯タンクの下部に接続される補給路とを備えており、補給路により貯湯タンクの内部の湯水に対して所定の給水圧が加わることで、排出路から湯水が排出されるのに対応して補給路から水が貯湯タンク内に供給されるようになっている。
そして、この種の熱回収システムとして、特許文献1によるコージェネレーションシステムでは、蓄熱槽内部の熱媒体の温度を検出する温度検出器と、排熱回収熱交換器と蓄熱槽の間の熱媒体の温度を検出する排熱回収温度検知部とを備えたものが提案されている。このコージェネレーションシステムでは、排熱回収熱交換器と蓄熱槽の間の熱媒体の温度が、蓄熱槽内部の熱媒体の温度に基づいて演算された設定温度になるように、熱媒体を蓄熱槽に移送するポンプの吐出流量が調整され、これにより、熱回収用熱交換器における熱回収量が安定化される(各部の名称は特許文献1に記載の名称を用いている)。
特開2005−24141号公報
近年、燃料電池の発電効率が高まっており、これに伴い、燃料電池における熱出力が小さくなり、熱媒の保有する熱量も低下している。一方で、貯湯タンクが給湯のために用いられる場合、湯水流路を流れる湯水の熱回収が大きいことが望ましく、燃料電池の熱出力が低い場合に高い排熱回収温度を実現するためには、湯水の流量を小さくしなければならない。しかし、湯水を循環させるポンプの出力には限界があり、それ以下の流量ではポンプの運転が行えない最低流量が存在する。そのため、より小さい流量で運転することが必要な場合でもかかる最低流量で運転しなければならず、その結果、湯水の温度を十分に高められず、貯湯タンクに低い温度の湯水が投入され、貯湯タンクの蓄熱量が低下するという不都合が生じる。このように、ポンプ出力下限値で循環させられる流量以下の流量でないと高い排熱回収温度が実現できない場合には、ポンプ出力に制限されて排熱回収温度が低下してしまう。そして、発電出力変動(に伴って排熱出力が変動)などによって排熱回収温度が低下しない時間帯と低下する時間帯が混在する場合、高温のお湯を貯めても低温のお湯が投入されることで、タンクのお湯の温度が平均化されて、所望の容量当たりの蓄熱量を得ることができない。
つまり、上記従来の熱回収システムであっても、ポンプにおける最低流量による制約を受け、熱回収用熱交換器を出た湯水の温度である排熱回収温度が少なくとも一時的に低下する不都合が生じ得る。
また、このような熱回収システムを用いて燃料電池からの排ガスを熱媒として熱回収用熱交換器において熱交換させるとき、冷却に伴い排ガスから凝縮水を生じさせて凝縮水を回収し、回収した凝縮水を燃料電池における発電や冷却に用いられている。このような場合、燃料電池の安定した運転を確保するために、凝縮水の回収量を一定量以上に維持する必要がある。そして、凝縮水の回収量を維持するためには、熱回収用熱交換器において排ガスから十分に熱回収する必要があり、熱回収用熱交換器に流入する湯水の温度が低いことが要求されるが、熱回収用熱交換器に流入する湯水の温度が高く熱回収用熱交換器において十分な熱回収ができない場合、燃料電池の運転を停止させる必要、あるいは、湯水の温度を放熱器などで低下させる必要がある。そのため、たとえポンプにおける最低流量による制約がなく、ポンプの流量を際限なく低くできたとしても、その場合には凝縮水の回収量を一定量以上に維持することが困難になり、燃料電池の運転の停止や放熱器の運転が必要となる。したがって、この種の熱回収システムでは、排熱回収温度の低下を避けるだけでなく、燃料電池の運転の停止や放熱器の運転も避けることも求められる。
そこで、ポンプなどの流量調整機器の調整量に下限制約があるという条件においても、蓄熱槽の利用に問題が生じるような排熱回収量の低下等の諸問題が抑制される熱回収システムが望まれる。
本発明による熱回収システムは、
熱源装置から生じた熱を有する第1熱媒が流れる第1熱媒流路と、
第2熱媒を貯える蓄熱槽と、
流量調整機器の運転に伴い前記蓄熱槽の下部から取り出した第2熱媒を前記蓄熱槽の上部に戻すように流す第2熱媒流路と、
前記第1熱媒流路及び前記第2熱媒流路の途中に設けられ、前記第1熱媒と前記蓄熱槽の下部から取り出した前記第2熱媒とを熱交換させる熱回収用熱交換器と、
前記流量調整機器を制御して前記第2熱媒流路での単位時間当たりの前記第2熱媒の流量である第2熱媒流量を調節する熱回収運転を行う運転制御部と、を備え、
前記運転制御部は、
前記熱回収用熱交換器に流入する前記第2熱媒の温度が所定の上限温度以下であることを条件として前記熱源装置の運転を許可し、及び、前記熱源装置が運転しているとき、前記熱回収用熱交換器から流出する前記第2熱媒の温度が所定の目標温度になるように、前記熱回収運転を行うように構成され、
前記蓄熱槽に蓄えられている熱量が所定量以下である熱切れ状態であるとき、第1温度を前記目標温度に設定した第1熱回収運転を行い、
前記蓄熱槽の下部から前記第2熱媒流路に取り出される前記第2熱媒の温度である取出温度が、前記上限温度未満の所定の過渡温度以上であるとき、前記第1温度よりも高い第2温度を前記目標温度に設定した第2熱回収運転を行い、
前記蓄熱槽は、前記蓄熱槽から前記第2熱媒を排出する排出路と、前記蓄熱槽の下部に接続されて、前記第2熱媒の供給源から新たに前記第2熱媒を前記蓄熱槽の下部に供給する補給路と、を備え、前記排出路から前記第2熱媒が排出されるのに対応して前記補給路から前記第2熱媒が前記蓄熱槽内に供給されるように構成されており、
前記運転制御部は、前記第2熱回収運転を行っているときに、前記排出路から前記第2熱媒が排出されるのに対応して前記補給路から前記第2熱媒が前記蓄熱槽の下部に供給されて、前記取出温度が前記過渡温度未満になると、前記第1温度よりも高くかつ前記第2温度よりも低い第3温度を前記目標温度に設定した第3熱回収運転に切り替え、
前記運転制御部は、
前記第3熱回収運転を行っているとき、前記流量調整機器が最低出力で運転しているときの前記第2熱媒流量である下限流量において前記第2熱媒を前記熱回収用熱交換器により昇温させたときの前記第2熱媒の温度である到達可能温度が、前記第3温度以上か否かを判定するように構成され、
前記到達可能温度が前記第3温度以上と判定したとき、前記第3温度に代えて前記到達可能温度を前記目標温度に設定する
この構成によれば、熱源装置が運転しているときには、第1熱媒流路を流れる第1熱媒と熱回収用熱交換器で熱交換を行った後の第2熱媒が所定の目標温度になるような熱回収運転として、目標温度として、第1温度と、第1温度より高い第2温度が用いられた2段階の熱回収運転が行われる。つまり、1度に目標とする温度まで第2熱媒の温度を昇温させようとすると、その温度上昇量に応じて第2熱媒の流量を低下させる必要があるが、そうすると流量調整機器の調整量における下限制約を受けやすくなり、また、下限制約を受けることで熱回収後の第2熱媒の温度が目標温度よりも低くなる。これに対し、2段階の熱回収運転を行うようにすることで、熱回収用熱交換器における一回の熱交換において昇温させなければならない第2熱媒の温度を低減でき、その分流量を多く確保できて、その結果流量調整機器の調整量における下限制約を受けにくくなり、これにより、熱回収後の第2熱媒の温度を目標温度まで昇温させ易い。このように、ポンプなどの流量調整機器の調整量に下限制約があるという条件においても、蓄熱槽の利用に問題が生じるような排熱回収温度の低下等の諸問題が抑制される。
また、蓄熱槽に蓄えられている熱量が所定量以下である熱切れ状態(蓄熱量が非常に少ない熱切れ状態)であるときには、まず、第1温度が目標温度として設定される第1熱回収運転が行われるところ、蓄熱槽の蓄熱量が所定量以下である熱切れ状態においては、比較的低い温度である第1温度であっても過度に第2熱媒流量を増やすことなく熱回収用熱交換器において十分な熱回収量を確保できる。そして、その後の第2温度が目標温度として設定される第2熱回収運転では、熱回収用熱交換器から出て、蓄熱槽に流入する第2熱媒の温度は第1温度より高いので、第1熱回収運転によってある程度のレベルまで増加された蓄熱量はさらに押し上げられるとともに、その温度も蓄熱槽としての機能を十分に果たせる程度まで上げられて、蓄熱槽の機能が確保される。
そして、蓄熱槽の下部から第2熱媒流路に取り出される第2熱媒の取出温度が、熱源装置の運転条件となっている上限温度未満の温度である過渡温度以上であるときに第2熱回収運転が行われるので、第2熱回収運転に至るまでに燃料電池の運転の停止や放熱器の運転が生じることはなく、その結果、第1熱回収運転のみが行われて蓄熱槽の蓄熱量として不十分な状態で燃料電池の運転の停止や放熱器の運転が生じるという事態が避けられる。
このように、第1温度を用いた第1熱回収運転と第2温度を用いた第2熱回収運転とを適切に組み合わせることで、ポンプなどの流量調整機器の調整量に下限制約があるという条件においても、蓄熱槽の利用に問題が生じるような排熱回収量の低下が抑制され、蓄熱槽が有効利用される。
又、この構成では、さらに、第2熱回収運転中に、蓄熱槽に蓄えられていた第2熱媒の使用などにより、第2熱媒の排熱回収入口温度が低下しても、第2温度よりも低い第3温度を目標温度として、排熱回収が行われる(第3熱回収運転)。また、第2熱媒の排熱回収入口温度が上昇すれば、再び、第2温度を目標温度として排熱回収(第2熱回収運転)が行われる。これにより、蓄熱槽に貯留されている第2熱媒の温度の低下ができるだけ抑制される。
又、この構成によれば、第3熱回収運転を行っている間に、第2熱媒を第3温度よりも高い温度に昇温させられるようになれば、その到達可能温度を目標温度として第3熱回収運転を行うので、第2熱媒を可能な限り昇温させることができ、より効率的な運転が可能になる。
以下、本発明に係る熱回収システムの好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記運転制御部は、前記到達可能温度が前記第3温度以上と判定したとき、さらに、前記到達可能温度が前記第2温度以上か否かを判定するように構成され、前記到達可能温度が前記第2温度以上と判定したとき、前記第2熱回収運転に切り替えると好適である。
この構成によれば、第3熱回収運転を行っている間、目標温度を徐々に第2温度に近づけていき、第2熱回収運転への漸次的な切替が行える。
1つの態様として、前記運転制御部は、前記第1熱回収運転を行っているとき、前記熱切れ状態ではなく、かつ、前記取出温度が前記過渡温度未満であるときは、前記第1熱回収運転を継続して行うと好適である。
この構成では、蓄熱槽が熱切れ状態ではなくなっても、蓄熱槽の下部から取り出される第2熱媒の温度が過渡温度未満であれば、第1熱回収運転が継続される。したがって、蓄熱槽に第2熱媒が貯留されてきても、直ちには、第2熱回収運転には移行せずに、低い第1温度を目標温度として排熱回収が行われ、好適な熱回収運転が確保される。
1つの態様として、前記第1温度は、前記熱回収用熱交換器から前記第1温度で流出した前記第2熱媒が、再度前記蓄熱槽の下部から前記熱回収用熱交換器に流入するときに、前記上限温度以下の温度となる温度に設定されていると好適である。
第1温度で流出した第2熱媒は、第2熱媒流路を通って蓄熱槽の上部に流入し、蓄熱槽での貯留状態を経て、例えば第2熱回収運転中に、再び蓄熱槽の下部から第2熱媒流路を通って熱回収用熱交換器に流入することとなる。しかし、その際、熱回収用熱交換器に流入する第2熱媒の温度が、上限温度を超えていると、熱源装置の運転の停止や放熱器の運転という問題が生じ得る。上述した構成では、このような問題を引き起こさないように、第1温度が設定されるので、熱源装置の安定した運転が可能となる。そして、熱回収用熱交換器から流出した第2熱媒は、再度蓄熱槽の下部から熱回収用熱交換器に流入するまでに、蓄熱槽や第2熱媒流路からの自然放熱が生じ得るので、かかる自然放熱を考慮して第1温度を設定することも可能である。
1つの態様として、前記蓄熱槽の下部と前記熱回収用熱交換器との間の前記第2熱媒流路に放熱器を備え、前記運転制御部は、第2熱媒の前記取出温度が前記上限温度より高いとき、前記熱回収用熱交換器に流入する第2熱媒の温度が前記上限温度以下になるように前記放熱器を動作させると好適である。
この構成では、蓄熱槽の下部から取り出された第2熱媒の温度が上限温度より高いとき、放熱器によって強制的に第2熱媒の温度を上限温度未満にすることができるので、熱源装置の停止が確実に回避される。
上述した、第1温度、第2温度、第3温度、過渡温度は、実験的かつ経験的に求めることができる。好適な1つの態様では、第1温度は35℃、第2温度は70℃、第3温度は60℃、過渡温度は30℃である。その際、上限温度は40℃が好ましい。
第1実施形態に係る熱回収システムを示す概略構成図 第1実施形態に係る熱回収システムにおける運転制御部の概略構成図 第1実施形態に係る熱回収処理の一例を示すフローチャート 第1実施形態に係る熱回収システムにおける継時的な蓄熱状態と、従来技術での継時的蓄熱状態を示す表 第1実施形態に係る熱回収システムにおける継時的な蓄熱状態と、従来技術での継時的蓄熱状態を示す表 第2実施形態に係る熱回収処理の一例を示すフローチャート 別実施形態に係る熱回収システムを示す概略構成図
〔第1の実施形態〕
本発明に係る熱回収システムの第1の実施形態について、図面を参照して説明する。この熱回収システムは、コージェネレーションシステムに組み込まれており、図1は、そのようなコージェネレーションシステムに組み込まれた熱回収システムを示している。本熱回収システムは、熱源装置1と、湯水(第2熱媒の一例)を貯える貯湯タンク(蓄熱槽の一例)3と、熱源装置1から生じた熱を有する熱媒(第1熱媒に相当)と貯湯タンク3の下部から取り出した湯水とを熱交換させる熱回収用熱交換器2と、湯水流路(第2熱媒流路の一例)L2での単位時間当たりの湯水流量(第2熱媒流量に相当)を調節する熱回収運転を行う運転制御部9と、を備えている。なお、この実施形態では、熱源装置1として燃料電池を用いている。具体的には、燃料電池には、空気及び原燃料が供給され、燃料電池は、原燃料を水蒸気改質して生成された燃料ガスと空気とを反応させることで電力を出力する。また、燃料電池は、燃料ガス中に残存する燃料成分を燃焼させて排ガスを生じさせるようになっており、本実施形態では、この排ガスを熱源装置から生じた熱を有する熱媒として用いる。具体的には、本熱回収システムでは、熱媒としての排ガスが流れる熱媒流路(第1熱媒流路)L1により熱回収用熱交換器2に排ガスが供給され、排ガス中の熱源装置1で発生した熱が熱回収用熱交換器2を通過する湯水により回収され、熱回収用熱交換器2で熱を回収した湯水が貯湯タンク3に貯留され、貯湯タンク3に貯留された湯水が熱利用装置4で利用されるようになっている。また、図示は省略してあるが、熱回収用熱交換器2により熱回収された排ガスからは凝縮水が生じており、本実施形態では、この凝縮水を回収して水蒸気改質など燃料電池の発電に再利用するようになっている。そして、後述する上限湯水温度(上限温度に相当)は、排ガスから回収できる凝縮水の量が燃料電池の発電に必要な量を下回って、燃料電池の運転が不可能になる温度に設定してある。
熱回収用熱交換器2と貯湯タンク3との間には、湯水ポンプであるポンプ(流量調整機器の一例)Pによって湯水を循環させる湯水流路L2が設けられている。湯水流路L2は、貯湯タンク3の下部から取り出した湯水が熱回収用熱交換器2を通過し貯湯タンク3の上部に戻るように構成されている。熱回収用熱交換器2は、熱媒流路L1を流れる排ガスと湯水流路L2を流れる湯水との熱交換を行うものであり、湯水流路L2での単位時間当たりの湯水流量は、ポンプPの吐出流量を調節することによって行われる。この実施形態では、ポンプPと貯湯タンク3の下部との間の湯水流路L2に放熱用ファン5aを有する放熱器5が配置されている。
この実施形態では、熱利用装置4は給湯設備であり、台所や浴室への湯水供給のために貯湯タンク3から湯水を排出する排出路L3が設けられ、所定の供給源からの水(第2熱媒の一例)を貯湯タンク3に補給するための補給路L4が貯湯タンク3の下部に接続されている。補給路L4による給水により、貯湯タンク3の内部の湯水に対して所定の給水圧が加わり、この状態で給湯設備において蛇口等が開放されると、排出路L3を流れる湯水が排出される。そして、排出路L3から湯水が排出されるのに対応して、補給路L4から水が貯湯タンク3に供給されるようになっている。
湯水流路L2には、湯水の温度を検出する第1温度センサT1、第2温度センサT2、第3温度センサT3が設けられている。第1温度センサT1は、熱回収用熱交換器2で熱媒流路L1を流れる排ガスと熱交換を行った後の湯水流路L2を流れる湯水の温度を検出するように、熱回収用熱交換器2の直後に配置されている。第2温度センサT2は、貯湯タンク3の下部から湯水流路L2に取り出される湯水の温度である取出温度を検出するように、貯湯タンク3の下部近辺に配置されている。そして、第3温度センサT3は、貯湯タンク3の下部から湯水流路L2を通って熱回収用熱交換器2に流入する湯水の温度を検出するように、熱回収用熱交換器2の直前に配置されている。
貯湯タンク3には、上部から下部にかけて、貯留された湯水の温度を検出する第4温度センサT4、第5温度センサT5、第6温度センサT6、第7温度センサT7が配置されている。この貯湯タンク3は、上部から湯水が供給されるとともに、下部から給水されるので、貯留された湯水は、貯湯タンク3の上部から下部にかけて温度低下する温度勾配を有する。そのような温度勾配の各位置の湯水温度が第4温度センサT4、第5温度センサT5、第6温度センサT6、第7温度センサT7によって検出される。これらの温度センサの検出値に基づいて、貯湯タンク3に貯留されている湯水の温度や蓄熱量を求めることができる。さらに、これらの温度センサの検出値に基づいて、貯湯タンク3に蓄えられている熱量が所定量以下であり、熱量の非常に少ない湯切れ状態(熱切れ状態の一例。例えば貯留された湯水全体の換算温度が30℃未満であるなど、貯湯タンク3中に目的の温度の湯水が存在しない状態)であることを判定することができる。貯湯タンク3に設けられる温度センサの数は、この実施形態より、多くしてもよいし、少なくしてもよい。また、湯切れ状態を判定可能な湯切れセンサを設けてもよい。
運転制御部9は、ポンプPの吐出量を制御することで湯水流路L2での単位時間当たりの湯水流量を調節し、熱回収運転を行う。具体的には、湯水の温度を入力パラメータとして適正な熱回収運転モード(後述する第1〜第3熱回収運転)を決定し、その熱回収運転モードに基づいて、ポンプPを制御する。このため、マイコン等のコンピュータユニットとして構成されている運転制御部9には、図2で示すように、入力信号処理部91、制御信号出力部92、熱回収運転モード決定部93、制御量算出部94、温度管理部95などの機能部が構築されている。
入力信号処理部91は、第1温度センサT1から第7温度センサT7からの温度検出信号を受け付け、熱回収運転モード決定部93は、入力された温度検出信号に基づいて運転制御部9によって行われる熱回収運転のモードを決定する。そして、制御量算出部94は、実行されている熱回収運転モードに基づいて、ポンプP,放熱用ファン5aに対する制御信号を生成するための制御量を算出し、制御信号出力部92は、算出された制御量に基づき、ポンプP,放熱用ファン5aに対する制御信号を出力するようになっている。また、温度管理部95は、熱回収運転モード決定部93で決定された各熱回収運転モードで用いられる目標温度などの制御温度を管理する。さらに、温度管理部95は、第4温度センサT4、第5温度センサT5、第6温度センサT6、第7温度センサT7の温度検出信号に基づいて、貯湯タンク3に蓄えられている熱量が所定量以下である湯切れ状態の発生を検知することが可能になっている。このように、運転制御部9によれば、熱回収システムにおける各部の温度に基づいてポンプP,放熱用ファン5aを制御し、熱回収システムに適切な熱回収運転を行わせるようになっている。
具体的には、運転制御部9は、貯湯タンク3の下部から湯水流路L2を通って熱回収用熱交換器2に流入して熱媒流路L1の排ガスの冷却に用いられるときの湯水温度が所定の上限湯水温度(例えば40℃)以下であることを条件として熱源装置1の運転を許可するようになっている。さらに、熱源装置1の運転中においては、運転制御部9は、熱媒流路L1を流れる排ガスと熱回収用熱交換器2で熱交換を行った後の湯水流路L2を流れる湯水が所定の目標温度(選択された熱回収運転モードによって異なる)になるように、ポンプPに制御信号を与え、湯水流路L2での単位時間当たりの湯水流量を調節する。
この実施形態では、熱回収運転のモードとして、第1熱回収運転モード、第2熱回収運転モード、第3熱回収運転モードが用意されている。第1熱回収運転モードは、貯湯タンク3に蓄えられている熱量が所定量以下である湯切れ状態であるときに選択され、目標温度として第1温度(例えば35℃)が設定される。その際、熱回収用熱交換器2に流入する湯水の温度が、上限湯水温度(例えば40℃)を超えると、熱回収用熱交換器での熱回収が不可能となるので、そうならないように、貯留タンク3に貯留されている間や湯水流路L2を流れる間の自然放熱も含めて、熱回収用熱交換器2から流出した湯水が貯湯タンク3での貯留を経て、貯湯タンク3から取り出されるまでの湯水の温度経過を考慮して、第1温度が設定される。
第2熱回収運転モードは、貯湯タンク3の下部から湯水流路L2に取り出される湯水の取出温度が、上述した上限湯水温度(例えば40℃)未満の所定の過渡温度(例えば30℃)以上であるときに選択され、目標温度として第1温度よりも高い第2温度(例えば70℃)が設定される。第3熱回収運転モードは、第2熱回収運転モードで熱回収運転が行われている際に、貯湯タンク3の下部から湯水流路L2に取り出される湯水の温度(第2温度センサT2の温度検出信号に基づく温度)が、上述した過渡温度(例えば30℃)未満になったときに選択され、目標温度として、第1温度よりも高く、かつ第2温度(例えば70℃)よりも低い第3温度(例えば60℃)が設定される。
なお、第1熱回収運転モードでの熱回収運転は、湯切れ状態が解消されても、貯湯タンク3の下部からの湯水の取出温度が過渡温度(例えば30℃)未満であるときには、継続され、水の取出温度が過渡温度(例えば30℃)以上になった場合には、第2熱回収運転モードでの熱回収運転に移行する。
図3のフローチャートは、第1熱回収運転モード、第2熱回収運転モード、及び、第3熱回収運転モードのいずれかのモードに切り替えて熱回収運転を行う処理の流れが示されている。なお、このフローチャートで示された熱回収処理では、初期設定として、第1熱回収運転モードが選択される。まず、湯切れ状態が発生しているかどうかが判定され(#1)、湯切れ状態が発生していれば(#1:Yes)、第1熱回収運転モードでの熱回収運転が続行されるように第1熱回収運転モードが選択され、第1温度(例えば35℃)を目標温度とする熱回収運転が行われる(#2)。そして、処理の流れは、ステップ#1に戻る。
ステップ#1における判定で、湯切れ状態が発生していなければ(#1:No)、現在第1熱回収運転モードが選択されているかどうかが判定される(#3)。そして、第1熱回収運転モードが選択されていれば(#3:Yes)、さらに、貯湯タンク3の下部での湯水の温度が30℃以上であるかどうかが判定される(#4)。ステップ#4における判定で湯水の温度が30℃未満であれば(#4:No)、ステップ#2に移行して、第1熱回収運転モードでの熱回収運転が続行されるように第1熱回収運転モードが選択される。ステップ#4における判定で、湯水の温度が30℃以上であれば(#4:Yes)、第2熱回収運転モードが選択され、第2温度(例えば70℃)を目標温度とする熱回収運転が行われる(#5)。そして、処理の流れは、ステップ#1に戻る。
ステップ#3における判定で現在第1熱回収運転モードが選択されていなければ(#3:No)、さらに、現在第2熱回収運転モードが選択されているかどうかが判定される(#6)。そして、第2熱回収運転モードが選択されていれば(#6:Yes)、さらに、貯湯タンク3の下部での湯水の温度が30℃以上であるかどうかが判定される(#7)。ステップ#7における判定で湯水の温度が30℃以上であればステップ#5に移行し(#7:Yes)、ステップ#5では、第2熱回収運転モードが選択されるので、第2熱回収運転モードでの熱回収運転が続行され(#5)、処理の流れは、ステップ#1に戻る。一方、ステップ#7における判定で湯水の温度が30℃未満であれば第3熱回収運転モードが選択され(#7:No)、第3温度(例えば60℃)を目標温度とする熱回収運転が行われる(#8)。そして、処理の流れは、ステップ#1に戻る。
また、ステップ#6における判定で、現在第2熱回収運転モードが選択されていなければ(#6でNo分岐)、第3熱回収運転モードで運転していることとなり、貯湯タンク3の下部での湯水の温度が30℃以上であるかどうかが判定される(#9)。そして、ステップ#9における判定で、湯水の温度が30℃以上であればステップ#5に移行し(#9:Yes)、第2熱回収運転モードが選択されて第2温度(例えば70℃)を目標温度とする熱回収運転に移行する(#5)。そして、処理の流れは、ステップ#1に戻る。一方、ステップ#9における判定で湯水の温度が30℃未満であれば(#9:No)、ステップ#8に移行する。そして、第3熱回収運転モードが選択されて第3熱回収運転モードでの熱回収運転が続行され(#8)、処理の流れは、ステップ#1に戻る。
次に、図を用いて、上述した熱回収システムにおける湯水の継時的な蓄熱状態を説明する。図4の上側の表は、途中で熱利用装置4において湯の使用がない場合での本発明に係る熱回収システムでの湯水の継時的な蓄熱状態を示している表であり、比較参照するため、図4の下側に、従来の熱回収システムでの湯水の継時的な蓄熱状態が示されている。図示された表では、経過時間毎の、排熱回収熱量、放熱量、熱利用、蓄熱量、蓄熱状態が行として示されている。蓄熱状態は、貯湯タンク3の貯留されている湯水の5つの温度領域の蓄熱状態が示されている。ここでは、熱回収システムの前提条件として、ポンプ駆動可能な最小の排熱回収流量が0.05L/minで、排熱出力が174W(2.5kcal/min)としてある。
図4の上側の表から理解できるように、本発明に係るこの熱回収システムでは、過渡温度が30℃、第1温度が35℃、第2温度が70℃と設定されている。第1温度が目標温度に設定されているとき(第1熱回収運転モード)には、ポンプ流量は、0.12〜0.6L/minの範囲で制御され、第2温度が目標温度に設定されているとき(第2熱回収運転モード)には、0.075〜0.086L/minの範囲で制御される。なお、第1熱回収運転モードにおける貯湯タンク3の湯水の温度が35℃であり、水自立成立のための上限湯水温度である排熱回収入口温度(放熱器出口温度)である40℃より低いため、第1熱回収運転モードから第2熱回収運転モードに移行された後も放熱器5による湯水温度の低減は不要となっている。このような熱回収運転では5時間後にタンクが35℃のお湯で満たされて、12時間後には70℃のお湯で満たされ、このときの蓄熱量は約2090Wh(1800kcal)となる。
なお、水自立とは、都市ガスやLPガスなどの炭化水素燃料を燃料として発電する燃料電池システムにおいて、水補給なしに運転継続できる状態を意味する。燃料電池システムにおいて、排気ガスの温度が高い場合には一部がシステム外に水蒸気として持ち出されてしまい、水補給なしに運転継続することが不可能となるので(水自立の不成立)、熱回収用熱交換器2による適切な熱交換が必要となる。あるいは、水自立成立のために、放熱器5が備えられている場合には、放熱器5を駆動させてもよい。
図4の下側の表から理解できるように、従来技術による熱回収システムでは、補給路L4での給水温度が10℃の条件で貯湯タンク3に湯水が貯留されていないとき(湯切れ状態)には、熱回収用熱交換器2に流入する湯水の温度は10℃であり、熱回収用熱交換器2から流出する湯水の温度は、ポンプPの制約から60℃(=10+2.5/0.05)が上限値となる。そして、貯湯タンク3の容量が30Lで、貯湯タンク3での放熱を無視すれば10時間後にタンクが60℃のお湯で満たされ、この後にようやく70℃での排熱回収が可能となる。ただし、燃料電池の水自立を成立させるために排熱回収入口温度(放熱器出口温度)を、例えば熱回収用熱交換器2に流入する湯水の温度を40℃以下に下げなければならず、蓄熱の一部を捨てながら70℃で回収することとなる(経過時間が11時間、12時間である放熱量の欄を参照)。その結果、本熱回収システムよりも蓄熱量は低減されて、12時間後の蓄熱量は約1860Wh(1600kcal)となる。このように、本発明の有利性が明らかに示されている。
また、本実施形態に係る熱回収システムにおいて、途中で湯の使用があった場合の蓄熱量の変化の例が図5に示されている。本実施形態において、目標温度が第1温度(35℃)である間に湯水の使用があった場合、貯湯タンク3の下部には10℃の水が補給路L4から流入するが、もともと10℃の水を35℃まで昇温させる運転であったため、支障なく引き続き同じ第1温度(35℃)を目標温度として排熱回収(第1熱回収運転)を行える。一方、目標温度を第2温度(70℃)とする排熱回収(第2熱回収運転)が行われている間に湯の使用があった場合は、もともと35℃の湯水を70℃まで昇温させる運転であったのに、10℃の水を70℃まで昇温させることになる。そうすると、湯水を70℃まで昇温させるのに、熱回収用熱交換器2に供給する湯水の量を過度に低減しなければならず、ポンプPの最小流量の制約を受けるおそれがある。そこで、本熱回収システムでは、一時的に第3温度(60℃)を目標温度とした排熱回収(第3熱回収運転)を行うようになっている。そして、この第3熱回収運転は湯水の使用で貯湯タンク3から払い出された湯量と同じだけ補給された補給水を用いて排熱回収する間だけ行われ、その後は貯湯タンク3の下部には35℃の湯水が現れるので、再び第2温度(70℃)を目標温度とする排熱回収(第2熱回収運転)に復帰する。これにより、貯湯タンク3の上部での蓄熱温度低下の影響を最小限で食い止めることができる。なお、湯水の使用が多く、湯切れが発生した場合には、目標温度を第1温度(35℃)とする排熱回収に移行する。
従来の熱回収システムにおける図5の上側の表に対応する表が図5の下側に示されている。両者を比較すれば、本発明に係るこの熱回収システムの方が、従来の熱回収システムに比べて、14時間後の蓄熱量が大きいことが理解できる。
貯湯タンク3の湯水の利用について、特に給水予熱方式のシステムの場合は給水と混合することで30℃程度まで湯温を下げて給湯器に供給しているため、貯湯タンク3内の湯水の温度が30℃程度以上あれば、補助熱源機での追い炊きガス量に変化はなく、蓄熱量が多くなる本発明に係る熱回収運転の方が明らかに有利である。なお、図4、図5の例では湯切れを発生させていないが、直接給湯方式のものであっても、湯切れした後には補助熱源機が動作するため、湯切れ後にまとめて補助熱源機が動作するか、湯切れより前から少しずつ補助熱源機が動作するかの違いであり、放熱器での放熱量を最小限に抑えられることの効果が大きい。また、図4、図5の例では、湯水流路L2や貯湯タンク3での自然放熱要素を考慮していないが、これらを考慮したうえで第1温度、第2温度、第3温度を設定してもよい。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る熱回収システムの第2の実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態では、第3熱回収運転モードの内容が第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態に係る熱回収システムについて、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態では、運転制御部9は、第3熱回収運転モードでの熱回収運転を行っているとき、目標温度を第3温度に固定するのでなく、目標温度を徐々に上げていって漸次的に第2熱回収運転モードに切り替えるようになっている。具体的には、第2熱媒の流量が少ないほど、熱回収用熱交換器2における熱交換により第2熱媒の温度を高めることができるところ、一般にポンプPの出力には限界があり、それ以下の流量ではポンプPの運転が行えなくなる下限流量が存在する。そのため、下限流量でポンプPを運転しているときが、熱回収運転により第2熱媒の温度を最も高められる状態となる。そこで、本実施形態では、運転制御部9は、ポンプPが最低出力で運転しているときの第2熱媒流量である下限流量において第2熱媒を熱回収用熱交換器2により昇温させたときの第2熱媒の温度である到達可能温度を求め、この到達可能温度が第3温度以上か否かを判定するように構成され、到達可能温度が第3温度以上と判定したとき、第3温度に代えて到達可能温度を第3熱回収運転モードにおける目標温度に設定するようになっている。これにより、第3熱回収運転モードでの熱回収運転において目標温度を徐々に上げていくことが可能になる。なお、到達可能温度を導出する手段としては、下限流量及び取出温度の組と到達可能温度とを対応付けたテーブルを作成しておき、ポンプPの最低出力や第2温度センサT2により検出される第2熱媒の取出温度に基づき到達可能温度を導出するなど、種々の手段を用いればよい。
また、運転制御部9は、到達可能温度が第3温度以上と判定したとき、さらに、到達可能温度が第2温度以上か否かを判定するように構成され、到達可能温度が第2温度以上と判定したとき、第2熱回収運転に切り替えるようになっており、漸次的に第2熱回収運転モードに切替可能になっている。
図6のフローチャートを用いて、本実施形態の処理の流れのうち、第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、ステップ#6における判定で、現在第2熱回収運転モードが選択されていないとき(#6でNo分岐)、第3熱回収運転モードで運転しているとした上で、ステップ#9における判定に先立ち、例えば第2熱媒の取出温度等に基づき到達可能温度を求めて、到達可能温度が第3温度以上か否かを判定する(#10)。そして、到達可能温度が第3温度未満のときには(#10でNo分岐)、ステップ#9に移行して第1の実施形態と同様の処理を行う。一方、到達可能温度が第3温度以上のときには(#10でYes分岐)、さらに、到達可能温度が第2温度以上か否かを判定する(#11)。
そして、到達可能温度が第2温度未満のときには(#11でNo分岐)、現時点での到達可能温度を目標温度に設定して第3熱回収運転モードでの熱回収運転を継続する(#12)。一方、到達可能温度が第2温度以上と判定したとき(#11でYes分岐)、ステップ#5に移行して第2熱回収運転モードに切り替える。このように、到達可能温度が第2温度未満のときには目標温度を現時点での到達可能温度に設定することで、目標温度を徐々に上げていくことができる。そして、到達可能温度が徐々に上昇して第2温度に到達したときには第2熱回収運転モードに切り替えられるので、第2熱回収運転モードへの漸次的な切替が可能になっている。
〔別実施形態〕
(1)上述した第1実施形態では、ポンプPと貯湯タンク3の下部との間の湯水流路L2に放熱用ファン5aを有する放熱器5が配置されている。しかしながら、本発明による熱回収システムでは、放熱器5による湯水の冷却の必要性は低いので、図7に示すように、放熱器5を省略してもよい。
(2)上述した実施形態では、熱源装置1は燃料電池であったが、熱回収用熱交換器2を通じて冷却を必要とするのであれば、適宜変更可能である。
(3)上述した実施形態では、熱利用装置4は給湯設備であったが、貯湯タンク3を利用する設備であれば、適宜変更可能である。
(4)上述した実施形態では、熱源装置1から生じた熱を有する第1熱媒は熱源装置としての燃料電池からの排ガスであったが、熱源装置1から生じた熱を有する第1熱媒であれば、例えば第1熱媒として熱源装置を冷却する冷却水を用い、熱源装置1から生じた熱を冷却水により回収するようにしてもよく、適宜変更可能である。そして、第1熱媒として熱源装置を冷却する冷却水を用いる場合、上記した上限湯水温度としては、冷却水により熱源装置1を必要な温度まで冷却できず、熱源装置1の運転が不可能になる温度に設定すればよい。
(5)上述した実施形態では、第2熱媒として湯水を用いた構成を例に説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されず、第2熱媒としては第1熱媒からの熱を回収可能な流体であれば種々のものを用いることができる。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 熱源装置
2 熱回収用熱交換器
3 貯湯タンク(蓄熱槽)
4 熱利用装置
5 放熱器
5a 放熱用ファン
9 運転制御部
L1 熱媒流路(第1熱媒流路)
L2 湯水流路(第2熱媒流路)
L3 排出路
L4 補給路
P ポンプ(流量調整機器)

Claims (5)

  1. 熱源装置から生じた熱を有する第1熱媒が流れる第1熱媒流路と、
    第2熱媒を貯える蓄熱槽と、
    流量調整機器の運転に伴い前記蓄熱槽の下部から取り出した第2熱媒を前記蓄熱槽の上部に戻すように流す第2熱媒流路と、
    前記第1熱媒流路及び前記第2熱媒流路の途中に設けられ、前記第1熱媒と前記蓄熱槽の下部から取り出した前記第2熱媒とを熱交換させる熱回収用熱交換器と、
    前記流量調整機器を制御して前記第2熱媒流路での単位時間当たりの前記第2熱媒の流量である第2熱媒流量を調節する熱回収運転を行う運転制御部と、を備え、
    前記運転制御部は、
    前記熱回収用熱交換器に流入する前記第2熱媒の温度が所定の上限温度以下であることを条件として前記熱源装置の運転を許可し、及び、前記熱源装置が運転しているとき、前記熱回収用熱交換器から流出する前記第2熱媒の温度が所定の目標温度になるように、前記熱回収運転を行うように構成され、
    前記蓄熱槽に蓄えられている熱量が所定量以下である熱切れ状態であるとき、第1温度を前記目標温度に設定した第1熱回収運転を行い、
    前記蓄熱槽の下部から前記第2熱媒流路に取り出される前記第2熱媒の温度である取出温度が、前記上限温度未満の所定の過渡温度以上であるとき、前記第1温度よりも高い第2温度を前記目標温度に設定した第2熱回収運転を行い、
    前記蓄熱槽は、前記蓄熱槽から前記第2熱媒を排出する排出路と、前記蓄熱槽の下部に接続されて、前記第2熱媒の供給源から新たに前記第2熱媒を前記蓄熱槽の下部に供給する補給路と、を備え、前記排出路から前記第2熱媒が排出されるのに対応して前記補給路から前記第2熱媒が前記蓄熱槽内に供給されるように構成されており、
    前記運転制御部は、前記第2熱回収運転を行っているときに、前記排出路から前記第2熱媒が排出されるのに対応して前記補給路から前記第2熱媒が前記蓄熱槽の下部に供給されて、前記取出温度が前記過渡温度未満になると、前記第1温度よりも高くかつ前記第2温度よりも低い第3温度を前記目標温度に設定した第3熱回収運転に切り替え、
    前記運転制御部は、
    前記第3熱回収運転を行っているとき、前記流量調整機器が最低出力で運転しているときの前記第2熱媒流量である下限流量において前記第2熱媒を前記熱回収用熱交換器により昇温させたときの前記第2熱媒の温度である到達可能温度が、前記第3温度以上か否かを判定するように構成され、
    前記到達可能温度が前記第3温度以上と判定したとき、前記第3温度に代えて前記到達可能温度を前記目標温度に設定する熱回収システム。
  2. 前記運転制御部は、前記到達可能温度が前記第3温度以上と判定したとき、さらに、前記到達可能温度が前記第2温度以上か否かを判定するように構成され、
    前記到達可能温度が前記第2温度以上と判定したとき、前記第2熱回収運転に切り替える請求項1に記載の熱回収システム。
  3. 前記運転制御部は、前記第1熱回収運転を行っているとき、前記熱切れ状態ではなく、かつ、前記取出温度が前記過渡温度未満であるときは、前記第1熱回収運転を継続して行う請求項1又は2に記載の熱回収システム。
  4. 前記第1温度は、前記熱回収用熱交換器から前記第1温度で流出した前記第2熱媒が、再度前記蓄熱槽の下部から前記熱回収用熱交換器に流入するときに、前記上限温度以下の温度となる温度に設定されている請求項1〜3の何れか一項に記載の熱回収システム。
  5. 前記蓄熱槽の下部と前記熱回収用熱交換器との間の前記第2熱媒流路に放熱器を備え、
    前記運転制御部は、第2熱媒の前記取出温度が前記上限温度より高いとき、前記熱回収用熱交換器に流入する第2熱媒の温度が前記上限温度以下になるように前記放熱器を動作させる請求項1〜4の何れか一項に記載の熱回収システム。
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