JP6817396B2 - 引き出し及びその家具フィッティング - Google Patents

Description

本発明は、引き出し及びその家具フィッティング（furniture fittings）に関する。より具体的には、本発明は、引き出しの壁と引き出しの取り付け装置とを工具を用いることなく接続できる技術に関する。

特許文献１には、前面パネルが同じタイプの複数の引き出しを含む家具が開示されている。各引き出しの前面パネルは、前面パネルの継手を通して引き出しの側壁に接続されている。より具体的には、各前面パネルは、フィッティングに加えて複数のネジを備えており、フィッティングは、ネジを締めるためのドライバーを使用しなければ前面パネルに固定することができない。

米国特許出願公開第２０１４／０２２５４９３号明細書 米国特許第８８０１１２３号明細書 米国特許第８７２７４６１号明細書 米国特許第５８９５１０３号明細書

特許文献１に開示された家具は、前面パネルに対応するフィッティングを固定するために前面パネルに固定ネジを必要とする取り付け手段を使用している。しかしながら、組立工程の間、工具の操作は組立作業者を不便にさせる傾向がある。

本発明は、引き出し及びその家具フィッティングに関する。引き出しは工具なしで互いに接続される壁及び取り付け装置を含む。

本発明の一態様によれば、一式の家具フィッティング（a set of furniture fittings）は第１の壁と、第２の壁と、取り付け装置とを含む。第２の壁は第１の構造を備え、取り付け装置は第２の構造を備える。第１の構造と第２の構造とは、工具なしで互いに着脱可能に係合する。第２の壁は、取り付け装置を介して第１の壁に取り付けられる。

一式の家具フィッティングは第１の壁に配置される接続装置をさらに含むことが好ましい。接続装置は、取り付け装置に接続されるように構成されている。

取り付け装置はピンを含み、接続装置は、ピンに固定されるように構成された固定部材を含むことが好ましい。

第１の壁は引き出しの側壁であり、第２の壁は引き出しの前面パネルであることが好ましい。

第２の壁は第１の部分と、第２の部分と、該第１の部分及び該第２の部分の間に接続される中間部分とを含み、該第１の部分及び該第２の部分のうちの一方に第１の構造が設けられることが好ましい。

第１の構造及び第２の構造のうちの一方は少なくとも１つの突起を含み、第１の構造及び第２の構造のうちの他方は少なくとも１つの突起と協働するように構成された少なくとも１つの孔を含むことが好ましい。

少なくとも１つの突起は第１の区画と、該第１の区画に対して屈曲された第２の区画とを有し、該第１の区画及び該第２の区画は少なくとも１つの孔に挿入されて少なくとも１つの孔の孔壁と係合するように構成されていることが好ましい。

第２の壁及び取り付け装置のうちの一方は第２の突起を含み、該第２の突起は弾性区画と、該弾性区画に接続される支持区画とを含み、該支持区画は、前記第２の壁及び前記取り付け装置のうちの他方を支持するように構成されていることが好ましい。

第１の部分及び／又は第２の部分は中間部分にネジにより接続されることが好ましい。

第１の部分及び／又は第２の部分はプレート体及び接続区画を含み、接続区画はプレート体に実質的に垂直に接続され、ネジを介して中間部分の側面に接続されることが好ましい。

本発明の別の態様によれば、引き出しは底部パネルと、一対の第１の壁と、後壁と、第２の壁と、少なくとも１つの取り付け装置とを含む。一対の第１の壁は底部パネルの２つの側面にそれぞれ隣接して配置される。後壁は底部パネルの後ろ側に隣接して配置される。第２の壁は底部パネルの前側に隣接して配置されるとともに、少なくとも１つの第１の構造を備える。少なくとも１つの取り付け装置は第２の構造を備える。少なくとも１つの取り付け装置の少なくとも１つの第２の構造は、工具なしで第２の壁の少なくとも１つの第１の構造と係合する。第２の壁は、少なくとも１つの取り付け装置を介して一対の第１の壁のうちの少なくとも１つに取り付けられる。

図１は本発明の一実施形態に係る引き出しの斜視図である。 図２は本発明の一実施形態に係る引き出しの分解斜視図であり、引き出しの本体から取り外された第２の壁を示す。 図３は本発明の一実施形態に係る、引き出しの第２の壁の一部及び引き出しの取り付け装置の分解斜視図である。 図４は本発明の一実施形態に係る、第２の壁の一部及び取り付け装置の組み立て斜視図である。 図５は本発明の一実施形態に係る第２の壁の一部及び取り付け装置の分解概略図である。 図６は本発明の一実施形態に係る、第２の壁の一部に取り付け装置をどのように取り付けるかを示す概略図である。 図７は本発明の一実施形態に係る、第２の壁の一部に取り付け装置が取り付けられた概略図である。 図８は本発明の一実施形態に係る、第２の壁の一部から取り付け装置をどのように取り外すかを示す概略図である。 図９は本発明の一実施形態に係る、第２の壁の一部から取り付け装置が取り外された概略図である。 図１０は、本発明の一実施形態に係る、引き出しの第２の壁が第１の引き出し幅と一致することを示す概略図である。 図１１は、本発明の別の実施形態に係る、引き出しの第２の壁が第２の引き出し幅と一致することを示す概略図である。

図１及び図２を参照して、本発明の一実施形態に係る引き出し２０は、底部パネル２２と、一対の第１の壁２４と、後壁２６と、第２の壁２８とを含む。前述の構成要素は、それらが引き出し２０を形成するために一体化される前は、家具フィッティングとして見ることができる。

一対の第１の壁２４は、底部パネル２２の２つの側面（例えば、左側及び右側）にそれぞれ隣接して配置される。後壁２６は、底部パネル２２の後ろ側に隣接して配置され、第２の壁２８は、底部パネル２２の前側に隣接して配置される。第２の壁２８は、取り付け装置３０を介して第１の壁２４のうちの一方にある接続装置３２に着脱可能に取り付けられる。第２の壁２８には一対の取り付け装置３０が設けられ、第１の壁２４の各々には接続装置３２が設けられていることが好ましい。各取り付け装置３０は、対応する接続装置３２に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。即ち、各接続装置３２は、対応する取り付け装置３０に接続されるように構成されている。各取り付け装置３０はピン３０ａを含み、各接続装置３２は固定部３２ｂを有する固定部材３２ａを含むことが好ましい。各固定部材３２ａの固定部３２ｂは、対応するピン３０ａにしっかり固定されるように構成されている。

より具体的には、一対の第１の壁２４は、引き出し２０の側壁であり、第２の壁２８は、引き出し２０の前面パネルである。第２の壁２８は、第１の部分２８ａと、第２の部分２８ｂと、中間部２８ｃとを含む。中間部２８ｃは、第１の部分２８ａと第２の部分２８ｂとの間に接続されている。第１の部分２８ａ及び第２の部分２８ｂは、中間部２８ｃの２つの側面（例えば、左側及び右側）にネジにより接続されることが好ましい。第１の部分２８ａ及び第２の部分２８ｂは、実質的に同一の構造的構成を有する。例えば、第１の部分２８ａ及び第２の部分２８ｂの双方は、プレート体３４及び接続区画３６を含み、接続区画３６は、プレート体３４に実質的に垂直に接続されるとともに、ネジ３８を通じて中間部２８ｃの側面に接続されている。

図３及び図４を参照して、第２の壁２８の第２の部分２８ｂのプレート体３４には第１の構造４０が設けられ、対応する取り付け装置３０には第２の構造４２が設けられている。第２の構造４２は、第２の壁２８の第１の構造４０と係合するように構成されている。

第１の構造４０及び第２の構造４２のうちの一方は、少なくとも１つの第１の突起４０ａを含み、第１の構造４０及び第２の構造４２のうちの他方は、少なくとも１つの第１の突起４０ａと協働するように構成された少なくとも１つの孔４２ａを含む。図３及び図４は、２つの第１の突起４０ａ及び２つの孔４２ａを示すが、以下の説明では簡潔性のために第１の突起４０ａ及び対応する孔４２ａのうちの１つのみを対象としており、本発明では少なくとも１つの第１の突起４０ａ又は少なくとも１つの孔４２ａの数は限定されない。本実施形態における第１の突起４０ａは、第１の区画Ｓ１と、第１の区画Ｓ１に対して屈曲された第２の区画Ｓ２とを有する。第２の区画Ｓ２は、第１の区画Ｓ１に対して実質的に垂直であるように屈曲されていることが好ましい。第２の壁２８及び取り付け装置３０のうちの一方（例えば、第２の壁２８）は第２の突起４０ｂを含み、第２の突起４０ｂは弾性区画Ｙ１と、弾性区画Ｙ１に接続される支持区画Ｙ２とを含むことが好ましい。ここでは、一例として、弾性区画Ｙ１は、第２の壁２８のプレート体３４が横たわる平面に対して所定の角度で持ち上げられている。第２の壁２８のプレート体３４は、第２の突起４０ｂに対応する位置に開口４１を有することが好ましい。

図５、図６及び図７を参照して、第２の壁２８及び取り付け装置３０は、着脱可能に互いに取り付けることができる。図５〜図７は、（第２の壁２８を取り付け装置３０にではなく）取り付け装置３０を第２の壁２８に取り付けるプロセスを、説明を目的として概略的に示す。

まず、取り付け装置３０の孔４２ａが第２の壁２８の第１の突起４０ａと揃った状態で取り付け装置３０は、第２の壁２８に向かって第１の方向Ｄ１に動かされる（図５及び図６参照）。

第２の壁２８の第１の突起４０ａの第１の区画Ｓ１が取り付け装置３０の孔４２ａに受容されると、第２の壁２８の第２の突起４０ｂの弾性区画Ｙ１は、取り付け装置３０によって弾性区画Ｙ１に加えられる圧力により弾性力を生成する。その後に、取り付け装置３０が第２の壁２８に対して第２の方向Ｄ２に動かされると（図７参照）、第２の壁２８の第２の突起４０ｂの弾性区画Ｙ１は弾性力を放ち、それにより第２の壁２８の第２の突起４０ｂの支持区画Ｙ２を、取り付け装置３０が第２の壁２８にしっかり取り付けられるのを確かなものにするために支持区画Ｙ２が取り付け装置３０を支える位置に導く。第２の方向Ｄ２は、第１の方向Ｄ１に対して実質的に垂直である。

具体的には、取り付け装置３０が第２の壁２８に取り付けられている場合、取り付け装置３０が第２の壁２８に対して第２の方向Ｄ２にずれるのを防止するために、第２の壁２８の第１の突起４０ａの第１の区画Ｓ１及び第２の部分Ｓ２は取り付け装置３０の孔４２ａの孔壁４４と係合する（図７参照）。その間、第２の突起４０ｂの支持区画Ｙ２は、第２の壁２８及び取り付け装置３０のうちの他方を支持し、例えば取り付け装置３０の部分４６（図７参照）を支持して、取り付け装置３０が第２の壁２８に対して第２の方向Ｄ２と反対の方向（以下第３の方向Ｄ３という）にずれないように維持する。

従って、第１の構造４０と第２の構造４２との間の係合により、取り付け装置３０を第２の壁２８にしっかり接続することができる。さらに、第１の構造４０と第２の構造４２とが協働することにより、ユーザーは工具を用いることなく取り付け装置３０を第２の壁２８にしっかり取り付けることができるため、第２の壁２８は、取り付け装置３０を介して、対応する第１の壁２４の接続装置３２にしっかり取り付けることができる。

図７、図８及び図９を参照して、取り付け装置３０を第２の壁２８から取り外すことを望む場合、ユーザーは、第２の壁２８のプレート体３４が横たわる平面に対して所定の角度弾性区画Ｙ１を傾けるために第２の突起４０ｂの弾性区画Ｙ１（図７参照）に力Ｆを加えることができ、弾性区画Ｙ１がそのように傾けられた場合に、支持区画Ｙ２は取り付け装置３０の部分４６を止める（図８参照）。この状態にある取り付け装置３０は、第２の壁２８に対して第３の方向Ｄ３（即ち、第２の方向Ｄ２と反対の方向）に変位させることができ（図８参照）、それにより、取り付け装置３０の孔４２ａの孔壁４４が第２の壁２８の第１の区画Ｓ１及び第２の区画Ｓ２から外れるため（図９参照）、取り付け装置３０を第２の壁２８から取り外すことができる。

図１０を参照して、引き出し２０の底部パネル２２、一対の第１の壁２４、後壁２６及び第２の壁２８は共同で空間を定義する。第２の壁２８の第１の部分２８ａ及び第２の部分２８ｂは中間部２８ｃの２つの側部にネジで接続されている（図２参照）。この実施形態における中間部２８ｃは標準幅Ｗを有し、ユーザーは第１の所定の幅Ｗ１の第１の部分２８ａ及び第２の部分２８ｂを選択し、第２の壁２８の全幅（数学的にＷ＋２Ｗ１として表される）が一対の第１の壁２４により定義される第１の幅Ｘ１に合致するようにし得る。

図１１に示す別の実施形態では、引き出し２００の底部パネル２０２、一対の第１の壁２０４、後壁２０６及び第２の壁２０８は共同で空間を定義する。第２の壁２０８の第１の部分２１０及び第２の部分２１２はネジにより中間部２１４の２つの側部に接続されている。本実施形態の中間部２１４も標準幅Ｗを有し、ユーザーは第２の所定の幅Ｗ２の第１の部分２１０及び第２の部分２１２を選択して、第２の壁２０８の全幅（数学的にＷ＋２Ｗ２として表される）を一対の第１の壁２０４により定義される第２の幅Ｘ２に合致するようにし得る。

上記から、本発明の前述の実施形態は下記の特徴を有することが分かる。

１）ユーザーは、工具を用いることなく取り付け装置３０を第２の壁２８に取り付けることができる。この工具不要の取り付け設計は、コストの削減を手助けするか又は家具フィッティングを容易に組み立て及び分解できるようにする。

２）取り付け装置３０を通じて、第２の壁２８を対応する第１の壁２４の接続装置３２に取り外し可能に取り付けることができる。

３）第２の壁２８／２０８の第１の部分２８ａ／２１０及び第２の部分２８ｂ／２１２は、中間部２８ｃ／２１４の２つの側部にそれぞれねじ接続されるため、ユーザーは所定の幅Ｗ１／Ｗ２の第１の部分２８ａ／２１０及び第２の部分２８ｂ／２１２を選択し中間部２８ｃ／２１４の２つの側部にそれぞれ接続して、得られた第２の壁２８／２０８が引き出し２０／２００の一対の第１の壁２４／２０４により定義される幅に合致するようにできる。

本発明は、上述の好ましい実施形態を通じて開示されているが、これらの実施形態は、本発明の範囲を制限するものではない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

２０ 引き出し
２２ 底部パネル
２４ 第１の壁
２６ 後壁
２８ 第２の壁
３０ 取り付け装置
３２ 接続装置
３４ プレート体
３６ 接続区画
３８ ネジ
４０ 第１の構造
４２ 第２の構造
４４ 孔壁
４６ 部分

Claims (10)

1. 第１の壁と、
   第１の構造を備える第２の壁と、
   第２の構造を備える取り付け装置と、
   を含む一式の家具フィッティングであって、
   前記第１の構造と前記第２の構造とは、工具なしで互いに着脱可能に係合し、
   前記第２の壁は、前記取り付け装置を介して前記第１の壁に取り付けられる、一式の家具フィッティング。
2. 前記第１の壁に配置される接続装置をさらに含み、
   前記接続装置は、前記取り付け装置に接続されるように構成されている、請求項１に記載の一式の家具フィッティング。
3. 前記取り付け装置はピンを含み、前記接続装置は、前記ピンに固定されるように構成された締結部材を含む、請求項２に記載の一式の家具フィッティング。
4. 前記第１の壁は引き出しの側壁であり、前記第２の壁は、該引き出しの前面パネルである、請求項１に記載の一式の家具フィッティング。
5. 前記第２の壁は第１の部分と、第２の部分と、該第１の部分及び該第２の部分の間に接続される中間部分とを含み、該第１の部分及び該第２の部分のうちの一方に前記第１の構造が設けられる、請求項４に記載の一式の家具フィッティング。
6. 前記第１の構造及び前記第２の構造のうちの一方は第１の突起を含み、前記第１の構造及び前記第２の構造のうちの他方は該第１の突起と協働するように構成された孔を含む、請求項５に記載の一式の家具フィッティング。
7. 前記第１の突起は第１の区画と、該第１の区画に対して屈曲された第２の区画とを有し、該第１の区画及び該第２の区画は前記孔に挿入されて前記孔の孔壁と係合するように構成されている、請求項６に記載の一式の家具フィッティング。
8. 前記第２の壁及び前記取り付け装置のうちの一方は第２の突起を含み、該第２の突起は弾性区画と、該弾性区画に接続される支持区画とを含み、該支持区画は、前記第２の壁及び前記取り付け装置のうちの他方を支持するように構成されている、請求項６に記載の一式の家具フィッティング。
9. 前記第１の部分及び前記第２の部分のうちの少なくとも一方は、前記中間部分にネジにより接続され、前記第１の部分及び前記第２の部分のうちの少なくとも一方はプレート体と、該プレート体に実質的に垂直に接続される接続区画とを含み、該接続区画は、ネジを介して前記中間部分の側面に接続される、請求項５に記載の一式の家具フィッティング。
10. 底部パネルと、
    前記底部パネルの２つの側面にそれぞれ隣接して配置される一対の第１の壁と、
    前記底部パネルの後ろ側に隣接して配置される後壁と、
    前記底部パネルの前側に隣接して配置されるとともに、少なくとも１つの第１の構造を備える第２の壁と、
    第２の構造を備える少なくとも１つの取り付け装置と、
    を含む引き出であって、
    前記少なくとも１つの取り付け装置の少なくとも１つの第２の構造は、工具なしで前記第２の壁の少なくとも１つの第１の構造と係合し、前記第２の壁は、前記少なくとも１つの取り付け装置を介して前記一対の第１の壁のうちの少なくとも１つに取り付けられる、引き出し。

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