JP6815704B2 - 難燃性熱硬化性ポリウレタンフォーム - Google Patents

難燃性熱硬化性ポリウレタンフォーム Download PDF

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Description

本発明は、サレン型銅錯体を含む難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは主にポリイソシアネートとポリオールとの反応により製造され、車両・家具のクッション材や建築、貯蔵タンク、船舶等における断熱材や構造材等の幅広い用途に使用されている。近年、特に建材用途向けのポリウレタンフォームは、建築基準法に関連する難燃性の向上が求められている。従来、ポリウレタンフォームを難燃化するためには、ポリウレタン自体の難燃性能を高めるとともに、難燃剤が添加使用されてきた。該難燃剤としては、リン酸エステルモノマーに代表される常温で液状の難燃剤が主に使用されてきた。
しかしながら、一般に常温で液状のリン酸エステルモノマーをポリウレタンフォームの難燃剤として使用した場合、可塑化作用があるため、難燃剤の使用量の増大に伴い、ポリウレタンフォームの強度低下や収縮という機械物性の低下を引き起こしやすいという問題があった。このため、リン酸エステル系難燃剤の使用量低減や、物性に悪影響を及ぼさない他の難燃剤への代替が求められていた。
一方、フォームの難燃性能を評価するための燃焼試験の一つである、ISO5660に準拠したコーンカロリーメーター試験を用いた発熱性評価試験において、難燃剤に低分子量リン酸エステルのみを使用した場合、輻射加熱によって、サンプル表面に亀裂が生じたり、フォーム厚みが減少(肉やせ)したりする現象が見られることがある。亀裂はサンプル内部への延焼を、肉やせはサンプル裏面への延焼をそれぞれ惹起するため、燃焼の拡大に繋がる原因になる。その結果として発熱量が増加し、難燃性低下の要因となる。このため、難燃性の確保には、燃焼表面での平滑な炭化層を形成する形状保持性に優れた難燃性ポリウレタンフォームが望まれている。そこで、具体的な要求特性指標として、難燃性能の評価項目の一つである発熱速度の更なる低減や、10分間以上の長時間での形状保持性などの向上が求められている。
形状保持性に優れるポリウレタンフォームとして、例えば特許文献1では、特定のフェノール樹脂系ポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームの難燃化について開示されており、コーンカロリーメーター試験を用いた発熱性評価試験における残炭率や難燃性について言及されている。しかし、5分間という短時間での発熱性しか評価していない。
また、サレン型銅錯体の添加が熱可塑性ウレタン樹脂の難燃化に有効という報告がある(非特許文献1参照)が、熱硬化性ウレタン樹脂に関しての記載はない。サレン型銅錯体を含む熱硬化性ポリウレタンフォームは知られていない。
特許第5412018号公報
Gaelle Fontaine; Thomas Turf;Serge Bourbigot; ACS Symposium Series,2009年刊行,第1013巻,329−340ページ
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼表面に平滑な炭化層を形成し、試験後の形状保持性に優れる難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、サレン型銅錯体を難燃性熱硬化性ポリウレタンフォーム中に含有させることで、ポリウレタンフォームを燃焼させた場合に、燃焼表面に平滑な炭化層を形成し、形状保持性に優れることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、
(I)一般式(1)
(式中、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R、R、R及びRは、水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選ばれる基である。)
で表されるサレン型銅錯体を含んでなる難燃性熱硬化性ポリウレタンフォーム;
(II)ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、上記一般式(1)で表されるサレン型銅錯体及びポリイソシアネートを撹拌混合して発泡成形することを特徴とする上記項目(I)に記載の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームの製造方法;
(III)ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤及び上記一般式(1)で表されるサレン型銅錯体に、ポリイソシアネートを加え撹拌混合して発泡成形することを特徴とする上記項目(I)又は(II)に記載の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームの製造方法;
に関する。
本発明によれば、熱硬化性ポリウレタンフォームにサレン型銅錯体を含有させることにより、ポリウレタンフォームを燃焼させた際に、燃焼表面に均一な炭化層を形成し、試験後の形状保持に優れる難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームを得ることができる。
実施例3の試験後の表面の拡大画像である。 実施例3の試験後の断面の拡大画像である。 比較例1の試験後の表面の拡大画像である。 比較例1の試験後の断面の拡大画像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに含まれるサレン型銅錯体(1)中のR、R、R、R、R及びRについて説明する。
及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、1−メチル−1−プロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基等を例示できる。
本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに含まれるサレン型銅錯体(1)においては、難燃性試験において良好な形状保持結果を与えるという点で、R及びRは水素原子であることが好ましい。
、R、R及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、1−メチル−1−プロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基等を例示できる。
、R、R及びRで表される炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、1−メチル−1−エチルオキシ基、1,1−ジメチルエチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を例示できる。
、R、R及びRは、難燃性試験において良好な結果を与えるという点で、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1又は2のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、t−ブチル基、メトキシ基、もしくはエトキシ基がより好ましい。
本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに含まれるサレン型銅錯体(1)の好ましい例としては、R、R、R、R、R及びRがすべて水素原子である無置換サレン型銅錯体(サレン銅錯体)、R、R、R、R及びRが水素原子でありRが水酸基である3,3’−ジヒドロキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメトキシ基である3,3’−ジメトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエトキシ基である3,3’−ジエトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメチル基である3,3’−ジメチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエチル基である3,3’−ジエチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがt−ブチル基である3,3’−ジ−t−ブチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRが水酸基である4,4’−ジヒドロキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメトキシ基である4,4’−ジメトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエトキシ基である4,4’−ジエトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメチル基である4,4’−ジメチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエチル基である4,4’−ジエチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがt−ブチル基である4,4’−ジ−t−ブチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRが水酸基である5,5’−ジヒドロキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメトキシ基である5,5’−ジメトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエトキシ基である5,5’−ジエトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがメチル基である5,5’−ジメチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがエチル基である5,5’−ジエチルサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRがt−ブチル基である5,5’−ジ−t−ブチルサレン銅錯体等が挙げられる。
本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに含まれるサレン型銅錯体(1)においては、難燃性試験において良好な形状保持結果を与えるという点で、R、R、R、R、R及びRがすべて水素原子であるサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でありRが水酸基である4,4’−ジヒドロキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でRがメトキシ基である4,4’−ジメトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でRがエトキシ基である4,4’−ジエトキシサレン銅錯体、R、R、R、R及びRが水素原子でRが水酸基である5,5’−ジヒドロキシサレン銅錯体などが好ましく、難燃性試験及びコストの点で、RからRがすべて水素原子である無置換サレン銅錯体がより好ましい。
本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに含まれるサレン型銅錯体(1)は、例えば、非特許文献1に記載されている合成方法(Skatteboel et al.,Tetrahedron Letters,2005年,46巻,3829頁)を準用して、サリチルアルデヒドもしくはその置換体と、エチレンジアミンもしくはその置換体とからサレン型配位子を製造し(式1)、次いで、銅塩との反応(式2)によって、容易に製造することができる。
(式中、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)。
次に、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームの製造方法(以下、本発明の製造法と称する)について説明する。本発明の難燃性熱硬化型ポリウレタンフォームは、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、サレン型銅錯体(1)及びポリイソシアネートを撹拌混合して発泡成形することによって得られる。さらに、本発明の難燃性熱硬化型ポリウレタンフォームは、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤及びサレン型銅錯体(1)を混合し、ポリオール組成物を調製する工程1と、工程1で調製したポリオール組成物にポリイソシアネートを加え撹拌混合して発泡成形する工程2から成る製造方法によって製造することができる。以下、各工程を詳細に説明する。
本発明の製造法における工程1で用いるサレン型銅錯体(1)は、置換基の異なるサレン型銅錯体(1)を一種又は二種以上混合して使用してもよい。
工程1で用いるサレン型銅錯体(1)の添加量は特に限定されないが、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占めるサレン型銅錯体(1)の割合が1〜20重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは2〜15重量%の範囲であり、より好ましくは3〜10重量%の範囲である。本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占めるサレン型銅錯体(1)が1重量%未満の場合は、得られる熱硬化性ポリウレタンフォームの難燃性が不十分となる場合がある。一方、20重量%を超えると、サレン型銅錯体(1)固形分の増加に伴う流動性の低下により、これら組成物の均一混合や発泡処理における取り扱いが困難となる場合がある。
本発明の製造法における工程1に用いるポリオールとしては、特に限定されないが、ポリウレタンの製造に用いられる市販のポリオール等が挙げられ、例えば、アルキレンオキシドの開環重合等により得られるポリエーテルポリオール類、ポリエーテルポリオール中でビニルモノマーをラジカル重合して得られるポリマーポリオール類、多価アルコールと多価カルボン酸類との重縮合により得られるポリエステルポリオール類、多価アルコール類と多価カルボン酸類とアミノアルコール類との重縮合により得られるポリエステルアミドポリオール類、ラクトン類の開環重合により得られるポリラクトンポリオール類、多価アルコール類とカーボネート類との重縮合により得られるポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール及びその水素添加物類、ポリイソプレンポリオール及びその水素添加物類、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、大豆油やひまし油等の天然油系ポリオール類、ハロゲン及び/又はリン系ポリオール、フェノール系ポリオール等が挙げられる。なかでも、難燃性に優れるため、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ハロゲン及び/又はリン系ポリオール、フェノール系ポリオールがより好ましい。これらポリオールは、一種又は二種以上混合して使用してもよい。
該ポリエステルポリオール類の具体例としては、多価アルコールと2価カルボン酸類(二塩基酸)との重縮合により得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。該ポリエステルポリオール類は、特に限定されないが、アジピン酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リノシール酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導されるポリエステルポリオール等が例示され、またポリエチレンテレフタレート系廃棄物、ジメチルテレフタレート系プロセス廃棄物、ナイロン系廃棄物、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールの廃棄物、フタル酸系ポリエステルの廃棄物より製造されたポリエステルポリオールも含まれる。また、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール等も挙げられる。
中でも、芳香族ポリエステルポリオールが難燃性が高い点で好ましい。工程1に用いるポリオールに占めるポリエステルポリオールの割合としては、ポリオール組成物中に占める割合が、100重量%以下であることが好ましく、中でも50〜100重量%の範囲がさらに好ましい。
該ポリエーテルポリオール類の具体例としては、例えば、エチレンジアミン、トリレンジアミン、スクロース、アミノアルコール、ジエチレングリコール等の開始剤に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。工程1に用いるポリオール中の該ポリエーテルポリオール類の割合は、多すぎると難燃性が低下する場合があるため、工程1に用いるポリオールに占める割合は70重量%以下が好ましい。
該ハロゲン及び/又はリン系ポリオールの具体例としては、例えば、エピクロロヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られる含ハロゲンポリオール、ブロモ化ペンタエリスリトール/スクロース系ポリオール、テトラブロモフタル酸ポリエステル等のハロゲン系ポリオール、リン酸化合物にアルキレンオキシドを付加して得られるリン系ポリオール等が挙げられる。また、工程1に用いるポリオールに占める該ハロゲン及び/又はリン系ポリオールの割合は、多すぎると発泡反応性が低下する場合があるため、ポリオール組成物中に占める割合が70重量%以下の範囲が好ましい。
該フェノール系ポリオールの具体例としては、例えば、無置換フェノール又はノニルフェノール等のフェノール誘導体を、ホルムアルデヒド及び、ジエタノールアミン等の第1級又は第2級アミンを用いてマンニッヒ変性し、更にこれにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるマンニッヒ系ポリオール等が挙げられる。工程1に用いるポリオールに占める該フェノール系ポリオールの割合は、多すぎると発泡反応性が低下する場合があるため、ポリオール組成物中に占める割合が、70重量%以下の範囲が好ましい。
工程1に用いるポリオールは、水酸基価1〜2000(mgKOH/g)が好ましく、さらに好ましくは10〜800(mgKOH/g)の範囲にあることが、難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームを成形した際に良好な成形性や強度等の物性が発現しやすいため、好ましい。なお、水酸基価はJIS K1557の方法などに従って算出できる。
本発明の製造法における工程1に用いる触媒としては、ポリウレタンの製造に用いられる市販の触媒等が挙げられる。特に限定されないが、例えば、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、炭素数2〜12のカルボン酸のアルカリ金属塩、金属触媒等が挙げられる。
該第3級アミン類の具体例としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”’,N”’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン等のアミン化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール等のアルカノールアミン類等が挙げられる。
該第4級アンモニウム塩類の具体例としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム有機酸塩類、ヒドロキシアルキル系第4級アンモニウム有機酸塩類が挙げられ、具体的には、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。
該炭素数2〜12のカルボン酸のアルカリ金属塩の具体例としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸ナトリウム等が挙げられる。
該金属触媒の具体例としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズアセテート等のスズ触媒、オクチル酸鉛等の鉛触媒、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の亜鉛触媒、オクタン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等のビスマス触媒等が挙げられる。
工程1に用いる触媒の添加量は、難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占める割合が、第3級アミン類では0.01〜10重量%、第4級アンモニウム塩類及び炭素数2〜12のカルボン酸のアルカリ金属塩では0.05〜10重量%、金属触媒では0.05〜5重量%の範囲が好ましい。
本発明の製造法における工程1に用いる発泡剤としては、特に限定されないが、市販の物理的発泡剤及び/又は化学的発泡剤等を使用できる。例えば、物理的発泡剤としては、クロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロオレフィン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロオレフィン類、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、ジクロロメタン等の低沸点のハロゲン系炭化水素類、ペンタン、シクロペンタン等のアルカン類、空気、窒素、二酸化炭素等の気体、又は低温液体等が挙げられる。化学発泡剤としては、水、有機酸、硼酸等の無機酸類、アルカリ炭酸塩類、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネートが挙げられ、また、ポリウレタン原料と反応又は熱等により分解してガスを発生させるもの等が挙げられる。なかでも、オゾン破壊係数(ODP)が小さく、温暖化係数(GWP)が小さいことから、HCFO−1233zd、そのトランス異性体、HCFO−1233xf、ジクロローフッ化プロペン等のハイドロクロロフルオロオレフィン類、HCFC−141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類等、ODPがゼロで、GWPが小さいことから、HFO−1234zf、E−HFO−1234ze、Z−HFO−1234ze、HFO−1234yf、E−HFO−1255ye、Z−HFO−125ye、E−HFO−1336mzz、Z−HFO−1336mzz、HFO−1438mzz等のハイドロフルオロオレフィン類、HFC−134a,HFC−245、HFC−236、HFC−356、HFC−365mfc、HFC−227ea等のハイドロフルオロカーボン類、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン等のアルカン類、又は水が好ましい。
該発泡剤の添加量は、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロオレフィン類又はハイドロフルオロカーボン類の場合、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占める割合が20重量%以下、アルカン類の場合10重量%以下、水の場合0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
本発明の製造法における工程1に用いる整泡剤としては、ポリウレタンフォームの製造に用いられる市販の整泡剤等が挙げられる。整泡剤としては特に限定されないが、界面活性剤として、有機シロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤である有機シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。具体的には、モメンティブ社製L5420、L5340、L6188、L6877、L6889、L6900、エボニック社製B8040、B8155、B8239、B8244、B8330、B8443、B8450、B8460、B8462、B8465、B8466、B8467、B8481、B8484、B8485、B8486、B8496、B8870、B8871、東レ・ダウコーニング社製SZ−1328、SZ−1642、SZ−1677、SH−193、エアープロダクツ社製DC−193、DC5598等の市販品が挙げられる。
該整泡剤の添加量は、難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占める割合が、0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
本発明の製造法における工程1に用いる難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル類、ハロゲン含有有機化合物、無機化合物類等の一般的に使用される難燃剤を使用できる。該難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート、含ハロゲン系ホスフェートホスホネートオリゴマーエステル(大八化学工業社製CR−530、CR−570、CR−509等)、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリ2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジエチルフェニルホスフォネート、ジメチルフェニルホスフォネート、レゾルシノールジフェニルホスフェート、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル、芳香族系リン酸オリゴマーエステル(レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェート、大八化学工業社製CR−735等)等のハロゲン系リン酸エステル、又は非ハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマー、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン含有有機化合物、炭酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸塩、ホウ酸塩、水酸化カルシウム、膨張黒鉛、メラミン樹脂、クレー、三酸化アンチモン、亜鉛華、炭酸カルシウム等の無機化合物等が挙げられる。なかでも、難燃性の高さから、ハロゲン系リン酸エステル又は非ハロゲン系リン酸エステル及びそれらのオリゴマー、赤燐、膨張黒鉛、ポリリン酸アンモニウムが好ましい。さらに好ましくは、混合の容易性から、GPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以下のハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマー、又はGPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以下の非ハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマーである。これら難燃剤は一種又は二種以上混合して使用してもよい。
該難燃剤の添加量としては、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占める割合が、1〜20重量%の範囲であり、好ましくは2〜20重量%の範囲であり、より好ましくは5〜15重量%の範囲である。
次に、工程1で調製したポリオール組成物にポリイソシアネートを加え撹拌混合して発泡成形する工程2について説明する。
本発明の製造法における工程2に用いるポリイソシアネートは、少なくとも2個のイソシアネート基を有していれば特に限定されないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができ、これらを混合して用いてもよい。また、該ポリイソシアネートとポリオールとの反応によるイソシアネート含有プレポリマー等を用いることもできる。さらに、上記のポリイソシアネートの変性体(ウレタン変性、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、イソシアヌレート変性、アミド変性、イミド変性、ウレトンイミン変性、ウレトジオン変性又はオキサゾリドン変性体)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体を用いることもできる。
該ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、ジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(MDI系縮合体)の混合物である、ポリメリックMDIを用いることもできる。
該ポリイソシアネートの添加量は、本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームに占める割合が、20〜80重量%の範囲にあることが好ましく、40〜75重量%の範囲がさらに好ましく、ことさら好ましくは、50〜65重量%の範囲である。
本発明の製造法における工程2において、工程1で調製したポリオール組成物に、ポリイソシアネートを撹拌混合して発泡成形する際の発泡成形の方法の具体例としては、スラブ発泡、注入モールド発泡、スプレー発泡、連続生産パネル発泡等の公知の製造方法が挙げられる。工程2で調製した本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームのコア密度としては、10〜100kg/mの範囲であることが好ましい。
本発明の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームや半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォームが一般に用いられる種々の用途に使用できる。特に限定されないが、例えば、建築、土木関係の断熱材や構造材、電気機器関係では、冷凍庫、冷蔵庫、冷凍ショーケース等の断熱材、プラントや船舶関係では、LPG、LNGタンカーやパイプラインの断熱材、車両関係では、保冷庫や保冷車の断熱材等の用途が挙げられる。また、寝具や自動車等のシート、クッション材、吸音材、制振材、工事用床材等の用途にも使用できる。なかでも、建築、土木関係の断熱材や構造材用途が好ましい。
実施例及び比較例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
<サレン型銅錯体の調製>
サレン型配位子及びサレン型銅錯体は、文献記載の合成方法に準拠して、次のように調製した。
参考例1
1当量のエチレンジアミンを2.1当量の2−ヒドロキシベンズアルデヒドの2mol/Lエタノール溶液と混合し、1時間加熱還流した。これを放冷して析出した結晶をろ取し、無置換サレンを黄色結晶として収率81%で得た。この無置換サレンの0.2mol/Lエタノール溶液と、酢酸銅一水和物0.4mol/L水溶液を当量ずつ混合し、1時間加熱還流した。これを室温まで放冷し、析出した結晶をろ取し、サレン銅錯体(サレン型銅錯体F−1)を緑色結晶として収率83%で得た。
参考例2
1当量のエチレンジアミンを2.1当量の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒドの1.4mol/Lエタノール溶液と混合し、1時間加熱還流した。これを放冷して析出した結晶をろ取し、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシサレンを黄色結晶として収率99%で得た。この2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシサレン0.03mol/Lエタノール溶液と、硫酸銅0.4mol/L水溶液を当量ずつ混合し、1時間加熱還流した。これを室温まで放冷し、析出した結晶をろ取し、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシサレン銅錯体(サレン型銅錯体F−2)を青紫色結晶として収率96%で得た。
参考例3
1当量のエチレンジアミンを2.0当量の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドの1.7mol/Lエタノール溶液および1当量の硫酸銅0.4mol/L水溶液と混合し、1時間加熱還流した。これを放冷して析出した結晶をろ取し、4,4’−ジヒドロキシサレン銅錯体(サレン型銅錯体F−3)を深緑色結晶として収率81%で得た。
実施例1〜4
室温下(20〜25℃)、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤及びサレン型銅錯体(F−1、F−2又はF−3)を混合して得られたポリオール組成物を、20±1℃に温調し、20±1℃に温調したポリイソシアネートを加え、撹拌速度6000rpmで4秒間撹拌混合させ、40℃に加温した150×150×150mmの上部開放アルミ製容器に注ぎ、フリー発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。表1に配合組成を示す。
表1に記載の原料としては、それぞれ以下のものを使用した。
・ポリオールB:二塩基酸としてテレフタル酸、多価アルコールとしてDEG/TEGからなるフタル酸系ポリエステルポリオール(OH価=250mgKOH/g)
・サレン型銅錯体F−1:サレン銅錯体
・サレン型銅錯体F−2:4,4’−ジメトキシサレン銅錯体
・サレン型銅錯体F−3:4,4’−ジヒドロキシサレン銅錯体
・難燃剤G:ICL−IP社製 トリス(クロロプロピル)ホスフェート(商品名:FYROL PCF)
・発泡剤D:日本ソルベイ社製 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(商品名:ソルカンHFC−365mfc)
・整泡剤E:エボニック社製 シリコーン系界面活性剤(商品名:B−8465)
・触媒C−1:東ソー社製 第3級アミン触媒(商品名:TOYOCAT−DT)
・触媒C−2:東ソー社製 第4級アンモニウム塩触媒(商品名:TOYOCAT−TRX)
・ポリイソシアネートA:東ソー社製 ポリメリックMDI(商品名:MR−200、NCO含量=31.0%)
評価方法
次に述べる方法にて、実施例1〜4での発泡反応性(クリームタイム、ゲルタイム、ライズタイム)、フォーム成形物のコア密度、難燃性(コーンカロリーメーター試験)を測定した。
<発泡反応性の評価>
クリームタイム(CT):発泡開始時間であり、発泡を開始する時間を目視にて測定した。
ゲルタイム(GT):ポリウレタンフォームが硬化しはじめる時間であり、細い棒状物を発泡フォーム中に突き刺し、引き抜くときに糸引き現象が起こる時間、あるいは突き刺した際に抵抗を感じた時間を測定した。
ライズタイム(RT):ポリウレタンフォームの上昇が停止する時間を目視にて測定した。
<フォームのコア密度>
撹拌開始から10分経過後、150×150×150mmの上部開放アルミ製容器内でフリー発泡させたフォームを脱型し、その中心部を120mm×120mm×120mmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を測定した。
<燃焼試験>
コア密度を測定したサンプルを20℃雰囲気下にて72時間以上養生させた後、フォーム中央部から縦×横のサイズが99±1mm、フォームの厚みが25mmとなるようにサンプルを切り出し、ISO5660に準拠したコーンカロリーメーター試験を、CONE−III(株式会社東洋精機製作所製)を用いて実施した。ヒーターの加熱強度は50kW/m、試験時間は10分とした。燃焼性の評価として、総発熱量、最高発熱速度、着火から消炎までの燃焼時間、重量保持率(試験前の重量を基準とした試験終了後の重量割合%)、試験終了後外観(目視確認)を測定した。
試験後外観:サンプル表面に亀裂や凹凸がなく、サンプル厚みが20mm以上:良、サンプル表面に亀裂や凹凸があり、サンプル厚みが15mm以下:不良
比較例1では、サレン型銅錯体を添加しない以外は実施例1〜4と同様に行った。表1に、比較例1で作成したポリウレタンフォームの配合組成を併せて示す。
試験例1〜4
実施例1〜4のコア密度を測定した。さらに、これらの燃焼試験を行った。サレン型銅錯体を含むポリエチレンフォーム(実施例1〜4)の燃焼評価試験結果(それぞれ試験例1〜4に対応する)は、比較例1で作成したポリウレタンフォームに比較して、試験後のサンプル表面が平滑で、試験後外観が良好であった。また、サレン型銅錯体を含むポリエチレンフォームのコーンカロリー試験の総発熱量は比較例1のそれに比べ小さく、燃焼時間はより短く、サンプル保持率はより高い結果を得た。
図1及び図2に、実施例3の試験後の表面、断面の拡大画像を示す。
比較試験例1
サレン型銅錯体を添加しない以外は実施例1と同様に実施しポリウレタンフォームを得た。比較例1で得られたポリウレタンフォームを燃焼評価試験した(比較試験例1)。燃焼評価試験のサンプル表面に亀裂が生じ、肉やせが見られ、試験後外観が不良であり、難燃性が不十分であることが分かった。
比較試験例1で得られたポリウレタンフォームの燃焼試験後の表面、断面の拡大画像をそれぞれ図3、図4に示す。試験例3で得られたポリウレタンフォームの燃焼試験後の表面、断面に比べ、燃焼表面や断面に凹凸が見られる。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    (式中、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R、R、R及びRは、水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選ばれる基である。)
    で表されるサレン型銅錯体を含んでなる難燃性熱硬化性ポリウレタンフォーム。
  2. ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、上記一般式(1)で表されるサレン型銅錯体及びポリイソシアネートを撹拌混合して発泡成形することを特徴とする請求項1に記載の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤及び上記一般式(1)で表されるサレン型銅錯体に、ポリイソシアネートを加え撹拌混合して発泡成形することを特徴とする請求項1に記載の難燃性熱硬化性ポリウレタンフォームの製造方法。
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