JP6814002B2 - 電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器に関するものである。
従来から、粒子の電気泳動を利用した電気泳動表示装置が知られており、この電気泳動表示装置は、可搬性および省電力性を有している点で優れている。
この電気泳動表示装置では、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液を挟んで対向する画素電極と共通電極との間に電圧を印加して、帯電した黒粒子や白粒子等の電気泳動粒子を空間的に移動させることで表示領域に画像を形成している。電気泳動表示装置としては、例えば、対をなす画素基板と対向基板との間を隔壁によって複数の空間に区画し、各空間内に電気泳動粒子および分散媒を含む電気泳動分散液を封入した構成のものが知られている。
このような電気泳動表示装置は、例えば、特許文献1に記載のように、電気泳動分散液(電気泳動インク)を空間(セル)の内部に隙間なく封止するために、画素基板上に設けられた隔壁の頂部と、対向基板に形成された封止層とを接合する技術が開示されている。
かかる構成の電気泳動表示装置は、隔壁が設けられた画素基板を用意し、その後、画素基板上の隔壁により区画された空間内に電気泳動分散液を充填させた後に、封止層が設けられた対向基板を接合することにより製造される。
ところが、このような電気泳動表示装置の製造方法では、電気泳動分散液を閉空間となるセルの内部に封止する前工程において、電気泳動表示装置の各部を構成する構成材料(構造材料)が不本意に吸湿または吸着してしまい、その結果、吸湿または吸着した構成材料から電気泳動分散液に水分が浸入することに起因して、電気泳動分散液中に含まれる電気泳動粒子の帯電状態が変化する。そのため、電気泳動粒子の凝集や、電気泳動粒子の電極への固着が発生し、その結果、電気泳動表示装置の表示品質が損ねられると言う問題があった。
特開2015−138220号公報
本発明の目的は、隔壁によって区画された各セル内に充填された電気泳動分散液に含まれる水分量が適切な範囲に規定されることで、優れた表示品質を備える電気泳動表示装置、かかる電気泳動表示装置を製造し得る電気泳動表示装置の製造方法、および信頼性に優れた電子機器を提供することにある。
このような目的は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、下記の本発明により達成される。
本発明の電気泳動表示装置は、第1基板と、
前記第1基板と対向して配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、複数のセルに区切る隔壁と、
複数の前記セル内に配置され、電気泳動粒子と分散媒とを含有する電気泳動分散液とを有し、
前記分散媒は、第1分子量の第1材料と、前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料とを含有し、
前記隔壁の前記第2基板側の端部に、前記第2材料が存在することを特徴とする。
これにより、隔壁によって区画された各セル内に充填された電気泳動分散液に含まれる水分量を適切な範囲に規定することができ、優れた表示品質を備える電気泳動表示装置とすることができる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記隔壁と前記第2基板との間に配置された封止層を有することが好ましい。
このように、前記隔壁と前記第2基板との間に配置された封止層を備える場合に、本発明の電気泳動表示装置が好適に適用される。
本発明の電気泳動表示装置では、前記封止層は、第1封止層と第2封止層とが前記第2基板側からこの順で積層された積層体であることが好ましい。
このように、前記封止層が前記積層体で構成される場合に、本発明の電気泳動表示装置がより好ましく適用される。
本発明の電気泳動表示装置では、前記第1材料と、前記第2材料とは、同一構造を有していることが好ましい。
これにより、電気泳動分散液中に含まれる分散媒において、第1材料に第2材料がより確実に溶け込まれたものとなる。
本発明の電気泳動表示装置では、前記第1材料と、前記第2材料とは、ともにシリコーンオイルであることが好ましい。
これにより、第2材料を第1材料に溶け込ませて、結果的に、電気泳動粒子の優れた分散性を保つことが可能となる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、第1分子量の第1材料および前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する分散媒と、電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液を充填する複数のセルに区切るための隔壁を第1基板上に形成する工程と、
第2基板および前記隔壁の少なくとも一方に、前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する水分封止層を形成する工程と、
前記電気泳動粒子が前記第1材料に分散された分散液を前記セル内に注入する工程と、
前記水分封止層が介在するように、前記隔壁と前記第2基板とを接合する工程とを有することを特徴とする。
これにより、隔壁によって区画された各セル内に充填された電気泳動分散液に含まれる水分量を適切な範囲に規定することができるため、優れた表示品質を備える電気泳動表示装置を製造することができる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記水分封止層は、平均厚さが1μm以上5μm以下の厚さで形成されることが好ましい。
これにより、水分封止層を、分散媒中に溶け込ませた際の、分散媒中における第2材料の含有量が適切な範囲内に設定され、分散媒の粘度を適切な範囲内に設定することができるため、電気泳動分散媒中において、電気泳動粒子を優れた泳動特性で泳動させることができる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前記隔壁は、平均高さが10μm以上150μm以下の高さで形成されることが好ましい。
これにより、この隔壁で区切られたセル内に形成される電気泳動層の厚さもこの平均高さとほぼ等しく設定される。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、電子機器は、優れた信頼性を備えるものとなる。
本発明の電気泳動表示装置が搭載された電子機器の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電気泳動表示装置の電気的な構成の実施形態を示す等価回路図である。 本発明の電気泳動表示装置の構造の実施形態を示す模式平面図である。 図3に示す電気泳動表示装置のA−A’線断面図である。 図3に示す電気泳動表示装置のうち封止層、およびシール部周辺の構造を示す模式平面図である。 図5に示す電気泳動表示装置のB−B’線断面図である。 図5に示す電気泳動表示装置のC部を拡大して示す拡大平面図である。 図6に示す電気泳動表示装置のF部を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を工程順に示すフローチャートである。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を工程順に示すフローチャートである。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。
以下、本発明の電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を含むものとする。
<電子機器>
まず、本発明の電気泳動表示装置および電気泳動表示装置の製造方法を説明するのに先立って、本発明の電気泳動表示装置を備える電子機器について説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置が搭載された電子機器の実施形態を示す斜視図である。なお、使用する図面(図1および以下で示す図を含む)は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
図1に示すように、電子機器100は、電気泳動表示装置10と、電子機器100を操作するためのインターフェイスとを備えている。このインターフェイスは、具体的には、例えば、操作部110であり、スイッチ等から構成される。
電気泳動表示装置10は、本発明の電気泳動表示装置で構成され、表示領域Eを有するディスプレイモジュールである。表示領域Eは複数の画素から成り、これらの画素が電気的に制御されることで表示領域Eに画像が表示される。そのため、かかる電気泳動表示装置10を備える電子機器100は、優れた信頼性を備えるものとなる。
なお、電気泳動表示装置10を備えた電子機器100として、図1に示す、電子ペーパー(EPD:Electronic Paper Display)の他、ウォッチ、リスタブル機器、スマートフォン、タブレット端末、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等に適用することができる。
<電気泳動表示装置>
次に、かかる電子機器100が備える電気泳動表示装置10(本発明の電気泳動表示装置)について説明する。
図2は、本発明の電気泳動表示装置の電気的な構成の実施形態を示す等価回路図、図3は、本発明の電気泳動表示装置の構造の実施形態を示す模式平面図、図4は、図3に示す電気泳動表示装置のA−A’線断面図、図5は、図3に示す電気泳動表示装置のうち封止層、およびシール部周辺の構造を示す模式平面図、図6は、図5に示す電気泳動表示装置のB−B’線断面図、図7は、図5に示す電気泳動表示装置のC部を拡大して示す拡大平面図、図8は、図6に示す電気泳動表示装置のF部を拡大して示す拡大断面図である。なお、図5〜図8においては、絶縁層や配線、電極等の図示は省略する。
図2に示すように、電気泳動表示装置10は、複数のデータ線12と、複数の走査線13とを有し、データ線12と走査線13とが交差する部分に画素11が配置される。具体的には、電気泳動表示装置10は、データ線12と走査線13とに沿ってマトリクス状に配置された複数の画素11を有している。各画素11は、画素電極21と共通電極22との間に配置された分散媒15と電気泳動粒子34とを含む電気泳動分散液を有する。
画素電極21は、トランジスター16(TFT16)を介してデータ線12に接続されている。また、TFT16のゲート電極は、走査線13に接続されている。なお、図2は、例示であり、必要に応じて保持容量等の他の素子が組み込まれてもよい。
また、図3および図4に示すように、電気泳動表示装置10は、素子基板51と、素子基板51と対向して配置された対向基板52と、素子基板51と対向基板52との間に配置され、複数のセル36に区切る隔壁35と、複数のセル36内に配置され、電気泳動粒子34と分散媒15とを含有する電気泳動分散液37で構成される電気泳動層33と、隔壁35と対向基板52との間に配置された封止層42とを有する。
本実施形態では、本発明における第1基板として素子基板51が適用され、本発明における第2基板として対向基板52が適用される。
素子基板51が備える、例えば、透光性を有するガラス基板からなる第1基材31上には、各画素11に対応して画素電極21が配置されている。
詳述すると、図3および図4に示すように、画素11(画素電極21)は、例えば、平面視でマトリクス状に形成されている。画素電極21の材料としては、例えば、ITO(錫を添加した酸化インジウム:Indium Tin Oxide)等の光透過性材料が用いられる。
第1基材31と画素電極21との間には、図示しない回路部が設けられており、回路部の中にTFT16等が形成されている。TFT16は、図示しないコンタクト部を介して、各画素電極21と電気的に接続されている。なお、図示しないが、回路部の中には、TFT16の他、各種配線(例えば、データ線12や走査線13等)や素子(例えば、容量素子)等が配置されている。画素電極21上を含む第1基材31上の全面には、第1絶縁層32が形成されている。なお、第1絶縁層32を設けない構成でもよい。
対向基板52が備える、例えば、透光性を有するガラス基板からなる第2基材41上(図4における分散媒15側)には、複数の画素11に対応して共通に設けられた共通電極22が形成されている。共通電極22としては、例えば、ITO等の光透過性材料が用いられる。
また、対向基板52が備える共通電極22上(図4における分散媒15側)には、本実施形態では、第1封止層42aが形成されている。さらに、第1封止層42aの上には、第2封止層42bが形成されている。なお、第1封止層42aと第2封止層42bとを合せて封止層42と称する。なお、この封止層42については、後に詳述する。
第1絶縁層32と封止層42との間には、電気泳動層33が設けられている。
電気泳動層33は、少なくとも1以上の電気泳動粒子34と、電気泳動粒子34が分散された分散媒15とを含む電気泳動分散液37で構成され、この電気泳動分散液37(分散媒15および電気泳動粒子34)が、第1絶縁層32と、第2封止層42bと、第1基材31上に設けられた隔壁35(リブ)と、により仕切られた(分割された)空間(領域)であるセル36内に充填されることで形成される。
隔壁35は、図3に示すように、素子基板51と、対向基板52との間に介挿され、碁盤目状に形成されている。なお、隔壁35は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の透光性材料であることが好ましい。このような透光性材料で構成することにより、表示領域Eに表示された画像に隔壁35が映り込むのを的確に抑制または防止することができる。さらに、これらの透光性材料は、吸湿性または吸着性の低い材料であることから、隔壁35に吸着された水分がセル36内において、電気泳動分散液37中に移行するのを的確に抑制または防止することができる。
また、隔壁35の幅は、好ましくは3μm以上10μm以下に設定される。
なお、本実施形態では、各画素11に画素電極21が配置され、各画素電極21に前記隔壁35(リブ)が配置されている構成としたが、これに限定されず、複数の画素毎(例えば2〜20画素毎)に、隔壁35(リブ)が形成されても良い。
また、素子基板51と対向基板52とを貼り合せた際、隔壁35の上部が対向基板52(具体的には、封止層42)に接触することにより、隔壁35の高さ(実際には、図6に示す額縁隔壁61)を基準に素子基板51と対向基板52との間のセルギャップを決めることができる。
なお、以下では、隔壁35によって囲まれて区切られた領域をセル36と言う。一つのセル36は、隔壁35と、画素電極21と、共通電極22(封止層42)と、電気泳動層33とを含む。
さらに、隔壁35の平均高さは、この隔壁35により区画される電気泳動層33の平均厚さとほぼ等しく設定され、例えば、10μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上100μm以下であることがより好ましく、特に好ましくは30μm程度に設定される。これにより、電気泳動粒子34の移動による白色表示と黒色表示とを優れたコントラストで表示することが可能となる。
また、本実施形態では、図4に示すように、電気泳動粒子34として、白色粒子と黒色粒子とを示している。
例えば、画素電極21と共通電極22との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、電気泳動粒子34は、いずれかの電極(画素電極21、共通電極22)に向かって電気泳動する。例えば、白色粒子が正荷電を有する場合、画素電極21を負電位とすると、白色粒子は、画素電極21側(下側)に移動して集まり、黒色表示となる。逆に、画素電極21を正電位とすると、白色粒子は、共通電極22側(上側)に移動して集まり、白色表示となる。このように、表示側の電極に集合する白色粒子の有無や数等に応じて、所望の情報(画像)が表示される。なお、ここでは、電気泳動粒子34として白色粒子や黒色粒子を用いたが、他の有色粒子を用いてもよい。
また、電気泳動粒子34としては、無機顔料系の粒子、有機顔料系の粒子または高分子微粒子等を用いることができ、各種粒子を2種以上混合して用いてもよい。また、電気泳動粒子34の平均粒子径は、例えば、0.05μm以上10μm以下程度のものが用いられ、好ましくは、0.2μm以上2μm以下程度のものが用いられる。
また、白色粒子の含有量は、分散媒15、白色粒子および黒色粒子の全重量、すなわち電気泳動分散液に対して30%以内であり、黒色粒子の含有量は、分散媒15、白色粒子、黒色粒子の全重量、すなわち電気泳動分散液に対して10%以内である。このように配分することにより、反射率が40%以上、および黒色反射率が2%以下になり、表示性能を高くすることができる。
また、本実施形態では、電気泳動粒子34を分散させた電気泳動分散液37とするための分散媒15として、沸点が100℃以上であり、比較的高い絶縁性を有するものが好ましく用いられる。
かかる分散媒としては、例えば、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸ブチル、高級脂肪酸エステル等のエステル類、ジブチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類のような有機溶媒またはシリコーンオイル等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、分散媒としては、シリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。シリコーンオイルを主成分とする分散媒は、電気泳動粒子34の凝集抑制効果が高いことから、図3に示す電気泳動表示装置10の表示性能が経時的に劣化するのを抑制することができる。また、シリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、さらに安全性も高いという利点を有している。
なお、分散媒15に分散される電気泳動粒子34は、上記の通り、いずれかの電極に向かって電気泳動し得るように、正または負の荷電を有するが、その帯電量は、通常、電気泳動粒子34が取り込む、分散媒15中に含まれる水分の取り込み量によって規定される。そのため、分散媒15中に含まれる水分量は、好ましくは300ppm以上1000ppm以下程度、より好ましくは400ppm以上700ppm以下程度に設定される。なお、分散媒15としてシリコーンオイル(以下の第1材料、第2材料)を主成分とするものを用いた場合、シリコーンオイルは吸湿性または吸着性の高い材料であることから、前記水分量を前記範囲内に設定することが、優れた泳動特性を有する電気泳動粒子34を得るための要素として求められる。
また、分散媒15中に含まれる水分量を前記範囲内に設定し得るのは、本発明では、分散媒15を、上述した材料のうち、第1分子量の第1材料と、この第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料とを含有するものとすることによるが、その詳細な説明は、後述する電気泳動表示装置の製造方法において行うこととする。
なお、分散媒15を、第1分子量の第1材料と、この第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料とを含有するものとすることで、分散媒15中に含まれる水分量を前記範囲内に設定し得る他、白色表示または黒色表示した際の保持性の向上が図られると言う利点も得られる。これは、分散媒15に、第1分子量の第1材料の他に、さらに、第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料が含まれることで、分散媒15のチキソ性が良好なものとなるため、電気泳動粒子34の泳動開始当初の保持力が優れたものとなるため、結果として、白色表示または黒色表示した際の保持性が向上すると推察される。また、電気泳動分散液37中における電気泳動粒子34の分散性が良くなる。
また、分散媒15中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、潤滑剤、安定化剤、各種染料等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
また、図5および図6に示すように、電気泳動表示装置10は、表示領域Eと、この表示領域Eを囲む額縁領域E1(外周領域)とを有する。この額縁領域E1には、電気泳動層33のうち表示に寄与しない領域であるダミー画素領域Dと、ダミー画素領域Dの外側に配置された額縁隔壁61(外周隔壁)と、額縁隔壁61の外側に配置されたシール部14とを含む。
なお、額縁領域E1の幅は、例えば、1mm程度である。また、ダミー画素領域Dの幅は、例えば、80μmである。ダミー画素領域Dの表示領域E側には、表示領域Eに配置された隔壁35と同じ形状で形成された隔壁35aが設けられている隔壁のリブ幅(頂部35’の幅)は、3μm以上10μm以下程度であるのが好ましい。また、隣り合う隔壁と隔壁との距離は、好ましくは100μm以上300μm以下程度に設定される。
ダミー画素領域Dの外側には、額縁隔壁61が設けられている。額縁隔壁61は、分散媒15が外側に流れ出ないように堰き止めることができると共に、セルギャップを調整するために用いられており、ダミー画素領域Dを囲むように配置されている。なお、額縁隔壁61は、通常、表示領域Eの隔壁35と同じ材料で構成されている。
額縁隔壁61の幅W1は、好ましくは100μm以上300μm以下程度に設定される。
また、額縁隔壁61の高さは、例えば、10μm以上200μm以下程度であることが好ましく、20μm以上100μm以下程度であることがより好ましい。これにより、額縁隔壁61を、電気泳動層33の厚さを規定するギャップ材として機能させることができ、電気泳動層33の厚さを前述した範囲内に容易に設定することができる。
なお、額縁隔壁61は、隣接して配置される第1シール材14aが表示領域Eにはみ出さないようにするためにも用いられる。
シール部14は、本実施形態では、図6に示すように、第1シール材14aと、第2シール材14bとを有する。第1シール材14aは、素子基板51と対向基板52とを貼り合わせる際に接着するために用いられ、額縁隔壁61を囲むように設けられている。
第1シール材14aの幅W2は、好ましくは150μm以上600μm以下程度に設定される。また、第1シール材14aの粘度は、例えば、30万Pa・s以上100万Pa・s以下であり、好ましくは、40万Pa・s程度である。このような粘度の第1シール材14aを用いることにより、素子基板51と対向基板52との貼り合せの際に、素子基板51と対向基板52との接触面積を大きく保つことができる。
また、第2シール材14bは、素子基板51と対向基板52との間を封止するために用いられ、第1シール材14aを囲むように配置されている。
第2シール材14bの幅W3は、好ましくは150μm以上600μm以下程度に設定される。また、第2シール材14bの粘度は、例えば、100Pa・s以上500Pa・s以下であり、好ましくは、400Pa・s程度である。このような粘度の第2シール材14bを用いることにより、第1シール材14aの周囲の素子基板51と対向基板52との間に、第2シール材14bを入り込ませることが可能となる。そのため、第2シール材14bの接着強度を向上させることができる。また、外部から第2シール材14bおよび第1シール材14aを介して内部に水分が侵入することを抑えることが可能となり、信頼性の高いシール構造を得ることができる。
以上のようなシール部14において、第1シール材14aは、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂のような各種硬化型樹脂で構成されることが好ましい。これにより、素子基板51と対向基板52とを確実かつ強固に接合することができる。
また、第2シール材14bの構成材料としては、アクリル樹脂やエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種が好ましく用いられる。かかる樹脂材料で構成される第2シール材14bは、吸湿性または吸着性の低い材料であることから、電気泳動表示装置10の外側から、第2シール材14bを介して、電気泳動分散液37側に、水分が移行するのを的確に抑制または防止することができる。
なお、シール部14は、第1シール材14aと、第2シール材14bとのように別体として設ける場合の他、第2シール材14bの構成材料によっては、第1シール材14aを省略して、第2シール材14bの単体で構成されるものであってもよい。
図6および図8に示すように、表示領域Eにおいて、対向基板52には封止層42が設けられ、これにより、封止層42は、隔壁35の頂部35’と対向基板52との間に配置されている。すなわち、電気泳動表示装置10は、隔壁35と対向基板52との間に配置された封止層42を有している。
これにより、封止層42と、第1絶縁層32と、隔壁35(リブ)とにより区画された空間(閉空間)が形成され、この空間に分散媒15と電気泳動粒子34とを含む電気泳動分散液37が充填されることで、分散媒15および電気泳動粒子34を含む電気泳動分散液37が隣接するセル36同士の間で、行き来できないようになっている。
この際、図6、図8に示すように、本実施形態では、封止層42と電気泳動層33との接触面(第1封止層42aと第2封止層42bとの接触面)のうち、隔壁35と平面視で重なる部分は、隔壁35と平面視で重ならない部分よりも断面視において第2基材41(対向基板52)側に位置しており、これにより、隔壁35は、その頂部35’が封止層42に食い込んで(埋入して)いる。このように、頂部35’を封止層42に食い込ませることで、封止層42と、第1絶縁層32と、隔壁35とにより区画された閉空間すなわちセル36内に充填された電気泳動分散液37が、隣接するセル36同士の間で、行き来するのを的確に抑制または防止することができる。
このような封止層42は、本実施形態では、図4でも説明したように、対向基板52(第2基板)側から第1封止層42aと第2封止層42bとが、この順に積層された積層体で構成されている。
このような積層体において、第1封止層42aと第2封止層42bとの接触面のうち頂部35’が食い込んでいない部分(隔壁35と平面視で重ならない部分)と頂部35’とを比較した際、図8に示すように頂部35’の方が第2基材41側に位置している。そして、隔壁35の封止層42への食い込み量t2、すなわち第2封止層42bの電気泳動層33側の面のうち、頂部35’が食い込んでいない部分と頂部35’との間の距離は、例えば、1μm〜5μmであることが好ましい。これにより、電気泳動分散液37が、隣接するセル36同士の間で、行き来するのをより的確に抑制または防止することができる。
また、第1封止層42aと第2封止層42bとからなる封止層42において、第1封止層42aの弾性率は、5MPa以上40MPa以下であることが好ましい。また、第2封止層42bの弾性率は、50MPa以上10GPa以下であることが好ましい。第1封止層42aと、第2封止層42bとを、上記のような弾性率を有するものとすることにより、積層体、すなわち、封止層42全体としての弾性率を、1MPa以上100MPa以下の範囲内に容易に設定することができるとともに、隔壁35の頂部35’が折れ曲がったり、第2封止層42bが破損することなく、隔壁35の頂部35’を封止層42に食い込ませること、換言すれば、隔壁35の頂部35’により封止層42を変形させることができる。
さらに、第1封止層42aの厚みは、2.5μm以上20μm以下であることが好ましく、第2封止層42bの厚みは、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。これにより、積層体において、第1封止層42aと第2封止層42bとの接触面のうち頂部35’が食い込んでいない部分と頂部35’とを比較した際、図8に示すように頂部35’の方が第2基材41側に位置している構成に比較的容易に設定することができる。また、第1封止層42aと、第2封止層42bとの積層体、すなわち、封止層42全体としての弾性率を、1MPa以上100MPa以下の範囲内に容易に設定することができる。なお、第2封止層42bの厚みが0.5μm以下のように薄いものである場合には、第2封止層42bの弾性率が10GPa程度のように高く、第2封止層42bが硬いものであったとしても、封止層42全体としての弾性率には影響を与えないことがある。
なお、第1封止層42aと第2封止層42bとの厚さが上記のように設定される場合には、第1封止層42aは、第2封止層42bよりも弾性率の低い材料を用いて形成されていること、すなわち、第1封止層42aの弾性率は、第2封止層42bの弾性率よりも低いことが好ましい。これにより、隔壁35の頂部35’の幅を3μm〜10μmの範囲内のように細くしたとしても、頂部35’が折れ曲がったり、第2封止層42bが破損したりすることなく、隔壁35の頂部35’を封止層42に食い込ませることができる。
また、第1封止層42aの体積抵抗率は、1×107Ω・cm以上5×1010Ω・cm以下であることが好ましく、第2封止層42bの体積抵抗率は1×107Ω・cm以上2×1011Ω・cm以下であることが好ましい。第1封止層42aと、第2封止層42bとを、上記のような体積抵抗率を有するものとすることにより、積層体、すなわち、封止層42全体としての体積抵抗率を、1×107Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下の範囲内に容易に設定することができることから、画素電極21と共通電極22との間に封止層42が介在することに起因して、電気泳動粒子34の移動度が低下するのを的確に抑制または防止することができる。
以上のような封止層42(積層体)において、第1封止層42aは、第2封止層42bよりも柔軟であり隔壁35の頂部35’が、より食い込みやすい材料が好ましく用いられ、具体的には、第1封止層42aの構成材料としては、例えば、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、ニトリルゴム等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、NBRまたはヒドリンゴムであることが好ましい。NBRおよびヒドリンゴムによれば、その加硫条件の変更、および、第1封止層42aへのフィラーの添加により、第1封止層42aの弾性率を容易に調整することができる。したがって、頂部35’を封止層42に食い込ませることができる。
なお、第1封止層42aに添加するフィラーとしては、例えば、シリカ、マイカ、アルミナ、酸化チタン、窒化珪素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第2封止層42bは、例えば、第1封止層42aが分散媒15に溶出しないようにするための封止層として機能し得るように第2封止層42bの構成材料が選択され、具体的には、第2封止層42bの構成材料としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)の他、ポリエチレン、ポリプロピレンのような非極性ポリマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、PVAであることが好ましい。これらの材料(特に、PVA)は、分散媒15に溶出するおそれが少ないことから、電気泳動表示装置10の不具合を好適に軽減することができる。また、PVAは、接着性が低い材料であるため、第2封止層42bに電気泳動粒子34が固着することを防止することができる。
なお、第2封止層42bには、第2封止層42bの材料を柔らかくするための添加剤が含まれていてもよい。この添加剤としては、例えば、グリセリンが挙げられる。添加剤は、PVAの固形分に対して5wt%以上50wt%以下程度添加されることが好ましい。これにより、第2封止層42bの材料として弾性率が600MPa以上の材料を選択したとしても、第2封止層42bとして好適に用いることができる。本実施形態では、第2封止層42bの材料として、室温(25℃)における弾性率が692MPaのPVAにグリセリンを添加し、室温における弾性率が75MPaとしたものが用いられている。
また、添加剤は、グリセリンに限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、尿素、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレングリコールから選択される1種または2種以上を混合したものを用いてもよい。
なお、封止層42の光線透過率は、PVAが99%であり、NBRも99%である。
以上のように構成される封止層42において、積層体を形成する第1封止層42aおよび第2封止層42bは、それぞれの機能を発揮させるために、上述したような構成材料により構成されるが、これらの材料は、比較的吸湿性または吸着性の高い材料である。そのため、第1封止層42aおよび第2封止層42bのうちの少なくとも一方が吸湿性または吸着した状態で、仮に、電気泳動表示装置10を形成すると、封止層42から電気泳動分散液37中に水分が浸入(移行)し、その結果、分散媒15中に含まれる水分量を、適切な範囲に設定することが困難となる。具体的には、前述の通り、好ましくは300ppm以上1000ppm以下程度、より好ましくは400ppm以上700ppm以下程度に設定することが困難となる。したがって、電気泳動分散液37中に含まれる電気泳動粒子の帯電量に変化が生じ、その結果、電気泳動粒子の凝集や、電気泳動粒子の電極への固着が発生することに起因して、画素電極21と共通電極22との間に電圧を印加した際の電気泳動粒子の泳動特性に変化が生じるため、電気泳動表示装置の表示品質が損ねられると言う問題が生じる。
これに対して、本発明では、分散媒15は、第1分子量の第1材料と、この第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料とを含有するものであり、これにより、上述した問題点を解消することができるが、その詳細は、以下に示す電気泳動表示装置の製造方法において説明することとする。
すなわち、本発明は、電気泳動表示装置10が封止層42を備え、さらに、この封止層42が第1封止層42aと第2封止層42bとの積層体で構成される場合に好適に適用され、分散媒15を、第1材料と第2材料とを含有するものとすることで、上述した問題点を解消し得るが、その詳細は、以下に示す電気泳動表示装置の製造方法において説明する。
なお、封止層42は、第1封止層42aと、第2封止層42bとの積層体として設ける場合の他、第2封止層42bの構成材料によっては、第1封止層42aを省略して、第2封止層42bの単層で構成されるものであってもよいし、さらには、3層以上の積層体で構成されていてもよい。
また、封止層42の平均厚さt1は、例えば、2.5μm以上30μm以下程度であることが好ましく、2.5μm以上10μm以下程度であることがより好ましい。
さらに、封止層42は、その体積抵抗率が電気泳動分散液の体積抵抗率よりも低いことが好ましい。これにより、画素電極21と共通電極22との間に封止層42が介在したとしても、封止層42における抵抗値が大きくなり過ぎることに起因して、電気泳動層33中において、電気泳動粒子34の移動度が低下するのを的確に抑制または防止することができる。具体的には、封止層42の体積抵抗率は、1×107Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であることが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下であることがより好ましい。
さらに、図6および図7に示すように、封止層42の端部は、例えば、表示領域Eの最外周の隔壁35aと額縁隔壁61との間、つまり、ダミー画素領域Dの範囲に配置されている。封止層42は、表示領域Eより一回り大きく、大きさにばらつきが生じたとしても、表示領域Eに端部が入り込まないような大きさになっている。
また、封止層42を形成する材料として接着剤を用いた場合、接着剤に含まれる例えば、完全に硬化しない反応性モノマー等の不純物が分散液の中に溶出することにより、この接着剤が電気泳動分散液に含まれる電気泳動粒子34に付着して、電気泳動粒子34の泳動性に影響を与えるおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、封止層42を、第1封止層42aと第2封止層42bとを有するものとし、電気泳動粒子34と接触する部分に第2封止層42bを配置している。そのため、このような不具合も軽減することができる。
また、封止層42を、弾性率の高い材料のみで形成した場合、隔壁35の頂部35’の幅が狭すぎると、頂部35’が封止層42に食い込まず、折れ曲がるおそれがある。そうすると、隔壁35の頂部35’と封止層42との間には隙間が生じ、電気泳動粒子34が隣合うセル36間を移動してしまうことが考えられる。しかしながら、本実施形態のように、封止層42を第1封止層42aと第2封止層42bとで形成し、それぞれの弾性率や厚さを好適な範囲に設定することで、このような不具合も抑制することができる。
次に、かかる構成の電気泳動表示装置10を製造するための製造方法(本発明の電気泳動表示装置の製造方法)を説明する。
<電気泳動表示装置の製造方法>
(第1の製造方法)
まず、電気泳動表示装置10を製造するための第1の製造方法について説明する。
図9は、本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図10〜図17は、本発明の電気泳動表示装置の第1の製造方法を説明するための図である。
以下、電気泳動表示装置の第1の製造方法を、図9〜図17を参照しながら説明する。
[1]まず、素子基板51(第1基板)を用意し、その後、この素子基板51上に、電気泳動分散液37を充填する複数のセル36に区切る(設ける)ための隔壁35を形成する。なお、電気泳動分散液37としては、本発明では、第1分子量の第1材料および第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する分散媒15と、電気泳動粒子34とを含むものがセル36内に充填される。
[1−1]まず、ガラス等の透光性材料からなる第1基材31上に、TFT16や、ITO等の光透過性材料からなる画素電極21等を形成する(ステップS11)。
具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1基材31上にTFT16および画素電極21等を形成する。なお、以降の断面図を用いた説明においては、画素電極21を除く、TFT16等の説明および図示を省略する。
[1−2]次いで、第1基材31上に第1絶縁層32を形成する(ステップS12)。
第1絶縁層32の製造方法としては、特に限定されず、例えば、第1基材31上に絶縁性材料を、スピンコート法等を用いて塗布し、その後、絶縁性材料を乾燥させることにより形成することができる。
以上により、素子基板51(第1基板)が完成する。
[1−3]次いで、素子基板51(具体的には、第1絶縁層32)上に、隔壁を形成する(ステップS13)。
より具体的には、図10に示すように、隔壁35と、隔壁35aと、額縁隔壁61と、を含む各種隔壁を同時に形成する。
隔壁35、35a、額縁隔壁61は、例えば、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて一括して形成することができる。
このように、隔壁35、35a、額縁隔壁61を、同じ材料で同時に形成することにより、これらを、効率よく製造することができる。
なお、隔壁35は、分散媒15に溶解しない材質からなり、その材質は有機物か無機物かは問われない。具体的に、有機物材料の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂単体または二種類以上の複合剤を使用する。
以上により、隔壁35が設けられた素子基板51(第1基板)が完成する。
[2]次に、対向基板52を用意し、その後、この対向基板52上に、電気泳動分散液37をセル36内に封止するための封止層42を形成し、その後、封止層42上に、水分封止層44を形成する。
すなわち、封止層42を介して、対向基板52(第2基板)上に、第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する水分封止層44を形成する。
本実施形態では、本工程[2]により、対向基板52(第2基板)および隔壁の少なくとも一方に、第2材料を含有する水分封止層44を形成する工程が構成される。
[2−1]まず、第2基材41上に共通電極22を形成する(ステップS21)。
具体的には、ガラス基板等の透光性材料からなる第2基材41上の全面に、周知の成膜技術を用いて共通電極22を形成する。
以上により、対向基板52(第2基板)が完成する。
[2−2]次いで、共通電極22上に封止層42、すなわち第1封止層42aおよび第2封止層42bを形成する(ステップS22、ステップS23)。
第1封止層42aおよび第2封止層42bの形成方法としては、図11に示すように、例えば、対向基板52上にNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)をスピンコート等の塗布法で成膜し、その後、PVA(ポリビニルアルコール)を同様に塗布法で成膜する。PVAには、上記したように、グリセリン等の添加剤が添加されている。
さらに、エッチング法を用いて、形成すべき第1封止層42aおよび第2封止層42bの形状に対応して、PVAおよびNBRをパターニングすることで、第1封止層42aおよび第2封止層42bを得る。なお、塗布法に限定されず、印刷法を用いて形成するようにしてもよい。
また、第1封止層42aおよび第2封止層42bを備える封止層42の形成の後、この封止層42を焼成する。第1封止層42aおよび第2封止層42bに含まれる構成材料を前述したようなものとした場合、これらは比較的吸湿性または吸着性の高い材料である。そのため、封止層42に含まれる水分量を調整することを目的に、封止層42を焼成する。
この封止層42を焼成する際の温度は、封止層42の構成材料によっても若干異なるが、70℃以上150℃以下であることが好ましく、80℃以上110℃以下であることがより好ましい。また、焼成する時間は、特に限定されないが、例えば、0.5時間以上10時間以下であることが好ましく、1時間以上3時間以下であることがより好ましい。
[2−3]次いで、第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を主材料として含有する水分封止層44を封止層42上に形成する(ステップS24)。
この水分封止層44は、第1封止層42aおよび第2封止層42bの形成方法で挙げた、塗布法、エッチング法および印刷法等を用いて形成することができる。
また、水分封止層44は、第2材料が単独で含まれるものであっても良いし、第2材料の他、第1材料や、上述した分散媒15に添加される各種添加剤が含まれるものであってもよい。
ここで、前記工程[2−2]において形成された封止層42は、その形成後に焼成されることで、その水分量が調整されるが、次工程[3]において、素子基板51と対向基板52とを貼り合わせる迄の間、焼成された封止層42を大気に曝すと、大気中に含まれる水分を封止層42が再度吸収する。そのため、この状態で、電気泳動表示装置10を形成すると、封止層42から電気泳動分散液37中に水分が浸入(移行)し、その結果、分散媒15中に含まれる水分量を適切な範囲、すなわち、好ましくは300ppm以上1000ppm以下程度、より好ましくは400ppm以上700ppm以下程度に設定することが困難となる。
これに対して、焼成した後の封止層42に対して水分封止層44を形成することで、封止層42が大気に曝されるのを的確に抑制または防止することができることから、分散媒15中に含まれる水分量を、前記範囲内のように適切な範囲に設定することができる。そのため、電気泳動分散液37中に含まれる電気泳動粒子34の帯電量に変化が生じ、その結果、電気泳動粒子34の凝集や、電気泳動粒子34の電極への固着が発生するのを的確に抑制または防止することができる。したがって、画素電極21と共通電極22との間に電圧を印加した際の電気泳動粒子34の泳動特性に変化が生じないことから、電気泳動表示装置10は、優れた表示品質を維持したものとなる。
また、分散媒15に含まれる第1分子量の第1材料よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を主材料として含有するものを水分封止層44として封止層42上に形成することで、水分封止層44が大気に曝されている際に、水分封止層44が揮発するのを的確に抑制または防止することができる。さらに、分散媒15の構成材料として挙げたもののうち、単に分子量が大きいものを第2材料として選択していることから、水分封止層44を、次工程[3]において、素子基板51と対向基板52とを貼り合わせた際には、封止層42上に残存することなく、電気泳動粒子34が第1材料に分散された分散液中に溶け込ませることができる。そのため、電気泳動層33中における電気泳動粒子34の泳動特性に、悪影響を及ぼすのを的確に抑制または防止することができる。そして、この水分封止層44の溶け込みにより、分散媒15は、第1分子量の第1材料と、第2分子量の第2材料とを含有するものとなる。
さらに、次工程[3]において、水分封止層44を、分散媒15中に溶け込ませると言う観点からは、第1材料と第2材料とは、分子量の大きさが異なるが、その組成の主鎖が同一の構造を有していることが好ましい。これにより、水分封止層44を、封止層42上に残存させることなく、分散媒15中に確実に溶け込ませることができる。
なお、本明細書中において、第1材料と第2材料とが同一の構造を有しているとは、これらの主鎖(主骨格)の分子構造が同一であるもののことを言い、これらが備える側鎖や置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
また、分散媒15としては、前述の通り、シリコーンオイルが好ましく用いられるため、第1材料と第2材料とは、ともにシリコーンオイルであることが好ましい。
このように、分散媒15(第1材料)として、シリコーンオイルが選択された際に、第2材料としてもシリコーンオイルを選択することで、水分封止層44を第1材料に溶け込ませて、結果的に、電気泳動粒子34の優れた分散性を保つことが可能となる。
また、第1材料は、その粘度が2mPa・s以上10Pa・s以下程度となる第1分子量を有するものが用いられ、第2材料は、その粘度が100Pa・s以上1000Pa・s以下程度となる第2分子量を有するものが用いられるのが好ましい。かかる粘度の大きさを有する第1材料および第2材料をそれぞれ選択することにより、分散媒15中において、電気泳動粒子34を優れた泳動特性で泳動させることができ、かつ、水分封止層44を、大気中において揮発するのを的確に抑制または防止することができる。
さらに、前述の通り、隔壁35の平均高さは、この隔壁35により区画される電気泳動層33の平均厚さとほぼ等しく設定され、例えば、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは20μm以上100μm以下、特に好ましくは30μm程度に設定されるが、これに対して、水分封止層44の平均厚さは、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは3μm程度に設定される。これにより、次工程[3]において、水分封止層44を、分散媒15中に溶け込ませた際の、分散媒15中における第2材料の含有量が適切な範囲内に設定され、分散媒15の粘度が、第1材料の粘度である2mPa・s以上10Pa・s以下程度から大きく変化するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、分散媒15中において、電気泳動粒子34を優れた泳動特性で泳動させることができる。
以上の工程[2−1]〜工程[2−3]を経ることで、封止層42および水分封止層44が形成された対向基板52(第2基板)が完成する。
[3]次に、図9、図12〜図17を参照しながら、素子基板51と対向基板52とを貼り合わせることで電気泳動表示装置10を得る。以下、この方法について説明する。
[3−1]まず、図12に示すように、大気中において、額縁隔壁61の外周に第1シール材14aを塗布する(ステップS31)。
第1シール材14aの材料は、例えば、比較的粘度の高い紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂(カヤトロン)等の液性硬化型樹脂が用いられる。第1シール材14aの粘度は、例えば、30万Pa・s〜100万Pa・sであり、好ましくは40万Pa・sである。塗布したときの第1シール材14aの幅は、真空に耐えられる程度の幅であり、例えば、200μm以上600μm以下程度である。
[3−2]次いで、素子基板51上の表示領域E、すなわち、図13に示すように、額縁隔壁61で囲まれた領域内に、白色粒子および黒色粒子を含む電気泳動粒子34と、分散媒15に含まれる第1材料および第2材料のうち第1材料とを含有する分散液を塗布する(ステップS32)。
これにより、素子基板51と隔壁35とで区画されたセル36内に、電気泳動粒子34が第1材料に分散された分散液が注入される。
塗布方法としては、例えば、ディスペンサーを用いる。また、ダイコーター等も適用することができる。なお、第1材料およびこの第1材料を含有する分散媒15として、シリコーンオイルを用いる場合、このシリコーンオイルの粘度は、例えば、2mPa・s以上10Pa・s以下である。第1材料の量としては、素子基板51と対向基板52とを貼り合せたときに、第1材料と、第2材料が主材料として含まれる水分封止層44との合計が、額縁隔壁61で囲まれた中を満たすような液量である。本実施形態において額縁隔壁61の高さは、例えば、15μm以上45μm以下程度である。
なお、額縁隔壁61が形成されていることにより、第1シール材14aが表示領域E側に入り込んで広がることを防ぐことができる。また、第1シール材14aの幅が所定の幅より広がらないように規制することができる。これにより、第1シール材14aの強度を十分に確保することができる。
[3−3]次いで、図14に示すように、対向基板52に設けられた水分封止層44と、素子基板51に設けられた隔壁35が対向するように配置した後、図15に示すように、素子基板51と対向基板52との間に、電気泳動粒子34および第1材料を含有する分散液と、水分封止層44とを封止する(第1封止;ステップS33)。
すなわち、水分封止層44が介在するように、隔壁35と対向基板52とを接合する。
このとき、封止層42(および水分封止層44)に隔壁35の頂部35’が食い込む(埋没する)よう、素子基板51と対向基板52とを接近させる。換言すれば、第1封止層42aと第2封止層42bとの接触面のうち、隔壁35と平面視で重なる部分と、隔壁35と平面視で重ならない部分とを断面視で比較した際に、隔壁35と平面視で重なる部分がそうでない部分よりも第2基材41側に位置するまで、対向基板52を素子基板51に圧力Xを付与することで押圧していく。
この際、額縁隔壁61が素子基板51と対向基板52との間のセルギャップを規定するスペーサーとしても機能する。
素子基板51に対向基板52を押圧していくと、第1シール材14aが潰されると共に、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液と水分封止層44とが額縁隔壁61および第1シール材14aよりも内側に押され充填される。このとき、表示領域Eに設けられた隔壁35の頂部35’は、対向基板52側に設けられた水分封止層44に接触し、さらに封止層42に食い込む。これにより、各セル36内に、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液と水分封止層44とが封止される。さらに、各セル36内で、この分散液に水分封止層44が溶け込むことで、第1材料と第2材料とを含む分散媒15となる。これにより、セル36毎に電気泳動粒子34と分散媒15とを含む電気泳動分散液37が封止される。また、隔壁35の頂部35’(対向基板52側の端部)は、対向基板52側に設けられた封止層42に食い込ませる構成のため、隔壁35の頂部35’(対向基板52側の端部)には、第2材料が存在(残存)する。すなわち隔壁35の頂部35‘と封止層42(構造材料の一例)との界面に第2材料が存在(残存)することとなる。
なお、各セル36内における、第1材料と電気泳動粒子34とを含む分散液に対する水分封止層44の溶け込みは、この分散液に対する水分封止層44の接触により能動的に行われても良いし、分散液に対して水分封止層44を接触させた状態で超音波等の微振動を付与するように受動的に行うようにしてもよい。
以上のようにして、対向基板52に設けられた封止層42に、隔壁35を食い込ませることで、素子基板51と対向基板52とが接合される。
この際、前記工程[2−3]を経ることで、封止層42上に水分封止層44が形成されており、封止層42における水分の吸収が適切に抑制されているため、この状態を維持したまま、本工程[3−3]を実施することにより、電気泳動分散液37内に含まれる水分の含有量が適切な範囲内に設定される。そのため、電気泳動粒子34の泳動特性に変化が生じるのを的確に抑制または防止されることから、優れた表示品質が維持された電気泳動表示装置10が製造される。
その後、図16に示すように、第1シール材14aが紫外線硬化型樹脂であれば紫外線Yを照射して、第1シール材14aを硬化させる。また、熱硬化型樹脂であれば、加熱することにより硬化させる。
素子基板51と対向基板52とを貼り合せたときのセルギャップは、20μm以上50μm以下程度であり、潰された第1シール材14aの幅は、例えば、200μm以上500μm以下である。
[3−4]次いで、図17に示すように、大気中において、第1シール材14aの外周に第2シール材14bを塗布して接着する(第2封止;ステップS34)。
これにより、素子基板51と対向基板52とを強固に接着固定することができる。
具体的には、第2シール材14bは、水分が入らず比較的低い粘度であり、隙間に入り込むことが重要であり、例えば、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等である。なお、第2シール材14bの粘度は、第1シール材14aの粘度よりも低く、例えば、100Pa・s以上500Pa・s以下であり、好ましくは、400Pa・s程度である。第2シール材14bの幅は、例えば、300μm以上500μm以下程度である。
第2シール材14bを塗布する方法としては、例えば、ディスペンサーやダイコーター等が用いられる。以上により、図17に示すように、素子基板51と対向基板52とによって挟持された空間が封止される。その後、必要に応じて、製品の形状に切断する。
以上のような工程を経ることで、電気泳動表示装置10が得られる。
(第2の製造方法)
また、電気泳動表示装置10は、以下に説明するような第2の製造方法を用いて製造することもできる。
図18は、本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図19〜図26は、本発明の電気泳動表示装置の第2の製造方法を説明するための図である。
以下、電気泳動表示装置の第2の製造方法を、図18〜図26を参照しながら説明する。
[1’]まず、素子基板51(第1基板)を用意し、その後、この素子基板51上に、電気泳動分散液37を充填する複数のセル36に区切る(設ける)ための隔壁35、35aおよび額縁隔壁61を含む各種隔壁を形成し、その後、各種隔壁のうち額縁隔壁61上に、水分封止層44を形成する。
すなわち、各種隔壁のうち、額縁隔壁61(隔壁)上に、選択的に、第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する水分封止層44を形成する。
本実施形態では、本工程[1’]により、対向基板52(第2基板)および隔壁の少なくとも一方に、第2材料を含有する水分封止層44を形成する工程が構成される。
[1−1’]まず、ガラス等の透光性材料からなる第1基材31上に、TFT16や、ITO等の光透過性材料からなる画素電極21等を形成する(ステップS11’)。
具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1基材31上にTFT16および画素電極21等を形成する。
[1−2’]次いで、第1基材31上に第1絶縁層32を形成する(ステップS12’)。
第1絶縁層32の製造方法としては、特に限定されず、例えば、第1基材31上に絶縁性材料を、スピンコート法等を用いて塗布し、その後、絶縁性材料を乾燥させることにより形成することができる。
以上により、素子基板51(第1基板)が完成する。
[1−3’]次いで、素子基板51(具体的には、第1絶縁層32)上に、各種隔壁を形成する(ステップS13’)。
より具体的には、表示領域Eの隔壁35と、表示領域Eの最外周の隔壁35aと、その外側に設ける額縁隔壁61と、を含む各種隔壁を同時に形成する。
隔壁35、35a、額縁隔壁61は、例えば、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて一括して形成することができる。
[1−4’]次いで、図19に示すように、第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を主材料として含有する水分封止層44を、隔壁35、35aおよび額縁隔壁61のうち額縁隔壁61上に形成する(ステップS14’)。
この水分封止層44は、各種塗布法および各種印刷法等を用いて、額縁隔壁61上に対して選択的に形成することができる。
以上の工程[1−1’]〜工程[1−4’]を経ることで、隔壁35、35aおよび額縁隔壁61と、水分封止層44とが形成された素子基板51(第1基板)が完成する。
[2’]次に、対向基板52を用意し、その後、この対向基板52上に、電気泳動分散液37をセル36内に封止するための封止層42を形成する。
[2−1’]まず、第2基材41上に共通電極22を形成する(ステップS21’)。
具体的には、ガラス基板等の透光性材料からなる第2基材41上の全面に、周知の成膜技術を用いて共通電極22を形成する。
以上により、対向基板52(第2基板)が完成する。
[2−2’]次いで、共通電極22上に封止層42、すなわち第1封止層42aおよび第2封止層42bを形成する(ステップS22’、ステップS23’)。
第1封止層42aおよび第2封止層42bの形成方法としては、図20に示すように、例えば、対向基板52上にNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)をスピンコート等の塗布法で成膜し、その後、PVA(ポリビニルアルコール)を同様に塗布法で成膜する。PVAには、上記したように、グリセリン等の添加剤が添加されている。
さらに、エッチング法を用いて、形成すべき第1封止層42aおよび第2封止層42bの形状に対応して、PVAおよびNBRをパターニングすることで、第1封止層42aおよび第2封止層42bを得る。なお、塗布法に限定されず、印刷法を用いて形成するようにしてもよい。
以上の工程[2−1’]〜工程[2−2’]を経ることで、封止層42が形成された対向基板52(第2基板)が完成する。
[3’]次に、図18、図21〜図26を参照しながら、素子基板51と対向基板52とを貼り合わせることで電気泳動表示装置10を得る。以下、この方法について説明する。
[3−1’]まず、図21に示すように、大気中において、額縁隔壁61の外周に第1シール材14aを塗布する(ステップS31’)。
第1シール材14aの材料は、例えば、比較的粘度の高い紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂(カヤトロン)等の液性硬化型樹脂が用いられる。第1シール材14aの粘度は、例えば、30万Pa・s〜100万Pa・sであり、好ましくは40万Pa・sである。塗布したときの第1シール材14aの幅は、真空に耐えられる程度の幅であり、例えば、200μm以上600μm以下程度である。
[3−2’]次いで、素子基板51上の表示領域E、すなわち、図22に示すように、額縁隔壁61で囲まれた領域内に、白色粒子および黒色粒子を含む電気泳動粒子34と、第1材料とを含有する分散液を塗布する(ステップS32’)。
これにより、素子基板51と隔壁35とで区画されたセル36内に、電気泳動粒子34が第1材料に分散された分散液が注入される。
塗布方法としては、例えば、ディスペンサーを用いる。また、ダイコーター等も適用することができる。なお、第1材料ひいては分散媒15として、シリコーンオイルを用いる場合、このシリコーンオイルの粘度は、例えば、2mPa・s以上10Pa・s以下である。第1材料の量としては、素子基板51と対向基板52とを貼り合せたときに、第1材料と、第2材料を主材料として含まれる水分封止層44との合計が、額縁隔壁61で囲まれた中を満たすような液量である。本実施形態において額縁隔壁61の高さは、例えば、15μm以上45μm以下程度である。
なお、額縁隔壁61が形成されていることにより、第1シール材14aが表示領域E側に入り込んで広がることを防ぐことができる。また、第1シール材14aの幅が所定の幅より広がらないように規制することができる。これにより、第1シール材14aの強度を十分に確保することができる。
[3−3’]次いで、図23に示すように、対向基板52に設けられた封止層42と、素子基板51に設けられた隔壁35が対向するように配置した後、図24に示すように、素子基板51と対向基板52との間に、電気泳動粒子34および第1材料を含有する分散液と、水分封止層44とを封止する(第1封止;ステップS33’)。
このとき、封止層42に隔壁35の頂部35’が食い込む(埋没する)よう、素子基板51と対向基板52とを接近させる。換言すれば、第1封止層42aと第2封止層42bとの接触面のうち、隔壁35と平面視で重なる部分と、隔壁35と平面視で重ならない部分とを断面視で比較した際に、隔壁35と平面視で重なる部分がそうでない部分よりも第2基材41側に位置するまで、対向基板52を素子基板51に圧力Xを付与することで押圧していく。
この際、額縁隔壁61が素子基板51と対向基板52との間のセルギャップを規定するスペーサーとしても機能する。
素子基板51に対向基板52を押圧していくと、第1シール材14aが潰されると共に、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液と水分封止層44とが額縁隔壁61および第1シール材14aよりも内側に押され充填される。このとき、表示領域Eに設けられた隔壁35の頂部35’は、対向基板52側に設けられた封止層42に食い込む。この際、表示領域Eの各セル36内、およびダミー画素領域Dのセル内に、額縁隔壁61上に形成されていた水分封止層44と、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液とが封止される。さらに、表示領域Eの各セル36内、およびダミー画素領域Dのセル内で、水分封止層44が、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液に溶け込むことで、第1材料と第2材料とを含む分散媒15となる。これにより、表示領域Eの各セル36内、およびダミー画素領域Dのセルに電気泳動粒子34と分散媒15とを含む電気泳動分散液37が封止される。また、額縁隔壁61は、対向基板52側に設けられた共通電極22に接合する構成のため、額縁隔壁61の頂部(対向基板52側の端部)には、第2材料が存在(残存)する。すなわち、額縁隔壁61と共通電極22(構造材料の一例)の界面に第2材料が存在(残存)することとなる。
なお、この第2の製造方法では、額縁隔壁61に形成された水分封止層44が、隔壁35の頂部35’が封止層42に食い込むのに先立って、額縁隔壁61と第1シール材14aとにより、額縁隔壁61の内側の領域に押し出され、その後、第2封止層42bの上面に沿って濡れ広がる。したがって、隔壁35の頂部35’が封止層42に食い込んだ際には、各セル36内において、電気泳動粒子34および第1材料を含む分散液に水分封止層44が溶け込むこととなり、その結果、第1材料と第2材料とを含む分散媒15が完成される。
以上のようにして、対向基板52に設けられた封止層42に、隔壁35を食い込ませることで、素子基板51と対向基板52とが接合される。
この際、前記工程[1−4’]を経ることで、額縁隔壁61上に水分封止層44が形成されている。この水分封止層44が、水分を封止する封止性を備えている。そして、第1シール材14aの材料は、例えば、比較的粘度の高い紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂(カヤトロン)等の液性硬化型樹脂が用いられ、その材料の種類によっては、吸湿性または吸着性を示すことがある。そのため、第1シール材14aが水分を含んでいる場合があるが、このような場合であったとしても、水分封止層44を越えて、第1シール材14a側から、セル36内に充填されている分散媒側に水分が移行するのを抑制することができる。したがって、この状態を維持したまま、本工程[3−3’]を実施することにより、電気泳動分散液37内に含まれる水分の含有量を適切な範囲内に設定することができる。そのため、電気泳動粒子34の泳動特性に変化が生じるのを的確に抑制または防止し得ることから、優れた表示品質が維持された電気泳動表示装置10が製造される。
その後、図25に示すように、第1シール材14aが紫外線硬化型樹脂であれば紫外線Yを照射して、第1シール材14aを硬化させた後に焼成する。また、熱硬化型樹脂であれば、加熱することにより硬化させるとともに、焼成する。これにより、素子基板51と対向基板52とを第1シール材14aを介して接合し得るとともに、第1シール材14aに含まれる水分を除去することができる。
素子基板51と対向基板52とを貼り合せたときのセルギャップは、20μm以上50μm以下程度であり、潰された第1シール材14aの幅は、例えば、200μm以上500μm以下である。
なお、図24では、対向基板52を素子基板51に圧力Xを付与することで押圧する際に、額縁隔壁61に形成された水分封止層44の全部がセル36内に封入されるものとして記載したが、この場合に限定されず、水分封止層44は、額縁隔壁61と第1シール材14aとの間に残存していてもよい。
[3−4’]次いで、図26に示すように、大気中において、第1シール材14aの外周に第2シール材14bを塗布して接着する(第2封止;ステップS34’)。
これにより、素子基板51と対向基板52とを強固に接着固定することができるので、第2シール材14bを介した電気泳動分散液37側への水分の移行が防止される。
具体的には、第2シール材14bは、水分が入らず比較的低い粘度であり、隙間に入り込むことが重要であり、例えば、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等である。なお、第2シール材14bの粘度は、第1シール材14aの粘度よりも低く、例えば、100Pa・s以上500Pa・s以下であり、好ましくは、400Pa・s程度である。第2シール材14bの幅は、例えば、300μm以上500μm以下程度である。
第2シール材14bを塗布する方法としては、例えば、ディスペンサーやダイコーター等が用いられる。以上により、図26に示すように、素子基板51と対向基板52とによって挟持された空間が封止される。その後、必要に応じて、製品の形状に切断する。
以上のような工程を経ることで、電気泳動表示装置10が得られる。
なお、電気泳動表示装置10は、上述した電気泳動表示装置の第1および第2の製造方法により必ずしも製造される必要はなく、例えば、第1材料と第2材料とを含む分散媒15に電気泳動粒子34が分散された電気泳動分散液37を予め用意し、その後、この電気泳動分散液37をセル36内に充填した後、素子基板51と対向基板52とを接合することで、電気泳動表示装置10を製造する方法によっても、電気泳動表示装置10を製造してもよい。
以上、本発明の電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明の電気泳動表示装置は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、隔壁35が格子状をなしていたが、隔壁35の平面視形状としては、特に限定されない。例えば、ハニカム状、多角形状、丸形状、三角形状等に構成されていてもよい。
また、素子基板51側に隔壁35や額縁隔壁61を配置することに限定されず、対向基板52側に隔壁35や額縁隔壁61を配置するようにしてもよい。
また、第1基材31および第2基材41は、表示側に光透過性を有する材料を用いればよく、ガラス基板の他、プラスチック基板を用いるようにしてもよい。
さらに、額縁隔壁61をスペーサーとして利用することに限定されない。素子基板51と対向基板52との間のセルギャップを規定するために、例えば別の部材をスペーサーとして設ける場合は、額縁隔壁61の高さは隔壁35の高さと等しくてもよい。
また、本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、任意の目的で、工程[1]の前工程、工程[1][1’]と工程[2][2’]との間、工程[2][2’]と工程[3][3’]との間に存在する中間工程、または工程[3] [3’]の後工程を追加するようにしてもよい。
さらに、本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前述した、第2の製造方法において、隔壁35、35aおよび額縁隔壁61のうち、額縁隔壁61に選択的に水分封止層44を形成して、電気泳動表示装置10を製造することとしたが、これに限らず、隔壁35、35aと額縁隔壁61との双方に水分封止層44を形成して、電気泳動表示装置10を製造するようにしてもよい。ただし、後者を選択することにより、セル36毎に封入される電気泳動分散液37中に含まれる第1材料および第2材料の含有量の均一化が図られると言う利点が得られる。
また、本発明の電気泳動表示装置の製造方法では、前述した、第1の製造方法と、第2の製造方法とを組み合わせるようにしてもよい。すなわち、封止層42と、隔壁35、35aおよび額縁隔壁61を含む各種隔壁との双方に水分封止層44を形成して、電気泳動表示装置10を製造するようにしてもよい。
また、隔壁35を、フォトリソグラフィ法を用いて形成することに限定されず、例えば、ナノインプリント法やスクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法等の印刷プロセスで形成するようにしてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.評価用サンプルの製造
(サンプルNo.1;実施例相当)
<1>まず、平均厚さ0.5mmのガラス基板を第1基材31として備え、その下面側に平板電極を備えるものを用意した。次に、この第1基材31上に、ウレタン樹脂で構成される樹脂層(31μm)を形成した後、この樹脂層をエッチングすることにより、幅5μm・高さ31μmの隔壁35を格子状に形成した。
<2>次いで、平均厚さ0.5mmのガラス基板を第2基材41として備え、その下面側に平板電極を備えるものを用意した。次に、この第2基材41上に、第1封止層42aおよび第2封止層42bを成膜することで封止層42を形成した。その後、この封止層42を、100℃×2時間の条件で焼成した。
なお、第1封止層42aおよび第2封止層42bの成膜は、第2基材41上にNBRをスピンコート法で成膜し、その後、PVAをスピンコート法で成膜することにより行った。なお、この際に得られた、第1封止層42aおよび第2封止層42bの厚さは、それぞれ、2μmおよび0.3μmであった。また、第1封止層42aの25℃における弾性率は、15MPaであった。
<3>次いで、第2基材41上に形成された封止層42上に、さらに、水分封止層44を形成した。
なお、水分封止層44の形成は、封止層42上に第2材料としてのシリコーンオイル(粘度:500Pa・s)をスピンコート法で成膜することにより行った。なお、この際に得られた、水分封止層44の厚さは、3μmであった。
<4>次いで、第1基材31上の隔壁35の外周に、液性エポキシ樹脂であるカヤトロンを第1シール材14aとして塗布した。その後、第1基材31と隔壁35とで形成された凹部内に電気泳動粒子34と、第1材料としてのシリコーンオイル(粘度:2mPa・s)とを含有する分散液を塗布することで注入した。
<5>次いで、前記工程<4>において、第1基材31と隔壁35により形成された凹部内に前記分散液が充填された第1基材31に対して、前記工程<2>〜前記工程<3>において、封止層42および水分封止層44が形成された第2基材41を、隔壁35と水分封止層44とが対向するようにして、第1基材31と第2基材41とを貼り合わせた。なお、この貼り合わせは、500Paの真空負圧環境下で、封止層42に隔壁35の頂部35’が食い込むまで、素子基板51に対向基板52を押圧した後に、第1シール材14aに紫外線を照射して硬化させることにより行った。なお、封止層42に隔壁35の頂部35’が食い込むことで形成された電気泳動層33の厚さは、30μmであった。
以上のような工程を経ることで、サンプルNo.1の評価用サンプルを製造した。
(サンプルNo.2;比較例相当)
前記工程<3>における、封止層42上に対する水分封止層44の形成を省略したこと以外は、前記サンプルNo.1と同様にしてサンプルNo.2の評価用サンプルを製造した。
2.評価
サンプルNo.1の評価用サンプルおよびサンプルNo.2の評価用サンプルについて、それぞれ、白色表示した際の白色反射率、および黒色表示した際の黒色反射率を測定し、これらからコントラストを算出した。
その結果、サンプルNo.1の評価用サンプルでは、コントラストが20%超であったのに対して、サンプルNo.2の評価用サンプルでは、コントラストが15%未満であった。
また、サンプルNo.1の評価用サンプルおよびサンプルNo.2の評価用サンプルについて、それぞれ、分解し、分散媒中に含まれる水分量を測定したところ、サンプルNo.1の評価用サンプルでは、500ppm程度であったのに対して、サンプルNo.2の評価用サンプルでは、3000ppm超であった。
これらのことから、サンプルNo.1の評価用サンプルでは、封止層42を被覆する水分封止層44を設けることで、封止層42からの電気泳動分散液37中への水分の移行が低減され、その結果、サンプルNo.1の評価用サンプルが優れた表示品質を示す結果が得られた。これに対して、サンプルNo.2の評価用サンプルでは、水分封止層44の形成が省略されることで、封止層42から電気泳動分散液37中に水分が移行し、その結果、サンプルNo.2の評価用サンプルの表示品質が損ねられていると推察される結果が得られた。
10…電気泳動表示装置、11…画素、12…データ線、13…走査線、14…シール部、14a…第1シール材、14b…第2シール材、15…分散媒、16…トランジスター、21…画素電極、22…共通電極、31…第1基材、32…第1絶縁層、33…電気泳動層、34…電気泳動粒子、35…隔壁、35'…頂部、35a…隔壁、36…セル、37…電気泳動分散液、41…第2基材、42…封止層、42a…第1封止層、42b…第2封止層、44…水分封止層、51…素子基板、52…対向基板、61…額縁隔壁、100…電子機器、110…操作部、D…ダミー画素領域、E…表示領域、E1…額縁領域、t1…平均厚さ、t2…食い込み量、W1…幅、W2…幅、W3…幅、X…圧力、Y…紫外線

Claims (9)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板と対向して配置された第2基板と、
    前記第1基板における前記第2基板に相対する側の面に立設され、前記第1基板と前記第2基板との間の空間を複数のセルに区切る隔壁と、
    複数の前記セル内に配置され、電気泳動粒子と分散媒とを含有する電気泳動分散液とを有し、
    前記分散媒は、第1分子量の第1材料と、前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料とを含有し、
    前記隔壁と前記第2基板との間には前記第2材料を含む水分封止層が存在することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 前記第2基板に形成された封止層を有し、前記水分封止層は、前記封止層と前記隔壁との間に位置する請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記封止層は、第1封止層と第2封止層とが前記第2基板の側からこの順で積層された積層体である請求項2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記第1材料と、前記第2材料とは、同一構造を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記第1材料と、前記第2材料とは、ともにシリコーンオイルである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  6. 第1分子量の第1材料および前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する分散媒と、電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液を充填する複数のセルに区切るための隔壁を第1基板上に形成する工程と、
    第2基板および前記隔壁の少なくとも一方に、前記第1分子量よりも分子量が大きい第2分子量の第2材料を含有する水分封止層を形成する工程と、
    前記電気泳動粒子が前記第1材料に分散された分散液を前記セル内に注入する工程と、
    前記水分封止層が介在するように、前記隔壁と前記第2基板とを接合する工程とを有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  7. 前記水分封止層は、平均厚さが1μm以上5μm以下の厚さで形成される請求項6に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  8. 前記隔壁は、平均高さが10μm以上150μm以下の高さで形成される請求項6または7に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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