JP6812169B2 - エネルギー需要設備の運用に関する計画作成装置及び計画作成方法 - Google Patents

エネルギー需要設備の運用に関する計画作成装置及び計画作成方法 Download PDF

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本発明は、エネルギー需要設備における運用のための計画を作成する計画作成装置、及び計画作成方法に関する。
特許文献1は、この種の計画作成装置としての保守計画支援システムを開示する。この特許文献1の保守計画支援システムは、発電プラントや空調機器等を対象に、機器ごとに単位時間当たりの保守コストが最小となるようにメンテナンス時期を提示し、それによりメンテナンス計画を立てる構成となっている。
また、特許文献2は、プラント最適運用計画装置を開示する。この特許文献2の計画装置は、発電プラント等を対象に、運用費用の最小化、及び、メンテナンス費用の最小化等を総合的に考慮して、プラントの運用計画を作成する構成となっている。運用費用は、プラント構成機器の燃料コストや受電電力料金等のエネルギーコストとして算出される。メンテナンス費用について、プラント構成機器のメンテナンス費用単価の設定が困難な場合には、機器の運転時間や起動停止回数等のそれぞれに重み係数を乗じて足し合わせた等価なメンテナンス費用が算出される。
特許第4977064号公報 特開2006−48474号公報
しかし、上記特許文献1及び2の構成では、プラント構成機器の運転状態に応じて当該機器の寿命が伸長したり短縮したりし、必要なメンテナンス間隔も変動することを考慮して計画を立案することができなかった。従って、複合エネルギーシステム全体として見たときのコストを低減する観点から改善の余地が残されていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、複合エネルギーシステムの稼動コストを全体的に適切に抑制できる運用計画を作成することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の計画作成装置が提供される。即ち、この計画作成装置は、エネルギー需要設備にエネルギーを供給する複数のエネルギー供給機器を備える複合エネルギーシステムにおいて、当該複合エネルギーシステムの運用計画及びメンテナンス計画を作成する。この計画作成装置は、機器寿命取得部と、評価関数生成部と、運用計画作成部と、メンテナンス計画作成部と、補正機器寿命取得部と、を備える。前記機器寿命取得部は、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す機器寿命を取得する。前評価関数生成部は、前記エネルギー供給機器の運転状態による前記機器寿命への影響を考慮に入れて、前記複合エネルギーシステムを運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数を、少なくとも前記各エネルギー供給機器における燃料コスト、前記各エネルギー供給機器が受電する電力の1日当たりの受電電力料金、及び、前記各エネルギー供給機器の1回当たりのメンテナンスコストを用いて生成する。前記運用計画作成部は、前記評価関数に基づいて、前記エネルギー需要設備でのエネルギー需要を満たしつつ、前記運用コスト及び前記メンテナンスコストの合計額が小さくなるように、前記運用計画を作成する。前記メンテナンス計画作成部は、前記運用計画作成部で作成した前記運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を作成する。前記補正機器寿命取得部は、前記複合エネルギーシステムの運用が開始された後に、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す補正機器寿命を取得する。前記評価関数生成部は、前記各エネルギー供給機器の前記運用計画における等価運転時間がその機器の寿命時間に到達する毎にその機器の1回当たりのメンテナンスコストが掛かると推定して前記メンテナンスコストを評価する評価関数を生成する。前記運用計画作成部は、前記運用計画を作成するときに前記各エネルギー供給機器の負荷設定値と起動停止タイミングとを時系列で出力する。前記補正機器寿命が前記機器寿命と閾値以上異なる場合、前記評価関数生成部は、前記機器寿命に代えて前記補正機器寿命を考慮に入れた新たな評価関数を生成する。前記運用計画作成部は、前記新たな評価関数に基づいて前記運用計画を再作成する。前記メンテナンス計画作成部は、前記作成し直された運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を再作成する。
これにより、機器寿命を考慮に入れて、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように運用計画及びメンテナンス計画を立てることができる。この結果、複合エネルギーシステム全体として見たときのコストを抑えることができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の計画作成方法が提供される。即ち、この計画作成方法は、エネルギー需要設備にエネルギーを供給する複数のエネルギー供給機器を備える複合エネルギーシステムにおいて、当該複合エネルギーシステムの運用計画及びメンテナンス計画を計画作成装置が作成する方法である。この計画作成方法は、機器寿命取得工程と、評価関数生成工程と、エネルギー需要取得工程と、運用計画作成工程と、メンテナンス計画作成工程と、補正機器寿命算出工程と、評価関数補正工程と、運用計画補正工程と、メンテナンス計画補正工程と、を備える。前記機器寿命取得工程では、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す機器寿命を取得する。前記評価関数生成工程では、前記エネルギー供給機器の運転状態による前記機器寿命への影響を考慮に入れて、前記複合エネルギーシステムを運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数を生成する。前記エネルギー需要取得工程では、前記エネルギー需要設備でのエネルギー需要を取得する。前記運用計画作成工程では、前記評価関数に基づいて、前記エネルギー需要を満たしつつ、前記運用コスト及び前記メンテナンスコストの合計額が小さくなるように、前記運用計画を作成する。前記メンテナンス計画作成工程では、前記運用計画作成工程で作成された前記運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を作成する。補正機器寿命算出工程では、前記複合エネルギーシステムの運用が開始された後に、それまでの前記各エネルギー供給機器の運用状況を示す運用データを考慮に入れて、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す補正機器寿命を算出する。評価関数補正工程では、前記補正機器寿命が前記機器寿命と閾値以上異なる場合、前記機器寿命に代えて前記補正機器寿命を考慮に入れた新たな評価関数を生成する。運用計画補正工程では、前記評価関数に代えて前記新たな評価関数に基づいて、前記運用計画を作成し直す。メンテナンス計画補正工程では、前記作成し直された運用計画に応じてメンテナンス計画を作成し直す。前記評価関数生成工程では、前記各エネルギー供給機器の前記運用計画における等価運転時間がその機器の寿命時間に到達する毎にその機器の1回当たりのメンテナンスコストが掛かると推定して前記メンテナンスコストを評価する評価関数を生成する。前記運用計画作成工程では、前記運用計画を作成するときに前記各エネルギー供給機器の負荷設定値と起動停止タイミングとを時系列で出力する。
これにより、機器寿命を考慮に入れて、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように運用計画及びメンテナンス計画を立てることができる。この結果、複合エネルギーシステム全体として見たときのコストを抑えることができる。
本発明によれば、複合エネルギーシステムの稼動コストを全体的に適切に抑制できる運用計画を作成することができる。
本発明の一実施形態に係る複合エネルギーシステムを示すブロック図。 複合エネルギーシステムにおける計画作成装置のブロック図。 複合エネルギーシステムにおいて設備導入前に事前検討するときに、運用計画及びメンテナンス計画を立てるために計画作成装置により行われる処理を示すフローチャート。 複合エネルギーシステムにおいて実際の運用を開始した後に、運用計画及びメンテナンス計画を再作成するために計画作成装置により行われる処理を示すフローチャート。 補正機器寿命算出部で算出した補正機器寿命が、前回評価関数に代入した機器寿命とは閾値以上異なっていた場合の具体例を示す図。 機器寿命に代えて、図5に示した補正機器寿命を考慮に入れて評価関数を生成し、これに基づいて運用計画を立て直した具体例を示す図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複合エネルギーシステム1を示すブロック図である。
図1に示す複合エネルギーシステム1は、複数のエネルギー供給機器5,9,13,14,15と、工場(エネルギー需要設備)12と、を備えて構成される。エネルギー供給機器5,9,13,14,15は、燃料を消費することによって工場12にエネルギーを供給する。工場12は、エネルギー供給機器5,9,13,14,15から供給されたエネルギーを消費するプラントである。
複数のエネルギー供給機器5,9,13,14,15は、本実施形態では、3つのコージェネレーションシステム13,14,15と、1つのガスエンジン5と、1つのガス焚ボイラ9と、で構成される。
コージェネレーションシステム13は、ガス燃料を消費して駆動されるガスタービン2と、当該ガスタービン2から排出される排出ガスが導かれることにより蒸気を生産する排熱ボイラ6と、により構成される。コージェネレーションシステム13では、ガスタービン2が駆動されることにより発電機が駆動されて電力が生産されると同時に、ガスタービン2から排出される排気ガスが排熱ボイラ6に供給されて熱エネルギーとしての蒸気が生産される。
コージェネレーションシステム14は、上記のガスタービン2及び排熱ボイラ6とは異なる機器特性を有するガスタービン3及び排熱ボイラ7により構成される。コージェネレーションシステム14では、ガスタービン3が駆動されることにより発電機が駆動されて電力が生産されると同時に、ガスタービン3から排出される排気ガスが排熱ボイラ7に供給されて熱エネルギーとしての蒸気が生産される。
コージェネレーションシステム15は、ガス燃料を消費して駆動されるガスエンジン4と、当該ガスエンジン4から排出される排出ガスが導かれることにより蒸気を生産する排熱ボイラ8と、により構成される。コージェネレーションシステム15では、ガスエンジン4が駆動されることにより発電機が駆動されて電力が生産されると同時に、ガスエンジン4から排出される排気ガスが排熱ボイラ8に供給されて熱エネルギーとしての蒸気が生産される。
ガスエンジン5は、ガス燃料を消費して駆動される。ガスエンジン5は、図示しない発電機に動力を提供し、これにより電力が生産される。
ガス焚ボイラ9は、ガス燃料を消費して水を加熱することにより、熱エネルギーとしての蒸気を生産する。
図1に示すように、コージェネレーションシステム13,14,15及びガスエンジン5で生産された電力は、工場12に供給される。また、必要に応じて、外部電力(商用電力)10が工場12に供給される。
また、排熱ボイラ6,7,8及びガス焚ボイラ9で生産された蒸気の一部は、チラー11に供給される。チラー11では、熱媒体が循環されて冷水が生産される。この冷水は工場12に供給され、冷房等に利用される。
排熱ボイラ6,7,8及びガス焚ボイラ9で生産された蒸気の残りの部分は、工場12に供給され、生産設備及び給湯、暖房等に利用される。
コージェネレーションシステム13、コージェネレーションシステム14、コージェネレーションシステム15、ガスエンジン5、及びガス焚ボイラ9(エネルギー供給機器。以下、これらの各々を「機器」と称する場合がある。)は、燃料を供給するための図略の燃料供給装置に接続されている。また、これらの機器は、駆動(稼動)状態を制御するための図略の制御装置に電気的に接続されている。また、これらの機器、工場12、前記燃料供給装置及び前記制御装置は、ネットワークを介して後述の計画作成装置20(図2を参照)と接続されている。この構成により、計画作成装置20は、前記各機器や工場12や前記制御装置等との間でデータの送受信を行うことが可能となっている。これにより、後に詳述するように、計画作成装置20は最適な運用計画を提示して、オペレータの運転を支援することが可能である。
図2に示すように、計画作成装置20はネットワークを介してデータベース16に接続されている。このデータベース16には、後述するパラメータ、具体的には、各機器における燃料コスト(Fi)や、受電電力料金(Bt)や、1日当たりの機器iの等価運転時間(Gi、より具体的にはα,β)や、各機器の1回当たりのメンテナンスコスト(Mi)等の値が格納されている。ただし、データベース16は、計画作成装置20の内部に構築されても良い。
以下では、図2を参照して、計画作成装置20の詳細な構成について説明する。図2は、複合エネルギーシステム1における計画作成装置20のブロック図である。
図2に示すように、計画作成装置20は、機器寿命取得部21と、評価関数生成部22と、運用計画作成部23と、メンテナンス計画作成部24と、補正機器寿命算出部(補正機器寿命取得部)25と、を主として備える。
計画作成装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータとして構成されており、図示しない演算部(CPU)、記憶部(ROM、RAM等)を備える。記憶部には、複合エネルギーシステム1の運用計画及びメンテナンス計画を作成するための計画作成プログラムが記憶されている。以上に示すハードウェアとソフトウェアの協働により、計画作成装置20を、機器寿命取得部21、評価関数生成部22、運用計画作成部23、メンテナンス計画作成部24、及び補正機器寿命算出部25等として動作させることができる。
計画作成装置20は、各機器の実質的な機器寿命の長さが当該機器の運転状態によって影響を受けることを考慮に入れて、複合エネルギーシステム1の総合的な運用コスト及びメンテナンスコストが小さくなるように、運用計画及びメンテナンス計画を作成するものである。
機器寿命取得部21は、各機器の寿命の初期値を取得する。具体的には、機器寿命取得部21では、工場12の実際の運用が開始される前の段階における、それぞれの機器において運用が開始されてから最初にメンテナンスが必要になるまでの期間の推定値(以下、「初期寿命」と称する場合がある。)が取得される。本実施形態では、各機器の初期寿命は、予めオペレータ等により入力されて、機器寿命取得部21で取得される構成となっている。
評価関数生成部22は、複合エネルギーシステム1を運用及びメンテナンスするのに必要となる、総合的な運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数を生成する。評価関数生成部22には、上述のネットワークを介して、工場12における1日の電力需要及び熱需要の値等が入力されるようになっている。ここで、本実施形態においては、上記の電力需要及び熱需要として、データベース16から取得される工場12の1日の電力需要パターン、及び熱需要パターンが入力される。なお、評価関数の詳細については、後述する。
評価関数生成部22に入力される複数の制約条件の中には、上記の電力需要及び熱需要が含まれる。上記の電力需要及び熱需要は、前年以前の同時期の需要実績、近日の需要実績、天気予報(特に気温の変動)等が考慮に入れられて算出されてもよい。また、図示はしていないが、その他の制約条件として、複合エネルギーシステム1における運用制約、及び各機器の特性(性能)に起因する制約による制約条件等が、評価関数生成部22に入力される。
運用計画作成部23は、評価関数生成部22で生成された評価関数に基づいて、少なくとも電力需要及び熱需要を含む複数の制約条件を満たしつつ、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように(本実施形態では、最小となるように)、複数の機器の総合的な運用計画を最適化手法により算出する。最適化手法としては公知のあらゆる手法を適用することができるが、本実施形態では、メタヒューリスティック手法の一種である粒子群最適化が用いられている。
メンテナンス計画作成部24は、運用計画作成部23で作成した運用計画に応じて、複数の機器の総合的なメンテナンス計画を作成する。具体的には、メンテナンス計画作成部24は、各機器について、運用計画において各機器が寿命時間に達したとき又は達するよりも前に当該各機器のメンテナンスが行われるように、メンテナンス計画を作成する。
補正機器寿命算出部25は、複合エネルギーシステム1の実際の運用が開始された後の適宜のタイミングで、機器のそれまでの運用状況を示す運用データをデータベース16から取得し、これに基づいてその機器の余寿命を計算して、補正後の機器寿命として取得する。即ち、機器のそれまでの運用状況を考慮に入れると、実際の機器寿命が、機器寿命取得部21で取得した初期寿命に基づく余寿命よりも短くなったり長くなったりする(変化している)場合が考えられる。そこで、補正機器寿命算出部25は、過去の運用データを反映させた、初期寿命よりもタイムリーで正確な機器寿命として、補正後の機器寿命(以下、「補正機器寿命」と称する場合がある。)を算出して取得する。
以下では、評価関数生成部22で生成される評価関数について、詳細に説明する。本実施形態の評価関数Jは、複合エネルギーシステム1を運用及びメンテナンスするのに掛かる、1日当たりの総合的な運用コスト及びメンテナンスコストの合計額を評価するものであり、以下の式(1)により表される。
Figure 0006812169
式(1)の右辺の第1項のうち、Fiは、機器iの燃料コスト(円)を表す。本実施形態では、Fiを、機器iの(t−1)時からt時までの運転状態xi,tの関数で表している(ただし、tは1から24までの整数である)。ここで、機器iの運転状態とは、当該機器iの負荷率及び起動停止状態等を示す変数である。即ち、式(1)の右辺の第1項は、各機器で1日当たりに掛かる燃料コストの総和(全機器で1日当たりに掛かる燃料コスト)を表す。
式(1)の右辺の第2項のうち、Btは、(t−1)時からt時までの受電電力料金(円/kWh)を表す。式(1)の第2項のうち、ytは、(t−1)時からt時までの受電電力(kW)を表す。従って、式(1)の右辺の第2項は、1日当たりの買電の電気料金、言い換えれば、図1に示す外部電力10から受電する電力の1日当たりの料金を表す。
以上により、式(1)の右辺の第1項と第2項とを加えたものは、複合エネルギーシステム1における1日当たりのエネルギーコストを意味する。
式(1)の右辺の第3項のうち、Giは、1日当たりの機器iの等価運転時間(h)を表す。本実施形態では、Giを、機器iの24時間分の運転状態xi,1,xi,2,・・・,xi,24の関数で表している。なお、この等価運転時間については、後に詳述する。
式(1)の右辺の第3項のうち、Tiは、機器iの寿命時間(h)を表す。GiをTiで除した値(Gi/Ti)は、機器iにおいてメンテナンスが必要となる頻度(1日当たりの換算値)を意味する。つまり、この評価関数においては、機器iの等価運転時間が機器iの寿命時間に達する度にメンテナンスの必要が生じるものとして、メンテナンスコストを評価している。
式(1)の右辺の第3項のうち、Miは、機器iの1回当たりのメンテナンスコスト(円)である。このMiを上記のGi/Tiに乗じた値は、機器iのメンテナンスコスト(1日当たりの換算値)を表す。従って、式(1)の右辺の第3項は、各機器で1日当たりに掛かるメンテナンスコストの総和(全機器で1日当たりに掛かるメンテナンスコスト)を表す。
以上のように、評価関数生成部22で生成される評価関数では、複合エネルギーシステム1を運用及びメンテナンスするのに掛かる、1日(24時間)単位での総合的な運用コスト及びメンテナンスコストの合計額(J)が評価される。
ここで、本実施形態において、機器iの等価運転時間を表すGiは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006812169
ここで、式(2)の「実運転時間」、「起動停止回数」、及び「高負荷運転時間」は、機器iの24時間分の運転状態xi,1,xi,2,・・・,xi,24が与えられることにより、容易に計算することができる。起動停止回数に乗算される重み係数αは、起動と停止を1回行うことによる機器iの劣化が通常運転の何時間分に相当するかを考慮して決定される。高負荷運転時間に乗算される重み係数βは、高負荷運転を行うことで通常運転と比較してどの程度速く機器iの劣化が進行するかを考慮して決定される。
これにより、各機器iにおいてメンテナンスが必要となる時期を、各機器iの運転計画に即して算出された等価運転時間に基づいて推定することができ、メンテナンスコストを運用計画に即して評価することができる。
即ち、本実施形態の計算方法とは別の計算方法として、運転状態(負荷の大小等)については特に考慮しない各機器の実際の運転時間を、当該機器の寿命時間で除することにより、メンテナンスが必要となる頻度(ひいては、メンテナンス時期)を求めることも考えられる。しかしながら、この方法では、この機器の起動停止回数や、高負荷運転時間等について何ら考慮がされておらず、メンテナンスが必要となる時期を実際の運用に即して推定することはできない。この点、本実施形態の評価関数では、当該機器の起動停止回数や高負荷運転時間を考慮した等価運転時間を、当該機器の寿命時間で除することにより、メンテナンスが必要となる時期(ひいては、メンテナンス時期)を算出している。従って、劣化し易い運転状態を多用する運用では機器寿命の到来が実質的に前倒しされることを適切に考慮しながら、メンテナンスが必要となる時期を推定することができる。
式(1)において、決定変数は、各機器iの24時間分の運転状態xi,tと、24時間分の受電電力ytである。運用計画の作成とは、式(1)を評価関数とする最適化問題を解くことにより上記の決定変数を求めることにほかならない。
上述の評価関数Jを用いて複合エネルギーシステム1の運用計画を作成するに際して、以下の式(3)に示す電力需要の式と、式(4)に示す蒸気需要の式と、が制約条件として考慮される。
Figure 0006812169
Figure 0006812169
式(3)のうち、左辺のEt demは、(t−1)時からt時までの電力需要(kW)を表す。式(3)の右辺のうち第1項のEiは、機器iの発電量(kW)を表す。本実施形態では、Eiを、機器iの(t−1)時からt時までの運転状態xi,tの関数で表している。式(3)の右辺のうち第2項のytは、(t−1)時からt時までの受電電力(kW)を表す。即ち、式(3)は、1日のどの時点でも、複合エネルギーシステム1において発電される電力量及び買電の電力量の総和が、電力需要と等しくならなければならないことを表している。
式(4)のうち、左辺のSt demは、(t−1)時からt時までの蒸気需要(トン/h)を表す。式(4)の右辺のSiは、機器iの蒸気発生量(トン/h)を表す。本実施形態では、Siを、機器iの(t−1)時からt時までの運転状態xi,tの関数で表している。即ち、式(4)は、1日のどの時点でも、複合エネルギーシステム1において発生される蒸気量が、蒸気(熱)需要と同じかそれよりも多くなければならないことを表している。
以下では、複合エネルギーシステム1において、設備導入前の事前検討の段階で、当該複合エネルギーシステム1の運用計画及びメンテナンス計画を立てるために計画作成装置20により行われる処理について、図3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
初めに、計画作成装置20の機器寿命取得部21は、各機器の初期寿命の値を取得する(ステップS101、機器寿命取得工程)。これにより、後に評価関数に代入される機器寿命(この場合は、初期寿命)Tiの値が得られる。続いて、計画作成装置20の評価関数生成部22は、上述の評価関数を生成するために、必要なパラメータ(本実施形態では、具体的には、(t−1)時からt時までの受電電力料金Bt、各機器の1回当たりのメンテナンスコストMiのほか、燃料コストFiを決定するパラメータ、1日当たりの機器iの等価運転時間Giを決定するパラメータ等)の値をデータベース16から取得する(ステップS102)。続いて、評価関数生成部22は、式(1)に、ステップS102で取得したパラメータ(Bt)の値を代入するとともに、ステップS101で取得した各機器の初期寿命の値を機器寿命(Ti)の値として代入することで、評価関数を生成する(ステップS103、評価関数生成工程)。
続いて、計画作成装置20の評価関数生成部22は、電力需要及び熱需要を含む複数の制約条件を取得する(ステップS104、エネルギー需要取得工程)。この制約条件には、上記の式(3)及び式(4)で説明したものが含まれる。
続いて、計画作成装置20の運用計画作成部23は、ステップS104で取得した制約条件を満たしつつ、運用コスト及びメンテナンスコストの合計(即ち、Jの値)が最小となるような運用計画を算出する(ステップS105、運用計画作成工程)。具体的には、機器iの24時間分の運転状態xi,t及び受電電力ytが算出される。
続いて、計画作成装置20のメンテナンス計画作成部24は、ステップS105で算出した運用計画に応じて、各機器のメンテナンス計画を算出する(ステップS106、メンテナンス計画作成工程)。即ち、各機器iにおいて、運用中に機器寿命が到来して突然稼動が停止する等といったトラブルが生じることなく、また効率よくメンテナンスが行われるように、メンテナンス計画を作成する。具体的には、等価運転時間Giが寿命に到達する時期にメンテナンスが行われるように、メンテナンス計画を作成する。
以上で示したステップS101からステップS106までの一連の処理が計画作成装置20で行われることにより、複合エネルギーシステム1において各機器の機器寿命が当該機器の運転状態によって影響を受けることを考慮に入れて、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように運用計画及びメンテナンス計画を立てることができる。これにより、複合エネルギーシステム1を総合的に見たときのコストを抑えることができる。
以上に説明したように、本実施形態の計画作成装置20は、工場(エネルギー需要設備)12にエネルギーを供給する複数の機器(エネルギー供給機器)5,9,13,14,15を備える複合エネルギーシステム1において、この複合エネルギーシステム1の運用計画及びメンテナンス計画を作成するものである。この計画作成装置20は、機器寿命取得部21と、評価関数生成部22と、運用計画作成部23と、メンテナンス計画作成部24と、を備える。機器寿命取得部21は、各機器5,9,13,14,15の寿命時間を示す機器寿命(初期寿命)を取得する。評価関数生成部22は、各機器5,9,13,14,15の運転状態による機器寿命への影響を考慮に入れて、複合エネルギーシステム1を運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数Jを生成する。運用計画作成部23は、評価関数Jに基づいて、工場12でのエネルギー需要を満たしつつ、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように、運用計画を作成する。メンテナンス計画作成部24は、運用計画作成部23で作成した運用計画に応じて、メンテナンス計画を作成する。
これにより、機器寿命を考慮に入れて、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように運用計画及びメンテナンス計画を立てることができ、複合エネルギーシステム1全体として見たときのコストを抑えることができる。
また、本実施形態の計画作成装置20においては、評価関数生成部22は、各機器5,9,13,14,15の運用計画における等価運転時間(式(1)におけるGi)がその機器5,9,13,14,15の寿命時間に到達する毎にその機器5,9,13,14,15の1回当たりのメンテナンスコストが掛かると推定して、メンテナンスコストを評価する評価関数Jを生成する。
これにより、メンテナンスが必要となる時期を、等価運転時間ではなく通常の運転時間に基づいて算出した場合よりも正確に推定してメンテナンスコストを評価することができる。
また、本実施形態の計画作成装置20においては、機器5,9,13,14,15の運用計画における等価運転時間(式(1)におけるGi)は、その機器5,9,13,14,15の起動停止回数と、高負荷運転時間と、を含む複数の決定変数のそれぞれに重み係数α,βを乗じたものを当該機器の運転時間に加算することにより算出される(式(2)を参照)。
これにより、メンテナンスが必要となる時期を、機器5,9,13,14,15の運用計画に即して算出された等価運転時間(式(1)におけるGi)に基づいて推定して、メンテナンスコストを評価することができる。また、重み係数α,βの値を適切に設定することにより、各機器5,9,13,14,15においてメンテナンスが必要となる時期を、精度よく求めることができる。
また、本実施形態における計画作成装置20においては、複数の機器5,9,13,14,15には、コージェネレーションシステム(熱電併給機器)13,14,15が含まれる。運用計画作成部23は、工場12でのエネルギー需要としての電力需要と熱需要(蒸気需要)との双方を満たすように、運用計画を作成する。
これにより、複合エネルギーシステム1において、熱電併給機器としてのコージェネレーションシステム13,14,15を活用して、高い総合エネルギー効率を低コストで実現できる。
また、本実施形態における計画作成方法は、工場(エネルギー需要設備)12にエネルギーを供給する複数の機器(エネルギー供給機器)5,9,13,14,15を備える複合エネルギーシステム1において、この複合エネルギーシステム1の運用計画及びメンテナンス計画を作成する方法である。この計画作成方法は、機器寿命取得工程と、評価関数生成工程と、エネルギー需要取得工程と、運用計画作成工程と、メンテナンス計画作成工程と、を備える。機器寿命取得工程では、前記機器5,9,13,14,15の寿命時間を示す機器寿命(本実施形態では、初期寿命)を取得する。評価関数生成工程では、機器5,9,13,14,15の運転状態による機器寿命への影響を考慮に入れて、複合エネルギーシステム1を運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数Jを生成する。エネルギー需要取得工程では、工場12でのエネルギー需要を取得する。運用計画作成工程では、評価関数Jに基づいて、エネルギー需要を満たしつつ、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように、運用計画を作成する。メンテナンス計画作成工程では、運用計画作成工程で作成された運用計画に応じて、メンテナンス計画を作成する。
これにより、機器寿命を考慮に入れて、運用コスト及びメンテナンスコストの合計額が小さくなるように運用計画及びメンテナンス計画を立てることができ、複合エネルギーシステム1全体として見たときのコストを抑えることができる。
以下では、複合エネルギーシステム1において実際の運用を開始した後に、当該複合エネルギーシステム1の運用計画及びメンテナンス計画を適宜再作成するために計画作成装置20により行われる処理について、図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
初めに、計画作成装置20の補正機器寿命算出部25は、機器の運用データを参照することにより、機器の少なくとも何れかの補正機器寿命の値を算出する(補正機器寿命算出工程)。ステップS201においては、計画作成装置20は、補正機器寿命が取得されたか否かを判断する。その結果、補正機器寿命が取得された場合には(ステップS201、Yes)、次のステップS202に移行する。補正機器寿命が取得されなかった場合には(ステップS201、No)、補正機器寿命が取得されるまで監視をし続ける(ステップS201の判断を繰り返す)。
続いて、計画作成装置20の生成部22は、運用計画及びメンテナンス計画を再作成する必要があるか否かを判断するために、ステップS201で取得した補正機器寿命が、前回、運用計画及びメンテナンス計画を立てるために評価関数に代入した機器寿命に基づく余寿命と比較して、閾値以上異なっているか否かを判断する(ステップS202)。
ステップS202の判断の結果、補正機器寿命が、前回代入した機器寿命に基づく余寿命と閾値以上異なっている場合(ステップS202、Yes)、機器寿命の変化(補正前と補正後の値の変化)がメンテナンスコストに与える影響が大きいと考えられるため、機器寿命として補正機器寿命を採用して運用計画及びメンテナンス計画を再作成する処理を行う(ステップS203〜ステップS207)。
具体的には、計画作成装置20の評価関数生成部22は、上述の評価関数を生成するために、必要なパラメータ(本実施形態では、具体的には、(t−1)時からt時までの受電電力料金Bt)の値をデータベース16から取得する(ステップS203)。続いて、ステップS203で取得したパラメータ(Bt)の値を式(1)の式に代入し、補正機器寿命の値を機器寿命(Ti)の値として式(1)の式に代入して、補正後の評価関数を作成する(ステップS204、評価関数補正工程)。
続いて、計画作成装置20の評価関数生成部22は、電力需要及び熱需要を含む複数の制約条件の式を取得する(ステップS205、エネルギー需要取得工程)。続いて、計画作成装置20の運用計画作成部23は、ステップS204の処理の結果として作成される新たな評価関数に基づいて、ステップS205で取得した制約条件を満たしつつ、運用コスト及びメンテナンスコストの合計(即ち、Jの値)が最小となるような運用計画を作成する(ステップS206、運用計画補正工程)。即ち、運用計画を更新する。
続いて、計画作成装置20のメンテナンス計画作成部24は、ステップS206で新たに作成された運用計画に応じて、各機器のメンテナンス計画を作成する(ステップS207、メンテナンス計画補正工程)。即ち、更新された運用計画に応じて、メンテナンス計画も更新する。
以上で説明したステップS201からステップS207までの一連の処理が計画作成装置20で行われることにより、複合エネルギーシステム1において、当該複合エネルギーシステム1の実際の運用が開始された後の運用データ(各機器の運用の履歴)を考慮に入れて、初期寿命よりもタイムリーで正確な機器寿命(補正機器寿命)を算出することができる。そして、この正確な機器寿命(補正機器寿命)を反映させて、運用計画及びメンテナンス計画を適宜作成し直すことができる。
なお、補正機器寿命算出部25で機器の補正機器寿命を算出するために参照される運用データには、例えば、機器の実運転時間、起動停止回数、高負荷運転時間、温度センサ検出値、及び圧力センサ検出値等が含まれるが、これらに限るものではない。即ち、これらに加えて、又はこれらに代えて、他の値(例えば、機器の過去の運転の履歴を示すデータ)が含まれることとしてもよい。
図5には、計画作成装置20の補正機器寿命算出部25で、運用データを参照して補正機器寿命を算出した結果、この補正機器寿命が、前回評価関数に代入した機器寿命に基づく余寿命とは閾値以上異なっていた場合の具体例を例示している。図5の場合では、補正機器寿命が、前回評価関数に代入した機器寿命に基づく余寿命よりも短くなっている。
図5に例示した場合では、仮に前回立てた運用計画のまま機器の運用を続けたとすると、早期に機器の寿命が到来してしまう。そこで、本実施形態では、補正機器寿命算出部25で取得した補正機器寿命を反映させて、運用計画及びメンテナンス計画を立て直すことにしている。これにより、例えば図6に示すように、この機器(余寿命診断の結果、補正機器寿命が前回の機器寿命に基づく余寿命に対して短くなった機器)を稼動する際の起動停止回数又は高負荷運転時間が小さくなるように修正した運用計画を運用計画作成部23で作成し直し、この運用計画に従ってこの機器を稼動することにより、この機器をより長く使えるようにすることができる。図6は、機器寿命に代えて補正機器寿命を考慮に入れて評価関数を生成し、これに基づいて運用計画を立て直した具体例を示す図である。
図6のグラフは、ある機器を運用する場合の実時間と等価運転時間との関係を示している。当初の運用計画では、推定した初期寿命に基づき、実時間のAの時点で寿命が到来してメンテナンスを行うことが想定されていた。しかしながら、ある時点で余寿命診断を行った結果、得られた余寿命(補正機器寿命)が当初の想定よりも短く、運用を従来どおり継続すると実時間のBの時点でメンテナンスを行わなければならないことが判明したとする。この場合に、太い破線で示すように、例えば当該機器の高負荷運転時間の割合を短くすることで等価運転時間の増加を抑えた運用計画を再作成することで、実際にメンテナンスを行わなければならない時期を、Bより遅いCの時点まで遅らせることができる。
即ち、メンテナンス間隔が短くなると、それに伴いメンテナンスコストが増大することが考えられる。そこで、本実施形態では、寿命が短くなり過ぎる場合には、上記の最適化の手法を用いることにより、エネルギーコストとメンテナンスコストのバランスを再調整するようにしている。
なお、図6で示した例では、等価運転時間の増加の傾きが小さくなるように機器の運用計画を修正しているが、これは例示に過ぎない。例えば、一部の機器において等価運転時間の増加の傾きが大きくなるように運用計画を修正することで、全体としてのコストを低下させることができる場合もあり得る。
以上に説明したように、本実施形態の計画作成装置20は、複合エネルギーシステム1の運用が開始された後に、各機器5,9,13,14,15の寿命時間を示す補正機器寿命を取得する補正機器寿命算出部25を更に備える。評価関数生成部22は、補正機器寿命が前回評価関数に代入した機器寿命に基づく余寿命と異なる場合には、機器寿命に代えて補正機器寿命を考慮に入れた新たな評価関数(式(1)のTiに、補正機器寿命を代入してなる関数)を生成する。運用計画作成部23は、新たな評価関数に基づいて、運用計画を再作成する。メンテナンス計画作成部24は、新しい運用計画に応じて、メンテナンス計画を再作成する。
これにより、複合エネルギーシステム1の実際の運用が開始された後の運用データを考慮に入れて算出された、より正確な機器寿命(補正機器寿命)を反映させて、運用計画及びメンテナンス計画を作成し直すことができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態の複合エネルギーシステム1は、エネルギー供給機器として、コージェネレーションシステム13,14,15、ガスエンジン5及びガス焚ボイラ9を備えるものとしたが、これに限るものではなく、例えばこれに代えて、又はこれに加えて、他のエネルギー供給機器であるBTG(Boiler Turbine Generator)や、ボイラや、ごみ焼却プラントや、太陽光発電機器や、風力発電機器等を備えていてもよい。
上記の実施形態では、補正機器寿命算出部25で補正機器寿命が取得されて、かつ、その補正機器寿命が前回評価関数に代入された機器寿命と閾値以上異なる場合に限り、運用計画及びメンテナンス計画の立て直しが行われるものとしたが、これに限るものではない。例えば、計算条件(例えば、制約条件や、評価関数に代入するパラメータ。より具体的には、例えば、電力需要や、電気・ガス料金。)の変化度合を考慮して、運用計画及びメンテナンス計画を作成し直す計算をするメリットが大きい場合に、図4に示したのと同様の流れで、運用計画及びメンテナンス計画が立て直されるものとしてもよい。
運用計画及びメンテナンス計画の立て直しは、計算条件が流動的なのに合わせて、瞬時瞬時行われるものとしてもよい。
上記の実施形態では、複合エネルギーシステム1は、熱(蒸気)供給機器としてコージェネレーションシステム(熱電併給機器)13,14,15を備えるものとしたが、これに限るものではない。即ち、これに代えて、熱エネルギーのみを供給する熱(蒸気)供給機器(例えば、ガス焚ボイラ)と、電力のみを供給する電力供給機器と、を個別に備えるものとしてもよい。
評価関数の時間的な単位は、1日に限らず、それより長くても短くてもよい。例えば平日か休日かに応じて複数の運用パターンを用意して、エネルギーコストとメンテナンスコストの合計額を長期間(例えば、1年間)の評価関数で評価すると、より適切な運用計画を得ることができる。具体的に説明すると、評価関数J(1年当たりの総合的な運用コスト及びメンテナンスコストの合計額)は、例えば以下の式で表される。
=D×J+D×J
ただし、
:平日1日当たりの総合的な運用コスト及びメンテナンスコストの合計額
:休日1日当たりの総合的な運用コスト及びメンテナンスコストの合計額
:年間の平日日数
:年間の休日日数
である。式中のJ及びJbは、Jでは平日における決定変数が用いられ、Jbでは休日における決定変数が用いられる点以外は、上述の式(1)の評価関数Jと同様であるので、詳細な説明は省略する。また、最適化にあたっての制約条件においても、Jの決定変数は平日の制約条件に従い、Jbの決定変数は休日の制約条件に従う点以外は、上述の式(3)及び式(4)と同様に考えれば良い。
評価関数は、複合エネルギーシステム1が売電を考慮する場合に、外部に送電する電力量を考慮に入れたものとしてもよい。即ち、式(1)の右辺において、1日当たりの売電収入(円)をエネルギーコストから減算する項が追加されてもよい。
1 複合エネルギーシステム
5 ガスエンジン(エネルギー供給機器)
9 ガス焚ボイラ(エネルギー供給機器)
12 工場(エネルギー需要設備)
13 コージェネレーションシステム(エネルギー供給機器、熱電併給機器)
14 コージェネレーションシステム(エネルギー供給機器、熱電併給機器)
15 コージェネレーションシステム(エネルギー供給機器、熱電併給機器)
20 計画作成装置
21 機器寿命取得部
22 評価関数生成部
23 運用計画作成部
24 メンテナンス計画作成部
25 補正機器寿命算出部(補正機器寿命取得部)

Claims (4)

  1. エネルギー需要設備にエネルギーを供給する複数のエネルギー供給機器を備える複合エネルギーシステムにおいて、この複合エネルギーシステムの運用計画及びメンテナンス計画を作成する計画作成装置であって、
    前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す機器寿命を取得する機器寿命取得部と、
    前記エネルギー供給機器の運転状態による前記機器寿命への影響を考慮に入れて、前記複合エネルギーシステムを運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数を、少なくとも前記各エネルギー供給機器における燃料コスト、前記各エネルギー供給機器が受電する電力の1日当たりの受電電力料金、及び、前記各エネルギー供給機器の1回当たりのメンテナンスコストを用いて生成する評価関数生成部と、
    前記評価関数に基づいて、前記エネルギー需要設備でのエネルギー需要を満たしつつ、前記運用コスト及び前記メンテナンスコストの合計額が小さくなるように、前記運用計画を作成する運用計画作成部と、
    前記運用計画作成部で作成した前記運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を作成するメンテナンス計画作成部と、
    前記複合エネルギーシステムの運用が開始された後に、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す補正機器寿命を取得する補正機器寿命取得部と、
    を備え
    前記評価関数生成部は、前記各エネルギー供給機器の前記運用計画における等価運転時間がその機器の寿命時間に到達する毎にその機器の1回当たりのメンテナンスコストが掛かると推定して前記メンテナンスコストを評価する評価関数を生成し、
    前記運用計画作成部は、前記運用計画を作成するときに前記各エネルギー供給機器の負荷設定値と起動停止タイミングとを時系列で出力し、
    前記補正機器寿命が前記機器寿命と閾値以上異なる場合、前記評価関数生成部は、前記機器寿命に代えて前記補正機器寿命を考慮に入れた新たな評価関数を生成し、
    前記運用計画作成部は、前記新たな評価関数に基づいて前記運用計画を再作成し、
    前記メンテナンス計画作成部は、前記作成し直された運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を再作成することを特徴とする計画作成装置。
  2. 請求項に記載の計画作成装置であって、
    前記各エネルギー供給機器の前記運用計画における等価運転時間は、その機器の起動停止回数と、高負荷運転時間と、を含む複数の決定変数のそれぞれに重み係数を乗じたものを、当該機器の運転時間に加算することにより算出されることを特徴とする計画作成装置。
  3. 請求項1又は2の何れか一項に記載の計画作成装置であって、
    前記複数のエネルギー供給機器には、熱電併給機器が含まれ、
    前記運用計画作成部は、前記エネルギー需要設備での前記エネルギー需要としての電力需要と熱需要との双方を満たすように、前記運用計画を作成することを特徴とする計画作成装置。
  4. エネルギー需要設備にエネルギーを供給する複数のエネルギー供給機器を備える複合エネルギーシステムにおいて、この複合エネルギーシステムの運用計画及びメンテナンス計画を計画作成装置が作成する計画作成方法であって、
    前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す機器寿命を取得する機器寿命取得工程と、
    前記エネルギー供給機器の運転状態による前記機器寿命への影響を考慮に入れて、前記複合エネルギーシステムを運用及びメンテナンスするのに掛かる運用コスト及びメンテナンスコストを評価する評価関数を、少なくとも前記各エネルギー供給機器における燃料コスト、前記各エネルギー供給機器が受電する電力の1日当たりの受電電力料金、及び、前記各エネルギー供給機器の1回当たりのメンテナンスコストを用いて生成する評価関数生成工程と、
    前記エネルギー需要設備でのエネルギー需要を取得するエネルギー需要取得工程と、
    前記評価関数に基づいて、前記エネルギー需要を満たしつつ、前記運用コスト及び前記メンテナンスコストの合計額が小さくなるように、前記運用計画を作成する運用計画作成工程と、
    前記運用計画作成工程で作成された前記運用計画に応じて、前記メンテナンス計画を作成するメンテナンス計画作成工程と、
    前記複合エネルギーシステムの運用が開始された後に、それまでの前記各エネルギー供給機器の運用状況を示す運用データを考慮に入れて、前記各エネルギー供給機器の寿命時間を示す補正機器寿命を算出する補正機器寿命算出工程と、
    前記補正機器寿命が前記機器寿命と閾値以上異なる場合、前記機器寿命に代えて前記補正機器寿命を考慮に入れた新たな評価関数を生成する評価関数補正工程と、
    前記評価関数に代えて前記新たな評価関数に基づいて、前記運用計画を作成し直す運用計画補正工程と、
    前記作成し直された運用計画に応じてメンテナンス計画を作成し直すメンテナンス計画補正工程と、

    を備え
    前記評価関数生成工程では、前記各エネルギー供給機器の前記運用計画における等価運転時間がその機器の寿命時間に到達する毎にその機器の1回当たりのメンテナンスコストが掛かると推定して前記メンテナンスコストを評価する評価関数を生成し、
    前記運用計画作成工程では、前記運用計画を作成するときに前記各エネルギー供給機器の負荷設定値と起動停止タイミングとを時系列で出力することを特徴とする計画作成方法。
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