JP2003343298A - 消化ガス発電システム - Google Patents

消化ガス発電システム

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JP2003343298A JP2002149959A JP2002149959A JP2003343298A JP 2003343298 A JP2003343298 A JP 2003343298A JP 2002149959 A JP2002149959 A JP 2002149959A JP 2002149959 A JP2002149959 A JP 2002149959A JP 2003343298 A JP2003343298 A JP 2003343298A
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digestion gas
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晃治 ▲陰▼山
Koji Kageyama
Ichiro Enbutsu
伊智朗 圓佛
Shuji Sato
修二 佐藤
Naoki Hara
直樹 原
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、消化ガス発電システム全体の
利益を適正化し、有効な運用を可能とすることにある。 【解決手段】消化ガスを発生させる消化槽と、消化ガス
発電装置と、該消化槽を加温するボイラと、余剰ガス燃
焼装置とを備えた消化ガス発電システムにおいて、投入
汚泥温度取得手段と、少なくとも該投入汚泥温度に基づ
いて消化槽加温必要熱量を計算する手段と、少なくとも
消化ガス発生量と該消化槽加温必要熱量に基づいて、該
消化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置への
該発生消化ガスの分配情報を含んだ該消化ガス供給制御
情報を計算して求める運用適正化手段と、該消化ガス供
給制御情報に基づいて該発生消化ガスを該消化ガス発電
装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置へ分配して供給す
る消化ガス供給制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、下水処理場の消
化ガス発電システムに係る。
【0002】
【従来の技術】下水処理場では、汚泥処理設備の消化槽
から発生する消化ガスを消化槽の加温や汚泥焼却用の補
助燃料として使用してきたが、近年、省エネルギー化の
観点から、ガスエンジン発電機,ガスタービン,燃料電
池,マイクロガスタービンなどの機器に消化ガスを供給
して電力を得る消化ガス発電システムの導入が積極的に
進められる傾向にある。
【0003】一部の下水処理場の運用方法として、消化
ガスの発生量や発電設備によって異なるが、発生した消
化ガスを発電機に優先的に与え、残りの消化ガスを燃焼
させて消化槽を加温するといった運用が実施されてい
る。この運用で、電力として得られるメリットが最大と
なる。しかし、寒冷期など消化槽加温に必要な熱量が残
りの消化ガスの燃焼のみでは不足する場合は、補助的に
A重油などの補助燃料を燃焼させて不足熱量を補う必要
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】消化槽から発電機まで
を含んだ消化ガス発電システム全体としての総合的な利
益は、発電電力として得る利益から、A重油など補助燃
料のコストと維持管理コストを差し引いた値となる。そ
して、電力会社の電力量料金が安い時間帯や、補助燃料
の単価が高価な場合などには、発電機を停止させ、消化
ガスを消化槽加温に優先して使用するほうが、システム
全体としての総合的な利益を増大できることもありう
る。現在の運用は、コスト的に最適な条件となる保証が
ない、といった問題がある。
【0005】代表的な消化ガス発電システムの運用制御
方法の発明として、例えば特開昭59−29097号及
び特開平8−298723号がある。特開昭59−2909
7号で示される発明は、消化槽加温に必要な熱量を計算
し、その値から消化ガス発電装置に供給する消化ガス流
量と消化ガス発電装置の運転台数を制御するものであ
る。しかし、この発明では時刻や季節によって変動する
電力量料金の情報を含めた運用最適化手法について考慮
されていない。実際の電力量料金は夜間が昼間の半分以
下であることが多い。さらに、消化ガス発電装置を運転
するとその運転時間に応じてメンテナンスコストやユー
ティリティコストが経費として必要となる。従って、夜
間に消化ガス発電装置を運転すると却って赤字になる場
合もあった。すなわち、特開昭59−29097号で示
される発明では運用方式の最適化は困難である。
【0006】特開平8−298723号で示される発明
は、消化ガス発電システムが電力を供給する機器の負荷
パターンに合わせて、消化ガス発電システムの発電機稼
働台数を最適化するものである。しかし、この発明は消
化ガス発電システムの負荷装置が明確に分かっている場
合に有効であり、例えば発電機を系統連携する場合には
そのまま当てはまらない。また、消化槽まで含めた全体
の利益を最大化する、といった課題を解決できない。
【0007】本発明の目的は、消化ガス発電システム全
体の利益を適正化し、有効な運用を可能とすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の消化ガス発電シ
ステムは、投入汚泥温度に基づいて消化槽加温必要熱量
を求め、少なくとも消化ガス発生量と該消化槽加温必要
熱量に基づいて、該消化ガス発電装置と該ボイラと該余
剰ガス燃焼装置への該発生消化ガスの分配情報を含んだ
該消化ガス供給制御情報を求め、該消化ガス供給制御情
報に基づいて該発生消化ガスを該消化ガス発電装置と該
ボイラと該余剰ガス燃焼装置へ分配して供給することに
ある。
【0009】或いは、本発明の消化ガス発電システム運
用方法は、投入汚泥温度および消化ガス発生量とを収集
し、収集した前記投入汚泥温度および前記消化ガス発生
量の収集データに基づき、消化ガス発電システム運転ス
ケジュールを生成し、該消化ガス発電システム運転スケ
ジュールを消化ガス発電システムに送付する。
【0010】或いは、本発明の消化ガス発電システムの
制御方法は、少なくとも投入汚泥温度に基づいて消化槽
加温必要熱量を計算し、少なくとも消化ガス発生量と該
消化槽加温必要熱量に基づいて、所望の複数の装置に分
配する該発生消化ガスの分配情報を含んだ該消化ガス供
給制御情報を計算し、分配して供給することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は、本
発明の消化ガス発電システムの一実施形態である。この
消化ガス発電システムが備える消化槽111には、投入
汚泥102が投入される。
【0012】消化槽111内から発生した発生消化ガス
110は消化ガス供給制御手段109によって、余剰ガス
燃焼装置117で燃焼させる余剰消化ガス115と、消
化ガス発電装置118で使用する発電用消化ガス116
と、ボイラ114で燃焼させる加温用消化ガス113と
に分配される。消化ガス供給制御手段109は送風機あ
るいは弁あるいは送風機と弁から構成される。発生消化
ガス110の量的な変動を吸収するために、消化ガス供
給制御手段109には必要に応じてガスホルダーが含ま
れる。消化ガス発電装置118には熱交換器が備え付け
られ、ジャケットあるいは排ガスから廃熱を回収して有
効利用することが多い。多くの回収熱量121は消化槽
111の加温に使用される。同時に、消化槽111の加
温には、ボイラ114で加温用消化ガス113を燃焼さ
せて得たボイラ加温熱量112も与えられる。計算機あ
るいはプロセスコントローラによって実現される投入汚
泥温度取得手段103は、投入汚泥102の温度、すな
わち投入汚泥温度104を消化槽加温必要熱量計算手段
105に与える。処理場によって、投入汚泥102の温
度は計測されている場合と、計測されていない場合があ
る。投入汚泥102の温度が計測されている場合には、
投入汚泥温度取得手段103はその計測値を投入汚泥温
度104としてそのまま出力する。投入汚泥102の温
度が計測されていない場合には、投入汚泥温度取得手段
103は例えば通常測定されている下水水温の値をもと
に投入汚泥温度104を推算し、出力する。計算機ある
いはプロセスコントローラに実装したソフトウェアによ
り実現される消化槽加温必要熱量計算手段105では、
少なくとも投入汚泥温度104の値をもとにして消化槽
加温必要熱量106を計算する。計算機あるいはプロセ
スコントローラに実装したソフトウェアにより実現され
る運用適正化手段107は、少なくとも消化槽加温必要
熱量106の値および消化ガス発生量120の値に基づ
き、システム全体としての利益を最大化できるような消
化ガス供給制御情報108を計算する。ガスホルダーが
消化ガス供給制御手段109に含まれる場合には、ガス
ホルダー蓄積可能量に関する制約条件もこの運用適正化
手段107で考慮される。消化ガス供給制御手段109
は、消化ガス供給制御情報108に基づいて、余剰消化
ガス115,発電用消化ガス116,加温用消化ガス1
13の流量を制御する。
【0013】本第一の実施の形態によると、消化槽加温
必要熱量106の計算に投入汚泥温度104を用いてい
るため、消化槽加温必要熱量106の大半を占める投入
汚泥加温必要熱量を計算することが可能となり、実際に
消化槽111を加温するための必要な熱量を精度良く求
めることができる。また、投入汚泥温度取得手段103を
設けることによって、投入汚泥温度が測定されていない
場合でも投入汚泥温度104を推算して計算に使用する
ことができる。また、運用適正化手段107で消化槽加
温必要熱量106を考慮しながらシステム全体としての
利益を最大化できるような消化ガス供給制御情報108
を計算するため、無駄に廃棄される熱量を低減できると
同時に、消化ガス発電システム導入のメリットを増大す
ることができる。
【0014】(第2の実施の形態)図2は、本発明の消
化ガス発電システムの一実施形態である。この実施形態
は第1の実施の形態に加えて、消化槽加温必要熱量計算
手段105の入力条件として、投入汚泥温度104の他
に消化槽加温設定温度201,気温202,投入汚泥量
203,消化槽表面積204,消化槽総括伝熱係数20
5を備える。
【0015】消化槽加温必要熱量計算手段105では、
少なくともこれらの入力条件をもとにして、消化槽加温
必要熱量106を計算する。さらに、この実施形態は第
1の実施の形態に加えて、運用適正化手段107の入力
条件として消化槽加温必要熱量106および消化ガス発
生量120の他に、ボイラ効率206,消化ガス単位発
熱量207,消化ガス発電装置廃熱回収効率208,発
電効率209を備える。ボイラ効率206は、ボイラに
与える燃料が持つ熱量のうち、蒸気あるいは温水として
有効に利用できる熱量の割合を指す。消化ガス単位発熱
量207は、消化ガス単位量の持つ熱量である。消化ガ
ス発電装置廃熱回収効率208は、消化ガス発電装置1
18に与えた発電用消化ガス116の持つ熱量に対する
回収熱量121の割合であり、熱交換器の仕様として与
えられる。
【0016】本第2の実施の形態によると、消化槽加温
必要熱量計算手段105の入力条件として消化槽加温設
定温度201,気温202,投入汚泥量203,消化槽
表面積204,消化槽総括伝熱係数205を備えたた
め、投入汚泥温度104を消化槽加温設定温度201ま
で昇温するために必要な熱量と、消化槽111の壁面・
天井・底面から放熱される熱量を精度良く計算でき、そ
れらの総和として消化槽加温必要熱量106を正確に求
めることができる。また、運用適正化手段107の入力
条件としてボイラ効率206,消化ガス単位発熱量20
7,消化ガス発電装置廃熱回収効率208,発電効率2
09を備えたため、消化槽111を加温するためのボイ
ラ加温熱量112および回収熱量121を的確に求める
ことができ、消化槽111を加温する熱量の過不足から
生ずるコスト的,エネルギー的なデメリットを減らすこ
とができる。
【0017】(第3の実施の形態)図3は、本発明の消
化ガス発電システムの一実施形態である。この実施形態
は、第1の実施形態に加え、料金情報記憶手段302と
料金情報301を備える。
【0018】計算機あるいは磁気的・光学的媒体によっ
て実現される料金情報記憶手段302には、少なくとも電
力量料金を含む料金情報301が記憶されており、その
値は適宜最新の情報に更新される。運用適正化手段10
7は、少なくともこの料金情報301と消化槽加温必要
熱量106に基づいた計算を実施し、消化ガス供給制御
情報108を生成する。
【0019】本第3の実施の形態によると、料金情報3
01を考慮した計算を実施することが可能なため、昼間
と夜間、および季節による電力量料金の違いを考慮して
システム全体としての利益を最大化できる。
【0020】消化ガス発電装置118を運転することに
よって得られる発電利益は、(式1)で表される。
【0021】 発電利益=消化ガス発電装置118の運転時間×電力量料金 …(式1) つまり、この発電利益は、運転時間と電力量料金との積
となる。ただし、ここで考える利益は「売電」による利
益ではなく、「買電」コストの低減によって得られる額
とする。
【0022】これに対し、消化ガス発電装置118を運
転すると、例えば6000時間に1回などの定期的なメ
ンテナンスが必要となり、メンテナンスコストがかか
る。排気ガス脱硝のための薬品や冷却水が必要な消化ガ
ス発電装置118であれば、運転時間に比例してユーテ
ィリティコストがかかる。従って、消化ガス発電システ
ム全体で考えると、全体利益は以下の(式2)のように
なる。
【0023】 全体利益=消化ガス発電装置118の運転時間×(電力量料金−単位運転時 間あたりメンテナンスコスト−単位運転時間あたりユーティリテ ィコスト) …(式2) この(式2)から、電力量料金が単位運転時間あたりメ
ンテナンスコストと単位運転時間あたりユーティリティ
コストの和より小さければ、運転時間を増やしても全体
利益は赤字になることが分かる。単位運転時間あたりメ
ンテナンスコストと単位運転時間あたりユーティリティ
コストの変動は小さいが、電力量料金は季節や時刻,年
により異なる。従って、季節や時刻ごとに上述の全体利
益がマイナスになっていないか確認することが、最適運
転のために必要となる。
【0024】季節別時刻別電力量料金契約における電力
量料金の例を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、このように、夜間電力
の単価は昼間に比べて約半分であり、メンテナンスコス
トやユーティリティコストが高価な消化ガス発電装置1
18であれば、夜間に運転すると全体利益がマイナスに
なる。その場合は、消化ガス発電装置118を24時間
運転できる条件であっても、夜間には余剰ガス燃焼装置
117で消化ガスを燃焼廃棄し、消化ガス発電装置11
8を停止することが有効である。
【0027】また、特に夏季には発生消化ガス110の
流量が少なくなる。これに対して消化ガス発電装置11
8の消化ガス消費量が多いと、運転可能時間が5時間程
度になる場合がある。上述の電力量料金の例を適用する
と、トータルの運転時間が同一であっても夏季には11
時から14時までの単価が高い時間帯を優先して消化ガ
ス発電装置118を運転することが最適運転のために有
効である。
【0028】運用適正化手段107には以上のような手
順が自動化して組み込まれており、料金情報301を考
慮した消化ガス供給制御情報108が生成される。ここ
で、具体的な数値を用いて二つの例を想定し、電力量料
金の情報を考慮することで得られる効果を以下試算す
る。 (1)運転可能時間が24時間、ユーティリティコスト
が1.6円/kWh 、メンテナンスコストが3.8円/
kWh かかる300kWのガスエンジン発電装置で、
電力量料金の情報を使わない場合は、年間利益が870
万円であり、また、電力量料金の情報を使う場合は、年
間利益が914万円である。 (2)運転可能時間が4時間、ユーティリティコストが
1.6円/kWh 、メンテナンスコストが3.0円/k
Wh かかる900kWのガスエンジン発電装置で、電
力量料金の情報を使わない場合は、年間利益が874万
円(朝8時から12時まで運転すると仮定)であり、電
力量料金の情報を使う場合は、年間利益が924万円で
ある。
【0029】上記(1)の例では電力量料金の情報を使
うことによって年間の利益が5%増加、(2)の例では
6%増加する。消化ガス発電システムの利益を増大する
ためには、運用適正化の他に機器効率を向上することが
有効である。しかしながら、消化ガス発電装置118を
構成する発電機や原動機の現状の効率はほぼ上限値に近
く、効率を1%向上することでも技術的に容易ではな
い。これに対し、本発明のように電力量料金を考慮する
運用適正化手段107を設けると、比較的容易に消化ガ
ス発電システム全体としての利益を数%のオーダーで増
大することができ、消化ガス発電システムのメリットを
最大化することが可能となる。
【0030】(第4の実施の形態)図4は、本発明の消
化ガス発電システムの一実施形態である。この実施形態
は、第2の実施形態に加え、料金情報記憶手段302と
料金情報301を備える。
【0031】料金情報記憶手段302には、電力量料金
やA重油などの補助燃料料金から構成される料金情報3
01が記憶されており、その値は適宜新しい情報に更新
されるとする。運用適正化手段107は、少なくともこ
の料金情報301と消化槽加温必要熱量106に基づい
た計算を実施し、消化ガス供給制御情報108を生成す
る。
【0032】本第4の実施の形態によると、料金情報3
01を考慮した計算を実施することが可能なため、昼間
と夜間料金の違いや季節による料金の違いまで含めてシ
ステム全体としての利益を最大化できる。
【0033】(第5の実施の形態)図5は、本発明の消
化ガス発電システムの一実施形態である。この実施形態
は、第4の実施形態に加え、少なくとも補助燃料供給制
御手段402を備える。
【0034】この補助燃料供給制御手段402は、消化
ガス発電装置118から回収した回収熱量121および
加温用消化ガス113の燃焼で得られる熱量の和が消化
槽加温必要熱量106に足りない場合、ボイラ114へ
補助燃料403を供給することで、不足熱量を補うもの
である。具体的な補助燃料403としては、A重油を用
いることが多いが、それ以外の液体燃料あるいはガスを
用いる場合もある。具体的な補助燃料供給制御手段40
2は、ポンプあるいはブロワなどの流体機械,弁、ある
いは流体機械と弁から構成される。この補助燃料供給制
御手段402は、運用適正化手段107で計算された補
助燃料供給制御情報401によって制御される。
【0035】この第5の実施の形態の適用例を以下に示
す。今、投入汚泥102の温度がTsld(℃)と計測され
ているものとすると、投入汚泥温度104の値はTsld
(℃)となる。これに対し、消化槽加温設定温度201が
Ttgt(℃)、気温202がTair(℃)、投入汚泥量20
3がMsld(t/h)、消化槽表面積204がA(m2)、消
化槽総括伝熱係数205がK(kJ/m2・℃・h)と与
えられるとする。消化槽加温必要熱量106は、これら
の値を用いて計算される。まず、投入した投入汚泥10
2の温度を投入汚泥温度104から消化槽加温設定温度
201まで昇温するために必要な熱量Qsld(kJ/h)
は、次の(式3)で与えられる。ただし、汚泥の比熱を
4.19(kJ/kg・℃)とし、Msld :投入汚泥量20
3(t/h),Ttgt:消化槽加温設定温度201
(℃),Tsld:投入汚泥温度104(℃)である。
【0036】 Qsld =4.19・Msld・(Ttgt−Tsld) …(式3) 次に、消化槽表面から外部へ放散する熱量Qairgnd(k
J/h)は(式4)で求めることができる。ただし、nt
ank :消化槽111の個数(個)、K:消化槽総括伝熱
係数205(kJ/m2・℃・h),A:消化槽表面積2
04(m2),Tair :気温202(℃),β:補正係数
(−)である。右辺の補正係数βは、温水,蒸気,加温
汚泥配管等の放熱を考慮した値である。
【0037】 Qairgnd=ntank・(K・A・(Ttgt−Tair))・β …(式4) そして、消化槽総括伝熱係数205の値は、消化槽壁
面,天井,底部の消化槽材質の熱伝導率から求めること
ができる。また、ここでは消化槽壁面,天井,底部をま
とめて記載したが、より厳密にはそれぞれ別々に計算を
実施することが望ましい。消化槽加温必要熱量106は
(式3)と(式4)の和である。
【0038】 Qdmnd=Qsld+Qairgnd …(式5) 以上のように求めた消化槽加温必要熱量106は、運用
適正化手段107に与えられる。同時に、料金情報記憶
手段302に記憶されていた料金情報301も運用適正
化手段107に与えられる。ここでは、電力量料金とA
重油単価が料金情報301に含まれているとする。ま
た、運用適正化手段107には、ボイラ効率206,消
化ガス単位発熱量207,消化ガス発電装置廃熱回収効
率208,発電効率209も与えられる。運用適正化手
段107は、余剰消化ガス115の流量,発電用消化ガ
ス116の流量,加温用消化ガス113の流量,補助燃
料403の流量をパラメータとして変えた反復計算を実
施し、システム全体の利益を最大化するようにそれぞれ
の流量の最適解を算出する。
【0039】まず、消化ガス発電装置118にGe(N
3/h)の発電用消化ガス116が供給されたとす
る。消化ガス単位発熱量207の値を23045(kJ
/Nm3)とすると、消化ガス発電装置118から回収
できる回収熱量Qest121(kJ/h)は、(式6)で
求められる。ただし、ηest :消化ガス発電装置廃熱回
収効率208(−)である。
【0040】 Qes=ηest ・Ge・23045 …(式6) ボイラ114にGb(Nm3/h)の加温用消化ガス11
3を供給した場合に得られる熱量Qbst(kJ/h)は、
(式7)で求められる。ただし、ηb:ボイラ効率20
6(−)である。
【0041】 Qbst =ηb・Gb・23045 …(式7) Gb(Nm3/h)の加温用消化ガス113と同時にLfu
el(L/h)のA重油を補助燃料403としてボイラ1
14で燃焼した場合に得られるボイラ加温熱量Qbst 1
12(kJ/h)は、A重油熱量変換定数を36872
(kJ/Nm3)として(式6)で求められる。ここで、
ボイラ効率206は消化ガスを燃焼する場合とA重油を
燃焼する場合とで等しいとする。ただし、Lfuel:ボイ
ラ114へのA重油供給量(L/h)である。
【0042】 Qbst =ηb・(Gb・23045+Lfuel・36872) …(式8) 以上から、消化槽111の加温に供給できる熱量Qsup
(kJ/h)は、(式6)と(式8)の和で与えられる。
【0043】 Qsup=Qest +Qbst …(式9) 反復計算に当たっては、(式5)で求めたQdmndが(式
9)のQsup と等しくなる制約条件がGe,Gb,Lfu
elに与えられる。この制約条件のもとで、以下のコスト
計算を実施する。
【0044】消化ガス発電システムでは発電した電力が
利益となる。熱交換器で回収して空調や給湯に用いる温
水あるいは蒸気も利益となるため、その定量的な需要量
が明らかで、需要が多量である場合には、その利益も考
慮することが望ましい。これに対し、補助燃料403の
燃料コスト,ユーティリティコスト,メンテナンスコス
トが損失となる。これらの差し引きが総合利益となる。
【0045】消化ガス発電装置118にGe(Nm3
h)の発電用消化ガス116を供給した場合に得られる
発電電力W(kW)は、消化ガス単位発熱量207を23
045(kJ/Nm3)、電力熱量変換定数を3603
(kJ/kWh)として(式10)で求められる。ただ
し、ηe:発電効率209(−)である。
【0046】 W=ηe・Ge・23045/3603 …(式10) この場合、1時間当たりの利益は次式で求められる。た
だし、Ce:電力による利益(円/h),Pe:電力量
料金単価(円/kWh),m:月,t:時刻(時)であ
る。
【0047】 Ce=Pe(m,t)・W
…(式11) 下水処理場では、季節や時刻によって電力量料金単価P
eが異なる季時別電力量料金制度で電力会社と契約して
いることが多い。季時別電力量料金制度では、一般に、
昼間は夜間より、夏季は他の季節より電力量料金単価が
高い。補助燃料403を用いることによる燃料コスト
は、(式12)で求められる。ただし、Cfuel:燃料コ
スト(円/h),Pfuel:A重油単価(円/L)であ
る。
【0048】 Cfuel=Pfuel・Lfuel …(式12) 消化ガス発電装置118の形態には燃料電池,マイクロ
ガスタービン,ガスタービン,ガスエンジンなどがある
が、例えばガスエンジンの場合、稼働するためには潤滑
油,冷却水,尿素水などが必要となる場合がある。これ
らのコストの総和をユーティリティコストと呼ぶ。ユー
ティリティコストが発電電力量に比例すると仮定する
と、W(kW)のガスエンジン発電機を1時間稼動した
際のユーティリティコストCutil(円/h)は、(式1
3)で与えられる。ただし、α:ユーティリティコスト
の比例定数である。
【0049】 Cutil=α・W …(式13) 消化ガス発電装置118を稼働すると、ある稼働時間ご
とにメンテナンスが必要となる。このメンテナンスコス
トは消化ガス発電装置118が燃料電池,マイクロガス
タービン,ガスタービン,ガスエンジンのいずれの形態
をとるかにより異なる。例えばガスエンジン発電機の一
般的なメンテナンスコストの原単位曲線の形状を図6に
示す。このような曲線を用いることにより、消化ガス発
電装置118の稼働単位時間あたりのメンテナンスコス
トを計算することができる。ただし、Cmt:単位時間当
たりのメンテナンスコスト(円/h)である。
【0050】 Cmt=f(W) …(式14) 単位時間当たりの総合利益Chtotal(円/h)は、上述
した式の加減算によって求められる。
【0051】 Chtotal=Ce−Cfuel−Cutil−Cmt …(式15) ユーティリティコストやメンテナンスコストを考慮する
要求の無い場合には、(式13)のうちCutl とCmtの
値を0として計算を実施すれば良い。
【0052】運用適正化手段107では、このChtotal
が最大になるような最適化計算を実施する。計算量が膨
大ではなく、秒単位で最適化計算を実施する必要性はな
いので、最適化計算の手段としては総当たり法,モンテ
カルロ法,勾配法などいずれの手法を用いても良い。し
かし、例えば(式14)に示すように一部非線型の式が
含まれるため、局所最小点が存在する可能性もあり、特
に必要がなければ総当たり法で十分である。この最適化
計算の結果として、余剰消化ガス115の流量,発電用
消化ガス116の流量,加温用消化ガス113の流量,
補助燃料403の流量が運用適正化手段107から出力
される。このうち、余剰消化ガス115の流量,発電用
消化ガス116の流量,加温用消化ガス113の流量の
制御情報は、消化ガス供給制御情報108としてまとめ
られ、消化ガス供給制御手段109に送られる。同様に補
助燃料403の流量の制御情報は、補助燃料供給制御情
報401として補助燃料供給制御手段402に送られ
る。消化ガス発電装置118の種類によっては、煩雑な
ON−OFFが好ましくない場合がありうるため、運用
適正化手段107では例えば前日の消化ガス発生量12
0および前日の気温202をもとにして翌日1日分の消
化ガス供給制御情報108および補助燃料供給制御情報
401を構成し、消化ガス供給制御手段109および補
助燃料供給制御手段402を運用することが望ましい場
合もある。
【0053】以上のアルゴリズムを適用することによ
り、消化槽加温必要熱量106を満足するようなボイラ
加温熱量112と回収熱量121を得ながら、全体とし
ての利益を最大化したシステムが実現できる。図7に、
ある処理場の実績値を用いた計算の一例を示す。この図
は、消化ガス発電装置118を24時間連続稼働する消
化ガス発電システムと、本第5の実施の形態で示す手段
を備えた消化ガス発電システムにおいて、月ごとに得ら
れる全体の利益を示す。本第5の実施の形態で示す消化
ガス発電システムでは、消化ガス発電装置118を24
時間連続稼働する消化ガス発電システムに比べて全体の
利益を少なくとも約30%増大できることが分かる。8
月や12月には、消化ガス発電装置118を24時間連
続稼働する消化ガス発電システムでは利益がマイナスに
なる。これは、計算条件として消化ガス発生量120が
8月に極めて少なかったこと、および12月には気温2
02と投入汚泥温度104が低下し、消化槽加温必要熱
量106が消化ガス発生量120に比べて大きくなり、
補助燃料403の使用量が増大したためである。これに
対し、本第5の実施の形態で示す消化ガス発電システム
では補助燃料403の使用量を適切に制御できるため、
利益を他の月とほぼ同程度に維持できる。機器容量や消
化ガス発生量,投入汚泥温度など計算条件によって異な
るが、このように年間を通し、本第5の実施の形態で示
す手段を備えた消化ガス発電システムはコスト面におい
て従来のシステムに比べ大幅な効果を望むことができ
る。
【0054】本第5の実施の形態によると、運用適正化
手段107で計算された補助燃料供給制御情報401に
よって補助燃料供給制御手段402が制御されるため、
補助燃料403の過不足をなくし、システム全体の利益
を最大化できる。
【0055】図8に、消化槽加温必要熱量計算手段10
5および運用適正化手段107によって計算する内容の
ロジックフローを示す。(1)の部分が消化槽加温必要
熱量計算手段105で計算する内容に相当し、(2)か
ら(9)の部分が運用適正化手段107で計算する内容
に相当する。一つの運用方式の解を得るために、消化槽
加温必要熱量計算手段105の計算は一度で良いが、運
用適正化手段107では最適化条件をクリアするまで反
復計算が実施される。
【0056】(第6の実施の形態)図9は、本発明の消
化ガス発電システム運用サービスの一実施形態である。
この実施形態は、インターネットなどの通信手段501
を介して消化ガス発電システムの運用サービスを実施す
るものである。
【0057】消化ガス発電システムが備える消化槽11
1には、投入汚泥102が投入される。消化槽111内
から発生した発生消化ガス110は消化ガス供給制御手
段109によって、余剰ガス燃焼装置117で燃焼させ
る余剰消化ガス115と、消化ガス発電装置118で使
用する発電用消化ガス116と、ボイラ114で燃焼さ
せる加温用消化ガス113とに分配される。消化ガス供
給制御手段109は送風機あるいは弁あるいは送風機と
弁から構成される。発生消化ガス110の量的な変動を
吸収するために、消化ガス供給制御手段109には必要
に応じてガスホルダーが含まれる。消化ガス発電装置1
18には熱交換器が備え付けられ、ジャケットあるいは
排ガスから廃熱を回収して有効利用することが多い。多
くの回収熱量121は消化槽111の加温に使用され
る。同時に、消化槽111の加温には、ボイラ114で
加温用消化ガス113を燃焼させて得たボイラ加温熱量
112も与えられる。投入汚泥温度取得手段103は、
投入汚泥102の温度、すなわち投入汚泥温度104を
求める。投入汚泥102の温度は、計測されている場合
と計測されていない場合がある。投入汚泥102の温度
が計測されている場合には、投入汚泥温度取得手段10
3はその計測値を投入汚泥温度104としてそのまま出
力する。投入汚泥102の温度が計測されていない場合
には、投入汚泥温度取得手段103は例えば通常測定さ
れている下水水温の値をもとに投入汚泥温度104を推
算する。投入汚泥温度104と消化ガス発生量120の
値は、通信手段501を介して消化ガス発電システムの
ある場内あるいは場外に設置されたデータ収集手段50
2によって収集される。データ収集手段502は計算機
および実装されたソフトウェアによって実現される。デ
ータ収集手段502によって収集された収集データ50
6は、消化ガス発電システム運転スケジュール生成手段
504に与えられる。計算機に実装したソフトウェアに
よって実現される消化ガス発電システム運転スケジュー
ル生成手段504はシステム全体としての利益を最大化
するような消化ガス発電システム運転スケジュール50
3を生成する。計算機に実装したソフトウェアによって
実現される消化ガス発電システム運転スケジュール送付
手段505は、通信手段501を介し、消化ガス発電シ
ステム運転スケジュール503を消化ガス発電システム
の消化ガス供給制御手段109および補助燃料供給制御
手段402に与える。消化ガス供給制御手段109は、消
化ガス供給制御情報108に基づいて、余剰消化ガス1
15,発電用消化ガス116,加温用消化ガス113の
流量を制御する。補助燃料供給制御手段402は、消化
ガス発電装置118から回収した回収熱量121および
加温用消化ガス113の燃焼で得られる熱量の和が消化
槽加温必要熱量106に足りない場合、ボイラ114へ
補助燃料403を供給することで、不足熱量を補うもの
である。具体的な補助燃料403としては、A重油を用
いることが多いが、それ以外の液体燃料あるいはガスを
用いる場合もある。具体的な補助燃料供給制御手段40
2は、ポンプあるいはブロワなどの流体機械,弁、ある
いは流体機械と弁から構成される。この補助燃料供給制
御手段402は、消化ガス発電システム運転スケジュー
ル503によって制御される。
【0058】本第6の実施の形態によると、通信手段5
01を介して遠隔から消化ガス発電システムを運用でき
るため、消化ガス発電システムの運用に必要な人的負担
を低減できる。また、インターネットなどの通信手段5
01を用いるため、複数の処理場の消化ガス発電システ
ムを同時に運用でき、システムの単価を低減することが
できる。また、消化槽加温必要熱量106の計算に投入
汚泥温度104を用いているため、消化槽加温必要熱量
106の大半を占める投入汚泥加温必要熱量を計算する
ことが可能となり、実際に消化槽111を加温するため
の必要な熱量を精度良く求めることができる。また、投
入汚泥温度取得手段103を設けることによって、投入
汚泥温度が測定されていない場合でも投入汚泥温度10
4を推算して計算に使用することができる。また、消化
ガス発電システム運転スケジュール生成手段504で消
化槽加温必要熱量106を考慮しながらシステム全体と
しての利益を最大化できるような消化ガス発電システム
運転スケジュール503を計算するため、無駄に廃棄さ
れる熱量を低減できると同時に、消化ガス発電システム
導入のメリットを増大することができる。
【0059】(第7の実施の形態)第7の実施の形態
は、消化ガス発電システムの制御方法に関するものであ
り、第1の実施の形態で用いた図1で説明することがで
きる。図1において、消化ガス発電システムが備える消
化槽111には、投入汚泥102が投入される。消化槽
111内から発生した発生消化ガス110は消化ガス供
給制御手段109によって、余剰ガス燃焼装置117で
燃焼させる余剰消化ガス115と、消化ガス発電装置1
18で使用する発電用消化ガス116と、ボイラ114
で燃焼させる加温用消化ガス113とに分配される。消
化ガス供給制御手段109は送風機あるいは弁あるいは
送風機と弁から構成される。発生消化ガス110の量的
な変動を吸収するために、消化ガス供給制御手段109
には必要に応じてガスホルダーが含まれる。消化ガス発
電装置118には熱交換器が備え付けられ、ジャケット
あるいは排ガスから廃熱を回収して有効利用することが
多い。多くの回収熱量121は消化槽111の加温に使用
される。同時に、消化槽111の加温には、ボイラ11
4で加温用消化ガス113を燃焼させて得たボイラ加温
熱量112も与えられる。計算機あるいはプロセスコン
トローラによって実現される投入汚泥温度取得手段10
3は、投入汚泥102の温度、すなわち投入汚泥温度1
04を消化槽加温必要熱量計算手段105に与える。処
理場によって、投入汚泥102の温度は計測されている
場合と、計測されていない場合がある。投入汚泥102
の温度が計測されている場合には、投入汚泥温度取得手
段103はその計測値を投入汚泥温度104としてその
まま出力する。投入汚泥102の温度が計測されていな
い場合には、投入汚泥温度取得手段103は例えば通常
測定されている下水水温の値をもとに投入汚泥温度10
4を推算し、出力する。計算機あるいはプロセスコント
ローラに実装したソフトウェアにより実現される消化槽
加温必要熱量計算手段105では、少なくとも投入汚泥
温度104の値をもとにして消化槽加温必要熱量106
を計算する。計算機あるいはプロセスコントローラに実
装したソフトウェアにより実現される運用適正化手段1
07は、少なくとも消化槽加温必要熱量106の値およ
び消化ガス発生量120の値に基づき、システム全体と
しての利益を最大化できるような消化ガス供給制御情報
108を計算する。ガスホルダーが消化ガス供給制御手
段109に含まれる場合には、ガスホルダー蓄積可能量
に関する制約条件もこの運用適正化手段107で考慮さ
れる。消化ガス供給制御手段109は、消化ガス供給制
御情報108に基づいて、余剰消化ガス115,発電用
消化ガス116,加温用消化ガス113の流量を制御す
る。
【0060】本第7の実施の形態によると、消化槽加温
必要熱量106の計算に投入汚泥温度104を用いてい
るため、消化槽加温必要熱量106の大半を占める投入
汚泥加温必要熱量を計算することが可能となり、実際に
消化槽111を加温するための必要な熱量を精度良く求
めることができる。また、投入汚泥温度取得手段103を
設けることによって、投入汚泥温度が測定されていない
場合でも投入汚泥温度104を推算して計算に使用する
ことができる。また、運用適正化手段107で消化槽加
温必要熱量106を考慮しながらシステム全体としての
利益を最大化できるような消化ガス供給制御情報108
を計算するため、無駄に廃棄される熱量を低減できると
同時に、消化ガス発電システム導入のメリットを増大す
る制御方式を実現することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、消化ガス発電システム
全体の利益を適正化し、有効な運用を可能とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消化ガス発電システムの機能ブロック
図。
【図2】本発明の消化ガス発電システムの機能ブロック
図。
【図3】本発明の消化ガス発電システムの機能ブロック
図。
【図4】本発明の消化ガス発電システムの機能ブロック
図。
【図5】本発明の消化ガス発電システムの機能ブロック
図。
【図6】ガスエンジン発電機のメンテナンスコスト曲
線。
【図7】本発明の消化ガス発電システムの効果試算例。
【図8】本発明の一例である計算ロジックフロー。
【図9】本発明の消化ガス発電システム運用サービスの
機能ブロック図。
【符号の説明】
102…投入汚泥、103…投入汚泥温度取得手段、1
04…投入汚泥温度、105…消化槽加温必要熱量計算
手段、106…消化槽加温必要熱量、107…運用適正
化手段、108…消化ガス供給制御情報、109…消化
ガス供給制御手段、110…発生消化ガス、111…消
化槽、112…ボイラ加温熱量、113…加温用消化ガ
ス、114…ボイラ、115…余剰消化ガス、116…
発電用消化ガス、117…余剰ガス燃焼装置、118…
消化ガス発電装置、120…消化ガス発生量、121…
回収熱量、201…消化槽加温設定温度、202…気
温、203…投入汚泥量、204…消化槽表面積、20
5…消化槽総括伝熱係数、206…ボイラ効率、207
…消化ガス単位発熱量、208…消化ガス発電装置廃熱
回収効率、209…発電効率、301…料金情報、30
2…料金情報記憶手段、401…補助燃料供給制御情
報、402…補助燃料供給制御手段、403…補助燃
料、501…通信手段、502…データ収集手段、50
3…消化ガス発電システム運転スケジュール、504…
消化ガス発電システム運転スケジュール生成手段、50
5…消化ガス発電システム運転スケジュール送付手段、
506…収集データ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 3/00 C10L 3/00 A (72)発明者 佐藤 修二 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所情報制御システム事業部 内 Fターム(参考) 3G092 AB10 AC08 BB01 DE14S DE15S DF03 FA50 4D059 AA03 BA12 CA07 EA02 EA06 EA20 EB08 5G066 AA02 AA03 AA05 AA20 AE09 5H004 GA34 GA36 GB04 GB08 HA02 HA14 HA16 HB01 JA03 JA23 KC03 KC06 LA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水汚泥からメタンを含んだ消化ガスを発
    生させる消化槽と、 該消化ガスを用いて発電する消化ガス発電装置と、 少なくとも該消化ガスを用いて該消化槽を加温するボイ
    ラと、 余剰の消化ガスを燃焼させる余剰ガス燃焼装置とを備え
    た消化ガス発電システムにおいて、 投入汚泥温度を求める投入汚泥温度取得手段と、 少なくとも該投入汚泥温度に基づいて消化槽加温必要熱
    量を計算する消化槽加温必要熱量計算手段と、 少なくとも消化ガス発生量と該消化槽加温必要熱量に基
    づいて、該消化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃
    焼装置への該発生消化ガスの分配情報を含んだ該消化ガ
    ス供給制御情報を計算して求める運用適正化手段と、 該消化ガス供給制御情報に基づいて該発生消化ガスを該
    消化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置へ分
    配して供給する消化ガス供給制御手段と、を備えたこと
    を特徴とする消化ガス発電システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の消化ガス発電システムに
    おいて、 少なくとも該投入汚泥温度と、消化槽加温設定温度と、
    気温と、投入汚泥量と、消化槽表面積と、消化槽総括伝
    熱係数とに基づいて該消化槽加温必要熱量を計算する該
    消化槽加温必要熱量計算手段と、 該消化槽加温必要熱量を満足しながらシステム全体とし
    ての利益を最大化するように、少なくとも該消化ガス発
    生量と、発電効率と、ボイラ効率と、消化ガス単位発熱
    量と、消化ガス発電装置廃熱回収効率をもとにして、該
    消化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置への
    該発生消化ガスの分配情報を含んだ該消化ガス供給制御
    情報を計算して求める運用適正化手段と、を備えたこと
    を特徴とする消化ガス発電システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の消化ガス発
    電システムにおいて、 少なくとも電力量料金情報を記憶している料金情報記憶
    手段と、 該消化槽加温必要熱量を満足しながらシステム全体とし
    ての利益を最大化するように、少なくとも該消化ガス発
    生量と、該発電効率と、該ボイラ効率と、該消化ガス単
    位発熱量と、該消化ガス発電装置廃熱回収効率と、該電
    力量料金情報をもとにして、該消化ガス発電装置と該ボ
    イラと該余剰ガス燃焼装置への該発生消化ガスの分配情
    報を含んだ該消化ガス供給制御情報を計算して求める該
    運用適正化手段と、を備えたことを特徴とする消化ガス
    発電システム。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3の何れかに記載の消化
    ガス発電システムにおいて、 少なくとも該消化ガスと補助燃料を用いて該消化槽を加
    温する該ボイラと、 該消化槽加温必要熱量を満足しながらシステム全体とし
    ての利益を最大化するように、少なくとも該消化ガス発
    生量と、該発電効率と、該ボイラ効率と、該消化ガス単
    位発熱量と、該消化ガス発電装置廃熱回収効率と、該電
    力量料金情報と、補助燃料料金情報をもとにして、該消
    化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置への該
    発生消化ガスの分配情報から構成される該消化ガス供給
    制御情報および補助燃料供給制御情報を計算する該運用
    適正化手段と、 該補助燃料供給制御情報に基づいて該補助燃料を該ボイ
    ラに制御しながら供給する補助燃料供給制御手段と、を
    備えたことを特徴とする消化ガス発電システム。
  5. 【請求項5】投入汚泥温度および消化ガス発生量とを通
    信手段を介して収集し、 収集した前記投入汚泥温度および前記消化ガス発生量の
    収集データに基づき、消化ガス発電システム運転スケジ
    ュールを生成し、 該通信手段を介して該消化ガス発電システム運転スケジ
    ュールを消化ガス発電システムに送付することを特徴と
    する消化ガス発電システム運用方法。
  6. 【請求項6】投入汚泥温度取得手段により投入汚泥温度
    を求め、 少なくとも該投入汚泥温度に基づいて消化槽加温必要熱
    量を計算し、 少なくとも消化ガス発生量と該消化槽加温必要熱量に基
    づいて、消化ガス発電装置とボイラと余剰ガス燃焼装置
    への該発生消化ガスの分配情報を含んだ該消化ガス供給
    制御情報を計算し、 該消化ガス供給制御情報に基づいて該発生消化ガスを該
    消化ガス発電装置と該ボイラと該余剰ガス燃焼装置へ分
    配して供給することを特徴とする消化ガス発電システム
    の制御方法。
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