JP2020046814A - 運転支援方法、運転支援装置及び運転支援プログラム - Google Patents

運転支援方法、運転支援装置及び運転支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気プラントにおいて運転効率の最適化を支援する。【解決手段】火力発電プラント10のプラント制御装置68は、所与の設定値に基づいてボイラの運転制御を行なう。運転支援装置70は、損耗量演算部82が火力発電プラント10で蒸気管路を構成する設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算し、保守演算部84及び運転費演算部86において、余寿命と保守費とから該設備機器の単位時間当たりの運転費、及びボイラの総運転費を演算し、単位時間当たりの運転費及び総運転費を用いて運転評価部88が、ボイラの運転状態を評価する。これにより、総運転費を抑制できるようにボイラの運転状態の適正化を支援できる。【選択図】図3

Description

本発明は、蒸気発生部によって生成した蒸気によって蒸気負荷を動作させる蒸気プラントの運転を支援する運転支援方法、運転支援装置及び運転支援プログラムに関する。
一般に、石炭焚きボイラは、焚く石炭の性状が設計、運転保守などに大きく影響することから、ボイラの設計炭には、数十種類の炭種が設定されている。近年、ボイラの運転自動化が進んでおり、自動運転においては、石炭の炭種にかかわらずボイラの安定運転が継続できるようにボイラの運転制御が行なわれる。
ボイラを用いる火力発電等の発電プラントでは、建設された発電プラントの試運転時に、複数の炭種のそれぞれについて、燃焼調整、負荷静特性試験及び負荷動特性試験などを実施し、ボイラ運転の諸状態の適正化が図られるように運転プログラム等が設定される。
しかし、石炭の性状についての設定などでは、成分のばらつきなどをカバーするためにレンジの広い設定となっており、必ずしも発電プラントにおける運転費用などのコストの低減をはかりうるものとはなっていない。
ここから特許文献1では、ボイラの運転状態を設定する設定値に応じて、ボイラ内の燃焼状態量を検出し、検出した燃焼状態量からボイラを構成する機器の損耗量を算出している。また、特許文献1では、算出した損耗量に応じて設備機器の修繕費を算出し、ボイラの運転に必要な費用が最も少なくなるようにボイラの運転状態に対する設定値を設定することで、ボイラを運転する際のコスト削減が図られるように提案している。
特開2003−336805号公報
しかしながら、特許文献1では、設備機器に対する修繕費が過少評価されてしまう可能性があり、コスト面を考慮したボイラの運転状態の適正化は、運転者の知識や技量に拠ることになりかねず、改善の余地がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、蒸気プラントにおいて運転効率の最適化を支援する運転支援方法、運転支援装置及び運転支援プログラムの提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
第1の態様の運転支援方法は、所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援方法であって、前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算し、前記単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する、ことを含む。
第2の態様の運転支援方法は、第1の態様の運転支援方法において、前記蒸気発生部の運転状態の評価結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定することを含む。
第3の態様の運転支援方法は、第1の態様又は第2の態様の運転支援方法において、前記蒸気管路の余寿命を、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって演算することを含む。
第4の態様の運転支援方法は、第1の態様から第3の態様の何れか1の運転支援方法において、前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される。
第5の態様の運転支援装置は、所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援装置であって、前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算する演算部と、前記演算部の演算結果に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する評価部と、を含む。
第6の態様の運転支援装置は、第5の態様の運転支援装置において、前記演算部の演算結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定する設定部を含む。
第7の態様の運転支援装置は、第5の態様又は第6の態様の運転支援装置において、前記演算部は、前記蒸気管路について、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって前記余寿命を演算することを含む。
第8の態様の運転支援装置は、第5の態様から第7の態様の何れか1の運転支援装置において、前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される。
第9の態様の運転支援プログラムは、所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援装置のコンピュータを、前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算する演算部と、前記演算部の演算結果に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する評価部と、して機能させる。
第10の態様の運転支援プログラムは、第9の態様の運転支援プログラムにおいて、前記演算部の演算結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定する設定部、として機能させることを含む。
第11の態様の運転支援方法は、第9の態様又は第10の態様の運転支援プログラムにおいて、前記演算部は、前記蒸気管路について、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって前記余寿命を演算することを含む。
第12の態様の運転支援プログラムは、第9の態様から第11の態様の何れか1の運転支援プログラムにおいて、前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される。
以上説明したように本発明の態様によれば、蒸気発生部の総運転費を適正に評価できるので、総運転費を考慮して蒸気発生部が適正な運転状態となるように支援できる、という効果がある。
本実施形態に係る火力発電プラントの主要部の概略構成図である。 火力発電プラントの配管系統の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る運転支援装置の機能ブロック図である。 運転支援処理の概略を示す流れ図である。 蒸気温度についての稼動時間に対する損耗率の変化の一例を示す線図である。 設定値に対するボイラ熱効率、運転費、保守費及び総運転費の変化の一例を示す線図である。 蒸気温度についての稼動時間に対する損耗率及び単位時間当たりの運転費用の変化の一例を示す線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
本実施形態では、蒸気発生部において発生された蒸気によって蒸気負荷を作動させる蒸気プラント(プラント)の一例として、火力発電プラント10を例に説明する。火力発電プラント10は、燃料の一例として石炭を用いる石炭火力発電プラントとされている。
図1には、火力発電プラント10における給排気系統の主要部の概略がブロック図にて示されており、図2には、火力発電プラント10における配管系統の概略が配管系統図にて示されている。なお、火力発電プラント10の基本的構成は、一般的構成を適用でき、以下では、火力発電プラント10については、概略を説明する。
図1及び図2に示すように、火力発電プラント10は、蒸気発生部としてのボイラ12及び蒸気負荷部としての発電部14(図1では図示省略)を備えている。ボイラ12は、発電用多炭種対応の石炭ボイラとされている。
火力発電プラント10は、ミル16を備えており、ミル16は、セグメント16A、ローラ16B及び回転式分級器16Cによって構成されている。ミル16は、石炭を粉砕して微粉炭FCを生成し、生成した微粉炭FCを燃料としてボイラ12(図示しないバーナー)に供給する。また、ボイラ12には、押込通風機18から空気予熱器20を経て燃焼用空気BAがバーナーに供給され、バーナーにおいて微粉炭FCが燃焼される。
ボイラ12において微粉炭FCが燃焼されることにより発生する排ガスは、節炭器(エコノマイザ)22から脱硝装置24及び空気予熱器20を経て電気集塵機26へ送り込まれる。また、電気集塵機26を通過した排ガスは、誘引通風機28A及び脱硫通風機28Bによって脱硫装置30を経て煙突32へ送り込まれる。これにより、排ガスは、空気予熱器20において燃焼用空気BAを予熱した後、煙突32から大気中にはき出される。
火力発電プラント10には、ボイラ12(節炭器22)と脱硝装置24との間に、脱硝装置24に対してアンモニアを注入する脱硝装置アンモニア注入器34が設置されている。また、ボイラ12の排ガス出口には、ボイラ12の出口のO濃度(節炭器出口O濃度)を計測する節炭器出口O濃度計測器36が設置され、脱硝装置24のボイラ12側には、ボイラ12の出口のNOx濃度(ボイラ出口NOx濃度)を計測するボイラ出口NOx計測器38が設置されている。さらに、空気予熱器20の下流側には、空気予熱器出口ガス温度計測器40が設置されている。
図2に示すように、本実施形態では、ボイラ12において発生される蒸気の蒸気圧を、3区分して用いている。なお、蒸気圧は、2区分で用いてもよく1区分で用いてもよい。
ボイラ12には、壁面にボイラ水冷壁管(図示省略)が設置されている。また、ボイラ12には、過熱器42及び再熱器44が配置されており、過熱器42及び再熱器44の各々には、蒸気管路及び蒸発管としてのチューブ46が設けられている。ボイラ12では、微粉炭FCが燃焼されることで、過熱器42のチューブ46において蒸気が発生されると共に、仕事を終えた蒸気が再熱器44のチューブ46において再加熱される。
発電部14は、蒸気タービン発電設備とされており、発電部14には、蒸気タービン50及び発電機52が設置されている。蒸気タービン50は、高圧タービン50A、中圧タービン50B及び低圧タービン50Cによって構成されており、発電部14では、高圧タービン50A、中圧タービン50B及び低圧タービン50Cが回転されることで、発電機52が回転駆動されて電力が発生(発電)される。
過熱器42側のチューブ46と高圧タービン50Aの蒸気入口との間には、蒸気管路を構成する主蒸気管54が敷設されており、主蒸気管54は、主塞止弁56Aを介して高圧タービン50Aに接続されている。過熱器42において発生された蒸気(高圧蒸気)は、主蒸気管54を介して高圧タービン50Aに送られ、高圧タービン50Aにおいて仕事を終えた蒸気が回収管58Aを介して再熱器44側のチューブ46に戻される。
また、再熱器44側のチューブ46と中圧タービン50Bの蒸気入口との間には、再熱蒸気管60が敷設されており、再熱蒸気管60は、再熱塞止弁56Bを介して中圧タービン50Bに接続されている。再熱器44において加熱(再加熱)された蒸気(主蒸気に比して低圧、低温の再熱蒸気)は、再熱蒸気管60を介して中圧タービン50Bに送られる。また、中圧タービン50Bにおいて仕事を終えた蒸気(再熱蒸気に比して低温、低圧の低圧蒸気)は、低圧タービン50Cに送られ、低圧タービン50Cにおいて仕事を終えた後に復水器62に回収されて水に戻される。
ボイラ12と復水器62との間には、給水ポンプ64が設置されており、給水ポンプ64は、復水管66Aを介して復水器62に接続されると共に、給水管66Bを介してボイラ12(過熱器42側のチューブ46)に接続されている。復水器62内の水は、給水ポンプ64が作動されることで復水管66A及び給水管66Bを介してボイラ12の過熱器42へ供給される。
これにより、火力発電プラント10では、ボイラ12と蒸気タービン50との間で蒸気(一部の管路では水)が循環される。また、火力発電プラント10では、ボイラ12によって発生された主蒸気によって高圧タービン50Aが回転されると共に、再熱蒸気によって中圧タービン50B及び低圧タービン50Cの各々が回転されて、発電機52が回転駆動される。
図3に示すように、火力発電プラント10には、プラント制御装置(プラント総括制御装置)68及び本実施形態に係る運転支援装置70が設けられてプラント運転システムが構成されている。プラント制御装置68は、ボイラ12の運転を制御して、発電部14における発電を制御する。プラント制御装置68は、節炭器22の出口O濃度(節炭器出口O濃度)や回転式分級器16Cの回転数などの設定値を設定し、これらの設定値に基づいてボイラ12(火力発電プラント10)の運転制御を行なう。
また、プラント制御装置68には、計測部72及びデータ算出部74が形成されている。計測部72には、節炭器出口O濃度計測器36、ボイラ出口NOx計測器38、及び空気予熱器出口ガス温度計測器40(何れも図1参照)を含む各種の計測器が接続されている。計測部72は、ボイラ12等(火力発電プラント10)の運転状態を示す各種の計測データを取得する。また、データ算出部74は、ボイラ12等の運転状態における運転データを算出する。
一方、運転支援装置70は、CPU、ROM、RAM、各種のプログラムやデータが記憶されるストレージ、キーボードやマウスなどの入力デバイス、及びディスプレイ(モニタ)などの出力デバイスがバスによって接続された一般的構成のコンピュータ(図示省略)を備えている。運転支援装置70では、CPUがROMに記憶されたOSを読み出して実行することで動作が開始され、CPUがストレージに記憶された各プログラムを読み出して実行することで、プログラムに応じた機能が実現される。
なお、CPUが実行するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、該記録媒体に記録されたプログラムを読み込んでストレージに記憶されてもよく、CPU(コンピュータ)が記録媒体に記録されたプログラムを読み込みながら実行してもよい。また、運転支援装置70が、インナーネットやLAN、VAN等の通信回線網に接続される場合、コンピュータが実行するプログラムは、通信回線網を介して取得されてもよい。
運転支援装置70は、プラント制御装置68にデータの入出力可能に接続されており、運転支援装置70は、計測部72によって計測された計測データ及びデータ算出部74において算出された運転データを取得する。
運転支援装置70には、熱効率演算部76、動力積算部78及び消費品積算部80が形成されている。熱効率演算部76は、計測データ及び運転データ等に基づいて燃料費等を演算して積算し、動力積算部78は、計測データ及び運転データ等に基づいて火力発電プラント10における消費電力を演算して積算する。また、消費品積算部80は、計測データ及び運転データ等に基づいて火力発電プラント10における薬品等の消費品(消費材料)の消費量を演算して積算する。各部における積算値は、ストレージに記憶される。
また、運転支援装置70には、損耗量演算部82、保守費演算部84、運転費演算部86及び運転評価部88が形成されている。プラント制御装置68のデータ算出部74では、運転データとして火力発電プラント10が設置されて稼動(立ち上げ稼動)を開始してからの運転時間を計測して、火力発電プラント10及び火力発電プラント10に設置されている各機器や各種管路の各々(以下、設備機器という)について、運転時間を積算した稼動時間を算出している。
損耗量演算部82は、火力発電プラント10に設置されている各設備機器について、稼動時間を含む運転データに基づいて損耗量を演算する。設備機器の各々には、損耗量について、損耗量の限界とする規定値(許容値)が予め設定されて、ストレージに記憶されている。
損耗量演算部82では、各設備機器について、損耗量と規定値とに基づいて損耗量が規定値に達するまでの時間(稼働可能時間)を当該設備機器の余寿命として演算する。本実施形態において、設備機器における寿命とは、設置直後(損耗が生じていない状態)の設備機器の損耗量が規定値に達するまでの稼動時間(稼働可能な時間)の予測値としており、余寿命とは、稼動中の設備機器の損耗量が、現時点から規定値に達するまでの稼働時間(稼動可能時間)の予測値としている。
保守費演算部84は、損耗量演算部82において演算された設備機器の損耗量に基づき、保守費を演算する。保守費は、設備機器について、改修や交換などの保守が行われることにより初期状態の機能に復帰させる(リニューアル)のに必要な費用としている。例えば、主蒸気管54等の配管の保守費には、既存の主蒸気管54を除去して新たに敷設するのに必要な費用及び保守に必要な設備機器の停止(主蒸気管54の場合は、主蒸気の停止、すなわちボイラ12の停止)による損失費などが含まれる。また、保守費演算部84では、演算した保守費を単位時間当たりの費用(コスト)として演算する。
運転費演算部86は、燃料費、消費電力、消費材料の消費量、各設備機器の損耗量及び保守費などに基づいて運転費を演算すると共に、各費用について、単位時間当たりの費用に換算する。単位時間当たりの運転費には、保守費演算部84において演算された各設備機器についての単位時間当たりの保守費が含まれる。運転費演算部86では、各費用について、単位時間当たりの費用に換算することで、各費用の対比、時間経過(稼動時間の経過)に応じた各費用の変化や傾向の把握等を可能にしている。
運転評価部88は、演算された運転費等に基づいて、火力発電プラント10の運転状態を評価する。また、運転評価部88は、火力発電プラント10を最適な運転状態とするための各種の運転パラメータについて設定値を設定する。火力発電プラント10における最適な運転状態とは、時間換算にした運転費の総計をより小さく(好ましくは最小)できる運転状態としている。
運転評価部88において設定された運転パラメータの設定値は、プラント制御装置68に入力され、プラント制御装置68は、入力された設定値に基づいて火力発電プラント10の運転制御を行なう。これにより、火力発電プラント10は、最適な運転状態となるように運転支援装置70によって支援される。
次に、本実施形態の作用として、運転支援装置70の処理を説明する。図4には、運転支援装置70の動作の概略が流れ図にて示されている。
運転支援装置70は、火力発電プラント10が稼動中は、プラント制御装置68と共に動作し、図4のフローチャートを実行することで、プラント制御装置68の運転制御を支援する。
図4に示すように、運転支援装置70は、ステップ100において設定処理を行う。設定処理では、節炭器22の出口O濃度及びミル16の回転式分級器16Cの回転数などの各運転パラメータに対する各設定値を設定し、設定値をプラント制御装置68に出力する。この際、ボイラ12(火力発電プラント10)の立ち上げ稼動開始時や停止した状態からの稼動開始時である場合、予め設定された設定値を出力し、運転起動後(稼動開始後)は、測定データ及び運転データ等に基づいて設定値の設定変更を行なう。これにより、プラント制御装置68は、ボイラ12等の運転制御を開始し、発電部14の発電(火力発電プラント10の運転)が開始される。
火力発電プラント10が稼動されると、プラント制御装置68の計測部72では、火力発電プラント10の各部位(設備機器等)における運転状態の計測データ(設備機器等の各々に設けられた計測器の計測値)を読み込む。また、プラント制御装置68では、データ算出部74が、ボイラ12の運転状態を示す運転データを算出する。
ステップ102において、運転支援装置70では、プラント制御装置68の計測部72から計測データを取得すると共に、データ算出部74から運転データを取得する。取得する計測データとしては、節炭器出口O濃度、灰中未燃分、空気予熱器出口ガス温度、ボイラ出口NOx濃度、所内動力、アンモニアなどの薬品の消費量等が含まれる。
次に、ステップ104では、計測データ及び運転データに基づき、ボイラ12の運転状態を取得して、運転費用の演算を行なう。取得する運転状態には、灰中未燃分、ボイラ熱効率、プラント熱効率、給炭量、灰処理量、所内動力(各通風機やミル16等で消費される電力)、アンモニア注入量等が含まれる。これと共に、ステップ104では、ボイラ12の運転状態に基づいた費用及び単位時間当たりの費用の算出を行なう。
また、ステップ106では、各設備機器について損耗量を演算して、保守費を演算する。運転支援装置70において演算される損耗量には、ボイラ水冷壁の単位時間当たりの腐食減肉量、ミル16のセグメント16Aやローラ16B等の単位時間当たりの損耗量、チューブ(ボイラチューブ)46(又はチューブプロテクタ)などの単位時間当たりの損耗量が含まれる。また、損耗量には、主蒸気管54や再熱蒸気管60等の管路の単位時間当たりの腐食減肉量などが含まれる。演算される損耗量の各々は、単位時間当たりの損耗量としており、演算された損耗量は、ボイラ12の停止時に、損耗量の実測(実際の損耗量の計測)が実施されることで、実測値に基づいて補正されて、更新される。
保守費用(保守費)の演算は、各設備機器について損耗量(単位時間当たりの損耗量)と保守費との関係を予め算出し、ストレージ等に記憶しておき、演算された単位時間当たりの損耗量に対応する保守費を読み出すことで実現できる。また、演算される保守費には、設備機器の保守を行なうために必要となる設備機器の稼動停止によって発生する損失(例えば、発電が停止することによる損失)が含まれることが好ましい。
この後、ステップ108では、単位時間当たりの総運転費の演算及び演算結果の出力(表示)を行なう。総運転費(単位時間当たりの総運転費)は、単位時間当たりの運転費の総額と単位時間当たりの保守費の総額とを加算した費用とされている。これにより、ボイラ12の運転状態量は、同一の時間軸でかつリアルタイムでディスプレイ等の出力デバイスで出力(表示)される。
表示する運転状態量には、節炭器出口O濃度、ミル16の回転式分級器16Cの回転数、ボイラ出口NOx濃度、灰中未燃分、所内動力(各通風機やミル16で消費される電力)、アンモニア注入量、ボイラ熱効率、プラント熱効率、給炭量、灰処理量、単位時間当たりの各設備機器における損耗量(ボイラ水冷壁の腐食減肉量、チューブ46(またはチューブプロテクタ)の損耗量、ミル16のセグメント16A・ローラ16Bの損耗量、主蒸気管54等の損耗量など)、各損耗量に対応する保守費、燃料費、アンモニア費、灰処理費、所内動力費、及びこれらの費用合計としての総運転費が含まれてもよい。なお、表示する運転状態は、これらから選択されて運転状態であってもよい。また、表示される運転状態量は、単位時間当たりの値とされることが好ましい。
ステップ110では、全ての運転状態量について予め設定されたしきい値を越えていないか(全ての運転状態量がしきい値以下か否か)を判定する。この判定において、運転状態量の1つでもしきい値を超えていた場合、ステップ110において否定判定して、ステップ112に移行し、予め設定されている節炭器出口O濃度の設定値やミル16の回転式分級器16Cの回転数の設定値(運転パラメータの各々の設定値)を、直前の値に変更する。設定値の直前の値は、しきい値を越えた運転状態量が減少する(しきい値以下になる)方向に変化させる値が適用される。
全ての運転状態量がしきい値を超えていない場合、ステップ110において肯定判定してステップ114へ移行し、現時点の設定値及び総運転費の平均値(インターバル間の値の平均値)をストレージに記憶する。また、ステップ116では、ストレージに記憶されたデータ量(設定値及び総運転費の平均値の組み合わせの数)が十分か否かを判定し、データ量が十分となっていない場合(ステップ116で否定判定)、ステップ118において設定値を次の値に設定する。
また、データ量が十分となっている場合(ステップ116で肯定判定)、ステップ120においてストレージに記憶された総運転費(総運転費の平均値)の中から最小値と最小値に対応する設定値を選択する。次のステップ122では、選択した設定値が最適運転の設定値であるか否かを判定し、最適運転の設定値と判定されなかった場合(ステップ122において否定判定)、直前の設定値を最適設定値に設定する(ステップ124)。また、選択した設定値が最適運転の設定値と判定された場合(ステップ122において肯定判定)、選択した設定値を最適設定値に設定する(ステップ126)
このようにして、選択された設定値または最適運転の設定値が最終設定値に設定されると、最終設定値を運転パラメータの新たな設定値としてプラント制御装置68に出力される(ステップ128)。プラント制御装置68は、入力された設定値(最終設定値)を用いてボイラ12の運転制御を行なう。
ここで、設定値の変更は、燃料(石炭)の性状ごとに、または所定の性能を有するボイラにおいて設定値を変更した場合の諸状態変化の傾向を予め運転支援装置70(ストレージ)に記憶しておき、ストレージに記憶された諸状態に基づいて変更する設定値を選択するようにしてもよい。
例えば、節炭器出口O濃度[%]に対する諸状態量の各々との関係を定義したデータ(特性データ)を燃料の燃料性状ごとに用意またはストレージに記憶させておき、適宜、近い性能を有する燃料性状のデータを選択するようにすれば、ボイラ12を早期に最適運転状態に移行可能にできる。同様に、ミル16の回転式分級器16Cの回転数[rpm]に対する諸状態量の各々との関係を定義したデータ(特性データ)を燃料性状ごとに用意または記憶させることで、適宜、近い性能を有する燃料性状のデータを選択する。これにより、ミル16の回転式分級器16Cの回転数[rpm]の最適化が図られる。
したがって、リアルタイムでボイラ12の運転状態量を同一画面上に表示することで、運転管理者や運転管理を行なう作業者が容易にボイラ12の運転状態を把握できる。しかも、節炭器出口O濃度やミル16の回転式分級器16Cの回転数の他、損失法に基づくボイラ熱効率、ボイラ熱効率を用いて演算される給炭量、ボイラ出口NOx濃度(O=6%換算)、脱硝装置24に対するアンモニア注入量などに加え、押込通風機18、誘引通風機28A、脱硫装置30の脱硫通風機28B及びミル16などの各々の動力または電流値、灰中未燃分、灰処理量等が同一画面上に表示される。また、同一画面上には、ボイラ水冷壁、チューブ46、ミル16のセグメント16Aやローラ16Bなどの各々の単位時間当たりの損耗量と保守費、燃料費、アンモニア費、灰処理費、所内動力費、及び総運転費(費用合計)などが表示される。このため、運転管理者(運転者)は、ボイラ12の運転状態を多角的に把握できて、手動介入によって設定値を変更する場合においても、最適設定値の入力が容易になって、ボイラ12の運転の最適化が容易になる。
次に、運転支援装置70における運転パラメータの設定値の変更例を説明する。
運転支援装置70は、ボイラ12の運転中において、燃料としての石炭の性状が変った場合、節炭器出口O濃度の設定値を変化させ、最適な節炭器出口O濃度の設定値を自動で見出す。
節炭器出口O濃度の設定値は、ボイラ12の運転中において運転の外乱とならない範囲内でかつ適切なインターバルをもって設定値を変更するのを原則としている。このとき、節炭器出口O濃度の設定値の変化に伴い、状態量が変化する損失法に基づきボイラ熱効率、ボイラ熱効率より算出される給炭量やボイラ出口NOx濃度(O=6%換算)、脱硝装置24に対するアンモニア注入量、所内動力、及び灰処理量に加え、単位時間当たりの設備機器の損耗量の各々をリアルタイムで演算し、各状態量の値が総合的に最も合理的なボイラ12の運転状態となるまで、節炭器出口O濃度の設定値を自動で変化させる。
本実施形態において総合的に最も合理的な運転状態とは、各状態量が変化する項目の中で、予め設定されているしきい値を超えず、かつ既損耗量と単位時間当たりの設備機器の損耗量に対して、次に計画されているボイラ12の停止までの時間(設備機器の稼動時間)を乗算して得られる損耗量の累積の和が、設備機器の故障と至らない数値となることを前提とし、給炭量、アンモニア注入量、所内動力、灰処理量、設備機器の損耗量のそれぞれを対応した単位時間当たりの費用の合計が最小となる運転を行なうことを含む。
また、節炭器出口O濃度の設定値の変化の過程で、各状態量が変化する項目の中の1項目でもしきい値を超えた時点、または既損耗量と単位時間当たりの設備機器の損耗量に、次に計画される設備機器停止(ボイラ12の運転停止)までの運転時間に乗算した損耗量の累積の和が、設備機器の故障に至る数値を超えた時点、または予め設定する節炭器出口O濃度の設定値が目標値に達した時点、の何れかにおいて節炭器出口O濃度の設定値の自動変更を停止する。さらに、状態量の何れかがしきい値を超えて変化が停止した場合は、節炭器出口O濃度の設定値を、その直前の設定値に自動で戻す。
運転支援装置70は、節炭器出口O濃度の設定値の変化を開始してから、最適な設定値を選択できるデータが取得できたと判断されるまでの間の、適切なインターバル間の総運転費の平均値とそれに対応する節炭器出口O濃度の設定値とを記憶する。そして、運転支援装置70は、記憶した総運転費の平均値の中から最小値とそのときの節炭器出口O濃度の設定値とを自動選択する。これにより、運転支援装置70は、節炭器出口O濃度について、最適な設定値を選択して設定でき、ボイラ12の運転効率の最適化が可能になる。
なお、ミル16の回転式分級器16Cの回転数などの他の運転パラメータの設定値についても、節炭器出口O濃度の設定値と同様にして、総運転費の平均値が最小となる設定値の設定が可能である。これにより、運転支援装置70は、ミル16の回転式分級器16Cの回転数などの運転パタメータの設定値を、ボイラ12の最適運転が可能になる設定値(最適な設定値)に自動設定できる。
ところで、火力発電プラント10では、プラント設計の際、稼動年数(稼動時間)が設定されており、火力発電プラント10では、建設されて稼動が開始(立ち上げ)されると、設定された稼動時間まで継続して稼動される。
また、火力発電プラント10に設置された各設備機器には、火力発電プラント10が稼動することで、時間経過に伴う劣化や磨耗(磨耗減肉や腐食減肉などを含む)等の損耗が生じる。例えば、ボイラ12内のチューブ46やボイラ12と蒸気タービン50との間に敷設される主蒸気管54、再熱蒸気管60などでは、高圧高温の蒸気が通過することでクリープが生じ、肉厚が減少するなどの摩耗が生じる。また、ボイラ12の水冷壁(ボイラ水冷壁)では、煤塵による損耗が生じ、石炭(微粉炭)を燃料とすることで微粉炭機損耗が生じる。
主蒸気管54などの設備機器では、肉厚が規定値まで減少することにより保守が必要となる。例えば、主蒸気管54等の配管においては、高温・高圧の蒸気が通ると共に、ボイラ12の設置位置(ボイラ室)から蒸気タービン50の設置位置(タービン室)まで敷設する必要があり、保守費(工費など)は特に高額となる。また、保守が行なわれる際には、主蒸気管54が使用できなくなることで、ボイラ12の停止が必要となり、これに伴う損失が発生する。
このような設備機器の稼動可能時間(ライフサイクル)は、火力発電プラント10が設計稼動時間(プラント寿命)より短くなっており、設備機器では、火力発電プラント10が設計稼動時間に達するまでに、1回または複数回の保守が必要となることがある。
また、各設備機器は、ボイラ12の運転状態によって損耗量が変化することから、各設備機器について損耗量が規定値に達するまでの稼動時間(以下、余寿命という)は、ボイラ12の運転状態に影響する。
ここから、運転支援装置70では、各設備機器についてボイラ12の運転状態から損耗状態を評価して、各設備機器についての余寿命を把握する。また、設備機器の保守費の概算は予め把握できるので、運転支援装置70では、各設備機器について余寿命及び保守費を火力発電プラント10の運転費用に反映させた総運転費を把握可能にする。これにより、運転支援装置70では、火力発電プラント10の運転状態に合わせた運転効率を評価して、運転費用を含めた運転効率の最適化を可能にする。
ここで、運転支援装置70では、プラント制御装置68からボイラ12の運転パラメータを取得して、取得した運転パラメータに基づいて余寿命を予測し、予測した余寿命及び保守費から単位時間当たりのボイラ12の総運転費を算出する。また、運転支援装置70は、総運転費の変動及び傾向を解析し、単位時間当たりの総運転費を低減または抑制するための運転パラメータの設定値を予測する。運転支援装置70では、予測した運転パラメータの設定値を、プラント制御装置68による運転制御に反映させることで、火力発電プラント10(ボイラ12)の総運転費の適正化を図る。
火力発電プラント10における運転パラメータとしては、例えば、消費電力、燃料消費量、ボイラ損耗量、チューブ46や主蒸気管54等を含む配管の損耗量(余寿命でもよい)、燃焼供給設備の損耗量などが用いられる。これらの運転パラメータは、発電プラントの発電電力に影響することから、運転パラメータには、発電電力を含めてもよい。
運転支援装置70では、各運転パラメータについて、同様の次元の値とするために、単位時間当たりの費用として把握する。消費動力(消費電力)や燃料消費量などは、直接的な費用であり、消費電力や燃料消費量などの単位時間当たりの費用の算出は、容易に行なうことができる。
ボイラ水冷壁の腐食減肉量は、ボイラ内HS濃度に関係し、チューブなどの損耗量は、ボイラ燃焼ガス中ばいじん濃度と燃焼ガスの流速または燃焼ガス流量に関係することがわかっている。ボイラ内HS濃度、ボイラ燃焼ガス中ばいじん濃度、燃焼ガスの流速(または燃焼ガス流量)が計測されることで、これらの計測データからボイラ水冷壁の腐食減肉量、チューブなどの損耗量が算出される。
また、ミル16の粉砕用のセグメント16Aやローラ16Bの損耗量は、ミル16の動力や電流に関係することがわかっており、ミル16のセグメント16A及びローラ16Bなどの損耗量は、ミル16の動力や電流を計測することで演算可能になる。
例えば、ミル16のセグメント16A及びローラ16Bの単位時間当たりの損耗量W[mm/hour]は、(1)式から演算される。
=Wa×(A/Aa)×K ・・・(1)
但し、Wa、A、Aa、Kは、以下としている。
Wa :当該または類似設計・先行ミルのセグメント及びローラの単位時間当たりの実績損耗量[mm/hour]
A :当該ミルの動力[kWh]または電流[A]
Aa:実績損耗量Waに対応した当該または類似設計・先行ミルの動力[kWh]または電流[A]
:当該ミル特有の補正係数
なお、当該または類似設計・先行ミルにおけるセグメント及びローラの単位時間当たりの実績損耗量Waの数値は、当該ボイラ停止時に計測した結果と稼動時間の積算値とを反映して更新するようにしてもよい。
また、ボイラ水冷壁には、腐食による磨耗(腐食減肉)が生じる。ボイラ水冷壁の単位時間当たりの腐食減肉量W[mm/hour]は、(2)式から演算される。
=Wa×Scα×K ・・・(2)
但し、Wa、S、α、Kは、以下としている。
Wa:当該または類似設計・先行ボイラにおける単位HS濃度当たりのボイラ水冷壁の単位時間当たりの実績腐食量[mm/hour]
S :当該ボイラ燃焼ガス中のHS濃度[ppm]
α :当該ボイラ特有の乗数
:当該ボイラ特有の補正係数
なお、当該または類似設計・先行ボイラにおける単位HS当たりのボイラ水冷壁の単位時間当たりの実績腐食量Waの数値は、当該ボイラ停止時に計測した結果と稼動時間の積算値とを反映して更新するようにしてもよい。
一方、ボイラ12では、煤塵による損耗が生じ、ボイラ12の煤塵による単位時間当たりの損耗量W[mm/hour]、(3)式から演算される。
=Wa×(Cc/Cb)×(Vc/Vb)β×K ・・・(3)
但し、Wa、Cc、Cb、Vc、Vb、β、Kは、以下としている。
Wa :煤塵による実績損耗量(損耗量の実績値)[mm/hour]
Cc :現在の当該ボイラの燃焼ガスの煤塵濃度[ppm]
Cb :当該または類似設計、先行ボイラの燃焼ガスの実績平均煤塵濃度[g/m
Vc :現在の当該ボイラの燃焼ガス流速[m/s]又は流量[m/h]
Vb :当該または類似設計、先行ボイラの燃焼ガスの実績平均燃焼ガス流速[m/s]又は流量[m/h]
β :当該ボイラ特有の乗数
:当該ボイラ特有の補正係数
なお、煤塵による単位時間当たりの実績損耗量(損耗量の実績値)Waの数値は、当該ボイラ停止時に計測した結果と稼動時間の積算値とを反映して更新するようにしてもよい。
ボイラ12では、燃料として石炭(微粉炭)を使用しており、ボイラ12における煤塵損耗量W[mm/hour]は、(4)式から演算される。
=Wa×(Ac/Ab)×K ・・・(4)
但し、Wa、Ac、Ab、Kは、以下としている。
Wa :微粉炭機損耗量の実績値[mm/hour]
Ac :現在の当該微粉炭機の動力[kWh]または電流値[A]
Ab :当該または類似設計、先行微粉炭機の実績平均動力[kWh]又は電流値[A]
:当該ボイラ特有の補正係数
チューブ46、主蒸気管54、再熱蒸気管60などの蒸気管路の単位時間当たりの損耗量W[mm/hour]は、(5)式から演算される。
=Wa×(C/Ca)×(V/Va)γ×K ・・・(5)
但し、Wa、C、Ca、V、Va、γ、Kは、以下としている。
Wa :当該または類似設計・先行ボイラにおける当該蒸気管路の単位時間当たりの実績損耗量[mm/hour]
C :当該ボイラの燃焼ガスのばいじん濃度[g/m
Ca:実績損耗量Waに対応した当該または類似設計・先行ボイラの燃焼ガスの実績ばいじん濃度[g/m
V :当該ボイラの燃焼ガス流速[m/hour]または燃焼ガス流量[mN/hour](燃焼ガス流量の単位は[m/hour]でもよい)
Va:実績損耗量Waに対応した当該または類似設計・先行ボイラの燃焼ガス実績流速[m/hour]または燃焼ガス実績流量[mN/hour](または、[m/hour])
γ :当該ボイラ特有の乗数
:当該ボイラ特有の補正係数
なお、当該または類似設計・先行ボイラにおける蒸気管路の単位時間当たりの実績損耗量Waの数値は、当該ボイラ停止時に計測した結果と稼動時間の積算値とを反映して更新するようにしてもよい。
このようにして単位時間当たりの磨耗量を演算し、演算した単位時間当たりの磨耗量及び当該設備機器の保守費(損失費を含んでもよい)から、当該設備機器についての単位時間当たりの保守費を演算することができる。また、磨耗量の積算値(実績値でもよい)と規定値との差及び単位時間当たりの磨耗量から当該設備機器の余寿命を演算できる。
ここで、ミル16の損耗量は、回転式分級器16Cの回転数、ローラ16Bの加圧圧力、一次空気圧力に影響する。ミル16の損耗量は、回転式分級器16Cの回転数を上げることで増加し、回転式分級器16Cの回転数を下げることで減少する。また、ミル16の損耗量は、ローラ16Bの加圧圧力を挙げることで増加し、一次空気圧を下げることでも増加する。
したがって、ミル16では、回転式分級器16Cの回転数を低下させるか、ローラ16Bの加圧圧力を下げるか、一次空気圧力を上げるように運転状態が変更されることで、単位時間当たりの保守費の抑制が可能になる。
また、ボイラ水冷壁の損耗量は、ボイラ出口の酸素濃度、すなわち節炭器出口O濃度に影響し、節炭器出口O濃度が下がることで、ボイラ水冷壁の損耗量が低下する。ここから、ボイラ水冷壁では、節炭器出口O濃度の設定値を下げるように運転状態が変更されることで、単位時間当たりの保守費の抑制が可能になる。
さらに、ボイラ12の煤塵による損耗量は、ボイラ出口酸素濃度、すなわち、節炭器出口O濃度に影響し、ボイラ12では、節炭器出口O濃度が上がることで、燃焼ガスの流速が変化し、煤塵による損耗量が増加する。ここから、ボイラ12では、節炭器出口O濃度の設定値を下げるように運転状態が変更されると、燃焼ガスの流速低下が生じて、単位時間当たりの保守費の抑制が可能になる。
したがって、ボイラ12の運転パラメータがバランスよく設定されることで、各設備機器の保守費を抑制できて、総運転費の抑制が可能となる。しかも、各設備機器のライフサイクルが短くなるのを抑制できる。
一方、本実施形態において蒸気管路には、主蒸気管54、再熱蒸気管60、チューブ46のみならず、管寄、ヘッダ、継手などの蒸気温度や蒸気圧力の影響を受ける管路材料が含まれ、蒸気管路における損耗量は、稼動時間及び温度に影響する。
ここから、蒸気管路の寿命評価は、ラーソン‐ミラー・パラメータ(Larson-Miller parameter)から得られるラーソン‐ミラーの式((6)式)または(6)式の近似式から演算可能になる。なお、近似式とは、実質的に同様の演算結果が得られる演算式としている。
但し、t、T、Ct、a〜a、σ、St、Tは、以下としている。
:蒸気管路の余寿命[hour]
T :蒸気温度[°K]
σ :蒸気管路にかかる応力[MPa]
、a、a、a、Ct、St :寿命評価式((6)式)において鋼種ごとに定まる定数
余寿命trは、(6)式から演算される。
ここで、蒸気管路における損耗量は、蒸気温度T及び蒸気圧力(応力σ)の影響を受け、蒸気管路の余寿命が変化する。蒸気管路においては、蒸気温度が上がると余寿命が短くなるし、蒸気圧力が上がっても余寿命が短くなる。
したがって、蒸気管路においては、蒸気圧力が下がるか、蒸気圧力が下がるように運転状態が変更されると、余寿命trが長くなって単位時間当たりの保守費が低減される。
ここで、主蒸気管54は、損耗量が大きくなりやすく、かつ他の蒸気管路に比して保守費が高額となることが多い。ここから、以下では、主蒸気管54を例に、図5〜図7を参照しながら、余寿命と総運転費の関係の具体例を説明する。
図5には、稼動時間に対する損耗率の変化が線図にて示されており、図6には、設定値に対するボイラ熱効率、運転費、保守費及び総運転費の変化の概略が線図にて示されている。また、図7には、蒸気温度についての稼動時間に対する損耗率の変化と単位時間当たりの運転費の関係が示されている。なお、損耗率[%]は、許容値(損耗が生じる前から規定値までの損耗量)に対する損耗量の比率(百分率)としている。
図5に示すように、主蒸気管54は、稼動時間(積算値)が長くなるにしたがって損耗率が大きくなる。また、主蒸気管54の損耗率は、蒸気温度T1(例えば、580°C、実線参照)の場合と、蒸気温度T1より高い蒸気温度T2(T1<T2、例えば、585°C、破線参照)場合とで、損耗率の変化が異なる。稼働時間に応じた損耗率は、蒸気温度T1よりも蒸気温度T2における変化が大きくなっている。
主蒸気管54の寿命は、損耗率が0%から100%に達するまでの稼動時間tであり、蒸気温度T1と蒸気温度T2とで異なり、蒸気温度T2の場合より、蒸気温度T1の場合が長くなっている。また、稼動時間tにおける蒸気温度T1の損耗率は、稼動時間tにおける蒸気温度T2の損耗率より高くなっている。
稼動時間t=0において、寿命L01である場合の蒸気温度T1の単位時間当たりの保守費D01は、D01=P/L01となり、稼動時間t=0において、寿命L02である場合の蒸気温度T2の単位時間当たりの保守費D02は、D02=P/L02となる。例えば、保守費P0=100,000,000[円]において、寿命L01=200,000[hour]の場合、保守費D01=500[円/hour]となり、寿命L02=160,000[hour]の場合、保守費D02=625[円/hour]となる(D01<D02)。
次に、稼動時間t=tにおいて、蒸気温度T2の場合の余寿命L12と、蒸気温度T1の場合の余寿命L11とは、L11>L12となる。したがって、稼動時間tにおいて、蒸気温度T1の場合の保守費D11[円/hour]は、蒸気温度T2の場合の保守費D12[円/hour]より低く(安く)なる。
ここで、蒸気温度T1で稼動が開始され、稼動時間tにおいて蒸気温度T1から蒸気温度T2に変更されると、稼働時間t以降における損耗率の変化は、蒸気温度T2と同様になる。また、余寿命Laは、余寿命L11より短くなり、余寿命L12より長くなる(L11>La>L12)。
また、稼動時間t=0から稼動時間tの間においては、保守費が償却されており、蒸気温度T1で稼動が継続された場合の保守費D11は、(7)式となり、蒸気温度T2で稼動が継続された場合の保守費D12は、(8)式となる。
11=(P0−D01・t)/L11 ・・・(7)
12=(P0−D02・t)/L12 ・・・(8)
これに対して、蒸気温度T1から蒸気温度T2に変更された場合、単位時間当たりの保守費Daは、(9)式となり、稼動時間tから蒸気温度T1を継続した場合の単位時間当たりの保守費Daは、保守費D11より高くなる。
Da=(P0−D01・t)/La ・・・(9)
これに対して、稼動時間tにおいて蒸気温度T2から蒸気温度T1に変更した場合、余寿命は、蒸気温度T2を継続した場合より長くなり、単位時間当たりの保守費は、安くなる(図示省略)。
図6には、設定値が増加することでボイラ熱効率Be及び保守費Dが増加し、消費材料費(運転費)Peが減少する運転パラメータにおけるトレンドグラフの一例を示している。なお、ボイラ熱効率Be、消費材料費Pe及び保守費Dの各々は、単位時間当たりの値としている。
このトレンドグラフでは、総運転費Eが設定値C1において最小となり、設定値が設定値C1から大きくなる方向及び小さくなる方向の何れに変化した場合でも、総運転費Eが増加するように変化する。
ここで、例えば、設定値に対する保守費Dは、稼働時間tが経過することで、大きくなるようにシフトし(図6に破線で示すD’)、総運転費Eが増加するようにシフトして(図6に破線で示すE’)、保守費が最小値となる設定値も設定値C1から設定値C2にシフトする。これにより、例えば、図6に示すようなトレンドグラフをディスプレイに表示することで、ボイラの運転状態量が変化した際、最適な設定値も変化することを容易に把握できる。しかも、総運転費を最小にできる設定値を把握できるので、運転管理者などが手動介入で設定値を変更する場合でも、最適な設定値への変更が容易になる。
図7には、蒸気温度Tを段階的に変化させた際の損耗率の変化(上段)、及び単位時間当たりの運転費Beと保守費Dとの各々の領域を示している(下段)。なお、下段において、運転費Beと保守費Dとの合計が単位時間当たりの総運転費となっており、稼働開始から蒸気温度Tが変更されなかった場合の単位時間当たりの総運転費Eを二点鎖線で示している。
ボイラ12は、蒸気温度T1(例えば、580°C)で稼働が開始され、稼働時間tにおいて蒸気温度T3(例えば、590°C)に変更され、稼働時間tにおいて蒸気温度T2(例えば、585°C)に変更され、さらに、稼働時間tにおいて蒸気温度T1に戻されるように制御されている。なお、図7では、稼動時間t以降の蒸気温度Tを破線で示している。また、主蒸気管54の損耗率が100%に達すると、主蒸気管54の保守が行われる。
ここで、蒸気温度T1から蒸気温度Tに変更されると、保守費Dが増加するが、運転費Beが減少するので、総運転費Eは減少されて、ボイラ12の総運転費用の減少が図られる。また、蒸気温度T3から蒸気温度T2に変更された際には、保守費Dが減少されるが、燃料費等の増加によって運転費Beに増加が生じる。
さらに、蒸気温度T2から蒸気温度T1に変更されると、保守費Dが減少されるが、運転費Beが増加して、総運転費用が増加する。この後、主蒸気管54に対する保守が行われると、保守費Dが発生しなくなるので、稼動時間t以降と同様に総運転費用は、運転費Beと同程度となる。
このため、蒸気温度Tが変更された場合、稼働時間tから稼働時間tまでの間は、総運転費用が低減されるので、一定の蒸気温度T1でボイラ12が運転された場合に比して総運転費用の抑制(運転コストダウン)が可能になる。また、蒸気温度Tを高くなる傾向に変更させた場合、一定の蒸気温度T1でボイラ12の運転制御が行われた場合に比して、寿命が短くなっているが、稼働時間tから稼働時間tの期間において保守費Dが発生しないことで、総運転費用は削減される。
したがって、保守費が増加するように運転パタメータの設定値が変化されても、単位時間当たりの総運転費を抑制できる。
このように、運転支援装置70では、所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気タービン50に供給する蒸気を発生するボイラ12、及びボイラ12と蒸気タービン50との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む火力発電プラント10の運転を支援する際、設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算する共に、余寿命と該余寿命を演算した設備機器を保守するための保守費とから該設備機器の単位時間当たりの運転費及び総運転費を演算し、演算結果に基づいて設備機器を評価する。
これにより、運転支援装置70では、ボイラ12の運転状態に応じて変化する設備機器の状態に対して評価の適正化が可能となり、設備機器の評価結果からボイラの運転状態の適正化を図ることができる。
また、何れか少なくとも一つの運転パラメータの設定値について、設定値の変化に応じたボイラ熱効率、保守費、消耗費などについての単位時間当たりの費用と共に、ボイラの単位時間当たりの総運転費の費用の変化の傾向や変化量を取得しておき、これらに基づいて、単位時間当たりの総運転費が最小となる設定値を選択できるようにしてもよい。
これにより、ボイラの運転状態の適正化と共に、総運転費の低減が可能となって、長期的観点から総運転費の抑制を図ことができる。
なお、以上説明した本実施形態では、蒸気プラントの一例として、石炭を燃料とする火力発電プラント10を例に説明した。しかしながら、蒸気プラントは、化石燃料としての石油(重油)などを燃料とする火力発電プラントであってもよく、また、原子力発電プラントであってもよい。
また、発電プラントには、天然ガスなどの燃料を燃やして発生させた高温・高圧のガスによってガスタービンを回転させて発電するガスタービン発電プラントがある。このガスタービン発電プラントにおいては、ガスタービンを回し終えた高温の排ガスを排熱回収ボイラに供給して、排熱回収ボイラにおいて蒸気を発生させて、発生させた蒸気によって蒸気タービンを回して発電するコンパインドサイクル発電プラントがある。蒸気プラントとしては、コンパインドサイクル発電プラントにおいて、排熱回収ボイラを蒸気発生部とし、蒸気タービンを蒸気負荷として適用してもよい。
また、蒸気負荷としては、蒸気タービンに限らず、蒸気発生部において発生されて蒸気配管を介して供給される蒸気によって作動される各種の負荷を適用できる。
10 火力発電プラント
12 ボイラ
14 発電部
42 過熱器
44 再熱器
46 チューブ
50 蒸気タービン
52 発電機
54 主蒸気管
60 再熱蒸気管
68 プラント制御装置
70 運転支援装置
82 損耗量演算部
84 保守費演算部
86 運転費演算部
88 運転評価部

Claims (12)

  1. 所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援方法であって、
    前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算し、
    前記単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する、
    ことを含む運転支援方法。
  2. 前記蒸気発生部の運転状態の評価結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定することを含む請求項1に記載の運転支援方法。
  3. 前記蒸気管路の余寿命を、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって演算することを含む請求項1又は請求項2に記載の運転支援方法。
  4. 前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の運転支援方法。
  5. 所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援装置であって、
    前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算する演算部と、
    前記演算部の演算結果に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する評価部と、
    を含む運転支援装置。
  6. 前記演算部の演算結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定する設定部を含む請求項5に記載の運転支援装置。
  7. 前記演算部は、前記蒸気管路について、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって前記余寿命を演算することを含む請求項5又は請求項6に記載の運転支援装置。
  8. 前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される請求項5から請求項7の何れか1項に記載の運転支援装置。
  9. 所与の設定値に基づいて運転制御され、蒸気によって動作する蒸気負荷部に供給する前記蒸気を発生する蒸気発生部、及び前記蒸気発生部と前記蒸気負荷部との間に設置された蒸気管路を構成する複数の設備機器を含む蒸気プラントの運転を支援する運転支援装置のコンピュータを、
    前記設備機器ごとに保守が必要となるまでの稼動時間とする余寿命を演算すると共に、前記余寿命と該余寿命を演算した前記設備機器を保守するための保守費及び保守に必要な該設備機器の停止に伴う損失費から、該設備機器の単位時間当たりの運転費、及び前記蒸気発生部の単位時間当たりの総運転費を演算する演算部と、
    前記演算部の演算結果に基づいて前記蒸気発生部の運転状態を評価する評価部と、
    して機能させるための運転支援プログラム。
  10. 前記演算部の演算結果に基づいて、前記単位時間当たりの総運転費を減少させるように前記設定値を設定する設定部、として機能させることを含む請求項9に記載の運転支援プログラム。
  11. 前記演算部は、前記蒸気管路について、演算結果が前記蒸気の蒸気温度及び前記蒸気管路内の応力に応じて変化する所与の演算式によって前記余寿命を演算することを含む請求項9又は請求項10に記載の運転支援プログラム。
  12. 前記運転費は、演算時点までの稼動時間の積算値に対応する費用が償却されたものとみなして演算される請求項9から請求項11の何れか1項に記載の運転支援プログラム。
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