JP6811953B2 - スケール防止剤及びスケール防止方法 - Google Patents

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本発明は、紙パルプ製造工程におけるスケールや、冷却水系、ボイラ水系などの水と接触する伝熱面や配管内におけるスケールの発生を防止するスケール防止剤及びスケール防止方法に関する。
紙パルプ製造工程や、冷却水系もしくはボイラ水系システムにおいて、炭酸カルシウム等のスケールが発生することが問題となっており、特に高分子を利用した様々なスケール防止剤による対策が成されてきた(特許文献1〜3)。
中でも、紙パルプ製造工程で使用される原材料中には、リグニンや有機物の分解や酸化によってシュウ酸成分が生じ、填料などとして使用されている炭酸カルシウムのカルシウム成分が反応し、これらがパルプスラリー中に溶出し、シュウ酸カルシウム成分スケールとなり析出し、設備や配管等に付着する。シュウ酸カルシウムスケールが設備や配管等に付着することによる設備トラブルや配管の閉塞、あるいは付着したスケールが脱落することによる断紙や成紙欠点が発生する。これらにより紙製品の品質の低下や生産効率の大幅な低下に繋がる。
又、紙パルプ製造工程の一つである漂白工程においては、次亜塩素酸漂白、二塩化塩素漂白、オゾン漂白において、リグニンや有機物の分解や酸化によってシュウ酸が生じ、工程水中のカルシウムイオンと反応しシュウ酸カルシウムを形成し、特にスケールが発生しやすい状況であり問題となっている。
これらを防止、抑制するためにスケール防止剤を紙パルプ製造工程に添加する方法が行なわれている。例えば、特許文献4では、カルボキシル基含有成分をスケール防止剤として使用することが開示されている。特許文献5では、ポリイタコン酸とホスホン酸及びその水溶性塩を含有する成分をスケール防止剤として使用することが開示されている。しかし、これら従来のスケール防止剤では、パルプスラリーのpHが6より高いとシュウ酸カルシウムのスケール防止効果が得られるが、pHが6より低いと充分な効果が得られない場合がある。この場合には、特許文献6では、スルホン酸基を有するモノマー単位を40mol%以上含むスルホン酸系ポリマーをスケール防止剤として使用すると効果的であることが記載されている。特許文献7では、マレイン酸、アクリル酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を構成単量体として含む共重合体について開示されている。これらは、スルホン酸基を有するポリマーがpH6より低い系内においても効果を発揮することを見出したものである。しかし、スルホン酸基を有するモノマーは、カルボン酸基を有するポリマーに比べてコストが掛かることが懸念されることもあり、更なるスケール防止効果が得られるポリマーの開発が要望されている。
特表2008−508384号公報 特開2014−059076号公報 特開2012−196655号公報 特開平11−293587号公報 特開2011−052358号公報 特開2004−204412号公報 特開2005−264407号公報
本発明の課題は、紙パルプ製造工程におけるスケール防止剤及びスケール防止方法であって、特にpH6以下のパルプスラリー及び/又は工程水において従来のスケール防止剤として用いられているポリマーに比べて優れたスケール防止効果を有するスケール防止剤及びスケール防止方法を提供することにある。
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホン酸基を有する単量体を構成単位とするスルホン酸系重合体であり、分岐構造を有するスルホン酸系重合体が、pH6以下のパルプスラリー及び/又は工程水において従来のスルホン酸系ポリマーに比べて優れたスケール防止効果を有することを見出した。特に、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂を、酸化剤により適度な条件化で酸化分解し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを製造する。このようにして得られたスケール防止剤は、単量体の重合により得られるポリスチレンスルホン酸ナトリウムと比較し、局部的なアニオン密度が高く、優れたスケール防止機能を発現する。
本発明によれば、紙パルプ製造工程において、スルホン酸基を有する単量体を構成単位とするスルホン酸系重合体であり、分岐構造を有するスルホン酸系重合体をスケール防止剤として用いることで、パルプスラリー及び/又は工程水のpHが6以下でも優れたスケール防止効果が得られる。又、イオン交換樹脂を分解することで簡便且つ効率良く分岐構造を有するスルホン酸系重合体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるスルホン酸系重合体は、スルホン酸基を有する単量体を構成単位として含有する。スルホン酸基を有する単量体の例としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸もしくはこれらの塩が挙げられる。これら一種を単独重合させた重合体、二種以上を用いた共重合体を用いる。又、スルホン酸基を有する単量体と、スルホン酸基を持たない単量体とを共重合させた重合体を用いても良い。スルホン酸基を持たない単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の酸もしくはこれらの塩が挙げられる。その他、アリルアルコール、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら、一種以上を用いてスルホン酸基を有する単量体と共重合させて製造する。
本発明におけるスルホン酸系重合体は、スルホン酸基を有する単量体を40モル%以上含有していることが好ましく、40モル%より低いと本発明のスケール防止効果が発揮され難く、従来のポリマーと比べて優位性は低くなる。
分岐構造を有するスルホン酸系重合体は、製造する際に架橋性単量体を用いて分岐構造を誘起することで得ることができる。架橋性単量体の例として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニルなどの芳香族ジビニル化合物、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のジビニル化合物、ポリブタジエン、ポリイソプレン不飽和ポリエステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。これらの中で、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニルなどの芳香族ジビニル化合物が特に好ましい。
前記スルホン酸系重合体における架橋性単量体の量は、総単量体質量に対し2〜20質量%存在させるのが好ましい。又、ギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール、メタリルスルホン酸ナトリウム等の連鎖移動剤を適宜に併用し不溶解化が生じない様に調節する。2質量%よりも少ないと十分に分岐構造を形成できず、20質量%よりも多い場合、分岐ではなく網目構造となり、重合体の不溶解化が生じるため好ましくはない。本発明におけるスルホン酸系重合体は、分岐構造を有することで、局部的なアニオン密度が高く、イオン的な相互作用が大きいため高いスケール防止効果が得られると推測できる。
本発明におけるスルホン酸系重合体の製造方法には特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合等によって重合した後、水溶液、分散液、エマルジョンあるいは粉末等任意の製品形態にすることができる。
これら前記の種々の重合は、窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物又は2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下あるいは無攪拌下ラジカル重合を行う。
本発明におけるスルホン酸系重合体は、イオン交換樹脂から製造することができる。使用するイオン交換樹脂は、使用前の新品のイオン交換樹脂は使用可能であるが、廃イオン交換樹脂を使用することもできる。イオン交換樹脂からスルホン酸系重合体を製造する方法は、WO2012/140981号公報で開示されている様な方法を適用することができる。即ち、イオン交換樹脂はカチオン交換樹脂であり、これを酸化剤により分解して用いる。
分解に用いる酸化剤は、過酸化水素、もしくは、ペルオキソ二硫酸塩が挙げられる。ペルオキソ二硫酸塩としては、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等が挙げられる。含水状態のイオン交換樹脂に対し質量で0.1〜5倍量の水を添加し混合した後、酸化剤を添加する。過酸化水素の場合、過酸化水素として0.03〜3倍量、更に好ましくは0.06〜2倍量添加する。ペルオキソ二硫酸塩の場合は、ペルオキソ二硫酸イオンとして0.03〜3倍量、更に好ましくは0.06〜2倍量添加する。必要に応じて、触媒として鉄イオン源、銅イオン源である硫酸鉄(2価)、塩化鉄(3価)、硫酸銅(2価)などを添加させてもよく、最適添加量は、イオン交換樹脂乾燥質量に対し0.0002〜0.02倍量、好ましくは0.0005〜0.01倍量である。
分解の反応温度は室温〜90℃、好ましくは40〜70℃である。反応時間は、イオン交換樹脂固形物の消失を目安とし、酸化剤量、触媒量にもよるが、おおよそ5〜50時間程度である。
分解により得られたスルホン酸系重合体は、イオン当量値が、2〜5meq/gであることが望ましい。ここでイオン当量値とは、イオン交換樹脂乾燥質量1gを分解して生成した分解液中の水溶性イオン性高分子の1gに対するイオン当量値であり、コロイド滴定法により求めた値である。コロイド滴定には、流動電位検出器PCD−500(京都電子製)を組み込んだ電位差自動滴定装置AT−510(京都電子製)を使用した。滴定時、カチオン性水溶性高分子の滴定にはポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を、アニオン性水溶性高分子の滴定にはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液を用いる。
イオン交換樹脂は、重合時に架橋性単量体を使用することにより、高分子同士の橋架けにより形成された架橋型重合体を材料としている。イオン交換樹脂を酸化剤により分解して得られたスルホン酸系重合体は、架橋型重合体が破壊され分岐型重合体となっていることが推察され、単量体の重合により得られたスルホン酸系重合体と比較してアニオン基の密度が局在化しており、スケールの原因となりうるカルシウムイオンと、より強く相互作用すると考えられる。そのため、紙パルプ製造工程におけるパルプスラリー及び/又は工程水に添加することで優れたスケール防止効果を発揮することができる。
本発明におけるスルホン酸系重合体の分子量分布は、GPC測定により求められる。分子量の範囲はPEG換算にて500〜30000にあることが好ましく、重量平均分子量は3000〜20000にあることが好ましい。
本発明におけるスルホン酸系重合体のイオン当量値は、2〜5meq/gであることが好ましい。
本発明におけるスルホン酸系重合体は、紙パルプ製造工程中において、pH6.0以下のパルプスラリー及び/又は工程水に添加することでスケール防止剤として使用することができる。添加方法としては、カルシウムスケールの付着が起こる箇所あるいはその上流部のパルプスラリー及び/又は工程水に添加する。本発明におけるスルホン酸系重合体は、低pH下でもスルホン酸塩型を保持することができ、スケール防止効果が低下することがない。そのため、低pH下において生成するシュウ酸カルシウム由来のスケール発生を効率よく防止することができる。
紙パルプ製造工程中の漂白工程においては、次亜塩素酸漂白、二塩化塩素漂白、オゾン漂白において、リグニンや有機物の分解や酸化によってシュウ酸が生じ、工程水中のカルシウムイオンと反応しシュウ酸カルシウムを形成し、スケールが発生しやすい状況にあり、漂白工程に入る前のパルプスラリー及び/又は工程水に本発明におけるスルホン酸系重合体を添加すると効果が顕著である。又、抄紙工程においては、抄紙ワイヤーを通過した白水が再びパルプスラリーに添加されるようになっており、白水が回収されて循環されている。循環される白水に本発明におけるスケール防止剤を連続的あるいは間歇的に添加することもできる。
本発明におけるスルホン酸系重合体の添加の仕方には特に制限はないが、通常は添加前に本発明におけるスルホン酸系重合体を適当な濃度に水で希釈、調製した後、パルプスラリー及び/又は工程水に添加する。
本発明におけるスルホン酸系重合体の添加率は、目的とする工程条件により、また、その要求度などにより異なる。一律に規定できるものではないが、洗浄水、白水又はパルプスラリー等に、重合体固形分として0.2〜50ppmの濃度になるよう添加する。スルホン酸系重合体の添加率が、重合体固形分として0.2ppm未満であると、スケール防止効果が十分に発現せず、スケールの発生を防止しきれないおそれがある。スルホン酸系重合体の添加率は、通常は50ppmで十分であり、50ppmを超える濃度の重合体を添加しても、スケール防止効果が向上することは稀である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例で用いる本発明におけるスルホン酸系重合体としてカチオン交換樹脂を分解して調整を行った。脱塩水2.5gに塩化第二鉄6水和物0.02gを溶解させ、ここに含水状態のカチオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(単量体質量に対し架橋性単量体8質量%含有させ製造したもの、三菱化学社製)2g(乾燥質量1.1g)を添加分散させた。35質量%過酸化水素1.44mLを添加し、55℃で20時間保持した。カチオン交換樹脂は完全に溶解し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液が得られた。得られた溶液に脱塩水を加え10gとし、10質量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液とした。ここから一部サンプリングし、コロイド滴定によりイオン当量値を求めた。得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウムのイオン当量値は、4.5meq/gであった。GPCにて分子量測定を行ったところ、分子量分布はPEG換算にて1000〜20000の範囲にあり、重量平均分子量は5000であった。
下記の試験1〜3を実施した。この試験では、塩化カルシウム溶液にスケール防止剤となる重合体を添加した後に、シュウ酸ナトリウム、もしくは炭酸ナトリウムを添加して所定期間放置し、次いで得られた溶液を濾過した際の濾紙上のカルシウム塩質量から、以下の式によりシュウ酸カルシウム、もしくは炭酸カルシウムの析出抑制率を求めた。
析出抑制率(%)
=(ブランクCa塩質量−サンプルCa塩質量)/ブランクCa塩質量*100
前記式において、サンプルCa塩質量とは、上述の濾紙上のカルシウム塩質量である。
又、ブランクCa塩質量とは、下記実施例及び下記比較例における手順と同様にして、塩化カルシウム溶液に重合体を添加せずにシュウ酸ナトリウム、もしくは炭酸ナトリウムを添加して所定時間放置した後に、得られた溶液を濾過した際の濾紙上のカルシウム塩質量である。
(試験1−実施例1)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを3.4に調整した。次いでスルホン酸系重合体を25ppmになるよう添加し、十分に混合した。シュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験1−比較例1)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを3.4に調整した。次いで試薬ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製、平均分子量70,000)を25ppmになるよう添加し、十分に混合した。シュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験1−比較例2)
脱塩水500mlに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを3.4に調整した。次いでポリアクリル酸ナトリウム(ダイドールH−35N、大同化成工業社製)を25ppmになるよう添加し、十分に混合した。シュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25のろ紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験1−対照例)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを3.4に調整した。次いでシュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、ブランクCa塩質量を求めて実施例1及び比較例1、2の析出抑制率の算出に用いた。
(試験2−実施例2)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを4.0に調整した。次いでスルホン酸系重合体を25ppmになるよう添加し、十分に混合した。シュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験2−比較例3)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを4.0に調整した。次いで試薬ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(関東化学品、平均分子量70,000)を25ppmになるよう添加し、十分に混合した。シュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験2−対照例)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、希塩酸を用いてpHを4.0に調整した。次いでシュウ酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、ブランクCa塩質量を求めて実施例2及び比較例3の析出抑制率の算出に用いた。
(試験3−実施例3)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解した。次いでスルホン酸系重合体を25ppmになるよう添加し、60℃の湯浴にて加温しながら一時間静置した。炭酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、60℃の湯浴中で2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験3−比較例4)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解した。次いで試薬ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(関東化学品、平均分子量50,000)を25ppmになるよう添加し、60℃の湯浴にて加温しながら一時間静置した。炭酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、60℃の湯浴中で2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、前記した計算式に従い、析出抑制率を算出した。結果を表1に示す。
(試験3−対照例)
脱塩水500mLに、カルシウム濃度が150ppmになるよう塩化カルシウムを溶解し、60℃の湯浴にて加温しながら一時間静置した。炭酸ナトリウムを100ppmになるよう添加し、60℃の湯浴中で2時間静置した。GS−25の濾紙にて濾過し、105℃の乾燥機にて一晩乾燥させた。室温にて30分間放冷した後秤量を行い、ブランクCa塩質量を求めて実施例3及び比較例4の析出抑制率の算出に用いた。
(表1)
表1に示すように、何れの条件でも従来のスケール防止剤として使用されるポリスチレンスルホン酸ナトリウムあるいはポリアクリル酸ナトリウムよりも、本発明におけるポリスチレンスルホン酸ナトリウムの方が、析出抑制率が高く、本発明におけるスルホン酸系重合体のスケール析出抑制効果が優れることが分かった。













Claims (4)

  1. イオン交換樹脂を酸化剤により分解して製造された、スルホン酸基を有する単量体を構成単位とし、分岐構造を有するスルホン酸系重合体を含有することを特徴とするシュウ酸カルシウムスケール防止剤。
  2. 前記スルホン酸系重合体の重合時に、架橋性単量体を総単量体質量に対し2〜20質量%存在させることを特徴とする請求項1に記載のシュウ酸カルシウムスケール防止剤。
  3. 請求項1〜の何れかに記載のスケール防止剤を、紙パルプ製造工程のpH6以下であるパルプスラリー及び/又は工程水に添加することを特徴とするシュウ酸カルシウムスケール防止方法。
  4. 前記紙パルプ製造工程が漂白工程であることを特徴とする請求項に記載のシュウ酸カルシウムスケール防止方法。
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