JP6809807B2 - 配管構造、及びボイラシステム - Google Patents
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Description
ボイラの支持構造体としては、積層ゴム等によって形成されて、支持構造体を構成する支持鉄骨を支持する免震装置を有するものが知られている。特許文献1には、作用する地震力を低減するために、支持鉄骨を構成する柱に生じる水平反力の大きさに応じて免震特性が設定されている免震装置が記載されている。
このような変形を吸収するために、ユニバーサルジョイント等を用いて変形を許容する構造等が知られているが、配管を流れる流体が高圧であると、流体の漏れが生じる可能性があるという課題があった。
また、それぞれの配管の曲げ変形、ねじれ変形によって、配管に生じる変形を吸収することができる。
さらに、変形吸収部をよりコンパクトに形成することができる。
また、このような構成によれば、配管を流れる流体の圧力損失を低減することができる。
以下、本発明の第一の実施形態のボイラシステムについて図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のボイラシステム10は、ボイラ11(第一の設備)と、タービン12(第二の設備)と、ボイラ11とタービン12とを接続する配管2を有する配管構造1と、を備えている。ボイラ11は、ボイラ本体13と、ボイラ本体13を支持するボイラ支持構造体14と、を有している。
支持鉄骨16は、鉛直方向に延びる複数本の柱18と、水平方向に延びる複数本の梁19と、複数本の鉛直ブレース20と、を組み合わせて構成されている。ボイラ支持構造体14は、支持鉄骨16を構成する柱18の末端部分である柱脚18aを介して基礎15に立設されている。
免震装置17としては、積層ゴムを利用した装置、すべり材を利用した装置、転がり支承を利用した装置等を採用することができる。免震装置17は、オイルダンパー等のダンパーを有してよい。
なお、以下の説明において、上下方向をZ方向、Z方向に直交する一の水平方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する水平方向をY方向とする。
配管2は、水平方向に延在する水平配管25と、上下方向に延在する上下配管26と、を有している。
地震が発生した場合、上下配管26は、水平方向(X方向とY方向の少なくとも一方)に大きく移動するが、水平配管25は、上下配管26と比較するとほとんど水平方向に移動することはない。
本実施形態の変形吸収部3は、上下配管26における配管固定具24の下方に設けられている。
配管2は、ボイラ11側の第一の配管2aと、タービン12側の第二の配管2bと、を有している。第一の配管2a及び第二の配管2bは、同一線上に配置されて上下方向に延在している。第一の配管2aは第二の配管2bの上方に配置されている。変形吸収部3は、第一の配管2aと、第二の配管2bとの間に設けられている。
本実施形態の変形吸収部3において、第一の配管2aと第一交差配管5とのなす角θ1、第一交差配管5と接続配管7とのなす角θ2、接続配管7と第二交差配管6とのなす角θ3、及び第二交差配管6と第二の配管2bとのなす角θ4は、それぞれ略直角(90°)である。
地震が発生すると、配管2が固定されている支持鉄骨16は、X方向、及びY方向に移動する。
図4に示すように、支持鉄骨16(図2参照)がX方向に移動すると、第一の配管2aがX方向に移動する。一方、第二の配管2bは、ほとんど移動しない。
第一の配管2aのX方向の変位は、変形吸収部3によって吸収される。第一の配管2aのX方向の変位は、第一の配管2a、第二の配管2b、及び接続配管7の曲げ変形と、第一交差配管5、及び第二交差配管6のねじり変形などによって吸収される。
第一の配管2aのY方向の変位は、変形吸収部3によって吸収される。第一の配管2aのY方向の変位は、第一の配管2a、第二の配管2b、第一交差配管5、第二交差配管6、接続配管7、及びエルボ8の曲げ変形によって吸収される。
以下、本発明の第二の実施形態の配管構造1について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の変形吸収部3は、水平配管25における上下配管26との接続部近傍に設けられている。本実施形態の第一の配管2a及び第二の配管2bは、水平方向に延在している。即ち、変形吸収部3は、上下配管26のみならず、上下配管26との接続部に近接していれば、水平配管25に設けてもよい。
第一の配管2aのX方向の変位は、変形吸収部3によって吸収される。第一の配管2aのX方向の変位は、第一の配管2a、及び第二の配管2bの軸方向の変形と、第一交差配管5、第二交差配管6、接続配管7、及びエルボ8の曲げ変形によって吸収される。
支持鉄骨16(図2参照)のY方向の移動は、図5に示す作用と同様の作用によって吸収される。
以下、本発明の第三の実施形態の配管構造1について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の変形吸収部3Cは、第一の配管2aと第一交差配管5とのなす角θ1、第一交差配管5と接続配管7とのなす角θ2、接続配管7と第二交差配管6とのなす角θ3、及び第二交差配管6と第二の配管2bとのなす角θ4は、それぞれ鈍角(例えば、約120°)である。エルボ8は、この角度に対応する形状を有している。
接続配管7は、第一の配管2a及び第二の配管2bに沿う方向に延在している。即ち、第一の配管2aと第二の配管2bと接続配管7とは互いに平行である。
なお、上記実施形態では、各々の配管2をエルボ8を介して接続する構成としたが、これに限ることはない。即ち、エルボ8を用いず、配管2及び変形吸収部3を継ぎ目のない構造としてもよい。これにより、各々の配管2をより滑らかに接続して、より蒸気の圧力損失を低減することができる。
以下、本発明の第四の実施形態の配管構造1について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の変形吸収部3Dの第一交差配管5、第二交差配管6、及び接続配管7の長さL2は、第一の実施形態の変形吸収部3の第一交差配管5、第二交差配管6、及び接続配管7の長さL1(図3参照)よりも短い。
本実施形態のエルボ8は、第一交差配管5、第二交差配管6、及び接続配管7よりも薄肉である。本実施形態のエルボ8は、第一の実施形態のエルボ8よりも低剛性である。
上記実施形態によれば、第一の実施形態の変形吸収部3と同じ変位量D(図5も参照)を確保しながら、変形吸収部3をよりコンパクトに形成することができる。
また、変形吸収部3の配管2に対する突出方向は、いずれの方向でもよい。図2に示す変形吸収部3は、支持鉄骨16の面に沿う方向に突出しているが、例えば、変形吸収部3を、支持鉄骨16の内側に突出させてもよい。
以下、本発明の第五の実施形態の配管構造1について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のボイラシステム10の配管構造1は、支持鉄骨16と配管2との間のクリアランスCが、地震応答解析等に基づき算定した配管2の変形量D2の1.0−1.5倍程度に設定されている。
本実施形態の配管固定具24は、配管2と支持鉄骨16(柱18)との間のクリアランスCが、地震応答解析等によって算定された配管2の変形量D2の1.0−1.5倍程度となるように形成されている。
以下、本発明の第六の実施形態の配管構造1について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第五の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態のボイラシステム10は、支持鉄骨16の柱18に緩衝装置28が設けられている。
なお、緩衝装置28として、減衰機構を有する高減衰ゴムを使用することによって、より接触する際のエネルギーを吸収することができる。
また、緩衝装置28は、配管2側(配管2の最大変形部M)に設けてもよい。
例えば、上記実施形態では、ボイラとタービンとの間に延在する配管2に変形吸収部3を設けたがこれに限ることはない。即ち、本発明の配管構造は、免震装置を有する支持構造体によって支持されている第一の設備と、免震装置によって支持されていない第二の設備との間を接続する配管に採用することができる。
2 配管
2a 第一の配管
2b 第二の配管
3 変形吸収部
5 第一交差配管
6 第二交差配管
7 接続配管
8 エルボ
10 ボイラシステム
11 ボイラ(第一の設備)
12 タービン(第二の設備)
13 ボイラ本体
14 ボイラ支持構造体
15 基礎
16 支持鉄骨
17 免震装置
18 柱
19 梁
20 鉛直ブレース
22 吊下げバー
23 サポート
24 配管固定具
25 水平配管
26 上下配管
28 緩衝装置
29 オイルダンバー
30 鋼材系ダンパー
31 荷重伝達部材
C クリアランス
Claims (4)
- 第一の設備を支持する支持鉄骨と前記支持鉄骨を支持する免震装置を有する支持構造体に固定された配管であって、前記第一の設備と、前記免震装置によって支持されていない第二の設備とを接続する配管を有する配管構造であって、
前記配管に設けられ、前記配管に生じる変形を吸収する変形吸収部を有し、
前記配管は、前記第一の設備側の第一の配管と、前記第二の設備側の第二の配管と、を有し、
前記変形吸収部は、前記第一の配管の端部から前記第一の配管と交差する方向に延在する第一交差配管と、
前記第二の配管の端部から前記第二の配管と交差する方向に延在する第二交差配管と、
前記第一交差配管の端部と前記第二交差配管の端部とを接続する接続配管と、を有し、
前記配管と前記第一交差配管、前記第一交差配管と前記接続配管、前記接続配管と前記第二交差配管、及び第二交差配管と前記配管は、エルボによって接続されており、
前記エルボのうち少なくとも一つは、前記第一交差配管、前記第二交差配管、及び前記接続配管よりも薄肉であることによって、前記第一交差配管、前記第二交差配管、及び前記接続配管よりも剛性が低い挙動を示すように形成されており、
前記第一の配管と前記第一交差配管とのなす角、及び前記第二交差配管と前記第二の配管とのなす角は、鈍角であり、
前記接続配管は、前記第一の配管及び前記第二の配管に沿う方向に延在している配管構造。 - 第一の設備を支持する支持鉄骨と、
前記支持鉄骨を支持する免震装置を有する支持構造体と、
前記免震装置によって支持されていない第二の設備と、
上下方向に延在する上下配管と、水平方向に延在する水平配管と、を有する配管を有する請求項1に記載の配管構造と、を有し、
前記変形吸収部は、前記上下配管と前記水平配管との接続部の近傍に設けられているボイラシステム。 - 前記支持鉄骨と前記配管との間のクリアランスが、解析に基づいて算定した前記配管の変形量の1.0−1.5倍に設定されている請求項2に記載のボイラシステム。
- 解析に基づいて決定された前記配管の最大変形部と、前記支持鉄骨における前記最大変形部の対応箇所との少なくとも一方に、緩衝装置が設けられている請求項3に記載のボイラシステム。
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