JP6809775B2 - 医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法 - Google Patents

医薬精製水製造装置および医薬精製水の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬精製水の製造装置等に関し、より詳しくは、被処理水を逆浸透膜に通して精製する逆浸透膜部を備える医薬精製水の製造装置等に関する。
例えば、医薬品の製造を行うには、製薬用の水である精製水を用いることが決められている。この医薬精製水は、被処理水を逆浸透膜等の濾過膜を利用した濾過手段により精製することで製造されることがある。そして濾過手段を複数透過する構成とすることで被処理水に含まれる不純物の濃度をより小さくすることができる。
特許文献1には、第1、第2MF膜モジュールとRO膜モジュールとを直接的に連絡する連絡ラインには、RO送液ポンプが設けられており、RO送液ポンプの吸い込み側には圧力センサが設けられて、また、RO膜モジュールの1次側とMF膜モジュールの2次側とは逆洗ラインによって連絡され、第2MF膜モジュールを逆洗する際には、RO送液ポンプは吸い込み圧が所定の設定圧力を維持するように駆動制御される濾過装置が開示されている。
特開2011−177653号公報
しかしながら、濾過装置として、途中で中間タンク等で貯留せず複数の濾過手段を直列に接続する多段構成としたときに、被処理水を透過させる際の制御が困難となる場合がある。
本発明の目的は、濾過装置を、中間タンク等により途中で貯留することを行わず複数の濾過手段を直列に接続する多段構成としたときでも、被処理水を透過させる際の制御がより容易となる医薬精製水製造装置等を提供しようとするものである。
かくして本発明によれば、被処理水を精製し、製薬用の水である精製水を製造する医薬精製水製造装置であって、被処理水中の遊離塩素を除去する遊離塩素除去部と、被処理水を濾過する濾過部と、遊離塩素除去部および濾過部の前段に設けられ、被処理水の温度を調整する加温装置と、を備え、濾過部は、被処理水を濾過膜を透過させることで精製を行なう第1の濾過手段と、第1の濾過手段を透過した第1の透過水を、貯留することなく濾過膜を透過させることでさらに精製を行なう第2の濾過手段と、第1の濾過手段と第2の濾過手段との間に設けられる脱気膜と、第1の濾過手段に対し、被処理水を送出する第1の送出手段と、第2の濾過手段に対し、第1の透過水を送出する第2の送出手段と、第1の送出手段を第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるようにするとともに第2の送出手段を第2の濾過手段を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるようにする制御手段と、第2の濾過手段の後段に設けられ、第2の透過水を精製する連続電気再生式純水装置と、を備え、加温装置は、精製水を製造する際は、濾過膜の性能を向上させる温度に被処理水を加温して遊離塩素除去部および濾過部に供給し、遊離塩素除去部を殺菌する必要がある際には、被処理水を熱水にして遊離塩素除去部および濾過部に供給することを特徴とする医薬精製水製造装置が提供される。
ここで、第1の濾過手段および第2の濾過手段は、逆浸透膜を使用して濾過を行うようにすることができる。
さらに本発明によれば、被処理水を精製し、製薬用の水である精製水を製造する医薬精製水の製造方法であって、被処理水中の遊離塩素を除去する遊離塩素除去工程と、濾過膜を備える第1の濾過手段に、被処理水を透過させる第1の濾過工程と、濾過膜を備える第2の濾過手段に、第1の濾過手段を透過した第1の透過水を貯留することなく透過させる第2の濾過工程と、第1の濾過工程と第2の濾過工程との間に設けられる脱気膜により脱気する工程と、第1の濾過手段に対し被処理水を送出する第1の送出手段を用い、第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように被処理水を送出する第1の送出工程と、第2の濾過手段に対し第1の透過水を送出する第2の送出手段を用い、第2の濾過手段を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように第1の透過水を送出する第2の送出工程と、第2の送出工程の後に、連続電気再生式純水装置により第2の透過水を精製する工程と、を含み、精製水を製造する際は、遊離塩素除去工程および第1の濾過工程の前に、濾過膜の性能を向上させる温度に被処理水を加温して第1の濾過手段および第2の濾過手段に供給する工程をさらに含み、遊離塩素除去部を殺菌する必要がある際には、遊離塩素除去工程および第1の濾過工程の前に、被処理水を熱水にして遊離塩素除去部、第1の濾過手段および第2の濾過手段に供給する工程をさらに含むことを特徴とする医薬精製水の製造方法が提供される。
本発明によれば、濾過装置を、中間タンク等により途中で貯留せず、複数の濾過手段を直列に接続する多段構成としたときでも、被処理水を透過させる際の制御がより容易となる医薬精製水製造装置等を提供することができる。
本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明した図である。 (a)は、本実施の形態のROユニットについて、概略的に示した図である。(b)は、ROユニットのRO装置とポンプとが、それぞれ3つの場合を示した図である。(c)は、濃縮水を別のRO装置で処理する場合を示した図である。 精製水製造ユニットの動作について説明したフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明を行う。
図1は、本実施の形態が適用される医薬精製水製造装置について説明した図である。
図示する医薬精製水製造装置の一例である精製水製造ユニット1は、被処理水を精製し、医薬精製水とする装置である。
本実施の形態では、被処理水は、例えば、日本薬局方の医薬品各条で規定されている常水である。この常水は、水道法第4条に基づく水質基準に適合することが求められている。より具体的には、水質基準として、平成15年厚生労働省令第101号により50項目が定められている。またこの基準と併せてアンモニウムが、「0.05mg/L以下」の規格に適合することが求められる。
常水としては、例えば、水道水や消毒処理を施した井水が用いられる。そのため常水には、消毒のために使用された塩素剤に起因する遊離塩素が含まれるのが通常である。塩素剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が用いられる。そしてこれに起因する遊離塩素としては、次亜塩素酸(HOCl)、次亜塩素酸イオン(OCl)等が挙げられる。
本実施の形態で医薬精製水は、製薬用の水であり、日本薬局方の医薬品各条で規定されている精製水である。この精製水は、有機体炭素が0.50mg/L以下であるとともに、導電率(25℃)が2.1μS/cm以下である基準を満たす水であることが必要である。精製水は、原薬の製造、製剤における溶解剤、製薬機器の洗浄、試薬試液の調整、医療器具の洗浄、コンタクトレンズの洗浄剤保存剤の調整等の用途に用いられる。
図示するように精製水製造ユニット1は、原水である被処理水を貯留する原水タンク20と、被処理水の温度を調整する加温装置30と、被処理水に含まれる遊離塩素を除去する活性炭塔40と、活性炭塔40を通過した被処理水から固形分を除去するプレフィルタ50と、被処理水を精製するRO(Reverse Osmosis Membrane:逆浸透膜)ユニット60と、精製された後の医薬精製水を貯留する貯留タンク70と、精製水製造ユニット1全体を制御する制御ユニット80とを備える。原水タンク20、加温装置30、活性炭塔40、プレフィルタ50、ROユニット60、および貯留タンク70は、ステンレスや樹脂等からなる配管H2、H3、H4、H5、H6により直列に接続される。また貯留タンク70からは、貯留タンク70から医薬精製水を供給し、ユースポイントを経て、再び貯留タンク70に戻るループ配管Rが備えられる。そして配管H2の途中には、ポンプP1が設けられ、ループ配管Rには、ポンプP2が設けられる。
本実施の形態では、被処理水として水道水を用いる。そのため所定の水圧を既に有しており、この水圧を利用して、被処理水は、まず原水タンク20に入る。
原水タンク20は、被処理水を一時的に貯留する。そしてポンプP1を駆動することで原水タンク20から後段の装置に被処理水を送出する。
加温装置30は、例えば、熱交換器を備える装置である。そして熱交換器に、例えば、蒸気を供給することで、被処理水との間で熱交換を行い被処理水を加温する。被処理水の温度は、例えば、5℃である。加温装置30では、通常の運転時においては、被処理水を例えば、25℃まで加温して、後述する逆浸透膜(RO膜)などの性能を向上させる。
また加温装置30を使用することで、後段の装置や配管の殺菌を行うことができる。この際は、加温装置30は、被処理水を例えば、85℃に加温し熱水として供給する。これにより後段の装置や配管を熱殺菌することができる。なお原水タンク20内の被処理水には、遊離塩素が原水タンク20では除去されず残存するため、原水タンク20の殺菌の必要はない。対して、詳しくは後述するが、活性炭塔40では遊離塩素が除去されるため、加温装置30の後段の装置や配管は、定期的に殺菌する必要がある。
活性炭塔40は、遊離塩素除去部の一例であり、内部に活性炭を充填する装置である。そして被処理水を活性炭に通水することで、被処理水に含まれる遊離塩素を除去する。活性炭塔40で使用する活性炭は、特に限定されるものではない。例えば、活性炭には、活性炭を製造するための原料により、石炭系活性炭とヤシガラ活性炭に大別されるが、何れも使用することができる。ただし、溶出するおそれがより少ないという点で活性炭に含まれる不純物はできるだけ少ない方が好ましい。
なお被処理水に含まれる遊離塩素を除去する機能を有する装置であれば、活性炭塔40ではなく他の装置であってもよい。例えば、亜硫酸ソーダを使用して被処理水中の遊離塩素を還元する装置や、紫外線の照射で遊離塩素を分解する装置であってもよい。
プレフィルタ50は、微粒子等の固形分を除去する。本実施の形態の場合、活性炭塔40で活性炭の微粒子が生じる場合がある。そして活性炭の微粒子は、そのまま後段のROユニット60に通水したときに、逆浸透膜を閉塞させることがあるため、プレフィルタ50で予め活性炭の微粒子を除去する。
ROユニット60は、逆浸透膜(RO膜)を備える装置であり、濾過装置および濾過部の一例である。ROユニット60は、逆浸透膜により被処理水中に含まれる不純物を濾過し、被処理水の精製を行う。本実施の形態で、逆浸透膜は、濾過膜の一例である。
逆浸透膜は、概ね1nm〜2nmの大きさの孔が多数形成された膜であり、水は透過するが、イオンは透過しない性質を有する。そのため被処理水から不純物である塩類やイオンを除去し、精製を行なうことができる。逆浸透膜としては、例えば、ポリアミド膜が例示される。
貯留タンク70は、ROユニット60を透過して医薬精製水となった水を貯留する。そして医薬精製水は、ポンプP2を駆動することで、貯留タンク70からループ配管Rにより各ユースポイントに送られる。
次にROユニット60についてさらに詳細に説明を行う。
図2(a)は、本実施の形態のROユニット60について、概略的に示した図である。
本実施の形態では、ROユニット60は、途中で貯留することなく濾過膜に被処理水または透過水を透過させる複数の濾過手段の一例である複数のRO装置を備える。この場合、濾過膜は、逆浸透膜(RO膜)に対応する。図示する例では、RO装置62とRO装置64の2つのRO装置を備える。
RO装置62は、被処理水を濾過膜を透過させることで精製を行なう第1の濾過手段の一例である。そしてRO装置62からは、逆浸透膜を透過した後の水である第1の透過水と逆浸透膜を透過しなかった第1の濃縮水が排出される。第1の透過水は、不純物が除去され精製された水である。また第1の濃縮水は、不純物が濃縮された水である。
RO装置64は、RO装置62を透過した第1の透過水を、貯留することなく濾過膜を透過させることでさらに精製を行なう第2の濾過手段の一例である。RO装置64からは、逆浸透膜を透過した後の水である第2の透過水と逆浸透膜を透過しなかった第2の濃縮水が排出される。第2の透過水は、不純物がさらに除去され精製された水である。また第2の濃縮水は、不純物が濃縮された水である。
また本実施の形態のROユニット60は、複数のRO装置のそれぞれの前段に設けられる複数の送出手段の一例である複数のポンプが設けられる。図示する例では、ポンプ61とポンプ63の2つのポンプを備える。
ポンプ61は、RO装置62に対し、被処理水を送出する第1の送出手段の一例である。またポンプ63は、RO装置64に対し、被処理水を送出する第2の送出手段の一例である。
さらに本実施の形態では、ROユニット60は、RO装置62を透過した第1の透過水の圧力を測定する圧力センサ62Pと、第2の透過水の流量を測定する流量センサ64Fとを備える。
本実施の形態では、ポンプ61、RO装置62、ポンプ63、RO装置64は、直列に接続される。RO装置を多段構成(この場合、2段構成)とすることで、被処理水を精製した後の医薬精製水の純度を向上することができる。またRO装置62を透過した水は、中間タンク等で貯留されずにRO装置64に達する。これによりROユニット60の設置スペースと設備の製造費用を低減することができる。
なお図2(c)に図示するように、濃縮水を更にRO膜や別のRO装置で処理する場合もある。これは、水の回収率を高めたり、濃縮水中に有価物が含まれる場合に有価物の濃縮倍率を高めるために2段濃縮する場合に採用される。ただしこの形態は、ここでは、RO装置が多段構成になっているとは呼ばない。
さらに本実施の形態では、複数のポンプに対し、複数のRO装置のうち最終段のRO装置を除くRO装置に対しては透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように水を送出し、最終段のRO装置に対しては透過水の流量が予め定められた範囲内となるように水を送出する制御を行う。即ち、複数のRO装置のうち最も下流側のRO装置に対しては、このRO装置の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように、このRO装置のすぐ前段にあるポンプを制御する。また最も下流側のRO装置以外のRO装置に対しては、透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように、それぞれのすぐ前段にあるポンプを制御する。
より具体的には、図2(a)の例では、制御ユニット80は、ポンプ61をRO装置62を透過した第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように制御し、ポンプ63をRO装置64を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように制御する。図2(a)では、圧力を予め定められた範囲内となる制御を出口PIC制御として図示し、流量を予め定められた範囲内となる制御を出口FIC制御として図示している。
実際には、ポンプ61およびポンプ63は、インバータ制御されており、この制御を制御ユニット80で行う。即ち、制御ユニット80は、制御手段として機能する。
なお図2(a)では、RO装置が2つで、ポンプが2つの場合について示したが、それぞれが3つの場合を図2(b)に示す。この場合、Pで示したポンプのうち最終段のポンプを除く前段2つのポンプについては、それぞれのポンプが被処理水を送出するRO装置の透過水の圧力が予め定められた範囲内となる制御を行う。また最終段のポンプである3つ目のポンプについては、このポンプが被処理水を送出する最終段のRO装置の透過水の流量が予め定められた範囲内となる制御を行う。なおポンプやRO装置が4つ以上になった場合も同様である。
従来は、RO装置を多段構成とした場合、それぞれのRO装置に被処理水を送出するポンプに対し、全て透過水の流量が予め定められた範囲内となる制御を行うのが一般的である。
しかしながらこのような制御を行った場合、以下の(1)〜(3)で説明する問題が生じやすい。
(1)精製水製造ユニット1を起動する際には、上流側から下流側に順次各装置を起動していく。この際、ROユニット60は、まずポンプ61を起動してRO装置62に被処理水を送出した後、次にポンプ63を起動してRO装置64に被処理水を送出する。この場合、ポンプ61を起動する際には、RO装置62の逆浸透膜による抵抗が生じる。そしてまだポンプ63が起動していないため、さらに大きな抵抗が生じる。このときポンプ61に対して第1の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように制御した場合、ポンプ61の負荷がより大きくなる制御を行うことになる。この場合、第1の透過水の圧力が急上昇し、圧力センサ62Pが過大な圧力を検知し、その結果、装置の圧力破損を回避するために、制御ユニット80がROユニット60を緊急停止することがある。この場合、制御ユニット80は、圧力センサ62Pの検知した圧力が予め定められた値を超えた場合、装置を緊急停止する制御を行う。
(2)また(1)の緊急停止が生じなかった場合でも、ポンプ63を起動した際に、ポンプ61に対して第1の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように制御した場合、第1の透過水の量が不足する。そしてこの場合、圧力センサ62Pが負圧を検知し、負圧キャビテーションによる装置の破損を回避するため、制御ユニット80がROユニット60を緊急停止することがある。この場合、制御ユニット80は、圧力センサ62Pの検知した圧力が予め定められた陽圧に満たない場合、装置を緊急停止する制御を行う。
(3)さらに逆浸透膜の経年変化や被処理水の水温変化により、第1の濃縮水および第2の濃縮水の流量が変化することがある。そのためこの流量を所定の流量に調整しようとした場合にも、上記(1)〜(2)の現象が生じることがある。そのため流量調整の作業には細心の注意が必要となり、運転管理がより困難となる。
(1)〜(3)の問題は、中間タンク等を設けず、貯留することなくRO装置を多段構成とした場合に、ポンプ61をRO装置62を透過した第1の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように制御するために生じる現象である。
よって本実施の形態では、ポンプ61に対し、RO装置62を透過した第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように制御する。このようにした場合、上記(1)の場合は、第1の透過水の圧力が上昇したときに、ポンプ61によって、RO装置62に送り込む被処理水をより少なくする制御が行われ、第1の透過水の圧力が過大となりにくくなる。さらに(2)の場合は、第1の透過水の圧力が低下するのを防ぐために、ポンプ61によって、より多くの被処理水をRO装置62に送り込む制御が行われるので、ポンプ63の入口が陽圧に保たれ装置の運転が継続できる。また同様にして(3)の問題も生じにくくなる。
次に精製水製造ユニット1の動作について説明を行なう。
図3は、精製水製造ユニット1の動作について説明したフローチャートである。
以下、図1〜図3に基づき、精製水製造ユニット1の動作について説明を行なう。
まず被処理水を原水タンク20に導入し、原水タンク20で一時的に貯留する(ステップ101)。
そして、活性炭塔40等を殺菌する必要があるかを判断する(ステップ102)。殺菌の時期は、通水時間や通水量により判断することができる。そして殺菌する必要がある場合(ステップ102でYes)、ポンプP1で被処理水を加温装置30で熱水にして供給し、殺菌を行う(ステップ103)。殺菌後は、ステップ101に戻る。
一方、殺菌する必要がない場合(ステップ102でNo)、加温装置30で一定の温度まで加温し、活性炭塔40に送る(ステップ104)。
そして被処理水中の活性炭塔40で被処理水中の遊離塩素を除去する(ステップ105:遊離塩素除去工程)。さらに被処理水中の微粒子をプレフィルタ50で取り除く(ステップ106)。
次にROユニット60が、被処理水の精製を行う。
このとき制御ユニット80は、ポンプ61をRO装置62を透過した第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように制御する(ステップ107:第1の送出工程)。これにより被処理水は、RO装置62を透過し、逆浸透膜により濾過が行われる(ステップ108:第1の濾過工程)。
また制御ユニット80は、ポンプ63をRO装置64を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように制御する(ステップ109:第2の送出工程)。これにより被処理水は、RO装置64を透過し、逆浸透膜により濾過が行われる(ステップ110:第2の濾過工程)。
ROユニット60を透過した水は、医薬精製水として、貯留タンク70に貯留される(ステップ111)。
以上詳述した精製水製造ユニット1は、濾過手段として逆浸透膜を使用したRO装置を使用した例について説明したが、これに限られるものではなく、濾過機能を有するものであれば特に限られるものではない。例えば、限外濾過膜を使用したUF(Ultrafiltration Membrane)装置であってもよい。
また以上詳述した精製水製造ユニット1では、被処理水の精製を行う装置としてROユニット60を使用したが、例えば、ROユニット60の後段にEDI(Electrodeionization:連続電気再生式純水装置)ユニットを設けるなど、他の装置を併用してもよい。
またROユニット60のRO装置等の濾過手段の間に脱気膜や保安フィルタなどを設けるようにしてもよい。
さらに上述した例では、最終段のRO装置に対しては透過水の流量が予め定められた範囲内となるように水を送出する制御を行っていたが、これは必須ではない。つまり最終段以外の他のRO装置に対しては透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように水を送出する制御を行えば、通水が安定化し、最終段のRO装置については制御が必要でない場合がある。
さらに上述した例では、ROユニット60は、医薬精製水の製造のために使用したが、これに限られるものではない。例えば、純水の製造や海水の淡水化を行うために使用することができる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、精製水製造ユニット1として、図1、図2(a)に示したものを用いた。
このうちROユニット60のRO装置62の逆浸透膜として、日東電工株式会社製のNTR−759HRを使用した。これはスパイラル型8インチ合成複合膜を備える。そしてこれを20本使用し、4本ずつ5つのFRPベッセルに充填した。そしてこのうち3ベッセルを1stバンク、2ベッセルを2stバンクとして構成した。
またポンプ61として、インバータ制御のポンプを用意した。これは、25.8m/h×130mH×18.5kWの能力を有する。
またRO装置64の逆浸透膜として、同様に日東電工株式会社製のNTR−759HRを使用した。そしてこれを16本使用し、4本ずつ4つのFRPベッセルに充填した。そしてこのうち3ベッセルを1stバンク、1ベッセルを2stバンクとして構成した。
またポンプ63として、インバータ制御のポンプを用意した。これは、16.6m/h×137mH×11kWの能力を有する。
またRO装置62とRO装置64との間には、ポリポア株式会社製の脱気膜(X50・10”×28”)を設けた。
そして制御ユニット80により、ポンプ61を第1の透過水の圧力が0.25MPaとなるように制御し、ポンプ63を第2の透過水の流量が13.9m/hとなるように制御した。
その結果、種々の運転条件でもROユニット60の緊急停止等は、生じなかった。つまり装置起動時、第1の濃縮水および第2の濃縮水の流量調整時、被処理水の温度変化が生じたとき、逆浸透膜の経年劣化後等でも安定した運転を行うことができた。またポンプ61の消費電力は、定格の約81%であり、ポンプ63の消費電力は、定格の約77%となり、消費電力量は、より小さいものとなった。
(比較例1)
ポンプ61を第1の透過水の流量が13.9m/hとなるように制御し、RO装置62とRO装置64との間に中間タンクを設けたこと以外は、実施例1と同様にしてROユニット60を運転した。
中間タンクを設けることで装置起動時等の緊急停止は生じなくなった。しかし中間タンクの設置するスペースや設置費用が別途必要であった。また中間タンクは、菌繁殖が生じやすいため、ステンレス製とし、内部に浸漬式紫外線殺菌器を設け、さらに中間タンク通気口に除菌フィルタを設ける必要があった。そのため中間タンクの設置費用がさらに増大した。またRO装置62から排出される第1の透過水の圧力が中間タンクの設置により利用できなくなり、そのためポンプ63に要する電力が増加することで実施例1より電力消費量が増大した。
1…精製水製造ユニット、20…原水タンク、30…加温装置、40…活性炭塔、50…プレフィルタ、60…ROユニット、61、63…ポンプ、62、64…RO装置、70…貯留タンク、80…制御ユニット

Claims (3)

  1. 被処理水を精製し、製薬用の水である精製水を製造する医薬精製水製造装置であって、
    被処理水中の遊離塩素を除去する遊離塩素除去部と、
    被処理水を濾過する濾過部と、
    前記遊離塩素除去部および前記濾過部の前段に設けられ、被処理水の温度を調整する加温装置と、
    を備え、
    前記濾過部は、
    被処理水を濾過膜を透過させることで精製を行なう第1の濾過手段と、
    前記第1の濾過手段を透過した第1の透過水を、貯留することなく濾過膜を透過させることでさらに精製を行なう第2の濾過手段と、
    前記第1の濾過手段と前記第2の濾過手段との間に設けられる脱気膜と、
    前記第1の濾過手段に対し、被処理水を送出する第1の送出手段と、
    前記第2の濾過手段に対し、前記第1の透過水を送出する第2の送出手段と、
    前記第1の送出手段を前記第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるようにするとともに前記第2の送出手段を前記第2の濾過手段を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるようにする制御手段と、
    前記第2の濾過手段の後段に設けられ、前記第2の透過水を精製する連続電気再生式純水装置と、
    を備え
    前記加温装置は、精製水を製造する際は、濾過膜の性能を向上させる温度に被処理水を加温して前記遊離塩素除去部および前記濾過部に供給し、当該遊離塩素除去部を殺菌する必要がある際には、被処理水を熱水にして当該遊離塩素除去部および当該濾過部に供給することを特徴とする医薬精製水製造装置。
  2. 前記第1の濾過手段および前記第2の濾過手段は、逆浸透膜を使用して濾過を行うことを特徴とする請求項1に記載の医薬精製水製造装置。
  3. 被処理水を精製し、製薬用の水である精製水を製造する医薬精製水の製造方法であって、
    被処理水中の遊離塩素を遊離塩素除去部により除去する遊離塩素除去工程と、
    濾過膜を備える第1の濾過手段に、被処理水を透過させる第1の濾過工程と、
    濾過膜を備える第2の濾過手段に、前記第1の濾過手段を透過した第1の透過水を貯留することなく透過させる第2の濾過工程と、
    前記第1の濾過工程と前記第2の濾過工程との間に設けられる脱気膜により脱気する工程と、
    前記第1の濾過手段に対し被処理水を送出する第1の送出手段を用い、前記第1の透過水の圧力が予め定められた範囲内となるように当該被処理水を送出する第1の送出工程と、
    前記第2の濾過手段に対し前記第1の透過水を送出する第2の送出手段を用い、当該第2の濾過手段を透過した第2の透過水の流量が予め定められた範囲内となるように当該第1の透過水を送出する第2の送出工程と、
    前記第2の送出工程の後に、連続電気再生式純水装置により前記第2の透過水を精製する工程と、
    を含み、
    精製水を製造する際は、前記遊離塩素除去工程および前記第1の濾過工程の前に、濾過膜の性能を向上させる温度に被処理水を加温して前記第1の濾過手段および前記第2の濾過手段に供給する工程をさらに含み、前記遊離塩素除去部を殺菌する必要がある際には、当該遊離塩素除去工程および当該第1の濾過工程の前に、被処理水を熱水にして当該遊離塩素除去部、当該第1の濾過手段および当該第2の濾過手段に供給する工程をさらに含むことを特徴とする医薬精製水の製造方法。
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