JP6809758B2 - アーク溶接制御方法 - Google Patents
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Description
母材の材質を選択すると送給速度のパラメータが前記母材の前記材質ごとに予め記憶された値に設定され、溶接ワイヤの前記送給速度を正送期間と逆送期間とに交互に切り換え、短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接するアーク溶接制御方法において、
前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の逆送ピーク値の絶対値が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記逆送ピーク値の絶対値よりも小さな値である、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法である。
前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の正送ピーク値の絶対値が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記正送ピーク値の絶対値よりも小さな値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法である。
前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の逆送減速期間が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記逆送減速期間よりも長い期間である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法である。
シールドガスに占める不活性ガスの体積%を設定すると、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値が前記シールドガスに占める不活性ガスの体積%に応じた値に設定され、
前記シールドガスに占める不活性ガスの体積%が大きくなるほど、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値は小さな値になる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法である。
溶接トーチの前進角を設定すると、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値が前記溶接トーチの前記前進角に応じた値に設定され、
前記溶接トーチの前記前進角が大きくなるほど、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値は小さな値になる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
1)正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu中は0から正送ピーク値設定信号Wsrによって定まる正の値の正送ピーク値Wspまで直線状に加速する送給速度設定信号Frを出力する。
2)続いて、正送ピーク期間Tsp中は、上記の正送ピーク値Wspを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
3)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)からHighレベル(短絡期間)に変化すると、正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsdに移行し、上記の正送ピーク値Wspから0まで直線状に減速する送給速度設定信号Frを出力する。
4)続いて、逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru中は0から逆送ピーク値設定信号Wrrによって定まる負の値の逆送ピーク値Wrpまで直線状に加速する送給速度設定信号Frを出力する。
5)続いて、逆送ピーク期間Trp中は、上記の逆送ピーク値Wrpを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
6)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)からLowレベル(アーク期間)に変化すると、逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdに移行し、上記の逆送ピーク値Wrpから0まで直線状に減速する送給速度設定信号Frを出力する。
7)上記の1)〜6)を繰り返すことによって正負の台形波状に変化する送給パターンの送給速度設定信号Frが生成される。
1)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときは、低レベル電流設定信号Ilrとなる電流制御設定信号Icrを出力する。
2)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化すると、予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流設定値となり、その後は予め定めた短絡時傾斜で予め定めた短絡時ピーク設定値まで上昇してその値を維持する電流制御設定信号Icrを出力する。
3)その後に、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化すると、低レベル電流設定信号Ilrの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
1)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化した時点から、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化して予め定めた遅延期間が経過した時点までの期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
2)その後のアーク期間中は、電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
3)その後のアーク期間中に小電流期間信号StdがHighレベルとなる期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
この回路によって、溶接電源の特性は、短絡期間、遅延期間及び小電流期間中は定電流特性となり、それ以外のアーク期間中は定電圧特性となる。
正送ピーク期間Tsp中の時刻t1において短絡が発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化する。これに応動して、時刻t1〜t2の予め定めた正送減速期間Tsdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の正送ピーク値Wspから0まで減速する。例えば、正送減速期間Tsd=1msに設定される。
時刻t4において、溶接ワイヤの逆送及び溶接電流Iwの通電によるピンチ力によってくびれが進行してアークが発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増するので、図(D)に示すように、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化する。これに応動して、時刻t4〜t5の予め定めた逆送減速期間Trdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の逆送ピーク値Wrpから0まで減速する。
実施の形態2の発明は、送給速度の逆送ピーク値及び正送ピーク値の絶対値を、シールドガスに占める不活性ガスの体積%が大きくなるほど小さな値に設定するものである。
実施の形態3の発明は、送給速度の逆送ピーク値及び正送ピーク値の絶対値を、溶接トーチの前進角が大きくなるほど小さな値に設定するものである。
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
AR 不活性ガス比率設定回路
Ar 不活性ガス比率設定信号
BR 前進角設定回路
Br 前進角設定信号
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
E 出力電圧
Ea 誤差増幅信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
Iw 溶接電流
MS 材質選択回路
Ms 材質選択信号
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電源主回路
R 減流抵抗器
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
STD 小電流期間回路
Std 小電流期間信号
SW 電源特性切換回路
TR トランジスタ
Trd 逆送減速期間
TRDR 逆送減速期間設定回路
Trdr 逆送減速期間設定信号
Trp 逆送ピーク期間
Tru 逆送加速期間
TRUR 逆送加速期間設定回路
Trur 逆送加速期間設定信号
Tsd 正送減速期間
TSDR 正送減速期間設定回路
Tsdr 正送減速期間設定信号
TSDR2 第2正送減速期間設定回路
Tsp 正送ピーク期間
Tsu 正送加速期間
TSUR 正送加速期間設定回路
Tsur 正送加速期間設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル
WM 送給モータ
Wrp 逆送ピーク値
WRR 逆送ピーク値設定回路
Wrr 逆送ピーク値設定信号
WRR2 第2逆送ピーク値設定回路
WRR3 第3逆送ピーク値設定回路
Wsp 正送ピーク値
WSR 正送ピーク値設定回路
Wsr 正送ピーク値設定信号
WSR2 第2正送ピーク値設定回路
WSR3 第3正送ピーク値設定回路
Claims (5)
- 母材の材質を選択すると送給速度のパラメータが前記母材の前記材質ごとに予め記憶された値に設定され、溶接ワイヤの前記送給速度を正送期間と逆送期間とに交互に切り換え、短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接するアーク溶接制御方法において、
前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の逆送ピーク値の絶対値が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記逆送ピーク値の絶対値よりも小さな値である、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法。 - 前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の正送ピーク値の絶対値が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記正送ピーク値の絶対値よりも小さな値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法。 - 前記母材の前記材質がステンレス鋼のときの予め記憶された前記送給速度の逆送減速期間が、前記母材の前期材質が鉄鋼のときの予め記憶された前記送給速度の前記逆送減速期間よりも長い期間である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接制御方法。 - シールドガスに占める不活性ガスの体積%を設定すると、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値が前記シールドガスに占める不活性ガスの体積%に応じた値に設定され、
前記シールドガスに占める不活性ガスの体積%が大きくなるほど、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値は小さな値になる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法。 - 溶接トーチの前進角を設定すると、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値が前記溶接トーチの前記前進角に応じた値に設定され、
前記溶接トーチの前記前進角が大きくなるほど、前記送給速度の前記逆送ピーク値及び前記正送ピーク値の絶対値は小さな値になる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法。
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