JP6809530B2 - 剪断加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント等で用いる、鉄、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、チタン、マグネシウム、又は、それらを基とする合金からなる金属板の剪断加工方法、特に、溶接して接合した金属板の剪断加工面において、疲労特性及び耐水素脆化特性を高めることが可能な剪断加工方法に関する。
プレスによる金属薄板の打抜きや穴抜きなどの剪断加工は、生産効率が高く、また、加工コストが安価であるので、電子機器や自動車用部品などの加工に広く用いられている。ただし、1000MPaを超える高強度鋼板を剪断加工すると、打抜き端面(剪断加工面)において引張残留応力(以下、特に断りがない限り、引張残留応力を単に「残留応力」と記載する。)が高くなり、水素脆化割れ(置割れ、遅れ破壊ともいう。)が生じ易くなり、耐疲労特性が低下するという問題がある。
また、同種又は異種の鋼板を溶接によって接合したテーラードブランク(TWB:Tailor Welded Blank)などの被加工材を剪断加工する場合、溶接金属及び熱影響部からなる溶接部(以下、単に「溶接部」という。)の剪断加工面では、耐水素脆化特性及び耐疲労特性が、さらに低下することが知られている。
なお、本明細書で言う金属薄板とは、プレスによる打抜き又は穴抜きの剪断加工を行った後、その剪断部の穴拡げ加工又はフランジアップ加工の対象となる、冷間圧延板、又は、厚さ3.0mm以下の板であって、鉄、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、チタン、マグネシウム又はそれぞれを基とする合金からなる金属板を指す。
打抜き加工が施された後の被加工材の打抜き端面は、被加工材がパンチにより押し込まれて形成されるダレ、パンチとダイの間の空間(以下、単に「クリアランス」ということがある。)内に被加工材が引き込まれ、局所的に引き延ばされて形成される剪断面、剪断面形成途中、被加工材が破断して形成される破断面、及び、被加工材の打抜き裏面に発生するバリによって構成される。
通常、上述の打抜き端面におけるダレ、剪断面、破断面、及び、バリの発生量を所要の範囲内に抑制することや、伸びフランジ性、耐疲労特性、及び、耐水素脆化特性等、加工後の端面特性を向上させることを狙って、クリアランスや工具形状の調整を行う。
例えば、特許文献1には、ポンチ及び/又はダイの切刃部の先端部に凸部の形状を有する曲げ刃を有し、かつ、所定の曲率半径、刃肩部角度を有する工具を用いて、クリアランスを、被加工材の厚さの25%以下として、加工後の端面における加工硬化及び引張残留応力を低減することが開示されている。
また、非特許文献1には、クリアランスを、被加工材の厚さとの厚さ比で1%以下として、高い圧縮応力下で剪断加工を行い、抜き面における引張残留応力を低減することが報告されている。また、特許文献2には、延性に優れた方向と、くさび形状のパンチの刃先方向を10°以下に設定して、バーリング性に優れる穴抜き加工を行う手法が開示されている。
また、特許文献3には、異種部品を成形する上型と、夫々の異種部品を成形する下型を備え、異種部品を同時に成形するプレス成形機が開示されている。前記上型には、夫々の部品を成形する複数の上型部と、前記上型部の中央部に設けられたブランクホルダと、前記アッパブランクホルダの下面に下方に突出して形成された凸状の切断部を有している。
また、特許文献4には、プレス加工された被加工物を支持する下刃と、この下刃に対して前進して前記被加工物の一部を剪断する上刃とからなるトリミング装置が開示されている。トリミング装置は、前記上刃の一部に上刃の進行方向に突出し、上破の下降時に先行して前記被加工物に食い込む突出刃を一体的に設けている。
剪断加工を制御して、剪断端面の残留応力を低減することができれば、耐水素脆化特性や耐疲労特性を向上させることができる(例えば、特許文献1及び非特許文献1、参照)。しかし、特許文献1の方法で形成した剪断加工面には難点がある。即ち、パンチ形状を切断稜線方向に均一にすると、上記剪断加工面において、延性や靭性の低い溶接部で割れが発生し易いという課題がある。
溶接部の残留応力を優先して低減するように剪断加工条件を制御すると、加工材の剪断加工面において、耐疲労特性や耐水素脆化特性をより高めることができるが、非特許文献1の方法のように、パンチとダイのクリアランスを、被加工材の厚さとの厚さ比で1%以下にすると、パンチの僅かなずれによって、パンチがダイに接触し、パンチ及び/又はダイが破損する危険性がある。
また、パンチとダイのクリアランスが、被加工材の厚さとの厚さ比で1%以下であると、パンチ及び/又はダイの側面が摩耗してクリアランスが変化し、加工材の剪断加工面において、耐疲労特性や耐水素脆化特性の向上効果が十分に得られないという課題がある。
また、特許文献2の穴抜き方法、特許文献3のプレス成形方法及び特許文献4のトリミング装置は、いずれも、溶接部と交叉する剪断線で剪断加工する剪断加工を開示していない。すなわち、特許文献1〜3はいずれも、溶接部の剪断加工面の残留応力を低減する条件を開示していない。
特開2006−224151号公報 特開2014−111283号公報 特開2009−183989号公報 実開平4−060318号公報
第63回 塑性加工連合講演会 講演論文集、338頁
そこで、本発明は、従来技術の課題に鑑み、溶接部の段差幅が大きい、及び/又は、強度1000MPa以上の鋼板と他鋼板(強度1000MPa以上の鋼板を含む)を溶接した被加工材を、溶接部と交叉する剪断線で剪断加工する剪断加工において、残留応力が小さい剪断加工面を形成することともに、パンチの寿命を長期化することを課題とし、当該課題を解決する剪断加工方法を提供することを目的とする。残留応力を小さくすることにより、破断面の面性状が改善し、結果として耐水素脆化特性が改善する。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、パンチの刃先に、突起、例えば、くさび状の突起を、所要の間隔で2個設け、2個の突起の間に、溶接部の全部又は一部が位置するようにして被加工材を剪断加工すれば、溶接部の段差幅が大きい場合でも、(x)残留応力が小さく、面性状に優れた剪断加工面を形成することができ、かつ、(y)刃先の突起の摩耗の進行を抑制して、パンチの寿命を延長できることを見いだした。
また、本発明者らは、被加工材が、強度1000MPa以上の鋼板と他鋼板(強度1000MPa以上の鋼板を含む)を溶接した被加工材の場合でも、(x)残留応力が小さく、面性状に優れた剪断加工面を形成することができ、かつ、(y)刃先の突起の摩耗の進行を抑制して、パンチの寿命を延長できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)少なくともダイ、ストッパー及びパンチを有する剪断加工装置を用いて、2枚の金属板を溶接して得られる被加工材の溶接部に交叉するように剪断する剪断加工方法であって、
パンチは、その刃先に、2個の突起を有し、
前記被加工材の溶接部の全部又は一部が、前記パンチの2個の突起の間に位置することを特徴とする剪断加工方法。
(2)前記2個の突起が、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、パンチの基端部から突起の先端に向かい、互いに対向する辺が離間してゆくことを特徴とする前記(1)に記載の剪断加工方法。
(3)前記2個の突起の先端の形状が、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、いずれも、平坦状、円弧状、又は、斜面状であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の剪断加工方法。
(4)前記2個の突起の先端の形状が、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、それぞれ、平坦状、円弧状、又は、斜面状であり、かつ、異なることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の剪断加工方法。
(5)前記2個の突起が、被加工材の溶接部に平行な方向において、同じ高さで形成されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(6)前記2個の突起が、被加工材の溶接部に平行な方向において、漸減する高さで形成されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(7)前記2個の突起の先端の間隔D(mm)が、溶接部の幅d(mm)に対し、0.8×d以上3.0×d(mm)以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(8)前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、前記2個の突起の対向する辺と、前記稜線と、前記2個の突起の先端間を結ぶ線とで囲まれる面積であるSと、それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、前記稜線と、突起の先端から前記稜線に下ろした垂線とで囲まれる面積の合計の1/2であるS'が、下記式(1)を満たすことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の剪断加工方法。
0<S≦6×S'・・・(1)
(9)前記2個の突起の形状が、前記パンチの移動方向に平行な軸に対して対称であり、
前記2個の突起の対向する辺と、前記稜線と、前記2個の突起の先端間を結ぶ線とで囲まれる面積Sが、下記式(2)であり、
それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、前記稜線と、突起の先端から前記稜線に下ろした垂線とで囲まれる面積S'が、下記式(3)であり、
下記式(2)の値と下記式(3)の値が、下記式(1)を満たすことを特徴とする(8)に記載の剪断加工方法。
0<S≦6×S'・・・(1)
S=(L+D)×H/2={L+(L+2×H×tan(θ))}×H/2・・・(2)
S'=H×{H×tan(θ)}/2・・・(3)
0.8×d≦D≦3.0×d
H:突起の高さ(mm)
L:2個の突起の基端部の間隔(mm)
θ:それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、当該突起の先端から前記稜線に下ろした垂線により形成される角度(°)
D:2個の突起の先端の中心の間隔(mm)
d:溶接部の幅(mm)
(10)前記面積Sが、前記面積S’の2倍以上であることを特徴とする(8)又は(9)に記載の剪断加工方法。
(11)前記角度θが5°以上80°以下であることを特徴とする前記(9)に記載の剪断加工方法。
(12)前記2個の突起の形状が、二等辺三角形であることを特徴とする(8)〜(11)のうちいずれかに記載の剪断加工方法。
(13)前記パンチとダイのクリアランスが、被加工材の厚さの0.5〜30%であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
本発明によれば、溶接部の段差幅が大きい、及び/又は、強度1000MPa以上の鋼板と他鋼板(強度1000MPa以上の鋼板を含む)を溶接した被加工材を、溶接部と交叉する剪断線で剪断加工する剪断加工において、残留応力が小さく、面性状に優れ、引張特性、耐疲労特性、及び、耐水素脆化特性に優れた剪断加工面を形成することができ、かつ、パンチの寿命を長期化することができる。
刃先に突起を2個備えるパンチで、溶接部を含む被加工材の剪断加工を行う剪断加工装置の一態様を示す図である。 図1に示す剪断加工装置で、溶接部に段差がある被加工材を、溶接部の全部を突起で両側から挟むようにして、溶接部に交叉する剪断線で剪断加工する態様を示す図である。 図1に示す剪断加工装置の側面態様を示す図である。 先端の形状が異なる突起を例示する図である。(a)は、先端の形状が平坦状の突起を示し、(b)は、先端の形状が円弧状(R形状)の突起を示し、(c)は、先端の形状が斜面状(傾斜角β)の突起を示す。 突起の長手方向の形状を示す図である。(a)は、長手方向の高さが同じ突起を示し、(b)は、長手方向の高さが直線的に漸減する突起を示し、(c)は、長手方向の高さが曲線的に漸減する突起を示す。 板厚の異なる金属板を溶接した被加工材の断面態様と、被加工材の溶接部の両側に当接する2個の突起の断面態様を模式的に示し、本発明の剪断加工方法の基本概念を説明する図である。 パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、前記2個の突起の形状が同じ二等辺三角形の場合における、本発明の剪断加工方法の基本概念を説明する図である。 剪断加工面における残留応力を測定した結果を示す図である。(a)は、S/S'=2の場合の残留応力を示し、(b)は、S/S'=4の場合の残留応力を示す。 剪断加工面における残留応力を測定した結果を示す図である。(a)は、S/S'=6の場合の残留応力を示し、(b)は、S/S'=8の場合の残留応力を示す。(c)は、図8及び図9の横軸が、溶接部の中心位置を0とし、中心位置からの距離x(mm)であることを示す。 パンチの刃先に2個の突起が設けられていない剪断加工装置を用いて、剪断加工面における残留応力を測定した結果を示す。
以下、本発明の剪断加工方法(以下「本発明方法」ということがある。)について、図面に基づいて説明する。
図1に、刃先に2個の突起を備えるパンチで、溶接部を含む被加工材の剪断加工を行う剪断加工装置の一態様の斜視図を示す。図2は、図1に示す剪断加工装置の正面図であって、溶接部に段差がある被加工材1の溶接部9の全部又は一部が、前記パンチの2個の突起2b、2cの間に位置するように、前記被加工材1をダイ3及びストッパー8で固定して、溶接部に交叉する剪断線で剪断加工する態様を示す。図3は、図1に示す剪断加工装置の側面態様を示す。図中、X軸、Y軸、及び、Z軸は、互いに直交する三軸を示す。
本発明方法において、「突起」は、パンチの刃先から前記パンチの移動方向に突出した突起であり、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、当該突起の基端部から当該突起の先端方向に沿って、突起の幅が小さくなることが好ましい。
図1及び図2では、先端の形状が先鋭な“くさび形状”の突起2bと突起2cを図示したが、本発明方法において、突起の先端の形状は、溶接部の剪断加工面の面性状の向上に寄与する限りにおいて、特定の形状に限定されない。
図4に、先端の形状が異なる突起を例示する。図4(a)は、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、先端の形状が平坦状の突起を示す。図4(b)は、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、先端の形状が円弧状(R形状)の突起を示す。図4(c)は、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、先端の形状が斜面状(傾斜角β)の突起を示す。突起の形状は、被加工材の態様、及び、剪断加工の態様に応じて適宜選択するが、詳しくは後述する。なお、図において、Wは、突起の基端部の幅で、Hは、突起の高さである。
2個の突起は、被加工材の溶接部の全部又は一部が2個の突起の間に位置するようにパンチの刃先に形成する。すなわち、2個の突起は、被加工材の溶接部の全部又は一部を前記溶接部の両側から挟むようにするため、前記パンチのパンチ面上の少なくとも刃先に形成する(図1〜3、参照)。但し、後述するように、突起の高さ(H)は、必ずしも一定にする必要はない。
図5(a)〜(b)に、突起の長手方向(パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向に垂直な方向)の形状の例を示す。図5(a)の突起は、その長手方向において高さが一定であり、図5(b)の突起は、その長手方向において高さが直線的に漸減しており、図5(c)の突起は、その長手方向において高さが曲線的に漸減する。
通常、突起の破損を防止するため、その長手方向において高さが一定の突起をパンチ面上に形成する(図5(a)、参照)。しかし、被加工材の態様及び/又は剪断加工の態様を考慮して、例えば、被加工材に比べて、突起を備えるパンチの硬さを十分に確保できる場合や、突起を備えるパンチの損傷が問題とならない場合、図5(b)に示すように、その長手方向において高さが直線的に漸減する突起を形成してもよいし、また、図5(c)に示すように、その長手方向において高さが曲線的に漸減する突起を形成してもよい。
図1及び図2に示すように、剪断加工装置10は、くさび形状の2個の突起2bと突起2cを有するパンチ2、ダイ3、及び、ストッパー8を備えている。ストッパー8は、ダイ3の上に載置した被加工材1を固定する。被加工材1は、圧延で板状に成形した、板厚と、必要に応じ強度が異なる2種類の金属板(例えば、鋼板)を溶接して構成されていて、中央に、段差のある溶接部9を有している(図2、参照)。
図2に示すように、剪断加工時において、パンチ2の刃先に設けた2個の突起2bと突起2cをそれぞれ金属板1aと金属板1bに当接させて、被加工材1の段差のある溶接部9の両側を挟み、溶接部と交叉する剪断線で、被加工材1を剪断加工する。図2には、溶接部に段差のある被加工材を剪断加工する態様を示したが、本発明方法は、溶接部に段差のない被加工材(強度が異なる、同じ板厚の金属板を溶接で接合した被加工材を含む)を、当然に剪断加工することができる。
パンチ2を押し下げると、図2の点線に示されるように、最初に、パンチ2の突起2cの先端2c'が、ダイ3に載置された被加工材1の厚さが厚い金属板1bに当接する。パンチ2をさらに押し下げると、パンチ2の突起2bの先端2b'が、被加工材1の厚さが薄い金属板1aに当接する。
パンチ2の突起2bと突起2cとの間に被加工材1の溶接部9を両側で挟んでいる状態で、パンチ2をさらに押し下げて、被加工材1を押圧すると、被加工材1は、突起2bと突起2c間に挟まれた溶接部を含む部分が下方に歪んで湾曲する。被加工材1は、下方に歪んだ湾曲状態において、パンチ2とダイ3による剪断作用を受けて剪断される。
前記被加工材の溶接部の全部又は一部が、突起2bと突起2cの間に位置する必要があるが、溶接部の全部が突起2bと突起2cの間に位置することが好ましく、少なくとも溶接金属の全部が突起2bと突起2cの間に位置することが好ましい。
図6は、2個の突起の断面態様を模式的に示し、本発明の剪断加工方法の基本概念を説明する図である。前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向(X方向)とでなす断面において、前記2個の突起の対向する辺22b、22cと、前記稜線と、前記2個の突起2b、2cの先端2b’、2c’間を結ぶ線とで囲まれる面積Sとする。図6左側の突起において、他方の突起と対向する辺22bと、前記稜線と突起の先端2b’から前記稜線に下ろした垂線Hとで囲まれる面積をS’とする。同様に、図6右側の突起において、他方の突起と対向する辺22cと、前記稜線と突起の先端2c’から前記稜線に下ろした垂線Hとで囲まれる面積をS’ とする。両突起断面の面積の合計(S’+S’)の1/2をS'とする。このとき下記式(1)を満たすことが好ましい。
0<S≦6×S'・・・(1)
突起間の面積Sは、0超であれば拘束効果が得られる。一方、突起間の面積Sが6×S'を超えても、上記拘束効果が十分に発現しないので、突起間の面積Sは6×S'以下が好ましい。
図1、図2及び図6は、2個の突起の基端部が重複しない例であるが、2個の突起は、その断面において重複しても良い。その場合、テーパー面の交点から、突起の先端との間の高さを突起の高さとすればよい。
拘束効果を十分に発現させるためには、突起間の面積Sは2×S'以上が好ましい。すなわち、下記式(1)’を満たすことが好ましい。
2×S'≦S≦6×S'・・・(1)’
より好ましくは3×S'以上である。
また、上限についても、拘束効果を確実に発現させるためには、より好ましくは5×S'以下にするとよい。
図7に、板厚の異なる金属板を溶接した被加工材の断面態様と、被加工材の溶接部の両側に当接する2個の突起の断面態様を模式的に示し、パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、前記2個の突起の形状が、同じ二等辺三角形の形状の場合を例として本発明の剪断加工方法の基本概念を説明する。X軸、Y軸、及び、Z軸は、互いに直交する三軸を示す。
パンチの刃先に設ける、突起2bと突起2cは、被加工材1の剪断線方向において均一な剪断力を確保する点で、同じ形状のものが好ましい。図2には、同じ“くさび形状”の突起を示している。また、突起の形状は、突起の先端の損傷を抑制する点で、左右対称の形状が好ましいが(図4(a)及び(b)、参照)、面性状の優れた剪断加工面を確保できる限りにおいて、左右非対称のくさび形状でもよい(図4(c)、参照)。
被加工材の溶接部の段差幅(金属板の板厚の差)が大きい場合、被加工材の幅方向(剪断線方向)において均一な剪断力を確保するため、パンチの刃先に、異なる形状の突起(例えば、図4(a)に示す突起と図4(b)に示す突起)を設けてもよいし、また、左右対称の形状の突起(例えば、図4(a)に示す突起、又は、図4(b)に示す突起)と左右非対称の形状の突起(例えば、図4(c)に示す突起)を設けてもよい。
突起2b(2c)は、図7に示すように、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、パンチの刃先に連なる基端部23b(23c)から突起の先端2b'(2c')に向かって、その幅が小さくなっていることが好ましい。
図7の符号22b及び22b’は、図7の左側の突起を構成するテーパ面の輪郭であるので、以下、簡略にするため、「テーパ面22b」などという。また同様に、符号22c、22c’は、図7の右側の突起を構成するテーパ面の輪郭であるので、以下、簡略にするため、「テーパ面22c」などという。
テーパ面22bとテーパ面22b’(テーパ面22cとテーパ面22c’)のなす角度αは、10°以上160°以下が好ましい。αが10°未満であると、突起が薄型となり、破損し易くなるので、αは10°以上が好ましい。より好ましくは30°以上である。一方、αが160°を超えると、突起の溶接部に対し圧縮力を作用し、残留応力をキャンセルする効果(以下、「拘束効果」という。)が低下するので、αは160°以下が好ましい。より好ましくは140°以下である。
図7において、突起2bと突起2cの高さはHで、突起2bの基端部の幅Wbと突起2cの基端部の幅Wcは同じである。突起2bと突起2cは、突起2bの先端2b'と突起2cの先端2c'の間隔がD、突起2bの基端部23bと突起2cの基端部23cの間隔がLで、パンチに設けられている。
突起2b(2c)の先端2b'(2c')は、Z軸方向に、円弧状に形成されている(図4(b)、参照)が、先端2b'(2c')は、平坦状に形成されていてもよい(図4(a)、参照)。先端2b'(2c')を、円弧状又は平坦状に形成することにより、パンチの破損を防止することができる。即ち、突起のテーパ面のなす角度αが鋭角の場合、突起が破損する恐れがあるが、先端形状が円弧状又は平坦状であることにより、突起、さらには、パンチを保護することができる。
被加工材1は、板厚t1の厚い金属板1bと板厚t2の薄い金属板1aを溶接で接合した被加工材であり、金属板1aの熱影響部9aと金属板1bの熱影響部9bを含む、幅dで段差幅Δt(=t1−t2)の溶接部9を有している。なお、本発明方法は、Δt=0の被加工材の剪断加工も含むものである。
突起2bと突起2cを有するパンチを押し下げると、突起2cの先端2c'が、溶接部9の熱影響部9bの外側の金属板1bにおける当接点s1に当接する。さらに、パンチを押し下げると、突起2bの先端2b'が、溶接部9の熱影響部9aの外側の金属板1aにおける当接点s2に当接する。
突起2bと突起2cが被加工材1に当接した後は、突起2bと突起2cで溶接部9を両側で挟んで、突起2bと突起2cが剪断加工時に溶接部の位置を固定するとともに、溶接部9を、突起2bのテーパ面22bと突起2cのテーパ面22cで両側から押圧しつつ、被加工材1を剪断加工する。
上記剪断加工により、溶接部を含む被加工材の全幅において、残留応力が小さく、面性状に優れた剪断加工面を形成することができる。また、上記剪断加工において、パンチの突起の先端は、硬化した溶接部の熱影響部に当接しないので、突起が溶接部に当接する場合に比べ、突起の摩耗の進行を抑制できて、パンチの寿命を延ばすことができる。
図7には、2個の突起で、被加工材の溶接部の全部を当該溶接部の両側から挟んで剪断加工する態様を示したが、2個の突起で、被加工材の溶接部の一部を当該一部の両側から挟んで剪断加工を行ってもよい。この場合、硬化した溶接部の熱影響部に当接する突起の先端の形状は、所要の剪断力を確保でき、かつ、突起の摩耗が進行し難い形状(例えば、図4(c)、参照)が好ましい。
溶接部を有する被加工材の剪断加工において、パンチに設けた2個の突起の間に溶接部の全部又は一部を挟んだ状態で前記被加工材を剪断加工すると、溶接部を含む被加工材の全幅(溶接部と交叉する剪断線)において、残留応力が小さく、面性状に優れた剪断加工面を形成することができる理由は、次のように推測される。
溶接部の全部又は一部の両側に突起が当接すると、溶接部が、当接した突起間に固定されて、溶接部の位置がダイ上でぶれず(即ち、被加工材がダイ上でぶれず)、かつ、突起のテーパ面により、前記溶接部に圧縮応力が作用し、この状態下で、剪断加工が進行する。
熱影響部を含む溶接部においては、溶接時の入熱で結晶粒が粗大化して、延性及び/又は靭性が低下しているので、通常、剪断加工面には引張応力が残留した場合、剪断加工面において、亀裂が容易に発生する恐れがある。溶接部の剪断加工面に残留する引張応力を低減すれば、剪断加工面における亀裂の発生及び/又は水素脆化割れを抑制することができる。
溶接部に、突起のテーパ面により圧縮応力が作用している状態で、溶接部を剪断加工すると、剪断加工後、剪断加工面に残留する引張応力が緩和されて、残留応力の小さい剪断加工面を形成することができる。したがって、本発明方法においては、溶接部の剪断加工面における亀裂の発生及び/又は水素脆化割れを顕著に抑制することができる。
本発明者は、突起の高さHを一定にし、突起の刃先の間隔D、突起の基端部の間隔L、及び/又は、テーパ―面角度αを変え、かつ、被加工材の溶接部の段差幅Δtを変えて、被加工材を剪断加工し、溶接部の剪断加工面における亀裂の発生状況を調査し、2個の突起による溶接部の拘束効果を確認した。
その結果、2個の突起による溶接部の拘束効果は、突起の先端の間隔Dや、突起の基端部の間隔Lに依存し、2個の突起のテーパ面で形成され、溶接部の全部又は一部を覆う空間(「突起空間」ということがある。)の断面積Sが、突起の断面積2S'の1/2(=S')との関係で下記式(1)を満たせば、Δtに依らず、2個の突起による溶接部の拘束効果が顕著に発現することが判明した。
2×S'≦S≦6×S' ・・・(1)
S=(L+D)×H/2={L+(L+2×H×tan(α/2))}・H/2
S'=H×{H×tan(α/2)}/2
0.8×d≦D≦3.0×d
H:突起の高さ(mm)
L:突起の基端部の間隔(mm)
α 突起の一対のテーパ面がなす角度(°)
D:突起の先端の中心の間隔(mm)
d:溶接部の幅(mm)
更には、前記2個の突起の形状が左右対称の形状であれば、前記2個の突起の形状が二等辺三角形と同様の効果を得ることができる。前記2個の突起の形状が左右対称の形状の場合、図6において、θ=θ=θ、H=H=Hと表すことができる。
すなわち、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、前記2個の突起の形状が、前記パンチの移動方向に平行な軸に対して対称である場合、前記2個の突起の対向する辺と、前記稜線と、前記2個の突起の先端間を結ぶ線とで囲まれる面積Sが、下記式(2)であり、それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、前記稜線と、突起の先端から前記稜線に下ろした垂線とで囲まれる面積S'が下記式(3)であり、下記式(2)の値と下記式(3)の値が、下記式(1)を満たす場合、2個の突起による溶接部の拘束効果が顕著に発現する。
0<S≦6×S'・・・(1)
S=(L+D)×H/2={L+(L+2×H×tan(θ))}×H/2・・・(2)
S'=H×{H×tan(θ)}/2・・・(3)
0.8×d≦D≦3.0×d
H:突起の高さ(mm)
L:2個の突起の基端部の間隔(mm)
θ:それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、当該突起の先端から前記稜線に下ろした垂線により形成される角度(°)
D:2個の突起の先端の中心の間隔(mm)
d:溶接部の幅(mm)
尚、前記2個の突起の形状が二等辺三角形の場合と同じ理由により、前記角度θは、5°以上80°以下であることが好ましい。より好ましくは15°以上70°以下である。また、前記面積Sが前記面積S’の2倍以上であり、下記式(1)’を満たすことが好ましい。
2×S'≦S≦6×S'・・・(1)’
図6のように、前記2個の突起の形状が非対称の場合、2個の突起の対向する辺22b、22cと、前記稜線Lと、前記2個の突起2b、2cの先端2b’、2c’間を結ぶ線Dとで囲まれる面積が下記式(4)であり、それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺22b、22cと、前記稜線Lと、突起の先端2b’、2c’から前記稜線Lに下ろした垂線H、Hとで囲まれる面積S’及びS’の合計が下記式(5)であり、下記式(4)の値と下記式(5)の値が、下記式(1)を満たし、溶接部の幅dと2個の突起の先端の中心の間隔Dとの関係が下記式(6)を満たす場合、2個の突起による溶接部の拘束効果が顕著に発現する。
0<S≦6×S'・・・(1)
S=D×(H+H)×1/2−(S’+S’
=(Hcosθ+L+Hcosθ)×(H+H)×1/2−[H×{H×tan(θ)}×1/2+H×{H×tan(θ)}×1/2]・・・(4)
S’=1/2×(S’+S’
=1/2×[H×{H×tan(θ)}×1/2+H×{H×tan(θ)}×1/2]・・・(5)
0.8×d≦D≦3.0×d・・・(6)
、H:それぞれの突起の高さ(mm)
L:2個の突起の基端部の間隔(mm)
θ、θ:それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、当該突起の先端から前記稜線に下ろした垂線により形成される角度(°)
d:溶接部の幅(mm)
D:2個の突起の先端の中心の間隔(mm)であり、下記式で表される。
D=Hcosθ+L+Hcosθ・・・(7)
前記2個の突起の形状が二等辺三角形の場合と同じ理由により、前記角度θ、θはそれぞれ5°以上80°以下であることが好ましい。より好ましくは15°以上70°以下である。また、前記面積Sが前記面積S’の2倍以上であり、下記式(1)’を満たすことが好ましい。
2×S'≦S≦6×S'・・・(1)’
剪断加工時に、2個の突起間に幅dの溶接部の全部又は一部が固定するのであるから、2個の突起の先端の中心の間隔Dは0.8×d以上が好ましい。より好ましくは1.0×d以上である。一方、突起の先端の当接位置(図5中、s1とs2)が、溶接部から離れすぎると、上記拘束効果が発現し難いので、2個の突起の先端の中心の間隔Dは3.0×d以下が好ましい。より好ましくは2.8×d以下である。
なお、突起の形状が左右非対称の場合、突起の先端の中心は、突起の中心線が通過する位置とする。例えば、図4(c)に示す、先端形状が傾斜角βの斜面状の、左右非対称の突起の場合、突起の先端の中心は、突起の中心線が通過する位置である。
2個の突起の先端の間隔Dが、0.8×d(d:溶接部の幅)以上3.0×d以下の条件下で、上記式(1)を満足する“2個の突起のテーパ面で形成され、溶接部を覆う突起空間の断面積S”(以下、「突起空間断面積S」ということがある。)を確保する。
本発明方法においては、剪断加工時に、パンチの刃先に設けた2個の突起で、被加工材の溶接部の全部又は一部を両側から挟んで固定するので、溶接部の段差幅Δtが大きくても、溶接部の位置が固定されて、被加工材がダイ上でぶれず、剪断加工がなされることになる。それ故、パンチの刃先に突起を設けない従来の剪断加工に比べ、パンチとダイの間隔(以下「クリアランス」ということがある。)を、比較的大きくとることができる。
本発明者らの試験結果によれば、板厚t1の金属板と板厚t2(<t1)の金属板を溶接し、溶接部に段差幅Δt(=t1−t2)を有する被加工材を剪断加工する場合、クリアランスは、t=(t1+t2)/2の0.5〜30%が好ましい。Δt=0の場合も、クリアランスは板厚t1(t2)の0.5〜30%が好ましい。
クリアランスが、被加工材の厚さt(=(t1+t2)/2、t1=t2の場合も含む)の0.5%未満であると、パンチの刃先、及び/又は、突起の先端においてチッピングが生じる懸念があるので、クリアランスは、被加工材の厚さtの0.5%以上が好ましい。より好ましくは1.0%以上である。
一方、クリアランスが、被加工材の厚さtの30%を超えると、剪断加工時、被加工材の湾曲が大きくなって、大きなバリが発生する懸念があるので、クリアランスは、被加工材の厚さtの30%以下が好ましい。より好ましくは25%以下である。
本発明の剪断加工方法において、パンチの刃先に設けられた2個の突起間に加工材の溶接部の全部又は一部が入るように前記2個の突起を設ける必要があるが、前記2個の突起以外に他の突起が形成されていても良い。但し、剪断加工装置のメンテナンスの簡素化と、前記2個の突起に加わる力を低減させないという観点から、パンチの刃先には、前記2個の突起以外に突起を設けないことが好ましい。
本発明方法で、剪断加工する被加工材は、例えば、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、チタン、マグネシウム、及び、それらを基とする合金からなる金属板を溶接で接合した被加工材である。被加工材の材質は、剪断加工が可能な材質であればよく、特定の材質に限定されない。また、被加工材の厚さは、剪断加工が可能な厚さであればよく、特定の厚さに限定されない。
冷間の剪断加工において、剪断加工品の形状・寸法精度を保つ観点から、被加工材の厚さは、6.0mm以下が好ましい。特に、剪断加工品の形状・寸法精度が高く要求される場合、被加工材の厚さは3.0mm以下がより好ましい。被加工材が、板厚が異なる金属板を溶接した、溶接部に段差のある被加工材を剪断加工する場合、厚い金属板の板厚は、前述したように、6.0mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。
一方、薄い金属板の板厚が非常に薄くなると、溶接部強度を十分に確保できない場合があるので、薄い金属板の板厚さは0.1mm以上が好ましい。より好ましくは0.5mm以上である。
ただし、溶接部を有する被加工材を、溶接部と交叉する剪断線で剪断加工する場合において、溶接部の剪断が円滑に進行し、面性状の優れた剪断加工面が得られる限りにおいて、被加工材の厚さや、溶接部の段差の幅は、特定の範囲に限定されない。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
板厚1.4mmの780MPa級鋼板と、板厚1.6mmの1180MPa級鋼板を溶接して被加工材(段差幅Δt=0.2mm、以下「78−118材」という。)を製造し、78−118材を、図1〜3に示す剪断加工装置(パンチの刃先に2個の突起)で剪断加工した。
突起の形状は、高さH=1mm、基端部の幅Wb(Wc)=2mm、角度α=90°とした。溶接部の幅dが2mmであるので、突起の先端の間隔D=2〜5mm、突起の基端部の間隔L=0〜3mmとした。
表1に、剪断加工条件を示す。2個の突起のテーパ面で形成され、溶接部を覆う空間の断面積(空間断面積)Sは1〜4mm2で、突起の断面積の2S’は、1mm2であるので、SとS'は、表1中、No.4の条件を除いて、上記式(1)を満たしている。クリアランスは、被加工材の厚さt(=(t1+t2)/2)の10%とした。
Figure 0006809530
剪断加工は、サーボプレス機を用い、パンチ速度を100mm/秒として行い、溶接部を含む剪断加工面において残留応力を測定した。また、溶接部を含む剪断加工面を、1〜100g/Lの濃度のチオシアン酸アンモニウム液に72時間浸漬して、耐水素脆化特性を調査した。
図8〜図10に、剪断加工面における残留応力を測定した結果を示す。図8(a)に、表1中No.1のS/S'=2の場合の残留応力を示し、図8(b)に、表1中No.2のS/S'=4の場合の残留応力を示し、図9(a)に、表1中No.3のS/S'=6の場合の残留応力を示し、図9(b)に、表1中No.4のS/S'=8の場合の残留応力を示す。
横軸は、図9(c)に示すように、溶接部の中心位置を0とし、中心位置からの距離x(mm)である。残留応力は、板厚の中心部で測定した残留応力である。残留応力は、剪断加工面において、格子間距離の変化をX線回折法で測定して求めた。
図8(a)、図8(b)、及び、図9(a)から、S/S'が上記式(1)を満たすと、溶接部の剪断加工面における残留応力は小さいことが解る。図9(b)は、S/S'=8で、上記式(1)から外れる場合の残留応力である。溶接部の中心部での残留応力は大きいが、中心部を除く剪断加工面において残留応力は小さいことが解る。これは、突起による溶接部を固定する効果が、中心部まで達しなかったことによると推測される。
図10は、パンチの刃先に2個の突起が設けられていない剪断加工装置を用いて、剪断加工面における残留応力を測定した結果を示す。溶接部に1000MPa以上の高い引張残留応力が生じている箇所がある。
表2に、剪断加工面のチオシアン酸アンモニウム液浸漬試験の結果を示す。
Figure 0006809530
突起を設けないパンチで剪断加工した剪断加工面においては、10g/L以上の濃度のチオシアン酸アンモニウム液に72時間浸漬した後、溶接部において割れが発生した。
一方、パンチに、突起を2個設けて剪断加工して形成した剪断加工面においては、水素脆化割れが抑制されていることが解る。S>6S'の場合、10g/L以上の濃度で水素脆化割れ抑制効果を確認できなかった。
前述したように、本発明によれば、溶接部の段差幅が大きい、及び/又は、強度1000MPa以上の鋼板と他鋼板(強度1000MPa以上の鋼板を含む)を溶接した被加工材を、溶接部と交叉する剪断線で剪断加工する剪断加工において、残留応力が小さく、面性状に優れ、引張特性、耐疲労特性、及び、耐水素脆化特性に優れたた剪断加工面を形成することができ、かつ、パンチの寿命を長期化することができる。よって、本発明は、鋼板加工産業において利用可能性が高いものである。
1 被加工材
1a 薄い金属板
1b 厚い金属板
2 パンチ
2a、2b、2c 突起
2b'、2c' 突起の先端
3 ダイ
8 ストッパー
9 溶接部
9a、9b 熱影響部
10 剪断加工装置
22b、22b’ 突起のテーパ面
22c、22c’ 突起のテーパ面
23b、23c 突起の基端部
t1、t2 金属板の板厚
d 溶接部の幅
Δt 溶接部の段差幅
s1、s2 突起の刃先の当接点
L 突起の基端部の間隔
D 2個の突起の先端の中心の間隔
H 突起の高さ
W、Wb、Wc 突起の基端部の幅
α 突起の一対のテーパ面のなす角度

Claims (14)

  1. 少なくともダイ、ストッパー及びパンチを有する剪断加工装置を用いて、2枚の金属板を溶接して得られる被加工材の溶接部に交叉するように剪断する剪断加工方法であって、
    パンチは、その刃先に、2個の突起を有し、
    前記被加工材の溶接部の全部又は一部が、前記パンチの2個の突起の間に位置し、
    前記2個の突起に挟まれた前記溶接部を含む部分を前記ダイ側に歪ませて湾曲させた状態で前記被加工材を剪断することを特徴とする剪断加工方法。
  2. 前記2個の突起は前記パンチの端部から離間した位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の剪断加工方法。
  3. 前記2個の突起が、パンチの切刃がなす稜線とパンチの移動方向とでなす断面において、パンチの基端部から突起の先端に向かい、互いに対向する辺が離間してゆくことを特徴とする請求項1又は2に記載の剪断加工方法。
  4. 前記2個の突起の先端の形状が、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、いずれも、平坦状、円弧状、又は、斜面状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  5. 前記2個の突起の先端の形状が、前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、それぞれ、平坦状、円弧状、又は、斜面状であり、かつ、異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  6. 前記2個の突起が、被加工材の溶接部に平行な方向において、同じ高さで形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  7. 前記2個の突起が、被加工材の溶接部に平行な方向において、漸減する高さで形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  8. 前記2個の突起の先端の間隔D(mm)が、溶接部の幅d(mm)に対し、0.8×d以上3.0×d(mm)以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  9. 前記パンチの切刃がなす稜線と前記パンチの移動方向とでなす断面において、前記2個の突起の対向する辺と、前記稜線と、前記2個の突起の先端間を結ぶ線とで囲まれる面積であるSと、それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、前記稜線と、突起の先端から前記稜線に下ろした垂線とで囲まれる面積の合計の1/2であるS'が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
    0<S≦6・S'・・・(1)
  10. 前記2個の突起の形状が、前記パンチの移動方向に平行な軸に対して対称であり、
    前記2個の突起の対向する辺と、前記稜線と、前記2個の突起の先端間を結ぶ線とで囲まれる面積Sが、下記式(2)であり、
    それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、前記稜線と、突起の先端から前記稜線に下ろした垂線とで囲まれる面積S'が、下記式(3)であり、
    下記式(2)の値と下記式(3)の値が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項に記載の剪断加工方法。
    0<S≦6×S'・・・(1)
    S=(L+D)×H/2={L+(L+2×H×tan(θ))}×H/2・・・(2)
    S'=H×{H×tan(θ)}/2・・・(3)
    0.8×d≦D≦3.0×d
    H:突起の高さ(mm)
    L:2個の突起の基端部の間隔(mm)
    θ:それぞれの突起において、他方の突起と対向する辺と、当該突起の先端から前記稜線に下ろした垂線により形成される角度(°)
    D:2個の突起の先端の中心の間隔(mm)
    d:溶接部の幅(mm)
  11. 前記面積Sが、前記面積S’の2倍以上であることを特徴とする請求項又は10に記載の剪断加工方法。
  12. 前記角度θが5°以上80°以下であることを特徴とする請求項10に記載の剪断加工方法。
  13. 前記2個の突起の形状が、二等辺三角形であることを特徴とする請求項12のうちいずれか1項に記載の剪断加工方法。
  14. 前記パンチとダイのクリアランスが、被加工材の厚さの0.5〜30%であることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の剪断加工方法。
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