JP2011045900A - 潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑性と冷却性に優れ、寿命が長く、かつ、高精度の精密塑性加工を行うことのできる潤滑油供給装置を提供する。
【解決手段】
冷却装置33で冷却された潤滑油がパンチ11内の流路26、分岐路26aからパンチ11の刃先部11aに向かって供給され、ノックアウトパンチ58内の流路27,分岐路27aからダイ51の打ち抜き孔11aの内周面に向かって潤滑油が供給される。これにより、パンチ11とダイ51とによるせん断部分に冷却された潤滑油が供給される。この潤滑油は下側ベースプレート53の排油溝60、帰油口3から給油タンク31に戻って、冷却装置33で10℃±1℃に温度調整した潤滑油を再びプレス装置に循環する。
【選択図】図3
【解決手段】
冷却装置33で冷却された潤滑油がパンチ11内の流路26、分岐路26aからパンチ11の刃先部11aに向かって供給され、ノックアウトパンチ58内の流路27,分岐路27aからダイ51の打ち抜き孔11aの内周面に向かって潤滑油が供給される。これにより、パンチ11とダイ51とによるせん断部分に冷却された潤滑油が供給される。この潤滑油は下側ベースプレート53の排油溝60、帰油口3から給油タンク31に戻って、冷却装置33で10℃±1℃に温度調整した潤滑油を再びプレス装置に循環する。
【選択図】図3
Description
本発明は、潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法に関する。特に、本発明は、高価なファインブランキングプレス装置を使用せずに、安価な汎用プレス装置でファインブランキング加工と同等以上の精密塑性加工を達成できる精密塑性加工方法及びその装置に用いる潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法に関する。更に、本発明は、パンチによる打ち抜きやせん断或いはハーフ抜き加工等のせん断面を製品の外周面とする塑性加工の際に、そのせん断加工工程のほぼ全体に渡って、ワークの塑性加工部分における材料の流動性を制御する精密塑性加工方法及びその方法を実現する精密塑性加工装置に用いる潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法に関する。
一般に、ワークを汎用プレス装置により打ち抜く等のせん断加工では、せん断部分にマイクロクラックの発生は避けられないためにそのせん断面は粗くなってしまい、そのせん断面を製品の外周面とする場合には、打抜き等のせん断加工の後に、せん断面を切削・研削等により仕上げ加工をしないと所望の断面性状及び加工精度が得られなかった。このため、打ち抜き後のせん断面に対して切削・研削等の仕上げ加工を必要としない精密せん断加工方法として、例えば特許文献1〜3などに示すようなファインブランキング(Fine Blanking)加工、或いは非特許文献1及び2に示すようなFHS(Fine Hold Stamping)工法と呼ばれる精密加工方法が知られている。
このファインブランキング加工とは、クリアランスの小さいパンチとダイを用いて、加工面を囲んで先端がナイフエッジ状のリングを形成した板押さえ部材と逆押さえ部材を備え、ナイフエッジ状のリングをワークに圧入させてワーク材料の内部に高い圧縮応力を発生させ、ワーク材料の延性を高めてせん断面でのクラックの発生を防ごうとするものであり、破断部分のない垂直で綺麗なせん断面を得ることを目的とする精密加工方法である。つまり、ワークの加工部分の材料に垂直方向に押え込みつつ、打抜孔を囲む断面V型の環状押込み突起をワークに圧入して打抜孔の周囲に環状断面V型の溝を形成し、これによって、せん断面付近の被加工材の延性を高めて平滑で破断面の少ないせん断加工面が得ようとする加工方法である。
これと同様な精密加工技術を実用化したものとして、非特許文献1及び非特許文献2にはFHS工法が開示されており、「・・・そこでFHSでは、この材料の「逃げ」を防止するために、型の形を変更、型で材料を押さえて「逃げ」が発生しないようにしたのだ。この機構を取り入れたことで、型と材料がずれることがなく、精密な加工をすることが可能になった・・・」及び「FBでは,ブランクの側面方向に素材が逃げる余地がある。FHSでは,パンチによってブランク側面を覆うことで素材の逃げを防いでいる。」と記載されている。
特許文献1には、スプロケットの歯部を形成するに際し、打抜き加工と同時もしくは別工程にて、スプロケットの歯底形成部位の少し内側にコイニングによるV溝を形成させることにより、歯面精度を大幅に向上させることを目的とし、鋼板製スプロケットは、プレスにより鋼板製の皿状本体の外周面全域にわたって歯形を形成させたスプロケットにおいて、スプロケットの上面もしくは下面の歯底の内径側に、歯底形状に沿って連続もしくは非連続のコイニング加工によるV溝が形成されていることを特徴とする技術が開示されている。
特許文献2には、精密打抜き方法に関し、廉価にして保守が容易であるにもかかわらず、従来のファインブランキングや対向ダイス法を凌駕することを目的とし、油圧プレスにより上型及び下型の押込み突起を素材の表裏面に押込み深溝を成形することにより素材の表裏面の対向位置に金属流動阻害壁を形成する技術が開示されている。
特許文献3には、ファインブランキング加工により形成されたスプロケットの問題点を解消し、二回の加工工程により、歯先形状を形成したスプロケットを提供することを目的とし、プレス加工によって、圧縮成形される鋼板製スプロケットにおいて、歯先先端形状の裏面が、前記ファインブランキング加工に用いられるダイの切刃形状によって、断面R形状に形成された後、前記歯先先端形状の表面が、プレス加工によって前記断面R形状とほぼ同形に形成されることにより課題を解決する技術が開示されている。
このファインブランキング加工においては、加工方法の手順や加工装置の構造以外にも考慮すべき技術は多く、その一つに治具及び加工部分への潤滑及び冷却の問題がある。
特許文献4には、以下の技術が記載されている。金型装置の可動側金型には通孔が設けられ、この通孔にはイジェクタピンが収容されている。イジェクタピンの外周面には、油収容凹部が摺動方向の全域に渡ってらせん状に設けられている。そして、この油収容凹部には潤滑油が注入されている。さらに、油収容凹部の開口縁には面取りが施されている。このため、イジェクタピンの摺動に伴って、イジェクタピンと縮径部とのクリアランスに油膜が形成され、常に潤滑油が補給される。このため、可動側金型およびイジェクタピンの磨耗や破損を防止することができる。また、摺動時に油収容凹部の開口縁が通孔の開口部に引っ掛かることによって破損が生じる恐れがなく、成形品に成形不良が生じることがない。
特許文献5には、以下の技術が記載されている。上下の金型片を有し、同両金型片にはプレス加工時に交差して互いにすり合うすり合わせ面と被加工材料をプレスするプレス面とが形成され、同すり合わせ面とプレス面とによって包囲形成される密閉型キャビティ内で同両プレス面の接近に伴って同キャビティ内の空気を同両金型片のすり合わせ面間から排出させながら成形材料をプレスするようにしたプレス装置において、注油ホースを介して両金型片のすり合わせ面に潤滑油を強制的に送るとともに強制的に吸引ホース及びバイパス吸引ホースを介して吸引し、潤滑油タンクに回収する。この時、吸引力を与える吸引シリンダによってキャビティ内の空気が吸引される。
特許文献6には、以下の技術が記載されている。ダイスの潤滑油の必要な成形部位に、多孔質焼結体を取付け固定すると共に該ダイスの壁内に油だまりを構成し、該油だまりと前記多孔質焼結体とを細孔を介して連通したプレス成形用金型装置。
特許文献7には、以下の技術が記載されている。金型のキャビティ上部から潤滑油を所定のタイミングで供給し、キャビティ下部から潤滑油を所定タイミングで強制的に排出するようにした。
特許文献8には、以下の技術が記載されている。潤滑油タンクからポンプによって潤滑油を汲み上げて金型のキャビティへ供給する管路の途中に、潤滑油を一定量貯え、所定のタイミングで貯えた潤滑油を一気にキャビティへ供給するシリンダユニットを設けた。
特許文献9には、以下の技術が記載されている。被加工金属材料を成型加工するパンチとダイを備えた金型を有する成型用プレス装置において、前記パンチの成形面に成形加工の際に披加工金属材料と金型との接触面に潤滑油を供給する給油孔を設けるとともに、前記給油孔に潤滑油を供給する潤滑油供給装置。
http://www.toyota−boshoku.co.jp/pdfset/investment/ manual/mr2008/p19−22.pdf 特集「世界トップクラスの高速加工、精度を求めて革新的プレス工法の開発に挑む。」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080821/ 156694/「厚鋼板を100spmで精密プレス加工,トヨタ紡織が新工法「FHS」の一端を明らかに」
昨今では、国際的に環境保護の意識が高まるなか、例えば、環境負荷低減のため自動車メーカーが掲げる「2010年CO2排出10%低減目標」を達成するにあたり、車体や駆動部品等の軽量化が求められている。加えて、自動車メーカーおよび部品メーカーの海外生産が拡大するなかで、国際競争力のあるコスト低減にあたり、高機能と高生産性の両立が求められている。このような状況で、金属プレス加工は生産性が高く部品の低コスト化に有効なプロセスであることから、自動車メーカーは金属プレス加工の採用を拡大したいとのニーズがある。そして、金属プレス加工製品の生産方法としては上述したファインブランキング工法と一般プレス工法がある。そして、ファインブランキング工法は加工精度が高く、従来、プレス加工後に工作機械によって仕上げ加工を必要としていたプレス製品も、後加工することなくプレス加工のみで生産出来る寸法精度に優れた加工方法であることから、ギヤ、ブレーキ、トランスミッション部品等高機能部品に適用されている。しかし、その反面、生産速度が遅いことや一般プレスと比較しファインブランキング工法専用のファインブランキングプレス装置が必要不可欠である等の問題点がある。一方、一般プレス工法は、製品精度が低いとの問題点がある反面、生産速度が速いことや汎用性の高いプレス機で加工ができるとする長所もある。
つまり、一般的なプレス装置のサイクル数は1分間でほぼ80ストローク(80ストローク/min)であるの対し、ファインブランキング加工では30ストローク/min程度でしかワークを打ち抜くことができない。そして、ファインブランキングでは、一般的なプレス金型のように80ストローク/minまでハイサイクル化すると、せん断面付近での材料の流動がパンチの打抜速度に追従できず、破断面が発生してしまい所望の品質は得られないという課題が内在している。
これに対して、非特許文献1及び2に記載されたFHS工法によると、「板厚4.3ミリの鉄板のプレス加工で、1分間に約100個の生産可能、さらに良品率もほぼ100%というもの。」と記載しており、1分間で100ストロークが実現できたとしているが、上記課題の具体的な解決手段は、型で材料を押さえて「逃げ」の発生を防ぐとした手段以外は、当該文献の記載からだけでは明確ではない。
このように、多くのファインブランキング加工技術が知られているなかで、高価なファインブランキングプレス装置を使用することなく、安価な汎用プレス装置を用いて、高価なファインブランキング装置によるファインブランキング加工と同等以上の精密せん断加工を達成することを課題としているものである。つまり、汎用プレス装置を用いることによってハイサイクル化を可能として生産性を高め、かつ、せん断面が良好で寸法精度にも優れ、平滑で破断面の少ないせん断面とすることが可能で、より安価で品位の高い製品を得ることのできる精密せん断加工方法及びその装置を提供することが課題である。
本発明の潤滑技術を適用する使用プレスとしては、高価なファインブランキングプレスを使用せず安価な汎用プレス装置でファインブランキング加工以上の精密せん断加工を実現しようとするものであり、製品精度としてはせん断面製品精度は±0.01mm、面粗度はRa1.6μm、生産性としてはストローク数は80ストローク/min、型寿命/1研磨は10万ショットを目標とするものである。
このような技術課題を解決するための要素として挙げられる技術の一つとして潤滑技術が上げられる。本発明は、多くのファインブランキング加工技術が知られているなかで、高価なファインブランキングプレス装置を使用することなく、安価な汎用プレス装置でファインブランキング加工と同等以上の精密せん断加工を達成することを課題としているものであり、ハイサイクル化を可能として生産性を高め、かつ、せん断面が良好で寸法精度にも優れ、より品位の高い製品を得ることのできるとともに、耐久性にも優れた潤滑油供給方法及びそれを実現できる潤滑油供給方法及び精密塑性加工装置の潤滑油供給装置及び塑性加工装置を提供することを目的とするものである。
以上のようなファインブランキング加工においては、綺麗なせん断面が得られる理由として、加工部分での材料の延性を高める、或いは材料の流動性を高めるとの作用を説明しているのが一般的である。しかしながら、この作用効果についての明確な技術的検証は未完な部分も残っている。そこで、本発明においては、加工部分への材料の流動性を高める作用効果に着目して、材料の「流動性」又は「流動性を高める」等の用語を用いて説明するが、本発明の機能を技術的に厳格に限定的解釈することを意図しているものではない。
請求項1記載の潤滑油供給装置は、可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工装置において、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成したことを特徴とする。
請求項1の潤滑油供給装置によれば、冷却された潤滑油が可動治具内の流路を通って可動治具の内部から加工エリアに供給される。これにより、冷却した潤滑油によって可動治具及び加工エリアが効果的に冷却され、連続打抜き時においてワーク及び治具の過熱を防ぎ熱膨張を抑え、可動治具と固定治具との適正なクリアランスを維持して精度の高い加工の維持ができる。
請求項2記載の潤滑油供給装置は、パンチと、ダイと、パンチと連動してダイに昇降自在に配置したノックアウトパンチとを備え、前記パンチとノックアウトパンチとでワークを挟み付けながらワークを打ち抜き加工する塑性加工装置において、前記パンチの内部及び前記ノックアウトパンチの内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリア及びノックアウトエリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成したことを特徴とする。
請求項2記載の潤滑油供給装置によれば、パンチ又はノックアウトパンチあるいはパンチとノックアウトパンチの双方からパンチの加工エリアに冷却された潤滑油を供給し、冷却した潤滑油によってパンチとノックパンチ及びダイを効果的に冷却して、連続打抜き時においてパンチとノックパンチ及びダイの過熱と熱膨張を抑え、パンチとノックパンチとの適正なクリアランスを維持し、精度の高い加工の維持ができる。
請求項3記載の潤滑油供給装置は、可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工装置において、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成し、この内部に潤滑油供給流路を形成した固定治具を備えた固定金型の周辺に潤滑油の戻し路を形成し、潤滑油を貯める貯油タンクと、潤滑油を循環させる循環ポンプと、この循環ポンプから供給される潤滑油を冷却する冷却装置と、この冷却装置から供給される潤滑油の圧力を調整する油圧調整機構とを備え、前記潤滑油供給流路から供給された潤滑油を前記戻し路を介して前記貯油タンクに戻すように構成したことを特徴とする。
請求項3記載の潤滑油供給装置によれば、可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、循環ポンプによって加工エリアに冷却した潤滑油を潤滑油流路に供給し、金型周辺に設けた戻し路から貯油タンクに回収した潤滑油を再び冷却装置で冷却し、その冷却した潤滑油を油圧調整機構で一定の圧力に調整して再び潤滑油流路を介して加工エリアへと循環することを可能とする。
請求項4記載の塑性加工時の潤滑油供給方法は、可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工方法であって、前記可動治具の内部に冷却した潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該流路を介して潤滑油を加圧供給することにより、常に、塑性加工中の加工エリアに潤滑油を加圧供給しつつ塑性加工することを特徴とする。
請求項4の塑性加工時の潤滑油供給方法によれば、冷却された潤滑油が可動治具内の流路を通って可動治具の外部に供給され、冷却した潤滑油によって可動治具が効果的に冷却され、連続打抜き時において可動治具の過熱及び熱膨張を抑えて可動治具と固定治具との適正なクリアランスを維持し、精度の高い加工を維持できる。
請求項5記載の塑性加工時の潤滑油供給方法は、パンチと、ダイと、パンチと連動してダイに昇降自在に配置したノックアウトパンチとを備え、前記パンチとノックアウトパンチとでワークを挟み付けながらワークを打ち抜き加工するプレス加工方法において、前記パンチの内部及び前記ノックアウトパンチの内部に冷却した潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該パンチ及びノックアウトパンチの流路を介して潤滑油を加圧供給することにより、常に、塑性加工中の加工エリア及びノックアウトエリアに潤滑油を加圧供給しつつ塑性加工することを特徴とする。
請求項5の塑性加工時の潤滑油供給方法によれば、冷却された潤滑油がパンチとノックパンチ内の流路を通って塑性加工中の加工エリア及びノックアウトエリアに冷却された潤滑油が供給され、パンチとノックパンチ及びダイが効果的に冷却され、連続打抜き時において加工治具の加熱と熱膨張を抑えてノックアウトパンチとダイとの適正なクリアランスを維持し、精度の高い加工の維持ができる。
請求項6記載の塑性加工時の潤滑油供給方法は、可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工方法であって、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成し、この内部に潤滑油供給流路を形成した固定治具を備えた固定金型の周辺に潤滑油の戻し路を形成しておき、潤滑油を貯める貯油タンクと、潤滑油を循環させる循環ポンプと、この循環ポンプから供給される潤滑油を冷却する冷却装置と、この冷却装置から供給される潤滑油の圧力を調整する油圧調整機構と備えておき、前記潤滑油供給流路から供給された潤滑油を前記戻し路を介して前記貯油タンクに戻すようにしたことを特徴とする。
請求項6記載の塑性加工時の潤滑油供給方法によれば、可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、循環ポンプによって加工エリアに冷却した潤滑油を潤滑油流路に供給し、金型周辺に設けた戻し路から貯油タンクに回収した潤滑油を再び冷却装置で冷却し、その冷却した潤滑油を油圧調整機構で一定の圧力に調整して再び潤滑油流路を介して加工エリアへと循環することを可能とする。
本発明の潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法によれば、治具の内部から冷却された潤滑油を供給する構成を備えたことにより、加工装置の連続打抜き時の摩擦によるワークと治具の急激な過熱を効果的に冷却し、治具の過熱による劣化を抑えることができるとともに、熱膨張を抑え、パンチとダイとの適正なクリアランスを維持し、精度の高い加工面を維持することができる。また、塑性加工時に、パンチ或いはノッキングパンチの内部に形成された流路から供給される潤滑油によって、常に、ワークの加工エリアに適度な油膜が形成され、過剰な加工応力の発生を防ぎ、且つ、金型の焼き付き、カジリなどを抑制することによって、加工精度を高めることができる。
この作用効果は、本発明の潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法を精密塑性加工装置に適用した際の、ハイサイクル化のためにも重要なものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。なお、本発明の実施例の説明では。パンチによってワークを打ち抜いて製品を成形する精密打抜き加工(精密塑性加工)に適用した潤滑油供給装置及び潤滑油供給方法を例として説明するが、精密塑性加工装置以外に対しても適用可能なものである。
図1は、従来から公知の汎用プレス装置(プレス装置そのものは、本発明に直接的に関係するものではないので全体は図示せず)に、本発明の潤滑油供給装置を適用した精密塑性加工装置を組み付けた状態の図面である。本発明の潤滑油供給装置が適用された精密塑性加工装置1は、上下方向に接離移動可能な上金型10と下金型50とからなる。上金型10は、汎用プレス装置の駆動手段(メカ方式でも油圧方式でも良い)によって駆動される上型ベースプレート13に対して、複数本の固定ボルト19により取り付けられている。この上金型10は、可動治具としてパンチ11を固定する上側ダイセット12、パンチ11へ駆動力を伝達するプレッシャ部材15、塑性加工時に材料の流動性を制御するストリッパプレート20、該ストリッパプレート20の圧入駆動力伝達手段としての油圧ピストン17等を備えている。下金型50は、汎用プレス装置の下型ベースプレート53に取り付けられている。この下金型50は、固定治具としてのダイ51、このダイ51を固定する下型ダイセット52等を備えている。
これにより、鋼板などのワークW(一般的には帯状の材料であり、図1の図面に垂直方向を長手方向とした帯状体を呈している)をダイ51に載置し、汎用プレス装置を駆動し、その駆動力は上型ベースプレート13、プレッシャ部材15等を介してパンチ11に伝達され、パンチ11を下降させてワークWから製品Sを打ち抜くものである(図7(b)参照。図7は本発明の説明用であるが、概観は従来例のワークWと製品Sと同様であるので参照する)。ここまでの打ち抜き構造及び工程は従来から知られているものである。
上金型10は、打ち抜かれるべき製品Sの形状と同じ形状で全体として概略柱状体(図4に示した実施例では概略角柱状)のパンチ11を、汎用プレス装置の駆動サイクルに同期して駆動する駆動力伝達構造を備えている。ダイ51は、中央部に打ち抜かれるべき製品Sの形状と同じ形状の打抜孔51aを有している。ダイ51の打抜孔51aには、打ち抜き加工時には、打ち抜かれるべき製品Sを支え、打ち抜き完了後には、打ち抜かれた製品Sを排出するために製品エジェクタを兼ねるノックアウトパンチ58が上下動可能に組み込まれている。このノックアウトパンチ58は、油圧シリンダ59等の適宜の駆動手段により駆動されており、打ち抜き時には、油圧ポンプ54により油圧管路55を介して油圧シリンダ59内に所定の油圧力が供給されており、パンチ11の打抜き駆動力に抗して打ち抜かれるべき製品Sを支え、打ち抜き完了後には、油圧シリンダ59を駆動してパンチ11で打ち抜いた製品Sを汎用プレス装置外に排出する機能を備えている。
ダイ51と上側ダイセット12との間にはストリッパプレート20が配置され、そのストリッパプレート20には、パンチ11との相対的な摺動運動を許容する挿通孔16が形成されている。上側ダイセット12には、ストリッパプレート20に連結したガイドシャフト21が昇降自在に案内されており、このガイドシャフト21にストリッパプレート20が吊り下げ固定されている(図1の状態は、パンチ11に対してストリッパプレート20の最下限状態を示している)。
このストリッパプレート20の挿通孔16の裏面側(図1の下側)の周縁部には、ダイ51の打抜孔51aの外側近傍を囲むように環状の押込み突起23が形成されている。このストリッパプレート20の押込み突起23は、図5乃至7に明示するように、先端部が鋭利なナイフエッジ状のV字型を成し、その内側傾斜面23aが挿通孔16の内周面と連続した面が構成されるよう、段部を設けずに一体的に形成されている。また、上側ダイセット12には、パンチ11による打ち抜き加工時に、ストリッパプレート20をワークWに対して所定圧力で押圧し圧入する圧入駆動手段としての油圧ピストン17が装置内に組み込まれている。ストリッパプレート20の押込み突起23の先端(図1では下端)は、パンチ11の先端(図1では下端)よりも若干先行してワークW面と接触するように配置されている。これによりストリッパプレート20の押込み突起23は、パンチ11が製品Sに当接する前にワークW面に当接し、所定圧力を保っている油圧シリンダ18内の油圧ピストン17によって、ワークWをダイ51に対して加圧し、ストリッパプレート20の先端に形成された押込み突起23をワークWに押し込むことによって、ワークWの材料の流動性を高めて、材料をパンチ11の塑性加工部分に供給する。
一般的なファインブランキング加工においても、塑性加工時には、押込み突起23をワークWに食い込ませるものは知られている。本発明が適用される精密塑性加工装置においては、塑性加工の最初の段階(一次圧入・加工工程)において、油圧シリンダ18内の油圧力によって押込み突起23をワークW内に圧入させることによって、ワークWの塑性加工面近傍の材料の流動性を高めて塑性加工を実行すると共に、それに続く、塑性加工が進行中の中間段階(二次圧入・加工工程)においても、押込み突起23のワークWへの更なる圧入によって、加工面に微細な破断傷を生起させる虞のある加工中間段階(二次圧入・加工工程)における材料の更なる流動性を高めて塑性加工を実行するものである。このように、塑性加工の初期段階での押込み突起23のワークWへの圧入に続いて塑性加工の中間段階での押込み突起23のワークWへの更なる圧入動作の結果として、残留するワークWには、打ち抜かれた製品Sの形状に沿ってパンチ11の周縁部を囲むように断面V字状に形成されたより深い溝部24が残される(図9)。本発明の潤滑油供給装置及び方法においては、上記塑性加工の最初の段階(一次圧入・加工工程)から加工中間段階(二次圧入・加工工程)、更には、加工の終了に至るまで、塑性加工工程を通して、治具の内部から冷却された潤滑油を供給しながら加工を実現するものである。
更に説明する。図1は、汎用プレス装置が上限位置にあり、本発明が適用された精密塑性加工装置を汎用プレス装置に組み付けた状態を示しており、プレス加工工程よりも上型ベースプレート13が上昇した状態を示している。上述したように、上型ベースプレート13に対して上側ダイセット12が固定されており、その上側ダイセット12に対してパンチ11が固定されている。これにより、パンチ11は、汎用プレス装置の駆動力に同期して周期的に下降上昇を繰り返す。ストリッパプレート20は、上側ダイセット12に対してガイドシャフト21により吊り下げ固定されている。このストリッパプレート20には、所定圧力を保っている油圧シリンダ18内の油圧ピストン17により、ピストンピン26を介して常に下向きの力が加えられている。図1のストリッパプレート20は、パンチ11に対して下限位置にある状態を示している。上側ダイセット12とストリッパプレート20の間には、所定の厚みを持った係合リング25が設けられている。この係合リング25は上側ダイセット12側に、適当な手段により取り付けられており、汎用プレス装置の加工工程以外の工程では、ストリッパプレート20がガイドシャフト21に吊り下げられて下限位置にあり、係合リング25の下端面とストリッパプレート20の上端面との距離L(図1)の隙間を形成している(この距離Lについては後段で説明する)。
次に、主に図5乃至図8を参照して、本発明が適用される精密塑性加工装置1の動作について説明する。図5乃至図7は加工工程の進行に従った加工部近傍のパンチ11、ストリッパプレート20及びノックアウトパンチ58の相対位置関係を示した図であり、図8は加工工程の進行に従ったパンチ11、ストリッパプレート20及びノックアウトパンチ58のストローク遷移図である。なお、図8のストローク遷移図では、理解の容易のために各治具の移動を直線的に表示しているが、実際の装置に組み込まれた場合は、各々がサインカーブに近い曲線状に移動するものである。
(スタート位置t1)
図5(A)は、図8の時間(t1)の状態を示しており、パンチ11及びストリッパプレート20は上限位置にあり、ノックアウトパンチ58は上限位置にあり、ワークWはダイ51上に載置された状態であり、これをスタートとして、汎用プレス装置の駆動手段(全体の図示なし)によって、上型ベースプレート13を下降させる。このスタート位置より、上側ダイセット12が下降し、上側ダイセット12に固定したパンチ11と、上側ダイセット12に吊り下げたストリッパプレート20とが同期して下降を開始する。この時、上限位置にあるノックアウトパンチ58の先端部は、ダイ51の上面と同一面を維持する構成とするか、或いはごく僅か突出しているがほぼ面一を維持する構成としている。また、本実施例においては、パンチ11の先端部は、ストリッパプレート20の押込み突起23の先端部よりもammだけ上方(加工ストロークに対しては後退した位置)に位置している。このパンチ11の先端部と押込み突起23の先端部の位置関係は、ワーク材料の性状により適宜選択することができる。例えば、パンチ11の先端部と押込み突起23の先端部とを面一としても良いし、場合によっては、パンチ11の先端部を押込み突起23の先端部より若干先行させても良い。
図5(A)は、図8の時間(t1)の状態を示しており、パンチ11及びストリッパプレート20は上限位置にあり、ノックアウトパンチ58は上限位置にあり、ワークWはダイ51上に載置された状態であり、これをスタートとして、汎用プレス装置の駆動手段(全体の図示なし)によって、上型ベースプレート13を下降させる。このスタート位置より、上側ダイセット12が下降し、上側ダイセット12に固定したパンチ11と、上側ダイセット12に吊り下げたストリッパプレート20とが同期して下降を開始する。この時、上限位置にあるノックアウトパンチ58の先端部は、ダイ51の上面と同一面を維持する構成とするか、或いはごく僅か突出しているがほぼ面一を維持する構成としている。また、本実施例においては、パンチ11の先端部は、ストリッパプレート20の押込み突起23の先端部よりもammだけ上方(加工ストロークに対しては後退した位置)に位置している。このパンチ11の先端部と押込み突起23の先端部の位置関係は、ワーク材料の性状により適宜選択することができる。例えば、パンチ11の先端部と押込み突起23の先端部とを面一としても良いし、場合によっては、パンチ11の先端部を押込み突起23の先端部より若干先行させても良い。
(押込み突起の接触→一次圧入・加工工程)
次いで、汎用プレス装置の駆動手段によって、図5(A)のタイミングt1の状態から上型ベースプレート13と共に上側ダイセット12が下降すると、パンチ11に対してamm先行するストリッパプレート20の押込み突起23が図5(B)のタイミングt2でワークWと接触する。この状態では、ストリッパプレート20は、上述したように、ストリッパプレート20全体がピストンロッド26を介して圧入駆動力伝達手段としての油圧ピストン17によってバックアップされている。それにより、汎用プレス装置の駆動手段によって上型ベースプレート13全体が下降するなか、油圧ピストン17が縮退して、ストリッパプレート20の押込み突起23は、ワークW内に圧入される。この間の押込み突起23の圧入動作は、加圧する油圧シリンダ18の油圧力(本実施例においては所定圧力を維持する制御としたが、ワークWの材質によっては、下降ストロークによりバックアップの油圧力を制御しても良い)によって決定され、油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡した状態で停止する(図6(A)のタイミングt3の状態)。これにより、ワークWには押込み突起23によって断面V字状の溝部24がパンチ11の刃先部11aを囲むように形成され、断面V字状溝部24の材料が流動性を高めて加工部分に供給される(一次圧入・加工工程)。この状態が、図6(B)のタイミングt4の状態であり、丁度、パンチ11の先端部がストリッパプレート20の押込み突起23先端部のストローク位置と一致した状態を示している。なお、本実施例においては、精密塑性加工成形するワークWは、JIS G3131 SPHC(降伏点216N、引張強350N/mm2)を使用し、その板厚は例えば6mmとし、そのワークWにストリッパプレート20の押込み突起23を食い込ませる一次圧入量L(油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡して、押込み突起23の圧入動作が停止した状態での圧入量)は概ね0.9mmとなるように油圧シリンダ18の油圧力を設定するように構成した。本実施例では、油圧シリンダ18の油圧力は所定圧力を維持する制御とし、押込み突起23の圧入速度はパンチ11の下降速度に同期して一定速度で圧入されているが(図8参照)、この圧入速度も、ワークWの材質によって油圧シリンダ18の油圧力を制御することにより、下降速度を制御することが可能である。
次いで、汎用プレス装置の駆動手段によって、図5(A)のタイミングt1の状態から上型ベースプレート13と共に上側ダイセット12が下降すると、パンチ11に対してamm先行するストリッパプレート20の押込み突起23が図5(B)のタイミングt2でワークWと接触する。この状態では、ストリッパプレート20は、上述したように、ストリッパプレート20全体がピストンロッド26を介して圧入駆動力伝達手段としての油圧ピストン17によってバックアップされている。それにより、汎用プレス装置の駆動手段によって上型ベースプレート13全体が下降するなか、油圧ピストン17が縮退して、ストリッパプレート20の押込み突起23は、ワークW内に圧入される。この間の押込み突起23の圧入動作は、加圧する油圧シリンダ18の油圧力(本実施例においては所定圧力を維持する制御としたが、ワークWの材質によっては、下降ストロークによりバックアップの油圧力を制御しても良い)によって決定され、油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡した状態で停止する(図6(A)のタイミングt3の状態)。これにより、ワークWには押込み突起23によって断面V字状の溝部24がパンチ11の刃先部11aを囲むように形成され、断面V字状溝部24の材料が流動性を高めて加工部分に供給される(一次圧入・加工工程)。この状態が、図6(B)のタイミングt4の状態であり、丁度、パンチ11の先端部がストリッパプレート20の押込み突起23先端部のストローク位置と一致した状態を示している。なお、本実施例においては、精密塑性加工成形するワークWは、JIS G3131 SPHC(降伏点216N、引張強350N/mm2)を使用し、その板厚は例えば6mmとし、そのワークWにストリッパプレート20の押込み突起23を食い込ませる一次圧入量L(油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡して、押込み突起23の圧入動作が停止した状態での圧入量)は概ね0.9mmとなるように油圧シリンダ18の油圧力を設定するように構成した。本実施例では、油圧シリンダ18の油圧力は所定圧力を維持する制御とし、押込み突起23の圧入速度はパンチ11の下降速度に同期して一定速度で圧入されているが(図8参照)、この圧入速度も、ワークWの材質によって油圧シリンダ18の油圧力を制御することにより、下降速度を制御することが可能である。
(二次圧入・加工工程)
このように、ワークWに対するストリッパプレート20の押込み突起23の圧入が停止した一次圧入・加工工程の終了状態(図6(A)から図7(A)に至る間の状態)では、油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡した状態であり、それ故に、押込み突起23のワークWに対する圧入は進行しない。この図6(A)のタイミングt3の状態から図7(A)のタイミングt5の状態に至る間において、ストリッパプレート20の上面が係合リング25の下面に当接する。本実施例においては、図7(A)のタイミングt5の状態で両者が当接する構成としているが、このタイミングは何れのタイミングでも良いが、両者の当接後は、汎用プレス装置の駆動手段により上側ダイセット12下降させると、ストリッパプレート20の押込み突起23はパンチ11と同期して下降することを考慮して種々の寸法関係を決定する必要がある。
このように、ワークWに対するストリッパプレート20の押込み突起23の圧入が停止した一次圧入・加工工程の終了状態(図6(A)から図7(A)に至る間の状態)では、油圧シリンダ18の油圧力とワークWの抵抗力が均衡した状態であり、それ故に、押込み突起23のワークWに対する圧入は進行しない。この図6(A)のタイミングt3の状態から図7(A)のタイミングt5の状態に至る間において、ストリッパプレート20の上面が係合リング25の下面に当接する。本実施例においては、図7(A)のタイミングt5の状態で両者が当接する構成としているが、このタイミングは何れのタイミングでも良いが、両者の当接後は、汎用プレス装置の駆動手段により上側ダイセット12下降させると、ストリッパプレート20の押込み突起23はパンチ11と同期して下降することを考慮して種々の寸法関係を決定する必要がある。
つまり、パンチ11の刃先部11aが図6のタイミングt3でワークWに接触し、更に、パンチ11が下降することによってパンチ11の刃先部11aとダイ51の打抜孔51aの内周エッジとによりワークWのせん断動作(一次圧入・加工工程)を達成する(図6(A)のタイミングt3→図7(A)のタイミングt5)。このせん断動作時(一次圧入・加工工程)においては、ストリッパプレート20は停止状態で待機しており、図6(A)で示すようにパンチ11がワークWに接触してから押込み突起23の一次加圧量L(0.9mm)だけ圧入される。
次いで、パンチ11の刃先部11aが、停止状態の押込み突起23の位置(一次加圧量L)を超えて、概ね3mmの深さL1の位置に達する図7(A)のタイミングt5で上側ダイセット12に固定する係合リング25が停止状態で待機しているストリッパプレート20と当接する。これにより、汎用プレス装置の駆動手段の動作によってパンチ11とストリッパプレート20とが一体的して下降し、図7(A)→図7(B)で示す過程において、パンチ11によるワークWの打抜き動作と連動してストリッパプレート20の押込み突起23が更にワークWに食い込み(二次圧入・加工工程)、材料の流動性を高めながら打ち抜き加工を達成できる。押込み突起23に対して先行するパンチ11の刃先部11aがワークWの板厚(6mm)の下面を超えて降下することによって、ダイ51により製品Sが打ち抜かれる。図8のタイミングt6でノックアウトパンチ58に油圧を供給する油圧管路55を閉鎖することによってノックアウトパンチ58は下死点で停止している状態で待機する。
上述のようにパンチ11でワークWを打ち抜く際、一次圧入・加工工程においては、押込み突起23をワークWに対して所定量だけ食い込ませることにより、ワークWが加工方向に対して垂直の方向(図中では水平方向)に広がろうとする応力を押込み突起23で押さえ込みながら、材料の加工部分に対する流動性も高めてパンチ11によるワークWのせん断動作を達成することができる。更にこの状態から、パンチ11のせん断動作において、パンチ11の刃先部11aが一次圧入・加工工程での押込み突起23の食い込み量(L)を所定量(L1)だけ超えて下降すると、パンチ11とストリッパプレート20とが連動してパンチ11と押込み突起23とが同期して下降し(二次圧入・加工工程)、押込み突起23は、更にワークWに食い込みながらパンチ11も下降することになる。
この時、ノックアウトパンチ58は、図6のタイミングt3から、ノックアウトパンチ58はパンチ11とでワークWを挟み付けながら、パンチ11と同期して下降する(タイミングt3〜タイミングt6)。そして、パンチ11によりワークWが打ち抜かれると、製品Sが下死点で停止している状態で待機するノックアウトパンチ58上に載置され、パンチ11がタイミングt7で上昇するとともに、ノックアウトパンチ58への油圧管路55を開いて油圧シリンダ59内に所定の油圧力を供給することによってノックアウトパンチ58と共に製品Sが上昇し、図示しない搬出機構によって搬出シュートから搬出される。以後、同様なサイクルで製品Sが打ち抜かれる。
ストリッパプレート20の押込み突起23の形状は重要なものであり、ハイサイクルで塑性加工する場合には、通常のファインブランキング加工用のVリング形状では被加工材料の自在な流動制御を出来ないために、専用のV形状を設定している。また、係合リングによるダブルアクション機構を採用している。つまり、金型内の係合リングによって金型が下降するに伴って一定位置で被加工材料をV形状加工しているストリッパプレート20の押込み突起23が再下降し、被加工材料の流動をアシストし、ハイサイクルであっても材料不足による破断面を発生させない機構となっている。
以上のように、パンチ11でワークWを打ち抜く際、一次圧入・加工工程でストリッパプレート20の押込み突起23を所定量ワークWに食い込ませることによって、加工方向に対して垂直の方向(水平方向)に広がろうとする応力を押込み突起23で押さえ込みながらパンチ11の刃先部11aによるワークWの打抜き工程が達成され、更に、パンチ11の刃先部11aが押込み突起23の一次加圧量Lを超えて所定量(3mm)まで達すると、パンチ11とストリッパプレート20とを同期して下降させて、押込み突起23の二次圧入動作を達成するものである。これにより、パンチ11でワークWを打抜きながら押込み突起23が再びワークWに圧入され、その押込み突起23の押し込みによりワークWのせん断部分における材料の流動化が円滑に行われるとともにワークWに圧縮応力を付加させることができる。
これにより、一次圧入・加工工程においても加工部分への材料の流動性を高めると同時にワークWに圧縮応力を付加させた状態で打ち抜き加工を実施するために、パンチ11を高速化しても材料不足による破断面が生じることなく、綺麗なせん断面が得られ、製品Sの寸法精度も向上し、かつ、精密塑性加工装置1を100ストローク/min程度までハイサイクル化することが可能となり、生産性を向上することができる。このような精密塑性加工装置1においては、高価なファインブランキングプレス装置を使用することなく、安価な汎用プレス装置でファインブランキング加工と同等以上の精密せん断加工を達成することができる。つまり、一次圧入・加工工程においては、ストリッパプレート20を油圧シリンダ18によってワークWに対してバックアップ加圧しておき、二次圧入・加工工程においては、ストリッパプレート20をパンチ11と同期して下降するように係合リング25を設ける簡単な構成から成るものである。
また、押込み突起23の一次圧入・加工工程において、押込み突起23をワークWに圧入させる深さLは、ストリッパプレート20を押圧する油圧シリンダ18の油圧力を変更することで簡単に調整できる。更に、ストリッパプレート20にパンチ11を摺動自在に嵌合する挿通孔16と、その外側に形成する押込み突起23との位置関係は、押込み突起23の内側傾斜面23aが挿通孔16との間に段差を設けずに連続した面で構成されるように成形することで、図5乃至7に示すように、パンチ11によって打ち抜かれるワークWの開口部W1の周縁部近傍に押込み突起23による断面V字状の溝部24が形成される。これにより、圧入される押込み突起23によって材料が送り出される溝部24の区域と、パンチ11によって打ち抜き加工が進行する部分との距離を近くすることが可能となる。これにより、一次圧入・加工工程時において、押込み突起23による垂直方向への静圧を発生させる効果も高くなり、加えて、二次圧入・加工工程時においても押込み突起23による材料の流動化と押込み突起23によるワークWへの圧縮応力の付加が円滑に行われる。
以上に説明した精密塑性加工装置又は精密塑性加工方法を効果的に実現するには、加工面に対する潤滑油の効果的な供給方法についての考慮が重要である。ハイサイクルで6mm厚の厚板をプレス加工する場合には、動粘度が低い潤滑油では金型が被加工材料に食い込む途中で潤滑油切れを起こし金型寿命低減の原因となるため、使用潤滑油は動粘度が100cSt(センチストークス)以上のものを使用する。また、ハイサイクルで6mm厚の厚板をプレス加工する場合、潤滑油の供給量が少ないと潤滑油切れを起こし供給量が多いと製品に油膜痕がつくため潤滑油供給量の適正な制御を行う必要がある。
特に、ハイサイクル成形では、通常速度のプレス加工に比べ塑性変形抵抗が高く成形された製品は80℃〜100℃程度になり、金型はこの熱によって温度が上昇する。金型の温度上昇は金型寿命低減の原因となるため、潤滑油を10℃±1℃程度に温度調整して、金型内部を通過させると同時に切刃先にも供給することで金型の温度を制御している。その際の供給ポンプは、100cSt(40℃)以上の高動粘度潤滑油を10℃で使用し、金型内部を通過し切刃先に均等に潤滑油が行き渡るように、複数個の1.5mmφの吐出口から吐出されることで圧力損失が高くなるので、高出力供給ポンプを使用している。また、潤滑油供給量を最適量にするため潤滑油の供給量を制御している。
ハイサイクルでプレス加工した場合、ハイサイクルであることと、被加工材料が厚板であるとの理由により、金型と被加工材料の間で潤滑油切れを生じ金型損傷の原因となる。これを防止するためには、金型内部より潤滑油供給穴を通して強制的に加工部分に潤滑油を供給することにより型寿命を向上させることができる。潤滑油は、高い動粘度の潤滑油を使用する必要がある。ハイサイクルプレス加工は、高速で塑性加工されるために、被加工材料の加工抵抗により、高い加工熱が発生し金型も高温になり製品精度の低下及び金型損傷の原因となる。そこで、潤滑油を金型内部に通過させ、金型内部から冷却した潤滑油を供給することにより、金型の温度制御を行って型寿命を向上させることができる。本発明の強制潤滑油装置は、潤滑油供給量の制御が可能である。また潤滑油温度制御が可能である。潤滑油は、タンクより電動ポンプによって配管を介して金型内部へ供給される。本発明においては、動粘土が高い潤滑油を10〜15℃に温度制御して使用するために、大型電動ポンプを採用している。本発明においては、金型内部へ供給された潤滑油は、潤滑に必要な量以外が金型下方に溜まり、防塵フィルターを介してタンクにより回収され再使用される構成を備えている。
本実施例の強制潤滑構造は、汎用プレス装置を用いた精密塑性加工装置に採用されている。一般的な潤滑はコイル材料の上下面に潤滑油が塗布されるが、本実施例における潤滑は、金型内部(上型:パンチ内部、下型:ノックアウト内部)より潤滑油が吐出し切刃先端と被加工材料の間が潤滑油で満たされて潤滑油切れが起きないような構成を実現している。これにより、上型はパンチとストリッパー、下型はダイとノックアウトの隙間が、塑性加工の開始から終了までの間、常に潤滑油による油膜があり金型摺動によるカジリが発生しない。
本実施例の強制潤滑油システムは、潤滑油タンク、潤滑油供給大型ポンプ、供給量調整バルブ、潤滑油温度制御機構、潤滑油回収機構から構成されている。潤滑油はタンク内で温度制御され供給ポンプによって供給量制御バルブを介して金型へ送られる。金型内で使用され余った潤滑油は回収機構に回収され、フィルターを介して潤滑油タンクに戻る。
本実施例においては、精密塑性加工装置1を実現するために、潤滑油の循環系が組み込まれている。この潤滑油の循環系については、図10を参照して説明する。図10において、30は新たな潤滑油の給油タンク、31は給油タンク30から供給される潤滑油をフィルター42を介して貯める貯油タンク、32は貯油タンク31内の潤滑油をフィルター43を介して吸引して精密塑性加工装置1側に吐出させる循環ポンプ、33は循環ポンプ32から供給される潤滑油を冷却する冷却装置、34は冷却装置33から供給される潤滑油の圧力を調整して精密塑性加工装置1側に供給する油圧調整機構である。この油圧調整機構34の吐出口35から精密塑性加工装置1に供給される潤滑油は、冷却装置33によって10℃前後に冷却され、精密塑性加工装置1から戻った潤滑油は帰油口36からフィルター42を介して再び給油タンク31に戻って循環される。また、潤滑油を冷却する冷却装置33は、冷媒をコンプレッサ37で圧縮してコンデンサー(凝縮器)38、39で冷やして凝縮した後、膨張弁40で減圧し、冷却器41で冷媒を気化させることによって冷却する従来から周知の冷凍サイクルを達成する。この冷却装置33で冷却された潤滑油は10℃±1℃に温度調整して精密塑性加工装置1のパンチ11とダイ51の内側からせん断加工部分に供給され、冷却と潤滑に活用される。
精密塑性加工装置1のパンチ11とダイ51の内側からせん断加工部分に潤滑油を供給する具体的構成を説明する。図3に示すように、パンチ11の内部には潤滑油の流路26が形成されている。この流路26はパンチ11の上部側部に開口して水平方向に向うとともに、中央部で垂直に屈曲して下部に至り、その流路26の下端部に逆V字に分岐した分岐路26aを連通させ、その分岐路26aの下端部がパンチ11の刃先部11aに近接するようしてパンチ11の両側部で開口している。さらに、ノックアウトパンチ58の内部にも潤滑油の流通路27が形成されている。この流路27はノックアウトパンチ58の下部側部に開口して水平方向に向うとともに、中央部で垂直に屈曲してノックアウトパンチ58の上部に至り、その流路27の上端部にV字に分岐した分岐路27aを連通させ、その分岐路27aの上端部がノックアウトパンチ58の先端面に近接するようしてノックアウトパンチ58の両側部で開口している。そして、冷却装置33で冷却された潤滑油はパンチ11とノックアウトパンチ58の流路26、流路27から分岐路26a、分岐路27aを通って吐出される。これにより、パンチ11の打ち抜き加工期間を通して、パンチ11とワークW及びノックアウトパンチ58と打抜孔51aの内周面などの隙間には常に潤滑油による油膜が形成される。このパンチ11とノックアウトパンチ58から供給される潤滑油は下側ダイセット52とダイ51との隙間やダイ51とワークWとの隙間から下側ベースプレート53上に流れ、下側ベースプレート53に周縁部に設けた排油溝60から帰油口36へと回収され、再び給油タンク31に戻って循環される。なお、本実施例の精密塑性加工装置1に使用される潤滑油は動粘度が100cSt以上のものを使用する。
本発明は、冷却装置33で冷却された潤滑油がパンチ11内の流路26、分岐路26aを通ってパンチ11の刃先部11aから外部に向かって潤滑油が供給される。また同様に、ノックアウトパンチ58内の流路27,分岐路27aを通ってダイ51の打ち抜き孔11aの内周面に向かって潤滑油が供給される。これにより、パンチ11、ノックアウトパンチ58、ダイ51及びパンチ11とダイ51によるせん断部分が冷却された潤滑油によって効率的に冷却される。
これにより、連続打抜き時において、パンチ11とノックアウトパンチ28及びダイ51の熱膨張を抑え、パンチ11とダイ51との適正なクリアランスを常時維持することができ、かつ、過熱によるパンチ11とダイ51の劣化を抑えてパンチ11とダイ51の耐久性を高めることができる。また、プレス装置をハイサイクル化しても、潤滑油による油膜がパンチ11、ダイ51と打抜孔51aとの隙間やパンチ11、ダイ51とワークWとの隙間に形成されるため、パンチ11の焼き付きやカジリなどを抑制することによって、加工性を高め、併せて加工精度を高めることができる。
さらに、パンチ11とノックアウトパンチ58から吐出される潤滑油は下側ベースプレート53に周縁部に設けた排油溝60から帰油口36へと回収され、再び給油タンク31に戻って循環され、精密塑性加工装置1には常に冷却装置33で10℃±1℃に温度調整した潤滑油が供給され、かつ、冷却装置33から供給される潤滑油は油圧調整機構34で圧力を調整して精密塑性加工装置1へと供給することから、精密塑性加工装置1を循環する潤滑油の量を最適な状態に保って安定的に供給することができる。
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明の前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、精密塑性加工装置1の基本的構成や押込み突起23の二次圧入工程を開始させる連動機構として、例えば、パンチ11を駆動する油圧シリンダとは別にストリッパプレートを駆動する油圧シリンダを設け、それぞれの油圧シリンダを個別に制御するように構成してもよい。また、塑性加工として打ち抜きを例として説明したが、パンチ11でワークWを打ち抜く以外にもパンチによってワークに段差凹部を形成する、いわゆる、ハーフ抜き加工にも適用可能である。また、パンチ11とノックアウトパンチ58に形成する流路26,流路27の形状や押込み突起23の形状も適宜選定すればよい。さらに、ストリッパプレート20に形成する押し込み突起23をワークWに圧入した状態でのパンチ11でワークWを打ち込む精密塑性加工装置1に適用した例を示したが、一般的な塑性加工装置に対しても適用可能である。
1 精密塑性加工装置
11 パンチ
11a 刃先部
31 貯油タンク
32 循環ポンプ
33 冷却装置
34 油圧調整機構
36 帰油口
51 ダイ
51a 打抜孔
58 ノックアウトパンチ
W ワーク
S 製品
11 パンチ
11a 刃先部
31 貯油タンク
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33 冷却装置
34 油圧調整機構
36 帰油口
51 ダイ
51a 打抜孔
58 ノックアウトパンチ
W ワーク
S 製品
Claims (6)
- 可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工装置において、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成したことを特徴とする潤滑油供給装置。
- パンチと、ダイと、パンチと連動してダイに昇降自在に配置したノックアウトパンチとを備え、前記パンチとノックアウトパンチとでワークを挟み付けながらワークを打ち抜き加工する塑性加工装置において、前記パンチの内部及び前記ノックアウトパンチの内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリア及びノックアウトエリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成したことを特徴とする潤滑油供給装置。
- 可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工装置において、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成して、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成し、この内部に潤滑油供給流路を形成した固定治具を備えた固定金型の周辺に潤滑油の戻し路を形成し、潤滑油を貯める貯油タンクと、潤滑油を循環させる循環ポンプと、この循環ポンプから供給される潤滑油を冷却する冷却装置と、この冷却装置から供給される潤滑油の圧力を調整する油圧調整機構とを備え、前記潤滑油供給流路から供給された潤滑油を前記戻し路を介して前記貯油タンクに戻すように構成したことを特徴とする潤滑油供給装置。
- 可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工方法であって、前記可動治具の内部に冷却した潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該流路を介して潤滑油を加圧供給することにより、常に、塑性加工中の加工エリアに潤滑油を加圧供給しつつ塑性加工することを特徴とする塑性加工時の潤滑油供給方法。
- パンチと、ダイと、パンチと連動してダイに昇降自在に配置したノックアウトパンチとを備え、前記パンチとノックアウトパンチとでワークを挟み付けながらワークを打ち抜き加工するプレス加工方法において、前記パンチの内部及び前記ノックアウトパンチの内部に冷却した潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該パンチ及びノックアウトパンチの流路を介して潤滑油を加圧供給することにより、常に、塑性加工中の加工エリア及びノックアウトエリアに潤滑油を加圧供給しつつ塑性加工することを特徴とする塑性加工時の潤滑油供給方法。
- 可動治具と固定治具によりワークを塑性加工する塑性加工方法であって、前記可動治具の内部に潤滑油の流路を形成しておき、塑性加工中に該流路を介して加工エリアに冷却した潤滑油を加圧供給するように構成し、この内部に潤滑油供給流路を形成した固定治具を備えた固定金型の周辺に潤滑油の戻し路を形成しておき、潤滑油を貯める貯油タンクと、潤滑油を循環させる循環ポンプと、この循環ポンプから供給される潤滑油を冷却する冷却装置と、この冷却装置から供給される潤滑油の圧力を調整する油圧調整機構と備えておき、前記潤滑油供給流路から供給された潤滑油を前記戻し路を介して前記貯油タンクに戻すようにしたことを特徴とする塑性加工時の潤滑油供給方法。
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