JP6808859B2 - 速度計、および物品製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動する物体によりドップラ効果で変調された光を検出して当該物体の速度を計測する速度計、および物品製造方法に関する。
従来、移動物体の速度を計測する装置としてドップラ速度計(以下単に「速度計」ともいう)が用いられている。レーザードップラ速度計(LDV(Laser Doppler Velocimeter))は、レーザー光を物体に照射し、ドップラ効果を利用して物体の速度を計測する。ここで、ドップラ効果は、物体からの散乱光の周波数(波長)が物体の移動速度に比例して偏移(シフト)する効果である。一般に、LDVで得られる信号は、S/N比が低いことが知られている。計測精度に影響を与える要因として、高周波ノイズの混入と、ドップラ信号レベルが低下する所謂ドロップアウトとが知られている。
特許文献1では、光検出手段で得られてバンドパスフィルタでノイズを除去されたドップラ信号が基準レベルと比較され、レベル検出信号が出力される。また、当該ドップラ信号を二値化することにより周期エラーを検出して、周期エラー信号が出力される。そして、レベル検出信号および周期エラー信号に基づいて、エラー信号検出がなされる。
特開平08−15436号公報
しかしながら、特許文献1のエラー信号検出方法は、周波数変動の激しい信号に対処するために、レベルエラーと周期エラーとが両方発生した場合にのみエラーとし、その一方のみが発生した場合にはエラーとしない方法である。よって、ドロップアウトが発生していない場合のノイズの混入によって計測精度が低下しうる。本発明は、計測精度の点で有利な速度計を提供することを例示的目的とする。
本発明の一つの側面は、移動する物体によりドップラ効果で変調された光を検出して前記物体の速度を計測する速度計であって、前記光を検出する検出部と、前記検出部により得られた信号をバンドパスフィルタにより濾波して、バンドパスフィルタより得られた信号を2値化し、該2値化により得られた信号における所定数のパルス間隔にわたる期間を計って前記速度の計測値を得る処理部と、を有し、前記処理部は、キャリブレーションを実行することで前記検出部により得られた信号の複数の周波数の第1振幅をオフセット値として得て、移動する物体により変調された光を検出することで前記検出部により得られた信号の複数の周波数の第2振幅を得て、前記オフセット値に基づいて前記第2振幅を補正し、補正された第2振幅に基づいて前記バンドパスフィルタの濾波の帯域の周波数を決定し、決定した周波数の濾波の帯域をもつ前記バンドパスフィルタを用いて前記検出部により得られた信号を濾波することにより、前記速度の計測値を得る、ことを特徴とする速度計である。
本発明は、例えば、計測精度の点で有利な速度計を提供することができる。
速度計のヘッド部の構成例を示す図 フリンジモデルを説明するための模式図 物体の速度とドップラ周波数との関係を例示する図 速度計の構成例を示す図 信号処理内容を例示する図 処理部に入力されるアナログ信号を例示する図 処理部における処理の流れを例示する図 ドロップアウトが発生した場合の信号を例示する図 ノイズが混入した場合の信号を例示する図 誤りとされる計測値を例示する図 補正前の計測値と補正後の計測値とを例示する図 信号処理の流れを例示する図 処理部に入力されるアナログ信号の別の例を示す図 S1201(サーチ)における処理の流れの例を示す図 S1601(キャリブレーション)における処理の流れを例示する図 S1201(サーチ)における処理の流れの第2例を示す図 S1201およびS1601における信号処理内容に係る例を示す図 S1201およびS1601における信号処理内容に係る第2例を示す図
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、実施形態を説明するための全図を通して、原則として(断りのない限り)、同一の部材等には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
〔実施形態1〕
図1は、速度計のヘッド部の構成例を示す図である。ここで、検出部としてのヘッド部100は、物体(計測対象物)10に光を照射し、物体10からの光を受光するための光学系を含み、レーザードップラ速度計のヘッド部を構成している。レーザーダイオードを含みうる光源1から出射した光束9は、コリメータレンズ2によりコリメートされ、回折格子(回折素子)3に入射する。回折格子3に入射した光束9は、±1次回折光(回折角はθ)に分岐され、それぞれがレンズ4により集光光束となり、EO素子5a、5bを透過する。透過した2つの光束は、レンズ6a、6bによりコリメートされ、上記回折角θと略等しい角度で互いに異なる照射方向から物体10を照射する。照射された光束は、物体10の表面(一般に粗面)で拡散反射される。拡散反射された光束は、レンズ6a、6b、集光レンズ7を介して集光され、フォトダイオードを含みうる受光素子8に入射する。受光素子8での光電変換により得られた信号は、物体10の速度Vに応じた周波数Fを有し強度変調されたアナログ信号として、後述の処理部に入力される。ここで、当該周波数Fは、ドップラ周波数と呼ばれ、次式(1)で表される。
F=2V/P+F_EO ・・・(1)
ここで、Pは、回折格子3の格子ピッチ、F_EOは、EO素子5a、5bの駆動周波数を示す。ドップラ効果を利用したレーザードップラ速度計の動作原理を説明するモデルとして、フリンジ(干渉縞)モデルが知られている。図2は、フリンジモデルを説明するための模式図である。物体10を照射する2つの光束が物体10の表面上で交差することで、図2の(a)に示すようなフリンジ11が形成される。このフリンジ11のフリンジピッチ以下のサイズの粒子12が速度Vでフリンジ11(の明部および暗部)を通過することで、図2の(b)に示すような周波数Fを有し強度変調された拡散光が発生する。この場合の周波数Fは、次式(2)のように表わされる。
F=V/P_i ・・・(2)
ここで、P_iは、フリンジピッチを示す。回折角θは、光源1から出射される光束9の波長をλとして、関係式sinθ=λ/Pから導かれる。また、物体10上での光束の入射角を回折角θと等しくなるように構成した場合、フリンジピッチP_iは、P_i=λ/2sin(θ)=P/2と表せる。この関係式と式(2)とより、式(1)の右辺第1項が導出される。また、図2の(b)の低周波成分(包絡線の成分)は、光源1から出射する光束9の強度分布を反映しており、典型的には、ガウシアン分布を反映したものとなりうる。物体10の表面は、ランダムな表面粗さを持っており、複数のランダムな特性をもった粒子12の集合とみなしうる。そこで、複数のランダムな位相、振幅を持もった図2の(b)のような信号の総和をとると、図2の(c)のような信号が得られる。ここで、図6は、後述の処理部101に入力されるアナログ信号を例示する図である。フリンジモデルにしたがって得られた図2の(c)の信号が図6の実際の信号に類似していることから、レーザードップラ速度計の動作原理をフリンジモデルが説明できることが分かる。
次に、式(1)の右辺第2項について説明する。図2の(c)の信号は、物体の速度を反映した高周波成分と、物体10の表面の特性を反映した低周波成分とを有するため、速度Vが0に近づくと、信号から速度を得ることが困難になる。また、速度Vの方向を検出することができない。そこで、図1においてEO素子が構成されている。ここで、EO素子5a、5bは、例えば、電気光学結晶(例えばLiNbO結晶を含む)を含んで構成され電気光学的位相変調素子としうる。このような素子を含むことにより、物体の停止状態でもその速度が得られ、また、速度の方向が得られる。EO素子5a、5bは、印加電圧により、それを透過する光束の位相を変化させることができる。EO素子5a、5bで、それらをそれぞれ透過する2つの光束を、一定の周波数F_EOで互いに逆方向に位相が変化するように変調すると、フリンジ11がその1ピッチずつ周波数F_EOで移動することになる。例えば、EO素子5a、5bへの印加電圧を鋸歯状に変化させることにより、見かけ上の位相変化を一定にしうる。このように、フリンジ11が周波数F_EOで移動している中に静止した粒子12が置かれたとすると、周波数F_EOで強度変調される拡散反射光が発生する。つまり、ある方向に速度がオフセットされた場合と等価となる。したがって、このようにEO素子5a、5bを含んでレーザードップラ速度計を構成することにより、静止状態(速度ゼロ)および速度の方向の検出が可能となる。例えば、回折格子3の格子ピッチP=5[μm]、F_EO=200[kHz]とした場合の速度Vとドップラ周波数Fとの関係を図3に示した。ここで、図3は、物体の速度とドップラ周波数との関係を例示する図である。後述の処理部で信号処理できる信号の周波数の下限を100[kHz]、上限を4.2[MHz]とすると、測定可能な速度範囲は、−250[mm/s]ないし10[m/s]の範囲となる。なお、格子ピッチP、位相変調周波数F_EOの値は、レーザードップラ速度計の仕様に応じて、適宜選択することができる。また、ここでは、EO素子で位相変調を行う例を示したが、音響光学素子のような他の素子で位相変調を行うようにしてもよい。
図4は、速度計の構成例を示す図である。上記のようにヘッド部100で得られた周波数Fを有する強度変調信号は、処理部101に入力される。入力端子401を介して処理部に入力されたアナログ信号は、ゲインアンプ402で増幅された後、バンドパスフィルタ(BPF)403でフィルタリング(濾波)され、コンパレータ404で2値化される。2値化により得られた信号に基づいて、演算部405で速度(の情報)が得られ、得られた速度(の情報)が出力端子406から出力される。
図5は、信号処理内容を例示する図である。図5は、物体10の速度V=9500[mm/s]、ドップラ周波数F=4[MHz]の場合において、(a)は、入力信号を示し、(b)は、コンパレータでの2値化により得られる信号を示している。図5の(c)は、処理部101における(基準)クロック信号を示した図である。当該クロック信号を与える不図示の基準クロックは、処理部の内外のいずれにあってもよい。ここでは、基準クロック周波数を40[MHz]としている。本実施形態は、二値化により得られた信号における連続したN個分の立ち上がり間隔を基準クロックで計時(計数)する。ここで、1個分の立ち上がり間隔は、互いに隣接する2つのパルスにおける2つの立ち上がり時刻の間の時間間隔である。そして、計時により得られた時間(期間D)に基づいて、ドップラ周波数Fを得、式(1)に基づいて物体10の速度V(の情報)を取得する。ここでは、N=4としている。図5の(b)および(c)の場合、2値化により得られた信号における4個分の立ち上がり間隔の計数値は40(カウント)である。なお、基準クロックの周波数は既知であるため、計数値(計時値)からドップラ周波数Fを得ることができる。また、速度Vは、式(1)に基づく計算によって得てもよいし、計数値(計時値)と速度との関係を示す予め準備したテーブルの参照によって得てもよい。基準クロックの周波数は、ここでは40MHzとしたが、必要なドップラ周波数に応じて適宜選択しうる。
図6は、上述したように、処理部101に入力されるアナログ信号を例示する図である。図6の(b)は、図6の(a)の一部を拡大して表示している。上述したように、ヘッド部100から出力される信号は、ドップラ信号に原理的に生じる振幅の変化が大きい信号である。また、電気回路に生ずるノイズ(例えば、電源のスイッチングノイズ、EO素子の駆動に伴うノイズ)が光源1を駆動する電流に重畳することから、ヘッド部100から出力される信号には、ドップラ信号以外に、低周波、高周波のノイズが混入している。図6の(b)において矢印で指し示される信号の状態は、低周波成分の振幅が小さい状態である。ここで、コンパレータによる2値化の閾値を下回る状態(部分)では、当該2値化により得られる信号はゼロとなる(欠落する)。このような状態は、ドロップアウトとも呼ばれている。また、高周波ノイズ成分により当該閾値を上回るような状態(部分)では、2値化により得られる信号にドップラ信号とは異なる信号が含まれうる。
図7は、処理部における演算部での処理の流れを例示する図である。図4の処理部101において、コンパレータでの2値化により得られた信号は、演算部405に入力される。まず、ステップS701において、演算部405は、2値化により得られた信号における連続した(一連の)N個の立ち上がり間隔(パルス間隔)の時間(所定数のパルスにわたる期間)を図5に示したように基準クロックにより計時(計数)する。つづくステップS702において、当該期間(計時値)に関する指標の変化が閾値を超えるかを判定する。ここで、当該指標は、上記の期間Dでもよく、該期間Dに対応するドップラ周波数Fでもよく、該ドップラ周波数Fに対応する物体10の速度Vでもよく、またはそれらに相関のある他の値でもよい。ここで、図8は、ドロップアウトが発生した場合の信号を例示する図である。図8の(a)のように、時刻100μsecのあたりでドップラ信号を含むアナログ信号にドロップアウトが発生した場合、図8の(b)のように、2値化により得られた信号においてパルスが抜ける。また、図9は、ノイズが混入した場合の信号を例示する図である。図9の(a)のように、時刻3μsecのあたりでドップラ信号を含むアナログ信号にノイズが混入した場合、図9の(b)のように、2値化により得られた信号においてパルスが割れる。
図10は、誤りとされる計測値を例示する図である。同図の(a)は、図8に示したようなドロップアウトがある場合に得られる速度(計測値)を例示している。N=4個毎の立ち上がり間隔を計時していくと、ドロップアウトに起因するパルス抜けが生じた結果、基準クロックの計数値が50カウントとなる場合が生じている。これらの計時値に基づいて速度を得ると、同図(a)右側のグラフのようになる。なお、ドロップアウトによるパルス抜けの数が増大すると計測値の誤差も増大する。次に、図10の(b)は、図9に示したようなノイズが混入した場合に得られる速度(計測値)を例示している。この場合も、N=4個毎の立ち上がり間隔を計時していくと、ノイズ混入に起因するパルス割れが生じた結果、基準クロックの計数値が30カウントとなる場合が生じている。これらの計時値に基づいて速度を得ると、同図(b)右図のグラフのようになる。なお、ノイズ混入によるパルス割れの数が増大すると計測値の誤差も増大する。
時系列に連続して取得される計数値の変化は、所定時間内での物体10の速度変化を考慮すれば、所定の範囲内にあると考えうる。例えば、物体10の速度Vが、現在9.5[m/s]であって、10[m/s^2]の加速度で変化する場合、N=4個毎の期間Dにおける速度変化は10[μm/s]に過ぎない。この速度変化の速度に対する割合は、速度に反比例するが、V=0.1[m/s]の場合であっても、速度変化は0.17[mm/s]程度であって十分小さいといえる(割合は0.17%程度)。以上のことから、上記指標の変化が、(前もって得られている)指標のL[%]を超える場合、ドロップアウトまたはノイズ混入が生じたと判定しうる。Lは、次式(3)で表される。
L=((N+1)/N−1)×100 ・・・(3)
よって、図7のステップS702における閾値は、(前もって得られている)指標のL[%]として得ることができる。そして、指標の変化が閾値(指標のL[%])以下である場合は、ステップS703で、計時値に基づいて速度(計測値)を得る。一方、指標の変化が閾値(指標のL[%])を超える場合は、ステップS704で、それに対応する速度は誤りであるとして前もって得られた速度を計測値とする。つづくステップS705において、処理部101は、速度の情報を必要とする他の装置に速度(計測値)を出力する。なお、閾値は、指標のa×L[%](係数aは0<a<1を満たす実数)としてもよい。
図11は、補正前の計測値と補正後の計測値とを例示する図である。図11において、物体10が速度V≒9.5[m/s]で移動した場合の速度の計測結果を示している。図11の(a)は、本実施形態に係る補正(ステップS702ないしS704)を行わなかった場合の計測結果、同図の(b)は、当該補正を行った場合の計測結果を示している。図11を参照するに、本実施形態によれば、同図の(b)におけるように高精度(高再現性)の計測結果を得られることが分かる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ドロップアウトのみならずノイズの混入に対してロバストな計測を行うことができ、もって、例えば、計測精度の点で有利な速度計を提供することができる。
つづいて、処理部101の別の側面について説明する。図4に示した処理部101のバンドパスフィルタ(BPF)403は、ドップラ周波数以外の周波数を有するノイズを低減するために用意されている。ここで、BPF403のQ値は、それには限定されないが、6程度に設定している。ドップラ周波数は、広帯域にわたるため、BPFは、共振周波数(中心周波数)を可変にしたBPFを採用している。当該BPFは、例えば、RLCフィルタのR、L、Cのうちの少なくとも1つを可変にして実現しうる。図12は、信号処理の流れを例示する図である。まず、ステップS1201において、後述のサーチによりBPFの共振周波数を決定する。つづくステップS1202で、BPFの共振周波数を設定する。ステップS1203において、処理部101に入力されたアナログ信号がBPFによりフィルタリング(濾波)されてコンパレータに入力される。ここで、濾波により得られた信号に対してレベルの判定を行う。図6に示したようなアナログ信号であれば、BPFでのフィルタリングにより信号処理が可能である。しかし、物体10の表面状態によっては、図13に示すアナログ信号となって、長期間にわたってドロップアウトが発生しうる。ここで、図13は、処理部に入力されるアナログ信号の別の例を示す図である。このような信号では、正確な速度計測を実施することは困難である。そこで、ステップS1203においては、BPFでフィルタリングされて得られた信号の振幅に対して、ピークホールド処理を行い、ホールドされたピークが予め設定した時間にわたり予め設定した閾値以下かを判定する。そうなる場合(Yesの場合)、エラーと判定して出力し(ステップS1204)、ステップS1201(サーチ)に処理を戻す。一方、そうはならない場合(Noの場合)、BPFでのフィルタリングにより得られた信号は、コンパレータ404で2値化され、さらに演算部405で処理される。ステップS1205において、演算部405は、物体10の速度を得る。つづくステップS1205で、処理部101は、出力端子406から速度(情報)を別の装置に出力する。
図12におけるステップS1201(サーチ)は、信号処理部101に入力するアナログ信号におけるドップラ周波数に応じてBPFの共振周波数を決定するステップである。ここで、図14は、S1201(サーチ)における処理の流れの例を示す図である。i=1、2、・・・、qに関して、ステップS1401およびステップS1402を繰り返す(ループする)。ステップS1401では、BPFの共振周波数F(i)を設定する。つづくステップS1402では、濾波により得られた信号の振幅値A(i)を取得する。ループを抜けたステップS1403では、A(i)が最大となるi=i_maxを得る。つづくステップS1404では、F(i_max)をBPFの共振周波数として決定する。ここで、図17は、S1201(サーチ)およびS1601(キャリブレーション)における信号処理内容に係る例を示す図である。キャリブレーションについては後述する。この例では、濾波により得られた信号の振幅が約700[kHz]で最大になっている。このため、ドップラ周波数は約700[kHz]であることを示していると考えうる。この考えのもとで、S1201(サーチ)では、BPFの共振周波数を決定しうる。
しかし、ドップラ信号のS/N比が低い場合、S1201(サーチ)において、ドップラ周波数とは掛け離れた周波数をBPFの共振周波数として決定してしまいうる。図18は、S1201(サーチ)およびS1601(キャリブレーション)における信号処理内容に係る第2例を示す図である。図18の(a)は、ドップラ信号のS/N比が低い場合に濾波により得られた信号の振幅値A(i)を示している。この例では、ドップラ周波数が約150[kHz]であるが、ヘッド部100の生成するノイズの影響で、約3[MHz]で振幅が最大になっている。ヘッド部100の有するノイズ成分は、個々のヘッド部に固有のものであり、ドップラ周波数によらない。したがって、このノイズの情報を予め取得することにより速度計のキャリブレーションが可能である。
図15は、図16におけるS1601(キャリブレーション)における処理の流れを例示する図である。S1601(キャリブレーション)は、ヘッド部固有のノイズ成分の情報を予め取得する工程であって、物体10を設置せずに実施される。i=1、2、・・・、qに関して、ステップS1501およびステップS1502を繰り返す(ループする)。まず、ステップS1501では、BPFの共振周波数F(i)を設定する。つづくステップS1502では、濾波により得られた信号の振幅値C(i)を取得する。ループを抜けたステップS1503では、C(i)をオフセット値(キャリブレーション値)として、例えば処理部101内の、メモリに記憶させる。ここで、図17の(b)および図18の(b)は、物体10を設置しないで取得され記憶されているオフセット値C(i)の例である。
図16は、S1201(サーチ)における処理の流れの第2例を示す図である。図14の処理の流れにおける処理とは同様の処理は、同一または類似の符号を付して説明を省略する。まず、ステップS1601(キャリブレーション)は、図15を参照して説明した処理である。ステップS1602においては、物体10を設置した状態で取得したF(i)での振幅値A(i)からステップS1601で得られたオフセット値C(i)を差し引いて、ヘッド部100に固有のノイズ成分の影響を低減した振幅値A´(i)を取得する。ここで、図17の(c)および図18の(c)は、振幅値A´(i)の例である。図16に係る処理を実行することにより、ドップラ信号のS/N比が低い場合でも、BPFの共振周波数をより的確に決定することができる。また、図12に係る処理におけるステップS1203(ピーク判定)でエラーと判定された場合に再びステップS1201(サーチ)の処理を実施すれば、図13におけるような信号から図6におけるような信号に変化した場合に直ちに計測を再開できる。
以上のように、図12ないし図18を参照して説明したような処理を実施すれば、速度計において速度を取得するロバストな処理が可能となる。なお、バンドパスフィルタ(BPF)403の共振周波数の設定は、例えば、速度計が速度計測を開始する場合(開始の直前等)や、速度計測に誤りがあった(所定の条件を満たして誤りが継続した)場合等において実行しうる。また、速度計測を実行している間は、速度の計測値に基づいて共振周波数を設定(変更)しうる。
〔実施形態2〕
実施形態1では、演算部405(ステップS702)において、指標の変化が閾値を超えるかの判定は、直前に(前もって)得られた指標に基づく閾値に基づいて実施した。しかしながら、当該閾値は、直前に(前もって)得られたM個の指標(例えば、それらの平均値)に基づく閾値としてもよい。また、当該平均値は、単純な平均値ではなく、加重平均値、相乗平均値またはその他の平均値としうる。また、実施形態1では、ステップS704で、得られた速度が誤りであるとして前もって得られた速度を計測値とするものとしたが、これに替えて、前もって得られた複数の計測値(例えば、それらの平均値)に基づく速度を計測値としてもよい。また、当該平均値は、単純な平均値ではなく、加重平均値、相乗平均値またはその他の平均値としうる。例えば、物体10の速度変動が小さいことが予め分かっていれば、Mの値を大きくすることにより安定した計測が可能となる。また、速度変動の大きさが概ね予め分かっている場合、当該大きさに基づいてMの値を可能な限り小さくすることにより、エラー判定に係る閾値の追従性(妥当性)を改善することができる。発明者らの検討によれば、物体10の加速度が1[G]程度の場合、M=16以下にすることにより追従性が改善することが分かっている。
〔物品製造方法に係る実施形態〕
以上に説明した実施形態に係る速度計は、物品製造方法に使用しうる。当該物品製造方法は、当該速度計を用いて物体の速度を計測する工程と、当該工程で速度を計測された物体を処理する工程と、を含みうる。当該処理は、例えば、加工、切断、検査、組付、および選別のうちの少なくともいずれか一つを含みうる。より具体的には、例えば、押出成形機による成形物の押出速度を計測して当該成形物の押出速度を制御しうる。また、搬送系により搬送される(長尺)物体の速度を計測し、当該計測により得られた速度を積分して物体の測長を行い、当該測長に基づいて、目標とする長さを有するように物体を切断し(切り出し)うる。本実施形態の物品製造方法は、速度計により非接触で高精度に物体の速度を計測できるため、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストのうちの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
100 検出部(ヘッド部)
101 処理部

Claims (5)

  1. 移動する物体によりドップラ効果で変調された光を検出して前記物体の速度を計測する速度計であって、
    前記光を検出する検出部と、
    前記検出部により得られた信号をバンドパスフィルタにより濾波して、バンドパスフィルタより得られた信号を2値化し、該2値化により得られた信号における所定数のパルス間隔にわたる期間を計って前記速度の計測値を得る処理部と、を有し、
    前記処理部は、
    キャリブレーションを実行することで前記検出部により得られた信号の複数の周波数の第1振幅をオフセット値として得て、
    移動する物体により変調された光を検出することで前記検出部により得られた信号の複数の周波数の第2振幅を得て、
    前記オフセット値に基づいて前記第2振幅を補正し、
    補正された第2振幅に基づいて前記バンドパスフィルタの濾波の帯域の周波数を決定し、
    決定した周波数の濾波の帯域をもつ前記バンドパスフィルタを用いて前記検出部により得られた信号を濾波することにより、前記速度の計測値を得る、ことを特徴とする速度計。
  2. 互いに照射方向が異なり且つ互いに逆方向に位相が変化する2つの光を前記物体に照射する光学系を有し、
    前記2つの光は、前記物体で反射されて前記検出部により検出されることを特徴とする請求項1に記載の速度計。
  3. 前記処理部は、前記バンドパスフィルタの濾波の帯域の周波数を決定することにより、前記バンドパスフィルタの共振周波数を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の速度計。
  4. 前記処理部は、物体が前記検出部の検出領域に配置されていない状態で前記検出部により得られた信号の複数の周波数の第1振幅を得ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の速度計。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の速度計を用いて物体の速度を計測する工程と、
    前記工程で前記速度を計測された前記物体の処理を行う工程と、
    を含むことを特徴とする物品製造方法。
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