JP6805520B2 - 金属層付きポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

金属層付きポリエステルフィルムの製造方法 Download PDF

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本発明は、パターン化された金属層が積層された金属積層フィルムに関するものであり、金属層のパターンの形状が良好であり、特にフレキシブル両面回路基板用途、タッチパネル用構成部材(例えば、導電性フィルムなどが挙げられる)などに好適なフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルムが、その機械特性、光学特性、寸法安定性などの長所を生かして、各種分野に使用されている。その一例として、フレキシブル基板用途が例示される。
近年、テレビ、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機などに代表される電子機器は、小型化、薄型化、軽量化が急速に進み、これらに使用される材料に対しても、小さなスペースにも部品を収納可能とする高密度で高性能な材料が要求されている。
このような要求に応える材料として、薄く、狭いスペースに折り込むことが可能で、耐屈曲性に優れたフレキシブル両面プリント配線基板が広汎に使用されるようになってきている。
しかしながら、高密度化の要求の高い、折り畳み型携帯電話や摺動型携帯電話などの可動部に用いられるフレキシブル両面プリント配線基板(フレキシブル回路基板)に対しては、より優れた柔軟性が要求される。従来のフレキシブルプリント配線基板の構造では、多層化した場合に、長期間の使用後に断線を起こすという課題があり、高度な耐屈曲性が要求される用途に対しては不十分である。
そのため、高耐屈曲性を実現するための対応策として、例えば、フレキシブル両面プリント配線基板自体の薄膜化が必要とされており、例えば、絶縁フィルム自体を薄膜化とする検討が行われている。
一方、ポリエステルフィルムの特性である収縮率特性により、パターン化された金属層の形状(例えば、格子状)が歪み、配線基板として応答(反応)ができない課題があり、配線基板の高度な応答が要求される用途に対して不十分である。
そのため、配線基板の高度化を実現するための対応策として、例えば、フレキシブル両面プリント配線基板のパターンの歪み防止検討が行われている。
フレキシブル両面プリント配線基板の構成事例として、例えば特許文献1には、絶縁フィルム上に接着剤介して銅箔を貼り合わせた3層金属積層フィルム構造とする金属積層フィルムが記載されている。
しかしながら、3層金属積層フィルム構造では、所望の配線パターンを得るため、エッチング時に、基板面に垂直な方向だけでなく、平面方向(側壁面)にもエッチングが進行するサイドエッチングが生じ、配線部の断面形状が裾広がりの台形になりやすい傾向にあり、その結果、配線パターンの狭ピッチ化が困難になるという問題がある。また、当該構造では、絶縁フィルム表面に、接着層を介して銅箔を貼り合わせるため、この銅箔による導体層の薄膜化にはおのずと限界がある。
上記2層金属積層フィルム形成方法として、たとえば、特許文献2には、電気めっき法により、絶縁フィルム上に均一な膜厚の銅被膜層を形成する記載がある。当該方法では、電気めっきによる銅被膜層の形成前に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの乾式めっき法により、絶縁フィルム上に、クロム、酸化クロム、ニッケルなどの銅以外の金属からなる下地金属層を所定の厚みになるように、例えば、50Å〜200Å程度、成膜した後、乾式めっき法による薄い銅層と無電解めっきによる無電化銅めっき被膜とを順次成膜する製造方法から構成される。
また、スパッタリング処理により、金属層を積層する過程および、積層した金属層のパターン化後の加熱工程においては、ポリエステルフィルムのフィルム面への熱ダメージが大きく、当該フィルムよりオリゴマー(主として、環状三量体)が析出する傾向にあり、製造装置の汚染や、フィルム表面へのオリゴマー析出によるフィルム表面の突起等が懸念されている。
また、スパッタリング処理により、金属層を積層する過程および、積層した金属層のパターン化後の加熱工程においては、ポリエステルフィルムのフィルム面への熱ダメージが大きく、当該フィルムよりオリゴマー(主として、環状三量体)が析出する傾向にあり、製造装置の汚染や、フィルム表面へのオリゴマー析出によるフィルム表面の突起等が懸念されている。
さらに互いに対向する2つの導電膜が、互いに異なる形状にパターニングされるとき、まず、一方の導電膜の上にレジストが形成されて、そのレジストがパターニングされる。次いで、他方の導電膜の上に他のレジストが形成されて、他のレジストがパターニングされる。こうしたパターニングの繰り返しでは、互いに異なる工程である露光と現像とが交互に繰り返されるため、金属積層フィルムの製造の煩雑さを増している。"
近年の最終部材の高性能化に伴い、金属積層膜のパターン化が繊細となり、パターン幅がより狭く設計されている。
ポリエステルフィルム基材には、加熱した後に収縮する収縮率特性が存在する。フィルム走行方向(MD)とそれに直交する方向(TD)の収縮率差(ΔS)により、パターン化された金属層の形状が歪み、配線基板の応答が低下する傾向があり、高感度な配線基板を作成することできず、良好なパターン化された金属積層フィルムを加工することは極めて困難である。
特開平6−132628号公報 特開平8−139448号公報 特開2014−53410号公報 特開2015−47818号公報 特願2015−192357号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、積層した金属層のパターン化後の加熱工程における150℃程度の温度で熱処理する際に析出するオリゴマー析出を抑制し、フィルム両面に金属パターンを形成する工程を簡素化することができ、パターン化された金属層の形状の歪み、金属積層膜のパターン化が繊細となり、パターン幅がより狭く設計され、配線基板の応答が高精度化となり、高感度な配線基板であっても、簡素な工程で金属パターンを形成でき、かつパターン化不良よる不具合が発生しない金属積層用フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定のポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルからなる基材の両面に塗布層を有し、当該塗布層表面から抽出されるオリゴマー量がそれぞれ1.5mg/m以下であるポリエステルフィルムであり、当該フィルムの365nmでの光線透過率が20%以下であり、下記式(1)を満足することを特徴とする金属積層用ポリエステルフィルムに存する。
|SMD−STD|≦0.4 …(1)
(上記式中、SMDは、フィルム走行方向(MD)の収縮率(%)、STDは、フィルム走行方向と直交する方向(TD)の収縮率(%)をそれぞれ意味し、加熱条件は、150℃90分間である)
本発明の金属積層用ポリエステルフィルムによれば、例えば、150℃、90分間のような、高温高温度の雰囲気下にフィルムが長時間晒され、過酷な熱処理工程を経た後でも、オリゴマー析出量が少なく、反対面への紫外線の透過を防ぐため、それぞれの面のレジストへの露光が反対面のレジストに影響することなく行えるため、金属パターン形成する工程で片面ずつレジスト形成、露光、エッチングの工程を繰り返すことなく両面にパターンを形成できる。また、金属積層膜のパターン化が繊細となり、パターン幅がより狭く設計されたタイプに使用されたときでも、パターン化不良等の不具合が発生せず、配線基板の応答が高精度化となり、高感度な配線基板が設計されたタイプに使用された時でも、パターン化された金属層の形状歪みによる不具合が発生しない金属積層用ポリエステルフィルムを提供することができ、例えば、フレキシブル両面回路基板、あるいはタッチパネル用構成部材などとして好適であり、その工業的価値は非常に高い。
銅層パターン化後のパターン形状(歪み)評価の対象となるパターン形状を示す模式図
本発明におけるポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(PEN)等が例示される。
また、本発明に使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノーネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、多層構成の両外層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、平均粒径が0.1〜0.6μmの粒子を配合することが好ましい。
配合する粒子は1種類のみが好ましく、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。
この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
さらに両外層中の粒子含有量は、通常0.05〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。粒子含有量が0.05重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、その結果、フィルム加工時に傷等の外観不良が生じることがある。一方、1.0重量%を超えて添加する場合、フィルム透明性が不十分な場合がある。
さらに、本発明に使用するポリエステルフィルムを構成する最外層のポリエステル層中には、傷つき防止あるいは易滑性付与を目的として、酸化アルミニウム粒子を使用することが好ましい。酸化アルミニウム粒子の平均粒径が前記範囲を外れる場合には、傷つき防止効果あるいは易滑性が乏しくなる場合がある。
本発明において使用する酸化アルミニウム粒子の具体例として、例えば、無水塩化アルミニウムを原料に火炎加水分解により製造されるγ型、δ型酸化アルミニウム等が挙げられる。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明において、ポリエステルフィルム製造に同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法により積層ポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、積層ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
次に本発明における金属積層用フィルムを構成する、積層ポリエステルフィルムにおいて、オリゴマー封止層の形成は、塗布液をフィルムにコーティングすることにより設けられ、フィルム製造工程内で行うインラインコーティングにより設けられても、また、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよい。
本発明において、金属積層用ポリエステルフィルムを構成する、積層フィルムにおいて、オリゴマー封止層中には、外部から塗布層への熱的ダメージにより、オリゴマー析出量が増加することを低減するため、不揮発成分に対して70重量%以上の架橋剤を含有する塗布液から形成された塗布層を有することが好ましい。割合が上記範囲以下の場合、加熱後のエステル環状三量体の析出を効果的に抑えることができない場合がある。なお、塗布液中には、その他の成分を含有していても構わない。
架橋剤とは、種々公知の架橋剤が使用でき、例えば、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物等が挙げられる。これらの中でも特に、塗布層上に機能層を設ける用途に用いる場合、耐久密着性が向上するという観点から、オキサゾリン化合物が好適に用いられる。また、加熱によるフィルム表面へのエステル環状三量体の析出防止や、塗布層の耐久性や塗布性向上という観点からはメラミン化合物が好適に用いられる。
本発明に使用する積層ポリエステルフィルムのオリゴマー封止層は、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を含有していてもよい。
オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。
付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα,β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する、オリゴマー封止を目的として設ける層を形成する塗布液中に含有されるオキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、通常0.5〜10mmol/g、好ましくは3〜9mmol/g、より好ましくは5〜8mmol/gの範囲である。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上する。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン構造を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できるし、メラミン化合物の反応性を上げるために触媒を使用することも可能である。
エポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、イソブタノイル酢酸メチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
イソシアネート系化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
また、本発明におけるイソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性を向上させるという意味において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、分子内にカルボジイミド構造を1つ以上有する化合物であるが、より良好な密着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
カルボジイミド系化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
カルボジイミド系化合物に含有されるカルボジイミド基の含有量は、カルボジイミド当量(カルボジイミド基1molを与えるためのカルボジイミド化合物の重さ[g])で、通常100〜1000、好ましくは250〜700、より好ましくは300〜500の範囲である。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上する。
さらに本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド系化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加して用いてもよい。
これらの架橋剤は単独でも2種類以上の併用でもあってもよいが、2種類以上組合せることにより、両立が困難であった機能層との密着性と加熱後のエステル環状三量体の析出防止性を向上させることを見出した。その中でも、特に機能層との密着性を向上させられるオキサゾリン化合物と、加熱後のエステル環状三量体の析出防止性が良好なメラミン化合物との組合せが最適であり、好ましい。
また、機能層との密着性をより向上させるためには3種類の架橋剤を組み合わせることが有効であることを見いだした。3種類以上の架橋剤の組合せとしては、架橋剤の1つとしてはメラミン化合物を選択することが最適であり、メラミン化合物との組合せとしては、オキサゾリン化合物とエポキシ化合物、カルボジイミド系化合物とエポキシ化合物が特に好ましい。
なお、これら架橋剤は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いている。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
加熱後のエステル環状三量体の析出防止の観点から、架橋剤の一つにメラミンを選択する場合、塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、メラミンの割合は、通常5〜95重量%の範囲、好ましくは15〜80重量%の範囲、特に好ましくは30〜65重量%の範囲である。割合が上記範囲以下の場合、加熱後のエステル環状三量体の析出を効果的に抑えることができない場合がある。割合が上記範囲以上の場合、塗布外観が悪化する場合がある。
かかる架橋成分を含有する場合、同時に架橋を促進するための成分、例えば架橋触媒などを併用することができる。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムのオリゴマー封止層の形成には、塗布外観の向上や塗布層上に機能層が形成されたときの密着性の向上等のためにポリマーを併用することも可能である。
ポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。これらの中でも、種々の表面機能層との密着性向上の観点からは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂を使用することが好ましい。ただし、含有量が多くなると、加熱後のエステル環状三量体の析出防止性が悪化する場合があり、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。割合が上記範囲を超える場合、加熱後のエステル環状三量体の析出を効果的に抑えることができない場合がある。
また、塗布層の形成にはブロッキング、滑り性改良を目的として粒子を併用することも可能である。その平均粒径はフィルムの透明性の観点から好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下の範囲である。また、下限は滑り性をより効果的に向上させるために、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上、特に好ましくは塗布層の膜厚よりも大きい範囲である。粒子の具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等が挙げられる。その中でも透明性の観点からシリカが好ましい。
また、オリゴマー封止層の厚さは、最終的に得られるフィルム上の塗布層の厚さとして、通常0.003μm〜1μmの範囲であり、好ましくは0.005μm〜0.5μm、さらに好ましくは0.01μm〜0.2μmの範囲である。厚さが0.003μmより薄い場合には、フィルムから析出するエステル環状三量体量が十分に少なくならないことがある。また1μmより厚い場合には、塗布層の外観の悪化や、ブロッキングしやすくなるなどの問題が生じることがある。
本発明の金属積層用ポリエステルフィルムを熱処理(150℃、90分間)した後における、それぞれの塗布層表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるオリゴマー(環状三量体)量(OL)は、それぞれ1.5mg/m以下であり、好ましくは1.0mg/m以下である。いずれかの塗布層表面のOLが1.5mg/mを超える場合、後加工、例えば、スパッタリング工程などの熱処理工程において、例えば、150℃、90分間等、高温雰囲気下で長時間の加熱処理に伴い、オリゴマー析出量が多くなり、フィルムの透明性が低下する。
本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、両面に金属パターン形成する工程を簡素化するために365nmにおける光線透過率が20%以下であることが必要であり、より好ましくは10%以下であることが好ましい。
365nmにおける光線透過率を低減させる方法については、ポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤を添加してもよく、また、積層ポリエステルフィルムの片面に紫外線吸収層を設けてもよい。
ポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤を添加する場合は、有機系紫外線吸収剤および無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性およびポリエステルに含有させることができる観点から、本発明においては、有機系紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、例えば、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等、ベンゾフェノン系、例えば、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクトキベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2,2´ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン等、ベンゾトリアゾール系、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジt−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等、天然物系、例えば、オリザノール、シアバター、バイカリン等、生体系、例えば、角質細胞、メラニン、ウロカニン酸等ベンゾオキサジン系が挙げられる。これら有機系紫外線吸収剤を2種類以上併用して用いることができる。"
積層ポリエステルフィルムに紫外線吸収層を設ける場合は透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。さらに紫外線吸収剤のブリードアウトの観点から紫外線吸収剤共重合体を用いるのがより好ましい。
紫外線吸収剤共重合体としてはベンゾトリアゾール系共重合、ベンゾフェノン系共重合体、トリアジン系共重合体が挙げられる。
共重合させることのできる紫外線吸収剤以外の成分としては、特に制限されるものではなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類。ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体が挙げられる。
紫外線吸収層を設ける場合は、塗布後の乾燥工程でかかる熱を利用して、寸法安定性を高めるため収縮率の調整を行ってもよい。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、ナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスロールコート、キャストコート、スプレイコート、カーテンコート、カレンダコート、押出コート等従来公知の塗布方法を用いることができる。
塗布剤のフィルムへの塗布性、密着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
本発明における金属積層フィルムを構成する、塗布フィルムにおいて、フィルム走行方向(MD)とそれに直交する方向(TD)における150℃、90分間の条件で加熱した収縮率差(ΔS)の絶対値(|SMD−STD|)が以下の式を満たすことが必要である。
ΔS≦0.4
(上記式中、SMDは、フィルム走行方向の収縮率(%)、STDは、フィルム走行方向と直交する方向の収縮率(%)をそれぞれ意味する)"
SMDに関しては、通常0.1〜1.5%の範囲であり、好ましくは0.1〜0.7%の範囲、さらに好ましくは、0.1〜0.3%の範囲である。STDに関しては、通常−0.3〜1.0%の範囲であり、好ましくは−0.1〜0.4%の範囲、さらに好ましくは、0.1〜0.3%の範囲である。SMD、STD共に、0.1〜0.3%の範囲に近い方が、金属層のパターン幅をより狭く設計することが可能である。
ΔSに関しては、好ましくは0.3以下である。さらに好ましくは0.1以下である。ΔSが0.4を超える場合、パターン化された金属層の形状が歪み、配線基板の応答が低下する傾向があり、高感度な配線基板として対応困難になる。
金属積層用ポリエステルフィルムにおいて、150℃程度の温度での熱処理や、高温高湿雰囲気下での耐久性試験など、過酷な条件下での加工工程で使用される際、塗布フィルムからのオリゴマー析出を抑えられることと、熱処理前後でのフィルム表面の最大粗さ(St)を低く抑えること、塗布フィルムにおけるMDとTDの収縮率差(ΔS)を0.4以下とすることで、金属積層膜のパターン化が繊細となり、パターン幅がよりさらに狭く設計され、高感度な配線基板が設計されたタイプに使用されても、パターン化不良等の不具合を解決することが可能である。なお、ここで言う面塗布フィルムにおけるMDとは、加工工程におけるフィルム走行方向を意味する。また、TDとは、加工工程におけるフィルム走行方向に対して、直交する方向を意味する。
従来、ポリエステルフィルム基材の塗布フィルムを使用して、金属膜を積層する工程における150℃程度の温度で熱処理する際に塗布フィルムが収縮し、MDとTDの収縮差により、パターン化された金属層の形状が歪み、配線基板の応答が低下する傾向がある。それ故に、高感度な配線基板が必要とされる。本発明者は、金属積層フィルムを構成する、塗布フィルムにおけるMDとTDの加熱収縮率差(ΔS)が当該不具合の原因の一つであると考えた。
本発明において、前記、熱寸法安定性の効果をさらに高めるために、アニール処理を行うのが好ましい。アニール処理に関しては、従来から、公知の手法を採用することが可能である。具体的には、例えば、アニールの温度は160〜200℃が好ましく、より好ましくは165〜195℃であり、さらに好ましくは、170〜190℃である。アニール処理時間は、1〜30秒が好ましく、より好ましくは3〜20秒であり、さらに好ましくは5〜15秒である。さらにフィルム走行速度は10〜300m/分、フィルム張力(オーブン内)は、1kg〜10kg/フィルム幅が好ましく、より好ましくは1kg〜7kg/フィルム幅であり、さらに好ましくは1kg〜5kg/フィルム幅でフィルムを搬送しながらアニール処理するのが好ましい。
パターン化においては、従来公知の技術を用いて実施することができる。例えば、特開2014−150118号公報に記載がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)および粒度分布
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定し、平均粒径を求めた。平均粒径の測定法と同様にして粒度分布を求めた。すなわち、等価球分布における大粒子側から積算を行い、下記式から粒度分布比(R)を算出した。
(r)=粒子積算重量が25%のときの粒径/粒子積算重量が75%のときの粒径"
(3)積層ポリエステル層の厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(4)塗布層厚さ
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
(5)金属積層用ポリエステルフィルムの表面から抽出されるオリゴマー量(OL)の測定方法
あらかじめ、金属積層用ポリエステルフィルムを空気中、150℃で90分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmになるように、測定面(塗布層)を内面として箱形の形状を作成する。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。(A面)。反対面側(B面)も上記と同様の要領にて測定を行い、塗布層表面から抽出されるオリゴマー量(OL)を求めた。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
<光線透過率の測定方法>
分光光度計(株式会社日立ハイテクフィールディング製U-3310)により、スキャン速度を300nm/min、サンプリングピッチを1nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、365nmの波長での光線透過率を検出した。
(6)塗布フィルムの収縮率(SMD、STD)の測定
試料フィルムを無張力状態で所定の温度(150℃)に保ったオーブン中、90分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて算出した。なお、塗布フィルムのMDとTDのそれぞれについて測定した。
収縮率={(熱処理前のサンプル長)−(熱処理後のサンプル長)}/(熱処理前のサンプル長)×100"
(7)銅層パターン化後のパターン形状(歪み)評価
金属積層用ポリエステルフィルムの両面に反応性スパッタリング法により、厚さ20nmの酸化銅層を形成した。当該酸化銅層上にフォトレジストを塗布して乾燥した後、一方の面から格子状にパターン化(最細部:12μm)されているマスクを介して紫外光をレジストに露光し、他方はマスクを介さずに紫外光を露光した。得られたフィルムを4%の塩化第2鉄水溶液に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化された酸化銅層を、150℃×90分間の加熱処理する前後における格子状のパターン(加熱前のXの長さ=3.00mm、加熱前のYの長さ=3.00mm)の寸法変化(X,Y)に関して、測定顕微鏡を用いて観察し、下記判定基準により、判定を行った。なお判定はパターン化されたマスクを介して紫外光を露光した面で行った。
(判定基準)
○:加熱後のXとYの長さの差が0.014mm以下。(加熱処理前後での寸法変化がほとんどなく実用上、問題ないレベル)
×:加熱後のXとYの長さの差が0.014mmを超える。(加熱処理前後での寸法変化により、実用上、問題あるレベル)
本評価においては、図1に示すとおり、格子状のパターンにて評価を行ったが、これに限定されるわけではない。"
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
[ポリエステル(I)の製造方法]
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常
法に従い、チップ化してポリエステル(I)を得た。得られたポリエステルチップの溶液粘度IVは、0.66であった。"
[ポリエステル(II)の製造方法]
ポリエステル(I)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエステル(II)を作製した。得られたポリエステル(II)の極限粘度は、0.59であった。
[ポリエステル(III)の製造方法]
ポリエステル(I)を製造する際、平均粒径2μmの非晶質シリカを1000ppm添加し、ポリエステル(III)を作成した。
実施例1:
上記ポリエステル(I)、(III)をそれぞれ82.5%、17.5%の割合で混合した混合原料をa層の原料とし、ポリエステル(I)100%の原料をb層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、a層を最外層(表層)、b層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(aba)で、積層ポリエステルフィルム厚み構成比がa:b:a=2:19:2になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.3倍延伸した後、オキサゾリン化合物(エポクロス、株式会社日本触媒製、オキサゾリン基量7.7mmol/g)を50%、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルを45%、平均粒径が0.07μmのシリカ粒子を5%の割合で混合した塗布液からなるオリゴマー封止層を乾燥後0.04μmとなるように、フィルム両面(フィルム走行方向に対して、上面がA面、下面がB面)に塗布した後に、テンターに導き、横方向に120℃で4.9倍延伸し、235℃で熱処理を行った後、横方向に弛緩し、フィルムをロール上に巻き上げ、フィルム幅1000mm、巻長さ、6000m、厚さ23μm塗布層が設けられた両面積層ポリエステルフィルムを得た。なお、STDの微調整は、横方向に弛緩後のフィルム幅で微調整した。
次に、上記方法で得た積層ポリエステルフィルムの一方の面に紫外線アクリル樹脂(ハルスハイブリッドUVーG13、株式会社日本触媒製)を乾燥後2.0μmとなるように塗布し、紫外線吸収層を形成し、金属積層用ポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
実施例1において、ポリエステルフィルムのb層の原料をポリエステル(I)、(II)を97.5%、2.5%の割合で混合した混合原料を使用し、紫外線吸収層を設けないこと、およびオリゴマー封止層の厚みを0.01μmとした以外は実施例1と同様にして得た。
実施例3:
実施例1において、紫外線吸収層の厚みを1.0μmとした以外は実施例1と同様にして得た。
実施例4:
実施例3において、オリゴマー封止層の厚みを0.01μmとした以外は実施例3と同様にして得た。
実施例5:
実施例2においてポリエステルフィルムのb層の原料をポリエステル(I)、(II)を98.5%、1.5%の割合で混合した混合原料を使用した以外は実施例2と同様にして得た。
実施例6:
実施例2においてポリエステルフィルムのb層の原料をポリエステル(I)、(II)を97.0%、3.0%の割合で混合した混合原料を使用し、オリゴマー封止層の厚みを0.04μmとした以外は実施例2と同様にして得た。
実施例6:
実施例2においてポリエステルフィルムのb層の原料をポリエステル(I)、(II)を97.0%、3.0%の割合で混合した混合原料を使用し、オリゴマー封止層の厚みを0.04μmとした以外は実施例2と同様にして得た。
比較例1:
実施例1において以外は実施例1と同様にして得た。
比較例3:
実施例1において、紫外線吸収層の厚みを0.8μmとした以外は実施例1と同様にして得た。
比較例4:
実施例2において、オリゴマー封止層の厚みを設けないこと以外は実施例2と同様にして得られた。
比較例5:
実施例1において、オリゴマー封止層および紫外線吸収層を設けないこと以外は実施例1と同様にして得た。
比較例6:
実施例1において、紫外線吸収層を設けないこと以外は実施例1と号用にして得た。
得られた金属積層用ポリエステルフィルムの特性を下記表1および2に示す。

本発明のフィルムは、例えば、フレキシブル両面回路基板用途、タッチパネル用構成部材(例えば、導電性フィルムなど)などに好適に利用することができる。
1 パターン化された酸化銅層
2 パターン化されていない部分

Claims (3)

  1. ポリエステルフィルムの両面にパターン化された金属層を形成する工程を含む金属層付きポリエステルフィルムの製造方法であって、
    前記ポリエステルフィルムは、ポリエステルからなる基材の両面に塗布により形成されたオリゴマー封止層を有し、ポリエステルからなる基材中に紫外線吸収剤を含む、又は、塗布により形成されたオリゴマー封止層の一方の層上に紫外線吸収層を有し、当該ポリエステルフィルム表面から抽出されるオリゴマー量がそれぞれ1.5mg/m以下であるポリエステルフィルムであり、当該フィルムの365nmでの光線透過率が20%以下であり、下記式(1)を満足するポリエステルフィルムである、金属層付きポリエステルフィルムの製造方法。
    |SMD−STD|≦0.4 …(1)
    (上記式中、SMDは、フィルム走行方向(MD)の収縮率(%)、STDは、フィルム走行方向と直交する方向(TD)の収縮率(%)をそれぞれ意味し、加熱条件は、150℃90分間である)
  2. 前記金属層が銅層である、請求項1記載の金属層付きポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 下記模式図に示す格子状のパターンであって、加熱前のXの長さ=3.00mm及び加熱前のYの長さ=3.00mmである格子状のパターンを形成した場合の、150℃、90分間の加熱処理後のXとYとの長さの差が0.014mm以下である、請求項1又は2に記載の金属層付きポリエステルフィルムの製造方法。

    (上記図中、MDはフィルム走行方向を意味する。)
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