JP6804359B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に薄膜を形成するための成膜装置に関する。
近年、各種基材上に様々な機能膜を付与するための技術開発が盛んに行われている。例えば、前記基材として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等が挙げられ、前記機能膜として、透明導電膜、水蒸気バリア膜、反射防止膜等が挙げられる。前記のような基材に機能膜を付与するための方法として、例えば、スパッタリング、プラズマCVD、真空蒸着、電子ビーム蒸着、熱CVD等が用いられる。
特許文献1には、前記のような成膜を行う成膜装置が開示されている。この装置では、チャンバー内の処理室が減圧され、この処理室を帯状の基材がロールトゥロール方式で搬送され、その搬送路の途中において成膜処理が行われる。成膜装置の具体的構成について説明すると、成膜装置は、チャンバーと、チャンバー内の処理室を減圧するための機構と、処理室において基材をガイドする搬送ロール及びメインロールと、メインロールによってガイドされる基材に対して成膜処理を行うための成膜機構(プラズマ電極等)とを備えている。
特許文献1に開示されている発明の従来技術として、搬送ロール及びメインロールを支持する軸がそれぞれ、チャンバー(例えばチャンバーの壁)を位置決めの基準として、このチャンバーに取り付けられた成膜装置が知られている。この場合、成膜処理のために処理室を減圧するとチャンバーの壁が撓む等の変形が生じ、これにより、搬送ロールとメインロールとの相対的な位置が変化したり、これらロールの中心軸が相対的に傾いたりし、基材の搬送精度が悪化し、メインロールに対して基材が位置ずれするおそれがある。この結果、所望の仕様の薄膜を基材に形成できない等といった成膜の精度不具合が発生する。
特開2016−156052号公報
前記のような成膜の精度不具合の発生を、特許文献1に記載の装置では、搬送ロール及びメインロールを、脚部を有するフレームに連結し、この脚部によってフレームをチャンバーの床上に載せた状態とすることで解消している。この構成によれば、処理室が減圧されチャンバーが変形しても、各ロールの相対位置が変化しないようにすることができ、所定の搬送路に沿って基材を搬送し、精度よく成膜を行うことを可能としている。
特許文献1に記載の成膜装置では、チャンバー内においてメインロールの直下に、プラズマ電極等を含む成膜機構が一つのみ配置されている。この場合、脚部を有するフレームはこの成膜機構を跨いで設置可能となり有効であるが、成膜機構が複数となったりレイアウトが異なったりすると(例えば四つの成膜機構が幅方向に並ぶと)成膜機構と脚部との干渉を避けるために、これら成膜機構を跨ぐ幅広のフレームが必要となる。この場合、チャンバーも幅広となり、減圧の対象とする処理室が拡大し、この結果、減圧機構の容量も大きくする必要がある等、チャンバー及び各機器が大型化してしまうことがある。
そこで、本発明は、成膜の精度不具合の発生という課題を従来とは別の技術的手段を用いて解決することを目的とする。つまり、本発明は、チャンバー内の処理室が減圧され、チャンバーが変形しても、基材への成膜の精度不具合の発生を抑えることを可能とすることを目的とする。
本発明の成膜装置は、内部に処理室が形成されるチャンバーと、前記処理室を減圧するための減圧機構と、前記処理室に設けられ基材をガイドする搬送ロールと、前記処理室に設けられ前記搬送ロールによってガイドされる前記基材をガイドするメインロールと、前記処理室の下部領域に設けられ前記メインロールによってガイドされる前記基材に対して成膜処理を行うための成膜機構と、前記チャンバーの上壁から吊り下げ状態となって前記処理室に設置されている内部フレームと、を備え、前記搬送ロールと前記メインロールとの相対的な位置決めがされて当該搬送ロール及び当該メインロールが前記内部フレームに取り付けられている。
この成膜装置によれば、搬送ロール及びメインロールは共通する内部フレームにおいて相対的な位置決めがされて取り付けられているため、成膜のためにチャンバー内の処理室が減圧され、これによりチャンバーが変形しても、搬送ロールとメインロールとの相対的な位置の変化が生じ難い。このため、基材の搬送精度が損なわれず、基材への成膜の精度不具合の発生を抑えることができる。また、内部フレームはチャンバーの上壁から吊り下げ状態となっていることから、この内部フレームが、処理室の下部領域に設けられている成膜機構と干渉するのを防ぐことができる。これにより、各機器のレイアウトに無理がなく成膜装置を可及的に小型化することが可能となる。
また、前記内部フレームは、前記上壁に取り付けられている第一フレームと、当該第一フレームに位置調整可能として取り付けられている第二フレームとを有し、前記搬送ロール及び前記メインロールは前記第二フレームに取り付けられているのが好ましい。この構成によれば、第一フレームに対して第二フレームを位置調整することにより、チャンバー内に設けられている前記成膜機構に対するメインロールの位置調整及び位置決めを行うことが可能となる。
また、前記内部フレームは、前記メインロールの軸方向一方側及び他方側を支持するように、当該一方側に対応する前記上壁の前部及び当該他方側に対応する前記上壁の後部それぞれに取り付けられており、前記上壁の前部及び後部には剛性を高める補強部が設けられているのが好ましい。この構成によれば、チャンバーの上壁の前部及び後部は変形し難くなり、チャンバーの変形が内部フレームに及ぼす影響が抑えられる。これにより、搬送ロールとメインロールとの相対的な位置関係についてチャンバーの変形前の状態が保たれ、基材の搬送精度が損なわれない。
また、前記成膜装置は、前記メインロールにガイドされる前記基材に対する成膜範囲を規定するためのマスク機構を、更に備え、前記マスク機構は、前記内部フレームに取り付けられているのが好ましい。この構成によれば、チャンバーが変形しても、基材に対する成膜範囲を規定するマスク機構と、メインロールとの相対的な位置の変化が生じ難いため、基材への成膜の精度不具合の発生をより一層効果的に抑えることができる。
また、前記成膜装置は、前記メインロールにガイドされる前記基材に対して成膜を行うためのガスを導入する導入部、及び、前記成膜による膜厚分布を調整する調整部を、更に備え、前記導入部及び前記調整部は、前記内部フレームに取り付けられているのが好ましい。この構成によれば、チャンバーが変形しても、基材に対して成膜を行うためのガスを導入する導入部及び膜厚分布を調整する調整部と、メインロールとの相対的な位置の変化が生じ難いため、基材への成膜の精度不具合の発生をより一層効果的に抑えることができる。
本発明の成膜装置によれば、チャンバーが変形しても基材の搬送精度が損なわれず、基材への成膜の精度不具合の発生を抑えることができ、生産性を高めることが可能となる。
本発明の成膜装置の実施の一形態を側方から見た場合の断面図である。 図1に示す成膜装置の正面図である。 第一フレームに対して第二フレームを位置決めする機構の説明図である。 成膜装置の一部を示す説明図である。
図1は、本発明の成膜装置の実施の一形態を側方から見た場合の断面図である。図2は、図1に示す成膜装置の正面図であり、後述する蓋15(図1参照)を取り外した状態を示している。この成膜装置7は、チャンバー10、減圧機構45、搬送ロール20、メインロール30、成膜機構40、及び内部フレーム50を備えている。図4は、成膜装置7の一部を示す説明図である。成膜装置7は、更に、マスク機構70、導入部75、調整部80、及び冷却部85を備えている。成膜装置7は、チャンバー10内が減圧状態(真空状態)とされ、このチャンバー10内の処理室11において基材5に成膜を行う。成膜された基材5は、例えば、太陽電池や有機EL等のディスプレイの一部品に用いられる。
図2において、基材5はロールトゥロールで搬送される帯状の部材(フィルム)であり、そのために、成膜装置7は、図示していないが、基材5を送り出すための送り出し装置と、薄膜を形成した基材5を巻き取るための巻き取り装置とを更に備えている。前記送り出し装置から基材5が繰り出されると、その基材5は、上流側(図2において左側)の複数の搬送ロール20、メインロール30、及び、下流側(図2において右側)の複数の搬送ロール20を経て、前記巻き取り装置に巻き取られる。これらロール20,30にガイドされて基材5が搬送される途中(メインロール30によりガイドされる範囲)で成膜が行われる。「上流側」及び「下流側」は、基材5の搬送方向の上流側及び下流側である。
図1及び図2において、チャンバー10は、上壁13、左右の側壁16,17、底壁18、後壁19、及び前壁となる蓋15を有しており、これらは鋼製である。上壁13、左右の側壁16,17、底壁18、及び後壁19によって、前方が開口する箱型の本体部60が構成されている。本体部60は、図外の装置フレームに設置されて固定状態となっているのに対して、蓋15は、図外のアクチュエータによって前後方向に移動可能である。蓋15は、本体部60の開口を閉じる前壁となる。成膜装置7において、本体部60が開口している側を「前」とし、その反対側を「後」としている。また、前後方向に直交する水平方向を左右方向と定義し、前後方向及び左右方向と直交する方向を上下方向と定義する。
本体部60の前端には蓋15と接触するフランジ部61が設けられ、フランジ部61と蓋15との間にはシール部材としてOリングが介在しており、本体部60の開口を蓋15が閉じた状態で、チャンバー10内には密閉空間が構成される。この密閉空間が成膜を行うための処理室11となる。以上のように、チャンバー10は、内部に処理室11が形成されている。
上壁13の前部13f及び後部13bそれぞれには(図1参照)補強部として桁部材14が設けられている。桁部材14は、チャンバー10の左右方向の全長にわたって設けられている。これにより、チャンバー10の上壁13は前部13f及び後部13bにおいて剛性が高くなっており、弾性変形し難い構成となっている。
減圧機構45(図2参照)は、本体部60の開口を蓋15が閉じた状態にある処理室11を減圧する機能を有している。このために、減圧機構45は、配管を通じてチャンバー10内の処理室11と繋がっているポンプ46を有している。ポンプ46が駆動することで、処理室11を減圧する(真空状態にする)ことが可能である。
搬送ロール20は、処理室11に設けられており、基材5をガイドする。本実施形態では、メインロール30を基準として、上流側に二つの搬送ロール20が設けられており、下流側に二つの搬送ロール20が設けられている。搬送ロール20は前後方向に長い円柱状のガイド部材である。
メインロール30は、処理室11に設けられており、搬送ロール20によってガイドされる基材5をガイドする。メインロール30は処理室11の左右方向中央に配置されており、搬送ロール20よりも直径が大きく前後方向に長い円柱状のガイド部材である。搬送される基材5のうち、メインロール30の外周面に沿って位置している部分に対して成膜が行われる。
内部フレーム50は、チャンバー10の上壁13から吊り下げ状態となって処理室11に設置されている。内部フレーム50に搬送ロール20及びメインロール30が取り付けられている。内部フレーム50は、チャンバー10の前部13f及び後部13bの二箇所に設けられており(図1参照)、搬送ロール20及びメインロール30それぞれは前後の二箇所で支持される。内部フレーム50は鋼製である。
本実施形態の内部フレーム50は、第一フレーム51と第二フレーム52とを有しており、第一フレーム51が上壁13に取り付けられており、第二フレーム52が第一フレーム51に取り付けられている。前側の内部フレーム50の構成と後側の内部フレーム50の構成とは、第一フレーム51と第二フレーム52との前後の配置が反対であるが、(ほぼ)同じである。前側の内部フレーム50について具体的に説明すると、第一フレーム51は上壁13(桁部材14)にボルト63によって取り付けられている。第一フレーム51は、フレーム本体54と、二つのアーム部53とを有しており、各アーム部53が上壁13(桁部材14)と接続されている。第一フレーム51は、二つのアーム部53がフレーム本体54から分岐した形状を有している。上壁13(桁部材14)が弾性変形したとしても、アーム部53が弾性変形することにより上壁13の変形が吸収され、フレーム本体54は変形しない。フレーム本体54には、前後方向に貫通した貫通孔55(図1参照)が形成されている。貫通孔55の孔形状は、メインロール30を支持する支軸31の断面形状よりも大きく、支軸31は貫通孔55を挿通している。このため、メインロール30の支軸31は第一フレーム51に非接触の状態にある。支軸31は、後壁19を貫通しており、チャンバー10外の駆動装置(図示せず)によって回転可能であり、これにより、メインロール30を回転させることができる。
第二フレーム52は、第一フレーム51(フレーム本体54)にボルト64及びナットによって取り付けられており、これにより、第一フレーム51と第二フレーム52とは一体となっている。図示しないが、第一フレーム51及び第二フレーム52にはボルト64を挿通させる穴が形成されており、この穴はボルト64の直径よりも充分に大きく、ボルト64及びナットを緩めた状態で、第二フレーム52は、第一フレーム51に対して上下方向及び左右方向に小寸法について移動可能となる。そして、内部フレーム50は、第一フレーム51に対する第二フレーム52の位置を調整すると共にその位置決めをするための調整機構を有している。この調整機構は、第一フレーム51に設けられているねじ機構によって構成されている。図3に示すように、このねじ機構として上下調整用(67)と左右調整用(68)とが設けられている。本実施形態では、第二フレーム52に設けられている窓部(孔)66に対応する位置にねじ機構67,68が設けられている。なお、図3では、後述するサブフレーム71を取り外した状態としている。
上下調整用のねじ機構67は、上下方向に長いねじ軸67aを有しており、このねじ軸67aを回転させることで先端67bが上下に移動する。この先端67bが第二フレーム52の一部(窓部66の内周面)に接触することで、第二フレーム52の上下方向の位置を調整することができ、また、位置決めすることができる。そして、第二フレーム52に作用する荷重(メインロール30等の荷重)は、上下調整用のねじ機構67を介して第一フレーム51に伝達され、これにより、メインロール30等の荷重を内部フレーム50が支持することができる。
左右調整用のねじ機構68は、左右方向に長いねじ軸68aを有しており、このねじ軸68aを回転させることで先端68bが左右に移動する。この先端68bが第二フレーム52の一部(窓部66の内周面)に接触することで、第二フレーム52の左右方向の位置を調整することができる。左右調整用のねじ機構68は、内部フレーム50の右側と左側とに設けられており、両側のねじ機構68によって第二フレーム52の左右方向の移動が拘束され、位置決めされる。
これらねじ機構67,68により上下方向及び左右方向についての第二フレーム52の位置決めがされると、ボルト64を締めて第一フレーム51と第二フレーム52とを固定する。このように、第二フレーム52は、第一フレーム51に位置調整可能として取り付けられている。本実施形態では、ねじ機構67,68が第一フレーム51に取り付けられ、窓部(孔)66が第二フレーム52に形成されている場合について説明したが、反対であってもよい。
図2において、第二フレーム52は、中央フレーム56と、この中央フレーム56から左右それぞれに延びて設けられている左フレーム57及び右フレーム58とを有している。中央フレーム56は、メインロール30の支軸31を支持する軸受部59を有している。これにより、メインロール30は回転可能となって内部フレーム50に支持される構成となる。左フレーム57の先部側及び基部側それぞれにおいて(上流側の)搬送ロール20が回転可能となって支持されており、右フレーム58の先部側及び基部側それぞれにおいて(下流側の)搬送ロール20が回転可能となって支持されている。以上のように、四つの搬送ロール20及び単一のメインロール30は、共通する第二フレーム52に取り付けられており、これら搬送ロール20とメインロール30とは相対的な位置決めがされた構成となっている。言い換えると、メインロール30を基準として各搬送ロール20は配置されている。
成膜機構40は、基材5に対して成膜するための方法(スパッタリング、プラズマCVD、真空蒸着、電子ビーム蒸着、熱CVD等)に応じて異なるが、本実施形態では、プラズマCVD法を用いた成膜装置7であり、成膜機構40は電極41を有している。電極41には図外の高周波電源が接続されている。
処理室11には図外の供給部からプラズマ生成ガスが供給されており、電極41に高周波電圧が与えられることでその近傍(メインロール30との間)の領域にプラズマを発生させることができる。そして、導入部75(図4参照)から成膜のための原料ガスが導入されており、発生させたプラズマによって原料ガスが励起されたプラズマ雰囲気が形成され、メインロール30上の基材5に対して成膜が行われる。
本実施形態では、メインロール30の下半分の外周に沿って複数(四つ)の成膜機構40が配置されている。成膜機構40とメインロール30との間の領域が成膜領域69とされており、本実施形態では、複数(四つ)の成膜領域69が設けられている。これら成膜機構40は(成膜領域69それぞれでは)同じ成膜を行ってもよく、異なる成膜を行ってもよい。成膜機構40は、メインロール30の支軸31の中心線よりも下の領域(処理室11の下部領域12)に配置されている。以上のように、成膜機構40は、処理室11の下部領域12に設けられており、メインロール30によってガイドされる基材5に対して成膜処理を行うための機能を有している。
前記のとおり、各成膜領域69において基材5に対する成膜が行われる。マスク機構70は、各成膜領域69に設けられており、メインロール30にガイドされる基材5に対する成膜範囲を規定する。マスク機構70は成膜機構40(成膜領域69)と対応して設置されており、成膜機構40の数と同数のマスク機構70を成膜装置7は有している。マスク機構70は、内部フレーム50に固定されているサブフレーム71に位置調整可能として取り付けられており、成膜範囲を変更可能である。マスク機構70(の開口位置)によってメインロール30上の基材5に成膜される範囲が設定されることから、マスク機構70とメインロール30との相対的な配置は、成膜範囲に大きな影響を及ぼす。そこで、四つのマスク機構70は、内部フレーム50のうち、メインロール30と共通する第二フレーム52に取り付けられている。具体的に説明すると、第二フレーム52にサブフレーム71がボルト65によって取り付けられており、図4に示すように、このサブフレーム71にマスク機構70が取り付けられている。これにより、各マスク機構70とメインロール30とは相対的な位置決めがされた構成となっている。言い換えると、メインロール30を基準としてマスク機構70は配置されている。
図4に示すように、サブフレーム71には、マスク機構70の他に、導入部75、調整部80、及び冷却部85が取り付けられている。導入部75は、メインロール30にガイドされる基材5に対して成膜を行うための成膜ガスを導入する配管であり、この配管の出口部が、サブフレーム71に取り付けられている。この出口部は、成膜領域69において開口しており、成膜ガスを成膜領域69に供給する。このように、導入部75は、内部フレーム50のうち、メインロール30と共通する第二フレーム52にサブフレーム71を介して取り付けられた構成となっており、各導入部75とメインロール30とは相対的な位置決めがされた構成となる。言い換えると、メインロール30を基準として導入部75は配置されている。メインロール30上の基材5の近傍に対して導入部75から成膜ガスが供給されることで、均質な成膜が行われる。
各成膜領域69において、メインロール30にガイドされる基材5に成膜がされるが、調整部80は、この成膜による膜厚分布を調整する機能を有している。調整部80は、板状部材により構成されており、この板状部材が一体となっている一体式(一枚もの)の他に、前記板状部材が複数に分割されている分割式がある。分割式の調整部80の場合、板状部材は面方向(図4では紙面に直交する方向)に沿って複数に分割されており、複数の板状部材それぞれの取付位置を変更(調整)することができる。板状部材それぞれの取付位置を微調整することで、基材5の幅方向の膜厚分布を細かく調整することができ、また、均一性の高い薄膜を得ることが可能となる。
調整部80は、成膜領域69毎に設けられており、調整部80によってメインロール30上の基材5に成膜される膜厚分布が設定される。このため、調整部80とメインロール30との相対的な配置は、成膜精度に大きな影響を及ぼす。そこで、調整部80は、内部フレーム50のうち、メインロール30と共通する第二フレーム52にサブフレーム71を介して取り付けられた構成となっており、各調整部80とメインロール30とは相対的な位置決めがされた構成となる。言い換えると、メインロール30を基準として調整部80は配置されている。
冷却部85は、成膜領域69毎に設けられており、マスク機構70全体を冷却可能とする構成を有している。マスク機構70を冷却するための構成として、チラー等の温度調整付き機器を用いればよく、これにより、マスク機構70の温度を任意に設定することが可能となる。また、冷却部85は、温水を供給する機能を備えていてもよく、この場合、マスク機構70を加熱することが可能となる。
冷却部85は、内部フレーム50のうち、メインロール30と共通する第二フレーム52にサブフレーム71を介して取り付けられた構成となっており、各冷却部85とメインロール30とは相対的な位置決めがされた構成となる。言い換えると、メインロール30を基準として冷却部85は配置されている。
以上のように、本実施形態の成膜装置7では、チャンバー10内において(図2参照)、四つの搬送ロール20と単一のメインロール30との相対的な位置決めがされて、これら搬送ロール20及びメインロール30が内部フレーム50に取り付けられている。つまり、搬送ロール20及びメインロール30は共通する内部フレーム50において相対的な位置決めがされて搭載されている。このため、成膜のためにチャンバー10内の処理室11が減圧機構45によって減圧され、これによりチャンバー10が変形しても、搬送ロール20とメインロール30との相対的な位置の変化が生じ難いため、基材5の搬送精度が損なわれず、基材5への成膜の精度不具合の発生を抑えることができる。前記のとおり、基材5の搬送精度が損なわれないことから、成膜処理を開始するために、各機器の微調整等を行うにしても、その作業は容易であり作業時間を短縮することができ、機能膜を有する基材5の生産性を高めることが可能となる。
また、内部フレーム50はチャンバー10の上壁13から吊り下げ状態となっている。このため、処理室11の下部領域12に設けられている成膜機構40と、内部フレーム50とが干渉するのを防ぐことができる。本実施形態では、下部領域12に成膜機構40が四ヶ所に広がって設置されているが、これらのレイアウトに無理がなく、内部フレーム50、メインロール30及び搬送ロール20をコンパクトにして配置することができ、成膜装置7を可及的に小型化することが可能となる。
また、内部フレーム50は、上壁13に取り付けられている第一フレーム51と、この第一フレーム51に位置調整可能として取り付けられている第二フレーム52とを有しており、搬送ロール20及びメインロール30は第二フレーム52に取り付けられている。このため、第一フレーム51に対して第二フレーム52を位置調整することにより、成膜機構40に対するメインロール30の位置調整及び位置決めを行うことが可能となる。この結果、精度の高い成膜が可能となる。
更に、内部フレーム50は、メインロール30の軸方向一方側及び他方側を支持するように、軸方向一方側に対応する上壁13の前部13f、及び、軸方向他方側に対応する上壁13の後部13bそれぞれに取り付けられている(図1参照)。そして、上壁13の前部13f及び後部13bには剛性を高める補強部として桁部材14が設けられている。このため、チャンバー10の上壁13の前部13f及び後部13bは変形し難くなり、チャンバー10の変形が内部フレーム50に及ぼす影響が抑えられる。これにより、搬送ロール20とメインロール30との相対的な位置関係についてチャンバー10の変形前の状態が保たれ、基材5の搬送精度が損なわれず、基材5への成膜の精度不具合の発生をより一層効果的に抑えることができる。
そして、本実施形態では、マスク機構70、導入部75、及び調整部80についても内部フレーム50に搭載されている。このため、チャンバー10が変形しても、マスク機構70、導入部75、及び調整部80それぞれと、メインロール30との相対的な位置の変化が生じ難いため、基材5への成膜の精度不具合の発生をより一層効果的に抑えることができる。
前記実施形態では、成膜機構40(成膜領域69)を四つとした場合について説明したが、その数は変更自在であり、一つ、又は、二つ以上とすることができる。複数の成膜領域69に区画されている場合、各成膜領域69において同じ成膜処理を行ってもよいし、成膜領域69毎で異なる成膜処理を行ってもよい。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の成膜装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。本発明の成膜装置は、スパッタリング、プラズマCVD、真空蒸着、電子ビーム蒸着、熱CVD等の手段を用いて基材に成膜することができ、この手段に応じて成膜機構40を適宜変更すればよい。また、チャンバー10の上壁13における前部13f及び後部13bの剛性を高めるための補強部を、桁部材14として説明したが、補強部の構成は図示した形態以外であってもよい。前記実施形態では、内部フレーム50に、マスク機構70、導入部75、調整部80、及び冷却部85が搭載されている場合について説明したが、これらの内のいずれかは内部フレーム50以外に取り付けられていてもよい。
5:基材 7:成膜装置 10:チャンバー
11:処理室 12:下部領域 13:上壁
13f:前部 13b:後部 14桁部材(補強部)
20:搬送ロール 30:メインロール 40:成膜機構
45:減圧機構 50:内部フレーム 51:第一フレーム
52:第二フレーム 70:マスク機構 75:導入部
80:調整部

Claims (5)

  1. 内部に処理室が形成されるチャンバーと、
    前記処理室を減圧するための減圧機構と、
    前記処理室に設けられ基材をガイドする搬送ロールと、
    前記処理室に設けられ前記搬送ロールによってガイドされる前記基材をガイドするメインロールと、
    前記処理室の下部領域に設けられ前記メインロールによってガイドされる前記基材に対して成膜処理を行うための成膜機構と、
    前記チャンバーの上壁から吊り下げ状態となって前記処理室に設置されている内部フレームと、
    を備え、
    前記搬送ロールと前記メインロールとの相対的な位置決めがされて当該搬送ロール及び当該メインロールが前記内部フレームに取り付けられている、成膜装置。
  2. 前記内部フレームは、前記上壁に取り付けられている第一フレームと、当該第一フレームに位置調整可能として取り付けられている第二フレームとを有し、
    前記搬送ロール及び前記メインロールは前記第二フレームに取り付けられている、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記内部フレームは、前記メインロールの軸方向一方側及び他方側を支持するように、当該一方側に対応する前記上壁の前部及び当該他方側に対応する前記上壁の後部それぞれに取り付けられており、
    前記上壁の前部及び後部には剛性を高める補強部が設けられている、請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記メインロールにガイドされる前記基材に対する成膜範囲を規定するためのマスク機構を、更に備え、
    前記マスク機構は、前記内部フレームに取り付けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置。
  5. 前記メインロールにガイドされる前記基材に対して成膜を行うためのガスを導入する導入部、及び、前記成膜による膜厚分布を調整する調整部を、更に備え、
    前記導入部及び前記調整部は、前記内部フレームに取り付けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成膜装置。
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