JP6804267B2 - 筆先ユニット及び筆先ユニットを用いた液体塗布具 - Google Patents
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Description
液体に筆先を浸漬することなく液体を供給できるタイプの液体塗布具においては、液体は筆先の後端部分から供給されるが、その液体供給方法の一つに、筆先の後端部分を液体に直接接触させ、筆先自身が持つ毛細管力により筆先の先端部分に液体を供給するものがある。しかし、筆先はストレートなモノフィラメントであり、毛細管力は該モノフィラメント間の隙間のサイズにより調整可能ではあるもののその調整範囲は狭く、かつ、毛細管力は小さいため、この方法によって筆先の先端部分に十分に液体を供給することができないという問題がある。そこで、この方法により液体を供給する場合は、モノフィラメントの筆先が有する小さい毛細管力を補うために、液体の種類を限定したり、供給する液体を中綿に担持させずに直液としたりする等の工夫が必要となる。
他の液体供給方法の一つに、筆先の後端部に単なる穴を設け、圧力により該穴から液体又はゲル状の塗布液を筆先の先端部分に供給するものがある。しかし、この方法は圧力を発生させる機構(ノックや回転繰り出し等)が不可欠となり、塗布具として使い勝手に劣るという問題がある。
さらに他の液体供給方法の一つに、筆先の後端部に設けられた穴に中継芯を挿入する等により、中継芯の先端部分を筆先で覆い中継芯の後端部分を液体に浸漬させる構造をとって、該中継芯の毛細管力により液体を筆先の先端部分に供給するものがある。この方法によれば、圧力を発生させる機構は不要である上に、大きな毛細管力を有する中継芯により筆先の先端部分に液体を常時供給できる。このため、この中継芯による液体供給方法は、比較的使い勝手がよい方法の一つとして塗布具に広く応用されている(特許文献1等参照)。
また、上記の問題の発生を回避し、筆先の先端部分に十分に液体を供給するため、及び筆先の筆感を高めるため、筆先の材料として、異形断面繊維等を数種類ブレンドし、最適な配合を検討する必要があった。
さらに、本発明の液体塗布具は、上記筆先ユニットを用いることを特徴とする。
つまり、規定された範囲内の弾性荷重を有する中継芯を選択し、かつ、その中継芯について筆先への挿入量を規定の比率に調整することにより、液体を筆先へ十分に供給でき筆感のコントロールも可能となる。それは、筆先の材料として、異形断面繊維などのブレンド比率を検討することなく十分な液体の供給や筆感のコントロールが可能となることを意味し、液体塗布具用の筆先ユニット(ハイブリッドブラシ)の設計が容易となり、製品や部品のコストを抑えることに繋がる。
なお、本願明細書において、「先端部」は各部品における液体塗布具の穂先側の最先端部(位置)を指し、「後端部」は各部品における液体塗布具の穂先と反対側の最後端部(位置)を指し、「先端部分」は各部品における先端部の近辺部分を指し、「後端部分」は各部品における後端部の近辺部分を指す。また、「先端側」は穂先側を指し、「後端側」は穂先と反対側を指す。
本発明の中継芯は、筆先の後端部から液体を供給する、すなわち液体を筆先に「中継」するために設けられる芯であり、先端部分がテーパー状に研磨されている。中継芯の後端部分は液体に浸漬され、中継芯の有する毛細管力によって液体を先端側に吸い上げる。中継芯の先端部分は筆先に覆われ、毛細管力によって吸い上げられた液体を筆先に供給する。
筆先に覆われた中継芯の先端部分の後端側は、さらに後述するマウスピースで覆われる。マウスピースで覆われていない中継芯の先端部分は、筆先とともに穂先として筆記時に使用される。
図2Bに、本発明の中継芯の縦断面図の別の一例を示す。Lr1(mm)は中継芯の先端部から後端部までの長さすなわち中継芯の全長であり、Lr2(mm)は中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さであり、B(mm)は中継芯の芯出長すなわち中継芯の先端部からマウスピースの穂先側先端部までの長さであり、Dr1(mm)は中継芯の先端側の外径であり、Dr2(mm)は中継芯の後端側の外径を示す。段落とし形状部2bを有するため、中継芯の先端側の外径Dr1は、後端側の外径Dr2より小さい。
また、図2Bのように、中継芯の中央部に段落とし形状部2bを設け筆先の後端部を中継芯の段落とし形状部2bに当接させることによっても、中継芯の芯出長の調整が可能である。
なお、中継芯の芯出長と筆先の筆出長との関係は、後述する。
外径Dr又はDr1が後述する筆先の根本径Dp1に対して25%より小さいと、液体供給がスムーズに行われず、筆記時にカスレ等が生じやすくなる。逆に75%より大きいと、筆先として必要な毛量が不足することから、意図したような線が書きにくく筆感が劣るようになる。このため、中継芯の先端側の外径Dr又はDr1は、好ましくは筆先の根本径に対して25〜75%の比率となるように調整される。
具体的には、弾性荷重y(g)が、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下である中継芯が用いられる。弾性荷重がy=10x2より大きいと、液体供給をスムーズにするために筆先の先端部の極近くまで挿入された中継芯が筆先の弾力性を損ない、意図したような線が描けなくなるためである。
本発明の筆先は、筆先の後端部から中継芯によって供給される液体を用い、筆先の先端部分の穂先で筆記するために設けられる。穂先の後端部は、筆先の穂先を除く部分の外周を覆うマウスピースの先端部の位置により画定される。筆先の先端部分は、テーパー加工されたモノフィラメントで構成される。
筆先が中継芯の先端部分の外周を覆う構造にするため、たとえば中継芯を筆先に挿入する方法が取られる。中継芯を筆先に挿入しやすくするために、好ましくは筆先の後端部に穴が設けられる。該穴の径は、中継芯の先端側の外径と同じか、やや小さい。中継芯の弾力により挿入可能であれば、筆先の穴の径が中継芯の先端側の外径よりもやや小さくてもよい。
また、筆先の穂先を除く部分の外周を覆うマウスピースを筆先の後端部分に位置ずれしないように配置するために、好ましくは筆先の後端部にツバ部が設けられる。該ツバ部はマウスピースの筆先後端固定部に当接し、ツバ部の外径は筆先の根本径より大きい。
該穴と該ツバ部は、たとえば、先端部分がテーパー加工されたモノフィラメントについて、根本径と同じ外径を有するモノフィラメントの束を所定の長さ(筆先の全長よりやや長め)に後端部で切断し、切断面を加熱により溶着し、溶着時にツバ部を形成し、溶着された切断面の中央部を筆先の該穴の径と同じ径を有する円形状にくり抜き、くり抜いた切断面の中央部に溶着しているモノフィラメントごと取り出して除去することにより、設けることができる。
Lp1(mm)は筆先の先端部から後端部までの長さすなわち筆先の全長であり、A(mm)は筆先の筆出長すなわち穂先の長さすなわちマウスピースの穂先側先端部から筆先の先端部までの長さであり、Dp1(mm)は筆先の後端部分(ただし後端部を除く)の外径すなわち筆先の根本径であり、Dp2(mm)は筆先の後端部に設けられたツバ部3aの外径であり、Dp3(mm)は筆先の後端部に設けられた穴の径を示す。
なお、中継芯の芯出長と筆先の筆出長との関係は、後述する。
本発明のマウスピースは、筆先の穂先を除く部分の外周を覆うように設けられる。すなわち、マウスピースは、筆先の穂先を除く部分と中継芯の穂先を除く部分を固定するように覆い、先端部分がテーパー加工されたモノフィラメントで構成されることにより穂先に向かって縮径する筆先の先端部分のうち穂先を除く部分を束ね、筆先の後端部分に固定されるように設けられる。マウスピースの内周形状は、筆先の先端部分のうちの穂先を除く部分を束ねることが可能であれば特に制限はなく、たとえば後端部分から先端部分まで略テーパー状で縮径しているものや、後端部分から所定の位置まで同一の内径を有し該所定の位置から先端部分まで略テーパー状で縮径しているもの、また、所定の位置に段落とし形状部を有するものなどが挙げられる。筆先の後端部にツバ部がある場合は、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接するように設けられる。
図4Bに、本発明のマウスピースの縦断面図の他の一例を示す。Lm1(mm)はマウスピースの先端部から筆先後端固定部4aまでの長さであり、Dm1(mm)はマウスピースの先端部の内径であり、Dm2(mm)はマウスピースの筆先後端固定部4aの先端側内径、Dm3(mm)はマウスピースの筆先後端固定部4aの後端側内径を示す。マウスピースの先端部分は、穂先に向かって縮径する筆先の先端部分を覆うため、先端部の内径Dm1(mm)は筆先後端固定部4aの先端側内径Dm2より小さい。また、マウスピースの筆先後端固定部4aと筆先のツバ部3aを当接して筆先を固定するため、筆先後端固定部4aの先端側内径Dm2(mm)は筆先後端固定部4aの後端側内径Dm3(mm)より小さく、段落とし形状となっている。
また、マウスピースの外側の形状は、本筆先ユニットを収納する液体塗布具の形状を考慮して設計される。
本発明の筆先ユニットは、上述した中継芯と、中継芯の先端部分の外周を覆うように設けられた筆先と、筆先の穂先を除く先端部分の外周を覆うように設けられたマウスピースと、を備え、マウスピースの穂先側先端部から筆先の先端部までの長さすなわち筆出長Aに対する、マウスピースの穂先側先端部から中継芯の先端部までの長さすなわち芯出長Bの比率(B/A)が0.3以上となるように組み付けられる。
筆先ユニットの組み付け方法の一例として、まず、マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させ、次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させる方法が挙げられる(図1及び図5参照)。この場合、筆出長Aに対する芯出長Bの比率(B/A)は、中継芯の溝部の位置によって調整される。
筆先ユニットの組み付け方法の他の一例として、まず、マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させ、次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の段落とし形状部に筆先の穴を当接させる方法が挙げられる。この場合、筆出長Aに対する芯出長Bの比率(B/A)は、中継芯の段落とし形状部の位置によって調整される。
本発明の筆先の筆出長と中継芯の芯出長は、上述のとおり、マウスピースの穂先側先端部から筆先の先端部までの長さすなわち筆出長Aに対する、マウスピースの穂先側先端部から中継芯の先端部までの長さすなわち芯出長Bの比率(B/A)が0.3以上となるように調整され、好ましくは0.3以上2.0以下、より好ましくは0.3以上1.2以下に調整される。
筆出長Aに対する芯出長Bの比率が0.3未満であると、中継芯から筆先への液体の供給が十分でなくなり、また、中継芯の弾力性を筆感に寄与させることが難しくなる。一方で、本発明の中継芯を使用すれば、筆先長Aに対して芯出長Bのほうが長い場合であっても、筆先の弾力性を損なわずに液体を筆先へ十分に供給することができ、筆感が優れた筆先ユニット及び液体塗布具を得ることができる。
図5Bに、中継芯2に溝部2aがあり、マウスピース4の先端部から筆先後端固定部4aまでの長さ(Lm1)はマウスピース4の全長と等しく、筆出長Aが芯出長Bより小さい筆先ユニットの他の一例を示す。
図5Cに、中継芯2に溝部2aがあり、マウスピース4の先端部から筆先後端固定部4aまでの長さ(Lm1)はマウスピース4の全長より小さく、マウスピースの内部に段落とし形状部があり、筆出長Aが芯出長Bより大きい筆先ユニットの他の一例を示す。
本発明の筆先ユニットは、筆記具や化粧用具等の液体塗布具に適用可能である。
―中継芯―
単糸径が3d(デニール)であるナイロン繊維とウレタン樹脂から成る気孔率74%の成形体について、外径Drを1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部をテーパー状に研磨し、中継芯の先端部から19〜20mmの位置に幅1mm、深さ0.1mmの溝部を有する中継芯を得た。この溝部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は20mmとなった。
得られた中継芯について、縦型電動計測スタンドMX2−500N−3(株式会社イマダ製)に、デジタルフォースゲージDS2−50N(株式会社イマダ製)を取り付けた装置を用い、弾性試験を行い、弾性荷重を求めた。
より具体的には、中継芯を押しつけ治具に対して60°の角度でセットし、押しつけ速度20mm/minで押しつけ治具を中継芯の先端部に向かって押しつけた。このとき、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対して、デジタルフォースゲージが示す弾性荷重y(g)を測定した。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜6gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であった。
先端部分がテーパー加工された直径0.15mmのPBT製モノフィラメントを束ね、根本径Dp1が2.9mmに、全長Lp1が23.0mmに、ツバ部の外径Dp2が4.0mmに、ツバ部の厚みが1mmなるように、後端部で切断し、切断面を加熱により溶着し、溶着時にツバ部を形成した。次に、後端部の穴の径Dp3が1.4mmになるように溶着された切断面の中央部を円形状にくり抜き、くり抜いた切断面の中央部に溶着しているモノフィラメントごと取り出して除去することにより、筆先を得た。
全長Lm1が15mm、先端部の内径Dm1が2.0mm、筆先後端固定部の先端側内径Dm2が3.0mmのマウスピースを用意した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させた。中継芯の外径Drは1.5mmであり、筆先の後端部の穴の径Dp3(1.4mm)より大きいが、中継芯の有する弾力により、挿入可能である。
中継芯の溝部と筆先の後端部の穴が嵌合することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が20mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは4mm(=20−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.57となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
インク容器に組み込んだ筆先ユニットにおける中継芯から筆先への液体供給状態は、1m筆記時のインクの流出量を測定することにより評価した。
インクの流出量が十分な場合(流出量が8.5mgより多い場合)を◎、ふつうの場合(流出量が6.0〜8.5mgの場合)を○、不十分な場合(流出量が6.0mgより少ない場合)を△とした。
さらに、筆感と筆割れの有無も評価した。筆感は、特に、筆先の弾力性を中継芯が阻害するか否かの観点から、良好な場合を○、不良の場合を×とした。筆割れの有無は筆記時に筆先が2方向に割れるなどの状態を観察して行った。
筆記試験の結果を、表2に示した。
実施例1のインクの流出量はふつう程度であり、筆感は良好であり、筆割れは見られなかった。
―中継芯―
単糸径が3d(デニール)であるナイロン繊維とウレタン樹脂から成る気孔率74%の成形体について、外径Drを1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部をテーパー状に研磨し、中継芯の先端部から21〜22mmの位置に幅1mm、深さ0.1mmの溝部を有する中継芯を得た。この溝部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は22mmとなった。
得られた中継芯の弾性荷重は実施例1と同じである。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜6gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させた。中継芯の外径Drは1.5mmであり、筆先の後端部の穴の径Dp3(1.4mm)より大きいが、中継芯の有する弾力により、挿入可能である。
中継芯の溝部と筆先の後端部の穴が嵌合することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が22mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは6mm(=22−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.86となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
実施例2のインクの流出量は十分であり、筆感は良好であり、筆割れは見られなかった。
―中継芯―
単糸径が3d(デニール)であるナイロン繊維とウレタン樹脂から成る気孔率74%の成形体について、外径Drを1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部をテーパー状に研磨し、中継芯の先端部から23〜24mmの位置に幅1mm、深さ0.1mmの溝部を有する中継芯を得た。この溝部により、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は24mmとなった。
得られた中継芯の弾性荷重は実施例1と同じである。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜6gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させた。中継芯の外径Drは1.5mmであり、筆先の後端部の穴の径Dp3(1.4mm)より大きいが、中継芯の有する弾力により、挿入可能である。
中継芯の溝部と筆先の後端部の穴が嵌合することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が24mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは8mm(=24−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は1.14となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
実施例3のインクの流出量は十分であり、筆感は良好であり、筆割れは見られなかった。
―中継芯―
単糸径が3d(デニール)であるナイロン繊維とウレタン樹脂から成る気孔率66%の成形体について、外径Drを1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部をテーパー状に研磨し、中継芯の先端部から19〜20mmの位置に幅1mm、深さ0.1mmの溝部を有する中継芯を得た。この溝部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は20mmとなった。
得られた中継芯について、実施例1と同様に弾性試験を行い、弾性荷重を求めた。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜18gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させた。中継芯の外径Drは1.5mmであり、筆先の後端部の穴の径Dp3(1.4mm)より大きいが、中継芯の有する弾力により、挿入可能である。
中継芯の溝部と筆先の後端部の穴が嵌合することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が20mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは4mm(=20−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.57となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
実施例4のインクの流出量はふつう程度であり、筆感は良好であり、筆割れは見られなかった。
―中継芯―
単糸径が5d(デニール)であるポリエステル繊維とウレタン樹脂から成る気孔率60%の成形体について、先端側の外径Dr1を1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部から後端側に向かって18mm(中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2に相当)の位置までの外径Dr1を1.4mmに、先端部をテーパー状に研磨し、段落とし形状部を有する中継芯を得た。この段落とし形状部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は18mmとなった。
得られた中継芯について、実施例1と同様に弾性試験を行い、弾性荷重を求めた。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜125gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、変位量が1mm以上の範囲ではy=10x2以上であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の段落とし形状部に筆先の穴を当接させた。
中継芯の段落とし形状部に筆先の穴が当接することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が18mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは2mm(=18−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.29となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
比較例1の筆感は良好であり、筆割れは見られなかったが、インクの流出量は不十分であった。
―中継芯―
単糸径が5d(デニール)であるポリエステル繊維とウレタン樹脂から成る気孔率60%の成形体について、先端側の外径Dr1を1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部から後端側に向かって20mm(中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2に相当)の位置までの外径Dr1を1.4mmに、先端部をテーパー状に研磨し、段落とし形状部を有する中継芯を得た。この段落とし形状部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は20mmとなった。
得られた中継芯の弾性荷重は比較例1と同じである。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜125gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、変位量が1mm以上の範囲ではy=10x2以上であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の段落とし形状部に筆先の穴を当接させた。
中継芯の段落とし形状部に筆先の穴が当接することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が20mmとなる。また、マウスピースの後端部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは4mm(=20−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.57となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
比較例2のインクの流出量はふつう程度であったが、筆感は不良であり、筆割れが見られた。
―中継芯―
単糸径が5d(デニール)であるアクリル繊維とメラミン樹脂から成る気孔率60%の成形体について、先端側の外径Dr1を1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部から後端側に向かって20mm(中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2に相当)の位置までの外径Dr1を1.4mmに、先端部をテーパー状に研磨し、段落とし形状部を有する中継芯を得た。この段落とし形状部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は20mmとなった。
得られた中継芯について、実施例1と同様に弾性試験を行い、弾性荷重を求めた。 結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜189gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、変位量が1mm以上の範囲ではy=10x2以上であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の段落とし形状部に筆先の穴を当接させた。
中継芯の段差部分に筆先の穴が当接することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が20mmとなる。また、マウスピースの後端部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは4mm(=20−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.57となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を表2に示した。
比較例3のインクの流出量はふつう程度であったが、筆感は不良であり、筆割れが見られた。
―中継芯―
単糸径が3d(デニール)であるナイロン繊維とウレタン樹脂から成る気孔率74%の成形体について、外径Drを1.5mmに、全長Lr1を31mmに、先端部をテーパー状に研磨し、中継芯の先端部から17〜18mmの位置に幅1mm、深さ0.1mmの溝部を有する中継芯を得た。この溝部により、筆先に覆われる中継芯の長さすなわち中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2は18mmとなった。
得られた中継芯の弾性荷重は実施例1と同じである。
結果を、表1及び図6に示した。
中継芯の先端部からの変位量0〜2.4mmに対して、弾性荷重は0〜6gの範囲にあり、中継芯の弾性荷重y(g)は、中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であった。
実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同じものを使用した。
マウスピースの後端部から筆先を挿入し、筆先のツバ部とマウスピースの筆先後端固定部を当接させた。次に、筆先の穴に中継芯を挿入し、中継芯の溝部と筆先の穴を嵌合させた。中継芯の外径Drは1.5mmであり、筆先の後端部の穴の径Dp3(1.4mm)より大きいが、中継芯の有する弾力により、挿入可能である。
中継芯の溝部と筆先の後端部の穴が嵌合することにより、中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さLr2が18mmとなる。また、マウスピースの筆先後端固定部が筆先のツバ部に当接することにより、筆出長Aは7mm(=23.0−15−1)、芯出長Bは2mm(=18−15−1)となり、筆出長に対する芯出長の比率(B/A)は0.29となる。
組み付けられた筆先ユニットを、粘度6.9cps、比重1.05、pH8.3の顔料インク0.7gが充填された中綿(単糸径15d、空隙率80%)を格納した容器に組み込んで、筆記試験を行った。
実施例1と同様に筆記試験を行い、結果を、表2に示した。
比較例5の筆感は良好であり、筆割れは見られなかったが、インクの流出量は不十分であった。
2 中継芯
2a 溝部
2b 段落とし形状部
3 筆先
3a ツバ部
4 マウスピース
4a 筆先後端固定部
A 筆出長
B 芯出長
Lr1 中継芯の全長
Lr2 中継芯の先端部から筆先の後端部までの長さ
Dr 中継芯の外径
Dr1 中継芯の先端側の外径
Dr2 中継芯の後端側の外径
Lp1 筆先の全長
Dp1 筆先の根本径
Dp2 筆先のツバ部の外径
Dp3 筆先の穴の径
Lm1 マウスピースの先端部から筆先後端固定部までの長さ
Dm1 マウスピースの先端部の内径
Dm2 マウスピースの筆先後端固定部の先端側内径
Dm3 マウスピースの筆先後端固定部の後端側内径
Claims (9)
- 先端部分がテーパー状に研磨された中継芯と、
先端部分がテーパー加工されたモノフィラメントで構成され、前記中継芯の先端部分の外周を覆うように設けられた筆先と、
前記筆先の穂先を除く先端部分の外周を覆うように設けられたマウスピースと、
を備え、
前記筆先の後端部に前記中継芯の先端部分を挿入可能な穴が設けられ、
前記中継芯の後端部は、前記筆先の後端部より後端側にあり、液体に浸漬され、
前記中継芯の弾性荷重y(g)が、前記中継芯の先端部からの変位量x(mm)に対し、y=10x2以下であり、
前記マウスピースの穂先側先端部から前記筆先の先端部までの長さA(mm)に対する、前記マウスピースの穂先側先端部から前記中継芯の先端部までの長さB(mm)の比率(B/A)が、0.3以上であることを特徴とする筆先ユニット。 - 前記長さAが、4〜20mmである、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記筆先の根本径が、1.5〜6.0mmである、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記中継芯の外径が、前記筆先の根本径に対して、25〜75%である、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記筆先の後端部にツバ部が設けられ、前記ツバ部の外径は前記筆先の根本径より大きく、前記ツバ部が前記マウスピースの筆先後端固定部に当接することを特徴とする、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記中継芯に溝部、又は、段落とし形状部が設けられた、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記筆先の素材は、PBT製テーパーフィラメント、又は、ナイロン製テーパーフィラメントである、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 前記中継芯の素材は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、又は、これらの混合繊維である、請求項1に記載の筆先ユニット。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の筆先ユニットを用いた液体塗布具。
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