JP2014046475A - 塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ペン先を覆う周状被覆部のペン先の出長さや周状被覆部の材質によっては、例えば、ペン先の出が短い又は周状被覆部の材質が硬い場合には、塗布時の塗布感がハードになり、滑らかな塗布感が得られなかったり、逆に、ペン先の出が長い又は周状被覆部の材質が柔らかい場合には、塗布時の塗布感が柔らかすぎて、ペン先が曲がったり、強いては、塗布圧によってペン先が折れてしまうなど、安定した塗布ができないと言う問題があり不十分であった。
【解決手段】 筆記部を形成したペン先を軸筒の軸筒先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維加工体または合成樹脂多孔質体において、前記ペン先のペン先側面部に少なくとも1つ以上の溝を周状に設けて構成したペン先。
【選択図】 図1
【解決手段】 筆記部を形成したペン先を軸筒の軸筒先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維加工体または合成樹脂多孔質体において、前記ペン先のペン先側面部に少なくとも1つ以上の溝を周状に設けて構成したペン先。
【選択図】 図1
Description
本発明は、塗布時に発生する筆記圧を吸収し、且つ、滑らかで毛筆のような塗布感を得ることができるペン先に関するものである。
従来、軸筒にインキを内蔵してペン先を軸筒の先端に配した塗布具には、マーキングペンやサインペン及び筆ペンなどの筆記具、アイライナーなどの化粧品等、多種に亘り製品化され流通し、その形態も多様化している。前記ペン先は、繊維加工体または合成樹脂多孔質体、ペン先の内部に放射状のインキの流通路を有する樹脂ペン先などが使用されており、上記のようなものが製品化されている。
しかし、これまでのペン先、例えば、繊維加工体にあっては、ペン先に撓りが少ないため、筆記圧や使用頻度でペン先の先端付近が潰れてしまうと言った問題がある。又、合成樹脂多孔質体の場合には、その材質がウレタンやエラストマーなどであるため、そのペン先の内部に中継芯を挿入するのが一般的である。しかし、ペン先の先端付近は柔らかいが、中継芯の挿入度合いによっては、文字の大きさや筆記圧によって中継芯が潰れてペン先が折れたり、又、材質がウレタンやエラストマーであるが故にペン先が紙面に対して引っかかり易く滑らかな書き味が得られないという問題もある。さらに、ペン先の内部に放射状のインキ流通路を有する樹脂ペン先もあるが、ペン先自体の弾性が強く、ペン先の撓りが少ないため、筆記圧がペン先の先端付近に集中して、使用頻度などによりペン先の先端付近が潰れると言う問題を有していた。
しかし、これまでのペン先、例えば、繊維加工体にあっては、ペン先に撓りが少ないため、筆記圧や使用頻度でペン先の先端付近が潰れてしまうと言った問題がある。又、合成樹脂多孔質体の場合には、その材質がウレタンやエラストマーなどであるため、そのペン先の内部に中継芯を挿入するのが一般的である。しかし、ペン先の先端付近は柔らかいが、中継芯の挿入度合いによっては、文字の大きさや筆記圧によって中継芯が潰れてペン先が折れたり、又、材質がウレタンやエラストマーであるが故にペン先が紙面に対して引っかかり易く滑らかな書き味が得られないという問題もある。さらに、ペン先の内部に放射状のインキ流通路を有する樹脂ペン先もあるが、ペン先自体の弾性が強く、ペン先の撓りが少ないため、筆記圧がペン先の先端付近に集中して、使用頻度などによりペン先の先端付近が潰れると言う問題を有していた。
そこで、これらの問題を解決する為に、ペン先の長手方向に沿って根元方向へ次第に深くなるV型の縦溝を等間隔に施す筆ペンのペン先が提案されている(実開昭61―175488(特許文献1) 。
しかし、特許文献1に記載のペン先は、ペン先の長手方向の根元部に沿って次第に深くなるV型の縦溝を等間隔に施しているため、ペン先が根元部に沿って徐々に弾性が強くなってしまっている。そのため、滑らかな塗布感は得られるが、ペン先の溝幅や溝深さ及び溝長さ又は使用頻度によっては、ペン先の溝部の強度が弱くなり、ペン先が潰れ、耐久性が低下してしまうと言った問題を有していた。
さらに、このような問題を解決するために、繊維加工体または、合成樹脂多孔質体よりなる中芯と、該中芯の外周面を保持する合成樹脂またはゴム弾性材料よりなるホルダーとからなり、前記ホルダーの先端部に中芯の先端近傍を覆う周状被覆部を一体に形成し、前記周状被覆部の先端から前記中芯の先端部を前方に突出させ、筆記時に、筆記圧より中芯の先端部を弾性変形させ、中芯の先端及び周状被覆部の先端を同時に被筆記面に接触させてなるペン先が発案された(特開2005−131943(特許文献2))。
しかしながら、特許文献2のペン先は、塗布時の筆記圧により、中芯の先端部を弾性変形させ、中芯の先端及び周状被覆部の先端が同時に被筆記面に接触される為、長期に渡り筆記使用してもペン先が潰れず、使い始めの筆跡を維持できる利点はある。しかし、ペン先と周状被覆部を別部材で構成させているが故に、それぞれの部材の弾性が異なる為、塗布時にバランスが悪くなり、筆記圧の調整が困難である。更には、塗布時にペン先と周状被覆部を同時に被筆記面に接触させるため、塗布感が悪くなってしまうと言った問題があった。
本発明は、筆記部を形成したペン先を軸筒の軸筒先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維加工体または樹脂多孔質体において、前記ペン先のペン先側面部に少なくとも1つ以上の溝を周状に設けて構成したことを主要な要旨とするものである。
本発明は、筆記部を形成したペン先を軸筒の軸筒先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維加工体または樹脂多孔質体において、前記ペン先のペン先側面部に少なくとも1つ以上の溝を周状に設けて構成したので、塗布時に筆記圧を加えた時、ペン先の先端にかかる筆記圧を周状に形成された溝が基点となり、ペン先が撓み易くなるため、ペン先の先端付近の筆記圧が分散され、長期使用してもペン先の先端付近が潰れることなく、また、ペン先が撓み易くなることで、ペン先先端付近に筆記圧が係り難いため、滑らかな書き味が得られるものである。
以下、添付した図面に基づき本発明の実施例を説明する。図1、図2には、本発明による筆ペンのペン先1に適用した1例を示している。参照符号1は、筆ペン用のペン先1であり、このペン先1は、繊維に接着剤を浸透させ、ノズル上で成形したものを切断し、芯擦り加工して形成したものである。
詳しくは、前記ペン先1は、ペン先外径D(基部の外径)がφ4.60mm、全長が45.0mmで形成し、前記ペン先1のペン先側面部8に形成する溝6の形状は、溝の幅Wが1.0mm、溝の深さHが1.0mm、溝6の数が1つで形成した。又、前記ペン先1の溝6の構成位置は、軸筒先端部7より前方に突出している位置に形成し、且つ、ペン先先端よりペン先出長さLの0.3倍の長さの位置より後方に形成すると共に、溝6は、周状に設け、ペン先1の円錐部16に構成し、ペン先1を軸筒2の軸筒先端部7より圧入固定などの方法により取り付けたものである。
尚、前記ペン先1の溝6の位置構成は、ペン先1の円錐部16やストレート部17であっても、または、その両方の位置に跨って構成しても構わない。
ここで、前記ペン先1は、そのペン先側面部8の溝6の数を1つで形成したものを示したが、1つ以上であれば、2つでも3つでも複数有していても構わない。要するに、ペン先1の先端付近にかかる筆記圧を分散でき、ペン先1が折れない程度にペン先1の溝6の数を構成することが重要である。即ち、ペン先1の強弱に係らず製品用途にあったペン先1を溝6の数や形状などで調整できるものである。
但し、ペン先1の溝6の数は、5つまでが好ましい。ペン先1の溝6の数が5つを超えるとペン先1が撓り過ぎて腰砕けを起こし、安定した塗布感が得られない。また、ペン先1の芯擦り時に溝6が多いと1度に形成できず、再度溝6の加工工程を設けるなどの問題によりコストアップになってしまう。
但し、ペン先1の溝6の数は、5つまでが好ましい。ペン先1の溝6の数が5つを超えるとペン先1が撓り過ぎて腰砕けを起こし、安定した塗布感が得られない。また、ペン先1の芯擦り時に溝6が多いと1度に形成できず、再度溝6の加工工程を設けるなどの問題によりコストアップになってしまう。
前記ペン先1に使用するペン先1の種類としては、繊維加工体又は合成樹脂多孔質体、若しくはペン先1の内部に放射状のインキ流通路11を有する樹脂よりなるペン先1が好ましい。なぜなら、前記のペン先1は、ペン先1の芯擦り時に溝6の形成が簡単にできるからである。
前記ペン先1の繊維加工体のペン先1の製造方法は、繊維に接着剤を浸透させ、ノズル上で成形した原棒を所定の長さに切断して、ペン先1の形状、例えば、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工して、前記繊維加工体のペン先1を形成している。その材質としては、アクリル、ポリエステル、ナイロンなどを用いることができる。特に限定はしないが他の材質又は材質の異なるものを混毛して上記のような手順でペン先1を形成しても良い。
前記ペン先1の合成樹脂多孔質体のペン先1の製造方法は、ウレタンと炭カルを混ぜ込んだものを射出成形にてペン先1のチップ部9を砲弾形状に形成し、そのチップ部9を塩酸処理にて炭カルを取り除き、気泡を形成し、中継芯10と接着して、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工を施し、前記合成樹脂多孔質体からなるペン先1を形成している。
特に限定はしないが、その材質としては、ウレタン、エラストマー、ポリエチレン、ナイロンなどを用いることができる。
特に限定はしないが、その材質としては、ウレタン、エラストマー、ポリエチレン、ナイロンなどを用いることができる。
前記ペン先1の内部に放射状のインキ流通路11を有する樹脂からなるペン先1の製造方法は、まず最初に、樹脂を押し出し成形にて、内部に放射状のインキ流通路11を有する樹脂体を形成し、次いで、その樹脂体をノズルに通すと共に樹脂を流して外皮12を形成して、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工を施し、前記内部に放射状のインキ流通路11を有する樹脂ペン先1を形成している。特に限定はしないが、ペン先1の内部に放射状のインキ流通路11を有する樹脂の材質としては、エラストマーなどを用いることができる。また、ペン先1に形成された外皮12の材質としては、ポリアセタールなどを用いることができる。
前記ペン先1の軸筒2からのペン先出長さLは、使用する用途や塗布する板面にもよるがペン先1の外径Dに対して1.0〜3.0倍になることが好ましい。なぜなら、ペン先出長さLが短い場合、ペン先側面部8に周状の溝6が形成されていたとしても、筆記圧によるペン先1の撓みが小さく、ペン先1の先端付近の筆記圧を分散することが出来ず、ペン先1の先端付近が潰れてしまうと共にペン先1の溝6付近の撓みが小さい為、滑らかな毛筆のような塗布感を得ることができない。これに対し、ペン先1の出長さLが長い場合、塗布時の筆記圧が、ペン先1の溝6付近に集中しすぎて、ペン先1の腰が安定せず、文字の乱れが生じて、書き味が悪くなってしまうからである。
尚、ここで言うペン先1のペン先出長さLとは、軸筒先端部7から前方に突出している部分の長さのことを言う。
尚、ここで言うペン先1のペン先出長さLとは、軸筒先端部7から前方に突出している部分の長さのことを言う。
前記ペン先1のペン先側面部8に少なくとも1つ以上の溝6を周状に設けて構成する目的は、ペン先1のペン先側面部8に溝6を形成したことで、塗布時の筆記圧がペン先1の先端付近より、溝6を基点として移動することで、ペン先1が撓り易くなり、ペン先1の先端付近に係る筆記圧が分散され、長期使用してもペン先1の先端付近が潰れることなく、また、ペン先1の先端付近に筆記圧が係り難いため、滑らかな書き味が得られるものである。尚、ペン先1の溝6の数は、2つでも、3つでも複数形成しても構わないし、又、ペン先1の溝の幅W、溝の深さH等の構成を含めて、使用用途又は使用する板面などに合わせて構成できるものである。
又、前記ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の幅Wをペン先外径Dに対して0.1〜0.5倍の範囲のものを用いることが好ましい。なぜなら、ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の幅Wが0.1倍に満たない(溝の幅Wが狭い)と塗布時に係る筆記圧がペン先1の溝6付近に集中しなくなり、ペン先1自体が撓り難くなり、ペン先1の撓りが制限されることでペン先1の先端付近が潰れたり、塗布感がハードになり書き味が悪くなってしまう。又、ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の幅Wがペン先外径Dに対して0.5倍を超える(溝の幅Wが広い)と塗布時に係る筆記圧がペン先1の溝6付近に集中しすぎて、ペン先1自体が撓み易くなることで、塗布時に腰砕けしたり、筆記圧にもよるがペン先1の溝6付近からペン先1が折れたりするからである。
尚、溝6を複数形成する場合、溝6と溝6の間のピッチPは、等間隔であっても、不均一であっても構わない。また、溝の幅Wと同間隔であっても構わない。
尚、溝6を複数形成する場合、溝6と溝6の間のピッチPは、等間隔であっても、不均一であっても構わない。また、溝の幅Wと同間隔であっても構わない。
又、前記ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の深さHをペン先外径Dに対して0.1〜0.5倍の範囲のものを用いることが好ましい。なぜなら、ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の深さHをペン先外径Dに対して0.1倍に満たない(溝の深さHが浅い)と塗布時にペン先1の撓りが少なくなり、ペン先1の溝の深さHが起点にならず、ペン先1の先端付近に筆記圧が集中することで、ペン先1の先端付近が潰れ易くなり、塗布感もハードになり使用感が悪くなる。又、ペン先1のペン先側面部8に周状の溝の深さHをペン先外径Dに対して0.5倍を超える(溝の深さHが深い)と塗布時の筆記圧が溝6に集中して、ペン先1が撓りすぎてしまい、ペン先1が筆記圧に耐えられず折れてしまったり、塗布時に腰砕けして安定した塗布感が得られないと言う問題もある。
尚、溝6を複数形成する場合、各溝の深さHは、同じ深さであっても、軸筒長手方向へ向かうにつれて、テーパー状13であっても構わない。
尚、溝6を複数形成する場合、各溝の深さHは、同じ深さであっても、軸筒長手方向へ向かうにつれて、テーパー状13であっても構わない。
また、溝の深さHは、ペン先1の円錐部16並びにストレート部17であっても、ペン先1の外径Dの延長上を基点とした深さのことを言う。
尚、上記に記載したように、ペン先1は、溝6の数・溝の幅W・溝の深さHなどにより、塗布時の書き味とペン先1の耐久性が大きく変わってしまう。よって、ペン先1の溝6の数・溝の幅W・溝の深さHを使用用途やペン先種類(材質、製造方法)に適したものに組合せることが重要である。
例えば、ペン先1のペン先外径Dがφ4.0mmとした場合、ペン先1の溝6の数を1つ形成し、溝の幅Wを0.3mm、溝の深さHを0.3mmに構成したときに上記に記載した範囲より外れた場合、ペン先1は、塗布時に係る筆記圧がペン先1の溝6付近に集中しなくなり、ペン先1自体が撓り難くなり、ペン先1の先端付近が潰れたり、塗布感がハードになってしまう。つまり、上記の範囲内で構成し、使用用途に合ったペン先1を選定することが必要なのである。
例えば、ペン先1のペン先外径Dがφ4.0mmとした場合、ペン先1の溝6の数を1つ形成し、溝の幅Wを0.3mm、溝の深さHを0.3mmに構成したときに上記に記載した範囲より外れた場合、ペン先1は、塗布時に係る筆記圧がペン先1の溝6付近に集中しなくなり、ペン先1自体が撓り難くなり、ペン先1の先端付近が潰れたり、塗布感がハードになってしまう。つまり、上記の範囲内で構成し、使用用途に合ったペン先1を選定することが必要なのである。
又、溝6の位置構成は、軸筒先端部7より前方に突出している位置に形成し、且つ、ペン先1の先端よりペン先出長さLの0.3倍の長さの位置より後方に形成することが好ましい。なぜなら、ペン先1の前方の位置、つまり、ペン先1の先端より、ペン先出長さLの0.3倍に満たない位置に形成すると塗布時のペン先1の腰の位置が先端付近にきてしまう。つまり、ペン先1が撓りにくく、ペン先1の先端付近に筆記圧が集中して潰れたり、塗布感が悪くなってしまう。
本発明のペン先1を製造するに当たっては、2〜3デニールのナイロン繊維の束に接着剤を浸透させ、ノズル上で成形した原棒を、所定の長さに切断し、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工して、繊維加工体のペン先1とすることが好ましい。
但し、これに限定されるわけではなく、上記に記載したように、ウレタンと炭カルを混ぜ込んだものを射出成形にてペン先1のチップ部9を砲弾形状に形成し、そのチップ部9を塩酸処理にて炭カルを取り除き、気泡を形成し、中継芯10と接着して、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工を施し、前記合成樹脂多孔質体のペン先1として用いることができる。
さらには、その他のペン先1として、ペン先1の内部に放射状のインキ流通路11を有するペン先1も前記の製造方法で得たものとして用いることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1、図2において参照符号1は、筆ペン用のペン先1である。このペン先1は、2〜3デニールのナイロン繊維の束に接着剤を浸透させ、ノズル上で成形したものを切断し、円錐形状や砲弾形状に芯擦り加工した繊維加工体のペン先1である。又、前記ペン先1は、ペン先外径Dがφ4.60mm、全長が45.0mmで形成し、そのペン先側面部8の周状に形成する溝6の幅Wが1.0mm、溝の深さHが1.0mm、溝6の数が1つ形成したものとした。前記ペン先1を軸筒2の軸筒先端部7に圧入固定などの方法により取り付けて構成した筆ペンを用いた。
詳しくは、前記溝6の位置構成は、軸筒先端部7より前方に突出している位置に形成し、且つ、ペン先1の先端よりペン先出長さLの0.3倍の長さの位置より後方に形成すると共に、溝6は、周状に設け、ペン先1の円錐部16に構成した。尚、溝6の位置構成は、本例では、円錐部16に構成しているが、ストレート部17であっても、または、その両方の位置に跨って構成しても良い。他の条件を表1に示す。
変形例を図3に示す。ペン先1は、ペン先側面部8に溝6を周状に3つ形成した繊維加工体のペン先1であり、前記ペン先1の溝6の構成は、溝の幅Wがペン先外径Dに対して、0.1〜0.5倍、溝の深さHがペン先外径Dに対して、0.1〜0.5倍に形成しているものである。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6aは、円錐部16に位置しており、中間部に位置する溝6bはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6cはペン先1のストレート部17に形成されている。
前記ペン先1に溝6を3つ形成することで、溝の深さHや溝の幅Wにもよるが、3つの溝6がそれぞれ塗布時に掛かる筆記圧の基点となり、筆記圧を分散させる為、筆記圧が1つの溝6に集中するよりも筆記圧の掛かる溝6の耐久性が向上する。更には、塗布時の筆記圧の基点が増えることで、塗布感がしなやかになり書き味が良くなる。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6aは、円錐部16に位置しており、中間部に位置する溝6bはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6cはペン先1のストレート部17に形成されている。
前記ペン先1に溝6を3つ形成することで、溝の深さHや溝の幅Wにもよるが、3つの溝6がそれぞれ塗布時に掛かる筆記圧の基点となり、筆記圧を分散させる為、筆記圧が1つの溝6に集中するよりも筆記圧の掛かる溝6の耐久性が向上する。更には、塗布時の筆記圧の基点が増えることで、塗布感がしなやかになり書き味が良くなる。
変形例を図4に示す。ペン先1は、ペン先側面部8に溝6を周状に5つ形成したもので、その他条件は、上記と同じ条件で構成した。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6d、6fは、円錐部16に位置しており、中間部に位置する溝6gはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6g、6hはペン先1のストレート部17に形成されている。
前記ペン先1に溝6を5つ形成することで、溝の深さHや溝の幅Wにもよるが、5つの溝6がそれぞれ塗布時に掛かる筆記圧の基点となることで、溝6が3つの時よりも更に塗布感がしなやかになり、毛筆のような書き味を得ることが出来る。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6d、6fは、円錐部16に位置しており、中間部に位置する溝6gはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6g、6hはペン先1のストレート部17に形成されている。
前記ペン先1に溝6を5つ形成することで、溝の深さHや溝の幅Wにもよるが、5つの溝6がそれぞれ塗布時に掛かる筆記圧の基点となることで、溝6が3つの時よりも更に塗布感がしなやかになり、毛筆のような書き味を得ることが出来る。
図5にペン先の種類を示す。図5(1)は、繊維加工体を用いたペン先1であり、2〜3デニールの繊維集合体の束を1体として形成し、そのペン先側面部8に形成する溝6は、周状に設けられていると共に、ペン先1の円錐部16に構成した。
図5(2)は、合成樹脂多孔質体に溝6を設けたペン先1とであり、チップ部9と中継芯10からなる。前記チップ部9はウレタンで構成され、チップ部9の後部端面には凹部14が設けられており、その凹部14に繊維集合体からなる中継芯10の前方に設けられた凸部15を挿入せしめてペン先1を形成している。前記ペン先側面部8の周状に形成する溝6は、周状に設けられていると共に、ペン先1の円錐部16に形成されている。
図5(3)は、放射状のインキ流通路11を有する樹脂に溝6を設けたペン先1である。また、そのペン先1は、内部に放射状のインキ流通路11を有していると共に、エラストマーからなる樹脂体にポリアセタールからなる外皮12が覆われている。また、前記ペン先側面部8に形成する溝6は、周状に設けられていると共に、ペン先1の円錐部16に形成されている。
図5(2)は、合成樹脂多孔質体に溝6を設けたペン先1とであり、チップ部9と中継芯10からなる。前記チップ部9はウレタンで構成され、チップ部9の後部端面には凹部14が設けられており、その凹部14に繊維集合体からなる中継芯10の前方に設けられた凸部15を挿入せしめてペン先1を形成している。前記ペン先側面部8の周状に形成する溝6は、周状に設けられていると共に、ペン先1の円錐部16に形成されている。
図5(3)は、放射状のインキ流通路11を有する樹脂に溝6を設けたペン先1である。また、そのペン先1は、内部に放射状のインキ流通路11を有していると共に、エラストマーからなる樹脂体にポリアセタールからなる外皮12が覆われている。また、前記ペン先側面部8に形成する溝6は、周状に設けられていると共に、ペン先1の円錐部16に形成されている。
変形例を図6に示す。ペン先1はペン先側面部8に溝6を周状に形成し、溝の深さHを軸筒長手方向にテーパー状13に形成したもので、その他条件は上記と同じ条件で構成した。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6jは、円錐部に位置しており、中間部に位置する溝6kはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6lはペン先1のストレート部17に形成されている。各溝6は長手方向に向かうにつれて、溝の深さHが段階的に浅くなるように形成されている。
前記各溝の深さHが一定よりも、溝の深さHが軸長手方向にテーパー状13に形成していた方がペン先1の弾性が徐々に強くなる為、腰が安定して、書き味が良くなる。
具体的に説明すると、ペン先1の前方に位置する溝6jは、円錐部に位置しており、中間部に位置する溝6kはペン先1の円錐部16とストレート部17に跨った状態で形成されている。そして、後方部に位置する溝部6lはペン先1のストレート部17に形成されている。各溝6は長手方向に向かうにつれて、溝の深さHが段階的に浅くなるように形成されている。
前記各溝の深さHが一定よりも、溝の深さHが軸長手方向にテーパー状13に形成していた方がペン先1の弾性が徐々に強くなる為、腰が安定して、書き味が良くなる。
表2、表3に実施例1〜12、並びに比較例1〜20を示すと共に、それらのペン先1を用いて、図1に示す筆ペン用のペン先1を形成し、ペン先1の書き味、耐久性、弾力性(腰の強さ)についての官能試験をおこなった。
尚、繊維加工体ペン先、合成樹脂多孔質体ペン先、ペン先内部に放射状のインキ流通路を設けた樹脂ペン先の3種類を作成し、各々官能試験を行った。
その結果を表4、表5、表6に示す。
その結果を表4、表5、表6に示す。
官能試験(モニター試験)
方法:任意に抽出したモニターに実際に塗布具を使用してもらい、使用性についてモニター調査を実施した。
尚、評価項目を、書き味、耐久性、弾力性(コシの強さ)として取り上げ、各々評価を行った。
書き味:塗布具を紙面に塗布し、紙面への塗布感を官能にて評価した。
耐久性:塗布具を、画線筆記試験機((株)丸菱科学機械製作所製)にて、筆記角度65±5°、筆記速度7cm/sec、筆記荷重20gの条件にて、300m筆記後のペン先磨耗を目視にて評価した。
弾力性(コシの強さ):塗布具を紙面に塗布し、紙面への腰の強さを官能にて評価した。
方法:任意に抽出したモニターに実際に塗布具を使用してもらい、使用性についてモニター調査を実施した。
尚、評価項目を、書き味、耐久性、弾力性(コシの強さ)として取り上げ、各々評価を行った。
書き味:塗布具を紙面に塗布し、紙面への塗布感を官能にて評価した。
耐久性:塗布具を、画線筆記試験機((株)丸菱科学機械製作所製)にて、筆記角度65±5°、筆記速度7cm/sec、筆記荷重20gの条件にて、300m筆記後のペン先磨耗を目視にて評価した。
弾力性(コシの強さ):塗布具を紙面に塗布し、紙面への腰の強さを官能にて評価した。
1 ペン先
2 軸筒
3 インキ吸蔵体
4 尾栓
5 キャップ
6 溝
7 軸筒先端部
8 ペン先側面部
9 チップ部
10 中継芯
11 放射状のインキ流通路
12 外皮
13 テーパー状
14 凹部
15 凸部
16 円錐部
17 ストレート部
L ペン先出長さ
W 溝の幅
H 溝の深さ
D ペン先外径
2 軸筒
3 インキ吸蔵体
4 尾栓
5 キャップ
6 溝
7 軸筒先端部
8 ペン先側面部
9 チップ部
10 中継芯
11 放射状のインキ流通路
12 外皮
13 テーパー状
14 凹部
15 凸部
16 円錐部
17 ストレート部
L ペン先出長さ
W 溝の幅
H 溝の深さ
D ペン先外径
Claims (4)
- 筆記部を形成したペン先を軸筒の先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維加工体または樹脂多孔質体において、前記ペン先のペン先側面部に少なくとも1つ以上の溝を周状に設けて構成したことを特徴とするペン先。
- 前記ペン先の内部に放射状のインキ流通路を形成したことを特徴とする請求項1記載のペン先。
- 前記ペン先側面部の周状の溝の幅がペン先外径に対して0.1〜0.5倍の範囲である請求項1、或いは、請求項2に記載のペン先。
- 前記ペン先側面部の周状の溝の深さがペン先外径に対して0.1〜0.5倍の範囲である請求項1〜請求項3の何れかに記載のペン先。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-08-29 JP JP2012188943A patent/JP2014046475A/ja active Pending
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