JP6696130B2 - ペン先 - Google Patents
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Description
しかし、これまでのペン先、例えば、繊維加工体にあっては、ペン先に撓りが少ないため、筆記圧や使用頻度でペン先先端付近が潰れてしまうと言った問題がある。又、合成樹脂多孔質体の場合には、その材質がウレタンやエラストマーなどであるため、そのペン先の内部に中継芯を挿入するのが一般的である。しかし、ペン先先端付近は柔らかいが、中継芯の挿入度合いによっては、文字の大きさや筆記圧によって中継芯が潰れてペン先が折れたり、又、材質がウレタンやエラストマーであるが故にペン先が紙面に対して引っかかり易く滑らかな書き味が得られないという問題もある。さらに、ペン先の内部に放射状のインキ流通路を有する樹脂ペン先もあるが、ペン先自体の弾性が強く、ペン先の撓りが少ないため、筆記圧がペン先先端付近に集中して、使用頻度などによりペン先先端付近が潰れると言う問題を有していた。
これにより、ペン先2は塗布時に1つのペン先であっても、塗布時にペン先2の接触面の反対側に溝11が位置する場合は、溝11が基点となり、ペン先2に撓りが付与され柔らかく筆らしい塗布感を得ると共に、ペン先2の溝11にかかる筆記圧がペン先先端42付近より、溝11を基点として移動することで、ペン先2が撓り易くなり、ペン先先端42付近に掛かる筆記圧が分散される。その結果、長期使用してもペン先先端42付近が潰れることなくなる。また、塗布具1を径方向に180°反転させると、溝11はペン先2の接触面に位置し、接触面の反対側は、溝11の無い無垢の状態となる為、ペン先に掛かる筆記圧によって撓る基点が存在せずに硬い塗布感が得られるものである。このようにペン先に方向性が付与されることによって、1つのペン先であっても2種以上の異なる筆記感を得られるものである。
但し、ペン先2の溝11の数は、9つまでが好ましい。ペン先2の溝11の数が9つを超えるとペン先2が撓り過ぎて腰砕けを起こし、安定した塗布感が得られない。また、ペン先2の芯擦り時に溝11が多いと工程数が増えてしまい、数回に亘り溝11の加工工程を設けるなどの問題によりコストアップになってしまう。
尚、本実施例の溝11は、砥石研磨で研磨する芯スリ加工にて形成しているが、合成樹脂多孔質体などの射出成形で加工するものに関しては、金型上に溝11を形成し射出形成時に溝11が形成されるなどの方法を取っても良い。
尚、ここで言うペン先2のペン先出長さLとは、軸筒先端部51から前方に突出している部分の長さのことを言う。
尚、溝11を複数形成する場合、各溝の深さHは、同じ深さであっても、軸筒3の長手方向へ向かうにつれて、テーパー状であっても構わない。
例えば、ペン先2のペン先外径Dがφ4.0mmとした場合、ペン先2の溝11の数を1つ形成し、溝の幅Wを0.3mm、溝の深さHを0.3mmに構成したときに上記に記載した範囲より外れた場合、ペン先は、塗布時に掛かる筆記圧がペン先2の溝11付近に集中しなくなり、ペン先2自体が撓り難くなり、ペン先2の先端付近が潰れたり、塗布感がハードになってしまう。つまり、上記の範囲内で構成し、使用用途に合ったペン先2を選定することが必要なのである。
具体的に説明すると、ペン先15の前方に位置する溝15a及び中間部に位置する溝15bは、後方部に位置する溝15cは、ペン先14の円錐部40とストレート部41に跨った状態で形成されている。尚、この際のペン先14の溝15を設けたペン先2の横断面形状は、円弧形状17を形成し、その円弧部17aは、ペン先側面部39に一様に連なって形成している。尚、溝15の底部は平坦部15dとなっている。
前記ペン先2に溝15を3つ形成することで、溝の深さHや溝の幅Wにもよるが、3つの溝15a、15b、15cがそれぞれ塗布時に掛かる筆記圧の基点となり、筆記圧を分散させる為、筆記圧が1つの溝に集中するよりも筆記圧の掛かるペン先先端42の耐久性が向上する。更には、塗布時の筆記圧の基点が増えることで、塗布感がしなやかになり塗布感が良くなる。一方で塗布具を径方向に180°回転させることで、ペン先14の接触面の反対側には、溝11の無い無垢の状態となる為、ペン先14に掛かる筆記圧によって撓る基点が存在せずに硬い塗布感が得られるものである。このようにペン先に方向性が付与されることによって、1つのペン先であっても2種以上の異なる筆記感を得られるものである。
また、本実施例では、溝15を設けたペン先14の横断面形状が円弧形状17であり、その円弧部17aはペン先側面39に連なって形成しているが、円弧部17aは必ずしもペン先側面部39に連なっている必要は無く、ペン先側面部39に凹を成した位置に溝15を形成した上で、溝15を設けたペン先14の横断面形状が円弧形状17になっていても良い。
尚、この際の溝を設けたペン先18の横断面形状は、ほぼ台形状21をしている。詳述すると、一方の対向する片は直線状であるが、他方の対向する片は円弧形状を成している。そして、その円弧部21aはペン先側面部39に連なって形成している。尚、溝19の底部は平坦部19cとなっている。
また、前記ペン先2の溝19a、19bを同一周状に深さの異なるように形成することで、塗布時にペン先18の接触面の反対側に1つめの溝19aが位置することにより、第一の撓りを得る事ができ、塗布具1を径方向に180°反転させることで、深さの異なる溝19bがペン先2の接触面の反対側に位置する。これにより、第二の異なる撓りを得る事ができる。更には、塗布具1を径方向に90°回転させることで、溝19のない面がペン先18の接触面の反対側に位置すると撓りのない、硬い塗布感を得られ、1本のペン先18において、3種以上の塗布感を得られるものである。
尚、溝19の構成位置は、本例では、深さの異なる溝19a、19bをペン先2の径方向に180°回転させた位置に設けているが、ペン先2の角度を変えることで塗布感が変わればよいので、例えば、ペン先2の径方向に90°変えた位置に深さの異なる溝19を形成していても良い。
また、本実施例では、溝19を設けたペン先8の横断面形状がほぼ台形状21であり、その台形部が有する円弧部21aはペン先側面部39に連なって形成しているが、円弧部21aは必ずしもペン先側面部39に連なっている必要は無く、ペン先の側面部39に凹状、且つ横断面形状が台形状になっていても良い。
前記ペン先22の溝23を互い違いに形成することで、塗布時にペン先22の接触面の反対側に2つの溝23a、23cが位置することにより、基点が2つ存在し、しなやかな弾性を得る事ができる。又、塗布具1を径方向に180°反転させることで、ペン先22の接触面の反対側に1つの溝23bが位置することで、単一的な撓りの弾性を得られるとともに、撓りの基点の位置が変わることで異なる塗布感が得られるものである。更には、塗布具1を径方向に90°回転させることで、溝23のない面がペン先22の接触面の反対側に位置することで撓りのない、硬い塗布感を得られ、1本のペン先において、3種以上の塗布感を得られるものである。
また、前記ペン先22の溝23の位置構成は、ペン先22の円錐部40やストレート部41であっても、または、その両方の位置に跨って構成しても構わないし、溝19の数においては、本例では、3つで構成しているが、4つでも5つでも複数形成していても構わないし、それぞれの溝の深さHが異なっていても構わない。
尚、本実施例では、溝23を設けたペン先22の横断面形状が円弧形状25であり、円弧部25aはペン先側面部39に連なって形成しているが、円弧部25aは必ずしもペン先側面部39に連なっている必要は無く、ペン先の側面部39に凹状、且つ横断面形状が円弧形状になっていても良い。
前記ペン先26の溝27の断面形状が四角形状29になるように形成することで、溝27と溝27の間に角部が形成されることで、角部29aと溝27の2種類の基点が存在し、ペン先26の接触面の反対側に溝27が位置することで、撓りのある弾性を得られ、滑らかな塗布感を得る事ができる。また、塗布具1を径方向に90°回転させることで、ペン先26の接触面の反対側に角部29aが位置することで、角部29aが支柱となり硬い塗布感を得られ、1本のペン先において、2種以上の塗布感を得られるものである。
尚、本実施例では、溝27を設けたペン先26の横断面形状が四角形状29であり、四角形状29の角部29aはペン先側面部39に連なって形成しているが、四角形状29の角部29aは必ずしもペン先側面部39に連なっている必要は無く、ペン先の側面部39に凹状、且つ横断面形状が四角形状29になっていても良い。
さらには、溝27を設けたペン先26の横断面形状は四角形状でなく、多角形形状であっても良い。
前記ペン先30の溝31を設けたペン先の溝部断面形状が楕円形になるように形成することで、塗布時にペン先30の接触面の反対側にR形状有した溝31が位置することで、塗布時にペン先が撓るだけでなく、ペン先の周りが良くなり操作性が向上することで、より綺麗な筆跡を描くことが可能になる。また、塗布具1を径方向に90°回転させることで溝31の無い楕円形状33の短円弧部33aがペン先30の接触面の反対側に位置し、撓りの無い弾性を有した硬い塗布感を得られるものである。
尚、本実施例では、溝31を設けたペン先30の横断面形状が楕円形状33であり、楕円形状33の短円弧部33aはペン先側面部39に連なって形成しているが、楕円形状33の短円弧部33aは必ずしもペン先側面部39に連なっている必要は無く、ペン先の側面部39に凹状、且つ横断面形状が楕円形状33になっていても良い。
2 ペン先
3 軸筒
3a 軸筒内部のリブ
4 インキ吸蔵体
5 中子
6 インキ吸蔵体S
7 前軸
8 小ペン先
9 小キャップ
10 キャップ
11 溝
11a 平坦部
12 基部の外形
13 断面円弧形状
14a 円弧部
14 ペン先(同列方向に3つの溝を形成)
15a 溝
15b 溝
15c 溝
15d 平坦部
16 基部の外形
17 断面円弧形状
17a 円弧部
18 ペン先(周状に2つの深さの異なる溝を形成)
19a 溝
19b 溝
19c 平坦部
20 基部の外形
21 断面ほぼ台形状
21a 円弧部
22 ペン先(互い違いに3つの溝を形成)
23a 溝
23b 溝
23c 溝
23d 平坦部
24 基部の外形
25 断面円弧形状
25a 円弧部
26 ペン先(溝部のペン先断面が四角で形成)
27 溝
27a 平坦部
28 基部の外形
29 断面四角形状
29a 角部
30 ペン先(溝部のペン先断面が楕円で形成)
31 溝
31a 平坦部
32 基部の外形
33 断面楕円形状
33a 短円弧部
38 周状の溝
39 ペン先側面部
40 円錐部
41 ストレート部
42 ペン先先端部
43 ペン先後端部
44 合成樹脂多孔質体のペン先
45 凸部
46 凹部
47 中継芯
48 放射状のインキ流通路を有する樹脂からなるペン先
49 外皮
50 放射状のインキ流通路
51 軸筒先端部
52 溝内部の側面部
L ペン先出長さ
W 溝の幅
H 溝の深さ
D ペン先外径
P 溝と溝の間の幅
Claims (5)
- 内部にインキ流通路を形成したペン先を、塗布具の軸筒の先端部から突出するように配し、該ペン先は、基部の外形が円形であり、側面部に少なくとも1つの溝を形成し、該溝を形成した位置における前記ペン先の横断面形状が、多角形、楕円形、または、円弧形状と平坦部とを有する形状の何れかであるペン先。
- 前記ペン先が繊維加工体又は合成樹脂多孔質体である請求項1に記載のペン先。
- 前記インキ流通路が放射状である請求項1又は請求項2に記載のペン先。
- 前記ペン先側面部の溝の幅がペン先外径に対して0.1〜0.5倍の範囲である請求項1から請求項3の何れかに記載のペン先。
- 前記ペン先側面部の溝の深さがペン先外径に対して0.1〜0.5倍の範囲である請求項1から請求項4の何れかに記載のペン先。
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